香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号1∼12,1984
畦面被覆の欲気象に関する研究
Ⅸ フイルムマルチにおける植大の有無が地温に及ぼす影響
鈴 木 晴 雄,宮 本 硬 −
STUDIES ON THE MICROCLIMATE OF THE MULCHD ROW SURFACF
(9)Effects ofPlanting Holes on the SoilTemperature
Haruo SuzuKIand KoichiMrYAMOTO
Sllmmary
ThepuIpOSeOfthispapeIWaStOinvestigatetheef‡bctofBlmmulchingwithplantingholesonthesoiltemperature. Theplotsmulched byblackpoユyethylezle点Im(0.04mm,thick)withpユantingholesandwith no plantinghole
WerepreparedInorder toclear theefrbctofplantcanopyonsoiltemperature,thelawnswere usedascanopy
modelinsteadofplantcanopy.Thee蝕ctoflargevegetablegrowthwereindicatedbyincreasingthenumberof iawIIS Theseexperimentsweremade丘om1980to1982.
1)Theditrerencesofheatbalancecomponentsbetweentheplotwithplantingholesandthatwithnoplanting
hokw¢一号a11$mail2)AsaresultanalysedtheIelationbetweensoiltempezatureoftheplotsmulchedby polyethylenefilmand
Weatherelements,itwasclearthataneだbctofsoilmoistuIeCOntentOnthesoiltemperature5cmdepthwasboth greatattheplotwithplantingholesandthatwithnoplantinghole.AndaZso,rainfallamounthadane鐙ectondailyminimumsoiltemperatureoftheplotwithplantingholes,andattheplotwithnoplantingholewindve10City
hada鮎ctedthedailyminimumsoiltemperatureandtheratioofdiurnalrangeofthesoiltemperaturen 3)Aswecomparedthesinglee庁bctofpZantcanopymodelonsoiltemperatureoftheplotswiththecomplex eifbctofmodeland創mrnulchonthesoiltemperature,thedi庁erencewasscarcelyless.Theratioofdiumalrangeof SOiltemperatureinthepIotsmulchedbyGlmwithplantingholeswaslessthanthatofnoplantinghole,therefore, itwassaidthatthee蝕ctofpiantcanopymode10nthesoiltemperatureoftheplotwithplantingIIOleswaslargerthanthatofnoplantinghole
本実験の目的は,畦面被覆栽培におけるフイルムマルチの植穴が地温へ及ぼす影響を・,微気象的に明らかにするこ とである マルチには黒色ポリ・フイルム(厚さ0‖04mm)を用いて,植穴(径5い5cm)のある有孔マルチ区と,それのない無 孔マルチ区を設けたL.植生の影響をみるために寒冷紗を使用し,その枚数を変えることによって植生繁茂の程度を示 すことにした 実験は,1980年から,$2年にかけて行った 1)熱収支からみた有孔マルチ区と無孔マルチ区の差は,各熟収支項ともに僅少であった. 勿 有孔・無孔マルチの地温を一・般の気象要素との関係からみた結果(Table5),両区ともに土壌水分による影響 が大きかった..また,有孔マルチでは降雨が(最低地温),無孔マルチでは風速がそれぞれ深く関連しているようで ある(最低地温,地温日較差比) 3)地温の日較差比を用いでマルチの地温効果を比較した結果,植生(模型)だけの場合(有孔マルチ,0小40−0163;無孔マルチ,0・49−0、76)とそれにマルチが加わった複合効果の場合(同042−0‖66,0…46−Oh77)との間に は大きな差がみられなかった.また,有孔と無孔の比較では,有孔マルチの日較差比が無孔マルチより小さく,温度 変化も小さいことになり,したがって,植生繁茂の影響は,有孔マルチの方がより大きいものと考えられる. 1.ま え が き 畦面被覆(マルチ)が地温に及ぼす影響についてはこれまでも多数報菖されており(1),筆者らも各種のフイルムを 用いて実験を行ってきた(2−3)・しかし,それらの実験のほとんどは,作物の植えられていない無孔フイルムの・マルチ における物理的特性をみたものや,有孔フイルムの効果を作物収畳の面から評価したものなどがほとんどで,フイル ムマルチにおける植穴の地温に及ぼす影響については,全く明らかにされていない ここでは,マルチの植穴と地温との関係を,植生と無植生の条件で,主に熟収支,地温及び一腰気象条件などから 検討した なお,本報は,昭和55年11月20日開催の日本農業気象学会中国四国支部大会,並びに昭和58年4月6日の同会国大 会にて発表したものをとりまとめたものである. 2.