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エスペック技術情報 新製品紹介 安定性試験室 / 安定性試験器 (800L) を新発売安定性試験器 (200L,400L) をモデルチェンジ 3 つの業界初 ICH 安定性試験ガイドラインに適合した理想の安定性試験 < 安定性試験室 > 業界初 ±1 /±5%rh を保証 厚生労働省通知の安定性試験

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Academic year: 2021

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 1

■新製品紹介

<安定性試験室> ・業界初、「±1℃/±5%rh」を保証。 厚生労働省通知の安定性試験(加速試験)「40℃/75%rh における±1℃/±5%rh」にもお応えします。 ・業界初、エリア温湿度制御(特許出願中)を採用。 設定値との温度差を補正して制御し、高精度な試験室 内の温湿度分布を実現します。 ・ダブル冷凍回路による安心設計。 <安定性試験器> ・従来器種をモデルチェンジ 計装にはカラーLCD タッチパネル採用し、 ネットワーク機能を標準装備しています。 ・業界初、「±1℃/±5%rh」を保証するハイグレード タイプを新発売 厚生労働省通知の安定性試験(加速試験)「40℃/75%rh における±1℃/±5%rh」にもお応えします。 ・業界初、真空断熱採用(ハイグレードタイプ) 外囲温度の影響を低減しています。 ・800L タイプ CSH-132 を新発売。 大容量ながら、AC100V で使用できます。 3つの業界初、ICH 安定性試験ガイドラインに適合した理想の安定性試験 安定性試験の紹介に加え、新製品を支える技術について説明します。

安定性試験室/安定性試験器(800L)を新発売

安定性試験器(200L,400L)をモデルチェンジ

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 2 1. 安定性試験とは 安定性試験とは、医薬品や化粧品等の「温度」「湿度」の影響下での品質の経時変化を評価 する試験のことです。 医薬品の開発承認には欠かすことができない規制された試験で、主に研究開発部門や品質管理 部門で実施され、評価試験を行います。現在、主要国では試験内容等の世界調和を目的とした 新しい規制の運用を開始しており、安定性試験は重要性を高められています。そのため、ICHに て取り決められたガイドラインを各国の医薬品規制当局が取り込み、規制の通知を行っています。 この通知が医薬品製造企業における安定性試験の基準となっています。 2.安定性試験の試験条件について 2.1 ICH安定性試験ガイドライン 2.1.1 ICHとは 各国での法令やガイドラインの整備が行われていますが、各地域によって考えが異なったため、 医薬品承認審査の基準の合理化・標準化が必要となりました。そこで、1990 年に、日本・米国・ヨ ーロッパの各医薬品規制当局と業界団体により ICH が発足しました。(ICH:日米EU医薬品規制 調和国際会議) ガイドラインがICHで合意(調和)に至ると、そのガイドラインを適用した医薬品開発や臨床試験、 医薬品申請が各地域で可能となるよう、各国が法的な整備も含めた必要な措置を取りことになり ます。 日本では、ICHで合意されたガイドラインは厚生労働省医薬食品局から通知されます。 -ICHの構成- (規制当局) 日本:厚生労働省(MHLW)、医薬品医療機器総合機構(PMDA) 米国:食品医薬品庁(FDA) EU:欧州委員会(EC)、欧州医薬品庁(EMA) (産業界) 日本:日本製薬工業協会(JPMA) 米国:米国研究製薬工業協会(PhRMA) EU:欧州製薬団体連合会(EFPIA) (オブザーバー) 世界保健機構(WHO)・カナダ保健省・欧州自由貿易連合(EFTA) ICH ガイドラインには4つのカテゴリが設定(品質・安全性・有効性・複合領域)されており、その中 の品質カテゴリに「安定性試験」について記載されています。

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 3 2.1.2 ICH安定性試験ガイドラインでの試験条件 医薬品の安定性試験条件は、ICHのガイドラインでは世界を4つの気候区域(ゾーンⅠ~Ⅳ)に 分類し、このうちゾーンⅡの地域(ヨーロッパ、米国、日本)およびゾーンⅠにおける試験条件は下 記のようになります。

試験の種類

保存条件

許容範囲

最小試験期間

長期保存試験

※1

25℃/60%rh又は

30℃/65%rh

±2℃/

±5%rh

12カ月

中間的試験

※2

30℃/65%rh

6カ月

加速試験

40℃/75%rh

6カ月

表 1 ICH 安定性試験ガイドライン試験条件 ※1 長期保存試験として、「25±2℃/60±5%rh」または「30±2℃/65±5%rh」のどちら かを決定する。 ※2 「30±2℃/65±5%rh」が長期保存試験条件の場合は、中間的試験はない。 しかし、高温・乾燥のゾーンⅢや高温・多湿のゾーンⅣで安定性を考える場合、ゾーンⅡ の条件では、安定な期間を長く見積もってしまうことが想像されます。そこで、ICHのガイド ラインではこうした地域の試験条件を下記のように設定しています。

