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個別の取組みについては 法学部において 積極的に学生が自主学修を進め得る能力を育成するための体制を敷いていることは特筆される また 奨学金を受給できる学生を増やすために 西南学院大学教職員による奨学金 制度を展開している点 障がいのある学生に対する組織的な修学支援 子育て支援を具現化する 西南子ども

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西南学院大学に対する大学評価(認証評価)結果

Ⅰ 評価結果 評価の結果、貴大学は本協会の大学基準に適合していると認定する。 認定の期間は2025(平成37)年3月31日までとする。 Ⅱ 総 評 貴大学は、1916(大正5)年に創設された私立西南学院を前身として、1949(昭和 24)年に福岡県福岡市に開設され、キリスト教主義に基づく人格教育を教育理念とし た教育研究活動を展開している。開設当初は、学芸学部のみの単科大学であったが、 学部・学科の改組を経て、現在は、神学部、文学部、商学部、経済学部、法学部、人 間科学部、国際文化学部の7学部を設置している。また、それぞれの学部を基礎とし た博士前期課程及び博士後期課程として、法学研究科、経営学研究科、文学研究科、 経済学研究科、神学研究科、人間科学研究科、国際文化研究科を有し、2016(平成 28) 年には人間科学研究科に臨床心理学専攻(修士課程)を新設して、7研究科8専攻の 体制へ発展している。さらに、法曹養成に特化した教育を行う法務研究科を有してい る。 2010(平成 22)年に本協会で大学評価(認証評価)を受けた後、2014(平成 26) 年に指摘事項への対応として「改善報告書」を提出し、今回提出の『2016(平成 28) 年度点検・評価報告書』において、教育課程や教育方法、教員組織などの課題解決に 取り組んでいることは確認できたが、未だに、学位授与方針や定員管理においていく つかの課題が残されている。2014(平成 26)年 12 月には、創立 100 周年以降も前進 し続けることを目的とした長期ビジョン「西南学院ビジョン 2016-2025」を策定した ほか、「西南学院の使命」「中長期計画 2016-2025」も策定して学院運営及び行動の指 針として構成員へ提示し、活用している。 内部質保証システムに関しては、「西南学院大学自己点検・評価規程」をはじめと する関連規程や「西南学院大学自己点検・評価実施要領」に基づき、本協会の点検・ 評価項目を踏まえて、独自の到達目標のもと、「基本問題点検評価委員会」「学部点検 評価委員会」などの個別点検評価委員会が「目標設定シート」を活用して、毎年、自 己点検・評価を行っている。この個別点検評価委員会の点検・評価結果は、「全学点検 評価委員会幹事会」において検証され、その後、「全学点検評価委員会」において確認 されている。

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2 個別の取組みについては、法学部において、積極的に学生が自主学修を進め得る能 力を育成するための体制を敷いていることは特筆される。また、奨学金を受給できる 学生を増やすために、「西南学院大学教職員による奨学金」制度を展開している点、障 がいのある学生に対する組織的な修学支援、子育て支援を具現化する「西南子どもプ ラザ」による社会貢献活動、事務職員の資質向上に向けたスタッフ・ディベロップメ ント(SD)活動への積極的な取組みを行っている点などは評価できる。 一方で、研究科では学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)や教育課程の編成・実 施方針(カリキュラム・ポリシー)、学生の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー) について課題があり、すべての研究科博士後期課程のカリキュラムは、リサーチワー クにコースワークを適切に組み合わせているとはいえない点、人間科学部児童教育学 科の1年間に履修登録できる単位数の上限が高い点や、一部の学部・研究科の定員管 理については、改善が望まれる。 なお、法務研究科は本年度に公益財団法人日弁連法務研究財団の専門職大学院認証 評価を受けているため、基準4「教育内容・方法・成果」については、法科大学院認 証評価結果に委ねる。 Ⅲ 各基準の概評及び提言 1 理念・目的 <概評>

貴大学は、「Seinan,Be True to Christ.(西南よ、キリストに忠実なれ)」を建学 の精神に、「キリスト教主義に基づく人格教育」という理念のもと「深遠な学術研 究とそれに立脚した教育を基盤に、学術文化の向上に寄与するとともに、地域、日 本、そして世界に貢献できる教養豊かで深い専門知識と創造性を備えた人材を育成 すること」を大学の目的として掲げている。これらの理念・目的に基づき、学部・ 研究科ごとの目的を定め、各学部・学科については学則に、各研究科・専攻につい ては大学院学則に、法務研究科については法務研究科学則に明記している。 これらの理念・目的の内容は、建学の精神や目指すべき人材像からみて適切であ ると判断できる。ただし、研究科共通の修士課程及び博士課程における目的を定め ているものの、各研究科において定めている目的は、両課程で同一の内容であるた め、各研究科において課程ごとの目的の検討が求められる。 理念・目的は、『学生便覧』『大学院学生便覧』『法科大学院学生便覧』によって 教職員や学生に周知するとともに、大学ホームページを通じて公表し、学生向けに は「キリスト教学Ⅰ・Ⅱ」「キリスト教人間学」「西南学院史」の開講などにより、 教職員向けには「ビジョンと中長期計画」パンフレット、「西南学院月報」「ファカ ルティ・リトリート」などにより、一般社会に向けては、西南学院史資料センター、

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3 チャペルアワーなどにより周知を図っている。また、「新入生アンケート」の結果、 進路決定の重視項目として、「学部・学科の特徴」と回答した割合が、全学部で高 く、とりわけ、文学部と国際文化学部の数値が高いことは、各学部の理念・目的が 受験生及び社会一般に広く浸透していると、評価できる。 さらに、2014(平成 26)年 12 月には、「2016(平成 28)年5月に学院創立 100 周年を迎えるにあたり、現代の視点で建学の精神を見つめ直すことによって、本学 院の構成員が1つの将来像に向かって共通の目標を持ち、創立 100 周年以降も前進 し続けること」を目的とした長期ビジョン「西南学院ビジョン 2016-2025」を策定 し、パンフレットを作成して大学ホームページ等で公表している。このほか、「西 南学院の使命」「中長期計画 2016-2025」も策定し、構成員への建学の精神の理解を 促すとともに、学院運営及び行動の指針として提示し、活用している。 理念・目的の適切性の検証については、毎年の自己点検・評価を通じて取り組ん でおり、「基本問題点検評価委員会」「学部点検評価委員会」及び「大学院研究科点 検評価委員会」が検証している。また、各学部等では、毎年度『学生便覧』を作成 する際に、各学科主任等を通じて理念・目的の適切性の検証を行っており、2015(平 成 27)年度には、神学部、文学部及び国際文化学部の学則改正を行っている。 2 教育研究組織 <概評> 貴大学は、2014(平成 26)年に「西南学院ビジョン 2016-2025」を決定し、これ を具現化するために「中長期計画 2016-2025」を策定し、中長期的展望に立った新 分野の教育・研究組織の検討を継続的に取り組んでいる。 現在は、人文社会系7学部 13 学科と、これらを基礎とする大学院7研究科、そし て専門職学位課程として法務研究科を設置するほか、神学・商学・経済学の各専攻 科、留学生別科を有している。また、附置機関としては、宗教部、学術研究所、西 南コミュニティーセンター、教育・研究推進機構、西南学院百年館など 20 の組織 があり、貴大学の理念・目的を実現するためにふさわしい教育研究組織といえる。 くわえて、全専任教員が所属する学術研究所において、研究成果をまとめた『学術 研究所報』を発行し、学外へ発信している。 教育研究組織の適切性の検証については、毎年の自己点検・評価を通じて取り組 んでおり、「基本問題点検評価委員会」が検証するほか、「大学総合計画委員会」に おいても教育研究組織を検証し、新たな組織の増設や改組について検討している。

