商船三井の事業戦略
⽬次
1. はじめに
・・・・・・・・・・P3
2.社会的インフラとしての外航海運の重要性・・・・・・・・・・P5
3.商船三井の事業内容
・・・・・・・・・・P7
4.新経営計画
・・・・・・・・・・P22
5.2017年度業績⾒通し
・・・・・・・・・・P29
6.株主還元・株主様に関連のトピック
・・・・・・・・・・P31
2
1.はじめに
3
はじめに
Q1. 海運業とは何ですか?
Q2. 船の種類にはどんなものがありますか?
Q3. 海運は市況産業ですか?
Q4. 市況以外にリスクはありますか?
4
2.社会的インフラとしての外航海運の重要性
5
外航海運の重要性
⽇本の貿易量に占める
海上輸送の割合
主な資源の対外依存度
資源に乏しい⽇本は、「⾐⾷住」のもととなる
原材料のほとんどを海外から船で輸⼊しています。
⽇本の貿易量のほぼ100%(重量
ベース)を海上輸送が担っています。
6
3.商船三井の事業内容
7
商船三井とは
商船三井は約850隻の船舶を運航する、
世界最⼤級の総合海運企業です。
*隻数は2017年3月末時点8
商船三井の歴史
〜130年の歴史で築き上げた海運事業ポートフォリオ〜
9
商船三井の歴史
事業概要(ポートフォリオ)
11
暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
30万重量トンクラスの⼤型鉱⽯船は全⻑340mもあり、地上に⽴てると東京タワー(⾼さ
333m)よりも⾼くなります。船内の容積は約20万㎥で、50mプール約80個分の⽔が⼊
ります。
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暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
30万重量トンクラスのVLCC(⼤型原油タンカー)は、⼀度に約34万キロリットルの原油
を運ぶことができます。これは、⽇本の⼀⽇の消費量の半分に当たります。VLCC約3.6隻
分の原油で、東京ドームが⼀杯になります。
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暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
天然ガスを船で運ぶ場合は、マイナス162℃まで冷やして液化し、ガスの体積を常温時の
約1/600に圧縮することで⼤量輸送を可能にしています。⼤型LNG船は⼀度に、⽇本の
20万世帯の1年分の消費量に相当するガスを輸送できます。
14
世界⼀の船隊を誇る当社LNG船事業
15
FSRUの紹介とSwanプロジェクト概要
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FSRU(Floating Storage & Regasification Unit)は浮体
式LNG貯蔵再ガス化設備です。海上に浮かび、LNGを再気化
し、陸上パイプラインへ⾼圧ガスを送出する能⼒を持ちます。
FSU(Floating Storage Unit)は浮体式LNG貯蔵設備です。
洋上でLNGを貯蔵します。
インド・クジャラート州
LNG受⼊ターミナルイメージ図
2017年10⽉に竣⼯した”MOL FSRU
CHALLENGER”、⽇本の船会社として
初めて単独で建造・保有・操業する
インド初の新造FSRUプロジェクトとして、グジャラート州のジャフラバード地区沿岸に防波堤、桟橋を備え
た港湾建設の上、FSRUとFSUを係留し、FSRU上でガス化されたLNGを陸上へ送出する。当社は事
業主体であるSwan LNGとの間で、受⼊基地の中核となるFSRUの⻑期保守操業契約、FSUの提供
及び⻑期保守操業契約を締結。
⇒従来型の「保有とオペレーション」から、ノウハウを収益化する新しい形でのプロジェクト参画
暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
⾼さが45.5mの⼤型⾃動⾞船の内部は12〜14階建てになっていて、“巨⼤な⽴体
駐⾞場”のようです。1時間に約120台の⾞両を傷付けずに積み込む専⾨ドライバーの
テクニックと集中⼒はまさにプロの技です。
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暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
当社発注の最⼤船型(20,000TEU*型)のコンテナ船に満載されたコンテナを⼀列に並べると、
その距離は120㎞にもなります。⼀度に⼤量の貨物を効率的に運べるコンテナ船は、世界を繋
ぐベルトコンベヤーのようです。
*TEU: Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算暮らしと産業を⽀えるいろいろな船
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20,000TEU型コンテナ船(400m)
東京タワー(333m)
通常、ブリッジは船後⽅に位置する
が、20,000TEU型のコンテナ船の
場合、その⼤きさから船前⽅の安全
確認が難しいため、かなり前⽅に位
置している。
LNG燃料転換に対応
将来の環境規制強化に備え、LNG燃料に転換する設計
を準備し、船級より設計基本承認を取得済
バラスト⽔
(*)処理装置搭載
バラスト⽔管理条約の発効に先⾏して処理装置を搭載
低摩擦船底塗料
船体没⽔部の表⾯に摩擦抵抗の少ない新型塗料を塗
布することにより、推進抵抗を減少
(*)船舶が貨物を満載していない時に、姿勢を制御し安定させるために積載する海⽔。 通常貨物の揚げ荷役時にバラスト⽔を取り込み、積み荷役時に排出する。バラスト⽔は、 海洋⽣物を越境移動させ、海洋⽣態系及び⽣物多様性の保全に対し影響を与える恐 れがあり、2017年9⽉の「バラスト⽔管理条約」発効後、⼀定期間内に全ての外航船に バラスト⽔処理装置を搭載することが義務付けられる。マーケットポジション
