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東アジアの国際関係と北朝鮮(アジア・太平洋研究センター主催講演会)

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Academic year: 2021

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―  ―45 東アジアの国際関係と北朝鮮(平岩 俊司)

アジア・太平洋研究センター主催講演会

日 時:2016 年 12 月 7 日(水) 場 所:瀬戸キャンパス B 棟 302 教室 テーマ:東アジアの国際関係と北朝鮮 報告者:平岩 俊司(関西学院大学教授)  関西学院大学国際学部教授の平岩俊司先生をお招きし,「東アジアの国際関係と北 朝鮮」をテーマにご講演いただいた。  アメリカのトランプ大統領の当選による定まらないアメリカの朝鮮半島政策,朴槿 恵大統領の政治スキャンダルに伴う滞る韓国の対外政策,北朝鮮による核実験とミサ イル開発による次元の異なる北朝鮮脅威,日本にとっての朝鮮半島情勢の展開といっ た時事問題を導入に語られながら,おもに次の 4 つのテーマについてご講演いただい た。 1.朴槿恵政権と韓国政治  朴槿恵大統領の機密漏洩疑惑に端を発するスキャンダルをめぐって,週末ごとにふ くれあがった民衆デモによって韓国政局を動かすこととなった。これは単に朴大統領 への不満であるのみならず,韓国経済の低迷,若者の就職難など韓国社会の閉塞感な どがスキャンダルを契機に臨界点に達した,という韓国社会の構造的矛盾としてとら えなければならない。

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南山大学アジア・太平洋研究センター報 第 12 号 ―  ―46 2.トランプ政権の北朝鮮政策  アメリカの次期トランプ政権の行方も朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼすだろう。 トランプ候補は選挙戦の過程からオバマ政権期の戦略的忍耐政策を批判していたの で,軍事力の使用まで含めた強硬策か,逆に北朝鮮の核保有を黙認してこれ以上悪化 させないように妥結するかなど,いずれかの両極端の政策をとりたいだろうが,すぐ さま極端な政策はとれない。したがって,当面は北朝鮮と関係のある企業に対する制 裁(いわゆる二次的制裁)が中心となろう。その際,中国の協力が必要となるが,米 中関係が対立的になれば北朝鮮には有利だろうが米中が協力的になれば北朝鮮は反発 を強めるかもしれない。いずれにせよ日本は日米韓の協力関係を前提として東アジア 情勢に向き合う必要がある。 3.核ミサイル問題の行方   2016 年に北朝鮮は,通算 4 度目,そして 5 度目の核実験を行った。さらにミサイ ル発射については 2016 年だけで 20 回以上の実験をおこなった。国際社会の予想,対 応を超えたスピードで脅威は増大している。冷戦の終焉で韓国がソ連,中国と国交正 常化したため,北朝鮮のみが一方的に米国の核の脅威にさらされている状態を解消す るために核ミサイルを保有しなければならない,というのが北朝鮮の主張だ。北朝鮮 は核弾頭の小型化,多様化に成功し,ミサイルについても多種多様なものがあると主 張しているが,まだ多くの課題があるものの北朝鮮の技術力を過小評価してはいけな いだろう。 4.金正恩体制のイメージ  金正恩体制は若い指導者が思いつきで政権運営を行い,核,ミサイルについても思 いつきで行っている,まさに「恐怖政治」,との印象が強いが,それは間違いである。 北朝鮮は,明確な目標を設定し,彼らなりの「合理性」でそうした目標を達成しよう としている。人事面の動揺はあるものの,短期的に体制が崩壊することはない。崩壊 に期待する向きもあるが,すくなくとも崩壊を前提にしたり,崩壊を期待して北朝鮮 と向き合えば北朝鮮に無為に時間を与える結果となるだけである。  日本としては,朝鮮半島の二つの政権の情勢を冷静に,客観的に分析し,アメリ カ,中国を含めたより広範な枠組みの中で朝鮮半島に向き合う必要がある。朝鮮半島

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東アジアの国際関係と北朝鮮(平岩 俊司)

と如何に向き合うかは,今後の日本の東アジアでの,さらには世界での立ち位置を決 めることになるのだ。

参照

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