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5.2 将来あるべき廃棄物社会 (1) 廃棄物のヒエラルキー将来あるべき廃棄物社会として 廃棄物ヒエラルキーに沿った行動が求められる すなわち 埋立 再生 リサイクル 再利用 使用禁止の流れであり 環境保護に関する最善の効果を伴う廃棄物社会の選択肢を見出す必要がある そのためには ライフサイクルがそ

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●ドイツにおける廃棄物処理政策の現状(その3)

先月に引き続き、2010 年 10 月 4~5 日にドイツ・ケルン市内で開催された Abfallwirtschaft 2010(廃棄物経済)の講演について報告する。内容としては、ドイツを中心とした廃棄物処理 政策の現状を報告するもので、主催は Euroforum 社である。 5.将来の廃棄物社会に向けた資源・リサイクル戦略(欧州委員会の立場より) Andreas Versmann 氏、欧州委員会 5.1 将来あるべき資源利用の形 1980~2030 年の世界全体の資源消費量の推移を図 5-1 に示す。ただし 2010~2030 年のデー タは、資源消費対策が何も採られない場合(いわゆる“business as usual”)の予測値である。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Andreas Versmann 氏、欧州委員会 図 5-1 世界全体の資源消費量の推移 欧州では 2020 年目標に向けて、知性的で持続可能な統合された成長を続けていくことが必 要である。2010 年 3 月には、共同声明“Europa 2020”が発表された。旗印として「資源を大 切にするヨーロッパ」を掲げており、具体的な行動指針として、資源利用に依存しない経済成 長、排出の少ない社会への移行の支援、再生可能エネルギー資源の利用、エネルギー効率の促 進を掲げている。 また経済的成長から否定的環境影響を切り離すために、資源効率の面において、貧弱な資源 の徹底管理、バイオシステムの酷使の回避、すべての環境媒体の負荷軽減を図っていく必要が ある。 EU の資源政策とは、ライフサイクル概念と深く結び付くものである。資源政策には、原料政 策、環境デザイン政策、環境に優しい消費政策、廃棄物政策の 4 つが含まれ、またライフサイ クル概念とは、原料調達、製品開発、製造、販売、消費、回収、再利用・再資源化が含まれる。 (×10 億 ト ン) バイオマス 鉱物資源 金属資源 化石燃料

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5.2 将来あるべき廃棄物社会 (1)廃棄物のヒエラルキー 将来あるべき廃棄物社会として、廃棄物ヒエラルキーに沿った行動が求められる。すなわち、 埋立→再生→リサイクル→再利用→使用禁止の流れであり、環境保護に関する最善の効果を伴 う廃棄物社会の選択肢を見出す必要がある。そのためには、ライフサイクルがその発端となる のである。 (2)廃棄物削減 ここで廃棄物削減の現状と傾向を以下に示す。 ・EU27 ヶ国の 2006 年の廃棄物発生量は 29 億 5,000 万トンで、増加傾向にある。 ・EU15 ヶ国に限れば、1995~2006 年の間に 36%増加している。 ・家庭ごみに限定すれば、上限が 600kg/人/年で安定している。 ・建設・解体廃材が増加傾向である。 ・産業廃棄物も増加傾向である。 ・傾向として、高いレベルで安定化していると言える。 ・高い材料消費量による経済成長と廃棄物発生量を相対的に切り離すことが肝要である。 ここで 2004 年と 2006 年の EU における廃棄物発生総量を図 5-2 に示す。 出典:Eurostat 図 5-2 2004 年と 2006 年の EU における廃棄物発生総量 (3)材料による環境影響

次に材料の環境影響について、消費量、温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)、環 境重み係数を乗じた資源消費量(EMC:Environmentally-weighted Material Consumpution)の それぞれの比率を図 5-3 に示す。

