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Diatom biostratigraphy and paleoceanography in the eastern Equatorial Pacific (東太平洋赤道海域における珪藻化石層序ならびに古海洋学的研究)

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Academic year: 2021

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Diatom biostratigraphy and paleoceanography in

the eastern Equatorial Pacific (東太平洋赤道海

域における珪藻化石層序ならびに古海洋学的研究)

著者

岩井 雅夫

1328

発行年

1993

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氏名・(本籍) 学位の種類 いわいまさお

岩井雅夫

博士(理学) 学位記番号理博第1328号 学位授与年月日平成5年3月25日 学位授与の要件学位規則第4条第1項該当 研究科専攻 学位論文題目 論文審査委員 東北大学大学院理学研究科 (博士課程)地学専攻 (群馬県) Dia,七〇mbiostratigraphyan(ipaleocea,nogra,phyin伽e ea,sternEquatorialPacific (東太平洋赤道海域における珪藻化石層序ならびに古海洋学 的研究) (主査) 教授斎藤常正 教授森啓 助教授石崎国熈

論文目次

Introduc七ion Acknowledgements Biostratigraphy Materialsandmethods Timescale/chronologicalframework Lithos七ra七igraphicoverview Eas七erntransect Westem七ransect Neogeneequatorialdiatomzonation Diatombios七ratigraphyatLeg138si七es Discussion

(3)

4 5 678 Diatomthanatocoenosisalongan110。Wtransect Abundanceandcompositionofdiatomfioras Latitudinaldis七ributionofselecteddiatomtaxa Discussion Conclusion QuantitativebiostratigraphyatSite852 Mater圭alsandme七hods Resultsanddまscussion Lithologyanddowncorefluctuationofdiatomvalveconcentration Diatomaccumulationratepattem Downcoredistributionofdiatomspecies Dissolu七ioneffect Comparisonwiththeeoliandustdistribu七ionalpattem Conclusion Summaryandconclusion Taxonomicnotesandfloralreferences References

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論文内容要旨

珪藻は珪酸質の殻を持ち,堆積物中において多数保存されることから,示準化石・示相化石と して重要な役割を示している。一連の深海掘削においては簡便且っ信頼性の高い微化石層位学的 手法は堆積物の年代を決めて行く際になくてはならない手法とされている。また最近の掘削では 過去の気候変動を従来に比べ精度高く調べようとしており,より一層信頼性の高い微化石層序の 確立が求められている。一方珪藻は海洋の最も重要な植物プランクトンのひとつで,過去の生産 性・水塊構造を探る上で重要な情報をもたらす。 本論では東太平洋赤道海域において海洋掘削計画(ODP)Leg138航海により掘削された総計 5000m余りにおよぶ深海底柱状試料の珪藻化石分析を行い,新生界の珪藻化石帯を設立した。 またコァトップ試料の解析から表層堆積物中の珪藻化石の分布に関する基礎資料を得た。さらに ODPSi七e852においては定量的解析を行い,珪藻化石の量的・質的変化ならびに種々堆積学的 データとの比較から,新生代を通しての湧昇の変化について論じた。 低緯度域の珪藻化石層序はBurkle(1972),Barron(1985)によって設立された化石帯が広く 用いられてきたが,Leg138の1i地点から得た総計1000枚以上のスミアスライドを検討した結果, 従来の化石帯の一部はそのまま適応出来ないことが判明した(第3章)。そこで各々の珪藻化石 イベントについてタクサの層位的な産出の連続性や産出量の変化の検討から,より信頼性の高い 重要なイベントを選出し,化石帯を定義した。これによりLeg138で得られた新生界の地層は16 の珪藻化石帯に区分される(図1)。これらの化石帯のうち〈砒2s砺α而ooθ認。α一丁肱Zαssεos磁 coπuε劣αConcurrent-RangeZone,ノ〉∫むzscん如肌αr磁lntervalZoneの2帯は新設,。4σ伽ocッol鵬 肌oroπ2照`sPartia1-RangeZone,τんα」αs蕊osZrαyαδε`Partial-RangeZone,銑α1αss`o舘rα coπuεxαIntervalZone,R1ぬosoZθ漉αρrαεわε㎎oπ露Concurrent-RangeZone,〈匠あzso配α 副読o14Z`Concurrent-RangeZone,Psθ認。θμπo飽40」∫oJ聡Partia1-RangeZoneの6帯は再定 義したものである。これらの化石帯は,従来のものにくらべ,より広い範囲においてより確実に 適用できると考えられる。 各珪藻化石イベントと古地磁気層序との対応づけは,標準時間尺度に対応付ける上で重要であ る。Si七es844,845,848,851,852では珪藻化石が連続して産出し,すべての化石帯が認定され たとともに,部分的に古地磁気層序が得られ,各珪藻化石イベントと古地磁気層序との直接の対 応づけが行われた。σrα5pε60伽σμsoosc説04∫sc認ならびにDε漉。αZopsどss加。πsθ祓s.1.の絶 滅層準は,それぞれσ4、4の下部,σ5の中部に位置付けられることが新たに判明し,10.6Ma, 8.8Maの絶対年代が算出された。Psθμ60εα泥。ホめdoJ∫oZμsの初出現層準は従来報告されていた年 代値より20万年から40万年古い2.0-2.2Maにさかのぼることが判明した。インド洋・北西太平洋 の記録と比較すると,このイベントは低緯度域では同時性をたもつが,高緯度に向かうに従い遅 くなる傾向が明らかになった。他のイベントについては従来報告された年代値と矛盾しない値が 得られた。

