現代社会と会計情報
中 島 照 雄
会計学研究室A Study of Citizen Life Accounting (1)
Present Society and Accounting Information
Teruo NAKAJIMA
Accounting 群馬大学社会情報学部研究論集 第16巻 197∼216頁 別刷 2009年3月31日 reprinted fromJOURNAL OF SOCIAL AND INFORMATION STUDIES No. 16 pp. 197―216
Faculty of Social and Information Studies Gunma University
Maebashi, Japan March 31, 2009
市民会計の一 察⑴
現代社会と会計情報
中 島 照 雄
会計学研究室A Study of Citizen Life Accounting (1)
Present Society and Accounting Information
Teruo NAKAJIMA
AccountingAbstract
This report for Sustainable Society gives the expansion of Accounting Information for the Present Society, is presented as follows:
1. Introduction-Social Information and Accounting Informatio-.
2. Asymmetry of Information and Disclosure ― For Sustainable Society―. 3. Issues of the Present Society and Citizen Life Accounting.
4. Environmental Policy ― Extended Producer Responsibilities and Wastes―.
5. Generational Accounting ― Social Security; Public Pension,Health and Long-Term Care ―.
6. Public Sector Accounting in Local Government and Accounting for Nonprofit Organizations (Next Journal).
7. Conclusion (Next Journal).
In the above chapters, I have investigated various issues of Citizen Life Accounting for Sustainable Society.
Keywords: Sustainable Society, Citizen Life Accounting, Envronmental Policy, Generational Accounting, Social Security, Public Pension, Health and Long-Term Care, Accounting Information.
1.はじめに ―社会情報と会計情報― 2.情報の非対称性とディスクロージャー ―持続可能な社会を築くには― 3.現代社会の諸課題と市民会計 4.環境政策 ―拡大生産者責任とゴミ― 5.世代会計 ―社会保障;年金と医療・介護問題― 6.自治体 会計と NPO会計(次巻に掲載予定) 7.おわりに(次巻に掲載予定) (注)(参 )(謝辞)
1.はじめに ―社会情報と会計情報―
私が群馬大学社会情報学部に移籍した年に開催された「社会情報学シンポジウム第3回(1995年9 月29日)」において、私は発表の機会を賜った、発表のテーマは「社会情報と市民会計の一 察―社会 関連会計について―」 で、本テーマと同じである。 シンポジウムのなかでは日本社会情報学会の設立が検討され、翌1996年に「日本社会情報学会第1 回研究大会(1996年11月16日・17日、開催 ・大妻大学)」が開催された。 このシンポジウムに、本学部では前野和久教授と私の2人が発表者になった。これを機会にその後、 「社会情報とは何か」について前野教授とは個人的に随 議論を わし、大きな示唆を受けた。しか し、残念なことに前野教授はその後、鬼籍に入られてしまった。 私の研究テーマは、それまでは主に企業会計が中心だった。本学部 設に伴い移籍した私は、社会 情報と会計情報の融合に向けての研究がテーマになった。移籍直前に叙述した2つの拙稿、「社会情報 と市民会計」や「社会関連情報」 が新しい研究の始まりとなった。この研究は、現在も続いている。 社会情報と会計情報の融合に向けての研究は、従来の会計情報を拡大して、会計情報の機能を「社 会的用具」として捉えている。そして、会計の 命とは、「金銭文明の病の医者」を目指すことにある と位置づけた。このような機能や 命を 慮するには、会計情報を市民社会的アプローチとして捉え る「市民会計」という新しい視点が必要になる。また、具体的には、社会に対して信認と透明性を担 保するインフラ(会計制度)の確立を目指すことである。 以下、現代社会の諸課題を熟慮しながら、「市民会計の一 察―現代社会と会計情報―」を叙述する。2.情報の非対称性とディスクロージャー ―持続可能な社会を築くには―
現実の多くの市場では、一般的に買い手は購入する商品(財・サービスなど)について売り手と同 じだけの情報をも持っているわけではない。このような不完全な市場経済では、伝統的経済学が主張 するような市場メカニズムは円滑には働かないものである。現実に経済取引が行なわれるときは、取引の当事者全員に必要な情報は行き渡らず、ごく一部の当 時者だけに情報が偏在する現象がある。この現象を「情報の非対称性(asymmetry of information)」 という。そこで、生産物市場や労働市場、資本市場などにおいて、情報の非対称性が原因で市場が処 理できないとするならば、その解決のためにどのような社会の仕組みを設けなければならないかが重 要になる。 ここでは会計情報について えてみる。会計情報のディスクロージャー(情報開示、disclosure sys-tem)の主たる目的は、経営者が持っている優位な情報を投資家などに伝えて 平な取引ができるよう にし、資本市場を正常に機能させることである。経営者が会計情報をディスクロージャーすることで、 投資家などに対して保守的リスク評価を避けるように促し、さらに、そこには企業価値を高めようと する目的もある。 しかし、その情報には時折バイアスがかかっていて客観性に欠けることがあり、投資家の評価に影 響を及ぼすことは否めない。経営者と投資家などの間には、どのような情報をどんな方法で開示する のがベターなのかが課題になる。両者にとって、この開示がプラスになるような会計制度を社会に形 成しなければならない。 資本市場のディスクロージャー制度は、市場参加者間の私的契約のみに止まらず、 的規制として の性格を備えなければならない。たとえば、資本市場が競争的でなければ、内部情報を出さなくても 企業価値は損なわれるものではない。この場合、経営者側の自発的開示は難しくなる。そのため 的 規制は不完全な市場競争を補完するという役割も担うものでなければならない。 経営者からの自発的なディスクロージャーでは、投資家などはその情報のバイアス を見込んでリ スクを評価している。経営者自身はディスクロージャーの真偽を保証する行動をとらざるえなくなる。 そこで、会計基準や独立監査人監査などが、偏った私的契約や慣行を標準化するインフラ(社会制度) として、機能することが重要になってくる。