(×1,00

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出典:UNEP Panel, van der Voet et al. 図 5-3 材料別の環境影響(消費量、温暖化係数、環境重み係数による評価) (4)廃棄物削減のための新たな取組 2013 年までに、EU 加盟国では廃棄物削減プログラムが実施されることになっている。具体 的な削減目標あるいは基準の提示や、各種廃棄物削減対策計画、例えば持続可能な資源利用へ の環境的奨励策、製品のエコデザインの奨励、環境に優しい消費へのキャンペーン、環境に優 しい公共の委託業者等の優先採用などが実施例として挙げられる。 また欧州委員会でも、廃棄物削減に向けた指標、ガイドライン、情報法などの開発し、2014 年には、2020 年削減目標の改訂もしくは提言を行う計画である。 5.3 廃棄物の再資源化 (1)EU の現状と傾向 再資源化と処分の比率は、ほぼ 50/50 である。家庭ごみに関しては、1998 年のリサイクル率 19%から、2006 年には 38%に上昇している。再資源化率の差は、物質流れや EU 加盟国それぞ れの事情によって大きく異なっているのが現状である。 (2)リサイクル社会へ向けた取組 EU 各国のリサイクル社会への取組レベルの差異について、以下のように分類することが可能 である。 ①意識の高い国 オーストリア、ベルギー、ドイツ、デンマーク、オランダ、スウェーデンの 6 ヶ国が該当す る。リサイクル社会実現目標へ高いレベルの法令を持つ加盟国で、都市ごみリサイクル・再 資源化の高いレベルと向上傾向を持ち、埋立比率が低いまたは減少傾向にあり、廃棄物から の温室効果ガスを減少させている国である。 ②過渡期にある国 イギリス、イタリア、フランス、マルタ、ルクセンブルク、スロヴェニア、チェコ、アイル ランド、フィンランド、エストニア、リトアニアの 11 ヶ国が該当する。リサイクル社会に

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向かって急速的な改善に動いている国で、都市ごみリサイクル率および再資源化が低中位か ら著しい上昇を見せ、また埋立依存を減少させ、廃棄物からの温室効果ガスを減少させてい る国である。 ③限定的な国 ポルトガル、スペイン、ポーランド、ラトヴィア、スロヴァキア、ハンガリー、ルーマニア、 ブルガリア、ギリシャ、キプロスの 10 ヶ国が該当する。リサイクル社会に向けた進展が限定的 または遅れている加盟国で、都市ごみのリサイクル率は低くまたは増加傾向も小幅に留まって いて、埋立比率が高く、廃棄物からの温室効果ガス排出量が増加している国である。 (3)再生用廃棄物の輸出傾向 再生用の廃棄物の輸出が、EU 外、特にアジア向けで大きく増加している。具体的には 1995 ~2005 年の間に、再生用無害廃棄物の輸出が特に大きく増加しており、紙類は 539%、プラス チックは 573%、鉄鋼は 21%、それぞれ増加を記録した。中古車や電子機器スクラップのデー タは不明であるが、この効果として、資源流れのグローバル化、環境負荷軽減、二次原料の流 れに貢献したことは確かである。 (4)廃棄物再資源化における将来への戦略 EU 全体としての廃棄物再資源化戦略としては、まずは発展した EU 加盟国のレベルへ、発展 途上の EU 加盟国を引き上げることが最重要課題となる。また資源供給に向けた戦略の中で、廃 棄物リサイクルの統合や最適化を目指す必要がある。 また二次原料品質の改善にも取り組む必要がある。具体的には、リサイクルにおける品質の 定義、品質別の回収および処理方法の調整、情報提供方法の改善、品質に対する信頼強化が挙 げられる。 こうした戦略によって、欧州のリサイクル市場の強化を図る考えである。 5.4 廃棄物社会と資源効率に対して、欧州委員会が次に取り組む事項 欧州委員会は、AbfRRL(廃棄物指導要綱)の改訂状況の監視、2005 年に制定した廃棄物削減/ リサイクルに関する主要戦略の検証およびさらなる発展、また資源効率向上の重点項目化などを、 今後取り組むべき最重要項目としている。 (参考資料)

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6.国家による廃棄物処理委託の最適化~ベルリン市「オレンジボックス」 「サービスオレンジ」プロジェクトにおける効率的な有価物回収

Ute Schäfer 氏、ベルリン市都市清掃(BSR:Berliner Stadtreinigung)(ドイツ)

