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グローバルヒストリーとしてのWorld History for Us Allのカリキュラム構成 : トランスナショナルでトランスカルチュラルな歴史学習への可能性

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(1)

『社

第24

号 2012

(pp.51-60)

グロ

ーバルヒストリーとしてのWorld History for Us A11

のカリキュラム構成

トランスナシ

ョナルで

トランスカルチュラルな歴史学習への可能性−

Studying

“World History for Us All Proj

Potential

f Learning Transnational and Transcultural History

ect

丘om the Perspective of Global History:

1 

じめに

ーバ

リゼー

ションが急速に進行する中で

ーバル

ヒス

トリー

ヘの関心が高まっている

して

,それは歴史教育の枠組み

の変更も迫って

いる

。とりわ

け,科

目と

しての匚

世界

史」は

これ

らどのように変われ

ば良いのだ

ろうか

アメリカの歴史家

R.

ダン(Ross E.

n)は

アメ

リカの世界史の教育カリキ

ュラムが

,西洋文

明の重要

さを強調

してアメリカ人としての誇りを

育てようとする匚

西洋遺産モデル

(t

e Western

Heritage Model)

」から,多文化主義の立場を反

映した匚

多文化モデル(the Different Cultures

Model)

」へ,そ

して現在は,文化的にはニュー

トラル

の進行に対応

な立場

しようとしている匚

を維持

しつつグ

ーバ

変化の様相モデ

リゼー

ョン

(the Patterns of Change Model)

」の模索へ

変遷

していると指摘

している

。一方同時に,彼

は,

1996

年の世界史ナ

ョナルスタンダ

ド改訂

以降も

,実態

してのアメリカ各

州の世界史カリ

キュラムや教科書の

多くは

,ヨー

ロッパ中心的な

性格

を有する匚

西洋遺産モデル

」と,これ

に対

て諸民族の個々の文化について細かな学習がなさ

れる匚

多文化モデル

」が矛盾

した融合を見せて

る状況に

ある2

ことも指摘

している

この

ような状況に対

して

,彼は

,西洋中心的な

学習に偏

らず

,同時に諸文化毎の

“トンネル”に

入り込むことも無い

,よ

り大きなフレーム

の中に

異なる社会や文化グル

プの変化を位置付けるよ

うな匚

変化の様相モデル

」を具体

的に提

案しよう

している

。彼による厂

変化の様相モデル」は

社会科学

,特に経済学

・社会学

・人類学の成果に

基づきなが

ら,グ

ローバ

リゼー

ョンの進行に対

二 

井 

正 

(国立

政策

しつつ

,人類と生態系の間の複雑な相互関係

も視野に入れ

ようとするものであ

,歴史的探求

に際

しては

,文明

・文化の

カテゴ

リーや国民国

といった 境界線

”に

とらわれず

,適切

な厂

い」

に基づいて

,時間的空間的社会的フィール

ドを設

して探求させようというカ

リキュラム

である3

以上の

ような意味で

,彼の

「 ̄

変化の様相モデル

トランスナシ

ョナル

(脱国家的

;国民国家以外

レベルにもアイデンティティを帰属させる)

トランス

カルチュラル

(超文化的

;複

数の文

化に自らのアイデンティティを帰属

させる)な世

界史教

育への提言といえるのでは

ないだ

ろうか

この

ようなカリキュラムは

,ア

メリカの世界史

ナシ

ョナルス

タンダー

ドにおける匚

地球的文脈の

中の文明(Civilization in global context)

」や厂

域間の歴史(interre

がonal history)

」の強調

o,日

本の地理歴史科世界

史の文化圏学習から諸地域世

界の学習への移行5

,近現代史を匚

各国史の細

部に深入

りする

ことなく

,地球的視野に立

って一

体化する世界を構造的に

(世界史A

」6

各国史

にとらわれ

ることなく

,地球的視野から現代の世

界の全体像

(世界史B)

」7

とらえさせようと

していることなどを見ると

,ある程度は導入され

ている

ようにも見える

しか

し,これ

らの

内実は

森田真樹8

や宮崎正勝9

らが指摘するように

一般的にはインターナシ

ョナル

(国家間的)でイ

ンタ

カルチュラル

(文化間的)な傾向が強い。

本稿

では,R.

ダン自らが

,同僚であった

D.

リスチャン(David Christian)

らとともに

,全米

学校歴史センタ

(N

; National Center for

History in the Schools)

と協

力しなが

,全米の

初等中等学校や大学の教

員などと共同開発

してい

(2)

る世界史カリキュラム匚

我らみんなの世界の歴史

(W

rld History for Us All

以下W

UA)

」を

分析する

。なぜなら,このWHFUAは匚

変化の

様相

モデル」を主張する世界史教育プロジェク

して,R.

ダンの提言する世界史学習を具体化

しようとしたものと考えられ,トランスナショナ

ルでトランスカルチュラルな世界史への可能性を

探るのに適当だからである。

なお

,このプロジェク

トで開発されたプログラ

ムや教材等は,

Webに公開され

,現在も,継続

的に内容の追加

・更新が進行中である。10

2 

カリキュラムの全体構成とその論理

(1)

パノラマ

,ラン

ドス

ケー

プ,ク

ローズア

ップと

いった三層構造

1は

,このW

H]

Aの全体構成を示したも

である11)

。これ

を見るとWHFUA

のカ

リキュラ

ムは

,パ

ノラマ,ラン

ドス

ケー

プ,ク

ローズアッ

プといった

3種の

カテゴリ

ーに分類され

る単元か

ら構成され

,それ

ぞれの単元に数時間分の教育内

容が設定されている12)

。これ

らの

カテゴリーは時

間的間隔と地理的空間の大小によって分類され

,広範

な地球的な変化か

ら,人類的な出来事,

大陸規模の出来事

,諸民族

・諸国家

・諸社会で起

こった出来事までの様々な尺度で歴

史を学べるよ

うに設計

され

ている

。教師は

生徒や学校の状況に

あわ

せてこれ

らの小縮尺

・中縮尺

・大縮尺

といっ

た三種類の時空間に基

づく単

元にそれ

ぞれ設定さ

ている内容を組み

合わ

せて授

業を行

うことがで

きるようになって

いる。

パノラマ単元は

,地球全体

を俯瞰する視

点から

地球の誕

生から現在に至るまで

を9単元で構成

ている

。ラン

ドスケー

プ単元では,人類規模

,大

陸規模といった世界史の中の比較的大きな尺度の

史を扱

。ク

ローズアッ

プ単元では,ラン

ドス

プより時間も空間も制限

された諸民族

・諸国

・諸社会の

出来事を世界

史の

トピック

して掘

り下げている13)

このパノラマ

,ラン

ドスケー

プ,ク

ロー

ズア

プという時間と空間の視点の導入は

,特に前近代

までの学習にあたるパノラマ

1か

ら5までの

時期

においては

F.

ブローデル(Fernand

ude1)

時間の

三層構造

を意識

しているもの

と思われ

なわ

,パノラマは地理的時間,ラン

ドス

ケー

プは社会的時間

,ク

ローズアップは個人的時間に

相当

しているよ

うに見える

この

ことについては,

WHFUA

の指導者の

一人

である

D.