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第4章では西経110ロ線に沿った5地点のコアトップ試料を用い,表層堆積物中の珪藻遺骸の分 布を調べた。珪藻殻は堆積物1gあたり3.9x106からi.7×107個体の密度で算出し赤道付近で急 激に増加する。このパターンは表層水における珪藻の分布,生産量の変化に呼応しており,堆積 物中の珪藻が過去の生産量を調べる上で重要な情報を与えることを改めて確認した。 珪藻遺骸の群集組成からは以下の特徴が見いだされた。当海域の珪藻遺骸群集はTんαzαssεos`rα 碗ZS磁0漉svar,ρα測α,Rんε20soZ翻αわ2rgO疵,ノ42Pθ記彪πOぬ好εrα,PSθ副0θμη0オ∫α 40ZオoZ鵬,丁肋Zαss`os∫rαoθsむ褐ρゴオの5種により全体の約7割が占められる。赤道域の表層生産 性の高い地点では肌.航2sσ1ぬ`ゴεsvar.ραruαが卓越し全体の30∼40%を占める。赤道から離 れるに従いT11.漉∼Sぬ0漉svar.pαroαは減少し・42.πod読∫θrα,PdoZZoZμS,TlOθS亡rゆ`が 増加する。北赤道海流の影響下にある最北のSite854ではエ。観測pあが卓越し全体の約30%を 占める。また各種の絶対頻度の分布を調べたところ,生産性の低い地点で卓越した。侮ρε漉α πoぬ岬θrαはむしろ生産性の高い地点で増加しており,この地点における相対頻度の減少は銑. 漉2sc配。オdεsvar.pαroαのより急激な増加によるものであることがわかった。 第5章では北緯5。17.566',西経i10。4.579',水深3860mに位置するSite852の試料を用いて 珪藻化石の定量的分析を行い,新生代を通しての生産性・水塊構造の変化,またそこにいたるま での問題点について議論した。 Site852は現在の南赤道海流と赤道反流の季節的境界域に位置し,また太平洋プレートの動き から過去の緯度・経度が調べられている。10Maにおいては北緯2.92。,西経102.52ロに位置して いたと考えられる。Hole852A∼Dの4孔が掘削され,上部中新統より上位の地層が欠如なく回 収された。堆積物は有孔虫一ナンノ化石軟泥,放散虫一ナンノ化石軟泥などからなり,珪藻化石 は酸処理を施すことにより連続して産出することが判った。上部中新統の一部を除いて古地磁気 極性が明らかになり,BerggrenααZ.(1985)の年代尺度モデルを用いて堆積物に年代軸を挿入 した。古地磁気極性が得られなかった部分は石灰質ナンノプランクトン化石の基準面を用い時間 面をおさえた。これら時間面と堆積物の層厚から堆積速度が算出される。堆積速度は8.5-23.6 m/m.y.の値が得られた。 試料はHole852A,852Bからの29サンプルを用いた。サンプル間隔は百万年あたり2∼4サ ンプルである。0.10gの試料から定量的に検鏡用スライドを作成し,検鏡を行った。珪藻化石殻 の堆積物1g(乾燥重量)中の密度は5.4×104から6.3×106valves/gであった。およそ100mbsf 以深では丁肋Zα8s言。オんr謡spp.が80%近い相対頻度で算出するが,珪藻殻密度は極端な減少傾向 を示している。鏡下では珪藻殻の溶解が認められ,間隙水のアルカリ度等の変化を示している。 丁肋Z㏄sεo亡んr謡spp.は従来生産性の高いことの指標種と見なされてきているが,このように極 度に溶解が進んだ場合,選択的に他の種が溶解され相対的に高い頻度で産出することが示された。 またこのような場合絶対頻度とのデータの組み合せにより要因の特定が可能となることも示され た。およそ30mbsf付近を境にそれより上位では丁肋Z㏄sεosオrαoθs左辺p泥,Ps認。ε肌。磁doZ`oZ鵬 が主要構成種として認められ,下位では鍛α」αssZoヵんr謡spp.が増加している。群集が大きく入