6.1 BSR の紹介 BSR(Berliner Stadtreinigung:ベルリン市都市清掃)は、ドイツ最大の地方公共団体廃棄 物処理企業である。担当範囲は面積で 890km2、これはミュンヘン市、フランクフルト市、シュ トゥットガルト市を合計した面積よりもさらに広域となる。人口は約 340 万人、約 180 万世帯、 公共のごみ容器は約 40 万個、犬が約 20 万匹、樹木は約 40 万本、また清掃サービスを実施する 道路や歩道などの総延長は約 140 万 km、路上のごみは年間約 8 万トン、廃棄物総発生量は年間 約 130 万トンなどが、その主要なデータである。 6.2 BSR の戦略の最重要項目 BSR は持続的なサービス業務を行う地方公共団体の看板企業としての地位を確実にした会社 である。その最大の要因として、ドイツ最低の廃棄物処理料金制度を維持を保証していること が挙げられる。さらには環境利益の拡充、高い質のサービスの約束、労働者とベルリン市に対 する社会的責任の実現、これらが BSR の戦略における最重要項目である。 6.3 BSR の再資源化戦略の目標 BSR は再資源化戦略における目標として、以下の 3 項目を掲げている。 ①国家全体の廃棄物発生量と、その中に含まれる有価資源の量の把握 -有価資源を通じての処理費用削減効果 -新製品の分別収集の拡充 ②環境的および経済的に最適な再資源化の保証 -廃棄物ヒエラルキーを考慮すれば、物質的再資源化→エネルギー的再資源化→埋立の順で その地位は低くなっていく。 -エネルギー的再資源化については、ベルリン市では Ruhleben ごみ焼却処理発電施設のさ らなる最適化で対応する計画である。(ホームページ:www.bsr.de/9825.html) -BSR はあくまで物質流れを管理するが、資源流れまでは管理しない。 ③有価資源獲得に向けた革新的行動 -再資源化の最適化に向けた施設構成のさらなる発展 -家庭ごみ削減の刺激策に向けた料金体系 6.4 BSR の処理実績 (1)ドイツの家庭ごみ排出量および分別回収の状況 2009 年のドイツにおける人口 1 人当たりの年間家庭ごみ排出量が約 424kg であるが、BSR と ドイツ連邦の協力によって、380kg(88%)にまで削減する計画である。2009 年の家庭ごみ排 出状況(円内表)と今後の目標(円外数値)を図 6-1 に示す。

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出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR 図 6-1 2009 年の家庭ごみ排出実績(円内)と BSR と連邦による目標(円外) 上図からその他のごみと有機系ごみを除いた乾燥廃棄物 232.0kg のうち、分別回収されてい るのが約 133kg である。このうち BSR と連邦が担当するのが 87kg 分、65%に相当する。またそ れ以外のシステムによる回収が 46kg 分、35%に相当する。 (2)有価資源回収および再資源化の状況 次に BSR が回収する有価資源の種類とその再資源化量について、2009 年のデータを表 6-1 に 示す。合計で年間約 45 万トンの再資源化量となるが、78%は物質的再資源化、22%はエネルギ ー的再利用に回されている。 表 6-1 BSR が回収する有価資源の種類と、2009 年の再資源化量実績 比率 物質的 再資源化量 エネルギー的 再資源化量 バイオ系廃棄物 13% 59,000 トン - 植物系廃棄物 15% 65,000 トン 2,000 トン 紙類 26% 118,000 トン - ガラス 13% 59,000 トン - 廃家電 4% 16,000 トン - スクラップ、焼却処理施設からの 回収金属類を含む 5% 22,000 トン - 粗大ごみ 10% 3,000 トン 43,000 トン 廃木材 11% - 50,000 トン その他分別回収された廃棄物 3% 7,000 トン 6,000 トン 合計 450,000 トン 349,000 トン(78%) 101,000 トン(22%)

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またエネルギー成分を含む廃棄物の利用は、以下に示す BSR の処理施設で実施されている。 その状況を図 6-2 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR 図 6-2 BSR 管轄施設でのエネルギー生産および利用状況

