Stage1.
派遣で働き始める前に知っておくこと
Q 2
派遣と請負の違い
私は請負業者の社員ですが、発注者であるメーカーに派遣されて働
いています。このような働き方は、「偽装請負」に該当するのでしょ
うか。
自分の使用者(請負業者)からではなく、発注者(注文主)
から直接業務の指揮命令を受ける場合は、違法な「偽装請
負」である可能性があります。
労働者派遣と取り違えやすい働き方として、
請負
があります。請負とは、
請負業者が注文主と
請負契約
を結んで仕事を引き受け、請負業者自身が雇
用する労働者を指揮命令して、請負業者の責任で仕事を完結させるもので
す。請負の場合は、労働者派遣と異なり、
業務の遂行に関する指示や、労
働時間管理に関する指示等については、請負業者自らが行います
。
【労働者派遣】
【請 負】
派遣元
派遣先
労働者
請負業者
注文主
労働者
労働者派遣契約
労働契約 指揮命令関係
請負契約
指揮命令関係
労働契約
労働者派遣事業を行うためには、厚生労働大臣の
許可
が必要です。な
お、平成27年の法改正により、届出制であった特定労働者派遣事業は廃
止されましたが、平成27年9月29日までに届出をしている特定労働者派
遣事業は、平成30年9月29日まで営むことができます。
Stage1.
派遣で働き始める前に知っておくこと
事業の開始、転換、拡大、縮小または廃止のために必要な業務で、一
定期間内で完了することが予定されている業務への派遣については、そ
の業務が完了するまでの期間であれば、受入期間の制限はありません。
(4) 日数限定業務(同項第3号ロ)
1か月間に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の所定労働日数の
半分以下で、かつ10日以下であるような業務への派遣については、受
入期間の制限はありません。
(5) 産前産後・育児・介護休業を取得する労働者の業務
(同項第4号・第5号)
従業員が産前産後休業や育児・介護休業を取得するときに、代わりの
従業員を補充するための派遣労働者の受け入れは、受入期間の制限はあ
りません。
<派遣受入期間に制限のあるケース>
上記(1)~(5)以外の場合
上記(1)~(5)以外の場合には、派遣受入期間に制限があります。
平成27年の法改正により、事業所単位・個人単位それぞれにおける
期間制限が設けられました。
○派遣先事業所単位の期間制限
同一の派遣先の事業所に対し、派遣できる期間は、原則、3年が限
度となります。派遣先が3年を超えて受け入れるには、派遣先の過半
数労働組合等からの意見を聴く必要があります。
事
業
所
3年(意見聴取が必要)
受入は原則上限3年
Aさん
Cさん Dさん Eさん
Bさん
Fさん
Gさん Gさん
3年
Stage1.
派遣で働き始める前に知っておくこと
日雇派遣は原則禁止です。
日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣(いわゆる「日
雇派遣」)は原則として禁止されています。ただし、以下のいずれかに当
てはまる場合は、例外的に日雇派遣が認められています(同法第35条の
4)。
① 適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる政令(派遣法施行
令第4条第1項)で定められた以下の業務につく場合
・情報処理システム開発 ・機械設計 ・事務用機器操作 ・通訳、翻訳、速記
・秘書 ・ファイリング ・調査 ・財務 ・貿易 ・デモンストレーション
・添乗 ・受付・案内 ・研究開発 ・事業の実施体制の企画、立案
・書籍等の制作・編集 ・広告デザイン ・OAインストラクション
・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業
② 雇用機会の確保が特に困難な労働者の雇用の継続等を図るために必要である
と認められる政令(同条第2項)で定められた場合
・60歳以上の人
・雇用保険の適用を受けない学生(いわゆる昼間学生)
・本業の年収が500万円以上の人(副業で日雇派遣をする人)
・世帯年収が500万円以上ある場合で、主たる生計者ではない人
○派遣労働者個人単位の期間制限
同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(課
など)に対し派遣できる期間は、3年が限度となります。課などが異
なればこの期間制限は受けません。
X
課
1
係
3年
同じ人を同じ課へ派遣できる
のは上限3年
Aさん
Aさん
2
係
Y
課 Aさん
別の課ならOK
Stage3.
