企 業 の 経 営 効 率 分 析
一DataEnvelopmentAnalysisの
日 米 電 気 事 業
へ の 適 用 一
富
田
輝
博
Comparative
Analysis
of Efficiency
of the
Firm:
Application
of
Data
Envelopment
Analysis
to US-Japanese
Electric
Utilities
Teruhiro
Tomita
This paper examines the efficiency of electric utilities . Electric utilities are monopolized
under regulation. As I think there are any X-inefficiencies in this industry , I tried to measure
productive
efficiency originally presented
by Farrell and expanded
as Data Envelopment
Analysis by Charnes-Cooper-Rhodes.
Results show that overall efficient, that is, "D efficient" utilities are Tokyo Electric Power
Company(TEPCO) and Southern California Edison Company(SCE) .
This is my first analysis to the Yardstick Competition of electric utilities by DEA method
and I expect that it may make some contribution
to decisions of Regulatory Agency and
electric utilities of Japan.
1は
じめ に
2DEA法
3英
国 電気 事 業 の 経 営効 率 の実 証 分 析
4日
米 電 気 事 業 の経 営 効 率 の実 証 分 析
5ま
とめ
1は
じめ に
企 業 の 経 営 効 率 は 、 新 古 典 派 の 経 済 学 で は 、 費 用 最 小 の 仮 定 に 基 づ くallocativeefficiency (資 源 配 分 の 効 率)が 問 題 視 さ れ る。 し か し、 ラ イ ベ ン ス タ イ ン が 指 摘 す る よ う に 、 企 業 に は allocativeinefficiencyの ほ か に 、X-inefficiency(X非 効 率)が 存 在 す る と考 え ら れ る 。X非 効 率 は 組 織 に お け る ス ラ ッ ク 、 例 え ば 経 営 者 の 非 合 理 的 行 動 や 労 働 者 の 怠 慢 に よ っ て 生 じ る。 こ のX非 効 率 を含 む 企 業 の 経 営 効 率 を数 量 的 に 分 析 す る 方 法 は 大 別 し て 次 の2通 り あ る 。 第1 の 方 法 は 、stochasticparametricfrontierfunctionを 用 い た 計 量 経 済 学 的 手 法 で あ る 。 第2は 、 nonparametricfrontierfunctionを 用 い た 数 理 計 画 法 に よ る も の で あ る 。 本 稿 で は 、 生 産 関 数 型に 事 前 の仮 定 を設 け な くと も よ い後 者 の方 法 を用 い て 我 が 国 電 気 事 業 の実 証 分 析 を行 う。
今 、 対 象 とす る産 業 の 内 、 最 も効 率 の 良 い 企 業 を 生 産 関 数 か ら 求 め る 方 式 を、frontier
efficiencyと 呼 ぶ 。 この ア イ デ ア は ラ イベ ンス タ イ ン とフ ァ レル に よ って 提 案 され た。
フ ァ レル に よ る効 率 性 測 定 の 方 法 は、 当該 産 業 で 、 費 用 最 小 行 動 を と る企 業 の フ ロ ン テ ィ ア を
求 め る こ とで あ る。 図1は2種
類 の イ ン プ ッ トを用 い て 、1種 類 の ア ウ トプ ッ トを生 産 す る企 業