実験区の設置と測定方法 実験は,香川大学農学部構内圃場において1980年(4月−6月),1981年(4月−6月,1q月−12月),及び1982年 (1月,4月−6月)に行った 2.1実験区の設置 2・1・11980年(4月−‘月)と1981年(4月−6月)の場合 東西方向に畦(畦長6m,畦幅0・・7m,畦高25cm)を設けて,それを下記のように3区分し,無植生下での比較を した No,.1:有孔マルチ区 No.2:無孔マルチ区 No…3:無マルチ区(対照区) マルチには黒色ポリエチレンフィルム(厚さ004mm,実測値)を用い,有孔マルチ区では,フイルムに径55cm の植穴を2粂(15cmx20cm)にあけたい この植穴の占める面瘡は,瞳頂部の面墳に対して約6り5%(面墳比)である. 2・1・2 抄81年(10月−12月)と1,82年(1月,4月−6月)の場合 上記(2小1−1)の外に,植生(模型)のある区も加えた.したがって実験区は, A:植生模型・有孔マルチ区 B:植生模型・無孔マルチ区 C:無植生・有孔マルチ区 D:無植生・無マルチ区(対照区) ここでは,植穴の大きさと地温との関係もみたい これらの処理条件は,まとめてTa七1elに示した. 各区の畦の大きさは,瞳長8り5m,畦幅1・Om,畦高25cmである.植生の模型には寒冷紗(ティジンAE135,T− 600)を使用し,畦面上10cmの高さで水平に固定した,これによってA,B両区の日射透過率,11∼76%の間を5 段階に抑制し,植生の繁茂程度に代えた. フイルムの植穴は,1980年,飢年と同じ径で配置したが,無植生の有孔マルチ区(C)ではTablelのように,植 穴の径を変え,2・5∼28cmの植穴をあ仇瞳面に対する面墳比で0.5∼32い6%の閤が5段階となるようにした 2.2 測定方法 地温の測定には,鋼一コンスタンタン熟電対(径0‖5mm)を用い,各区の中央部地下5cmにこれを2組埋設し て,その平均出力を求めた
鈴木晴雄,官本硬⊥:・アイルムマルチにおける植穴の有無と地温 Tablel.Treatmentconditionsineachplot Mulch(A) Mulch(丑) No.1Noい2No..3No.4No,5No…6 No.7No.8No..9No一.10No.11No..12 Mulch
******
l)iameteIOfplanting 6‖5 6.5 6.5 6。5 6.5 6一5 hol¢¢m) Ratio** 2,′1 2い1 2い1 2‖1 2.1 2”1Numberoflanwns O l***1 2 3 4
* * * * * * 0 1*** 1 2 ち 4 100 76 68 44 28 11 Transmissivity of solarIadiation**** 100 76 68 44 28 11 Mulch(C) Nomulcb(D) No.13No.14No..15No.16Noい17 No…18 Mulch Diameterofplanting hole(Cm) Ratio** NumberOrlawns Transmissvity of solarIadiation**** * * * * * 2.5 6′′5 10日0 160 20.0 0.5 3い3 7.4 20…7 32∩6 *:TIeatment *堵:Ratioofholearea(plantingholes/rowsuIface,%) ***:Meshesof1awnswasenlaIged ****:Meanvalue封OmApr.16toJul.110n1982 土壌水分の測定は,地温の場合と同じ深さにガラスブロック製電気抵抗素子(2・6×1け9×0・8cm,島津製作所)を埋 設して行い,連日,9時に倍を読みとって含水率に換算した付 この外に,熟乾法及びテンショメ、一夕法も用いた.恭 発畳の測定は,紙面蒸発計を瞳面上に設置して行い,連日,17時に前日との差を求め,当日の蒸発量とした・また, マルチの植穴からの蒸発盈は,2台の拡大自記ライシメ・−タ(1.2mXl.2mxl.Om深)によって測定した(4)・これ は地下水位固定式で,その水位を地下20cmとし,一・方の地表面は黒色ポリ■7イルムで覆い,■7イルムには径$cm の植穴を20×30cmの間隔であけた.なお,この植穴の給面積は,延907cm2になり,これはライシメー・タ内土.壌 表面の給面墳の6…3%に当たる一.他の方は,裸地の状態とした. 熱収支の測定には,純放射計(CN−6塑,CN−2型,英弘精機)を各瞳の畦面上50cmに設置すると共に,地中熟 流板(CN−81塑,英弘精機)には約1mm覆土して行い,それぞれ純放射盈と地中伝導熱度を求めた.顕熟伝達量 と潜熱伝達盈は,それらの残余によった. 3.実験結果及び考察 3.1マルチにおける植穴の有無と熟収支 フイルムマルチにおける租穴の有無による熱収支の差異については,Table2にその主なものを示した.、なお,こ れら熟収支の符号は既報(5)に準じる一.また,熱収支測定当日の日射盈はそれぞれ492calcm…2day ̄1(4月23日, 1982年)と194calcm ̄2day ̄1(12月11日,1981年)で,天候はともに晴天であった. a.純放射盈:昼間(正値)と日頓静畳(g)は(4月23日),有孔マルチ(刃の方が無孔マルチ区(B)よりも若干 (4∼10%)下回った.、また,夜間の鈍放射盈(負債)は,有孔マルチの方が無孔マルチ区より逆に多く,それは有孔Table2。Dai1yamountsofheatbalancecomponents(Calcm■ ̄2day,1) Mulch(A) Mulch(B) No mulch
Rn 追 L+V Rn B L+V Rn 丑 389.3 81い0 311.1 40‘7.6 95小0 316り1 87.7 55い9 34‖6 71。4 55…5 200 301.6 25.1 2765 33516 39…5 2961 (100)(−8)(−92) (100)(−12)(−88)
︶ い
一 m l l ︵ ︶ 捌射馴一3 5 51・ 10 2 一l ︵ + 膚 ご 2 q/ 7 ︶ 3141仙 9 8 J れり 2 + l g 91小9 123…1 30い9 93.5 116、0 28‖7 88..1 29、2 56‖6 41.6 16小4 61日6 38.3 24…1 62.7 66.5 −10い7 77.、1 54い4 −9日6 64…0 (−100) (86) (14)(−100) (85) (15)(−100) Decり11 1981 Rn:Net radiation,B:Soilheat飢IX,L:Sensibleheat且ux,V:Latentheat且ux,2:Dai1ytotalofeachcomponent.