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れ替わっており,水塊構造が大きく変化したことが示唆される。この時期は2-2,5Maに相当 し,パナマ地峡の形成とそれに引き続く北半球における氷床の発達期にあたり,その影響を示唆 する。

先に求めた堆積速度(cm/kyrに換算),珪藻化石殻密度と堆積物の乾燥密度(g/cm3)から

珪藻化石殻の単位面積(cm2)・単位時間(kyr)当たりの集積速度を求めた。1,0x105-6.7x 106(valves/cm2/kyr)で時代と共に顕著に変化する様子が捉えられた。8Ma以前のデータ は溶解の影響を強く受けており小さな値となっている。7Ma付近,6-5Maにおいて顕著な ピークを示した後,3.5Ma付近で極小値を示しその後は変動しながら徐々に増加する。8Ma以 降のデータに関しては顕著な溶解の影響は認められず,集積速度の変化は珪藻の表層における生 産性を反映していると考えられる。 この時期,Legi38の各地点では特に西経110。線に沿った掘削点で,堆積速度の増加,calcium carbonate,phosphateの集積速度の増加などの観測結果は,このことと調和的である。太平洋 赤道域において珪藻の増殖を制約している因子は栄養塩の量であり,栄養塩の供給は主に深層水 からの湧昇というかたちで供給されていると考えられている。一方Hovan(1992)はeolian dus七の最大粒径の増加が同時期に認められることを示し,これから大気循環の強化(特に南半 球側)を示唆している。このことは生産性の向上が大気循環の強化にともなった深層水の湧昇に 起因する可能性を示している。

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Paleoma嬉ndiscale

AgeM二1口。』鵡uBc鯉口d畠1.d9絢帆需∈o口《DねtomZo脆eslhiおsLudy臨脳躍欝yd&灘m(M我)帖dir凶。曲b・{咤iOnLこ,陣1ωm脚d」cお

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図2Agevs.diatomaccumulationra七e(DAR,valves/cm2/kyr)

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論文審査の結果の要旨

珪藻は,珪酸質の殻をもつ植物プランクトンの代表者で,その殻は堆積物中に豊富に含まれ, 年代および古海洋環境の指示者として重要な役割を演じてきた。本論文は,東太平洋赤道海域に おいて,国際海洋掘削計画(ODP)の第138節航海によって掘削された,総計5000mにおよぶ海 底柱状試料中の珪藻化石の分析を行い,現在から新生代後期にまで遡る約8百万年間の,珪藻化 石層序の確立と,湧昇流の発達規模の時代的変化を再現した研究である。 まず広く東太平洋赤道海域から採集された堆積物の年代を決定するために,各珪藻種の層序的 な産出の連続性や,産出量の変化を検討し,より信頼性の高い,種の発生・絶滅のイベントを選 出して,16の珪藻化石帯を設定した。ついで,各珪藻化石帯について,古地磁気層序との比較を 行い,それぞれのイベントに対応する絶対年代値を求めた。 ついで,西経110。線に沿った5地点について,海底表層資料中の珪藻遺骸の分布を調べ,表層 水塊中の珪藻の分布,生産量の変化が遺骸群集の変化と呼応しており,堆積物中の珪藻が過去の 生産量の変化を探る指標として,十分な情報をもっていることを明らかにした。この結果をもと に北緯5。,西経110。5'の,水深3860mに位置するSite852について,後期新生代を通しての海 洋生産性と水塊構造の変化を解析した。この掘削地点は,現在南赤道海流と赤道反流の季節的境 界域に位置している。その結果,5-7Ma付近で,珪藻化石殻の単位面積・単位時間当たりの 集積速度が最高値に達し,3.5Ma付近で最小値を示す。このことは,珪藻の増殖を制約してい る因子が海中の栄養塩の量であり,栄養塩の供給は主に深層水からの湧昇によって供給されるこ とから,集積速度の増大は湧昇流の増大を示していると解釈される。この湧昇流の増大期に,堆 積物中のeoliandustの最大粒径の増加が認められ,南半球における大気循環の強化が湧昇流の 増大を誘起していると結論している。 以上,本論文は,本人が自立して研究活動を行うのに必要な高度の研究能力と学識を有するこ とを示している。よって,岩井雅夫提出の論文は博士(理学)の学位論文として合格と認める。

参照

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