ゾーン

長期保存条件

主要な都市

ゾーンⅢ

30℃/35%rh

アスワン、バグダット、ニューデリー、リヤド、スエズ

ゾーンⅣ

30℃/70%rh

バンコック、ジャカルタ、マニラ、リオデジャネイロ、台北

表 2 ICH 安定性試験ガイドライン試験条件(ゾーンⅢ、Ⅳ) 2.2 厚生労働薬審第 43 号での加速試験条件 平成 3 年の厚生労働薬審第 43 号では加速試験の条件を下記のように規定されています。

試験の種類

保存条件

許容範囲

最小試験期間

加速試験

40℃/75%rh

±1℃/

±5%rh

6カ月

表 3 厚生労働薬審第 43 号加速試験条件

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 4 3.安定性試験器(室)への要求事項とその実現 前項のような試験条件などから安定性試験器(室)には次のようなことが求められます。 ① すぐれた温湿度最大最少幅性能 ICHガイドラインでは±2℃/±5%rh 厚生労働薬審第 43 号では±1℃/±5%rh ② 長期間にわたり、安定した試験ができること 6 カ月以上の試験要求 これらの要求事項を実現するため装置に採用した技術を以下に紹介します。 3.1 すぐれた温湿度最大最小幅性能の実現 「温湿度最大最小幅」とは、設定値に対して、温度/湿度安定状態で任意の時点における有効 空間内の温度/湿度の差の最大値を示します。温湿度最大最小幅は外部からの熱の侵入また は外部への熱の放散の影響をより多く受けますが、次のような技術の採用で、温湿度最大最 小幅を最小にしています。 3.1.1 安定性試験室 温湿度最大最小幅 「±1℃/5%rh」を保証 ・吹出口、吸込口の最適化設計 有効空間内の温度/湿度の差を小さくするため には、試験室の気流を安定させることが必要です。 大きな試験室で気流を安定させるために吹出口 と吸込口の位置とその面積、さらに吹出口での風 速と風向を最適化しました。この技術により設定 温湿度に制御された空気が試験室内で効率良く 循環し、風による試料への影響を抑えつつ、有効 空間内の温度/湿度の差が小さくなりました。 図 1:安定性試験室 ・エリア温湿度制御※ の採用よる設定値への追従 ※特許出願中 従来の制御では吹出口で温度制御を行っていました。この方法では設定温度に制御され た空気が試験室内を循環する間に外部から侵入する熱または外部へ放散する熱により温度 変化し、試験室内の任意の点の温度と設定温度との間にズレが発生していました。このズレ は試験室内の温度と外囲温度に比例するため季節により変動します。エリア温湿度制御はこ のズレを小さくするために試験室内の任意の場所に温度センサーを移動し、外囲温度からの 熱の影響を受けた後で空気の温度を制御しています。この技術により設定値と測定値の温度 差/湿度差が小さくなりました。下記データは 40℃/75%を従来制御とエリア温湿度制御で制

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 5 御した場合のデータです。エリア温湿度制御により試験室内の温湿度をそれぞれの設定に対 し±1℃/±5%rh で制御しています。 条件: 温湿度設定 40℃/75%rh 無試料・無負荷 図2 安定性試験室エリア温湿度制御 3.1.2 安定性試験器 ・理想的な器内環境をつくる独自の槽内循環方式(バーチャルエアージャケット方式) 試料の形状や量に関わらず、比較的均一な温湿度分布を維持できるように独自の 器内循環方式を採用しています。槽内底面下部の空調器にて、温湿度調整された空気は 装置向かって左側吹き出し口から上方向に送り出され、天井部や棚板に沿って右側面を 経由して右側の吸い込み口へ戻ります。(従来シリーズ機能踏襲) 従来制御(温度) 従来制御(湿度) エリア温湿度制御(温度) エリア温湿度制御(湿度)