リスチャンが

,アナール派の影響を

受けた歴

史家であ

,オース

トラ

リアのマ

ッコ

リー

大学に在勤中に歴史入門の講義で

,ブローデルの

長期持続の地理的時間の考

え方をテ

ーマに

して宇

宙の

誕生

を起

点とする歴史

を示唆

していたことか

らも伺

ことができる14

いずれにせよ,

WHFUA

では

,この

ような時間

と空間の枠組み

を柔軟に組み

合わせ

るカリキ

ュラ

を構想す

ることによって

トランスナシ

ョナ

トランス

カルチュラルな世界史学習の枠組み

を提示

しよ

うと

している。

(2

ビッグ・

ヒス

トリ

ー(Big History)

の視

1のパノラマ

1 

人間と宇宙

,工30

億∼20

年前

」とパノラマ

1を構成する匚1.1

人間の歴史

の地平線

」匚L2 700

万∼20

万年前の

人間の祖先」

では

,地球が誕生するピック・

バンか

ら学習が開

,そ

こに生命が誕生

し,人類が出現す

るまで

が扱われ

,パノラマ

2匚

人類はとこに

でも,20

1万年前」とパノラマ2を構成する匚2.1

世界

に広がる人類

「2.2

言語は何

を変えたのか」で

,ホモ・

ピエンスの出現と世界各地への移動

や言語などが扱われ

。この

ように,地球の誕生

ら人間が農

業を始める前までとい

う従来の世界

史では先史時代と

してふれ

られる程度の期間が

9つのパノラマに

よる時代区分の

うちの

2つを占

めており

,その取

り上げ方が一般的な世界史カリ

キュラム

りも大きいことにも特徴が

ある

これは

,現在,世界史の新潮流の

一つにな

りつ

つある

ビッグ・

ヒス

トリ

ー15

の視

点の導入と考え

られる

。ビッグ・

ヒス

トリー

とは,宇宙

・地球

生物

・人類の歴史を学際的な方法で統合的に理解

しようとする試み16

,天文学や地理学

,生物

学などの自然科学の研究成果も取

り入れ

なが

人間中心の歴

史認識

を脱却

して

,宇宙や

自然

といっ

た環境

・生態系の

一部と

して人間を位置付

けて歴

史をとらえ直そうとするものである

D.

リス

チャンは,この試みの第一人者でもあり,その

−52−

(3)

【 表1 : World History for Us All

の 全 体 構 成 】

パ ノ ラ マ ( 小 縮 尺 ) ラ ンド ス ケ ープ ( 中 縮 尺) ク ロ ー ズ ア ップ ( 大 縮 尺 ) ( 多 く は 未 発 表 , 発 表 分 の み示 す) O 歴 史 ・ 地 理 ・ 時 間 0.1 学 習 の受 け皿 を 得 る: 時 間 ・ 空 間 ・ 歴 史 のマ ップ 0.2 ピ ッ ク・ジ オ グ ラ フ ィ ー (B汝Geography ) 入 門 1 大 き な 時 代 区 分 1 人 間 と 宇 宙, 130 億 ∼ 20万 年 前 L1 人 間 の歴 史 の 地平 線, 130 億 ∼400 万 年 前 1.2 700万 ∼20 万 年 前 の人 間 の 祖 先 2 大 き な 時 代 区 分 2 人 類 は ど こ に で も,20 万 ∼ 1 万 年 前 2.1 世 界 に 広 が る人 類,20 万 ∼ 1 万 5千 年 前 2.2 言 語: 言 語 は 何 を 変 え た のか , 6万 ∼ 1万 年 前 3 大 き な 時 代 区 分 3 農 業 と 複 雑 な 社 会 の 出 現 , 紀 元 前10,000 一紀 元 前1000 年 3.1 植 物 の 栽培 と 勁 物 の 飼育 , 紀 元 前10,000 −紀 元 前4000 年 3.2 世 界 中 の 晨民 た ち, 紀 元 前10,000 −紀 元 前1500 年 3.2.5 朝 鮮, 混 乱 か ら 安 定 へ 3.3 河 谷 と ア フ ロ ユ ーラ シ ア の 複 雑 な 社 会, 紀 元 前4000 − 紀 元 前 1500 3.4 ア フ ロ ユ ー ラ シ ア で の 移 住 と 軍 事 , 紀 元 前2000- 紀 元 前1000 年 3.5 ア メ リ カ に お け る 初期 の 複 雑 な 社 会 , 紀元 前2000 − 紀 元 前1000 年 3.6 オ ー スト ラ リ ア と 太 平 洋 海 域 で 移 動 す る 人 々 , 紀 元 前10,000-紀 元 前1000 年 か ら 前10,000-紀元 前500 年 あ た り ま で 4 大 き な 時 代 区 分 4 接 触と交流 のネットワ ー ク の拡 大 , 紀 元 前1200 年 一紀 元 後 500 年 4.1 イ ンド か ら 地 中 海 ま で: 権 力 と 貿 易 , 紀 元 前1200 年 一紀 元 前600 年 4.2 東 ア ジ ア に お け る 複 雑 な 社 会 の 拡 大 , 紀 元 前1200 年 一 紀 元 前 300 年 4.2.1 中 国 の 思 想 の シ ス テ ム: 儒観元 前581- 紀元 後1368 道 教 , 仏 教, 紀 4.3 サ ハ ラ 以 南 の ア フ リ カ に お け る移 民 と 変化 , 紀 元 前1000 年 一 紀 元 後200 年 4.6 ア メ リカ の 帝 国 や 都市 国 家, 紀 元 前800 年 一紀 元 後500 年4.4 イ ンド か ら 地 中 海 ま で: ギ リ シ ャ と ペ ル シ ャ の 権 力 の 時 代 , 紀元 前 600年 一 紀元 前200年 4.4ユ 仏 教 の芽 生 え , 紀 元 前563 年 一紀 元 後150 4.4.2 ペ ル シ ャ の圧 迫:ペ ル シ ャ帝 国 , 紀 元 前550 一紀 元 前479 4.5 ア フ ロ ユ ーラ シア の巨 大 帝 国 , 紀元 前300 年 一 紀 元 後200 年 4.5.1 ロ ー マ の美 術 と 建 築, 紀 元 前500 − 紀 元 後400 4.5.2 ロ ー マ の奴 隷, 紀元 前100 − 紀 元 後450 4.5.3 古 代 ロ ー マ の 女 性 の 暮 ら し , 紀 元 前200 一 紀 元 後250 4.6 ア メ リ カ の 帝 国 や 都市 国 家 , 紀 元 前800 年 一 紀 元 後500 年 5 大 きな 時 代 区 分 5 地 域 間 統 合 の 様 式 , 300 −1500 年 5.1 ア フ ロ ユ ーラ シア 興 隆 の数 世 紀, 300-600 年 5.2 ア フ ロ ユ ーラ シア とイ ス ラ ー ム の登 場,600 −1000 年 5.3 半 球 を こ え たネ ット ワ ー ク の確 立, 1000-1250 年 5.3.1 西 ア フ リ カ の地 理 ・気 候 ・ 歴 史, 500-1600 5.4 モ ン ゴ ル の 時 代, 1200-1400 年 5.5 惨 事 と 回 復, 1300-1500 年 5.5.1 災 難 に 向 き 合 う:14 世 紀 の 黒 死 病, 1330-1355 5.6 ア メ リ カ にお け る相 互 作 用 の球 面 6 大 きな 時 代 区 分 6 地 球 的 な 大収 縮, 1400-1800 年 6.1 海 洋 の 冒 険 と諸 大 陸 の接 続, 1400-1550 年 6.2 コ ロ ンブ ス の取 引 とそ の結 果, 1400-1650 年 6.3 銃 を 持 っ た 支 配 者: 強 国 の 台 頭, 1400-1700 年 6.4ク `゛ロ ーバ ル 経 済 の形 成, 1500-1800 年 6.5 大 西 洋 世 界 の形 成, 1500-1800 年 6.6 科 学 革 命, 1500-1800 年 6.6.1 啓 蒙 思 想 の り ー ダ ー た ち 6.7 主 要 宗 教 の お お き な 広 が り, 1500-1800 年 6.7.1 プ・ テ ス タ ン ト の 宗 教 改 革 7 大 きな 時 代 区 分 7 工 業 化 と そ の 結 果 (現 代 化 革 命) 1750-1914 年 7.1 世 界 的 出 来 事 とし て の産 業 革 命, 1750-1850 7.1.20 居 間:1800-1900 7.2 世 界 的 出 来 事 とし て の大 西洋 革 命, 1750-1830 7.3 人 々 と 政 府: 全 く 新 し い 世 界, 1830-1900 7.4 忙 し い 人 類:19 世 紀 の 集 団 移 住, 1830-1914 7.5 植 民 地 主 義 の経 験, 1850-1914 7.6 新 し い ア イ デ ンテ ィテ ィ: ナ シ ョ ナ リ ズ ム と宗 教, 1850-1914 8 大 きな 時 代 区 分 8 危 機 の50年 , 1900-1950 年 ( 波 乱 の 数 十 年 ) 8.1 第 一 次 世 界 大 戦 の原 因 と結 果 8.2 1920 年 代 と1930 年 代 の平 和 と安 定 へ の 模 索 8.3 世 界 大 恐 慌 8.4植 民 地 帝 国 の ナ ショ ナ リ ズ ム と社 会変 化 8.5 第二 次 世 界 大 戦 の原 因 と結 果 8.6 科 学 技 術 革 命 8.7 環 境 の 変 化: 急 加 速 9 大 きな 時 代 区 分 9 グロ ー バ ル化 の 加 速 の パ ラド ッ ク ス, 1945- 現 在 まで 9.1 第二 次 世 界 大 戦 後 の世 界 政 治 と グ ロ ー バ ル 経 済 9.2 二 大 超 大 国 と冷 戦 9.3 王 国 の 群 衆 9.4 1950 年 以 降 の富 と貧 困 9.5 ゆ が ん だ ス ピ ー ド の世 界 , 技 術 と コ ン ピ ュ ー タ 革 命 9.6 1950年 以 降 の 人 口 爆 発 と環 境 の変 化 9.7 グ ロ ー バ ル な 結 び つ き と文 化 のト レ ン ト 10 お わ り に: 過 去 を 省 み, 未 来 を 考 え る 10.1 《 タ イ ト ル, ハ ン ド ア ウ ト 等 未 発 表》 10.2 《 タ イ ト ル, ハ ン ド ア ウ ト 等 未 発 表 》 53