情報の非対称性には、逆選択(adverse selection)やモラルハザード(moral hazard)を発生させ る危険がある。これらを解決するには、会計制度が一層、活用されなければならない。企業が強制さ れたディスクロージャー以外に、自主的なディスクロージャーを十 に行なって会計制度活用の効果 を上げれば、情報の非対称性は小さくなり、逆選択を回避することにつながる。 持続可能な社会や持続可能な組織の運営を、今後目指すならば、私たちの意思決定のなかには課題 がある。情報の非対称性があるなか、さらに、環境問題や社会問題では、「見えざるコスト」の認識や その把握などの課題を、私たちは十 に理解することが急務になる。
3.現代社会の諸課題と市民会計
3.1. 現代社会の諸課題 ―見えざるコスト(それは隠れた負債に累積する)の認識― 戦後60年余が経って、日本社会は世界に類を見ないスピードで経済的繁栄を手にした。しかし現在、 多くの社会問題を抱えている。この問題は、私たちの目に見え難い形で次々と進行し、未だ十 な対 策がとれないのが現状である。 現在、私たちの社会には、次の諸問題が迫っていることを知る必要がある 。 先ず、2006年問題がある。これは、既に始まっている地方自治体のマネジメント問題である。地方 自治体は、それまで国を保証人にして多額の地方債(借金)を発行して自治体経営を行っていた。し かし、これからは国から保証されずに、自主自立の自治体経営に移行している。地方債発行に必要だっ た国の許可制も廃止され、それと同時に、地方債に対して国の担保も外れた。自治体は 募債権とい う、新たな資金パイプを作る市場時代に突入している。それには、自治体に財務内容が問われていて、 「自治体 会計」が重要になる。 つぎに、2008年問題がある。これも既に始まっている、国に大量の国債の償還期を迎えている。1998 年の景気対策として大量発行された10年物の国債が償還期を迎え、借換債の発行が急増する。そこで、 「政府 会計」の中味の真価が問われることになる。なお、アメリカでの金融パニック発生(サブプ ライムローン問題)から、現在、混迷する国際経済の情勢に日本も入っている。 続いて、2008年∼2012年問題がある。これも既に始まっている環境問題である。企業および国民に は、地球温暖化防止の京都議定書の目標を達成するために、環境コストがこれまで以上に負担となる。 家 からの家 系一般廃棄物(以下、単にゴミという)の減量化も必要不可欠になる。 さらに、2010年問題がある。企業には、団塊世代(1947年∼49年生まれ)の大量退職の時期を迎え る。そこで、企業には退職金不足などが懸念されてくる。国や自治体職員にも同様に、結局全ての組 織体にとっては、多額の退職金の財源調達にも迫られてくる。 また、2015年以降の問題がある。高齢化率が現在(2005年)の約20%(世界最高水準)から超高齢 社会(21%超)に到達して約26%へ上昇することが予想される。それは、人口の減少と年金受給者の 増大で、将来、年金支給額の低減や、支給年齢の先送りを含む社会保障(年金・医療・介護の三点セッ ト)の抜本的改革が必要になる。これまでのような、部 的な一時しのぎのパッチワーク的な社会保 障改革では、とても将来に向かって、安心を確保することは出来ない。将来、社会保障制度が破綻し ないような抜本的制度設計が、早急に必要である。 国や自治体が社会システムを運営する時に、自転車操業的な運営や無責任なツケの後回しなどが、 決してあってはならない。また、その際、教育や少子化対策などに対する予算措置を、安易に削るこ とがあってはならない。「持続可能な社会や企業を構築」するには、貴重な人的投資の増加こそが必要 であり、けっして削減は避けなければならない。 安全で安心して暮らしていくための「持続可能な社会や企業を構築」するには、環境コストや社会コストを先送りしてはならない。それには、その都度正確に現状 析して、「見えざるコスト」や「隠 れた負債(万一、見えざるコストを先送りするならば、隠れた負債の累積になる)」の認識をすること である。 見えざるコストなどを究明することは、今後、コーポレイト・ガバナンス(企業統治)やソーシャ ル・ガバナンス(社会統治)にとって必要不可欠といえる。この見えざるコストは、新しい社会をデ ザインする重要なキーワードになる。 3.2. 市民会計 ―会計機能に社会的用具・会計 命に金銭文明の病の医者― 企業をとりまく社会は大きく変貌している。社会問題や地域問題、消費者問題、 害問題・地球環 境問題などに直面している企業は、いかなる行動をとるべきかが、現在、強く問われている。 市民も市民社会を一層成熟したものにしなければならない。社会的インフラが整備され、良識ある 市民による監視システムが機能する成熟した市民社会にならなければ、市場経済そのものが危うくな る。このようなことを、私たちはしっかりと理解しなければならない。また、企業をはじめとする全 ての組織体には、財務的ディスクロージャーや非財務的ディスクロージャーが必要になっている。 社会の変革や企業をはじめとして全ての組織体の変貌、そして、市民社会が成熟する展開のなかで は、「会計情報の機能とは何か」が問われるのである。 それに対して、会計が、単に個別企業の私的な計算用具にとどまらず、「社会的用具」として社会 共的性格を有し、動的社会秩序の形成要因としての機能を発揮すべきである 。 会計は単に企業および全ての組織体に奉仕するばかりではなく、企業および全ての組織体をとりま く社会に機能するものである。 つぎに、「今後の会計の 命については何か」が問われてくる。 それに対しては、資本主義経済と呼ばれる場合、われわれはその弊害や欠陥にまず眼をつける。そ れらの弊害や欠陥は本来の本性に根ざす根強いものだが、是正することが社会工学的に絶対に不可能 というものではない。その欠陥の最たるものは金銭文明の弊害だが、われわれは根気よくそれを退治 しようと思っている。会計学という学問ないし制度は、金銭文明の申し子なのだ。会計学は金銭文明 の奴隷としても十 に働いてきたが、「金銭文明の病の医者」として職を求めているのが、私の政治会 計学である 、という指摘がある。 そのため、現代社会の課題を「市民生活の視点」から把握することに必要性が生じている。新しい 社会システムを構築するにあたり、社会がいかに成熟した市民社会に進展しているかが重要になる。 それには、企業および全ての組織体の活動に対して「市民社会的監視や制御」がいかに機能するかが 大切なことになる。そこで、会計情報においても「市民への拡大化」が必要になり、「市民会計」とし ての視点が出てくる。 そこで、伝統的な制度会計にのみ依存することなく、今後の会計では、広範囲なフレームワークを 策定する時期にきている。