に お け る等生 産 量 曲 線 を示 し た もの で あ る。1)
図1フ ァ レ ル 効 率yyは
等 生 産 量 を表 して お り、 点E上
の企 業(以 下 企 業Eと 表 す)は
費用 最 小 の 生 産 プ ロ セ ス
を選 択 して い るの で 総合 効 率 的(ま
た は生 産 効 率 的)と
い え る。 た だ し、 イ ンプ ッ トの 相 対 価 格
はww線
に よっ て 表 され る もの とす る。 企 業Qは
イ ンプ ッ ト ・ ミッ クス が適 正 で な いの で資 源 配
分 上 非 効 率 で あ る。 企 業Rは 資 源 配 分 上 非効 率 で あ り、 か つ 、 技 術 的 非効 率 で あ る。 こ こ で、 資
源 配 分 非効 率 は 、OP/OQ、
技 術 的 非効 率 はOQ/ORで
表 さ れ る。 企 業Rは 企 業Qと 比 べ て
同 じア ウ トプ ッ トを生 産 す る の に、 二 つ の イ ンプ ッ トが 余 分 に 必要 とな るか ら で あ る。 等 生 産 量
1単 位 とい うの は 、 規 模 に関 して収 穫 一 定 を仮 定 して い る こ と を意 味 す る。
しか し、Q点 に お け る二 つ の イ ンプ ッ トよ り多 く使 用 す る企 業 は 規模 に 関 して 収 穫 逓 増 か逓 減
とな るか も しれ な いの で、 一 般 的 に は 、 技術 効 率 比OQ/ORは
、 規模 効 率OQ/OSと
純 技術
効 率OS/ORに
分 割 して も よい だ ろ う。 従 っ て、 ま とめ る とつ ぎの よ うに な る。
総 合 効 率=資 源 配 分 効 率 ×規模 効 率 ×純 技 術 効 率
OP/OR=[OP/OQ]x[OQ/OS]x[OS/OR]
配分 効 率 を暫 く無 視 して 、 技術 効 率 に注 目す る と、 フ ァ レル は 観 測 値 に ア クテ ィ ビテ ィ ・アナ
リシ ス を用 い て、 等生 産 量 に対 す る線 形 近 似 を行 っ た。 図2に 示 す よ うに 、FFフ
ロ ン テ ィ ア
上 の 企 業 は効 率 的 と呼 ぶ の に 対 して 、FFよ
り上 部 の 企 業 は 相 対 的 に非 効 率 的 で あ る。 各 企 業 の
相 対 的 効 率 は、 原 点 か ら当該 企 業 ま で の 距離 とフ ロ ンテ ィアFF線
まで の 距離 との 比 に よ っ て推
定 す る こ とが で き る。
図2フ
ァ レル 効 率 の推 定
2DEA法
2.1基 本 モ デ ル い ま、n個 のdecision-makingunit(活 動 単 位 、 以 下DMUと 略 す)が あ る と す る 。 本 稿 で は 、 DMUと し て 企 業 を考 え る が 、 活 動 単 位 な ら ば 、 個 人 で も 、 国 で もか ま わ な い 。 フ ァ レ ル 効 率 は ア ウ トプ ッ ト対 イ ン プ ッ ト比 に よ っ て 測 定 さ れ る 。 複 数 の イ ン プ ッ ト と複 数 の ア ウ トプ ッ トの 場 合 、 ア ウ トプ ッ トの 加 重 和 を イ ン プ ッ トの 加 重 和 で 割 る こ と に よ っ て 効 率 指 標 が 求 め ら れ る。 あ る 特 定 企 業 を 添 字0と 書 き 、 効 率 問 題 を 数 理 計 画 法 で 表 現 す る と 、 フ ァ レ ル 効 率 を 最 大 化 す る に は 、 イ ン プ ッ ト と ア ウ トプ ッ トに ど の よ う な ウ エ イ ト を つ け れ ば よ い か と い う 問 題 に 帰 着 す る 。 式 で 表 す と 、 maXθ0=ΣU,y,0/一 .rViXiO r-i制約条件