(4)

らもWHFUA

への

ビッグ・

ヒス

トリ

影響が

えられ

。そ

して

,その

果,

WHFUA

トラ

ンス

ョナ

ルや

トラ

ンス

カル

ラル

とい

った

枠組

らに越

,人間

的な

え方

自体

らの

をも意

した

もの

って

(4)

全体

に見

られ

る論理

つて

,ス

リアー

ノス

はグ

ロー

ヒス

をと

える視

して匚

月か

らの

望」の

を説

いた17)

が,

WHFUA

,パ

ノラ

,ラ

ドス

プ,ク

ローズ

プと

いった

三種

類の

間の

を設

定す

ことに

,あたか

もそ

ぞれ

月か

ら肉眼

,双眼

,望遠

地球

を眺

いるかの

うで

ある

この

うに匚

解像

度」

変化

させ

ことで

,国

や文

化の

境界

線は

なが

され

ら活

,宇

動す

宙や

人間が

自然

,社

かれ

等の

こと

条件

にな

に制

3 

単元の展開とその論理

(1)

リキュラム

を貫く

「三つの本質的な問い

2は,表

1に示

したパノラマ7匚

工業化とそ

の結果

(現代化革命)

1750-1914

」とそれ

を構成

するラン

ドスケ

プ,ク

ローズアッ

プといった諸

元の構成とそれぞれの単元の

主題等

を整理

した

ものである

。 WHFUA

では

,カリキュラム全体

を貫く 

三つの本質的な問い(Three Essential

Questions)

」として匚

人と環境

(H

ns and the

Environment)

」厂

人と人(Humans and Other Huma

ns

「 ̄

人と思想(Humans and Ideas)

」という枠組

みが設定されている19

,これ

を見ると,ラン

ドスケ

プとク

ローズアッ

プの各単

元における問

いが

この三つの枠組みにあわせて提

示されている

ことがわかる

。例

えば,ラン

ドスケー

プ単元匚7.6

しいアイデンティティ

:ナシ

ョナ

リズム

と宗教

1850-1914

」では,匚

人と環境

」については,当時

の各国の

工業化競争が環境に与えた影響を問い

人と人

」については

,西欧化の意味を問いなが

,今日のアメリカナイゼーシ

ョンとの比較をさ

,匚

人と思想」については

,当時のナシ

ョナ

トと宗教の関係を考

えさせ

,今日のアメ

リカの

ナシ

ョナ

リズムと宗教の関係について問うように

なっている20

(2)

「三つの本

質的な問い」に関連づけ

られる

「七

-つの牛

−テー

マ」

また,

WHFUA

では 

七つのキーテーマ

(Seven Key Themes)

」が設定されている21

oこ

れは

「3つの本質的な問い」に関連づけられ

内包

されるもので

,匚1

人口のパター

ン」匚2

経済

的なネッ

トワ

ーク

と交換」匚3

力の使用と乱用」

匚4

持つ者と持たざる者

」匚5

アイデンティテ

ィを

表現す

ること

」厂6

科学

・技術と環境」匚7

精神的

な生活と倫理的なきま

り]が示され

ている

。これ

らは

,それ

ぞれ

社会学

(テー

マ1,5,6),

経済学

(テ

ーマ2,4,6),

政治学

(テーマ3)

,倫理学

(テー

マフ)

といった社会諸科学における諸課題か

ら設定され

たと思われ

る。

WHFUAの教師用の解説には

,例えば,匚7.6

しいアイデンテ

ィテ

:ナ

ョナ

リズム

と宗教,

1850-1914

」では,匚3

力の使用と乱用」匚5

イデンティテ

ィを表現すること

」匚7

精神的な生

と倫理的なきま

」といった3つのテーマ

を扱

うように明

示され

ており22

,おそ

らく匚

人と環境」

の問いを考察する際には

匚3

権力の使用と乱用」

について

「 ̄

人と人」の問いを考察する際は匚5

アイデンティティを表現すること

」について,

人と思想

」の問

いを考察する際は匚7

精神的な

生活と倫理的なきま

り」のテ

ーマが

反映されるよ

うになっているもの

と思われ

(3

単元構成に見

られ

る論理

ラン

ドスケ

プとク

ローズア

ップの単元には,

それ

ぞれ

問いに基

づく学習主題が想定

され

てお

それは

「 ̄

三つの本質的な問い」と匚

七つのキー

ーマ

」と

してカリキュラム全体

を貫く枠組み

基づいていることが明らかになった

。この

「 ̄

三つ

の本質的な問

」と匚

七つのキーテー

マ」自体は

国や文化を越

えた考察の

可能

なもの

となってお

その意味

トランスナ

ョナル

トランス

カルチ

ラル

な授業展開が可能なものになって

いる

ただ

,なぜ本質的な問いが匚

人と環境」匚

と人

」厂

人と思想

」か

ら構成され

るのか,なぜキー

ーマが前述の

ような七つなのかに

ついては明示

されて

いない

。グ

ローバル

ヒス

トリー

をとらえる

プは

,これまでも

いくつかの提案がなされ

てきた

。先述のスタブリアーノスは環境

・男女関

・社会関係

・戦争であった

し23)

宮崎は環境

54−

(5)

「 大 き な 時 代 区 分 7 ; 工 業 化 と そ の 結 果 」 の 単 元 構 成 】

【 表 2 ︵ ご 価 砌 卿 g 回 爆 心 耽 却 々 曾 卑 諾 ︶ 回 名 Q j 凛 ≧ 一 自 嵎 コ 罵 召 ぷ 冴 ﹂ ﹁︵ 芻 聴 両 破 郡 ・ 聆 穹 ︶ 1 ・ 日 口 〇 J さ 印 Q 咽 1 哇 l o で I 。 。 邑 。M l x 气 ︵ 両 り 吩 卜 邯 刪 袍 y 朏 y よ 八 卜 y 卜 ︶ か ぶ ∼ コ 回 1 . 阯 M 図 に 。︵ 郵 嶝 咄 々 欺 刈 恥 Q 欺 ︶ s ^ojvi-a A B j j  pire ∽ Q 冫 司 ︸︷ ︷ ﹁︵ ミ 略 心 日 駆 G R 皋 ︶ a a Av o j  j o  s a s n q y  p u e  s a s f ︸  g  ' ︵ 絛 徊 両 叭 1 ひ ふ 、 ’ 煢 々 g 炮 次 ︶ 畆 自 司 M 岡 l i j 包 昨 t Z ぶ 日 ︵ ︶冖 `o Q 岡 こ ︵ 癶 1 外 で e ロ ベ ︶ g コ ー 汢 o ら 冶 曽 ’︷ j 1 ら ご 回 目 I ド 訟 ︸︷ 自 匕 a ※