ValuesinparenthesesdenotethepeICentageSOfdailyamountsofsoilheatfluxtothatoftotalnetradiation,
andsensibleandlatentheatfluxestothatoftotalnetradiation,IeSpeCtively. マルチの放熱がより大きい事を意味する 裸地(無マルチ)では,両マルチ区に比べて昼間の受熱,夜間の放熱ともに小さかった‖ これは昼間の場合,両マ ルチ区のアルベドが約8%(1982年4月23日12時頃)であるのに対し,裸地ではそれが2倍以上(18.0%)となって 大きいことが考えられる小 一・方,夜間についでマルチの2区と比較すると,4月23日の場合は両マルチ区より放熱盈 は少ないが,12月11日の結果では,3区間の差は小さく,両日を通して一・致した傾向は得られなかった.これは12月 の場合には,4月の場合に比べて日射急が60%も少ないことから,マルチの2区での昼間の受熟度(純放射)が裸地 のわずか5∼6%増程度であったため,夜間には昼間の受熱量の影響が出現しなかったものと考えられる. b小 地中伝導熟度:日中,有孔マルチ区では無孔マルチ区よりもそれは少なかったが(約15%),夜間は両者にほ とんど差がなかったこともあって,日墳算借としては有孔マルチの方が無孔マルチよりもさらに少なくなった(36% 減). また,無マルチ区の昼間では,無孔マルチ区とほぼ等しい伝導盈を示したが,夜間は両マルチ区よりも少なかった ため,日横罫偲では無孔マルチ区より28%増,有孔マルチに対しては2倍増となる.これらマルチ区よりも無マルチ 区の伝導患の積弊個が上回ることは,既報(5・6)と−・致している. C.顕・潜熱伝達盈:顕熱・潜熱伝達盈の日額算値をみると,有孔マルチ区は無孔マルチ区より若干(7%)少な い程度で,両者の差は大きいものではないが,無マルチ区に対しては2.3∼3小5倍にもなって,その差は大書い.こう したマルチ区(有孔・無孔)と裸地における顕・潜熱伝達畳の盈的傾向は既報(5・6)でも得られているが,これは前述 したように黒色ポリフイルムによる日中の低いアルベドの結果,マルチ区の純放射急が多くなることと,地中伝導熟 急がフイルムと土壌表面間の空気層により抑制されるため,残余として得られた顕・潜熱伝達盈が多くなったものと 考えられる. なお,穐穴からの蒸発熱については,ライシメータでの比較実験(1982年10月−12月)の結果,面培比6巾3%の植 穴マルチの場合,裸地の約40%相当の熟度であることが認められた. 以上は4月23日の場合で,12月11日の結果は日射盈の少ないこともあって,純放射盈のどときは,4月の場合ほど はっきりした傾向はみられなかった。しかし,日中における3区間の関係では4月の時と類似のものが多い小 以上,熟収支からみた有孔マルチと無孔マルチ間の差は,純放射盈と地中伝導熟盈ともに僅少で,植穴の影響は少 なかった..ただ,残余項の顕・潜熱伝達量としては,無孔マルチの場合,そのほぼ100%が顕熱伝達畳と考えられる のに対し,有孔マルチでは植穴からの潜熱交換がかなり多くの部分を占めることが考えられ,両者の質的差異も問題 になるかも知れない.鈴木晴雄,官本硬一・:フイルムマルチにおける植穴の有無と地温 3.2 無植生のマルチにおけるフイルム植穴と地温 3.2.1植穴の有無と地温 フイルム植穴の有無が地温に及ぼす影響をみるために,各実験年ごとに3∼4カ月間,各処理区の地温を測定した (Tabl¢3) Table3‖ Meansoiltemperatures(OC)duringexperimentalperiods Apr.−JunL.1982 0ct8トJan。82 ApL−Jun.1980 AprTJun.1981
Max.Min.Mean Max‖ Min。Mean Max.Min。Mean Max小 Min.Mean
19、1100 13‖7 19110り3 13‖9 16.8 82 11‖7 Mulcb(A) 25816.9 217 29.7 ほ7 21..7 Mulch(B) 28,01‘74 22い9 30716.3 22.4 Nomulch(D) 26..515“6 20…8 26..岳13.919.4 31て 1912 24.8 32一3 19.6 25..6 29い9 166 22,7 PlotsA,BandDarethesameasinTablel. 巻から夏にかけての時期の最高地温では,植穴の存在が地温の低下として示された∴すなわち,有孔マルチの方が 無孔マルチよりも全般的に地温は低く(06{′2.20C),1981,’82年においては,裸地の地温が最も低かった.しかし, ,80年では有孔マルチ区の温度が,裸地よりさらに低くなった(070C)‖ この年次によって傾向が異なるのは,後述 (3.2.かするように1980年における4月−6月の給降雨盈が,81年と82年の場合に比べて30∼67%も多かったことに, 主な原因があると考えられる巾 ・また,軟から冬にかけての時期については,有孔一触孔マルチ間の差はなかったが,これは主にこの時期には日射 急が少ないことと,冬季の季節風による影響からマルチフイルムと畦表面とが接触する面積が両マルチ区とも小さ かったために,日中の太陽放射の受熱盈に差がなくなり,地温差が生じなかったのであろう. 次に最低地温では,いずれの年も有孔マルチは無孔マルチよりも低かったが(0.3−060C),裸地に対してはかなり 高温(1.3−2.60C)であった.また,平均地温においても,最低地温の場合と同じ傾向がみられた. 以上,フイルム植穴の地温に対する影響を,地温の平均値(3カ月)でみた結果,日中(最高地温)においては, 春から夏にかけての季節(4月−6月)の場合,植穴は地温の低下として作用するが,秋から冬ではほとんどそうし た影響が認められなかった.しかし,夜間(最低地温)の場合は,春,秋とも,植穴が地温の低下をもたらした. 