Σu,y,o/Σvlxio≦1(1) r UrZO Vi>Q こ こ で 、 y功=企 業jのr番 目 の ア ウ トプ ッ ト Xij=企 業jのi番 目の イ ン プ ッ ト u,=θoを 最 大 に す るr番 目 の ア ウ トプ ッ トの 係 数 Vi=θ0を 最 大 に す るi番 目 の イ ン プ ッ トの 係 数 7=1,2,n i=1,2,m r=1,2,...,s で あ る 。 (1)式 は 非 線 形(分 数 計 画)で あ り、 こ の ま ま で は 解 くの は 困 難 で あ る 。 そ こ で 、 チ ャ ー ンズ ・ ク ー パ ー ・ロ ー デ ス は 、(1)式 をn個 の 線 形 計 画 問 題 に 変 換 で き る こ と を 証 明 し、Data EnvelopmentAnalysis(DEA)法 と名 付 け た2)。 DEA問 題 は ア ウ トプ ッ ト最 大 化 ま た は イ ン プ ッ ト最 小 化 問 題 に 定 式 化 さ れ る が 、 各DEA問 題 は 双 対 モ デ ル を持 っ て い る 。 チ ャ ー ン ズ ら に よ れ ば 、(1)の 分 数 計 画 モ デ ル は 、 次 の 線 形 計 画 モ デ ル と 同 値 で あ る 。 m・xθ ・一 早U・y面 制 約 式 早v・X・ ・=1 甼U・y・j≦Vi・X・j
(j=1,2,...,n)
(2)
Ur>Q Vi≧0 上 の 線 形 計 画 問 題 の 最 適 解 を(v*、u*)と し 目 的 関 数 値 を θ*と す る 。 そ の と き 、 θ*=1 な ら ばDMUoはD効 率 的 で あ る と い う 。 θ*<1な ら ばDMUoはD非 効 率 的 で あ る と い う 。 い ま 、DMUoがD非 効 率 の と き を考 察 す る 。 そ の と き 、 制 約 式 の 中 に は ウ エ イ ト(v、u)に 対 し て 等 式 が 成 立 し て い るjが 必 ず 存 在 す る は ず で あ る 。 そ の よ う なjの 集 合 を Eo={j: ru・y・j=iVIXi)・j=1・ …n) と す る 。Eoに 属 す る 活 動 はDMUoをD非 効 率 と判 定 させ る 基 に な っ て い る 活 動 で あ る 。 そ の 意 味 でDMUoに 対 す る 優 位 集 合 と い う 。 優 位 集 合Eoの 活 動 の 張 る 凸 集 合 を 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア (efficientfrontier)と 呼 ぶ 。 (2)式 の 問 題 の 双 対 モ デ ル は 次 の と お りで あ る 。 minB 制 約 条 件 θXo≧ 1 」X」 y・ ≦ 早 λ・y・(3)
λi≧oi=1,...,n こ こ で 、 θは 線 形 モ デ ル の 最 適 解 で あ り、 企 業 の 効 率 性 の 指 標 で あ る 。 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア 上 の 企 業 、 つ ま りD効 率 企 業 の θの 値 は1と な る 。 2.2規 模 の 効 率 性 バ ン カ ー ・チ ャ ー ン ズ ・ク ー パ ー に よ れ ば 、 規 模 の 効 率 を 求 め る モ デ ル は 次 の よ う に な る 。 maxΣUry,0-UO r制約 条件
V i・X・ ・=1 早u・y・j-Vi・xザu・ ≦0(4)
u,≧0、Vi≧0(2)式 と比 べ る と、(4)式 に は 、Uoと い う 変 数 が 導 入 さ れ て い る 。 こ のUoが 規 模 に 関 す る 収 穫 を 表 す 変 数 で あ る。 い ま 、 最 適 解Uo*に 関 し て Uo*〈0な ら ば 規 模 に 関 し て 収 穫 逓 増 Uo*=0な ら ば 規 模 に 関 し て 収 穫 一 定 Uo*>0な ら ば 規 模 に 関 し て 収 穫 逓 減 で あ る 。 こ の 式 の 双 対 モ デ ル は 、 minθ ・一[i・ ・+ r・ ・] 制 約 条 件 θ・x一 甼x・jλ ・-s・-0 甼y・ λ ・-S・-y・ ・ 早 λj=1
(5)
λj≧0、si、slfori=1, ...,m,r=1,...,s;i=1,...,n と な る 。 イ ン プ ッ トの 中 に は 人 口 の よ うに 企 業 に と っ て 、制 御 不 能 な 変 数 も含 ま れ る 。そ こ で 、 イ ン プ ッ トを 企 業 に と っ て 制 御 可 能 な 変 数xと 制 御 不 能 な 変 数zに 分 割 し た 場 合 を考 慮 す る。そ う す る と 、 上 の 双 対 問 題 に 次 の 制 約 式 を 追 加 す れ ば よ い 。 z=Σ λiZij i3英