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4 3 教員・教員組織 <概評> 「西南学院大学教員就業規則」に教員採用時の理念を謳い、2015(平成 27)年の 部長会議において「育成する人材像及び各種方針への理解と、専門分野での継続し た研究実績を背景として学生への適切な教授、指導が可能な能力を有しているこ と」という「大学として求める教員像」及び「本学の理念・目的・教育目標の達成 及び学生の関心やニーズに対応可能な学問分野と教育水準を継続して維持できる 教員組織を編制する」という「教員組織の編制方針」を定めている。また、学部・ 学科、研究科ごとにも求める教員像や編制方針を定め、大学ホームページに掲載す るとともに、ポータルサイトを通じて教職員に周知している。 組織的な教育を実施するための学長等の役職者の役割分担、責任体制については、 「西南学院大学規程」で定められている。 学部・学科、研究科・専攻における専任教員数は、それぞれ大学設置基準及び大 学院設置基準等を満たしており、専任教員に占める外国人教員や女性教員の割合を 把握し、年齢構成に偏りが出ないように、学部・学科、研究科ごとにそれぞれ教授 会、研究科委員会で確認している。 教員採用にあたり教員に求める能力・資質等については、「西南学院大学教員任用 基準」で職位別に規定するとともに、「西南学院大学教員任用基準細則」において、 就任前の経歴を換算する率についても規定している。また、大学院担当教員に求め る能力・資質等についても「西南学院大学大学院担当教員資格審査内規」で規定し ている。さらに、学部・学科、研究科等においても個別に採用、昇任に関する取扱 要領、申し合わせ等を定め、教員の募集、採用及び昇格についての基準、手続きを 明文化し、その適切性・透明性を担保するよう取り組んでいる。 教員の資質向上を図るための研修については、大学全体として、新任教員対象オ リエンテーション、『専任教員ガイドブック』の配付、「全学FD・学士課程教育推 進委員会」の活動、大学主催の夏期教職員懇談協議会、宗教部主催のファカルティ・ リトリート、教育・研究推進機構主催の大学改革フォーラム等により実施している。 学部・学科、研究科等においても研究発表会、キャリア教育、学生支援に関する検 討などが実施されている。 教員の教育研究活動の業績については、「教員データベース」や「西南学院大学機 関リポジトリ」の公開、学術研究所報を通じて周知している。また、研究活動につ いては、「西南学院大学研究奨励規程」「西南学院大学研究等に対する表彰規程」等 により業績をたたえ、学内に周知しており、教育研究活動の活性化に努めている。 教員組織の適切性の検証については、毎年の自己点検・評価を通じて取り組んで おり、「基本問題点検評価委員会」「学部点検評価委員会」及び「大学院研究科点検

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5 評価委員会」が検証している。 4 教育内容・方法・成果 (1)教育目標、学位授与方針、教育課程の編成・実施方針 <概評> 大学全体 学位授与方針は、学部においては大学学則、研究科においては大学院学則に記さ れている目的に基づき定めている。しかし、大学院の神学研究科、文学研究科、経 営学研究科、国際文化研究科の博士前期課程及び博士後期課程の学位授与方針は、 他の研究科の学位授与方針に比べて、課程修了時に修得しておくべき能力について の内容が抽象的であるので、改善が望まれる。 教育課程の編成・実施方針は、学部・学科ごとにおいては、科目群の「体系(構 成)」「特色」「具体的な教育内容」が記述されている。ただし、研究科において、 神学研究科及び国際文化研究科博士前期課程の方針は、教育内容・方法等に関する 基本的な考え方が示されていないので、改善が望まれる。博士後期課程では、研究 指導を中心に言及されている。なお、大学院研究科の学位授与方針及び教育課程の 編成・実施方針については見直しが予定されている。後述するように、全研究科の 博士後期課程のカリキュラムにおいて、リサーチワークとコースワークの組み合わ せに課題があることを踏まえ、これらの方針とあわせて整備することが望まれる。 すべての学部において、学位授与方針及び教育課程の編成・実施方針は、カリキ ュラムマップや履修モデル(科目構造図)を用いて連関を説明している。また、各 学部・研究科の両方針は、『学生便覧』『入学案内』、大学ホームページに掲載し、 周知・公表している。 教育目標、学位授与方針及び教育課程の編成・実施方針の適切性の検証について は、毎年の自己点検・評価を通じて取り組んでおり、「全学FD・学士課程教育推 進委員会」「学部点検評価委員会」「大学院研究科点検評価委員会」が検証している。 近年は、「全学FD・学士課程教育推進委員会」において、学位授与方針及び教育 課程の編成・実施方針について改正の協議及び改正案の策定を行った後、これを各 学部教授会で審議し、2016(平成 28)年に方針の改正を実現している。 神学部 学部の目的に基づき、「キリスト教精神の本質を究明し、それを実践できる能力」 など、4つの修得すべき能力を示した学位授与方針を定めている。これに基づき、 「神学コース」と「キリスト教人文学コース」からなる教育課程を編成することを

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6 定め、各コースとも、バランスよく学修することを掲げ、卒業後の進路に応じたカ リキュラムを編成することを目標とし、「体系(構成)」「特色」「具体的な教育内容」 という3つの視点から教育課程の編成・実施方針を定めている。 文学部 学部の目的に基づき、英文学科では「英語、英語圏の文学・文化の教育・研究を 通して、論理的思考力を身に付けている」ほか、英語の実践的運用能力を身に付け るなどの4つを、外国語学科(英語専攻、フランス語専攻)では、両専攻の「語学 的知識を修得し、実践的な運用能力を身に付けている」などの修得すべき能力を示 した学位授与方針を定めている。 教育課程の編成・実施方針については、「体系(構成)」「特色」「具体的な教育内 容」という3項目を学科・専攻ごとに定めている。両学科とも、英語あるいはフラ ンス語の「読む」「書く」「聴く」「話す」の4つのスキルを中心に学び、その力を 生かしてそれぞれの専門領域での学修活動を充実させることなどについて示して いる。 商学部 学部の目的に基づき、商学科及び経営学科では「経済社会に生起する問題の本質 を正しく認識することができる能力」などの修得する能力を示した学位授与方針を 定めている。また、学位授与方針に掲げた身に付けるべき能力を実現するための教 育課程の編成・実施方針を定めている。 教育課程の編成・実施方針は、各学科において「体系(構成)」「特色」「具体的な 教育内容」という3つの視点から策定されており、学生の多様なニーズに対処する ために複数のコースを設け、主専攻、副専攻として、それぞれ1つを履修する仕組 みを示している。 経済学部 学部の目的に基づき、経済学科及び国際経済学科では「経済学の基本的知識と特 有の思考法を基礎とした、現代社会を生き抜く能力」などの修得する能力を示した 学位授与方針を定めている。 学位授与方針に掲げた身に付けるべき能力を実現するため、学科ごとに「体系(構 成)」「特色」「具体的な教育内容」を示し、学生の多様な進路に対応できるような 教育課程の編成・実施方針を定めている。 法学部