市民生活会計とは、情報(財務や非財務を含む)の利用者の立場に立脚し、その作成(参画も含む)・ 収集・加工・ 析・評価を行う領域である。市民生活の会計領域において、一方におけるその一層の 化と、他方における政治・経済というマクロ面にリンケージされるという意味での統合(化)が、 今後、重要な意義をもっと えられるが、その一つの方向として市民生活あるいは、 衆の利益(public interest)に対する貢献が重要とされる。今日、企業、市民生活(社会)、 的組織という組織を網羅 し、グローバルな意味で環境・資源の有効活用に視点をおいた相互にバランスのとれた協調的発展が 望まれる段階である 。 このように、会計情報からも市民社会的アプローチとしての市民会計が必要になってくる。そこで、 本稿で具体的課題を示すならば、次の3つがある 。 第1に「環境資源問題」では、環境コストを市場価格に組み入れねばならないという課題である。 これからの社会は循環型社会の実現であり、製品ライフサイクルコストを えなければならない。企 業の負担能力を超えるような汚染が、万一発生したと仮定すると、それをしっかりと監視出来なかっ た国民の責務も問われるのである。被害者である国民の犠牲とともに、その救済に国民負担( 費支 出)の恐れが生じる。そのためには、企業は従来の「資本の利害」だけではなく、「社会の利害」や「自 然の利害」に対するアカウンタビリティも必要になってくる。 1970年(昭和40年)代は、約100年前に発生した足尾鉱毒事件の後処理や、当時の美濃部東京都政の ゴミ戦争対策、さらに、チッソ水俣病を初めとする四大 害病の対応、そうして、この頃から始まっ たワンウエーシステム( い捨てシステム)の出現に対する経済面(社会的費用)の負担が大きく生 じてきた。そこで、プラスチック製品の い捨てに対しては、当時、経済的負荷として「プラスチッ ク税(仮称、 害税)」の導入の提起も生じた。だが、その実現の兆しどころか、そうした話題さえも、 当時は皆無に近かった。 第2に「高齢少子化問題」では、高齢社会に突入で社会保障改革が急務という課題が出てきた。改 革の動向によっては、年金および医療・介護などで企業に負担の上昇も危惧され、法定福利費の大幅 な増加が見込まれる。企業会計には多大な影響が及んでくる。そのために、元気で働ける人には、生 涯現役で働く「エイジレス・ソサエティ(ageless society、生涯現役社会)」を目指してもらい、各人 に国民負担においては、それぞれ応 の負担をしてもらうことも望まれている。 ところで、社会のセーフティーネットのコストを えると、単に効率性指標の提供にとどまらず、 文化の多様性に応え、サービスの質的選択も評価できるような新たな指標が必要となる。国民が、単 なる消費者というよりは市民へと成熟して、関心が量から質へと移り、損得勘定ではとても説明でき ない経済行為も発生する。今後はこうしたコスト意識に基づいた意思決定がなされて、変化する社会 意識に加味された文化的思 をも必要になる。それには、「文化会計 」として新たな展開の必要性が 生じている。 社会保障制度などを、世代間負担の状況から把握する「世代会計」という視点から鳥瞰すると、改 めて社会保障システムはどのように えればベターなのかが問われてくる。
特に、財政問題から社会保障システムを見ると、将来の社会保障運営は厳しい状況になるものと予 想される。これからの社会保障の負担システムは、現行のままに「保険の原理」でいいのか、それと も「税の原理」の導入が必要なのか。また、税の原理を導入するにしても大衆課税か、所得課税の付 加税がよいのか、などと展開がいろいろと えられてくる。 第3に「 会計(自治体 会計と自治体マネジメント)や NPO会計(NPO会計と NPOマネジメ ント)」の課題がある。背景には、 ( 共・ 益)に対して個人が積極的に参加する「新しい 」の 確立がある。今までになかった官と民の間に新たな緊張感が生まれている。官(第1セクター)や民 (第2セクター)や NPO法人((第3セクター)のようにオーナーシップの異なる組織には、 全な マネジメントを用いた発展が必要とされている。これからの会計は、企業会計と 会計が両輪で展開 し、さらに、NPO会計の進展も必要となる。 会計の発展こそが、企業評価や行政評価、NPO法人評価に繫がり、企業経営や行政管理(行政経営) の変革に、また、NPO法人経営の確立に貢献するのである。 以上、今後、予想される現象の一部を掲げてみた。 全な社会発展には、当然、国・自治体や、企 業、非営利組織体などの情報が真の担保にならなければならない。各組織体の開示情報の品質を保証 するのが会計制度ならば、それを担う会計人は社会経済システムの真の保証人になることが望まれる。 「社会および組織を構築する会計」の役割が、私たちに問われているのである。 続いて、第1の環境政策、第2の世代会計、第3の自治体 会計と NPO会計についてを、以下に展 開する。
4.環境政策 ―拡大生産者責任とゴミ減量化―
4.1. 自然という資本 ―生態的アプローチ― 現代の文明は、地質時代(何百万年)を経た化石燃料(石炭・石油)を濫用し、かつ汚染まで引き 起こしている。これは自然から引き継いだ、いわゆる「自然という資本」を食いつぶしているのであ る 。 日本は京都議定書に基づき、第一約束期間(2008年∼2012年)に、1990年比で6%の温室効果ガス 排出量の削減が国際的にも義務付けられている。生産者はもとより消費者も、環境に対する取り組み を、今後一層厳しく迫られるようになる。 環境問題を経済学上に登場させたマーシャル(Marshall,A.,1842-1924)は、「敷地価格高騰の原因 は人口の集積にある。……空気・陽光を確保するには巨大な経費がかかる。こういう土地には共通の 税・空気浄化税(fresh air rate)といったものを賦課する 」と指摘している。再利用システム化には、「資源循環の 合施策に関する研究(渡辺グループ)」の成果がある。この 研究には、プラスチックや鉄、アルミニウムなどのリサイクル・システムアプローチ(「生態的アプロー チ」)で、政策科学的手法や社会工学を採用してリサイクル工学(破壊工学も含み)やプラスチック税
などを提起した。これは、当時(1970年代)から始まったワンウェアーシステム( い捨て)に対す る最初の提起(警鐘)であった 。 4.2. 事業者に「見えざるコスト」の認識 ―拡大生産者責任と環境会計― 日常生活や事業活動から生じる環境負荷は大きいので、事業者には「拡大生産者責任(Extended Producer Responsibility、以下、EPR という)」が求められ、市民には日常生活で生じる「家 系一 般廃棄物(以下、単にゴミという)の減量化」が求められる。 環境政策には、直接的規制と間接的経済的手法(誘導的手法)の2つがある。環境負荷行動には、 適切なコストを経済システムに包含し、社会的誘導の市場メカニズムを通じて環境負荷を減少させる 政策(経済的課徴金や環境税などの導入)を必要とする 。 「物づくりがゴミづくり」にならないように、企業はコストターゲット(原価企画)の段階で、「製 品ライフサイクルコスト」のしっかりとした え方を必要としている 。製品ライフサイクルコスト の え方は、大量生産・大量消費・大量廃棄のこれまでの社会に対して、エコロジー(生態)・アプロー チを迫っている。エコロジー・アプローチとは、生産者に「見えざるコスト」を暫時認知させ、足尾 鉱毒事件や四大 害問題(水俣病など)のように、無関係な第三者に被害(環境コストを外部化)を 与えてはならない。また、消費者の 用済みの製品の回収には、デポジット(預かり金)制度の導入 を実施して、消費市場から 用済みのものを完全に回収することが大事である。 生産者が環境コストを内部化(市場価格に包含)することは、最終的には価格転嫁で消費者負担と なる。そこで、生産者が価格上昇で需要下落を避けたいとするならば、廃棄処理やリサイクルの費用 を可能な限り減少するように促し、生産者に対して企業努力のインセンティブが働く。 EPR に対する今後の展開では、ゴミ処理負担が自治体負担( 租負担)から事業者負担に転換され、 消費者自身の負担(受益者負担)にシフトされることが必要である。それには、現在、主に大企業が 実施している「環境会計」をツールにして環境経営を、今後は中小企業や国・地方自治体はじめ、病 院や大学など全ての組織体が、「環境会計」をツールにして環境経営を実施することが必要である。な お、環境経営においても、当然、数値に基づいた目標管理を実施することであり、成行管理では、当 然、環境経営にはならない。 経営には、いわゆる、「PDCA サイクル(Plan-Do-Check-Action)」の確立が必要である。企業経 営や自治体経営、さらにはどんなマネジメントにおいても、先ずは数値に基づいた実施目標(成果指 標)などを明らかにして、次ぎにそれに向かって実施し、その後にその目標値の達成率などを評価し て、次ぎへの改善に役立てることが肝要である。 4.3. ゴミ減量化 ―地域環境課徴金(ゴミ有料化)と廃棄物環境会計― ゴミは1989年度以降、日本では年間約5,000万tの排出がある。2006年度の 排出量は5,202万t(国 民1日1人当たり1,115g)で、排出形態別では家 系ゴミが3,316万t(約64%)、事業系ごみが1,581