再資源化による収益は、廃棄物処理料金をより低くする料金体系を設定するための最重要項 目である。各要素の廃棄物処理料金低減効果について、図 6-3 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR 図 6-3 BSR の廃棄物処理費用低減のための再資源化各要素による効果 Ruhleben ごみ焼却施設 コジェネ付埋立場 3 ヶ所 選別施設 2 ヶ所 廃木材・粗大ごみ処理施設 蒸気: 約 110 万トン/年 埋立地ガス: 約 4,000 万 m3/年 投入燃料: 約 16 万トン/年 投入燃料: 約 5 万トン/年 電力:約 188GWh 地域熱供給:約 534GWh 電力:約 77GWh 地域熱供給:43GWh 電力:約 150GWh 電力:約 100GWh 約 100,000 家庭分の電力需要に相当 約 34,000 家庭分の地域熱供給需要に相当 約 95,000 万家庭分の電力需要に相当 蒸気 (Ruhleben ごみ焼却施設) スクラップ(鉄/非鉄) (Ruhleben ごみ焼却施設、粗大 ごみ処理施設、リサイクル) 古紙 (リサイクル) 廃木材 (粗大ごみ処理施設、リサイクル) その他 (クリスマスツリー回収等) 廃棄物処理費用 低減効果

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6.5 他の都市との比較 ベルリン市は他のドイツの大都市と比べて、廃棄物処理費用が安価であることが特徴である。 その比較を表 6-2 に示す。 表 6-2 ドイツ各主要都市の廃棄物処理価格の比較 順位 都市名 処理業者名 混合料金 (ユーロ/m3 指数 1 ベルリン BSR 22.92 100 2 ドレスデン SRD 34.68 151 3 ライプツィヒ Stadt Leipzig 35.41 154 4 ミュンヘン Stadt München 38.60 168 5 ブレーメン BEB 39.29 171 6 エッセン EBE 41.47 181 7 ケルン AWB 41.72 182 8 ハンブルク SRH 43.56 190 9 シュトゥットガルト AWS 47.63 208 10 ドルトムント EDG 47.72 208 11 デュッセルドルフ AWISTA 59.97 262 12 フランクフルト FES 61.16 267

出典:BBU(Bundesverband Bürgerinitiativen Umweltschutz)

6.6 家庭ごみの資源化促進の可能性 2008 年にBSR が行った研究結果によると、家庭ごみの資源化に対するポテンシャルについて、 高い価値があることが示された。家庭ごみに含まれる成分分析結果を表 6-3 に示す。 表 6-3 家庭ごみ中の成分分析結果(BSR の研究結果) 有機系廃棄物 42.5% 紙、パルプ 12.0% 混合ごみ 9.4% ガラス 6.3% プラスチック 7.0% 繊維類 3.3% 金属分 2.1% 不燃物 2.0% 木 0.4% その他 15.0% 合計 100.0%

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR

6.7 オレンジボックスプロジェクト (1)オレンジボックスプロジェクトの概要

BSR では、市内各地に有価資源ごみ回収を目的としたオレンジボックスを設置するパイロッ トプロジェクトを 2009 年より実施している。その中で、市民によって有価資源ごみ回収がどの 程度受け入れられ、また実施に協力してもらえたかに関する調査を行った。その結果を示す。

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・オレンジボックスは、大型住宅施設では再利用可能な資源ごみ回収容器として設置された。 ・オレンジボックスの目的は、資源ごみから多様な種類の原料を回収することで、今までは リサイクル施設も請け負ってきた業務でもある。 ・オレンジボックスの回収対象は、金属類、プラスチック、電子機器類、木、中古繊維類、 CD、玩具などで、それぞれの回収量を改めて集計している。 ・このオレンジボックス・パイロット実験では、人口 1 人当たり年間 17.8kg の有価資源ごみ を排出するとの結果を得た。17.8kg の内訳は、83%(14.8kg)が有価資源、12%(2.2kg) は誤投入、5%(0.8kg)は再利用可能包装材料などである。 ・有価資源ごみ回収容器は現在、10,000 の住宅地の回収場所に拡大されている。 ・さらに、100~150 か所のオレンジコーナーも利用可能である。(図 6-4 参照) オレンジボックスおよびオレンジコーナーの写真を図 6-4 に示す。

