• 検索結果がありません。

モンシロチョウの幼虫, 前ようおよびさなぎの体液蛋白のディスク電気泳動-香川大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "モンシロチョウの幼虫, 前ようおよびさなぎの体液蛋白のディスク電気泳動-香川大学学術情報リポジトリ"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

モンシロチョウの幼虫,前ようおよびさなぎの

体液蛋白のディスク電気泳動 松 沢 寛 昆虫蛋白の電気泳動法紅よる研究は,近年いろいろな昆虫紅ついて行なわれているが,もっとも新しい方法の一つで あるディスク電気泳動法(最近はますます進んだ方法が考案されている)を採用した研究もようやく開始される現状に. ある. かって筆者は,折紙電気泳動故によって,モソシロチョウ㌧鈍βγ∠Sγ・郎協=朋而む∂rαの幼虫の体液蛋白を研究するこ とを試みたが,泳動条件をいろいろに変えて実験した紅もかかわらず,納得のいく泳動図がえられず,ついに放任のま ま,6,7年を経過した.. 最近,従来の折紙電気泳動法よりいっそう進んだディスク電気泳動法のあることを知り(1・2,6,7・8・9,10),本実験を行な ったわけであるが,本来の目的は,アオムレコマユ・バチ4卵油如5gJo∽βγ仇知ざ紅寄生されたモン1/ロチョウ幼虫体液 (体液中紅巨大細胞生成が起り,顕微銑的に・正常なものといちじるしくことなった状態を現わす)と,正常な幼虫体液 中の蛋白の性状を比較することに・あった・しかし,今回は,正常な幼虫,前よう,さなぎの体液を相互紅埠較し,それ と平行的に・前記のアカ■ムシコマユ・バチ被寄生幼虫の体液をも取りあつかつてみたい ここに.−・括してその成績をのべるこ. とにする. 本文紅入るに・先だっで,葡益な教示ないただいた本学植物病学研究室助教授谷利一博士,山水弘幸教官に.対し,深甚 の謝意を表するとともに,作業上いろいろと助力して下さった学生入倉尚子(植物病学噂攻),藤本大盤(応用昆虫学専 攻)両君に.併せて感謝する次第である. 材料ならびに実験方法 崩料‥香川県三木町嘩のモンレロチョウで,昨年(1968)5月,卵から室内飼宿した終令幼虫,前よう,さなぎならび紅 2令時にアオムレコマユバチに産卵寄生せしめた終令幼虫の体液を実験に供した. 体液の採取は,胸部背面(頭部の直後)に横から滅菌した昆虫針をさし,溢出したそれぞれの体液を8抑仁およぴ 4〝Jずつマイクロンリン汐に・て採り,泳動紅供した..泳動紅先立って,別途にモン1/ロチョウ幼虫,さなぎ等の体液 蛋白の含患を測定し,平均して22・777几g/1仇β程度であることを知ったが,これらをもとにして泳動条件を考慮した. 泳動装置‥この実験紅用いたディスク電気泳動装置は,先般永井′6)が解説したものに原理的紅.まったく同じもので,ミ ツミ科学座薬KKの製品である.泳動用ガラス管は,内径5脱,長さ70仰のものを用いた… また,泳動にほ,東洋科学産業KKの直流発生器をも使用した. 保存溶液:永井(6)の解説紅おけるとまったく同様に・したい 使用液:必要遺を毎回調製する こととした.分離用ゲル濃度ほ,pH=ニ9l2,Poresize7・・5%とした.濃縮用グル濃度ほ PoI・eSizeは3い75%としたしかし,試料用ゲルは今回ほ使用を省略した. 染色液,脱色液および電線槽用緩衝液:これらも永井(8)の解説に.おけるとまったく同様,ただし,電極槽用緩衝液は, 永井のF溶液を10倍に希釈して∵使用した.染色には,amide∼blackを用いた. ′電気泳動法:泳動用ガラス管を上部の電極槽に垂直位儲に取りつけ,竃極槽に緩衝液を入れ,ガラス管の上下両端の気 泡のないことを確かめて泳動を開始した。上部緩衝液100mβあたり0・5mβの0・001%BPB水溶披を加え,ガラス管1本 あたり2m′Aの電流を流し,泳動はBPBがぬけ出るまで行なったい グルの染色,脱色も,永井(6)の解説にもとづいて一 行なったが,脱色時の泳動に.おける電流は,ガラス管あたり5〃しAとした. 成績および考察 上記材料および尖験方法にもとづいてディスク竃気泳動を行なった成績は,箆1−2図および算1表のようである

(2)