国配電 会 社 の経 営 効 率 の実 証 分析
英 国 配 電 事 業 は1989年 民 営 化 さ れ た が 、 国 営 化 時 代 の12のAreaBoards(地 区 配 電 局)を そ の ま ま 踏 襲 し て12の 配 電 会 社 か ら 構 成 さ れ る 。 な お 、 発 電 事 業 は 、CEGB(中 央 発 電 庁)がNa-tionalPower社 、Powergen社 お よ びNuclearElectric社 の3社 に 分 割 さ れ た 。 送 電 事 業 はCEGBか ら分 割 さ れ たNationalGrid社 が1社 で 運 営 し て い る 。 規 制 機 関 亡 し て は 、 従 来 あ っ たElec-tricityCouncil(電 気 会 議)を 廃 止 し 、 代 りにOfficeofElectricityRegulation、 通 称OFFER(電 気 事 業 規 制 局)が 新 た に 設 置 さ れ 、 経 済 学 者 の リ トル チ ャ イ ル ド教 授 が 局 長 に 就 任 し て い る 。3) 以 下 で は 、 ワ イ マ ン ・ジ ョー ン ズ が 英 国 配 電 会 社 の 経 営 効 率 の 比 較 分 析 にDEA法 を用 い て い る 例 を と り あ げ る。4)
ケー スA
イ ンプ ッ ト
① 従 業 員 数
② 配 電 設 備 規 模
③ 変 圧 器 数
ア ウ トプ ッ ト
① 家 庭 用 販 売 電 力 量(kWh)
② 商 業 用 販 売 電 力 量(kWh)
③ 産 業 用 販 売 電 力 量(kWh)
④ 最 大 電 力(kW)
サ ンプ ル 数
12の 配 電 会 社 の1970-1年
か ら1988-9年
の20年 間240個
ケ ー スAの 結 果
240個 中 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア数 は45で あ る。 ケ ー スAに 関 して は 注 目す べ き点 が ふ た つ あ る。
第1に 、各 配 電会 社 の効 率 性 の最 小 値 は0.734か ら0.910ま で 、平 均 値 は0.838か ら0.966ま で とな っ
て い る。 つ ま り、 民営 化 まで は 配 電 会 社 にか な りの 非効 率 が 存 在 した。 特 に 、数 社 に 関 して 当該
期 間 中、20%以
上 の 非効 率 が 存 在 して い た こ と を示 して い る。 第2に 、 景 気 循 環 と効 率 性 との 間
に相 関 が 見 られ る こ とで あ る。12の 配 電 会 社 の 内 、10社 につ い て5%の
有 意水 準 で効 率 と地 域 の
景 気 循 環 との 間 に正 の 相 関 関 係 が 見 られ る。 従 って 、 規 制 当局 は 異 な る配 電会 社 を比 較 す る と き
は こ の一 致 性 に 注 目 して 審 査 す る必 要 が あ る。
ケー スB環
境 変 数 を用 い た場 合
イ ン プ ッ ト
環 境 変 数
① 従 業 員 数
① 配 電 設備 規模
② 変 圧 器 数
ア ウ トプ ッ ト
③ 総 販 売 電 力 量(kWh)
① 需要 家数
④ 最 大 電 力(kW)
⑤ 需 要 密 度
⑥ 産 業 用 電 力 シ ェ ア
ケ ー スBの 結 果
ケ ー スBで は、 サ ンプ ル を2つ の グ ルー プ に分 け て 計 測 して い る。 第1グ
ルー プ は 、1972、19
77、1982、1987年
の4期 で あ る。 第2グ ルー プ は 、1977、1982、1987、1989年
の4期 で あ る。19
89年 に民 営 化 が行 わ れ たの で、 第1グ
ルー プ は 民 営 化 以 前 、 第2グ
ルー プ は 民 営化 を含 む 期 間 と
い うこ とに な る。
計 測 の結 果 、環 境 変 数 に関 す る コン トロー ル の 下 で 、 第1グ
ルー プ は 第2と 比 べ て 、 フ ァ レ ル
