陰関数定理・講義ノート(Ⅲ)
金
子
太
郎
前回は「予算制約式の条件下で効用を最大化する」という問題に陰関数 定理を適用して需要関数を導いた。より一般的には,あるベクトル3!が 制約条件付き極値問題の解になるための必要条件としてラグランジュ乗数 の存在について説明し, 変数の場合について証明した。一般の l 変数 の場合については必要条件を述べ,十分条件については計算方法を説明し ただけだったので,等号制約条件付き極大値(極小値)の必要条件と十分 条件を定理の形で述べておこう。制約条件は前回では予算制約式の 本 だったが,一般に m 本あるとしよう。変数の数はここでは n とする。 定理(等号制約条件付き極値の必要条件) $##.:開集合 ):$& # 回連続微分可能 *:$& #- 回連続微分可能 .!-(変数の数は制約条件の数よりも多い,m も n も正の整数) 以下のような条件付き最大化(最小化)問題を考える。 "%3)$3% 02&,('11/ *$3%"! ("+.)これに対するラグランジュ関数を $*8!$+%,*8+"$-*8+ %,*8+"*$#!-!$0+ -*#+*8+ ⋮ ⋮ -*0+*8+ ! # # # % " $ $ $ & とする。 8$('という点において -*8$+%"(%0(8$は制約条件を満たしている) 3(1/)-*8$+%0 (8$における g のヤコビ行列の階数(rank)は制約条件の数に等し い。行列の階数(rank)とは(0#1)行列の列ベクトルのうち 次独立のものの数と考えておくといい) が成り立っていて, ある正の実数#""が存在して *&+ (1* -*8+%" ,*8$+',*8+ ,23+7+398(' 46).5.(5,8!8$,!# が成立しているならば,次の条件を満たす$(%0が一意に存在する。 $(%0 46).5.(5 $8*8$!$+%" 9&$88*8$!$+9&" *'+ ,23+7+399(%1 46).5.(5)-*8$+9%" )-*8$+9%"とは -#*#+*8$+…… -1*#+*8$+ ⋮ ⋮ ⋮⋮ -#*0+*8$+…… -1*0+*8$+ 9# ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 91 ⋮ ⋮ ! # # # % " $ $ $ & ! # # # # # % " $ $ $ $ $ & = ! # # # % " $ $ $ & ということである。
等号制約条件付き極大値(極小値)の十分条件は以下の通りである。 定理(等号制約条件付き極値の十分条件) ($&4:開集合 -:(+ & 回連続微分可能 .:(+ &3 回連続微分可能 4#3(変数の数は制約条件の数よりも多い,m も n もともに正の整数) 以下のような条件付き最大化(最小化)問題を考える。 %);-';( 79*1,+885.';(#" (%04) これに対するラグランジュ関数を $';!$"!$(#$"-';(!$.';( #$"-';(!'$#!,!$3( .'#(';( ⋮ ⋮ .'3(';( ! # # # % " $ $ $ & とする。 ;"%(という点において, .';"(#"(;"は制約条件を満たしている) 6)42&.';"(#3 (;"における g のヤコビ行列の階数(rank)は制約条件の数に等しい) ここで,ラグランジュ乗数$"%&!,$%&3が存在し, $;';"!$"!$(#" <'$;;';"!$"!$(<""(極大値のとき) #"(極小値のとき) -56,:,6<<%&4!)"* 79+/8/)8&.';"(<#" であるとき,
'#( )3, /';($" .';#($.';( .46-:-6<;&(!);#* 79+080)8+;!;#+#% (;#は f の g という等号制約条件付きの最大化問題(最小化問題)の一意 の局所解である。) 前回,ある消費点・消費ベクトル;#が予算制約を満たしつつ消費者の 効用を最大化している点となる十分条件として縁付きヘッセ行列の小行列 の行列式が正・負・正…となるという話をしたが,それはこの十分条件の 定理の 階の条件と同値の条件なのである。 今回もこの定理の証明はスキップして,以下のような問題を考えよう。 まず,'$, 次元空間で問題を素描しよう。とりあえず,前回と同様に, 効用関数は 回連続微分可能な強い準凹関数(strictly quasi-concave),価格 を5$'5#!5$(として(ともに正とする) &135#;#"5$;$ 79*2-+884 9';#!;$(%) という問題を考えよう。