派遣労働者として働く
(短時間労働者・派遣労働者用;常用、有期雇用型)
労 働 条 件 通 知 書
年 月 日
殿
事業場名称・所在地
使 用 者 職 氏 名
契 約 期 間 期間の定めなし、期間の定めあり( 年 月 日〜 年 月 日)
※以下は、「契約期間」について「期間の定めあり」とした場合に記入
1 契約の更新の有無
[自動的に更新する・更新する場合があり得る・契約の更新はしない・その他( )]
2 契約の更新は次により判断する。
・契約期間満了時の業務量 ・勤務成績、態度 ・能力
・会社の経営状況 ・従事している業務の進捗状況
・その他( )
【有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合】
無期転換申込権が発生しない期間: Ⅰ(高度専門)・Ⅱ(定年後の高齢者)
Ⅰ 特定有期業務の開始から完了までの期間( 年 か月(上限10 年))
Ⅱ 定年後引き続いて雇用されている期間
就 業 の 場 所
従 事 す べ き
業 務 の 内 容 【有期雇用特別措置法による特例の対象者(高度専門)の場合】
・特定有期業務( 開始日: 完了日: )
始業、終業の
時刻、休憩時
間、就業時転
換(⑴〜⑸の
うち該当する
もの一つに○
を 付 け る こ
と。)、所定時
間外労働の有
無に関する事
項
1 始業・終業の時刻等
⑴ 始業( 時 分)終業( 時 分)
【以下のような制度が労働者に適用される場合】
⑵ 変形労働時間制等;( )単位の変形労働時間制・交替制として、次の勤
務時間の組み合わせによる。
始業( 時 分)終業( 時 分)(適用日 )
始業( 時 分)終業( 時 分)(適用日 )
始業( 時 分)終業( 時 分)(適用日 )
⑶ フレックスタイム制;始業及び終業の時刻は労働者の決定に委ねる。
(ただし、フレキシブルタイム(始業) 時 分から 時 分、
(終業) 時 分から 時 分、
コアタイム 時 分から 時 分)
⑷ 事業場外みなし労働時間制;始業( 時 分)終業( 時 分)
⑸ 裁量労働制;始業( 時 分)終業( 時 分)を基本とし、労働者の
決定に委ねる。
○詳細は、就業規則第 条〜第 条、第 条〜第 条、第 条〜第 条
2 休憩時間( )分
3 所定時間外労働の有無
( 有 (1週 時間、1か月 時間、1年 時間),無 )
4 休日労働( 有(1か月 日、1年 日)、 無 )
休 日
及 び
勤 務 日
・定例日;毎週 曜日、国民の祝日、その他( )
・非定例日;週・月当たり 日、その他( )
・1年単位の変形労働時間制の場合—年間 日
(勤務日)
毎週( )、その他( )
○詳細は、就業規則第 条〜第 条、第 条〜第 条
休 暇 1 年次有給休暇 6か月継続勤務した場合→ 日
継続勤務6か月以内の年次有給休暇 (有・無)
→ か月経過で 日
時間単位年休(有・無)
2 代替休暇(有・無)
3 その他の休暇 有給( )
Stage3.
派遣労働者として働く
賃 金 1 基本賃金 イ 月 給( 円)、ロ 日 給( 円)
ハ 時間給( 円)、
ニ 出来高給(基本単価 円、保障給 円)
ホ その他( 円)
ヘ 就業規則に規定されている賃金等級等
2 諸手当の額又は計算方法
イ ( 手当 円 / 計算方法: )
ロ ( 手当 円 / 計算方法: )
ハ ( 手当 円 / 計算方法: )
ニ ( 手当 円 / 計算方法: )
3 所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率
イ 所定時間外 法定超 月60時間以内( )%
月60時間超( )%
所定超( )%
ロ 休日 法定休日( )%、法定外休日( )%、
ハ 深夜( )%
4 賃金締切日( )−毎月 日、( )−毎月 日
5 賃金支払日( )−毎月 日、( )−毎月 日
6 賃金支払方法( )
7 労使協定に基づく賃金支払時の控除( 無 ,有 ( ))
8 昇給( 有(時期、金額等 ), 無 )
9 賞与( 有(時期、金額等 ), 無 )
10 退職金( 有(時期、金額等 ), 無 )
退職に関する
事項 1 定年制( 有 ( 歳), 無 )2 継続雇用制度( 有( 歳まで), 無 )
3 自己都合退職の手続(退職する 日以上前に届け出ること)
4 解雇の事由及び手続
○詳細は、就業規則第 条〜第 条、第 条〜第 条
そ の 他 ・社会保険の加入状況( 厚生年金 健康保険 厚生年金基金 その他( ))
・雇用保険の適用( 有 , 無 )
・その他
・具体的に適用される就業規則名( )
※以下は、「契約期間」について「期間の定めあり」とした場合についての説明です。
労働契約法第18条の規定により、有期労働契約(平成25年4月1日以降に開
始するもの)の契約期間が通算5年を超える場合には、労働契約の期間の末
日までに労働者から申込みをすることにより、当該労働契約の期間の末日の
翌日から期間の定めのない労働契約に転換されます。ただし、有期雇用特別
措置法による特例の対象となる場合は、この「5年」という期間は、本通知
書の「契約期間」欄に明示したとおりとなります。
※ 以上のほかは、当社就業規則による。
※ 登録型派遣労働者に対し、本通知書と就業条件明示書を同時に交付する場合、両者の記載事項のう
ち一致事項について、一方を省略して差し支えないこと。
※ 労働条件通知書については、労使間の紛争の未然防止のため、保存しておくことをお勧めします。
Stage3.