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7 学部の目的に基づき、法律学科及び国際関係法学科では「法学及び政治学の専門 学智を基礎に、多様な価値観の理解と、批判的思惟の力を身に付けている」などの 修得する能力を示した学位授与方針を定めている。いずれの学科も、4つの修得す る能力を明確化し、教育目的を踏まえた内容の工夫がみられる。 学位授与方針に掲げた身に付けるべき能力を実現するために、学科ごとに「体系 (構成)」「特色」「具体的な教育内容」を示し、各学科の特性を考慮したうえで、 専攻科目・関連科目・共通科目を中心に、入門から専門への順次性に配慮した教育 課程の編成・実施方針を定めている。 人間科学部 学部の目的に基づき、児童教育学科では「人間の生涯にわたる成長と発達につい て理解している」など 10 の、社会福祉学科では「人間の生涯にわたる成長と発達 について自然環境や社会と関連させて理解している」など 12 の、心理学科では「人 間の生涯にわたる成長や特質、他者との関係について理解している」など 12 の修 得する能力を示した学位授与方針を定めている。 学位授与方針に掲げた身に付けるべき能力を実現するために、学科ごとに「体系 (構成)」「特色」「具体的な教育内容」を示した教育課程の編成・実施方針を定め ている。 国際文化学部 学部の目的に基づき、「地域と世界、文化と芸術に関する専門的知識を修得してい る」など4つの修得する能力を示した学位授与方針を定めている。 学位授与方針に掲げた身に付けるべき能力を実現するために、「体系(構成)」「特 色」「具体的な教育内容」を示した教育課程の編成・実施方針を定め、専攻科目・ 関連科目・共通科目を中心に体系的な編成をもち、入門から専門への順次性に配慮 したものとなっている。また、特色として、地域や文化、芸術に関する多様な専門 科目、外国語の重視、幅広い専門演習科目、多様な学生の自主性・主体性への配慮 などをあげている。 神学研究科 研究科の目的に基づき、博士前期課程では「高度の専門職業人としての知見を有 することを研修活動等の場で実証することが求められる」、博士後期課程では「研 究成果における独自の知見のみならず、学会発表・投稿論文等をもって、自立した 研究者として研究活動を遂行する能力を実証することが求められている」などを学 位授与方針として定めている。しかし、必要な「知見」がどのようなものか示され

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8 ておらず、課程修了にあたって修得することが求められる知識・能力などの学習成 果が明確ではないので、改善が望まれる。 教育課程の編成・実施方針について、博士前期課程では、現行の教育課程の説明 にとどまっているので、改善が望まれる。博士後期課程では、指導教授による研究 指導について言及している。 文学研究科 研究科の目的に基づき、各専攻の課程ごとに学位授与方針を定めているが、その 内容は、論文の審査基準などが記されているのみで、課程修了にあたって修得する ことが求められる知識・能力などの学習成果を示していないので、改善が望まれる。 教育課程の編成・実施方針について、英文学専攻博士前期課程では「英語を中心 とする語学、各専修の専門科目、理論や資料の整理・分析の方法等が広く深く研究 できるカリキュラム編成と授業内容の提供」と修士論文作成の指導、フランス文学 専攻博士前期課程では「フランスの言語、文学、社会、思想、及びフランス語教育 法について、学生が自らの研究テーマを決め、整合的かつ緊密に論を展開できるよ うになるカリキュラムを提供する」ことや修士論文作成の指導について定めている。 また、両専攻の博士後期課程では「分野の研究水準を把握し、オリジナリティを有 する研究テーマを獲得するための指導」など、研究指導を中心に言及している。 経営学研究科 研究科の目的に基づき、学位授与方針を定めているが、博士前期課程、博士後期 課程ともに、経営学研究科学位授与基準に関する申し合わせに沿って論文の審査基 準などが記されているのみで、課程修了にあたって修得することが求められる知 識・能力などの学習成果を示していないので、改善が望まれる。 教育課程の編成・実施方針について、博士前期課程では、学部の教育内容を前提 に、経営学・経営情報学・商学・会計学の4部門を設置し、多様化する学生のニー ズに対応できる編成としている。また、博士後期課程では、研究指導教授が専門分 野についての研究を支援することや論文作成指導について言及している。 経済学研究科 研究科の目的に基づき、学位授与方針として、博士前期課程では「修士の学位に ふさわしい経済学上の知識、経済問題発見の能力、その問題を分析する際の経済学 的知見の応用力、得られた結果を明瞭に伝達する能力を備えた者」に学位を授与す ることを定めている。博士後期課程では「高度で独創的な研究手腕と業績を示した 者」に学位を授与することを定め、「独創性」とは「研究テーマに関する既存の知