3.2.2 地温の高低順位別発生頻度 各マルチの地温効果を示す一・定期間の算術平均値による表示法では,単に−・面的な意味しかなく,期間中に生じる 区間の温度比較における逆転現象 つまり,マルチ区が裸地より低温となることがどの程度発生するかの動的な現象 は全く表示しえない. そこでTablβ4には,有孔マルチの地温を,無孔マルチおよび裸地(無マルチ)と比較し,それらの高低順位の 各種タイプについて,その発生頻度を示した. なお,表中のAは有孔マルチ,Bは無孔マルチ,Dは無マルチ(裸地)であり,1980年∼1982年の各時期ごとに 最高,最低,平均地温について,各区間の高低順位がどの程度の割合で出現したかを表示した∩ (a)最高地温:1980年(4月−6月)で最も出現頻度の高いのは,B>D>Aの順位(44.4%)のものであったが, 1981年と1982年には,B>A>Dが最大の出現頻度(‘78、8%,74・4%)を示し,無孔マルチはいずれの年次において も最高位で経過した.しかし,有孔マルチと無孔マルチとの高低関係は,年によって傾向が異なっている.こうした 年次間の不一・致は各期間の平均地温を比較した時にも示されたが(3り2・・1),これは年ごとの−・般気象条件,特樗雨畳 の異なることによるものが大きいものと考えられるい すなわち,各年次どとの4月−6月の絵雨塵は,それぞれ3−78 mm(80年),292mm(81年),229mm(82年)で,81年と82年は80年に比べて約23∼40%も降雨が少なかった.この ような雨盈の差が,たとえ植穴を有しているマルチでも,土壌水分に対する影響が無マルチの場合とは大きく異なる こ.とが考えられ(7〉,その事が土壌の熟容盈の差に反映して,異なった年次によって異なった温度効果を示したもので あろう. 秋から冬にかけての時期(1981∼,82)では,前述の時期と異なってA>D>Bのタイプが最も多く現われ(49・0%),
Table4,Frequency(%)oftypesofhigh−loworderinsoiltemperature
Apr小一Jun.1980 Apr.−Jun.1981 Apr・−Jun1982 0ct,.81Jan”82
Max”Min… Mean Max”Min.Mean Max.Min”Mean Max..MinMean 11.8 62 (;.0 1 8 /b 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 9 つ 5 0ノ 7 0 4 3 1 7 J O 9 9 〇 7 911 3 4
2 0 ′b O O O O O O O O 1 0
1 8 ■J 7 21 0 ′h O O O O O O O O 2 0
nフ q/ 8 4= 7 1 7 8 ■つ 7﹂ ′烏 7︰4 554L 72 0 0 0 2 0 0 5〇
1 5 1 8 0 ′b 月 4 ‘U 穴︶ 44 7 ﹂ 8 1 ヘム 0 4一⊥ ■︸ 0 0 4 0 つーサー▲フ 1 2 4 A>丑 >D A>D>B 丑 >A>D B >D>A D>A>B D>B >A A>B ==D B =D>A B >D=A A=D>B D>A=B A=B >D A=B =D 2 0 0 4 85け3 91い5 1 4 7 6り8 0 0 0 0 0 2小4 0 0 0 0 0 0 0 0 1‖1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2.2 85 25 0 0 0PlotsA,BandDarethesameasinTablel
A、>B>Dがそれぞれに次いでいる(37.1%).したがってこの時期では,いずれも有孔マルチが無孔マルチよりも高 温の頻度が大である 次に,これら最高地温の高低関係の出現頻度を,平均最高地温(Table3)の場合に比較すると,春から夏にかけて は3カ年とも,その高低関係がいずれも一・致している.しかし,秋から冬にかけての時期では,1カ年の例に限られ るが,両者にはかなりの差異がみとめられる小 すなわち,区間地温のタイプ別最多出現頻度はA>D二>Bで最大と なっているのに,平均地温の高低関係ではA=B>Dとなっているい これらの高低関係の不一・致の原因は,平均地温の場合,対象となる期間内に1日でも突出した区の地温があれば, それが平均値に大きく寄与して各区の高低関係に著しく影響することになるが,出現頻度では,1日1日の高低順位 が期間内において等しい重みをもつという温度効果のとらえ方における質的差異にもとづくものと考えられる. 恥)最低地温:1980年の春∼夏期と,81年の秋∼冬期において,出現頻度の最も高いのはA>D>B(74い4%, 73.7%)であり,有孔マルチの保温性は無孔マルチと無マルチより大きい.しかし,’81年と’82年の春一夏期にお いてはいずれもB.>A>D(96.7%,85.3%)の頻度が最大で,保温性は無孔マルチが最も安定している. このように最低地温の場合,1980年∼1982年の計4期の実験期間中,最多出現頻度の高低関係は2種類のものが得 られたが,この理由については前述(最高地温)の場合と同様,一・般気象条件の年次による適いによるものと考えて いる… (C)平均地温:出現頻度は,いずれの年次の傾向も最低地温の場合と同じであった.また,平均地温の場合も,算 術平均値による大小関係と−・致しない年(’80年,’81−’82年)がみられた… 以上のように,マルチによる地温上昇,もしくは保温効果を高低順位別の出現頻度でみた結果,その効果は必ずし も安定的に得られるものではなく,−・定期間の平均地温による区間の高低関係とは異なった傾向がみられる. また,出現頻度から区間の高低関係をみた場合,有孔マルチ区の保温性が最大となる場合もあって,平均値による 傾向とは若干異なっているり 3.2.3 地温効果と一般気象条件との関連性 フイルムマルチの植穴が地温に及ぼす影響を,マルチ区と裸地(無マルチ)との地温差で求め,各気象要素がどの ように関連しているかを検討した. 地温効果は有孔マルチの場合,5cm地温の日最高地温(MAA),最低地温(MIA),及び平均地温(MEA)について裸 地との差を求めた外,日較差比(DRA)(5)も加えた.