JI

○ ○ ○ ζQ ○ 1冖 ○ ○ ○ 寸 ○ ○ ○ CTつ ○ ○ C9 ○ ○ 7 -祠 ○ 生 c刀 1 1 H

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包 。隙 柵 蓉 .゜ ン e Q 瑟 罘 2 冩 但 叩 曾 朗 芻 卻 韶 。聹, 。 聴 診e 心 侭匈 辺 崘 匈 価e 啣 9 劭 .E f 邸・Q 煢 二 縲 翼 曾瑜 。仙 e 司 瀧 石 暇 々 倔 帥 に 瑯 べ・k 邱 綸 々H 。御 Q G 圀 Q 囃 迦 邱 聹 礫 闡 嘔 E ? 祠 嶝 応心 り 叺 心 。抑・・ 。 怒 卻砥 石 暇 諏 と 二 奠 瑜 o 妲 雌 響 召 泄 佃 俥 e 認 を俤 匈 認 印 U 。妁 刎 芻 琺 衂 e 聴 S 迴 巨 へ/々べ て 二 心。 笳 Q o司 ヽ7y ふ 輯 §≫ ^ ^ 、く 卜 ぞ 司 Q 陌 収 て 司 卜 丶ロュ 妬j 耘 蓊 ズ て 日 Q 々石 Q コ ヽヽ、司 令 2 ぉ 長 ふ 。七ヽ口 三 厨 曾Q K 卜 刈 入 印 邱 倅 、/ 一 々 ヱ ェ Q 胼 こよ;りl ヽ 入 パ 邱 沼 石 ぺ 逧 こ・ ふ1 蓊 1 混 巨 ご 卜 乙 D y ゃ 侭 僵 世 丶 小ty  ジド 匈 U 卻萃 巨 缸 こ り 卜。″ 丶- 。図 ふ 卩ふ n y 生 _Z 疂 万 v 。 迦 瑜 圀 刈  刪 芻 Q 吩  沁I ・rヽ 房 々 。2 召 令 琺 心 冊 e 聢 やμ 巨 匈 硲 べ J 瓢 U 繼 匐 驂 帋 郎 。 。坦 瑜 嶇 睫 余 心トノ 小 城 趾4j 碵 J 匈 飃 司・Q 裂概 趾 を り 坤 田 雛 郎 瑯 小 袍 篩 と 聴 H 包 諒 八 頡 諾 ユ_ こ μ. 才 w・ バ くg μ e 7 湎・k 巨・キ、皿 諦 Q mg 迦 倨 ふ 啣 聊 E も 尽 雖 呎 。怒 芻 E e 痂 ゃ Q 倔 顋 召 で4j 心 Q Iヽe 霾 匈 に1¥ に U 囗 陝e 芻 。 m H ェ 聴 蓊

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収り?E

抖 こ こ 櫛

55

(6)

文化

・変化

・交流伝

・稀

・紛

・人権

・グ

WHFUA

シス

,その

テムの

拠の

つを挙

明示が

げて

いる24)

られ

。今

4 

授業

(アクティ

ビティ)展開とその論理

(1)

業の展開

資料

1は

,表

・表2に示

したラン

ドスケー

7.6

しいアイデンティティ

:ナショナ

リズム

と宗教,

1850-1914

」の教師用解説や生徒用ハ

ドアウ

トか

ら再構成

した授業展開例である气

この

匚7.6

しいアイデンティティ

:ナシ

ョナ

リズム

と宗教,

1850-1914

」は,四つの

レッスン

で構成され

ている

。レッス

1では

,まずイタリ

アの統

一や中国の義和団事件

,メキシコ大統領の

フア

レスの資料(1.1)

を提示し

,ナシ

ョナ

リズ

ムの特徴

をグル

プで検討させ,その後,学問的

な立場に基づくナシ

ョナ

リズムの特徴を四つ紹介

する

。そ

して次に,女性参政権運動,ボーア戦争

バル

カン半島の民族対立の資料

(1.2

)を提

示し

,それ

らがナシ

ョナ

リズムにあたるか

どうか

検討

させる

。そ

して最後にナシ

ョナ

リズムの特徴

を確認

・再検討させ

,クラス内でナシ

ョナ

リズム

の定義を整理する展開にな

っている

レッスン

2では,露

土戦争からバルカン戦争頃

までのオスマン帝国の資料

(2.1

とイン

ド大反乱

ら第

1次世界大戦前の自治獲得運動までのイン

ドの資料

(2.2

)提

示し

,生徒各自にはさらに自

分が

見つけてきた資料

を加

させ

,両地域のナ

リズムの進展についての年表を作成させる

。そ

して

,両地域の年表

を比較

させなが

ら,異なる地

域ではナシ

ョナ

リズム

の顕れ

方は異なっていると

いうことを理解

させ

,その相違の原因について仮

を立

てる展開になっている。

レッスン3では

,まず,ナ

ョナ

リズム

と宗教

と帝国主義を題材に

ンス

トー

ミング

を行い,

次に

,資料

してキッ

プリングの匚

白人の使命

(3.1)

B.

アンダ

ソンら数名の研究者のナシ

リズム

と宗教と帝国主義についての考

え方をま

とめた資料

(3.2

)を提

示し

「 ̄19

世紀中頃までに,

ナシ

ョナ

リズム

と宗教と帝国主義は西洋のアイデ

ンテ

ィティにどのよ

うな影響を与えたか

」という

テーマでエッセイ

を書かせる。そ

してその後

,へ

ルツェルの匚

ダヤ

人国家建設

」に

ついての資料

(3.3

)を提示し

,ユ

ダヤ

人国家建設の

正当性につ

いて討論させる展開になっている

レッス

ン4では

,まず

,ク

ラスを2つに分け,

それぞれに提示された日本の明治維新の資料

(4.1

)とイギ

リスの

エジプ

トの支配

とそれに対す

るムス

リムの抵抗の資料

(4.2

)をもとに

,この

時代に

日本や

エジプ

トが

どの

ように

して国家とし

てのアイデンティティを守

ろうと

したかを調べさ

,西洋の覇権の広が

りに対応

した非西洋地域の

ョナ

リズム

について

,宗教の役割に留意

しな

ら検討

,話

し合

う展開になっている。

(2

業構成に見

られ

る論理

WHFUAでは

,授業で使用する史資料等がほと

んどW

b上に準備され

ている

。授

業はそれ

らの

史資料

を提

,生徒に諸概念

を探求

させ

,成長

させ

る過程

して構成され

ている

。例

えば,

レッ

スン

1では

,ヨー

ロッパ

,中国,アメリカ,アフ

リカでのナシ

ョナ

リズムに関する史資料をも

とに

して生徒にナ

ョナ

リズムの

定義を行わせ

,それ

を前提に

しつつ

レッスン

2でオスマン帝国やイ

ドの資料

を提示

しなが

,ナシ

ョナ

リズムの

方の

多槍既

について気付かせる

レッスン

3で

,キ

ップ

リングの詩,研究者の諸説

,ヘルツェ

ルのユダヤ国家建設論など

を通

して

,ナ

ョナ

ズム

を宗教や帝国主義と関連

させてとらえさせ

レッスン4ではアジアとアフ

リカでのナ

ョナ

ズムの展開事例

を通

して

,ナシ

ョナ

リズムの西洋

と非西洋との関係性について考

えさせている

。つ

,この単元は

レッスン

1でナシ

ョナ

リズムに

ついての大まか

な概

念を獲得

させ

レッスン

2以

降でその顕れ

方の

多楡歐

の比較

,他概念との関連

,西洋と非西洋の

関連性などを考察させて,概

念を広

く深

く成

長させる構成になっている

その際

,特徴的なことは

,提示

され

る史資料が

世界の様々な場所か

ら広

く選択されてお

,個々

の国民国家の枠組みに囚われ

ことが

回避できて

いる

こと

,また

,概念

を成長させる過程

では,宗

教や帝国主義といった概念を探求させ

るプロセス

の中で

,西洋と非西洋

といった地域間の関連性が

扱われ

,各民族の文化の

特性や独

自性自体

を追究

することが狙われ

ては

いないことである。その意

56

(7)