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9 見又は分析方法になんらかの独自のものを付け加えるか修正すること」であり、「そ の独創的な研究方法が学術上の相当な水準であると評価される結果を得ている場 合、高度な研究手腕と業績を示したものと認定する」と定めている。 教育課程の編成・実施方針について、博士前期課程では「各分野の講義科目と演 習科目からなる幅広いカリキュラム編成、及び深い授業内容の提供」と修士論文作 成の指導について定め、博士後期課程では、研究指導や「専門分野に隣接する分野 についての研究支援」について言及している。 法学研究科 研究科の目的に基づき、博士前期課程では「対象領域の研究水準に関する基本的 な知識を有し、みずからの研究課題が対象領域において占める位置を的確に把握」 できること、「独自の研究視角をもって研究を遂行する能力を有すること」を定め、 博士後期課程では「対象領域における研究水準を踏まえ、みずからの研究成果にお いて独自の知見を示すことで、学界に寄与し、かつ、自立した研究者として継続し た活動を遂行できる能力を有する」ことを定め、これらを学位授与方針としている。 教育課程の編成・実施方針について、博士前期課程では「学部における法学全般 にわたる基礎的知識の上に専門的知識を深めると共に、現代社会の変化によって生 じている課題について、創造的研究を行う能力の育成を目指す」としており、「そ のため、指導教授から直接指導を受けながら、専門領域とその隣接領域に集中して 学ぶ」ことなどを定めている。博士後期課程では、課程博士の学位取得を目指して、 指導教授による集中的指導を行うことを言及している。 人間科学研究科 研究科の目的に基づき、人間科学専攻博士前期課程では「現代社会に起因する教 育、心理、福祉の諸問題に対応するために、人間と社会に対する総合的・多角的視 野を持ち、その上に教育学、心理学、社会福祉学のいずれかの学問体系と専門的知 識について深く理解している」など4つの身に付けるべき能力を、博士後期課程で は「研究課題を批判的に検討しつつ、高度で専門的な見識と科学的研究方法を有し、 独創的・客観的・論理的に研究を遂行できる自立した研究者としての能力」を、臨 床心理学専攻修士課程では「臨床心理士受験資格を取得し、人間と社会に対する総 合的・多角的視野を持ち、臨床心理学専門的知識及び技法について深く理解し実践 できる」など4つの身に付けるべき能力を示した学位授与方針を定めている。 教育課程の編成・実施方針について、人間科学専攻博士前期課程では「教育、心 理、福祉の3分野の科目を選択履修できる教育課程」を編成することや科目配置の 考え方を示すとともに、これらを通じて「各専門分野の高度な知識と研究方法の習

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10 得」を図ることなどの5項目を定めている。博士後期課程では「教育現場や社会福 祉現場等での調査・研究を実施して研究論文を作成し自立した研究者として博士論 文を提出できるように教育課程を編成している」と定めている。臨床心理学専攻修 士課程では「臨床心理学に関連する領域の科目、演習、実習を履修できる」教育課 程を編成することや各科目配置の考え方を示すとともに、「講義・演習・実習のコ ースワークを通して、高度な知識と研究方法の習得」を図ることなどの5項目を定 めている。 国際文化研究科 研究科の目的に基づき、学位授与方針を定めているが、博士前期課程では、修士 論文の合否に関する論文の審査基準の説明にとどまっており、博士後期課程では、 学位授与の要件や学修活動の指針について示しているのみで、課程修了にあたって 修得することが求められる知識・能力などの学習成果を示していないので、改善が 望まれる。 教育課程の編成・実施方針について、博士前期課程では、論文作成に向けた「目 標」の記述にとどまっているので、改善が望まれる。博士後期課程では「博士前期 課程で得た研究方法を更に深化させる、個々のテーマに自己の研究の新たな成果を 盛り込む」ことにより、精緻な博士論文を作成することを言及している。 <提言> 一 努力課題 1)学位授与方針について、神学研究科、文学研究科、経営学研究科、国際文化研究 科博士前期課程、博士後期課程ともに、課程修了にあたって修得することが求め られる知識・能力などの学習成果を示していないので、改善が望まれる。 2)教育課程の編成・実施方針について、神学研究科博士前期課程は、現行の教育課 程の説明にとどまり、国際文化研究科博士前期課程は、論文作成に向けた「目標」 の記述にとどまり、教育内容・方法等に関する基本的な考え方を示していないの で、改善が望まれる。 (2)教育課程・教育内容 <概評> 大学全体 学士課程において専攻科目、関連科目、共通科目の科目群を設定し、それに基づ き、各学部・学科においてもこれら3つの科目群を体系的に履修できる教育課程を

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11 編成している。専攻科目は、各学部・学科の学問分野に属する科目で、専門分野を 理論と実践の両面で学修・研究するために配置している科目である。関連科目は、 専門領域が重複あるいは近接・関連している他学部・他学科の専門科目であり、学 生が所属する学部・学科の専門分野の学修・研究を補完するために配置している。 共通科目は、幅広く深い教養及び専攻科目を修得するための基礎的能力を育成する ために配置している科目である。特に、貴大学では「キリスト教主義に基づく人格 教育」を教育理念としているため、すべての学生にキリスト教学4単位の履修及び 修得を必修としていることは適切である。これら専攻科目、関連科目及び共通科目 を体系的に履修することによって、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊 かな人間性を涵養することが可能な教育課程となっていると判断できる。 研究科における教育課程については、博士前期課程は講義と演習が組み合わされ た形となっているが、すべての研究科の博士後期課程では、リサーチワークにコー スワークを適切に組み合わせた教育課程となっていないので、改善が望まれる。 学生の順次的・体系的な履修への配慮としては、『学生便覧』『入学案内』、大学ホ ームページ等において、カリキュラムマップ、養成する具体的な人材像に対応した 典型的な「履修モデル」、履修基準を示すことや、年度初めに全学部対象で学年別 の履修ガイダンスを実施したうえで、教員が個別相談に応じる専用の時間を設けて 指導することで対応している。研究科においても博士前期課程については、大学院 ホームページに履修モデルを掲載し対応している。 教育課程の適切性の検証については、毎年の自己点検・評価を通じて取り組んで おり、「全学FD・学士課程教育推進委員会」「学部点検評価委員会」「大学院研究 科点検評価委員会」が検証している。 神学部 専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮し て、体系的に教育課程を編成するとともに、履修モデルを提示している。専門教育 科目は、「専門基本」部門・「古典語学・外書」部門などの専攻基礎科目の学習から 始まり、「聖書学」部門・「歴史神学」部門などの専攻科目へと体系的に編成してい る。 卒業要件の 128 単位中、「神学コース」では 46 単位が、「キリスト教人文学コース」 では 22 単位が必修化されることにより、体系的な専門知識を身に付けることがで きるとされており、専門科目において、全体の単位数のうちに占める割合が6分の 1にとどまっている。この点については、22 単位の必修科目の他に、「専門基本部 門から8単位以上、古典語学、外書部門から8単位以上、特殊部門から演習4単位 以上の計 20 単位以上」を必修として修得することで、十分に補われている。

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12 文学部 専攻科目と関連科目を有機的に履修させるため、履修モデルとして、英文学科は 「文学・翻訳系」「キャリアイングリッシュ系」「グローバル文化系」の3つ、外国 語学科英語専攻は「英語学部門」「ビジネス英語部門」「コミュニケーション学部門」 「言語文化部門」の4つ、フランス語専攻は「フランス語コミュニケーション集中 コース」「フランス語コミュニケーションコース」「フランス文化コース」の3つを 設け、学びのテーマに合わせた編成になっている。これらの共通科目、専攻科目及 び関連科目を体系的に履修する教育課程が編成されている。 商学部 専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮し て、体系的に教育課程を編成するとともに、履修基準や履修順序の目安を示した履 修モデルを提示している。 商学科では、「商学コース」及び「会計学コース」の2つのコースを設定し、専攻 科目が「基礎」部門から始まり、「商学」部門・「会計学」部門などの主専攻、副専 攻につながるよう体系的に編成されている。経営学科では、「経営学コース」及び 「経営情報学コース」の2つのコースを設定し、専攻科目が「基礎」部門から始ま り、「経営学」部門・「経営情報学」部門などの主専攻、副専攻へと体系的に編成さ れている。これらの専攻科目、関連科目及び共通科目を体系的に履修する教育課程 が編成されている。 経済学部 専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮し て、体系的に教育課程を編成するとともに、履修基準及び履修モデルを提示してい る。 経済学科では、「理論・政策コース」「実証・政策コース」及び「経済史コース」 の3つのコースを設定するとともに、「理論経済学」「経済史」「経済政策」等の 10 の部門からなる専攻科目と、「国際経済」「商学」「経営学・会計学」等の6つの部 門からなる関連科目の科目群を編成している。国際経済学科では、「アジア・途上 国経済研究コース」「欧米・先進国経済研究コース」及び「国際金融・貿易・政策 コース」の3つのコースを設定するとともに、10 の部門からなる専攻科目と、7つ の部門からなる関連科目の科目群による教育課程が編成されている。 法学部