また,無孔マルチについても同じようにして求め(MAB,M18, MEB,DRB),これらを重回帰式における目的変数とした 説明変数としては,各気象要素と実験区の土壌含水率をとりあげた、その項目は,実験区に隣接した露場で観測し鈴木晴雄,宮本硬+・:・7イルムマルチにおける植穴の有無と地温 7 た連日の平均気温,最高気温,最低気温,平均湿度,最低湿度,雨量,蒸発盈(大型蒸発計),日射量,日照時間, 平均風速,最大風速及び各区の土壌水分(深さ5cm)であり(8〉,さらに降雨後係数(PK)も加えたl・これは,雨量を 地温との関連で扱う場合,降雨後の土壌水分に対する影響を考慮に入れる必要を考え(9),便宜的に,−・定盤以上の降 雨(今回は2mm以上)があった日を3とし,翌2日目を2,3日目は1としたものである・ これらの説明変数の目的変数に対する相対的重要度をみるために(10),回帰式を求め,各標準偏回帰係数をTabl¢ 5に示した..なお,変数の選択は,変数減少法によった(11・12) Table5.Standardpartialregressioncoe疏cientsinmulchedplots Multipleregression COe侃cient
StandardpartialregressioncoefBcient
0,一766** 0.797** 0い824** 0い793** 0い599** 0691** 0.716** 0.718** Ew+0442 Hu−0.373 Hu+0.461 Hu+0け393 Ew十0.291 Hi−0267 So−0.326 Wp Wm+0..683Wb Pk+0.668 So+0。358Ew+OA28Wp So−0.253 Wa+0.267Ew+0い511Wn Wb Prヰ070ノ7 So−0‖909Sh Ew+0.250Wb ー0。442 −0.342 −0239 −0.488 −0‖412 −0249 −0り369 A MAル軋Ml −0り414Wm+0い518Wb*MAA=Maximumsoiltemperaturedi蝕ence(plotA−plotD)at5cmdepth,チnd MAB:Diffbrence
(plotB−plotD)い MIA:Minimumsoiltemperaturedi鮎rence(plotA−plotD)and MJB:Di鮎rence
(plotB−plotD)“MEA:Diurnalmeansoiltemperaturedi触ence(plotA−plotD)andMEB:Dihr−
ence(plotB−plotD).DRA:RatioofdiuInalrange(plotA/plotD)andDRB:Ratio(plotB/plotD)・
WmandWa:Meanandmaximumwindvelocity,HuandHi:Meanandminimumhumidity,So:
Amount ofinsolation,Sh:Duration ofsunshine,Ew:Amount ofevaporation,Wp,Wn,and
Wb:SoilmoisturecontentatplotA,B,andD,Pr:Amountofr・ainfall,Pk:Coe疏cientofrainfa11
**Signi負cantatl%1evel それによると,各関係式ともに裸地との地温差を目的変数として選択された説明変数は2∼5個で,比較的少な かったい得られた重相関係数は約0い60∼0‖82の範囲で予想したよりも小さいu こうした係数の低い原因としては,地 温差に対する各気象要素(説明変数)の作用機構が異なること,また,各変数相互・が影響を及ぼしあうのに要する時 間の相違(13)などが考えられる 最高地温においては,有孔マルチ(MAA)と無孔マルチ(MA。)に共通な変数は1つもみられない・・有孔マルチでは, 蒸発盈(Fw)とマルチ下の土壌水分(Wp)が,等しい影響を地温差に及ぼしているい無孔マルチでは,対照区(裸 地)の土壌水分(Wb)の係数が,選択された変数の中で最も大きく(O1683),地温差(MAB)に及ぼす影響も最大で ある これらのことから,有孔マルチ,無孔マルチの最高地温については,ともに土壌水分の影響が大きいものといえる・ これらについては,筆者らも実験的に確認している(5−6)小 最低地温については,両マルチ区ともに選択された変数は5個もあり,しかも,それらのうち4個は両区に共通な 変数で,それらは平均湿度(Hu),日射量(So),蒸発量(Ew),土腰水分(Wn,Wp)である・土壌水分が地温に大きく 影響を及ぼすことは,最高地温の場合と同じであり,平均湿度も選択されているい これは最低地温の出現する夜間 (早朝)には,放射冷却が盛んであり,この時の放射量推定の経験式が湿度の要因を含む(14)ことと一億している・ 蒸発量は,各気象要素の総合化されたものとも考えられ(15),後述する平均地温,地温日較差比にも選択されている 日射量については,晴天日であるほど,早朝の気温,並びに地温が低下する傾向があり,それとの関連で選択された ものと考えられる. また,両マルチ区に共通でない変数として,有孔マルチでは降雨後係数(Pk)が選択されている・・これは,■フイル ム植穴の存在が,そこでの降雨の土壌への浸透を促進させることにより,土壌の熟容畳を大きくし,それが夜間の地 温低下を緩和することになったため,変数として選択されたものと考える.一・方,無孔マルチでは最高風速(Wa)が香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号(1984) 選択されているが,これは無孔マルチの現場では,風によって畦表面から1フイルムが持ち上がり,その結果,地下部 の地中熱伝導急に大きく影響を・及ぼしたものと考えられる.これについて筆者らは,室内にて人工光源下(0一86 Calcm‘ ̄2min ̄1)で模型瞳を設置し,黒色ポリフイルムの被覆処理を行い,そこでの地温変化と風速との関連をみた 結果,強風(最大4・5m/s)であるほど,無風時の模型睦に比べて,畦面付近の地温の勾配が比例して小さくなり, 地中熱伝導畳も少なくなったことを得ている(1¢) 平均地温では,両区に共通な変数はない.