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 6 図3 バーチャルエアージャケット方式 ・真空断熱材の採用と整流吹き出し方式(ハイグレードタイプ) 温湿度最大最小幅「±1℃/5%rh」を保証 断熱効果が高い真空断熱を採用することによって、外部からの熱の侵入または外部への熱の 放散の影響を最小限にしました。また、吹き出し口に整流格子を採用することにより、圧力損失 を低減させて循環風量を確保しました。これらにより、温湿度最大最小幅±1℃/±5%rh の性能 を実現しました。 3.2 長期間の安定した試験の実現 安定性試験はガイドラインにおいて、最小でも 6 カ月の試験期間を要求されており、装置として は安定した運転が必要になります。 3.2.1 安定性試験室 ・ダブル冷凍回路による安心設計 試験装置には試験期間中の万が一の事態に対する備えが必要です。安定性試験室 CWH シ リーズでは 1 台の冷凍機が故障した場合、バックアップの冷凍機が自動的に運転を開始し、 試験を継続するダブル冷凍回路を全器種に標準搭載しています。さらにダブル冷凍回路は冷 凍機を 2 台搭載していることを利用し、定期的に稼働する冷凍機を切り替えることで冷凍機の 長寿命化を実現しました。 試験室内に試料を持ち込む際の扉の開閉で室内の温湿度が乱れた場合、ダブル冷凍回路 は停止している冷凍機を自動で起動させ、短時間で試験室内の温湿度を安定させます。通常 の運転では、省エネを実現するため、冷凍機 1 台だけで温湿度を維持します。 ダブル冷凍回路は長寿命化のための冷凍機の切り替えや温度乱れに対応するための冷凍 機の起動で試験室内温湿度を乱さないため、2 台の冷凍機で蒸発器を共有する一体化蒸発 器を搭載しています。

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 7 図 4 ダブル冷凍回路 3.2.2 安定性試験器、安定性試験室 ・湿度センサーの採用 湿度センサーには高分子薄膜静電容量方式を採用。 湿球ウィック交換による試験の中断がありません。 ・温湿度逸脱警報機能の搭載 ネットワーク機能を標準搭載した計装を採用。トラブル時の警報発信だけでなく、温湿度 設定値に対し、測定値が逸脱した場合にも E メール発信することができます。 万が一の場合も迅速に対応することができます。 ・フロストフリーによる霜付き防止 蒸発器の霜付きを防ぐことで、試験を中断することなく連続運転が行えます。 ・ガラス内扉、観測窓搭載による扉開閉回数の最小化 安定性試験器には大型の 800L タイプのものを含め全器種、内槽を隅々見渡せるガラス 内扉を装備しています。 また、安定性試験室には、扉に発熱体入り耐熱ガラスの観測窓を標準装備しており、くもりを 防止します。扉の開閉を行うことなく試料の状態を確認することができるため、温湿度記録計 等に温湿度の大きな乱れが記録されません。 図 5 安定性試験器内扉 図 6 安定性試験室観測窓

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 8 4.おわりに 今回、安定性試験に求められる要件を実現するために、前述のような技術を搭載した安定性試 験器、安定性試験室を発売させていただきました。これら以外にも、セキュリティー面では扉施錠 や、安定性試験器では一般電源 100V コンセントでご利用いただける事で設置を容易にするなど、 より安定性試験に即した仕様も盛り込んでいます。ぜひ、この機会にご利用ください。 なお、装置導入後のバリデーション対応も行っておりますので、ご用命ください。 詳細な製品の仕様はこちらからご確認ください。 http://www.espec.co.jp/products/env-test/csh/index.html

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Test Navi No. 21 (通巻 78 号) 9 付録 安定性試験器とバリデーション 安定性試験器を管理運用する場合、多くの場合バリデーション対応が必要になります。 バリデーションとは「適格性評価 (Qualification)」を実施することと定義され、以下の作業を個々 に、または組み合わせて実施することです。 【設計時適格性評価】(DQ:Design Qualification) 設備、装置又はシステムが目的とする用途に適切であることを確認し文書化すること。 【設備据付時適格性評価】(IQ:Installation Qualification) 据付け又は改良した装置又はシステムが承認を受けた設計及び製造業者の要求と整合するこ とを確認し文書化すること。 【運転時適格性評価】(OQ:Operational Qualification) 据付け又は改良した装置又はシステムが予期した運転範囲で意図したように作動することを確 認し文書化すること。 【性能適格性評価】(PQ:Performance Qualification) 設備及びそれに付随する補助装置及びシステムが、承認された製造方法及び規格に基づき、 効果的かつ再現性よく機能できることを確認し文書化すること。 試験を管理される立場の人は、制御している温湿度が設定通りになっているのか、温湿度のばら つきがどうなっているのかを確認されます。 管理したい性能仕様が安定性試験器に設定されていればリスク管理できることになります。 そこで、「温湿度最大最小幅」という仕様が活躍することになります。 「温湿度最大最小幅」の性能が問題なく発揮されていることを定期的に確認することがバリデーシ ョン対応で実現できれば、安定性試験の結果は信憑性が高いことを証明することにつながりま す。 設備・機器を動作時 の条件を決定 作業の計画決定とそ の文書化 決定作業の実施 と結果の記録 結果の解析と 適条件の判定

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10 参考文献

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