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JAIST Repository: 科学技術指標2016から見た日本

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 科学技術指標2016から見た日本 Author(s) 神田, 由美子; 伊神, 正貫; 村上, 昭義; 福澤, 尚美 Citation 年次学術大会講演要旨集, 31: 632-635 Issue Date 2016-11-05

Type Conference Paper

Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/13893

Rights

本著作物は研究・イノベーション学会の許可のもとに 掲載するものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Research Policy and Innovation Management.

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2G19

科学技術指標 2016 から見た日本

○神田由美子、伊神正貫、村上昭義、福澤尚美(文科省・NISTEP) 1.背景と目的 「科学技術指標」は、我が国の科学技術活動を客 観的・定量的データに基づき、体系的に把握するた めの基礎資料である。科学技術活動を「研究開発 費」、「研究開発人材」、「高等教育」、「研究開発のア ウトプット」、「科学技術とイノベーション」の 5 つのカテ ゴリーに分類し、約 150 の指標で我が国の状況を表 している。本稿では、「科学技術指標 2016」の主要な 指標から、主に製造業と非製造業のバランス・差異に 注目し、日本及び主要国の科学技術活動を把握す ることを目的とする1 2.研究開発費 (1)総研究開発費と部門別研究開発費 2014 年の日本の研究開発費総額は( 図表 1)、19.0 兆円(日本(OECD 推計):17.5 兆円) である。2009 年以降、ほぼ横ばいに推移していたが、 前年から 4.6%(日本(OECD 推計):4.8%)増加した。 米国は他国を圧倒しており、2013 年では 46.9 兆円で ある。中国は 2009 年に日本を上回り、その後も増加 し続けている。2014 年では 38.6 兆円である。 部門別では(図表 2)、主要国のいずれでも企業の 占める割合が最も大きく、この傾向は日本をはじめと したアジア諸国で顕著である。欧州主要国では比較 的、企業以外の割合が大きい。 (2)企業部門の研究開発費 主要国における企業部門の製造業と非製造業の 研究開発費について、各国最新年からの 3 年平均で 見ると(図表 3)、製造業の割合は日本、ドイツ、中国、 韓国では 9 割弱である。他方、米国、英国では製造 業の割合が 7 割、フランスは 7 割強であり、非製造業 1 本要旨は、研究・イノベーション学会第 31 回年次学術大会における発表のた めに、科学技術・学術政策研究所から公表された報告書[1]の内容をまとめたも のである。詳細は当該報告書を参照のこと。 の重みが他国と比較すると大きい。 図表 1 主要国における研究開発費総額の推移 名目額(OECD 購買力平価換算) 図表 2 主要国における部門別の研究開発費の使用割合 図表 3 主要国における企業部門の製造業と非製造業の 研究開発費の割合 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 12~14年 日本 10~12年 米国 11~13年 ドイツ 11~13年 フランス 11~13年 英国 12~14年 中国 12~14年 韓国 研 究 開 発 費 割 合 非製造業 製造業 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 1981 84 87 90 93 96 99 02 05 08 11 2014 研 究 開 発 費( 名 目 額) 年 日本 日本(OECD推計) 米国 ドイツ フランス 英国 中国 韓国 EU-15 EU-28 兆円 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 日本 日本 米国 ドイツ フランス 英国 中国 韓国 EU-15 EU-28 2014 2014 2013 2014 2014 2014 2014 2014 2014 2014 年 公的機関及び 非営利団体 大学 公的機関 非営利団体 企業 日本 (OECD 推計) 2014