51 第21巻 通巻第48号(1970) が,まず,正常なやンシロチョウの軌虫,前ようおあびさなぎの体液湛・ついで比較してみることにする 貨1−2図および策1表の成績からわかるように,正常なモン1/ロチョウ幼虫では,全階セ18本,前ようおよびさな ぎでは,全体そそれぞれ16本および17本のバンドを認めたわけであるが,幼虫とさなぎでは,バンドの有無,バンドの色 の濃さその他にかなりいちじるしいちがいが認められ,前ようでほ概してそれら両者の中間的な泳動像が認められた・ すなわち,パンド1ほ幼虫では認められず,前よう,さなぎでほ認められ,バンド3と10,17は幼虫では認められたが, 前よう,さなぎでほ認められず,また,バンド11は,幼虫,前ようでは・見られたが,さなぎでは認められず,バンド 16,19でほ逆にさなぎのみで認められた. 算1表 モ1/シロチョウ幼虫,前よう,さなぎおよびアオムシコマユバチ庭・寄生された幼虫の体 液蛋白のディスク電気泳動成績 (+,−はバンドの色の漉さをあらわす)

(3)

D アオムレコマ・ユノミチ紅 寄生された幼虫 幼 虫 前よ う さ な ぎ 第1図 モン1/ロチョウ幼虫,前よう,さなぎおよびアオムレコマユ・バチに寄生された幼虫の体 液蛋白のディスク電気泳動図 バンドの色の濃さからみると,バンド9では,′さなぎがもっとも色がうすく,バンド12,.13は.さなぎがもっとも色濃 く,逆紅,バンド14,15は,幼虫がもっとも濃かったけ総じて幼虫を特長づけているバンドは,3,10,11,17とバンド の色の関係から注目される14,15でさなぎを特長づけているバンドは,1,16,19とバンドの色の関係から注目される 12,13であるということができそうである。しかして,前ようは,バンドによっては幼虫と同様であったり,さなぎと 同様であったりしたが,前ようが,ちょうど,幼虫からさなぎ紅変態する中間の発育段階であることを考えれば,むし ろ当然ということができよう〃 次紅,アオムシコマ1ユ・バチの寄生をうけた幼虫の体液と然らざる正常な幼虫の体液の泳動像を比較するに,前者の場 合は,バンドの数がいちじるしく少なくなり,14本のバンドと,14,15番の中間の位置に,きわめて−かすかなクモリを認 めたのみである.被寄生寄主幼虫で,バンド2,3,8,9,14,15がまったく現われず,逆にバンド16,21が,この 方のみに現われたことは,正常幼虫のそれとの大きなちがいで,とくに,バンド21は,正常幼虫ほもちろんのこと,前 よう,さなぎにもまったく認められなかった独特なバンドである.したがって,アズ■ムシコマユバチの寄生が,寄主モ ソレロチョウ幼虫の体液蛋白の性状にかなりいちじるしい質的量的変化を及ぼしているらしいことは,これらの成績か ら明らかであろう小

(4)

第21巻 通巻第48号(1970)

A

B C D 53 2 0 8 6 4 3 2 0 8 76 5 3 2 2 2 1 ﹁⊥ l l ﹁エl 籍2図 承前(第1図)ディスク電気泳動のバク−ン (A・BlC..Dはそれぞれ第1図に同じ) 第3図 アオムレコマ・ユバチの寄生によっでモ ン1ンロチョウ幼虫体液中にあらわれる 巨大細胞(A:寄生後5日目,B:寄生 後11日目) ところで,昆虫寄生における寄主体液申の巨大細胞生成については,すでにWIGGLESWORTl{(12)によって若干の説 明がなされ,とくに,アオムレコマ・ユパチに・よって寄生をうけたモン1/ロチョウ幼虫の場合について・は,かって筆者(5) がそ−の概要にふれたことがある.この巨大細胞生成の機構ほ,しかしながら,非常に複雑で,そた後この問題に興味を 抱く研究者もあったが(3)(4),今日なお十分な説明を与えうる段階にほ.なっていない.ただ,顕微鏡的にほ,第3図のよ うに,非常に顕著な巨大細胞の生長過程を追跡できるわけで(さ),これと平行的に生化学的な追跡の必要性が深く感じら れる・今回は,こうした寄主体液中の巨大細胞生成に関連して,被寄生寄主の体液蛋白の,正常な寄主のそれとのちが いを大づかみに知るために,正常な幼虫,前よう,さなぎの体液と平行的にこうしたサンプルをとりあげたわけであ るが,前にものべたように,両者のちがいは,明らかに,かなりいちじるしいものであることが確かである. 渡辺(11)は,ウイルス雁病カイコ(幼虫)の中腸蛋白のディスク電気泳動を試み,泳動原点に.近く現われ,かつ,この 病気特有と思われる多面蛋白のバンドを除いた他の全体的な蛋白フラクレヨンの血般泳動像や濃度は,かなり病気の進 行したものでも,正常なものとはとんど同様であったと報告しているが,このような昆虫寄生における体液蛋白の場合 とは,相当ことなったものであるらしい. しかしながら,とにかく,現在はまだ,以上のそれぞれのバンドに相当するものが,いかなる種類の蛋白であるかは 不詳で,それらは今後の研究にまつはかはない. 摘 要 正常なモン1/ロチョウの幼虫,前よう,さなぎの各ステイ汐およびアオムレコマエバチの寄生をうけた幼虫の体液蛋 白を,ディスク電気泳動法によって,アクリルアミドゲルの中に.分離せしめ,それぞれの泳動図を比較した. 正常な幼虫,前よう,さなぎで認められたバンドはそれぞれ18,16,17本であったが,幼虫とさなぎでは,バンドの位 置や染まり具合にかなり締着な差異が認められ,前ようでは,多分に両者の中間的なバク−ソが示されたい 一方,アオ ムレコマ.ユバチの寄生を受けた幼虫の場合は,バンドの数は14本といちじるしく減少し,正常幼虫のそれとくらぺて, バンドの位置,染まり具合その他に,非常なちがいを示した.また,こうした被寄生幼虫の場合にのみ認められた特有 のバンドも存した..