【 資 料1  「7.6 新 し い ア イ デ ン テ ィ テ ィ : ナ シ ョ ナ リ ズ ム と 宗 教, 1850-1914 」 の 授 業 構 成 】 I . 単 元 名 新 し い アイ デ ンテ ィ テ ィ: ナ シ ョ ナ リ ズ ムと 宗 教, 1850-1914 H. 教 材 観 近 代 を通 し て , ナ ショ ナ リズ ムと 宗 教 は, 人 々 を分 割 し た り結 合 さ せ た り す る 重 要 な 役 割 を 演 じ た。 ナ ショ ナ リズ ムと 宗 教 は , 世 界 中 の多 く の人 々 の ア イ デ ン テ ィ テ ィを 形 成 し , 価 値 や 望 み を 共 有 す る コ ミ ュニ テ ィ ーを 生 みだ し て い る 。 ナ シ ョ ナ リ ズ ム と いう 新 し い イデ オ ロ ギ ー は ,18 世 紀 後半 の大 西 洋 革 命 の時 代 に 出 現 し ,19 世紀 か ら20世 紀 に か け て 技術 や 自 由 主 義 お よ び帝 国主 義 と い っ た 重 要な 変 化 を もた ら す力 を 収 斂 し , 拡 大 し, 成長 し続 け た 。1 9世 紀 の 後 半 に 西 ヨ ーロ ッパ から 南 北 ア メ リ カ・ ア フ リ カ ・ ア ジ ア へ と広 が っ た ナ シ ョ ナ リズ ムの 勁 き と し て, 人 々は こ れ ま で に は見 られ な か っ た忠 誠心 や ア イ デ ン テ ィテ ィ を 伴 う 国家 を 形 成 し 始 め たo こ の 期 間 に は, 世 俗的 な 文 化 も広 か っ た が , 人 々 は 宗 教 に よ っ て自 らを 定 義 し 続 け た 。 宗 教 的 な ア イ デ ン テ ィ テ ィ は 国家 的 な ア イ デ ン テ ィ テ ィ と 衝突 す る こ と も あ っ た か, 逆 に 拍 車 を か け るこ と もあ った 。 こ の 単 元 の焦 点 は, 1850-1914 年 の ナ シ ョ ナ リ ズ ムと 宗 教 の 複 雑 な 関 係を 扱 うo こ の 二 つ の 大 きな 力 に つ い て学 ぶこ と に よ っ て, 生 徒 は第 一 次 世 界 大 戦前 夜 に存 在 し た 緊 張 と,20 世 紀 か ら21 世 紀 まで 継 続 す る紛 争 や変 化を 理 解 す る こ と か で き るだ ろ うo こ の 単 元 は 「 大 き な時 代 7」 の最 後 に 位 置 し ,19 世 紀 の 移民 , 植 民 地 主 義 , 帝 国 主 義 , 革 命 , 自 由主 義 的 改革 な どを 含 んだ こ の 時 代 の 学 習 の 成 果 を生 か す よ う にな って い る。 Ⅲ 。 単 元 の 構 成 (4 ∼6 授 業 時 間 配 当) Lessonl  ナ ショ ナリ ズ ム の 概念 の形 成 Lesson2  新 し い ア イ デ ンテ ィ テ ィ:イ ンド と オ ス マ ン帝 国 にお け る ナ シ ョ ナ リ ズ ムの 発 展(1850-1914) Lesson3  ナ ショ ナ リズ ム,帝 国主 義 , 宗 教 Lesson4 古 い アイ デ ンテ ィ テ ィを 保 つ た め の 戦 い IV. 単 元 の目 標 こ の 単 元 を 全 て行 え ば, 生 徒 は 次 の よう な こ とが で き る よ う に なる 。 1 バ ル カ'ン 半 島 と エ ジプ ト で の19 世 紀末 ∼20 世 紀 の ナ シ ョ ナ リ ズ ムの 事 例 を 分 析 し, ナ ショ ナ リズ ム の 概念 を 定 義 す る 。 2 ナ シ ョ ナ リズ ムと 宗 教 と 帝国 主 義 の 関 係 を 分析 す るO 3  オ ス マ ン帝 国 に お け る 緊 張 と紛 争 の 源 と し て の ナ シ ョ ナリ ズ ム の 重 要 性 につ い て 評 価 す る 4 日本 とエ ジプ ト に お け る, 社 会 と政 治 の 変 化 の ナ シ ョ ナリ ズ ムと 宗 教 へ の関 連 を 分 析 す る。 5 ナ シ ョ ナ リズ ムと 宗 教 の 役割 に焦 点 化 し て, 西 洋 の膨 張 へ の 反 発 を 述 べ る。 V 。 授 業 展 開 課 ア ク テ ィ ビ テ ィ ほか 資 料 生 徒 の認 識 L e S S 0 n 1 《 概 要 》 ナ シ ョ ナ リ ズ ム は18 ・ 19世 紀 の 大 西 洋 革 命 によ って 出現 前 は, 人 々 は, 地 域 ・ 地 方 ・ 宗 教 的共 同 体, そ し て 王 朝 に忠 誠 心 わ る も の で は な か っ た か, そ う い っ た も の か ら発 達 し,19 世 紀 を た め に グル ープ で 作業 を し,18 世 紀 末 か ら19世 紀 初 め にお け る ナ 《 ア ク テ ィ ビ テ ィ 》19 世 紀 に, ど の よ う にし て 世 界 各 地 の人 々 は 新 し い アイ デ ン テ ィ テ ィ を受 け 入 れ た か 。 そ の アイ デ ンテ ィ テ ィ は国 家 と結 合 す る も の で あ る が, こ の 複 雑 な 概 念 を 定 義 す る こ と か らこ のレ ッ ス ンを 始 め る。 工. 3∼ 4 の グル ープ に分 か れ, 資 料1.1 (「 ナ シ ョ ナ リ ズ ム の事 例コ に 示 さ れ た ナ ショ ナ リ ズ ム につ い て の 事 例を 3つ 読 み, グ ル ー プ で 類 似 点 を 見 つ け る。( こ の 類 似 点 を ナ シ ョ ナ リ ズ ム の特 徴 と位 置 付 け る。 ) 2. 類 似 点 の リ ス ト を元 に, 座 標 軸 を 作 って , そ れぞ れ の類 似 性 を テ スト す る。 必 要 が あ れ ば リ スト を 修 正 す る。 3. ク ラ ス 全員 で , 事 例 か ら 識 別 し た 特 徴 につ い て 話 し合 う。 そ し て , 黒 板 や OHP に特 徴 を 記 録 す る。 各 グ ル ー プ が 特 徴 を 提 案 し た後 , ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 学 問 的 な 定 義 に基 づ く, 次 の よ う な 特 徴 を 紹 介 す るo ・ 歴 史 , 言 語 , 人 種, 民 族 な ど に基 づ い た 共 通 の ア イ デ ン テ ィ テ ィを 持 つ 。 ・ ア イデ ン テ ィ テ ィ を 共 有 し, 結 び つ い て い る人 間 の集 団 を 信 じ る。 ・ 他 の集 団 や 個人 の利 益 よ り 国 家 へ の忠 誠 を 優先 す る。 ・ 国 家 の利 益 の た め に 政 治 的 な 要 求 , 特 に独 立 す る権 利 を 主 張 す る。 4. 上 の 4点 につ い て, 同 意 で き る か , そ れ と も 同意 で き な い か 考 え る。 ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 特 徴 とし て , こ の ク ラ ス で は ど の よ う な 意 見 の一 致 か で き る か。 合 意 で き た特 徴 を も と に, も う ひ とつ 座 標軸 を 作 る。 5. 資 料1.2 (「 ナ シ ョ ナ リ ズ ム の事 例 か 否 か」) の 事 例 の 中 に は, 我 々 か考 え た ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 座 標 軸 に当 て は ま ら ない も の も あ る。 そ れ ぞ れ ナ シ ョ ナ リ ズ ム の事 例 か どう か, 再 び グ ル ープ に分 か れ, 話 し 合 う。 6. そ れぞ れ の事 例 が な ぜ ナ シ ョ ナリ ズ ム の事 例な の か, ま た は そ う で な い の か に つ い て 議 論 す る。 事 例 と は言 え な い も の につ い て は, ど の よ う な変 更 が 必 要 か に つ い て , 考 え る。.過 去 の ま た は現 在 の ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 事 例 に つ い て 知 って い るこ と が あ れ ば紹 介 す る。 7. こ れ まで の特 徴 につ い て の 考 察 を も とに , ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 定 義 を ク ラ スで ま と め る 。( こ の 定 義 は 印 刷 し て , 忘 れ な い よ う にこ の単 元 が 終 わ る ま で 教 室 に 掲 示 す る。 ) し た 參 を・持 つ 通 じ − ノョ ナ 1.1 1.2 し い イ デ オ ロ ギ ー で あ り, 急 速 に世 界 各 地 に 広 が っ た。 19世 紀 以 て い た 。 ナ シ ョ ナ リ ズ ム は そ う い っ た王 朝 や宗 教 へ の 忠 誠 心 に代 : 成 長 し 続 け た。 Lessenlで は, ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 概 念を 理 解 す る リ ズ ム の 代 表 的 な 事 例 を 学 習 す る。 │ 資 料1.1 は, ① イ タ リ ア 統 一 過 程 , ② 清 の 義 和 団 事 件 , ③ メ キ シコ のフ アレ ス 時代 と い っ た, 3 つ の 出 来 事 の 紹 介 で あ るこ と か ら, 類 似 点 と して , 軍事 介 入, 政 治 介 入 , 宗 教 の介 在 な ど が 挙 げ ら れ る ので はな い か。 │ 資 料1.2 は, ① 英 国 の 女 性 参 政 権 運 動 , ② ボ ー ア 戦 争 , ③ 第 1 次 世 界 大 戦 前 の バ ル カ ン半 島 の民 族 対 立 と い っ た , 3つ の 出来 事 の紹 介 で あ る。 ② が ナ シ ョ ナ リ ズ ム の  事 例 で あ り , ① は ナ ジョ ナリ ズ ム の事 例 と は言 え ず, ③ は ナ ショ ナ リ ズ ム の影 響 に つ い て の事 例 と して あ げ ら れ て い る の で は な い か 。 57