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3.研究開発人材 (1)総研究者数と部門別研究者数 労働力人口当たりの研究者数(FTE2)を見ると(図表 4)、日本は、2000 年代前半は主要国の中で最も高い 値であったが、2009 年には韓国が日本を上回った。 部門間のバランスに注目すると(図表 5)、欧州の 主要国と比較して、日本、中国、韓国は企業の割合 が高い。過去 10 年程度の変化を見ると、日本や英国 ではどの部門でも大きな変化は見られない。その他 の国は順調に労働力人口当たりの研究者数を増加 させており、特に韓国における企業の労働力人口当 たりの研究者数の増加が著しい。 図表 4 労働力人口当たりの研究者数の推移 図表 5 労働力人口当たりの部門別研究者数の推移 (2)企業部門の研究者 主要国における企業部門の製造業と非製造業の 研究者について、各国最新年からの 3 年平均で見る と(図表 6)、日本は製造業の割合が約 9 割、ドイツ、 中国、韓国は約 8 割である。他方、米国は約 6 割、フ ランス、英国に関しては、製造業の割合が半分以下 2 研究者数の測定方法として、実数(HC: Head Count)によるものと、研究に従事 した割合を考慮した(FTE: フルタイム換算)の 2 種類がある。主要国の研究者数 は FTE によって計測されているので、日本と他国との比較を行う際は日本(FTE) を用いるのが適当である。 であり、非製造業の重みが他国と比較すると極めて 大きい。概要図表 3 で見た研究開発費における製造 業と非製造業のバランスと比べると、研究者の場合、 非製造業の研究者数の比重が高く出る傾向にある。 ただし、日本とドイツについては、研究開発費での製 造業と非製造業のバランスは研究者でのバランスと 一致している。 図表 6 主要国における企業部門の製造業と非製造業の 研究者数の割合 日本の産業分類別従業員 1 万人当たり研究者数 は、非製造業(53 人)よりも製造業(547 人)において多 い。最も多いのは「情報通信機械器具製造業」の 2,052 人である。次いで「業務用機械器具製造業」、 「医薬品製造業」が続く。 他方、非製造業で多いのは「通信業(553 人)」、次 いで「学術研究、専門・技術サービス業(308 人)」であ る。ただし、製造業と比較すると少ない傾向にある(図 表 7)。 図表 7 日本の産業分類別従業員1万人当たりの 研究者数(2015 年) 0 20 40 60 80 100 120 140 198183 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 労 働 力 人 口 一 万 人 当 た り の 研 究 者 数 日本* 日本(FTE) 日本(HC) 米国 ドイツ フランス 英国 中国 韓国 EU-15 EU-28 2014年 人/万人 0 20 40 60 80 100 120 140 労 働 力 人 口 一 万 人 当 た り の 部 門 別 研 究 者 数 企業 公的機関 公的機関と非営利団体 非営利団体 大学 ドイツ 日本(FTE) フランス 英国 韓国 グラフのデータは、左から2005年~2014年、中国は2009年~2014年 中国 人/万人 308 3 189 553 820 2,052 634 610 1,248 192 508 905 967 53 547 252 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 学術研究,専門・技術サービス業 金融業,保険業 情報サービス業 通信業 輸送用機械器具製造業 情報通信機械器具製造業 電気機械器具製造業 電子部品・デバイス・電子回路製造業 業務用機械器具製造業 鉄鋼業 石油製品・石炭製品製造業 化学工業 医薬品製造業 非製造業 製造業 全産業 人 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 13~15年 日本 10~12年 米国 11~13年 ドイツ 11~13年 フランス 11~13年 英国 12~14年 中国 12~14年 韓国 研 究 者 数 割 合 非製造業 製造業