効 率 が平 均 値 、最 小 値 と も低 く、 分 散 も大 きい 。 この こ とか ら、 民営 化 に伴 うヤ ー ドス テ ィ ッ ク
競 争 に よ って 、 英 国 配 電 会 社 の経 営 効 率 は 改 善 され て い る と考 え られ る。
4日
米 電気 事 業 の経 営 効 率 の 実証 分 析
本 節 で は 、 我 が 国9電 力 会 社 と 米 国SouthernCaliforniaEdison(SCE)社 の10社 の 経 営 効 率 をDEAモ デ ル に よ っ て 計 測 し 、 比 較 す る こ と に す る 。5) イ ン プ ッ ト、 ア ウ トプ ッ ト変 数 は つ ぎ の よ う に 選 ぶ 。 モ デ ル1で は2イ ン プ ッ ト、1ア ウ トプ ッ ト と す る 。モ デ ル2で は2イ ン プ ッ ト、2ア ウ トプ ッ ト とす る 。モデ ル1
イ ンプ ッ ト
① 従 業 員 数(人)
② 電 気 事 業 総 資産(10億
円)
ア ウ トプ ッ ト
① 販 売 電 力 量(10億kWh)
表1モ
デ ル1の 計 測 結 果
B u×105v1 x105 v2×105北海道
0.713 3.20 11.33 20.69東
北
0.811 1.41 4.98 9.09東
亠示 1.0 0.43 1.53 2.79中
部
0.950 0.92 3.26 5.96北
陸
0.755 3.49 12.36 22.57関
西
0.929 0.75 2.66 ・中
国
0.833 1.83 6.47 11.82四
国
0.627 3.02 10.67 19.48九
州
o.so7 1.36 4.79 8.75s CE
1.0 1.36 0 II'・推 定 の 結 果 、D効 率 企 業 は東 京 、SCEの2社
で 、 これ よ りや や 劣 るの が 中部 、 関 西 の2社
で あ
る。 そ の他 のD非 効 率 な 企 業 の うち、 北 海 道 、 北 陸 、 九 州 、 東 北 、 中 国が0.8前 後 で効 率 企 業 と
比 べ て 約2割 落 ち、 四 国 は4割 弱 非効 率 的 で あ る。
モ デ ル2
イ ンプ ッ ト
① 従 業 員 数(人)
② 電 気 事 業 総 資産(10億
円)
ア ウ トプ ッ ト
① 販 売 電 力 量(10億kWh)
② 電 気 料 金 単 価(円/kWh)6)
表2モ
デ ル2の 計 測 結 果
θu1 x105 u2×105v1 X105V2 x105北海道
0.867 0.77 4445.50 o.o 76.05東
北
0.852 1.30 584.22 6.03 4.53東
亠尽 1.0 0.41 212.15 2.38 o.o中
部
0.973 o.g7 391.24 /'/ 3.04北
陸
1.0 0.72 4193.57 o.o 71.74関
西
0.929 0.75 o.o 2.66 4.87中
国
0.903 1.67 751.40 7.76 5.83四
国
0.870 0.71 4108.11 o.o 70.27九
州
0。864 1.28 576.34 5.95 4.47SCE
1.0 'II 2577.53 o.o 44.09D効 率 企 業 は 東 京 電 力 、SCEに
加 え て、 北 陸 が 入 っ て い る。 これ は北 陸 の 電 気 料 金 が 安 い のが
貢 献 して い るた め で あ る。D非 効 率 な企 業 につ い て は、 最 低 の 東 北 で も0.85と 、 モデ ル1と 比 べ
て い ず れ も高 くな って い る。 これ は、DEA法
で は ア ウ トプ ッ トを 追 加 して そ の う ち どれ か 一 つ
で も効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア に乗 るか 近 づ け ば 、 θは 増加 す る仕 組 み とな っ て い るか らで あ る。 関 西
電 力 の よ う に、 モ デ ル1と
比べ て全 く変 化 が な い(効 率 の 増 加 が な い)の
は、u2(電
気 料 金)
の係 数 が0の
ため で あ る。 モ デ ル2の 計 測 結 果 は英 国 配 電 会 社 の効 率 値 と類 似 の 結 果 を示 して い
るの は 興 味 深 い 。