有孔・・7ルチ(MEA)では蒸発量(Ew),対照区の土壌水分(Wb)のうち蒸 発塞が,また,無孔マルチ(MEB)では最低湿度(Hi),降雨盈(PI),日射盈(So),日照時間(Sh)のうち日射盈と日照 時間の多少が平均地温に大きく影響を及ぼしている 地温日較差比の場合(5),有孔・無孔マルチに共通な変数は,裸地の土壌水分(Wb)で,有孔・マルチ(DRA)ではその 外に日射量と蒸発急が選択され,ともに土.壌水分より地温日較差比へ及ぼす影響は大きい.無孔マルチ(DR。)では 平均風(Wm)が選択されており,最低地温の場合も,風速(最高)が選択されていることから,無孔・7イルムでは 夙による影響が有孔の場合よりも大きいものといえる. 以上の回帰式より,マルチの地温効果には複数の気象要因が関与し,1フイルム植穴の有無によって選択される要因 も必ずしも一激しないことが判明した小 すなわち,最高地温では有孔・無孔の両マルチともに土壌水分の要因のみが 選択された.最低地温では4個の要因(平均湿度,日射量,蒸発盈,土.壌水分)が両区で選択された.地温日較差に なると土壌水分のみが共通的であり,平均地温では,両 区に共通な要因は全く得られていない 2 1 0 −1 −2 −3 −4 なお,有孔・無孔マルチともに全体的に土壌水分によ る影響が大きいことについては,既報く5・6)の実験結果と ・一・致している.特に有孔マルチでは,植穴を通じて降雨 の影響があり(最低地温),無孔マルチでは風の影響が 顕著である(最低地温,地温日較差比). 3.2.4 植穴の大きさと地温 \ 植穴の大きさが,地温に及ぼす影響を,Fig.1に示し た”そこでは各有孔マルチ(No“13からNo..17)の地温 と対照区(無孔マルチ,No.1)との差をとって,両者の 関係をみた小 なお,対照区の地温(5cm深)の変動幅は0∼300C としたが,これは香川県における年間の地温変化を考慮 してのことである(8) まず最高地温をみると,各区とも地温(対照区)が上 昇するほど温度勾配は下がって,有孔マルチの植穴の径 によって地温に対する影響が異なっている−すなわち, 植穴を面積比でいうとそれが3.3%以下のマルチ(No。.13, 14,植穴の径は25,6.5cm)は,比較的低温(220Cと 100C以下)の季節にはそれぞれ無孔マルチよりも高温 となるが,それより高温の季節ではその逆となって無孔 マルチより地温は低下するり それに対して径の大きい No…15∼17(面積比>7..4%)では,どの季節でも有孔 マルチの方が無孔マルチより地温が低く,その温度差は 地温の上昇と共に大きくなる‖ これらは,植穴部の裸地 面とフイルム面における日射の受熱量と,植穴部を通じ ての放熱畳の両者の大小関係により生じたものと考えて いる.すなわち,比較的低温(220cと100C以下)の季 緬には,面積比3.3%以下のNo..13,14では,植穴部よ りの放熱よりも,そこでの日射による受熱が大きいもの 0 5 10 15 20 25 30 Min PれむUu巴む芸p巴n︶巴鼠∈忍一州OS 、 モモこ=こ= ■−1■ − − −■■_ − −−ごニニニ・bL一・・・__ ≡・‥== 0 5 10 15 20 25 30 Mean 1 0 −1 −2 −3  ̄ _ ■ 、 __ ー■■ ̄、 ̄  ̄−−・・−−二=二=== 、−−→・一 三ニーー■■ 、−−、
=二
、 こ−▲ 0 5 10 15 20 25 30Soiltemperature for No1,℃
Fig。1..Changeinsoiltemperaturedi鮎rence (−5cm)betweenIeSpeCtivep10tand the control(No。.1)asin伽encedby the soiltemperature fbr the control
鈴木晴雄,宮本硬−・:フイルムマルチにおける植穴の有無と地温 9 と思われるので無孔マルチより上男したものであろう. ついで最低地温では,面横比0、5%(No.13)と対照区との温度差は,最大でも030cにすぎず,植穴の有無が余り 地温に影響していない… 植穴の面積比がこれ以上になると,それが大きいほど地温低下も大きくなり,面簡比32.6% の区(No17)では最大2..50Cの温度差がみられるい このことから,面墳比が大きくなるほど,有孔マルチによる保 温効果は減少することになる なお,平均地温では全体的に対照区よりの温度低下が目立っており,傾向としては,最低地温の場合に等しい. 次は,植穴の面墳比の大小による影響を,地温の日較 差比からみることにする(Table6).各日較差比は,実 Table6。Ratiooftherangeofsoiltemperaturein eachplotwithplantingholestothatof No。1flOmOct小,1981toJan,1982 験期間中における無孔マルチ(No1)の地温日較差を分 母として,各区(Nol13∼17)の日較差を険したもので ある これによると,面墳比0小5%(No..13,径2.5cm)の地 温日較差比は対照区とほとんど変わらないが,面積比が 3、3%(No.14,径6け5cm)以上になると日較差は減少し, 面瘡比が20、7%(No16,径16cn】)を越えると日較差此 は反対に大きくなり,それが326%(No‖17,径28cm) になると日較差比は約10となって対照区と変わらなく なる… このような植穴の大きさの推移に対し,地温計較 Plot Ratio Noり13 No小14 No 15 No.i6 No.1′7 2 ′0 0 ′O q/ O qノ ︵ソ 7 q/ 一L O O O O L.S.D.