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13 法律学科、国際関係法学科ともに、専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、 履修順序や配当年次などに配慮して、体系的に教育課程を編成している。専攻科目 と関連科目については、学科の特性に応じた科目群により編成している。これらの 科目は、養成する具体的な人材像に対応した6つのコースに配分され、履修モデル も提示されており、学生の興味と関心や卒業後の進路に応じて、順次的・体系的に 適切な授業科目の履修を行うための指針となっている。また、法学入門科目を1年 次に配置し、法学の体系と全体像を理解できるようにしており、学習意欲の喚起や 専門科目の導入として適切なものとなっている。 人間科学部 専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮し て、体系的に教育課程を編成している。 児童教育学科の専門教育科目は、進路に応じて「保育・福祉に関する科目」「教育・ 心理に関する科目」などの4つの科目群から編成されている。社会福祉学科の専門 教育科目は、「基本科目」「方法・技術科目」「技術演習・実習科目」など7つの科 目群から編成されている。心理学科の専門教育科目は、「基礎専門に関する科目」「実 験・実習に関する科目」など4つの区分からなる基礎専攻科目と、「認知領域」「教 育・発達領域」など5つの区分からなる応用専攻科目から編成されている。 また、各学科ともに、学生が学修目標に沿った適切な授業科目の履修及び円滑に 単位が履修できるよう、図解で示すなどの工夫がなされている。 国際文化学部 専攻科目、関連科目及び共通科目の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮し て、体系的に教育課程を編成している。これらの科目は、養成する人材像に対応し た6つのコースに配分されている。これらのコースは、それぞれ専攻科目、関連科 目、共通科目の3つの科目群を有機的に履修することで教育的効果が上がることを 学生に周知させるために、履修モデルとして提示されている。このように、自らの 興味と関心や卒業後の進路に応じて、学生が順次的・体系的に適切な授業科目の履 修を行える教育課程となっている。 神学研究科 博士前期課程では、「聖書神学部門」「歴史神学部門」「組織神学部門」「実践神学 部門」の4つの領域を設け、各授業科目を特殊研究、演習、研究指導に分け、各年 次に配当し、多様な履修モデルを大学院ホームページで学生に提示している。また、 コースワークである「特殊講義」とリサーチワークである「演習」を組み合わせて

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14 教育を行っている。 学修目標に沿った適切な授業科目の履修と単位の修得ができるように、12 のコー スを設定しており、学生が体系的に学ぶことができるような指針を提示している。 文学研究科 英文学及びフランス文学の各専攻ともに、博士前期課程では、「指導教員の演習」 「特殊研究」「選択科目」を合計 30 単位以上取得させ、コースワークである「特殊 講義」とリサーチワークである「演習」を適切に組み合わせた教育を行っており、 大学院ホームページで学生に提示している。教育課程は、各領域の教科科目が提供 され、特殊研究、演習、研究指導に分けて、各年次に配当しており、学生の順次的・ 体系的な履修への配慮がなされている。 経営学研究科 博士前期課程では、「経営学部門専攻」「経営情報学部門専攻」「商学部門専攻」「会 計学部門専攻」及び「税理士志望」の5つのコースを設定し、各コースに対応した 経営学、経営情報学、商学、会計学の各領域の教科科目を提供するとともに、各授 業科目を必修科目、選択必修科目、隣接科目Ⅰ・Ⅱ、拡張科目に分け、各年次に配 当し、履修モデルとして大学院ホームページで学生に提示している。また、コース ワークである「特殊講義」とリサーチワークである「演習」を組み合わせた教育を 行っている。 経済学研究科 博士前期課程では、「理論経済学専修」「各国経済論専攻」「国際金融論専攻」「西 洋経済史専攻」「環境経済学専攻」「統計学専攻」及び「社会保障論専攻」の7つの コースを設定し、理論経済学、各国経済論、国際金融論、西洋経済史、労働経済学、 環境経済学、統計学、社会保障論、財政学の教科科目を設置するとともに、各授業 科目を必修科目、隣接科目、拡張科目に分け、各年次に配当し、履修モデルとして 大学院ホームページで学生に提示している。また、コースワークである「特殊講義」 とリサーチワークである「演習」を組み合わせた教育を行っている。 法学研究科 博士前期課程では、養成する具体的な人材像に対応した7つのコースを設定し、 コースワークである「特殊講義」とリサーチワークである「演習」を組み合わせた 教育を行っている。 教育課程は、各領域の科目をもとに、領域ごとに専修科目、選択科目(基礎科目

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15 及び関連科目)の対応関係、履修順序や配当年次などに配慮して、体系的に編成す るとともに、履修モデルとして大学院ホームページで学生に提示している。 人間科学研究科 人間科学専攻博士前期課程では、コースワークである「特殊講義」とリサーチワ ークである「特殊研究」を組み合わせた教育を行っている。基礎となる学部3学科 に対応して教育学、社会福祉学、心理学の3つの領域の科目を配置し、各授業科目 を特殊研究、演習、研究指導などに分けて年次に配当し体系性を確保している。 臨床心理学専攻修士課程では、コースワークである「特殊講義」とリサーチワー クである「特殊研究」を組み合わせた教育を行っている。医療領域の臨床心理士、 教育領域の臨床心理士の2つの領域の教科科目を用意し、また各授業科目を特殊研 究、演習、研究指導などに分けて年次に配当し、履修モデルとして大学院ホームペ ージで学生に提示している。 国際文化研究科 博士前期課程では、養成する具体的な人材像に対応した「アジア文化専修部門」 及び「欧米文化専修部門」の2コースを設定しており、コースワークである「特殊 講義」とリサーチワークである「演習」を組み合わせた教育を行っている。 教育課程は、各領域の科目をもとに、各授業科目を特殊研究、演習、研究指導に 分け、各年次に配当し、履修モデルとして大学院ホームページで学生に提示してい る。 <提言> 一 努力課題 1)すべての研究科博士後期課程のカリキュラムは、リサーチワークにコースワーク を適切に組み合わせているとはいえないので、課程制大学院制度の趣旨に照らし て、同課程にふさわしい教育内容を提供することが望まれる。 (3)教育方法 <概評> 大学全体 全学として「講義」「演習」「実験」及び「実習」等の授業形態を明らかにし、そ れに従い学部・学科及び研究科レベルにおいても、それぞれの授業形態に応じた授 業が実施されている。

