FDG-PET/CT 検査 説明書1 【注意事項】
倉敷中央病院 放射線センターRI 検査室
電話・FAX (086)422-8194
FDG-PET/CT 検査を受診の際には、下記の事柄についてご理解下さるようお願いします。
1. 検査予約時間について:予約時刻を厳守下さい
z 検査に使用する薬(FDG)は、医療用医薬品としての認可を受けた製品を使用します。お薬
の放射能は半減期約 2 時間で、2 時間たつと放射能が半分に減少します。このため、あなた
に使用するお薬は検査時刻に合わせて予約され、納入されています。予約時刻に遅れた場
合、時間とともにお薬の効果が弱くなり、検査できない場合もありますのでご了承下さい。
z 撮影スケジュールの都合上、受付から注射まで最大 1 時間ほどお待ちいただく場合がありま
すのでご了承下さい。
2.検査前の注意
《食事・飲み物等》
z 検査予約時間の5時間前から食事は厳禁です。糖分やカロリーのあるジュースや牛乳など
の飲料・アルコール類も禁止です。スポーツ飲料や、「ノンカロリー」「カロリーオフ」などの表
示のある飲料も、実際にはカロリーを含むことが多いため禁止です。ガムや飴などはシュガ
ーレスのものでも禁止です。喫煙も可能な限りお控え下さい。お守りいただかない場合には
画像が悪くなり、検査できない場合もあります。
z 摂取可能な飲み物:水(水道水やミネラルウォーター)・お茶(緑茶・烏龍茶・麦茶等)を検査前
にできるだけ多く飲んで下さい。余分な検査薬(FDG)の尿からの排泄が早くなります。
z 服用薬:糖尿病の薬(血糖降下剤)は絶食時間中は飲まないで下さい。それ以外のお薬は通
常通り服用して構いません。
《過ごし方について》
z 検査前日・当日の運動はお控え下さい。
z 検査当日はなるべく冷気を避け、暖かい服装でご来院いただくことをお勧めします。身体が
冷えることにより病気以外の部分へ薬剤が集まる事があります。
z 検査の際は、なるべくリラックスして受けていただくと画像が良くなり、もし病気があった場合
には見つかりやすくなります。
《その他の注意》
z 妊娠中の方:検査できません。可能性のある方は、注射前に担当職員にお申し出下さい。
z 授乳中の方:検査は可能ですが、検査後の注意事項に従ってください(下記参照)。
z 糖尿病の方:主治医にお申し出の上、その指示に従ってください(次頁参照)。
z 胃や腸の検査のバリウムが体内に残っていると PET/CT 検査に支障を来たす事があります。
PET/CT 検査前 1 週間は胃や腸の検査を受けないようにご注意下さい。
3.検査後の注意
z 退出について:検査終了後、職員の指示があるまで待機室から無断でご退出されないようお
願いいたします。
z 検査終了後も当日はあなたの身体から放射線が出ています。周りの方々の放射線被曝を防
ぐため、当日は人ごみをなるべく避けるとともに、乳幼児や妊産婦との接触をできるだけお控
え下さい。
z 授乳中の場合は、検査当日の授乳はお控え下さい。
z 水分をなるべく多く飲み、余分な検査薬を早く排泄させることをお勧めします。
z 検査翌日以降は通常通りの生活で構いません。検査薬は体内から消失し、影響が残ること
はありません。
FDG-PET/CT 検査 説明書2 【糖尿病の場合の注意事項】
倉敷中央病院 放射線センターRI 検査室
電話・FAX (086)422-8194
4.糖尿病の場合:
z 検査への影響:検査に使用する薬(FDG)は、ブドウ糖に類似した薬剤であるため、血糖値な
ど体の中の糖分の状態によって影響を受けることがあります。糖尿病で血糖値の高い状態
で FDG-PET 検査を施行すると、病変が検出できにくくなることがあると言われています。ただ
し、そのような状態でも癌(悪性腫瘍)などの病変のお薬の取り込みが消えることはなく、実際
の診断への悪影響の程度については未だ明らかになっていません。
z 血糖値:これまで判明している限りでは、糖尿病であっても検査時の血糖値 200mg/dl 以下で
あれば、検査に大きな支障はないと考えられています。血糖値 200mg/dl 以上となるような、
特に血糖値の高い場合には、病変が見つかりにくくなる可能性があり、検査を延期して糖尿