万t(約30%)である。2006年度のゴミ処理事業経費は1兆8,633億円であり、国民一人当たりゴミ処 理事業経費は14,600円となる。市町村と住民団体によるごみ 資源化量は1,021万t、リサイクル率は 約20%である。 循環型社会づくりを進めるには、特にゴミ容積の約6割を占める容器包装などを、今後、一層資源 化するように努めなければ、さらに、大きく減量化は進まない。 ところで、容器包装リサイクル法による市町村による回収に拘わる費用は大きく、いわゆる、リサ イクル 乏によって市町村の負担が重くなっている。このような市町村の負担では、事業者や市民に、 ゴミ減量化の取り組みへのインセンティブが機能し難い。結局、ワンウェアーシステム( い捨て制) からツーウェアーシステム(再利用制)へと、流れを転換することが難しい。さらに、リターナブル びんの回収費用は事業者の負担であるが、 い捨て容器の回収・廃棄費用の大部 は市町村の負担に なっている。そのため、リターナブルびんの 用は、コスト競争も加わることで、年々激減している のが実情である。 ところで、 い捨て容器を廃棄する消費者が、必ずしもその市町村の「納税者」とは限らない。さ らに、 い捨て容器の廃棄に気を配ってゴミの減量化に努力する納税者がいれば、その逆に、減量化 の努力を怠る者および全く無視する者もいる。これでは、廃棄費用の負担において「 平性の原則」 が成り立たないものである 。 今後、市民生活では、「混ぜればゴミ、 ければ資源」という、 別収集の徹底が必要になる。さら に、消費者には、特に「3R」の実施が問われている。3Rとは、第1に先ず根本的にゴミとなる製 品を減らす(リデュース、Reduce)ことである。次の第2に、繰り返し うこと(リユース、Reuse) である。その後の第3に、再 用不可になってはじめて原料化する(リサイクル、Recycle)のである。 資源節約と環境負荷低減に対して合理的順位付けとして、3Rの優先順位を必要とする。単に 別収 集やリサイクルだけでは、根本的な環境の解決にはならない。 ゴミ減量化には地域環境課徴金(いわゆる、ゴミ有料化)の導入も、市民がゴミ減量化に向くため にインセンティブの一つとなる。ゴミ有料化には排出量の抑制効果を促し、かつ、ゴミ処理の業務資 金を一部的にも調達することになる。この資金で、環境施策補助金や環境教育等を促進して、環境政 策が一層の進展が望まれる 。 2006年度の自治体1,827のなかで、ゴミ有料化の自治体は1,347(約74%)で、有料化する自治体は、 現在、増加している。 市町村のゴミ処理事業は、以前の 衆衛生の向上や 害問題の解決の役割から、現在、リサイクル や適正処理による循環型社会形成を担う役割へと変化している。ゴミ処理の在り方も、従前のコスト や最終処 量などによる評価だけでなく、環境負荷や提供サービスなど多様な効果を 慮した費用対 効果・環境効率からも評価される。このような評価をするには、「廃棄物環境会計」の確立および積極 的導入が、今後、不可欠になる 。
4.4. 回生産の原理と国際貢献 山林が荒れれば、そこから流れてくる川の影響で、海も荒れて海の幸が育ちにくくなる。海の人間 (漁師)が海の幸(牡蠣の養殖など)を育てるには、その海に流れてくる川の源流である山間地に、 豊かな森林(既に、「牡蠣の森」があるように)を育てることが大切である。ここには、経済的視点か らいわれる「 回生産の原理」が存在する。 都市部(川下)が継続的に安全な飲料水を確保するためには、都市部に流れ込む川の山間部(川上) の森林が、いわゆる自然のダムとして洪水を防ぐ効果や、かつ保水効果が発揮されるように、私たち がしっかりと豊かな森林を守ることが大事であり、特に都市部の市民にこのことを充 に知ってもら う必要がある。それには、既に一部実施している山林を守るための「森林税」の負担を、都市部(川 下)の市民には、一層「応 の負担」をすることは当然のことである。 また、地球温暖化を防止するために、「温暖化対策税(仮称・環境税)」の導入も必要である。これ により、京都議定書の削減義務の達成と長期的な二酸化炭素排出量の削減をする。石油・石炭などは 輸入段階や精製段階で課税する。 ただし、こうした財源を、現在一般財源が乏しいとの理由で、単に一般財源化をすることはとても ベターとはいえない。その 途には、省エネ住宅などとして家 での取り組みへの支援や、燃料電池 車・低 害車の普及などや、二酸化炭素排出量の削減に取り組む優良企業への支援や技術開発や温暖 化対策のための財源となる目的税にすることである。 今後、国際的約束の京都議定書を厳守するには、官民一体になって生産者や消費者市民に対して、 環境に対する取り組みの実現を具体的、かつ厳しく迫らなければならない。 日本の企業は生産拠点の移動で、東アジアなどに見えざるコスト( 害コスト・環境コストなど) の移転をしてはいけない。日本国内で 用禁止の農薬などを、東アジアなどで 用し、その農産物を 輸入して、私たちの食卓に上げることは絶対に避けなければならない。こうした国外に投げたつもり が手元に戻る、いわゆる、負のブーメラン効果はけしてあってはならない。 日光国立 園山岳地帯の立ち枯れの原因には、酸性雨の影響といわれている。その酸性雨の原因に は、都市圏での生活スタイルのモータリゼーション化による原因や、さらに、酸性雨の原因物質を含 む大気の塊(黄砂)が中国から飛来している。 環境問題の解決には、単に自国の環境対策だけでは解決に結びつかない事を意味する。 4.5. 環境問題に価値観 ―環境家計簿とカーボン・フットプリント― 今日の環境問題の多くは、日常生活や通常の事業活動から生じているので、生活をはじめ、全ての 活動の隅々まできめ細かな対応が必要である。ごみ減量化からいえば、市民自らが排出者であり、か つ、環境負荷を与えている本人であることを、ここでは自覚して生活行動をしなければならない。ま た、循環型社会の形成に向けたライフスタイルへの見直しにも強く進めなければならない。 そこで、私たちの生活のなかに、「環境家計簿」や「カーボン・フットプリント(carbon footprint、