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16 学部・学科において、1年間に履修登録できる単位数の上限については「履修規 程」で定め、『学生便覧』等で学生に周知している。 また、すべての研究科において、研究指導のスケジュール等が明記された「研究 指導計画書」に基づく研究指導、学位論文作成指導が行われている。 シラバスについては、学部・学科、研究科においては、授業の目的、到達目標、 授業内容・方法、1年間の授業計画、成績評価基準等を明らかにしたシラバスを、 統一した書式を用いて作成し、学生に対して大学ホームページ等であらかじめ公表 している。また、シラバスの作成にあたっては、教務部長名での依頼・記入要領が 用意され、記載漏れがないか教務課でチェックし再提出を依頼する仕組みとなって いるが、神学部、商学部、人間科学部では、科目ごとに若干の精粗がみられる。単 位制度の趣旨に照らして、学生の学修が行われるシラバスとなるよう、またシラバ スに基づいた授業を展開するため、各学部の「点検評価委員会」が責任をもって恒 常的かつ適切に検証を行い、改善につなげている。 学部における単位認定については、学則で授業形態ごとの単位計算基準を明示し、 成績評語についても「履修規程」に明示され、これらに基づき成績評価及び単位認 定が行われている。研究科における単位認定については、大学院学則において授業 科目と単位数を定め、成績評価とともに「大学院研究科規則」及び「大学院研究科 履修指導要領」に従って行われている。また、成績確定後の成績訂正についても厳 密に行っていると判断できる。これら規則等については『学生便覧』『大学院学生 便覧』に記載され学生への周知が行われている。しかし、「履修規程」に「成績に は、出欠状況を加味することがある」と定めており、出欠状況を成績評価に加える ことは適切ではない。既修得単位の認定については、大学設置基準等に定められた 範囲において、学則及び大学院学則で定めている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究について は、「全学FD・学士課程教育推進委員会」、各学部の「FD推進委員会」や「大学 院FD委員会」を設置し、それぞれのレベルでの教育改善につながる活動を進めて いるほか、大学主催の「夏期教職員懇談協議会」、教育・研究推進機構主催の「大 学改革フォーラム」、宗教部による「ファカルティ・リトリート」もファカルティ・ ディベロップメント(FD)活動として機能している。一方で、「学生による授業 評価アンケート」を実施し、学生の意見を授業の改善に役立てているが、授業参観 などの教員相互の授業評価や研修会等の実施は一部にとどまっているため、一層の 努力が望まれる。 教育内容・方法等の適切性の検証については、毎年の自己点検・評価を通じて取 り組んでおり、「全学FD・学士課程教育推進委員会」「学部点検評価委員会」「大 学院研究科点検評価委員会」が検証している。

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17 神学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」「演習」「実習」としている。 演習においては、教員と学生の双方向のやり取りを行うことに主眼を置いている。 講義では、教員の講義を学生が聴き、要点を書き留めることが主体となるが、レジ ュメ、プリント資料などを使用して有効性を高める工夫をしている。また、少人数 の講義が多数あるため、教員と学生の双方向性が確保されている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、毎年の授業評価アンケートの実施や学部FD 委員会の主催でFD活動を実施している。さらに、神学部学生会が行うアンケート 結果を参照して、学部独自の「カリキュラム懇談会」を開催して改善に努めている。 文学部 教育目標を達成するために必要な授業形態として、英文学科では「講義」「演習」 「実践演習」の3つを採用し、いずれに属するかは「受講学生の人数」によって決 定し、知識の獲得を目的とする「講義」、双方向性を重視する「演習」、語学のスキ ルなどを磨くための「実践演習」と目的別の基準を設定している。 外国語学科英語専攻では、「講義」「演習」の形態で授業を行い、「演習」を「英語 スキル養成科目」と位置付け、「聴く、読む、話す、書く」の4つのスキルを総合 的に身に付けるように工夫されている。フランス語専攻では、「講義」「演習」の形 態とし、コミュニケーションを図ることを主体とする授業運営を行っている。また、 学習支援ツールも積極的に活用されている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、英文学科では授業評価アンケートの結果に基 づいた検証、外国語学科英語専攻では月に1~2度のペースでの話し合い、フラン ス語専攻では「フランス語教育を考える会」を開催し、研究・研修の機会を設けて いる。 商学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」及び「演習」としている。 「演習」では、教員と学生間での双方向の対話を通じて専門分野に関する知識、学 び方の修得を目指しており、「講義」においても、教科書や資料をもとに双方向の 対話が可能となるよう配慮がなされている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、学部では商学部FD委員会が統括しており、

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18 FD活動内容・取組事例、成果・改善点、授業評価アンケート結果の活用方法、今 後の取組みなどについて検討している。 経済学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」及び「演習」としている。 「演習」では、双方向の対話を生かした指導を通じて専門分野に関する知識、学び 方の修得を目指しており、「講義」においても、教科書、資料をもとに双方向の対 話が可能となるよう配慮がなされている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、学部では経済学部FD委員会が統括しており、 FD活動内容・取組事例、成果・改善点、授業評価アンケート結果の活用方法、今 後の取組みなどについて検討している。また、「経済学部における開講科目の変遷」 「今後の採用人事計画とカリキュラム改革の方向性(再考)」と題した経済学部F D研究会を開催し、カリキュラムについての議論を深めている。 法学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」及び「演習」としている。 講義では、教科書等の教材の使用のみならず、授業コメントを書かせるなどの双方 向性を重視している。演習では、双方向性の授業運営を軸に、テキストの読み方、 議論や質疑応答の仕方、情報収集の方法やレポートの書き方、プレゼンテーション の方法などを学ぶなど多岐にわたる。また、講義においては、学外の実務家等の招 聘も積極的に実施している。 自主学修を適切に進め得る能力を育成する取組みとして、グループワークの導入 や課題添削、レポート作成などをスチューデント・アシスタント(SA)や図書館 チューターの活用により実施する仕組みを備えている。たとえば、1年次前期配当 の「法律学の基礎」では、毎時間課題が提出され、授業時間外にSAによる課題添 削を受けながら作成する。これらは、初年次からの自主学修を可能にするだけでな く、学生であるSA自身が後輩の課題添削をできるように、教員から指導を受けて おり、学生相互にとって有効であることから、高く評価できる。また、SAの育成 についても、全員が受講する研修と業務の種類に応じた研修の機会を用意すること できめ細かな指導を行うなど、丁寧な組織づくりがなされており、支援を受けた学 生の評価も確認している。これらの取組みの効果は、全学的に評価されており、有 効な教育方法として全学的な施策に影響を及ぼすモデルとなっている。 成績評価方法として、学部内でGPAを使用して成績順位を学生に公表するなど、 修学意欲の向上に努めているが、「履修規程」には「評語(グレード)」のみ定めら