病の治療を十分に行ってから検査を行ったほうがよい場合があります。ただし、検査を受け
られる方の状況にもよりますので、検査当日の血糖値が 200mg/dl 以上であった場合にはあ
らためてご説明いたします。
z 検査前の注意:糖尿病の飲み薬(血糖降下剤)やインスリンの注射は、検査5時間前から検
査終了まで禁止です。検査5時間前からの絶食は他の方と同じです(前頁参照)。
z 検査予約時間:血糖値の安定性などの観点から、糖尿病の方の検査はできるだけ午前中に
行うことが望ましいとされています。糖尿病の方は検査予約前に主治医へお申し出いただき、
午前中に検査を予約されるようお願いいたします。予め糖尿病のお申し出のなかった場合に
は、予約時間が午後になる等の不都合が生じる場合があり、そのような場合にはお早めに
放射線センターRI 検査室までご連絡下さい。
ご不明の点は放射線センターRI 検査室までお問い合わせ下さい。
FDG-PET/CT 検査 説明書3 【有効性・安全性・限界について】
倉敷中央病院 放射線センターRI 検査室
電話・FAX (086)422-8194
FDG-PET/CT 検査を受診の際には、下記の事柄についてご理解下さるようお願いします。
【検査の原理と有効性】
z 多くの癌(悪性腫瘍)では、糖分が正常組織より多く使われます。この検査では、放射能を持
ったブドウ糖の一種である FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を注射し、約 1 時間
後に癌などの病変に取り込まれたところで PET/CT 装置の特殊なカメラで全身を撮影し、病
気の有無や広がりなどを診断することが出来ます。
z 悪性腫瘍のうち、以下のものは比較的検出しやすいとされています。ただし種々の条件によ
り、これらに該当する腫瘍でも検出できない場合があります。
肺癌・乳癌・大腸癌・頭頚部癌・膵癌・悪性リンパ腫・悪性黒色腫・食道癌・子宮癌・卵巣癌
z 以下の腫瘍は、一般的に検出が難しいとされています。
胃癌・腎癌・膀胱癌・前立腺癌・原発性肝癌
【検査薬の安全性】
z 副作用:検査に使用する薬(FDG)は現在まで重篤な副作用(ショック・死亡など)の報告はあ
りません。臨床試験では気分不良、発熱、嘔吐、血圧低下がそれぞれ 0.3%と報告されてい
ます。
z 放射線被曝:検査に使用する薬(FDG)の放射能による被曝は通常の CT 検査のおよそ 5 分の
1から 10 分の1程度です。PET/CT 検査では、これに CT 検査による被曝が加わりますが、
身体への放射線障害が起こることはありません。
【検査の限界】
z 保険適用:現在健康保険の適用となるのは早期胃癌以外の悪性腫瘍、および虚血性心疾
患・てんかんです。この病名に該当する場合でも適用要件が規定により定められており、す
べての方が適用になるわけではありません。
z 腫瘍の大きさ:全身の腫瘍の検査に有用ですが、1cm 未満の微小な腫瘍の検出は小さけれ
ば小さいほど困難になります。また、1cm 以上の大きな腫瘍でも検出できない場合もありま
す。
z 腫瘍以外の病気:腫瘍以外でも、炎症などの良性の病変にも検査薬が取り込まれ、画像で
見つかることがあります。見つかる病気が全て悪性というわけではなく、良性か悪性かの判
断がつかないこともあります。悪性腫瘍の確定診断には細胞や組織を採取する検査が必要
になります。
z 糖尿病の場合:糖尿病の場合、病変が検出しにくくなる可能性があります(前頁参照)。
PET 検査にはこのような限界があり、すべての癌の検出に万能というわけではありません。
z 検査機器の保守点検、検査薬の輸送体制には万全を期しておりますが、万一機器のトラブ
ル・薬剤輸送中の事故等の際には撮影が出来なくなる場合がありますのでご了承下さい。
z 当院の個人情報保護方針に基づき、検査データ等を個人を特定できない形で臨床研究・教
育・統計等に利用させていただく場合があります。
以上の点を御理解いただいた上で、検査同意書(別紙)にご署名をお願いします。
ご不明の点は放射線センターRI 検査室までお問い合わせ下さい。
FDG-PET/CT 検査 同意書
倉敷中央病院 放射線センターRI 検査室
電話・FAX (086)422-8194