(8)

L e S S 0 n 2 《 概 要 》Lessen2 で は,19 ・ 20世 紀 に オ スマ ン帝 国 と イ ンド に お1 を 作 る 。 そ し て , こ の 2 つ の 地 域 の ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 進 展 を 比 較 異 な る 地 域 で は ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 原 因 と 結 果 は 様 々で あ るこ とをJ 《 ア ク テ ィ ビ テ ィ》 す る一 方 で , 異 な る 地 域 で は ナ シ ョ ナリ ズ ム の 原 因 と 結 果 は 様 々で あ るこ とを 理 解 す る。 《 ア ク テ ィ ビ テ ィ》 前 時 に整 理 し た ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 定 義 と 特 徴 を 思 い 出 す。 19世 紀 と20 世紀 初 頭 に オ スマ ン帝 国 と イ ンド で な ぜ , ど の よ う にし て ナ ショ ナリ ズ ムが 発 展 し た かを こ れ か ら 見 て い く た め に, そ れ ぞ れの 地 域 の ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 発 展 の年 表 を 作 り , 比 較 ・ 対 照 す る 。 1. 3 ∼ 4の グ ル ープ に分 か れ, 第 1次 資 料 と 第 2 次 資 料 か ら な る2.1 ( 匚オ ス マ ン帝 国」) と2.2 (「 イ ン ドコ を も と に 次 の よ う な 手 順 で 年 表 を 作 る 。 ・ プ リ ン ト や 本 に あ るそ れぞ れ の資 料 を 読 み, ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 進 展 に 関連 す る と 思 わ れ る 出来 事 と そ の 日 付 の メ モを とる 。 ・ グ ル ー プ の メ ンバ ー と話 し 合 い , 読 み 取 っ た こ と を ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 特 徴 と 定 義 に当 て は めて み る。 ・ そ れ ぞ れ の 地 域 ご と に, ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 発 展 に つ い て , 少 な く と も 5つ の 出 来 事 を 選 ぶ 。 こ れ ら の 出 来 事 は1850-1914 の 期 間 か ら 選 ぶ。 ・1850-1914 の年 表 に そ れ ら の 出来 事 を 記 入 す る 。 そ し て , そ れ ぞ れ の 出 来 事 の 下 に , な ぜ そ の 出来 事 が ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 発 展 に 寄 与 し て い た の か につ い て 説 明 を 記 入 す る。 そ れ ぞ れ の 地 域 の 人 が こ の 時 代 に ど の よ う に ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 形 成 し た か も 書 き 留 め る 。 2. オ ス マ ン 帝 国 と イ ンド の年 表 が 完 成 し た ら, ク ラ ス 全員 が そ れ ぞ れ の グ ル ープ の 選 び 出 し た 出来 事 を 共 有 で き る よ う に し , 2 つ の 地 域 の 民 族 運 動 の 原 因 を 確 認 す る。 そ し て, こ の 時 代 に こ の 2 つ の 地 域 で 人 々 は ど のよ う に ア イ デ ン テ ィ テ ィ を形 成 し た か に つ い て 話 し 合 う 。 3. そ れ ぞ れ の グ ル ープ の 年 表 の類 似 点 を 指摘 し す る。 次 に, こ れ ら の 地 域 で ナ シ ョ ナリ ズ ムが 発 展 し た理 由 や方 法 の 違 い を 指 摘 す る。 そ し て , な ぜ こ のよ う な 違 い か生 じ た か につ い て 仮 説 を 考え る。 最 終 的 に , こ の 2つ の地 域 で ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 勁 き に 宗 教 か ど の よ う な 役 割 を 演 じ て い た か考 え る。( こ の 議 論 は, Lessen3 で の宗 教・ 帝 国 主 義 と ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 関係 の 考 察 に 関 連 す る。 ) 4. オ ス マ ン 帝 国 と イ ンド の ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 学 習 を 通 し て , Lessenl で の ナ シ ョ ナ リ ズ ム の知 識 か ど の よ う に 広 が っ た か。 も し く は 違 い か 生 じ た に つ い て 5分 間で 書 く。 ナる ナ ・ 対 禀 里解 す 2.1 2.2 シ ョ ナ リ ズ ム の進 展 つ い て , 第 1 次 及 び 第 2次 資 料 を 用 い て 年 表 す る。 Lessen!で 作 っ た ナ ショ ナ リ ズ ム の定 義 を 適 用 す る一 方 で , る。 │ 資 料2.1は , オ ス マ ン帝 国 に 関 わ る 資 料 と し て, 1878 年 の ベ ル リ ン 条 約 の 抄, 1908 年 の青 年 ト ル コ党 宣言 の 抄, オ スマ ント ル コ の 公 教育 の 写 真, 1912 年 の バ ルカ ン 半  島 の 地 図 が 示 し て あ る。 