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4.日本の理工系学生の産業分類別就職状況 理工系学部卒業者のうち就職者を産業分類別に 見ると(図表 8(A))、学部学生の「製造業」への就職 割 合 は 長 期 的 に 減 少 傾 向 に あ り 、 2015 年 で は 25.0%となった。他方、非製造業(研究、教育を除く) は増加しており、2015 年では 72.0%である。 理工系修士課程学生の就職者の場合(図表 8(B))、 「製造業」への就職割合は、1980 年代には 70%台で あったが、その後は減少傾向となり、2015 年では 55.6%となった。他方、非製造業(研究、教育を除く) は増加しており、2015 年では 42.2%である。 理工系博士課程学生の就職者の場合(図表 8(C))、 「製造業」への就職割合は概ね 30%前後で推移して おり、2015 年は 28.3%である。「教育(学校へ就職し た者など)」については 1980 年代半ばには 50%に達 したこともあったが、2015 年では 31.9%である。また、 「研究(学術・研究開発機関等へ就職した者など)」は 2015 年では 17.6%である。他方、非製造業(研究、 教育を除く)は、過去 10 年で微減しており、2015 年で は 22.2%である。 図表 8 理工系学生の産業分類別就職状況 (A)理工系学部卒業者 (B)理工系修士課程修了者 (C)理工系博士課程修了者 注:1)就職者数には「就職進学者」(進学しかつ就職した者)を含む。 2)サービス業関連の内訳は以下のとおり。 教育:学校へ就職した者等。たとえば大学の教員になった者はこれに該 当する。 研究:学術・研究開発機関等へ就職した者等(2003 年より計測)。 上記以外:情報通信業、医療・福祉等 3)非製造業のうち「その他」は、建設業、卸売り・小売業、金融・保険業、公 務等である。 5.主要国・地域別パテントファミリーの状況 各国・地域から生み出される発明の数を国際比較 可能な形で計測したパテントファミリー数を見ると(図 表 9)、1989-1991 年は米国が第 1 位、日本が第 2 位 であったが、1999-2001 年時点、2009-2011 年時点 では日本が第 1 位、米国が第 2 位となっている。日本 のパテントファミリー数の増加は、日本からの複数国 への特許出願が増加したことを反映した結果である。 主要国からの特許出願の国際的な広がりを見るた めに、パテントファミリーの出願先(自国への出願分 は除く)を見ると、日本は米国への出願が 43.0%を占 めている。過去 10 年で中国への出願割合が増える のに伴い、欧州への出願割合の重みは低下している。 米国ではアジアへの出願割合を増加させており、近 年、中国への出願割合が増加している。英国はドイ ツと比べると欧州特許庁よりも米国への出願割合が 高くなっている。中国からの出願では米国への出願 割合が増加している。 図表 9 主要国・地域別パテントファミリーの状況 (A)パテントファミリー数(上位 10 か国・地域) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1981 85 89 93 97 01 05 09 13 産 業 分 類 別 就 職 割 合 2015年 その他 サービス業関 連のうち教育、 研究以外 研究 教育 製造業 サー ビ ス 業 関 連 非 製 造 業 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1981 85 89 93 97 01 05 09 13 産 業 分 類 別 就 職 割 合 その他 サービス業関 連のうち教育、 研究以外 研究 教育 製造業 非 製 造 業 サー ビ ス 業 関 連 2015年 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1981 85 89 93 97 01 05 09 13 産 業 分 類 別 就 職 割 合 その他 サービス業関 連のうち教育、 研究以外 研究 教育 製造業 サー ビ ス 業 関 連 非 製 造 業 2015年 1999年 - 2001年(平均) 2009年 - 2011年(平均) 国・地域名 数 順位 国・地域名 数 順位 日本 42,731 1 日本 61,229 1 米国 41,554 2 米国 46,417 2 ドイツ 26,466 3 ドイツ 29,929 3 フランス 8,986 4 韓国 18,501 4 イギリス 8,338 5 中国 13,715 5 韓国 5,978 6 フランス 11,141 6 イタリア 4,361 7 台湾 10,892 7 オランダ 3,990 8 イギリス 8,453 8 カナダ 3,857 9 カナダ 5,807 9 スイス 3,362 10 イタリア 5,460 10

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(B)主要国・地域別パテントファミリーの出願先 注:1)自国への出願分は除いている。 2)パテントファミリーとは優先権によって直接、間接的に結び付けられた 2 カ 国以上への特許出願の束である。通常、同じ内容で複数の国に出願され た特許は、同一のパテントファミリーに属する。 6.国境を越えた商標出願と特許出願 主要国の状況を見ると(図表 10)、商標出願数より も特許出願数が多い国は、日本、ドイツ、韓国である。 特に日本については、その状況が顕著であり、他国 とかけ離れた状況にある。他方、商標出願数の方が 多い国は、米国、英国であり、特に英国は商標出願 数が最も大きい。2002 年から 2013 年の推移を見ると、 日本は、商標出願数については微増、特許出願数 については減少している。米国、ドイツ、フランス、英 国は、商標出願数は増加、特許出願数は減少してい る。韓国については、商標出願数、特許出願数の両 方が増加している。 図表 10 国境を越えた商標出願*と特許出願** (人口 100 万人当たり)