炭素の足跡)」などといわれる二酸化炭素(CO )排出量を数値換算した指標の活用が、今後、速やか に実施することである。これによって、CO 排出量の「見える化」をして、私たちの生活のなかで CO 排出量の削減に努めるように促す。 環境家計簿とは、家 生活で消費する電気やガスなど身近なエネルギーの 用量やゴミの量を記録 し、家 から CO 排出量を数値化して、CO 排出量の削減を目指すことである。 また、カーボン・フットプリントは、商品製造や販売などそれぞれの段階で、エネルギーを い CO を発生したことに相当した換算量のことで、それら足跡を合算した数値で表している。これは消費者 が商品購入する際の選定理由の1つとして、消費による環境負荷がイメージできるように、「CO の見 える化」をする取り組みである。 ここでの見える化とは、製造や配送、販売、廃棄の各段階でどれだけ CO を出しているかをそれぞ れ算定して、表記するシステムである。CO の見える化は、商品包装の外側に CO の 合計重量を表 示して、全ての事業者と消費者の双方に、CO 排出量の自覚と認識をさせて、排出量の大幅な削減を 促すことが目的である。 カーボン・フットプリントは、イギリスでポテトチップの包装に表示されたのが最初(2007年5月) である。これには一袋で CO 排出量が75ℊと記入され、さらに75ℊの各段階での割合は、じゃがいも 栽培に44パーセント、製造に30パーセント、包装に15パーセント、配送に9パーセント、廃棄に2パー セントなどと記入されていた。 現在、国際機関である国際標準化機構(ISO)の技術委員会では、カーボン・フットプリントをどの ような基準で算定するかの検討を行い、標準化を目指している。他方、日本では、「カーボン・フット プリント制度の実用化・普及推進研究会(経済産業省、2008年6月発足)」が設置され、その算定や表 示方法などの検討を始めている。 また、企業活動に伴う排出量や削減量を開示する「炭素会計」のルールづくりも、今後、速やかに 進めることが大事になる。これら以外にも、さらに「ウォーター・フットプリント」や「フード・マ イレージ」などが、今後、私たちの日常性格のなかで新たな展開も必要になってくる。 ところで、ライフスタイルの変革は一人ひとりの価値観の変化をも伴い、豊かさのとらえ方にも変 化が生まれる。新しいライフスタイルは、必ずしも環境への配慮を中心目的としたものではないが、 物の豊かさから心の豊かさへ、地球環境は無限なものから有限なものへ、商品は量から質へ、環境に 配慮した生活は質素からおしゃれでかっこいいと、持続可能な社会の構築に向け、一人ひとりに発想 の転換が求められている。日常生活や地域など足元からの取り組みが持続可能な社会へ変革を確実な 第一歩であることはまちがいない。 このように、環境問題には特に価値観が大事になってくる。それには、「環境に優しい人づくり」が、 「どのような環境制度をつくること」よりも優るものである。 環境に優しい社会形成をするために最も大事なことは、結局、教育こそ必要になる。
5.世代会計 ―社会保障;年金、医療・介護問題―
5.1. 高齢社会と世代会計
現在、先進諸国は高齢化が進展している。国連指針では、老齢者の全人口に占める比率が7%を越 えると「高齢化社会(aging society)」といい、14%を越えると「高齢社会(aged society)」、21%を 越えると「超高齢社会(super-aged society)」という。 日本は、1970年に高齢化社会に入ってから か24年の1994年には高齢社会になり、他の先進諸国に 比べて高齢化のスピードが際立っている。さらに、2007年に、既に超高齢社会にも入ったといわれて いる。予想される高齢社会の進展のなかでは、特に財政運営を怠ると、財政支出の膨張や財政の危機 的状況までをも招く。従来のシステムをそのまま維持していくならば、今後の世代間の 正な配 が 難しくなってくる。 これに関しては、次の指摘がある。 高齢社会の課題は、結局、社会の配 問題(資源配 の適正化)にある。配 問題は、租税負担、 所得移転、社会保障制度、資産利用、環境・資源の利用(回復)などについて、世代間の 正な配 を意味する。伝統は価値を世代間にいかに継承するかという問題であって、市場価値を超えた資源・ 資産、資金、風土・風俗、芸術などの価値の伝達を意味する。また、生命・欲求は、従来の市場経済 では存立し得ないところの、市民生活に立脚する非市場的要素がより強化される特質をもつものと える。…(略)…そこで、「文化会計」の領域の一つに「継承 ―世代会計(医療、年金・介護問題)―」 が提示される 。 「世代会計(Generational Accounting)」については、コトリコフは財政赤字が財政政策のスタン スを示す適切な指標ではないと主張して、それにかわる指標に、世代会計を提唱した 。 世代会計は、出生年齢別の各世代の生涯にわたる政府からの純受益額の現在価値(世代勘定)を計 測する。現在から将来にかけての政府の収入と支出を世代別に 解し、生涯を通じた純負担を割引、 現在価値を世代別に算出する。各世代別に、政府に対する支払い(税金納付、年金負担、国債購入な ど)と政府からの受け取り(補助金の受け取り、年金給付、国債の利払いの受け取りなど)を一生の 間に累計でどれだけ授受するかを計算し、世代別損得勘定を確定する。
消費者行動が、ライフサイクル仮説(life cycle hypothesis 、F・モヂリアニーらの仮説。消費・ 貯蓄を行う個人は、生涯所得の制約で 途を計画する)により説明が可能ならば、世代会計は政策の 影響を適切に表現する指標ということができる。その利用からは、問題解決の先送り(将来世代に負 担を回す)を明瞭に証明できるものといわれている。 5.2. 高齢社会と企業 高齢・少子化が急進する中で、社会は構造転換期を迎え、企業経営の面では労働力の高齢化が進み、 生産年齢人口の減少や、社会保障関連の企業負担の増加などが予想されている。政府は、他の先進諸
国と同様に、社会保障の改革で、社会保障の負担増加と給付減少の二者択一、または同時進行までを も迫っている。こうした改革により、企業や家計にとっては負担増加に繫がるものである。企業には 人件費の中で、特に、法定福利費(厚生年金・ 康保険、介護保険や雇用保険等の事業主負担)を大 幅に押し上げる影響も生じてくる。法定福利費とは、企業にとって 的性格の費用で租税と類似する が、利益のみに負担する租税とは異なり、業績に関わらずに雇用者の報酬月額水準により企業支出を 余儀なくされるものである。 従業員雇用に伴う雇用主負担が上昇してくると、企業がなぜこうした負担をしなければならないの か、という反発が生じる恐れがある。しかし、不確実な 康に対処した被用者が 康を確保して企業 勤務を可能にするには、やはり 康保険がなければならない。また、これは現実にあってはならない が、企業による雇用調整には失業保険(雇用保険)が整備されていなければならない。さらに、年齢 による退職制度(定年制)を適用するには、厚生年金保険などの老齢・退職年金が用意されていなけ ればならない。このように、企業にとっても、これらの制度が社会的に整備されていなければ、とて も経営が困難になってくる。企業には、結局、社会的仕組みの受益者にもなり、かつ、当然に負担す ることになる。 5.3. 年金問題 ― 的年金(世代間扶養)と私的年金(自己扶養の原則)― 年金には 的年金と私的年金がある。 的年金には、世代間扶養(一部積み立てがあるが、原則的 には賦課方式)で 平給付を目的として厚生年金や共済年金、国民年金などがある。私的年金には、 自己扶養の原則(積立方式)でより高い給付を目的として企業年金や生命保険の個人年金保険などが ある。年金制度には、全国民が受け取る国民年金(基礎年金)と、勤務者加入の厚生年金( 務員な どは共済年金)の2つの 的年金がある。さらに上乗せとして、企業年金や個人年金(生命保険)が ある。 高齢社会への突入によって、 的年金の加入者数と受給者数の将来のバランスを危うくしている。 かつての企業には、資金不足の時に退職積立金を投資資金として活用し、また退職一時金を長期雇用 のつなぎ止め役にもしてきた。なお、企業年金の役割が期待されているが、超低金利政策が異常に長 期化して、企業年金も財政悪化によって積立てられた年金資産に対する責任準備金のバランスが大幅 に崩れてしまい、結局、そこには隠れ債務が浮上している 。 年金問題では、老後の所得保障に年金が何故必要なのか。さらに、 的年金が何故必要なのか、と いうことがよく問われてくる。これらに関しては、次の指摘がある。 年金は、生存の不確実に対する保険であって、一定の掛け金を納める代わりに、死ぬまでの本人の 消費を保証するので、いわば長生きのリスクをシェアする保険である。これは、本人の死亡後に残さ れた遺族を補償するための生命保険とは、全く逆になる。生涯の消費を えたとき、そこにはいつ死 ぬかという生存の不確実性が存在する。現在、平 余命が びるに従い、老後の生活保障のために準 備した貯蓄が底をついてしまう場合がある。また、核家族化が進めば進む程、生涯消費を保証するた