(5%) 差比が途中で増加するような変化ほ,同じような実験を 試みた1982年4月−6月においてもみられた… ただし,その場合,増加は面積比3.3%(径 6.5cm)の以後にみられ ており,今回との差異については,前述(3‖2…3)したように両実験年の一腰気象条件の相異によるものと考えている. この植穴の径が大書くなるにつれて,日較差比が減少し,途中で増大する変化についても,前述したような,植穴 部における日射受熱と,そこを通じての放熱との大小関係によるものと考えている“ 以上のように,植穴の地温へ及ぼす影響を地温差からみると,最高地温と最低地温ともに植穴の面酷此が大きいぼ ど対照区(無孔マルチ)より地温が低下する… 一・方,地温日較差比では,植穴の面横比(≧2、5%)が大きくなるほ ど日較差比は次第に減少し,20.7%では最/j、を示し,対照区の温度変化に比べて最も変化が小さくなる. 3.3 植生マルチにおけるフイルム植穴と地温 3.3.1植生(模型)と無植生の地温差 フイルムマルチ(有孔,無孔)における植生模型の地温へ及ぼす影響を,Fig.2に示す一. 図の(a)は,有孔マルチ(太線)と無孔マルチ(細線)について植被(模型)単独の効果をみたもので,グラ・7の Ⅹ軸には対照区(無植生の有孔マルチのNo‖1,同じく無孔マルチのNo.7)の地温をとり,y軸には透過率を68%と した処理区(No・3とNo∴7)と対照区(No1とNo7)との温度差,有孔マルチ(Noい3−No」1),無孔マ/レチ (Nou9−No.7)をとったまた,(b)には植生(模型)とマルチの複合効果が示されており,無マルチ(Noい18)との 比較を有孔マルチ(Noい3−No.18)と無孔マルチ(Noい9−No.18)における地温差で示した. a小 梅盤(模型)単独の効果:最高地温をみると,有孔マルチでは植生模型による温度低下は全体綺に著しく,対 照区(No”1)が00Cの時,植生区(No小3)の低下皮は3.4OCであり,対照区が300cではそれが4い50Cにも達し ている.また,無孔マルチでも対照区(No7)よりすべて低くなっており,その程度は対照区の地温が高い時ほど大 きい‖ すなわち,地温(対照区)が00Cでは,植生模型による地温の低下度は070cにすぎないが,対照区の地温 が300Cになると,それは3」70Cにも増大する. こうした植穴の有鰍こよる影響の違いは,前述してめるとおり,主に土壌水分息に起眉し,有孔マルチの植穴が無 限大に広がったものとしての無マルチと,無孔マルチを比較した場合でも同様な傾向が得られている(5)..それによる と,植生模型による温度低下の度合は,無マルチの方が無孔マルチにおけるよりも大きく,しかも,その原因と考え られる土壌水分盈は,無マルチく無孔マルチであった.今回の場合でも,有孔マルチと無孔マルチ間に実験期間中, 土壌水分には差がみられ,有孔マルチが14い4%(0−20cm深の平均値,1982年4月23日)で,無孔マルチ(17.2%) より少なかった.
香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号(1984) (b)Canopy model+Mulch : =モ==ミニニモ ・ニ (a)Canopy model ■一 − − _ 10 .むUu巴ぜ︼葛巴コ︸巴呂∈U︶コOS P 0 5 10 15 20 25 30 0 5 10 15 20 25 30
Soiltemperature for Nolor No7,Oc Soiltemperature柏r No18,Oc Fig“2Ei7bcts ofcanopy modelandmulchonthesoiltemperaturedi庁brence(Mulch−
Control)underneath the創mwith planting holes(boldline)and one with no planting holes(fineline)‖ Soiltemperature of canopy model(a):No小1(bold line)andNo.7(fineline) 次に最低地温の場合は,最高地温の時と違った傾向が示されているい すなわち,有孔マルチでは,対照区の地温変 化(0∼300C)にもかかわら■ず,ほぼ一億した保温効果(06∼080C)が認められる・−・方,隠孔マルチでは,対照区 の地温(No1)が比較的低温(0∼1L70C)の季節は,植生模型があることによって約0∼0。70Cの範囲で保温効果が認 められた、しかし,対照区の地温が高くなると,模型の影響はむしろ地温を低下させる傾向になる. この有孔・無孔間の関係についても,主に両区の土壌水分に差があったことから,熟収支が異なり,地温に対する 植生模型の日射抑制の影響も異なったものと考えている(5) さらに,平均地温では有孔マルチの場合,対照区の地温(No1)に射し,約lOC低温で経過した∩ 無孔マルチの 場合には,最高地温の場合と同様に対照区の地温が上昇するにつれて,植生模型は温度低下として作用するが,その 程度は小さい仙 bい マルチとの複合効果:これについても,最高と最低では植生(模型)単独の場合と傾向的にほぼ等しく,平均 地温になると,無孔一有孔間の差がほとんどみられなくなる.ただ,マルチとの複合効果としては模型単独の場合に 比べて,全体的(最高,最低,平均)に地温差は小さい これらについては既報(S)でも,無孔マルチにおける模型単独の効果と複合効果は傾向的に−・致し,この地温差が 複合効果において小さいのは,植穴の有鮒こかかわらず,模型による日射抑制が地温低下として作用するが,一・方に はマルチ被覆による地温上昇があるため,それらが相殺されたためであろう 以上のように,植生模型の効果はマルチ植穴の有無で異なり,有効マルチでは無孔マルチに比べて日中,日射の抑 制による温度低下は大きいが,夜間になると有孔マルチの保温効果がより顕著となる.また,植生(模型)にマルチ の加わった複合効果では,模型単独の場合と傾向的にはほぼ同一・と考えてよい 3.3.2 地温の日放差比 有孔・無孔マルチにおける植生模型の効果,及び植生模型とマルチの複合効果を,地温日較差比で表わし,Table 7に示したh なお,表中のRatio(l)とRatio(2)は,有孔マルチ(MulchA),無孔マルチ(MulchB)におけるそれ ぞれの模型単独の効果と複合効果を示す これによると,有孔マルチにおける植生模型および模型とマルチによる効果,つまり地温の変動幅は,日射の抑制 程度が大きくなるに従って逆に小さくなる傾向がある.一・方,無孔マルチにおける模型単独の日較差比は,有孔マル チの場合より,全体的に003−021も大きくなり,地温日較差へ及ぼす無孔マルチの影響は,有孔マルチにおけるよ