私は、FDG-PET/CT 検査を受けるにあたり、別紙説明書を読み、検査の施行方
法・注意事項・安全性・限界について理解しました。
私は当院において FDG-PET/CT 検査を受けることに同意します。
診療科
(放射線科検査紹介の場合)
紹介元医療機関名
検査依頼医師
ID 番号
記入日 年 月 日 本人署名
または 代理人署名
続柄
検査日
年 月 日
予約(注射)時刻 :
(絶食時間 : ~)
FDG-PET/CT 検査 問診票
FDG-PET/CT 検査にあたり、別紙説明書をお読みいただき、以下の質問にお答え下さい。
【□の当てはまる項目にチェック、およびカッコ内にご記入下さい】
● 最後に食べ物を召し上がったのはいつですか □昨日 □本日 ( )時頃
その後、水・お茶以外のものを口にされましたか □はい □いいえ
「はい」の場合 いつ頃( )時 何を( )
● 昨日から現在までの間にスポーツや、筋肉を使う
作業をしましたか □はい □いいえ
● 今日、注射や点滴を受けましたか □はい □いいえ
● 1 週間以内にバリウムを使った胃や腸の検査を
受けましたか □はい □いいえ
● 今まで腫瘍やがんと診断されたことがありますか □はい □いいえ
「はい」の場合 いつ頃( ) 病名( )
● 今まで手術・放射線治療・化学療法(抗がん剤)を受けられた
ことがあれば教えて下さい □受けたことはない
(手術・放射線治療・抗がん剤) いつ頃( ) 病名( )
(手術・放射線治療・抗がん剤) いつ頃( ) 病名( )
(手術・放射線治療・抗がん剤) いつ頃( ) 病名( )
● 今まで糖尿病と言われたことがありますか □はい □いいえ
「はい」の場合 現在の治療法は □無治療 □食事・運動療法 □飲み薬 □インスリン
● 閉所恐怖症がありますか □はい □いいえ
女性の方のみ以下にお答え下さい。
● 現在妊娠していますか □はい □いいえ
● 現在授乳していますか □はい □いいえ
● 月経について 閉経( 才) 月経周期( 日)
最終月経( 月 日~ 月 日)
*個人情報については医療サービスを安全に提供するため等規定の利用目的に沿って利用いたします。
*当院における個人情報の利用目的や範囲および個人情報保護の基本方針を掲示しておりますので、ご参照下さい。
*医療安全を優先し、お名前による呼び出しを行いますので「同意」願います。「不同意」の申し出があれば、申し出に沿った対応を行います。
*安全確保のため PET/CT 検査室に監視モニターを設置しています。
患者データ FDG 投与データ
身長(cm)__________________ FDG 測定時刻__________________ FDG 残量(MBq)______________
体重(kg)___________________ FDG 投与量(MBq)______________ 残量測定時刻______________
血糖値(mg/dL)__________ FDG 投与時刻______________撮影時刻(1)_______________ (2)_______________
これより以下は職員が記入します.
検査日
年 月 日
予約(注射)時刻 :
(絶食時間 : ~)
検査所要時間は約 2 時間~3 時間です。
ID 番号
氏名
FDG-PET/CT 検査の手順
● 問診 検査の同意書と問診票を受け取り,
看護師がスケジュールの説明をします.
↓
● 更衣 荷物や貴重品はロッカーにいれ,
検査衣に着替えてから PET 処置室へ行っていただきます.
↓
● 注射 血糖値測定後、少量の薬剤(放射性医薬品:FDG)を静脈注射します.
↓
● 安静 体に薬が取り込まれるまで安静にして下さい.
水(ミネラルウォーター)をお渡ししますので、できるだけ多く飲んで下さい.
↓ 約 1 時間
● トイレ 撮影前に排尿していただきます.
男性の方でも便座に座って排尿してください.
↓
● 撮影 放射線技師の指示に従って下さい.
↓ 20~30 分
● 安静 撮影後しばらく安静にしてお待ち下さい.
↓ 約 40 分
● (撮影) 場合により撮影を追加することがあります.
↓ 10~20 分
● 更衣・退室 できるだけトイレで排尿して退室ください.
検査所要時間は 2 時間~3 時間です。