5ま と め電 気事 業 審 議 会 は最 近 、新 しい 電 気 料 金 制 度 の導 入 を決 定 した 。 本 制 度 は、 主 要 な 費用 項 目に
つ い て 、電 力会 社 間 で 比 較 して査 定 に差 をっ け る こ とに よ り、ヤ ー ドス テ ィ ッ ク競 争 を生 じさせ 、
経 営 効 率 化 を は か ろ う とす る ね ら い を持 っ た もの で あ る。8)ヤ ー ドス テ ィ ッ ク競 争 は イ ン セ ン
テ ィブ 規 制 の一 種 で あ り、 米 国 で はす で に い くつ か の州 で 実 施 され て い る。 我 が 国 で も、鉄 道 な
どの 運 輸 事 業 で取 り入 れ られ て い る。
今 回 のDEAに
よ るD効 率 値 の 計 測 結 果 か ら直 ち に 、D非 効 率 企 業 は そ の分x非
効 率 と断 言 す
るの は早 計 で あ ろ う。例 えば 、 需 要 密 度 の 高 い 中 央3社 の 効 率 が 高 く、 過 疎 地 の 多 い 地 方 の 電 力
会 社 の効 率 は低 い値 と な って い る。 ま た、 効 率 の最 も高 い 東 京 電 力 は供 給 区域 内 に 原 子 力 発 電 設
備 を一 ヶ所 も持 た ず 、 原 発 はす べ て効 率 の最 も低 い 東 北 電 力 管 内 に依 存 す る。 つ ま り、 東 京 電 力
に とっ て は 送 電 設備 の遠 隔化 に よ る コス ト増 を上 回 る発 電 設 備 の コス ト減 が あ るの で、 こ れが 同
社 の効 率 に 影響 を及 ぼ して い るの で は な い か と考 え られ る。
そ こで今 後 の 課 題 と して、 次 の3点
を挙 げ て お こ う。
① イ ンプ ッ ト、 ア ウ トプ ッ ト変 数 の 選 択 が どの よ うに、 企 業 効 率 の評 価 に 影響 を及 ぼ す か 、 環 境
変 数 も加 え て更 に検 討 す る。
② 時 系 列 的 な経 営 効 率 の変 化 を実 証 す る。
③ 最 近 時 点 の電 気 事 業 に 関 して 規模 の 経 済 性 が 存 在 す るか 否 か に つ いて 検 証 を行 う。
付 録
LINGOMODELPROGRAM'S
MODEL:
!DataEnvelopmentAnalysisofElectricUtilities;
SETS:
DMU/ABCDEFGHIJ/:!10electricutilities;,
EFFICIENCY;!Eachdecisionmakingunithasan;
!efficiencytobecomputed;
FACTOR/XlX2YlY2/;
!Thereisasetoffactors;input&output;
DXF(DMU,FACTOR):F;!F(1,J)=JthfactorofDMUI;
ENDSETS
DATA:
!Inputsareemployeesandtotalassets; !Outputsareconsumptionandprices; NINPUTS=2;!ThefirstNINPUTSfactorsareinputs; !Theinputs,theoutputs; F=@IMPORT(DENI.WK4,F); ENDDATA t-一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ・ , !TheModel; SETS: DXFXD(DMU,FACTOR):W;!WeightsusedtocomputeDMUI'sefficiency; ENDSETS !Trytomakeeveryutility'sefficiencyashighaspossible; MAX=@SUM(DMU:EFFICIENCY); 1TheLPforeachDMUtogetitsefficiency; @FOR(DMU(1): EFFICIENCY(1)=@SUM(FACTOR(J)17#GT#NINPUTS: 、F(1,J)*W(1,J)); !Sumofinputs(denominator)=1; @SUM(FACTOR(J)17#LE#NINPUTS:F(1,J)*W(1,J))=1; !UsingDMUI'sweights,noDMUcanefficiencybetterthan1; @FOR(DMU(K): @SUM(FACTOR(」)IJ#GT#NINPUTS:F(K ,J)*W(1,J)) 〈=@SUM(FACTOR(J)IJ#LE#NINPUTS:F(K,J)*W(1 ,J)); );); !Theweightsmustbegreaterthanzero; @FOR(DXFXD(1,J):@BND(.00001,X, .100000)); END