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19 れており、評語に対応するポイントの数値が定められていないので、当該規程と整 合し定めることが望まれる。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、学部では法学部FD委員会が統括しており、 FD活動内容・取組事例、成果・改善点、授業評価アンケート結果の活用方法、今 後の取組みなどについて検討している。また、学部内で試験問題の回覧や問題作成 の工夫について情報交換を行っており、一部の教員は試験問題についてのコメント や講評を学生に公開している。 人間科学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」「演習」「実習」としている。 児童教育学科及び社会福祉学科では、演習授業などで少人数による双方向的学習 を実施している。心理学科では、調査・観察・実験を重視している。3学科ともに 実験・実習では、実際の作業・体験を通じて理論的知識及び能力を実務に応用する 能力を修得するように工夫している。 1年間に履修登録できる単位数の上限について、社会福祉学科及び心理学科では 適切に設定しているが、児童教育学科では、1年次及び2年次で 50 単位、3年次 で 55 単位、4年次で 60 単位と高く設定しており、単位を実質化する措置は十分と はいえないので、改善が望まれる。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、毎年の授業評価アンケートの実施や人間科学 部FD委員会の主催でさまざまなFD活動を実施している。 国際文化学部 教育目標を達成するために必要な授業形態を「講義」及び「演習」としている。 講義では、教科書等の教材の使用のみならず、授業コメントを書かせるなど双方向 性を取り入れる試みをしている。演習では、双方向性の授業運営を軸に、テキスト の読み方、議論や質疑応答の仕方、情報収集の方法やレポートの書き方、プレゼン テーションの方法などを学ぶことを主眼としている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、学部では国際文化学部FD委員会が統括して おり、FD活動内容・取組事例、成果・改善点、授業評価アンケート結果の活用方 法、今後の取組みなどについて検討している。また、年度末に「国際文化談話会」 を開催し、最新の研究活動の報告や研究成果の教育活用方法について議論を行って いる。

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20 神学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、博士前期課程では「特論」「方法論」 「演習」「実習」としている。博士前期課程では、基礎科目を通じて豊かな学識を 養い、実習科目で理論的知識などを実務に応用する能力を培い、特殊研究である演 習において修士論文執筆につなげる指導を行うなど、体系的に整えられている。博 士後期課程については、研究指導が柱となっている。 また、博士前期課程・博士後期課程ともに研究指導のスケジュール等が明記され た「研究指導計画書」に基づく研究指導、学位論文作成指導が行われている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、オムニバス講義のあり方や複数教員の指導制 について検討している。また、神学部学生と共同で授業に関するアンケートを行い、 「カリキュラム懇談会」を開催して改善に努めている。 文学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、英文学専攻博士前期課程において は「特殊研究」「演習」「学位論文指導」、フランス文学専攻においては「講義」「演 習」としている。 英文学専攻博士前期課程においては、専門科目と基礎科目の講義を通じて専門に ついての知識を深めるほか、演習における指導を通じて修士論文の作成へとつなげ る指導を行っている。くわえて、教養を深めるために他分野の講義も履修させるな どの指導を行っている。毎年の論文執筆や学会での口頭発表を通じて修士論文執筆 の準備につなげるための指導も行われている。 フランス文学専攻博士前期課程においては、1年次に研究分野を確定し、演習指 導教員と相談しながら修士論文の執筆のための準備を始める。具体的には、1年次 で専門分野及びその周辺の分野の知識を深め、2年次でそれまでの学びをまとめ、 修士論文の執筆につなげるように指導している。 博士後期課程については、英文学専攻とフランス文学専攻ともに「研究指導」「学 位論文指導」の授業形態としている。 また、博士前期課程・博士後期課程ともに、研究指導のスケジュール等が明記さ れた「研究指導計画書」に基づく研究指導、学位論文作成指導が行われている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、研究科独自のものとして、教員間で教育・研 究・学生に関する情報交換が行われている。

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21 経営学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、博士前期課程では「講義」及び「演 習」としている。また、博士前期課程・博士後期課程ともに「研究指導計画書」を 作成し、それに基づいた研究指導、学位論文作成指導を行っている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、「院生フォーラム」を開催し、教員と大学院 学生の意見交換を行っている。 経済学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、博士前期課程では「講義」及び「演 習」としている。また、論文指導においては、博士前期課程・博士後期課程ともに 「研究指導計画書」を作成し、それに基づいた研究指導、学位論文作成指導を行っ ている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、経済学部FD委員会と共同でFD研究会を毎 年数回開催し、教員の教育内容や教育方法の改善について議論している。 法学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、博士前期課程では、専門科目と基 礎的科目の「講義」で学識を養い、「演習」において修士論文の指導を受けるとし ている。博士後期課程においては、研究指導により教育目標の達成が図られる。ま た、いずれの課程においても、「研究指導計画書」を作成し、それに基づいた学位 論文の作成指導が行われている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、授業担当者が学生の意見を聴取するなど、学 生と教員との間で日常的なコミュニケーションが図られている。 人間科学研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、人間科学専攻博士前期課程では「特 論」「方法論」「演習」及び「実習」とし、博士後期課程では「研究指導」及び「論 文指導」、臨床心理学専攻修士課程では「特論」及び「演習」としている。各課程 ともに「研究指導計画書」を作成し、それに基づいた研究指導、学位論文作成指導 を行っている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、大学院学生が主体となって授業評価調査を実

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22 施し、教員と大学院学生の意見交換を通じて、課題の解決に取り組んでいる。 国際文化研究科 教育目標を達成するために必要な授業形態を、博士前期課程では、専門科目と基 礎的科目の「講義」で学識を養い、「演習」において修士論文の指導をしている。 入学時に専修部門を選択し、その部門に属する教員1名が指導教員となり、入学後 は指導教員のもとで演習・特殊講義・研究実習の修得に努め、修士論文作成までの 指導を受けている。博士後期課程においては、研究指導により教育目標の達成が図 られている。 博士前期課程・博士後期課程ともに、研究指導のスケジュール等が明記された「研 究指導計画書」に基づく研究指導、学位論文作成指導が行われている。 教育内容・方法等の改善を図ることを目的とした、組織的な研修・研究の機会に ついては、大学全体の取組みのほか、国際文化学部のFD委員会で提案された事項 について、国際文化研究科委員会で審議や取組みを行っている。 <提言> 一 長所として特記すべき事項 1)法学部において、積極的に学生が自主学修を進め得る能力を育成するための体制 を敷いていることは特筆される。とりわけ、スチューデント・アシスタント(S A)や図書館チューターを活用した1年次生の課題添削やレポート作成などの支 援は、優れた学習支援の取組みといえる。また、基礎科目の少人数授業にSAが 加わることで、グループワーク等のアクティブラーニングも効果的に実施されて いる。さらに、SAの育成についても、全員が受講する研修と業務の種類に応じ た研修の機会を用意することできめ細かな指導を行うなど、丁寧な組織づくりが なされており、支援を受ける学生及びSA双方に有効な取組みであり、評価でき る。これらの取組みの効果は、全学的に評価されており、他学部の教育でも類似 の取組みを導入できないか検討され、一部運用が開始されるなど、有効な教育方 法として全学的な施策に影響を及ぼすモデルとなっている。 二 努力課題 1)人間科学部児童教育学科において、1年間に履修登録できる単位数の上限が、1・ 2年次で 50 単位、3年次で 55 単位、4年次で 60 単位と高いので、単位制度の趣 旨に照らして、改善が望まれる。