資 料2.2は , イ ン ド に 関 わ る 資 料 と し て, 1908 年 に テ ィ ラ クか 国民 会 議 で 行 っ た 演 説, 1909 年 にガ ン デ ィ ー の イ ン ド 統 治 法 に つ い て の イ ン タ ビ ュ ー, 1848 年 の英 国 支配 下 の イ ン ド の 地  が 示 し て あ る。 年 表 に 記 入 す る の に適 し て 出 来 事 に は, つ ぎ の よ う な も の が あ る。 ○ オ ス マ ン 帝 国 ・ タ ン ジ マ ー ト 改 革(1839-1876) ・ キ リ ス ト 教 徒 と ユ ダ ヤ教 徒 に政 治的 な 権利 を 与 え , 全 て の 臣 民 の 平 等 を 認 める 勅 令 を 発 布(1856) ・ ル ー マ ニ ア の 新 憲 法 採 用 (1864 ) ・ オ ス マ ン 憲 法(1876) ・ 露土 戦 争(1877-1878) ・ ベ ル リ ン 条 約 ; セ ル ビ ア , モ ンテ ネ グロ , ル ーマ ニ ア の 独 立(1878) ・ 青年 ト ル コ 党 運 動(1870s-1914) ・ 英 国 軍 の エ ジプ ト 占 領(1882) ・ 青年 ト ル コ 党 に よ る ア ブ デ ュル= ハ ミト 2世 の 廃 位 (1909 ) ・ バ ル カ ン 戦 争(1912-1913) 生 徒 は オ ス マ ン 帝 国 か ト ルコ 人 , ギ リ シ ヤ人 , ブ ル ガ リ ア人 , ル ー マ ニ ア 人 , ア ル メ ニ ア語 , タ ル ト 人, ス ラ ブ 人 , シ リ ア 人 , ア ラ ビ ア 人 , ユダ ヤ人 お よ び エ ジ プ ト 人 を 含 む, 多 く の 人 種 お よ び宗 教 を 支 配 し て い た こ と も記 す べ き で す 。 ○ イ ン ド ・ イ ン ド 反 乱(1957-1859) ・ ヴ ィ ク ト リ ア 女 王 のイ ンド 皇 帝 宣言(1957) ・ イ ン ド 国 民 議 会 結 成(1885) ・ ベ ン ガ ル 分 割 (1905 ) ・ ガ ン ジ ー の 無 抵 抗 ・ 不 服 従 運 動 開始(1907) ・ テ ィ ラ ク が 国 民 議 会 で 自治 を 訴 え る (1908 ) L e S S 0 n 3 《 概 要 》Lessen3 で は, 1850 年 か ら1914 年 ま で の 宗 教 と宗 教 的 ア・ て も た ら さ れ た 背 景 と な る知 識を 持 っ て い るこ と が望 ま れ る。 こ わ ら ず, キ リ スト 教 の痕 跡 が 依 然 と し て ヨ ーロ ッ パ 列 強 の 文 化 や 時 の人 々 に大 変 人 気 の あ っ た ル ド ヤ ー ド・ キ ップ リ ン グ の詩 が , そ テ ィ を変 え る こ と に 抵 抗 し た 非 西 洋 人 の反 応 につ い て 考 え るLess 《 ア ク テ ィ ビ テ ィ 》 1. 19 世 紀 中 頃 ま で の 西 洋 文 化 にお け る ナ シ ョ ナ リ ズ ム, 帝 国 主 義 , 宗 教 につ い て知 っ てい る こ とを ブ レ ー ン ス ト ー ミ ン グす る 。 ナ シ ョ ナ リ ズ ム , 帝 国主 義 , 宗 教 の 関 係 に つ い て 黒 板 かOHP に 書 き 留 め る 。 こ の 三 者 に は ど の よ う な 関 係 が 見 ら れ る か 。 特 に 宗 教 は ナ シ ョ ナ リ ズ ム と帝 国 主 義 に ど の よ う に 関 連 し て い る か。 2. 資 料3.1 (「 ル ド ヤ ード・ キ ップ リ ン グ の 詩⊃ を 読 み, 次 の 4 つ の 議 題 に つ い て ク ラ スで 討 論 す る。 ○ キ ッ プ リ ン グの 詩 に宗 教 的 な 影 響 を 示 す 証 拠 と し て ど の よ う な も の が あ る か 。 ○ キ ッ プ リ ン グが 詩 を 出版 し た と き に, 宗 教 に つ い て の あ な た の 見 方 は 変 わっ た か 。 ○ キ ッ プ リ ン グの 詩 は ナ シ ョ ナ リ ズ ム, 帝 国主 義, 宗 教 の 間 の 関 係 につ い て 何 を 物 語 って い る か。 O 「 白 人 の 責 務 」 の詩 は, 英 国 の帝 国主 義を 誹 謗 す る 皮 肉 の詩 で あ る と 主 張 す る学 者 が い る が, こ の 考え に つ い て どう 思 う か。 3. 資 料3.2 (「 ナ シ ョ ナ リ ズ ム, 帝 国 主 義 , 宗 教」) を 先 ほ ど と 同 様 の 議 題 に着 目 し て 読 み, ク ラ ス と し て の い く つ か の結 論 を 導 く 。 事 例 は次 のこ とを 含 んで い る。 ゛デ ン D レ ッ フ デ オ D 証 拠 m4 の 3.1 3.2 テ ィ テ ィ の役 割 を 紹 介 す る 。 そ れ に は, 科 学 的 啓 蒙 的 思 考 に よ っ ス ン の 終了 ま で に, 西 洋 文 明 が宗 教 的 で な くな って い る に も か か ロ ギ ー に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る こ と か 分 か る は ず で あ る 。 当 と な る。 Lessen3で は, 西 洋 の 葫 権 に直 面 して 自 ら の ア イデ ンテ ィ 内 容 に もつ な が る も の に な っ て い る。 │ 資 料3.1は, キ ッ プ リ ン グ の詩 を 2 編 (「 英 語 の歌 」 と 「 白 人 の 使 命」) 紹 介 し て あ る 。 │ 資 料3.2は, B・ ア ン ダ ーソ ンを は じ め とし た, 数 人 の 研 究 者 の ナ シ ョ ナ リ ズ ム論 を 整 理 し た も の で あ る。 - 58 −