注
1フ ァ レ ル 効 率 に 関 し て は 、Farre11(1957),Leibenstein-Mita1(1992)参 照 。 2DEAに 関 す る 基 本 的 文 献 は 、Charnes-Cooper-Rhodes(1978)、Banker-Charnes-Cooper(19 84)で あ る 。最 近 の 展 開 に 関 す る 論 文 はSeiford-Thra11(1991)が よ い 。DEAに 関 す る ま と ま っ た 本 は こ れ ま で 数 冊 しか な か っ た が 、 最 近Kluwer社 か ら 相 次 い で 出 版 さ れ た 。 我 が 国 に つ い て は 刀 根(1993)が あ る。 フ ォ ー チ ュ ン 誌 で も マ ネ ジ ャ ー の た め の 経 済 学 と い う タ イ トル の 中 でDEAが 紹 介 さ れ て い る(Fortune,1994.10.31)。 イ ン タ ー ネ ッ トで はAndersonに よ る ホ ー ム ペ ー ジ が あ る 。URLア ド レ ス は 、http://www.gatech.edu/mhrc/personnel/tra/dea/homedea.htmlo
3英 国 電 気 事 業 の 民 営 化 後 の 評 価 に 関 して は 、Littlechild(1994)が ま と ま っ て い る。
電 気 通 信 事 業 に つ い て は 、 末 吉(1992)参 照 。
5我 が 国9社 に つ い て は 、 電 気 事 業 便 覧(平 成6年 版)の1993年 度 の 数 値 を 用 い た 。SEC社 に っ い て は 、 イ ン タ ー ネ ッ トのURLア ド レ ス 、http://www.sce.com上 に あ るannualreportか
ら1993年 の 値 を 拾 い だ し た 。SCE社 は 、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 を 供 給 地 域 に 持 つ 全 米 有 数 の 電 力 会 社 で あ る 。 販 売 電 力 量 か ら 日本 の 電 力 会 社 と規 模 を 比 較 す る と、 中 央3社 に 次 ぐ大 き さ で あ る 。 な お 、1ド ル は125.3円 で 換 算 し た 。
6料 金 単 価 の よ う に 小 さ い ほ ど 好 ま し い 変 数 の 場 合 、 ア ウ トプ ッ ト最 大 で は 逆 に な っ て し ま う の で 工 夫 が 必 要 で あ る 。 こ こ で は 、 次 の よ う に 変 換 し た 変 数 を 用 い た 。 い ま 元 の 変 数 をy、
そ の 平 均 値 をy*と す る と 、 変 換 し た 変 数y'は 、y'=2y*-yと な る 。 な お 、 刀 根(1993) 120頁 参 照 。 7新 料 金 制 度 に お け る査 定 の 指 標 は 次 の3つ の 原 価 、 ① 発 電 所 の 資 産 額/kWh、 ② 送 ・配 ・ 変 電 設 備 の 資 産 額/kWh、 ③ 人 件 費 な ど 一 般 経 費/kWhか ら構 成 さ れ て い る 。 こ れ ら の 原 価 を も と に 効 率 の 良 し あ し を 得 点 化 し 、電 力10社(沖 縄 電 力 を含 む)を3グ ル ー プ に 分 け る 。 効 率 の 悪 い グ ル ー プ ほ ど、 政 府 が 厳 し く査 定 し て 原 価 を 値 切 り、 申 請 よ り料 金 を低 め に 設 定 す る 、 と い う 仕 組 み で あ る 。 8LINGOモ デ ル に よ る プ ロ グ ラ ム の 作 成 法 に つ い て は 、Lindo(1995)参 照 。