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23 (4)成果 <概評> 大学全体 卒業・修了の要件については、学部では、大学学則において単位数や条件などが 明示されており、『学生便覧』であらかじめ学生に明示している。研究科では、大 学院学則に学位授与の基準が明示されており、『大学院学生便覧』であらかじめ学 生に明示している。 学位授与にあたっても、大学学則において責任体制を明確にし、「履修規程」及び 「西南学院大学学位規則」に学位授与の手続きを明文化している。研究科では、学 位授与にあたり大学院学則において責任体制を明確にし、「西南学院大学学位規則」 に学位授与の手続きを明文化している。 学位授与にあたり論文審査を行う場合の審査基準の学生への明示は、卒業論文の ない法学部を除く全学部において、「卒業論文審査基準」を定め、『学生便覧』で学 生に周知している。研究科では、「学位授与基準に関する申し合わせ」として各研 究科に修士論文審査基準、博士論文審査基準を定め、『大学院学生便覧』で学生に 周知している。 学習成果の測定については、学部・学科レベルにおいて、直接指標としてルーブ リック等の活用を検討しているほか、「学生による授業評価アンケート」及び「卒 業生アンケート」などの間接指標も活用している。研究科では、修士論文、博士論 文が学習成果物であるとの認識のもと、論文審査基準に示す基準を学習成果の評価 指標としている。 神学部 学習成果を測定するための評価指標としてルーブリックを作成中である。また、 「学生による授業評価アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施することで学 生自身が学習成果を自己評価する機会としている。 学位論文審査基準については、他大学において作成された論文などを参考に、学 部独自の視点での意見を取り入れたものを策定している。くわえて、卒業論文作成 過程において中間発表を行うことにより、客観的な指摘やアドバイスを受け入れる 制度を整えることで、その審査基準が十分な教育効果の測定となり得ているとして いる。 文学部 学習成果を測定するための評価指標としてルーブリックを作成中である。また、 「学生による授業評価アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施することで学

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24 生自身が学習成果を自己評価する機会としている。 今後は、TOEFL®、IELTS®、TOEIC®に加え、DELFやDALF など、国際標準の語学技能検定試験の受験を促し、充実を図る予定である。具体的 には、「TOEFL・TOEIC演習A/B」などの授業を開講し、各種検定試験 を受験するための経済的補助を行うなどして、受験を促進し、充実を図るよう努め ることとしている。 商学部 学習成果を測定するための評価指標としてルーブリックを作成中であるが、ルー ブリックがどの程度機能するかを見きわめるとともに、ルーブリック以外の評価指 標の検討も合わせて行い、適切な成果測定を目指している。また、「学生による授 業評価アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施している。 経済学部 学習成果を測定するための評価指標の開発について、ルーブリック方式の導入は 大人数の授業では難しいことを踏まえ、少人数授業である演習科目の一貫した成績 評価基準の設定と、学力や学修態度の向上を目的とした情報共有、学業面と学習態 度面それぞれに評価項目を設定するなど、教員の判断で評価し、教員側と学生側で 相互確認を行うフィードバック体制の実施可能性を検討している。また、学生自身 が、学習成果を自己評価する機会として、「学生による授業評価アンケート」及び 「卒業生アンケート」を実施している。 法学部 課程修了時における学生の学習成果を測定するための評価指標として、ルーブリ ックを作成中である。評価の視点及び基準並びにその表現方法等について、検討を 要する課題が残っていると認識しており、他の評価指標の検討も行ったうえで、実 際に成果の測定を行うことが予定されており、その成果が期待される。 また、学生自身が、学習成果を自己評価する機会として、「学生による授業評価 アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施している。 教育成果については、評価指標の一つとして学生に対しGPAを用いることを明 示している。GPA制度を早期卒業制度と関連させることで、法科大学院への入学 者が出るなど、学習意欲を高める効果が現れている。 人間科学部 課程修了時における学生の学習成果を測定するための評価指標として、ルーブリ

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25 ックを作成中である。評価の視点及び基準並びにその表現方法等について、検討を 要する課題が残っていると認識しており、他の評価指標の検討も行ったうえで、成 果を測定することが予定されており、その成果が期待される。 また、学生自身が、学習成果を自己評価する機会として、「学生による授業評価 アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施している。 国際文化学部 課程修了時における学生の学習成果を測定するための評価指標として、ルーブリ ックを作成中である。評価の視点及び基準並びにその表現方法等について、大人数 の講義と少人数の演習科目では、その有効性が均等にならないなどの検討を要する 課題が残っていると認識しており、他の評価指標の検討も行ったうえで、成果を測 定することが予定されているので、その成果が期待される。 また、学生自身が、学習成果を自己評価する機会として、「学生による授業評価 アンケート」及び「卒業生アンケート」を実施している。 全研究科 各研究科における、博士前期課程(修士課程)の論文審査は、研究科委員会から 選出された3名の審査委員会で行い、その結果を文書にまとめた基礎資料に基づき、 研究科委員会で合否を決定する。博士後期課程の論文審査は、研究科委員会に審査 を付託され、研究科委員会で選出した3名以上からなる審査員委員会を設置し、関 連領域についての口頭諮問を経て、結果の要旨を文書にまとめて研究科委員会に報 告する。研究科委員会は、この報告に基づき合否を決定する。また、博士前期課程・ 博士後期課程ともに、研究科委員会において特に優れた研究業績をあげたと認めら れる者について、標準修業年限の短縮を認める措置を定めている。 課程修了時における学生の学習成果を測定するための評価指標として、論文審査 基準のほかに、一部の研究科では、学会発表や学内研究会の研究発表、『大学院紀 要』や『大学院研究論集』への投稿などをあげている。 5 学生の受け入れ <概評> 大学の理念・目的を踏まえて、求める学生像や修得しておくべき知識等の内容・ 水準等を明らかにした学生の受け入れ方針を学部・研究科ごとに定めている。ただ し、神学研究科、経営学研究科、法学研究科、国際文化研究科においては、修得し ておくべき知識の内容・水準等が不明確である。また、法学研究科、経営学研究科、

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