めには年金が必要になってくる。 そうしたなか、私的年金だけでは、老後の所得保障をとても託せないといえる。 なぜならば、それは第1に、市場の失敗の恐れがある。特に個人年金の場合に、生保会社にとって は、加入者の生存確率が完全には からず(不確実)、これでは、いずれ年金市場は失敗する恐れがあ る。さらに、年金は長期契約であって、猛烈なインフレによって紙切れ同然になってしまう恐れもあ る。私的年金は名目価値で保証するものである。 第2に、政府の 権的役割がある。老後の所得保障は国民の自発的貯蓄だけではとても任せられな い。若い時に備えを怠った者が、高齢になって、万一、生活に困った場合には、結局、理由に係わら ず政府が救済せざるを得ないからである。そこで、政府は 権的役割で、老後のために若年期に一定 の保険料を徴収して備えるのである 。 このように、貯蓄よりは年金が大事であり、さらには、私的年金より 的年金が必要になる。なお、 的年金といっても、昨今の政府の動向を見ていると、将来の安心が本当に保てるのか、多くの市民 に多大な心配を与えている。 次に、年金の世代間 平に関しては、既にアメリカで四半世紀余り前に、次の指摘がされている。 積立方式対賦課方式と世代間の 平の問題では、賦課方式による支払いの概念の実施が困難である。 人口の伸びや生産性の伸び、退職年齢、労働力率、雇用水準といった関係変数の長期推計が極めて困 難なことが かった。…(略)…種々の理由から賦課方式という え方を基に制度を維持すると、将 来世代に著しい負担の増大が必要であることが1977年までに明らかになった。 それは、労働者人口に対する退職者人口の割合の上昇が人口成長率の低下傾向によって明らかで、 現在(指摘した当時は1977年を指す)、労働者100人に対し38人が給付をうけているが、2030年までに は、同比54人の労働者を養わねばならないであろう。…(略)… 賦課方式は、(人口および生産性の伸びが高く)景気が拡大すると予想される時期には非常に魅力的 だが、現在その長所は薄らいでいる 。 将来世代が社会保険の料率の上昇を受け入れるようでない限り、その制度への加入そのものが将来 の収益率を低めることにもなる。 このような指摘は、現在、わが国が直面する課題(年金制度の運営が、自転車操業的な運用実態) に対して、多大な示唆を与えている。 年金問題では、前述通り、企業年金の役割が期待されていたが、超低金利政策の長期化で企業年金 も財政悪化で責任準備金のバランスが崩れ、隠れ債務が浮上した 。 その後、経済動向(景気上昇期)でこれを回復したのだが、現在、再び隠れ債務の浮上が生じてい る。上場企業の年金積み立て不足額の増加が生じ、上場企業の年金積立不足額が5年ぶりに増加に転 じている。しかし、既に指摘の通り、現在、アメリカでの金融パニック発生などの影響で、企業年金 の運用にも多大な損失も生じている。
5.2. 医療・介護問題 ―市民社会的共同事業と 康会計(CSR 活動)― 医療保険は、本来、傷病という不確実性の事故に備えた保険であって、 的年金のように年齢とい う予定される要素で支給要件としているものではない。しかし、現実には年齢が高まるにしたがって、 一般的に疾病の確立が高くなり、平 入院期間も長くなるので、多額の医療費が支払われることにな る。 そこで、医療の世代間負担に関しては、次の指摘がある。 高齢者の保険料は、勤労世代の負担で軽減されていて、勤労世代から高齢者世代への事実上の所得 移転となっている。現在の勤労者世代も、いずれ老いた時に同様な給付が保障される。しかし、世代 間の所得移転が持続的なものでない場合には、 的年金と同様に、その生涯の保険料に見合った給付 が得られる保証はない。…(略)… 世代間を比較すれば、1922∼26年生まれの世代は、生涯負担額の1.4倍の受益を受けている。高齢者 医療給付を受ける初期の世代は、 的年金の場合と同様に、給付に見合った保険料の支払いをしない で、社会保障制度での、いわゆる 設者利得を得ることになる。そうして、その部 の負担は、結局、 後世の世代が負うことになる 、といわれている。 また、2000年4月には 的介護保険制度が始まった。これは、従来の救 福祉政策である、いわゆ る、措置制度から市民福祉政策に変わって、いわゆる「介護の社会化」に大きな転換である。これに よって、国民皆保険や国民皆年金、市民福祉政策によって、社会保障の三点セットが実現化したこと になる。しかし、これについても見方を変えれば、これも新たな国民負担になり、今後、新たな世代 間負担をつくるものともいえる 。 ところで、医療制度を効率性のみに終始すると、医療の質の低下や医療機関による患者の逆選択の 発生に繫がる恐れもある。これはとても危険な事態である。医療は、元来、不確実性に対処するので、 個人ではとても対処は出来ないものである。さらに、民間企業の 康保険では保険の未加入者も生じ てしまう。他方、病院利用の多い者から保険加入の申し込みがあったとしても、民間企業(民間保険 会社)による損得勘定から、万一、保険加入を否認する恐れも生じてくる 。 そこで、医療制度は市民社会的共同事業で運営することが大事である。さらには、社会保険の強制 加入する方法に委ねねばならない。…(略)…また、障害者問題をも含めて、ノーマライゼーション を目標にしなければならない。それは、私達は必ず誰もが高齢者になるし、また、不確実性により今 日にも障害者になる。こうした結果からいえることは、社会的コストはノーマルな心を持つ私達の社 会形成にとっては、必要不可欠である 。 高齢者といっても、全ての高齢者が弱者でもない。自立可能な高齢者には自立して、真に助けを求 める人にのみ救い手を出すような制度設計が大事である。税金や保険料には、互いを支え合う「共助」 の精神があり、社会保障の原点である。助け合いの機能は、家族や地域という「共同体」が担ってい たが、現代社会ではそれらを社会で補うことが求められている。 また、国民が快く国民負担を受け入れるには、政府に対する信頼感がなければならない。国民相互