これは「少なくとも a という効用水準を達成するも のの中で支出を最少にする消費ベクトルを選びなさい」という問題である。 制約条件を9';#";$($)としてラグランジュ関数をつくる。 %$5#;#"5$;$"&')!9';#";$(( 階の条件は %#$5#!&9#';#";$($" %$$5$!&9$';#";$($" これを解くと,少なくとも a という効用水準を達成するものの中で支出を 最少にする消費ベクトルを+'5")($'+#'5")(!+$'5")((とすると,この 点において & 9#'+'5")(( 9$'+'5")(( 5# 5$ ! # % " $ & ! # % " $ & = が成り立っている。
図 価格"'#"'$#が "'#!!'$!#に変化したとしよう。この場合も "!(#"&"'!!%## ($"&"'!!%## '#! '$! ! # % " $ & ! # % " $ & = が成り立っている。&!"&#"&$#の変化は "'#"'$#の相対価格の変化のみ から生じた消費量の変化である。"(#"($#も "'#"'$#も正の値だから," も必ず正の値をとる,"'"%#によって値が変化する関数であることがわか る。そして,その""'"%#によって &"'"%#における限界効用ベクトル "(#"($#と価格ベクトル "'#"'$#は比例しているのである。
このことを正確に述べていこう。 消費集合 X は%"$(l 次元ユークリッド空間の非負の部分)としよう。 価格ベクトルは厳密に正で, の価格の財はないと仮定する。1%"と記 す。5*#+は X 上の実数値関数であり,以下の つの性質を満たすとする。 ⒜ 5*#+は intX で 回連続微分可能(X の内部(interior)で 階の偏 導関数を持ち,それが連続関数になる) intX,X の 内 部(interior)と は X(こ こ で は'$%"$)か ら 境 界 (boundary)を取り除いた部分のことと考えておけばよい。 ⒝ )5*6+$ 5#*6+ ⋮ ⋮ 5$*6+ ! # # # % " $ $ $ & %" *02(/76',/4' (どの財の限界効用も X の 内部のどの点においても 正である) ⒞ 5*6+のヘッセ行列(Hessian Matrix) )$5*6+$ 5##*6+………… 5#$*6+ ⋮ ⋮ ⋮⋮ 5$#*6+………… 5$$*6+ ! # # # % " $ $ $ & に対して, 7&)$5*6+7#" *02(--6',/4'! (--7'%$!,"- 35)+4+(47&)5*6+$" ⒟ 5*#+は X 上で準凹(quasi-concave)である。 つまり,6''"7''"4'/"!#.に対して 5**#!4+6"47+&., /,5*6+!5*7+-である(/(!(.は開区間を表す)。 実は,この仮定⒞は5*#+が intX において強い準凹関数になることの十 分条件である。つまり 次元で絵を描けば,⒞が成り立っているとき,無 差別曲線が X の内部においては原点に対して強く凸になっているという ことである(逆は必ずしも成り立たない)。 以下では議論をXの内部に限定しコーナー解を排除するためにいくつ
か集合を定義する。まず,上で素描した問題の解は '+/!&,#-5'%/3+5,%&
&-(/5$/6 *.0&-66'% 13'+2+&23+6,%&. 「少なくとも a という効用水準を達成する消費ベクトルの中で p で測っ て支出を最小にしているもの」である。 ##-+/!&,'$!!$"$/'+/!&,&,-2%(#". これは'+/!&,と X の内部の共通部分が空集合にならないような l 個 の財の価格(すべて正とする)と効用水準の組み合わせである。 次元で絵を描くと,左図のような+/!&,は A に含まれないが,右図 のような+/!&,は A に含まれる。 図 以下の命題が成り立つ。 命題⑴ '+/!&,は一価(singleton) *.0)4)06+/!&,'#になる。 命題⑵ 3+'+/!&,,#& *.0)4)06+/!&,'# 命題⑶ 一意で正の値をとる関数θ が以下の条件を満たすものとして 存在する。 )#"#0 $ 13'+2+&2#+/!&,*3+'+/!&,,#/ *.0)4)06+/!&,'# (+/!&,において限界効用と価格を比例させる正の値をとる関数 θ が存在する。) 命題⑷ c とθ は intA 上で連続微分可能