注:1)*国境を越えた商標数(Cross-border trademarks)の定義は OECD, “Measuring Innovation: A New Perspective”に従った。具体的な定義は以 下のとおり。 日本、ドイツ、フランス、英国、韓国の商標数については米国特許商標 庁(USPTO)に出願した数。 米国の商標数については①と②の平均値。 ①欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に対する日本と米国の出願比率を基 に補正を加えた米国の出願数=(米国が OHIM に出願した数/日本が OHIM に出願した数)×日本が USTPO に出願した数。 ②日本特許庁(JPO)に対する欧州と米国の出願比率を基に補正を加え た米国の出願数=(米国が JPO に出願した数/EU15 が JPO に出願し た数)×EU15 が USTPO に出願した数。

2)**国境を越えた特許出願数とは三極パテントファミリー(日米欧に出願さ れた同一内容の特許)数(Triadic patent families)を指す。

7.まとめ 第 5 期科学技術基本計画では、未来の社会として 「超スマート社会」において、ユーザーの多様なニー ズにきめ細かに応えるべくカスタマイズされたサービ スの提供、潜在的ニーズを先取りして人の活動を支 援するサービスの提供等の実現が期待されている。 これらは、極めて高度化されたサービスと考えること ができ、今後サービス業を含む非製造業においても 知識集約度の向上が求められる。 このような状況下での科学技術指標 2016 から見え る日本は、研究開発費、研究者数において、非製造 業への重みが小さい。更に、非製造業での従業員当 たりの研究者数が少ないことから、非製造業での研 究集約度は低いと考えられる。また、研究者予備軍と 考えられる理工系博士課程修了者において、非製造 業(研究、教育を除く)に就職する者は約 2 割であり、 微減である。 一方で、日本はパテントファミリー数では世界第 1 位を保っており、技術に強みを持っているといえる。 ただし、技術を生かした新製品や新たなサービスの 導入といった形でのマーケティング活動と関係のある 商標については、出願数が微増である。他国が商標 数を増加させている中では、日本はイノベーションと 市場の結びつきが弱いと考えられる。 日本が超スマート社会の実現を目指すには、今ま で科学技術の成果の普及が十分でなかった分野もし くは領域に対して、研究集約度を上げる必要がある。 そして、研究集約度をあげることにより、更なる価値の 創出が為されると考えられる。 参考資料 [1]科学技術・学術政策研究所「科学技術指標 2016」 (調査資料-251)2016 年 8 月 [2]第 5 期科学技術基本計画(平成 28 年 1 月 22 日閣 議決定) 中国 韓国 アジア(日中韓以 外) 米国 北米・中南米(米国 以外) 欧州特許庁 ヨーロッパ(EPO以 外) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 81 85 89 93 97 01 05 09 (a)日本 日本 中国 韓国 アジア(日 中韓以外) 米国 北米・中南 米(米国以 外) 欧州特許庁 ヨーロッパ (EPO以外) オセアニア アフリカ 中東 その他 WIPO 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1 WIPO その他 中東 アフリカ オセアニア ヨーロッパ(EPO以外) 欧州特許庁 北米・中南米(米国以外) 米国 アジア(日中韓以外) 韓国 中国 日本 日本 中国 韓国 北米・中南米 (米国以外) 欧州特許庁 ヨーロッパ (EPO以外) アフリカ 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 81 85 89 93 97 01 05 09 (b)米国 日本 中国 韓国 米国 北米・中南米(米国 以外) 欧州特許庁 ヨーロッパ(EPO以 外) アフリカ 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 81 85 89 93 97 01 05 09 (c)英国 日本 中国 韓国 アジア(日 中韓以外) 米国 北米・中南 米(米国以 外) 欧州特許 庁 ヨーロッパ (EPO以外) オセアニア アフリカ 中東 その他 WIPO 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1 WIPO その他 中東 アフリカ オセアニア ヨーロッパ(EPO以外) 欧州特許庁 北米・中南米(米国以外) 米国 アジア(日中韓以外) 韓国 中国 日本 日本 韓国 アジア(日中 韓以外) 米国 北米・中南米 (米国以外) 欧州特許庁 ヨーロッパ (EPO以外) アフリカ 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 85 89 93 97 01 05 09 (d)中国 10年 10年 10年 10年 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 20 40 60 80 100 120 140 160 商 標 出 願 数( 人 口 1 0 0 万 人 当 た り ) 特許出願数(人口100万人当たり) 日 本 米 国 ドイツ フランス 英国 韓 国 '02 '13 '13 '02 '02 '13 '02 '13 '02 '13 '02 '13 * **

参照

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