(5)

引 用 文 献

DAVIS,B.J.,:Ann.Neu,York Acad Sci..,121,Art.2,404(1964)

FAⅥrCETr,.J・Sい:F甲Sエe抽γぶ,1,81(1968)・ 北野日出男:動物学雑誌,71,262(1962)一

付㈲㈲㈲㈲㈲佃㈲㈲ ㈹価㈹

:同上,74,192(1965). 松沢 寛:番犬農学部紀要,ほ),1−125(1958) 永井 裕:蛋白質核酸酵素,11,744(1966);11,818(1966) 荻田 善一一−ハ・・長浜 宗昭:SABCO.Jo〟γ・.,1,49(1964) …㌦:代謝,2,419(1965).

ORNSTEIN,L・and BlJ.DAVIS:Disc・−electrophoresis(Reprinted by Distillation ProductsIndustries, EastmanⅨodak Co.)(1962)

−冊一冊−】ニ:メ血㈲.Ⅳβ紺y〃′ゐAcαdい 5ぐより121,AIt,2,321(1964)

WATANABE,H,:Ja9,Jourり A♪?l.Ent.Zool.,3,74(1968),

WIGGL.ESWORTI‡,V.B.:The Principles ofInsect Physiology,283−287,Lond.&New York,E.P

Dutton and Coい(1950)

DISC−ELECTROPHORETiC PATTERNS OF THE LARVAL,PREPUPAL,

AND PUPAL BLOOD−PROIEINS OF THE COMMON CABBAGE

BUTTERFLY,Pi’eYIis rapae cruc加Yt7BOISDUVAL.

HiroshiMATSUZAWA Summary

By the method of disc electIOphoresis,theblood proteins of the normalcommon cabbage butterfly, PierisraPae crucivorainユarvaユ,prepupal,an pupal stage,and of thelarvae of the same species parasitizedby A少anteles glomeY’atuSWere Separatedin the acrylamide gel,and these patterns were

COmpaI・ed

Thenumberof protein bands on the acrylamide gelof the normal common cabbgaebutterflyin

larval,prepupal,andpupalstagewere18,16)and17respectivelylThegeneralpatterns of them of the

larvaeweIeVery differentfrom thatof thepupaeespeciallyin thepositionandthe darkness of bands,

although the patterns of the prepupalblood−prOteinswereintemediate between thelarvaland pupal

blood.

On theother hand,the patterns of theblood proteinsofthelarvae parasitizedbyA♪anteles glome− ratus werealso very different from thatof the normal1arvae,eSpeCia11yin the number,pOSition,and the darknessof bands”Moreover,in this case,a SpeCialproteinband was observed close to the origin

of gel,although14bands were clearlyobservedin general

参照

関連したドキュメント

謝辞 SPPおよび中高生の科学部活動振興プログラムに

FUJISAWA SHUNSUKE MIGITA Cancer Research Institute Kanazawa University Takaramachi, Kanazawa,... 慢性活動性肝炎,細

An easy-to-use procedure is presented for improving the ε-constraint method for computing the efficient frontier of the portfolio selection problem endowed with additional cardinality

The main problem upon which most of the geometric topology is based is that of classifying and comparing the various supplementary structures that can be imposed on a

We study the classical invariant theory of the B´ ezoutiant R(A, B) of a pair of binary forms A, B.. We also describe a ‘generic reduc- tion formula’ which recovers B from R(A, B)

東北大学大学院医学系研究科の運動学分野門間陽樹講師、早稲田大学の川上

For X-valued vector functions the Dinculeanu integral with respect to a σ-additive scalar measure on P (see Note 1) is the same as the Bochner integral and hence the Dinculeanu

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”