派遣労働者として働く
モ デ ル 就 業 条 件 明 示 書
平成 年 月 日
殿
事業所 名 称
所在地
使用者 職氏名 印
次の条件で労働者派遣を行います。
業 務 内 容
就 業 場 所 事業所、部署名
所在地 (電話番号 )
組 織 単 位
指 揮 命 令 者 職名 氏名
派 遣 期 間
平成 年 月 日から平成 年 月 日まで
(派遣先が派遣受入期間の制限に抵触する日)平成 年 月 日
(組織単位における期間制限に抵触する日) 平成 年 月 日
なお、派遣先の事業所における派遣可能期間の延長について、当該手続を適正に行っていない場合や派遣
労働者個人単位の期間制限を超えて労働者派遣の役務の提供を受けた場合は、派遣先は労働契約申込みみな
し制度の対象となる。
就 業 日 及 び
就 業 時 間
就業日
就業時間 時 分から 時 分まで
(うち休憩時間 時 分から 時 分まで)
安全及び衛生
時 間 外 労 働
及び休日労働 時間外労働(無 / 有)→(1日 時間/週 時間/月 時間)休日労働 (無 / 有)→(1月 回)
派遣元責任者 職名 氏名 (電話番号 )
派遣先責任者 職名 氏名 (電話番号 )
福利厚生施設
の利用等
苦情の処理・
申出先
申出先 派遣元:職名 氏名 (電話番号 )
派遣先:職名 氏名 (電話番号 )
派遣契約解除
の場合の措置
派遣先が派遣労働
者を雇用する場合
の紛争防止措置
備 考
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派遣労働者として働く
【一般的な時間外労働・休日労働の割増率】
(1日の所定労働時間が7時間、時給1,000円の場合)
《労働日》
《休日》
9:00
17:00
18:00
22:00
翌日5:00
所定労働時間 7時間
(休憩1時間) (割増分の支払は任意)所定労働時間 1時間
時間外労働
25%以上 時間外労働 25%以上
深夜労働 25%以上
9:00
22:00
24:00
翌日5:00
休日労働 35%以上
35%以上休日労働
深夜労働
25%以上 深夜労働 25%以上
時間外労働 25%以上
法定労働時間(8時間)
時給1,000円以上
時給1,250円以上
時給1,500円以上
時給1,600円以上
時給1,500円以上
時給1,350円以上
①資本金の額または出資の総額が
小 売 業 5,000万円以下
サービス業 5,000万円以下
卸 売 業 1億円以下
上 記 以 外 3億円以下
または
②常時使用する労働者数が
小 売 業 50人以下
サービス業 100人以下
卸 売 業 100人以下
上 記 以 外 300人以下
※ 猶予される中小企業
※1か月に60時間を超える時間外労働を
行う場合には、法定割増賃金率が50%
になります(ただし、中小企業の派遣元
については、法定割増賃金率の引き上げ
が当分の間猶予されています。)。
また、派遣元と派遣労働者で労使協定を締結すれば、1か月に60時間
を超える時間外労働を行った労働者に対して、60時間を超えた際の割増
賃金率50%のうち25%分の割増賃金に代えて、有給の休暇を付与するこ
ともできます(労働基準法第37条第3項)。
金
を支払わなければなりません(同法第37条)。時間外労働・休日労働の
割増率は次の図のとおりです。