が負担すべきものを負担し、いざという時に給付を受けられ、安心のある 正な社会システムづくり を目指すことが必要である。社会保障は、社会の「セーフティーネット(safety net、安全網)」であ る。社会保障にタダ乗りして安住する行為である、いわゆる、モラルハザード(moral hazard)が生 じるのも困る。自らの努力により、自らの生活を維持する責任を負うという社会原則に立脚すること も当然である 。 疾病後の治療という事後支出だけではなく、今後は医療の予防対策も大事である。 生活習慣病の予防医学や諸処のリハビリティ、 康増進など予防医学を中心にした 衆衛生に対す る積極的な医療給付が必要である。また、大学医学部教育では、事後の病気診断や治療教育中心から、 予防医学に傾斜することが重要であり、さらに、大学に 衆衛生学部などの 設も必要になる。病後 の支出と事前対策の支出という両輪によって、 合的医療コストの削減に向けて努力することが望ま れる 。 2008年4月から、40歳以上の対象者には、いわゆる、生活習慣病対策(いわゆる、メタボリック対 策)が始まった。こうした疾病予防の充実により、高齢化が進む中で「 康寿命( 康で働くことや 生活を楽しむ期間をいう)」の 伸を期待して、高齢者の所得水準や生活水準の向上も期待されている。 また、疾病予防の充実によって、 医療費の適正化効果をも期待している。 今後の人口減少に伴い、労働力人口も減少する。企業の持続可能な成長と安定的経済成長を図って いく上で、企業に対しては、「 康経営( 康に配慮した経営)」で 康資本(人的資源)の増進を促 進することが、今後の企業経営に必要不可欠になる。 企業による従業員(管理職も含む)の 診の結果は、電子情報として蓄積するように義務化される ので、 診情報のデータベース化に加え、受診(特定 診)・指導(特定保 指導)のための環境整備 にも、多くの企業コストがかかることも、今後は予想される。 そこで、企業および保険者には、 康資本増進活動の費用と効果が見えること(可視化)が必要で ある。それには、 康情報のツールとして「 康会計(Health Accounting)」が新たに必要になって くる。 康会計とは、定期 診など 康管理への投資とその効果を定量的に把握する会計であり、現在、 諸外国には未だない え方である。 康会計は、企業による従業員(管理職も含む)の 康管理情報 の開示を進めるために新たな仕組みである。その背景には、企業には従業員の予防医療を徹底するよ う促すことと、他方、過去最高を 新し続ける国民医療費の抑制につなげたいという狙いもある。
今後、企業には、「CSR(Corporate Social Responsibility、単に CSR という、企業の社会的責任) 報告書」に、環境会計やその他の情報と共に、 康会計の情報も含めて開示し、投資家などの意思決 定に資するものである。
5.5. おわりに ―文化会計と社会科学―
者(高齢者)と負担者(若者)との間に対立軸も垣間見えてくる。 今後、社会経済システムには新しいパラダイムが必要になってくる。世代間負担を え、社会保障 と企業保障と個人保障の3つの生活保障手段に関する枠組みの再検討が必要である。そこには、社会 保険制度の「 助」と企業の福利厚生の「共助」、そして個人による「自助」を含めた生活保障システ ムの再構築を意味している。 将来の労働力不足や世代間負担の困難性も えねばならない。元気で働ける人には生涯現役で生き がいを持って働くことができる、「エイジレス・ソサエティ(ageless society)」を目指すことが大切 である。従来の老若男女の労働市場の 直化を脱して、中高年雇用の促進や女性の就業率増加を促し、 労働市場の流動性を目指すことこそが必要である。 それには、採用に関して年齢差別禁止法の制定や、大学など高等教育機関におけるシニア・キャリ アアップと自己投資に対する優遇税制、各種検定による適用職種拡大など職業能力の社会的評価を確 立する新たな社会システムの構築が欠かせない。 少子化問題では、エンゼル・プランを強化し、ジェンダー理論に視座を置かねばならない。今なお 見られる男社会に対する諸処の変革を、政府や企業、個人(家 )の三者に迫り、働く人には全て子 育ての積極的支援の諸政策が必要となる。これは、子育ての社会化(社会コスト)を意味する。こう して将来世代を、すなわち、それは将来の消費者で、かつ、働き手であり、さらには国民負担者(租 税負担および社会保障費負担)である将来世代を、社会全体でしっかりとサポートしていかなければ、 今後の持続社会は成り立たない。 競争激化のなかで社会のセーフティーネットを え、さらに、高齢・少子化問題を解決するのは、 従来通りの効率性(市場性)を追求することに加えて、文化の面の指標を模索して新しい社会意識を 追求しなければならない。 そこには、効率性指標の提供だけではなく、文化の多様性にも応え、サービスの質的選択決定の評 価ができる指標も必要となってくる。単なる消費者から市民へと成熟して、量から質へと関心が移る と、単なる損得勘定ではとても説明できない経済行為も発生する。現在、中高年の消費動向には、物 の購入よりサービスの購入という傾向が強まっている。この現象は、つまり、関心が物の量からサー ビスの質に移行することを意味している。モノよりココロの満足度が重要になることを意味している。 このように変化する社会意識をも加味した文化的思 がより大切になる。 こうした現代社会の動向からは、会計機能の展開にも、モノからココロへの豊かさの評価や、会計 倫理が必要になってくる。これは、会計学の本質の拡大であり、従来の経済的情報や社会的情報と共 に、文化的情報の報告の必要性を意味している。このことは、文化と会計との展開に通じて、「文化会 計」の萌芽といえる 。 社会のしくみや活動は、政治・行政、経済・経営などの諸側面のしくみや活動からなっている。社 会の情報化を理解するためにはそれらの原理やメカニズム、そして情報化による変容を研究・教育す ることはとても大事である。それには、情報社会がもたらす多様な新しい課題に対応しつつ、新しい
視点である人間らしい社会を作る条件を社会科学に立脚して科学的に 析を進める必要がある。 ところで、社会科学とは、人間社会や経済現象の把握や 析、理論や説明を目的にして、人間の意 図、動機や価値観など「見えざるもの」を見て、あるいは り出していく知の方法論である 、との 指摘がある。 本稿の「市民会計の一 察」に当たっては、「社会科学の究明には、科学を志向する一方で、価値観 や哲学(人文科学などを含め)などの要素が必要になる」という有益な気付きを、筆者に与えてくれ た 。 (続載) (原稿提出日 平成20年9月9日) (注) ⑴ 第3回社会情報学シンポジウムの全体テーマは、「第3回社会情報学シンポジウム―その学際性と実証性を求めて ―(主催:群馬大学社会情報学部)」で次の3つのセションによる。 第1セション「『学問としての社会情報学』―理論への追及」は、大園充彦(札幌学院大学社会情報学部)・前野和 久(群馬大学社会情報学部)・前納弘武(大妻女子大学社会情報学部)・吉田民人(中央大学文学部)・吉見俊哉(東京 大学社会情報研究所)の5人による。 第2セション「『社会情報学に何ができるか』―可能性、応用、実証性」への追及―は、伊藤 守(新潟大学人文学 部)・是永 論(札幌学院大学社会情報学部)・須藤 修(東京大学社会情報研究所)・益本仁雄(大妻女子大学人間生 活科学研究所)と、私の5人による。 第3セション「今後のシンポジウム運営の方法、組織作り―学会との係わり―」は、田中 一(札幌学院大学社会 情報学部)・広井 修(東京大学社会情報研究所)の2人による。 ところで現在、日本社会情報学会2008年度の会長は、当学部の黒須俊夫教授である。 ⑵ 中島照雄「社会情報と市民会計」『商学論纂(中央大学)第36巻第5・6号』(中央大学商学部編)中央大学出版部、 507∼536頁、1995年。中島照雄「第10章社会関連情報(注記)」『財務報告制度の展開』(稲垣富士男編)中央経済社、 183∼209頁、1995年。 (注記)社会関連情報では、社会情報と会計情報の融合を試みる展開である。 ⑶ 中島照雄「情報の非対称性とアカウンタビリティ」『群馬大学社会情報学ハンドブック』(群馬大学社会情報学部編) 群馬大学社会情報学部、2005年、340頁。 ⑷ 中島照雄「日本が抱えている問題―『見えざるコスト』究明が鍵―」上毛新聞、2005年(5月23日)。 ⑸ 富岡幸雄「第1章 説」『税務会計原理(税務会計体系第1巻)』(黒澤 清監修・富岡幸雄編)ぎょうせい、1984年、 4頁。 ⑹ 黒澤 清「ブランデンブルグ門と天安門(編集後記・余白録)」『会計(第137巻第1号)』森山書店、1990年、144∼145 頁。 ⑺ 木下照嶽「第1章市民生活の拡充と発展」『市民生活会計』(木下照嶽編著)森山書店、1993年、8頁。 ⑻ 中島照雄「会計領域の拡大―社会情報と会計情報の関連―」『速報税理第19巻第25号(巻頭言)』ぎょうせい、1999 年。 ⑼ 文化会計学会設立(第1回研究大会2006年5月3日於・私学会館)。 学会設立に先だって、『文化会計学』(木下照嶽・中島照雄・柳田仁編著)税務経理協会、1998年の刊行がある。 E.F.Schumacher, Small is Beautiful ,Haper Perennial,1973.(小島慶三・酒井つとむ訳『スモールイズビュー ティフル―人間中心の経済学―』講談社、1986年、21∼22頁)。