鈴木晴雄,官本硬一:・フイルムマルチにおける植穴の有飯と地温
Table7.Ratiooftherangeofsoiltemperatureineachplottothatofcontrol
11
Mulch(A) Mulcb(B)
Ratio(1) Ratio(2) Ratio(1) Ratio(2) No.8(76) No.9(68) No.10(44) No血11(28) No.12(11) 7669585049 0 0 ∩“0 0 0 0 0 0 〇 叩 70595046 ‘U 5 1 0ノ 2 ′月 j 5 4 4 〇〇 〇 〇 〇 つJ OO 8 7 0 ‘V 4 4.4 4. ︵u O O O O. No.2(76) No。3(68) No.4(44) No.5(28) No6(11)
ControI No.1 No.18 ControI No..7 No 18
L.S.Dい(5%) 0い03 0..04 L.S、D。(5%) 0‖04 0・02 Valuesinparenthesesd甲10tethetransmissivityofsolarr−adiation(%)1Ratio(1):E鮎ctsof canopymodel,Iatio(2):EfIbctsofcanopymodelandfilmmulch りも若干小さくなるが,傾向としては有孔マルチの場合と−・致して,マルチを加えた複合効果の場合も,模型単独と ほぼ同じ値である. こ.れらに関連して筆者らは,無孔マルチについて既に報告(5〉 している−.その時は全体的に複合効果の方が模型単 独の場合より若干低かった.今回との相異は,両実験年の期間中における気象状態,特に雨量が異なることによるも のと考えられる. すなわち,既報の場合甲実験期間中(1977年8月−12月)における月降雨量は115mmに対し,今回の場合(1982 年10月−1983年1月)はそれの1/2以下の43mmであったい 雨塵が異なることで,土壌含水畳も変化し,それが土 壌の熱容量から地温変化に反映したものと考えている”さらに,無植生の無孔マルチ区の地温日較差比に関する重回 帰式(Tabl¢5)においても,降雨とそれに関連する土壌水分の変数が選択されていることに,降雨の影響の大きいこ とが示されている 以上,地温日較差比からみた植生模型の効果,及び模型とマルチの複合効果についてはほとんど差がなかった−.ま た,それらの効果を有孔・無孔のマルチで比較すると,無孔マルチよりも有孔マルチの方が地温日較差比は0103− 0…21ほど小さくなり,日射抑制(植生繁茂)による影響は有孔マルチの方が大きかった巾 4.む す び 黒色ポリエチレン・フイルムマルチによる地温効果を,植生(模型)と植穴の有無との関連で実験した結果,マルチ の地温効果は植穴の有無によって異なり,日中の温度では,春から夏にかけての季節(4月−6月)の場合,植穴は 地温の低下(有孔マルチ<無孔マルチ)として作用するが,軟から冬ではそうした影響は認められない‖ また,地温 の低下度はいずれの時期でも植穴が大きいほど顕著であり,植生(模型)がある場合でも,植穴の影響が同じように みられる. しかし,マルチによる地温効果は,連日,一・足したものではなく,有孔マルチ,無孔マルチ,無マルチにおける地 温の高低順位にはかなりの入れ変わりがある. 今後は栽培の観点から,マルチによる地温効果を示す方法の確立,並びに実際の作物群落を対象として,植穴と地 温との関係をみていくつもりである.. 引 用 文 献 象に関する研究IAlbedo の著しく異なった資 材を用いた場合(その1),香大農学報,Z7,2ト 32,197(5い (3)鈴木晴雄,上原勝樹,宮川秀夫:瞳面被覆の微気 (1)Davies.JW:Mulching e仔ects on plant cli−
mateand yield,W≠化)technicalnole,No.136, 1−92,1975
象に関する研究Ⅲ被覆の資材・方法の相違が作 物の生育に及ぼす影響(その1),番犬農学報, 2$,37−49,柑77 (4)上原勝樹:大型水面自記蒸発計の試作について, 虚業気象,1d,19−21,1958 (5)鈴木晴雄,桜井英二 宮本硬一・:畦面被覆の微気 象に関する研究Ⅳ寒冷紗の遮蔽と黒色ポリエチ レン■7イルムの被覆による地温効果,農業気象, 35,243−248,1980 (6)鈴木晴雄,宮本硬一・,松尾直幸:瞳面被覆の微気 象に関する研究Ⅴ大豆の植生と黒色有孔ポリエ チレン■フイルムが地温に及ぼす影響,農業気象, 3$,135−144,1982 (7)西川広栄:東北地域における水稲の畑マルチ栽培, 農業技術,23,160−163,1968 (8)香川大学農学部科学研究委員金偏集:農学部気象 月表,1980年1月−1982年12見 (9)久米英夫,菅田恵美子:タバコ栽培における地 温・土壌水分に対するフイルムマルチの影響につ いて,生物環境調節,6,8ト86,1969 (10)小林和彦,吉川雅夫,野口正樹,池田澄男:愛知 県尾張地域におけるホウレンソウの収患と気象要 因との関係について,日本農業気象学会東海支部 会諌,34,35−39,1978 (11)奥野忠一・,久米 均,芳賀敏郎,富澤 正:多変 量解析法,日科技連出版社,東京,ト430,19ナ4 (12)河口重商:多変畳解析入門Ⅰ,森北出版,東京, ト161,1979. (13)山田窒息,古家 隆:圃場における団粒形成因子 一土壌の団粒に関する研究(Ⅳ)−,農業土木学 会論文集,9さ,ト6,1982 (14)内鴫善兵衛:新編農業気象ハンドブック,70一−92, 養賢堂,東京,1974 (15)富士岡義一・,松田松二市村一風 中山敬一・,山 本雄二郎:水稲の生育に伴う微気象賓素とE−T について(1)一蒸散畳と繁茂度との関係−,農土学 会論文集別冊,10,36−42,1965 (16)鈴木晴雄,宮本硬−・:未発表. (1984年5月31日 受理)