出典:Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR 図 6-4 オレンジプロジェクトの実施状況

(2)従来の包装系廃棄物回収プロジェクトとの比較

オレンジボックスによる資源ごみの新しい回収システムは、他のシステムと直接比較した場 合、非常に良好な結果が得られている。その一例として、2005 年からドイツ各地で始まった Gelbe Tonneplusプロジェクト(黄色容器を用いた包装系廃棄物回収プロジェクト)のベルリン

市での回収結果との比較を表 6-4 に示す。

Gelbe Tonneplusプロジェクトとは、包装系廃棄物回収容器を各地に設置するもので、回収対

象は軽量包装材料、付随する金属分、プラスチック、木材、小型電子機器類などである。

住宅地のオレンジボックス 道路沿いのオレンジボックス

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表 6-4 Gelbe Tonneplusプロジェクトとオレンジプロジェクトの比較

黄色容器(Gelbe Tonneplus

包装系廃棄物回収パイロットプロジェクト 有価資源回収容器 BSR によるオレンジボックスプロジェクト ・人口 1 人当たりの年間回収量:7.2kg -再利用可能包装材料を除く資源ごみ回 収量は 3.8kg、53%相当である。 -誤投入量は 0.4kg、6%相当である。 -再利用可能包装材料は 3.0kg、42%相当 である。 ・人口 1 人当たりの年間回収量:17.8kg -再利用可能包装材料を除く資源ごみ回 収量は 14.8kg、83%相当である。 -誤投入量は 2.2kg、12%相当である。 -再利用可能包装材料は 0.8kg、5%相当 である。 出典:HTP, BSR 6.8 まとめ (1)資源ごみ回収による顧客の環境行動向上および廃棄物減量 資源ごみ回収制度は、顧客にとって魅力的なサービスであり、廃棄物減量促進策にもつなが るものである。資源ごみの分別回収の強化は、資源回収による収入増加、すなわち処理コスト 削減に貢献するものであり、顧客の環境行動に直接報いることが可能なものである。またオレ ンジコーナーでは、再資源化率向上だけなく、物々交換のようなことも可能である、廃棄物減 量に向けたさらなる促進策を創り出すものである。 (2)資源ごみ回収制度による資源再生および環境バランス改善 BSR のオレンジボックスによる有価資源ごみの回収可能量は、パイロット実験の中間評価お よび初期評価の結果、年間約 5 万トンと評価している。また有価資源ごみ回収を通じて、以下 に示す資源代替が可能となる。 -金属類(鉄、アルミニウム、その他非鉄金属類):2,500 トン/年 -木材(紙生産用):13,000 トン/年 -ガラス生産用材料:1,500 トン/年 -プラスチック生産量原油:5,200 トン/年 -エネルギー生産用石炭:12,000 トン/年 合わせて有価資源 1 トン当たり、約 880kg の CO2が削減可能である。年間 5 万トンの有価資 源ごみを回収することで、約 44,000 トンの CO2削減が可能になる計算である。 (3)有価資源に価値はあるのか?金属と紙はあり、その他はなし 有価資源の概念は、回収・選別・精製コストによって、その都度の要素(プラスチック、木、 紙、ガラスなど)による販売収入を高く得ることを目指すものである。しかしながら、紙やス クラップ(金属、非鉄金属)のような選択された要素に対してのみ、この有価資源の概念は当

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てはまる。そして不安定な市場価格に依存せざるを得ない状況にあるのが現状である。 他のすべての要素も当然ながら分別回収され、その後物質的またはエネルギー的に再資源化 されることになるが、廃棄物処理費用制度の中での追加コスト負担が存在して初めて、社会的 に意味を持つことになる。 原料価格が将来に現状から上昇しても、再資源化による収入が、回収および処理コストを上 回ることはないであろう。それゆえに我々のような廃棄物処理企業は、大半の資源要素に対す るシステム化された資金調達手段も将来必要不可欠となるのである。 (参考資料)

・Abfallwirtschaft 2010 講演資料、Ute Schäfer 氏、BSR(Berliner Stadtreinigung) ・BSR ホームページ(www.bsr.de)

表 6-4   Gelbe Tonne plus プロジェクトとオレンジプロジェクトの比較

参照

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