Alfred Marshall,Principle of Economics,Macmillan,1920.(馬場啓之助訳『マーシャル経済学原理Ⅲ』東洋経済 新報社、1966年、269頁)。 中島照雄「第21章環境問題と 害税・環境税」『環境危機と会計情報』(日本社会関連会計学会編)学文社、1997年、 234∼244頁。東京大学工学部渡辺研究室・渡辺 茂(主査・後に東京科学技術大学元学長)・三浦宏文(幹事・現在は 工学院大学学長)・西岡秀三(当時は旭化成・現在は国立環境研究所)・高彦 武・渡辺 低・井筒正夫(元足利工業 大学)・迫 剛・中澤照雄(現姓・中島照雄、当時は横浜商科大学助手・足利工業大学非常勤講師)『資源循環の 合施 策に関する研究(「科学的合理的財務管理のための PPBS 導入準備調査」の一環としての実施)』大蔵省主計局調査課 研究プロジェクト(IRC-CR-70-04)・政策科学研究所、1971年、179頁。 中島照雄『企業会計序論』ぎょうせい、1990年、226∼227頁。 中島照雄「持続可能な社会を築くには―都市財政の課題・家 ごみ処理問題―」『文化会計研究(文化会計学会誌) 第1巻』2006年、20∼22頁。 中島照雄「環境会計の一 察―地方環境課徴金―」『群馬大学社会情報学部研究論集第11巻』2004年、188∼189頁。 中島照雄「持続可能な社会に向けての環境政策デザインの一 察―ごみ処理と廃棄物環境会計―」『群馬大学社会情 報学部研究論集第13巻』2006年、165∼167頁。 木下照嶽「第序章文化会計の策定」『文化会計学』(木下照嶽・中島照雄・柳田 仁編著)税務経理協会、1998年、 12∼13頁。
Laurence J. Kotlikoff, Generational Accounting ―Knowing Who Pays, and When, for What We Spend― (香西泰監訳「世代の経済学」日本経済新聞社、1993年、Ⅶ∼Ⅸ頁)。
中島照雄「第3部高齢社会の財政・経営・会計/第10章年金制度」『新版現代会計― 造性/学際性/国際性―』(木 下照嶽・小林麻里・中島照雄編者) 成社、2004年、201頁。中島照雄「会計情報システムと年金会計との一 察」『群 馬大学社会情報学部研究論集第4巻』1997年、151∼168頁。
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(参 )
⑴ William Kapp, The Social Costs Of Private Enterprise ,Harvard University Press,1950(篠原泰三訳『私的 企業と社会的費用』岩波書店、1959年。
⑵ 合崎堅二『社会科学としての会計学』中央大学出版部、1966年。 ⑶ 黒澤 清『会計と社会』中央経済社、1973年。
⑷ William Kapp, Environmental Disruption And Social Costs ,Harvard University Press,1975(柴田徳衛・鈴 木正俊訳『環境破壊と社会的費用』岩波書店、1975年。
⑸ 黒澤 清『現代会計と社会』中央経済社、1994年。
⑹ 中島照雄・ 立(注記), A Study of Business Accounting ― Including Investment and Eco ― management in P. R. China 『足利工業大学研究集録集第21号』1995年。
(注記)中華人民共和国との学術 流(1994年∼1995年)により (コン) 立浙江工業大学教授(2008年8月1 日現在、 教授は台州学院長)との共同研究による。
⑺ 中島照雄, A study of Social Information and Corporate Social Acounting 『群馬大学社会情報学部研究論集第 2巻』1996年。
⑻ 中島照雄・中島宏子, A study of Acounting Information ―Envionmental Problems and Information Disclosure -in Japan 『群馬大学社会情報学部研究論集第3巻』1997年。 ⑼ 中島照雄 会計情報と社会関連情報の一 察―世代会計と政府会計の展開―」『群馬大学社会情報学部研究論集第5 巻』1998年。 中島照雄「財政システムの一 察―税制改革―」『群馬大学社会情報学部研究論集第6巻』1999年。 中島照雄 CSR(企業の社会的責任)と無形資産の一 察―社会情報と社会関連会計について―」『群馬大学社会情 報学部研究論集第12巻』2005年。 中島照雄 持続可能な社会システムに向けてのデザイン―地方自治体の規模と効率性―」『群馬大学社会情報学部研 究論集第14巻』2007年。 中島照雄 第1部地方行政の現状と課題・第2章合併/道州制」『地方行政革命―財政/経営/会計の統合研究―(文 化会計学会研究叢書第2巻)』富嶽出版、2007年。 中島照雄 持続可能な社会に向けての環境政策デザインの一 察―ごみ処理と廃棄物環境会計―」『群馬大学社会情 報学部研究論集第13巻』2006年。 中島照雄 持続可能な会社に向けてインタンジブル・アセットの一 察―人的資産と行動科学―」『群馬大学社会情 報学部研究論集第15巻』2008年。 中島照雄研究室ホームページには、2000年4月から教材や教材スライドなどを含めて一般 開をしている。本稿に 関連する内容も掲載されている。
URL http://www.si.gunma-u.ac.jp/~nakajima/ (謝辞) 環境問題では、家 系一般廃棄物に関しての「前橋市廃棄物減量等推進審議会(群馬県前橋市)」において、また、医 療問題では、政府管掌 康保険に関しての「政府管掌 康保険の 康保険事業に関する懇談会(厚生労働省社会保険庁 群馬社会保険局)」や全国 康保険協会群馬支部評議会、後期高齢者医療保険に関しての「群馬県後期高齢者医療懇談会 (群馬県後期高齢者医療連合会)」、年金問題では市場化テスト事業評価に関しての「市場化テスト事業評価委員会(厚 生労働省社会保険庁群馬社会保険局)」などにおいて、私は委員各位から審議会の運営上で多大な協力を頂きました。ま た、委員および事務局各位からは、私に個人的にもいろいろと有益なご意見を賜りました。 こうした機会により、その後の私には環境問題や社会保障問題を究明するうえで、とても有意義なことになりました。 審議会・懇談会の委員各位および事務局各位には、ここに謝辞を申し上げます。