こういうことは 起こらない 図 命題⑴の証明 Aから勝手に(任意に) つ%(!$&を取って来る(「任意に」という意 味で講義では「勝手に」とよく言う)。 %(!$&$" Aの定義から,この%(!$&に対して何らかの元 x は存在する +$%%(!$&#&')# +$%%(!$& だから,この x がもたらす効用水準は *%+&"$ となる。 ここで,*%+&!$と仮定してみよう(背理法の仮定)。 uに関する仮定⒞から, 次元で絵を描けば,無差別曲線は原点に対 して強く凸だから,x は a の無差別曲線よりも高い効用水準の位置にな ければならない(図 を参照)。すると,a の無差別曲線は必ず x の左 下(南西)方向の部分を持たなければならない。 uに関する仮定⒝から,どの財の限界効用も正だから, xよりも安上がりで少なくとも a を超える効用をもたらす消費ベクトル があることになってしまう。 これは%%(!$&の定義に矛盾。 よって,*%+&!$
こういうことは 起こらない 図 ここで#$$!"%にもう つ別の点 y が含まれていたと仮定する(背理法 の仮定)。 &##$$!"% 上と同様の議論によって,%$&%""となる。 xと y を結ぶ線分上の点を考えると,無差別曲線は原点に対して強く凸 だから,a という効用水準よりも高い効用水準をもたらす消費ベクトル がそこに存在することになる(図 を参照)。 すると,そのわずかに左下(南西)方向に行った所に a という効用水準 をもたらす消費ベクトル z があることになる。 このことは,仮定⒞ %$!%が intX において強い準凹関数であることに 矛盾する。 よって,#$$!"%は一価である。 (証了)
こういうことは 起こらない 図 命題⑵の証明 -$%$*!$%%"$ ')+,)(&$*!$%##と仮定してみよう(背理法の仮 定)。 aという効用水準の無差別曲線から 点 x をとる。-$/%!$ %$*!$%と x を結ぶと,仮定⒝ どの財の限界効用も intX のどの点に おいても正だから,その線分上は a よりも高い効用水準となる(図 参照)。 xは%$*!$%よりも左下(南西)方向に取れるから, *""(財の価格はすべて正, の財の価格はない)なので, こうした p で評価すると */!*%$*!$% となってしまう。これは%$*!$%の定義に矛盾 よって,-$%$*!$%%!$ ')+&.&+0$*!$%## (証了)
命題⑶の証明 等号制約条件付きの極小値の必要条件の定理を適用する。 変数の数は l で,-(;)#6;であり,制約条件は .(;)#(!:(;)の 本 である(&"#)。 %046; -57(33;&049' 8:)1,*995.(;)#(!:(;)#" 上の命題⑵により *(6!()は制約条件を満たし .(*(6!())#(!:(*(6!())#" *(6!()において g のヤコビ行列の階数は '.(*(6!())#!':(*(6!())$" ( の成分はどこにもなく,当然 ベクトルではないから) 7(42'.(*(6!())## *(6!()は上の条件付き最小化問題の解である。 つまり,-(*(6!())% -(;) 6*(6!()% 6; -57(33;&049' 8:*/9/(9.(;)#"(つまり,:(;)#() (4+*;!*(6!()*!# よって,等号制約条件付きの極小値の必要条件により, $&&が存在し, $(;!$)#-(;)"$.(;)とすると,これは #6;"$((!:(;))ということであり, $;(*(6!()!$)#"という 階の条件が成立する。これは 6!$ ':(*(6!())#" 6#$ ':(*(6!()) このλ は A から取って来た (6!()に依存して変化するはずだから, $#%(6!() pも':の正の値だから,θ も正の値をとる関数である。
このように各).!(*'$に対してラグランジュ乗数 #%$).!(*が決まり .%$).!(*(0))).!(** という関係が成り立っている訳である。 命題⑴から,各).!(*に対して )).!(*は 価,つまり一意に決まり, 仮定⒞から,0)$*は intX において強い準凹関数 これは%#においては無差別曲線が原点に対して強く凸ということだか ら,限界効用ベクトル(0))).!(**も一意に決まる。 ).!(*は つ与えられるものだから, .%$).!(*(0))).!(** を満たす$).!(*も一意に決まる。 (証了) 命題⑷の証明 財の l 次元空間,ラグランジュ乗数の 次元空間,価格と効用水準の )%!"*次元空間の直積によって Y という集合を定義しよう。 ' % l 次元 +-/& " 次元 %! " )%!"*次元 +-/$ & %#%!# )#%!#*次元 次に,int A から).!(*を任意に つ取って来て固定する。 すると,この).!(*に対して,上の命題⑴⑶で示したように )).!(*が一価に定まり, $).!(*(0))).!(**%.を満たす正の値として $).!(*が定まる この)).!(*,$).!(*をそれぞれ 1#,,#と置く。 )).!(*%1# $).!(*%,# )1#!,#!.!(*'' この)1#!,#!.!(*に対して *)1",!.!(*という関数を以下のように定 義する。これは)1#!,#*以外の値をとり得るものとして )1!,*を扱うと いうことである。