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4. 次 のテ ー マ につ い て, 5分 間 で エ ッセ イ を 書 く。 「 ̄19世 紀 中 頃 ま で に, ナ シ ョ ナ リ ズ ム, 帝 国 主 義 , 宗 教 ぱ 西 洋 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ ” に ど の よ う な 影 響 を 与 え た か。」 5. 資 料3.3 ( 匚テ オ ド ー ル ・ ヘ ル ツ ェ ル の “ ユ ダ ヤ人 国 家 ” 」) を 読 んで , 次 の 3 つ の 議 題 を クラ スで 討 論 す る。 ○ こ の文 書 は, あ な た の 「 ナ ショ ナ リ ズ ム」 につ いて の 理 解 に さ ら に寄 与 す る か, 変 更 さ せ る も のか 。 ○ こ の文 書 は19 世 紀 末 に お け る ナ ショ ナ リ ズ ム と宗 教 の 関 係 の 理 解 に さ ら に 寄与 す る か, 変 更 さ せ る も のか 。 ○ ヘ ル ツ ェ ル が ユ ダ ヤ 人 国 家 を 建 設 し よ う とし た こ と につ い て 正 当 化 で き る と 思 う か 。 そ れ は な ぜ 正 当 化 さ れ る, ま た は さ れな い の か。 3.3 ・ あ る人 々 に と っ て, ナ シ ョ ナ リ ズ ム は 教 会 へ の昔 か ら の忠 誠 に替 わ る も の だ っ た。 ・ 神 に 厂選 ば れ し者 」」「 文 明 へ の 使 命」 とい った 考 え に よ っ て, 宗 教 は ナシ ョ ナ リ ズ ム と帝 国 主 義 に あ る 役 割を 果 たし て い た。 資 料3.3 は , シ オ ニ ズ ム 運 動 の 指 導 者 で あ っ た ヘ ル ッ ェ ル の ピ ュ ダ ャ人 国家 」 か ら の 引 用 が 紹 介 し て あ る。 L e S S O n 4 《 概 要 》1850 年 ま で に 西 洋 の覇 権 は 世 界 中 に 広 か っ た。 い くつ か 矛 盾 し た け れ ど も, ヨ ーロ ッ パ 列 強 の 政 治 的 経 済 的 成 を 拒 否 す る 政 治 的 支配 か ら生 き 残 る た め に 西洋 の 様 式 を どの 程 度 受 け 入 れ な よ う と す る リ ー ダ ーも い れば , 軍 事 や工 業 化 な ど の西 洋 化 を 推 し し な が ら旧 来 の ア イ デ ンテ ィテ ィを 保 持 し よ う と し た 日本 とエ ジ で 維 持 さ れ た も の, 維 持 さ れ な か っ た もの につ い て 考 え る。 《 ア ク テ ィ ビ テ ィ 》 西 洋人 が ヨ ー ロ ッパ や 北 アメ リカ 以 外 の地 域 に ど の よう に して 「 侵 入」 し た か 。 軍 事 力 以 外 の西 洋 の支 配 を 推 し 進 め た要 因 につ い て考 え る。 西 洋 の 文 化 ・ 思 想 ・ 事 物 は ど の よ う にし て 侵入 し た か。 西 洋 人 の 侵 入 に反 対 し た ア ジ ア や ア フ リ カ に つ い て 考 え る。 1 . ク ラ ス の半 分 を 日本 , 半 分 を エ ジ プ ト の グル ープ に分 け, そ れ ぞ れ資 料4.1 ( 厂日本 に お け る 新 し い ア イ デ ン テ ィ テ ィ 」), 資 料4.2 (「 エ ジ プ ト に お け る 新 し い ア イ デ ンテ ィ テ ィコ お よ び 教 科 書 な ど の利 用 可 能 な 資 料 を 用 い て , ア イ デ ンテ ィテ ィを 守 る た め の 国 家 の争 い を 調 べ , 資 料4.3, 4.4 のベ ン 図 を 完 成 さ せ る 。 そ し て , そ の 後, 次 の 3つ の 課 題 に つ い て 討 議 す る。 ○ 西 洋 と の接 触 以 前 に お い て, ナ シ ョ ナ リ ズ ム と宗 教 は ど の よ う な 役 割 を 持 って い た か。 ○ 旧 来 のア イデ ン テ ィ テ ィを 保 持 し よ う と す る 人 々と の争 い に お い て , ナ シ ョ ナ リ ズ ム と宗 教 は ど の よ う な 役 割 を 持 って い た か 。 ○ 西 洋 と の接 触 の 後 の 国家 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 新 し い 側 面 に お い て , ナ シ ョ ナ リ ズ ム と宗 教 は ど の よ う な 役 割 を 持 って い た か。 2. 調 べ た 結 果 を ま と め, 話し 合 う。 Z)国 に こ とk ナれ に 隹めj プトC 4.1 4.2 4.3 4.4 と って , 西 洋 の文 化 と イ デ オロ ギ ー は 自 分 た ち の もの と は ひ ど く で き な か っ た。 非 西 洋 の リ ーダ ー や 思 想家 は ヨ ーロ ッパ の経 済 的 な らな い か検 討 し た。 西 洋 の影 響 を 避 け て 理 想 的 な 過 去 に回 帰 し う とす る リ ーダ ー も い た 。 こ のレ ッ ス ン で は, 西 洋 の 覇 権 に直 面 事 例 を 検 討 す る。 非 西 洋 の一 連 の動 き につ い て, 変 わ り ゆ く世 界 資 料4.1は , 日 本 の 明 治 維 新 前 後 の 出 来 事 を 紹 介 し た も の で あ 回 。 │ 資 料4.2は , イ ギ リ ス に よ る エ ジプ ト の 保 護 国 化 と ム ス リ ム の 抵 抗 につ い て 紹 介 し た も の で あ る。 │ 資 料4.3と4.4は, 西 洋 と の 接 触 以 前 の旧 来 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ と , 西 洋 と の接 触後 の 新し い ア イ デ ン テ ィ テ ィ につ い て ベ ン図 を 描 く よ う にな って い る。

味で, WHFUA

の授業 は, 概 念の探 求を通 じて,

国家 や文化 の境 界線 にと ら われず ,

「 問 い」 に基

づ いて, 学習対 象 となる時 間的空 間的フ ィ ールド

が設 定さ れて いるこ とが分 かる。

5  お わ り に

WHFUA

は, 全 体 構 成 に お い て パ ノ ラ マ, ラ ン

ド ス ケ ープ , ク ロ ー ズ ア ップ と い っ た 空 間 的 時 間

的 尺 度 の違 う 三 つ の 単 元 群 を 自 由 に 組 み合 わ せ る

こ と が で き る よ う に な っ て い た。 さ ら に, ビ ッ グ

ヒ ス ト リ ー の 視 点 を 導 入 す る こ と で , 環 境 ・ 生 態

系 の一 部 と し て 人 間 を 位 置 付 け, 人 間 中 心 の 歴 史

認 識 す ら 脱 却 し よ う と す ら し て い た 。 こ う し て 国

民 国 家 や 民 族 文 化 の 枠 に 囚 わ れ る 思 考 は 相 対 化 さ

れ , そ の 境 界 線 を 越 え る 構 成 が実 現 し て い た。

ま た, ラ ン ド ス ケ ー プ と ク ロ ー ズ ア ッ プ の 各 単

元 に お い て は, 匚人 と 環 境 」 匚人 と人 」 匚人 と 思 想」

と い う三 つ の枠 組 み に 基 づ く 匚問 い」 が そ れ ぞ れ

用 意 さ れ て い たO そ し て, WHFUA

の 単 元 は , こ

の 匚問 い 」 を 探 求 さ せ る こ と を 念 頭 に 構 成 さ れ た

も の と な っ て い た。 ま た 同 時 に, こ の 三 つ の 問 い

は, 社 会 諸 科 学 に 関 連 し て 設 定 さ れ た と 思 わ れ る

七 つ の テ ー マ の う ち の い くつ か と 関 連 づ け ら れ ,

歴 史 的 考 察 が 行 な わ れ る よ う に な って い た。 こ の

3つ の 問 い も 七 つ の テ ー マ も, そ れ 自 体 が国 や 文

化 を 越 え た考 察 が可 能 な もの で あ っ た。

具 体 的 に分 析 し た 授 業 展 開 に お い て は, ナ シ ョ

ナ リ ズ ム の概 念 を 探 求 ・ 成 長 さ せ る 過 程 に お い て ,

ヨ ー ロ ッパ , ア メ リ カ, ア フ リカ , ト ル コ, 中 国 ,

イ ン ド, 日 本 な ど が 事 例 と し て 幅 広 く と り あ げ ら

れ て い た。 こ れ ら は 探 求 の 際 の必 要 か ら 選 択 さ れ

た も の で あ り , 各 国 家 の 状 況 や 各 民 族 の文 化 自 体

を 学 習 す る こ と は 目 標 と さ れ て い な か っ た

O そ の

意 味 で , 授 業 は 匚問 い」 に基 づ い た 探 求 の た め の

必 要 に応 じ て , 考 察 対 象 とす る 空 間 的 時 間 的 な 範

囲 が 定 ま り, 国 民 国 家 や 民 族 文 化 の 枠 を 固 定 的 に

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参照

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