-## -#$ ………… -#" *-## -$# -$$ ………… -$" *-$# ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ -"# -"$ ………… -"" *-"# !-#!-$………… !-" # # # # # # # # # # # # # $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ %*#" l 次元 )(.!*!+!&)% *$'-(.)!+ &!-(.) ! # # # % " $ $ $ & 次元 % *$-#(.)!+# ⋮ ⋮ *$-"(.)!+" &!-(.) ! # # # # # % " $ $ $ $ $ & この関数は(.#!*#!+!&)において %"&%""#になる。 )(.#!*#!+!&)%" この関数を.%(.#!,!.")と m で偏微分して行列をつくる。 ).(.!*!+!&) )*(.!*!+!&) *$-##*$-#$ …… *$-#" -# *$-$#*$-$$ …… *$-$" -$ ⋮ ⋮ ⋮⋮ ⋮⋮ ⋮⋮ *$-"#*$-"$ …… *$-"" -" !-# !-$ …… !-" ! # # # # # # % " $ $ $ $ $ $ & ! # # # % " $ $ $ & = (.#!*#!+!&)において,この行列の行列式(determinant)を計算する。 '(,*).(.#!*#!+!&)!)*(.#!*#!+!&)+
4## 4#$ ………… 4## 4# 4$# 4$$ ………… 4$# 4$ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 4## 4#$ ………… 4## 4# !4#!4$………… !4# # # # # # # # # # # # $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $."#!# 4## 4#$ ………… 4## 4# 4$# 4$$ ………… 4$# 4$ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 4## 4#$ ………… 4## 4# 4# 4$ ………… 4# # # # # # # # # # # # $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $!."#!# & $" なぜかと言うと,4(#)に関する仮定⒞ 4(5)のヘッセ行列 '$4(5)$ 4##(5)………… 4##(5) ⋮ ⋮ ⋮⋮ 4##(5)………… 4##(5) ! # # # % " $ $ $ & に対して, 6&'$4(5)6"" *01(--5%,/3'! (--6%%#!*"+ 24)+3+(36&'4(5)$" ということと '$4 '4 '4 ! # % " $ &
6## 6#$ ………… 6#$ 6# 6$# 6$$ ………… 6$$ 6$ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 6$# 6$$ ………… 6$$ 6$ 6# 6$ ………… 6$ ! # # # # # # # % " $ $ $ $ $ $ $ & = 6## 6#$ 6# 6$# 6$$ 6$ 6# 6$ 6##6#$ 6#% 6# 6$#6$$ 6$% 6$ 6%#6%$ 6%% 6% 6# 6$ 6% # # # # # # # # # # # # # # # # $ $ $ $ $ $ #"! ""!--6## 6#$ ………… 6#$ 6# 6$# 6$$ ………… 6$$ 6$ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ 6$# 6$$ ………… 6$$ 6$ 6# 6$ ………… 6$ # # # # # # # # # # # $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ $ (!#)$ #" という縁付きヘッセ行列に対して ということは同値だからである。最後の l が偶数なら行列式の部分は正, l が奇数なら行列式の部分は負と,符号は違うが, ではない。 よって,ここで/(7!2!4!,)に陰関数定理を適用することができる。 + % l 次元 135* # 次元 (" # ($"#)次元 135' & ($$"$ ($$"$)次元 / & ($$"$)次元 + , ($"#)次元 ($"# 連続微分可能 -.5*/7(7$!2$!4!,)!/2(7$!2$!4!,)+'%" int Aから任意に つ取って来て固定した(4!,)の近傍 )&($"#において 0&), ($"#という関数が存在する。
(&.!%'$&3"!,"' 02&)1)%1 ①&(&.!%'!.!%'%$ '-/%++&.!%'%# ② '&(&.!%'!.!%'$'&3"!,"!.!%' '-/%++&.!%'%# ③ (&.!%'$&3"!,"' こ れ は 上 の 関 数 と 同 じ 表 現 だ が,こ こ の &.!%'は最初に つ取って来て固定したもので,この③は「(&#' のグラフは&3"!,"!.!%'を通る」という意味である。 ④ g は連続微分可能 (&.!%'$&3"!,"'という関数はベクトル値をすべて書くと (&"'&.!%'$3 " " ⋮ ⋮ (&$'&.!%'$3 $ " (&$!"'&.!%'$," ということである。 この&$!"'本目を特に "&.!%'と呼ぶことにする。 (&$!"'&.!%'$"&.!%'$," そもそも初めに int A から任意に つ取って来て固定した&.!%'に対して &&.!%',#&.!%'をそれぞれ 3",,"と置いたのであった。 &&.!%'$3" #&.!%'$," いま陰関数定理によって (&.!%'$&3"!,"'ということがわかった。 (&*'&.!%'$3 * " *$"!(!$ (&$!"'&.!%'$"&.!%'$,"
すると, &$'%$*!#% # , ' "#$ '$*!#% '#"!&!$ &$$!"%$*!#%#"$*!#%#("##$*!#% と な っ て い る こ と が わ か る。謂 わ ば,,",("を 通 じ て&$'%$*!#%と $'$*!#%が,&$$!"%$*!#%#"$*!#%と #$*!#%が=で繫がるのである。 int Aから任意に つ取って来て固定した$*!#%に対してこのことが成 り立つのだから,関数として &$'%$*!#%#$ '$*!#% '#"!&!$ &$$!"%$*!#%#"$*!#%##$*!#% となっていることがわかる。 &$*!#%が 連 続 微 分 可 能 な の だ か ら,$'$*!#% %)+'#"!&!$, #$*!#%も連続微分可能だということになる。 (証了) ある関数が連続微分可能であることを証明するのに陰関数定理を使うと いうのは 遠な論理と思われるかもしれないが,これは時々お目にかかる 論法である。 cとθ が $*!#%,価格と効用水準について連続微分可能であることが証 明されたので,それらを価格 p や効用水準 a で偏微分することができ,そ の偏導関数は連続関数になっていることが保証されたことになる。
$$*!#%を補償需要関数(compensated demand function)と言う。
参 考 文 献
El-Hodiri, Mohamed Ali.( ), Constrained Extrema : Introduction to the Differentiable Case with Economic Applications
Hicks, J. R.( ), Value and Capital , Oxford : Clarendon Press.
Mas-Colell. A., M. D. Whinston and J. R. Green.( ), Microeconomic Theory, Oxford University Press.
Samuelson, P. A.( ), Foundations of Economic Analysis, Cambridge Mass : Harvard University Press.
長名寛明『ミクロ経済分析の基礎』(知泉書館 年)
西村清彦『経済学のための最適化入門』(東京大学出版会 年)