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バランスの取れた船隊構成
21
4.新経営計画 ローリングプラン2017
特⾊のあるビジネスポートフォリオ
安定利益を創出する事業、当社の強みを発揮できる事業にリソース(⼈材・投資)重点配分
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2017-2019年度 投資キャッシュフロー(3カ年総額)
3. 既決・新規案件合計
1. 既決案件
2. 新規案件(
今後更に厳選
)
+ コンテナ船
J/V出資
+コンテナ船
J/V出資
うち 成⻑投資: 1,400億円 + コンテナ船J/V出資 新規事業: 300億円 事業ポートフォリオの変⾰を進める投資を継続するが、案件を厳選
2019年度にフリーキャッシュフローを⿊字化
うち 成⻑投資: 500億円 新規事業: 500億円うち 成⻑投資: 1,900億円 + コンテナ船J/V出資
新規事業: 800億円
24
コンテナ船事業統合(1)
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コンテナ船事業統合(2)
出資⽐率:当社31%
⽇本郵船38%
川崎汽船31%
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中⻑期的利益⽔準・財務指標
中期的に
イメージする⽔準
2027年⽬標
経常利益
800〜1,000億円
1,500〜2,000億円
ROE
8〜12%
-
ギアリングレシオ
2.0倍以下
1.0倍
中⻑期的利益⽔準・財務指標
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2017年度
2018年度
2019年度
為替前提 ¥110/$ ¥110/$ ¥110/$ 550 550 550 50 100 -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 700単位:億円
安定利益(既決) 安定利益(追加⽬標) その他変動損益経常損益改善のイメージ
「その他変動損益」 改善への道筋
2017年度:
損失が継続
コンテナ船損益が未だ⼤幅改善に⾄らず。
ドライバルク船市況の回復も鈍い前提。
2018年度:
トントンに近づける
コンテナ船事業統合効果が⼀部現出。
ケミカル船・ロジスティクス事業等の営業規模拡⼤。
2019年度:
数百億円規模の⿊字化
コンテナ船事業損益⼤幅改善。
ケミカル船・ロジスティクス事業に加えフェリー事業収益
増。ドライバルク船市況が⼀定程度回復。
「安定利益」 + 「その他変動損益」 = 経常利益
安定利益
:ドライバルク船・油送船(中⻑期契約)、LNG船・海洋事業、関連事業
その他変動損益
:ドライバルク船・油送船(スポット運航)、⾃動⾞船、コンテナ船、ターミナル・ロジスティクス、
フェリー・内航RORO船
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5.2017年度業績⾒通し
29
2017年度業績⾒通し(2017年10末時点)
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(単位:億円、億円未満切捨) 上期 下期 通期 前回⾒通し 前年度実績 1Q実績 2Q実績 実績 ⾒通し ⾒通し (7/31時点) (通期) 売上⾼ 4,032 4,156 8,189 7,960 16,150 16,150 15,043 営業損益 11 99 111 88 200 180 25 経常損益 58 114 173 76 250 250 254 ドライバルク船事業 ドライバルク船(⽯炭船除く) 48 31 79 55 135 115 119 エネルギー輸送事業 油送船、⽯炭船、LNG船、海洋事業 34 15 49 55 105 135 264 製品輸送事業 ⾃動⾞船、コンテナ船事業、フェリー・内航RORO船 △ 49 52 2 △ 77 △ 75 △ 85 △ 280 うち、コンテナ船事業 △ 62 21 △ 41 △ 103 △ 145 △ 155 △ 328 関連事業 不動産、曳船、商社、客船等 37 29 67 57 125 125 123 その他 11 0 12 7 20 25 20 調整(全社・消去) △ 24 △ 14 △ 38 △ 21 △ 60 △ 65 5 当期純損益 52 78 131 △ 11 120 120 52 為替レート(期中平均) ¥110.79 ¥110.86 ¥110.82 ¥110.00 ¥110.41 ¥110.20 ¥108.57 燃料油価格(期中平均) $319 $325 $322 $350 $336 $327 $284 為替: ±3.6億円/¥1/$ 燃料単価: ±0.7億円/$1/MT (註) これまでの業績開⽰セグメント「不定期専⽤船事業」、「コンテナ船事業」、「フェリー・内航RORO船事業」を、2017年度より「ドライバルク船事業」、「エネルギー輸送事業」、 「製品輸送事業」に変更しました。前年度実績(通期)の経常損益内訳については、内部取引を考慮したうえで、新セグメントに合わせて組み替えした数値 (参考)経常損益へのSensitivity:2017年度(残り6ヵ⽉/最⼤) 2017年度6.株主還元・株主様に関連のトピック
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配当⽅針と配当額推移
積極的な事業投資による企業価値向上及び配当を通じた株主への直接的な利益還元を経営上の
重要政策と認識しております。
内部留保による資⾦を活⽤し、企業体質の強化を図りつつ1株当たりの企業価値向上に努めます。
この認識に⽴って、株主還元については、引き続き連結配当性向20%を⽬安とし、中⻑期的には配
当性向の向上にも取り組んでまいります。
なお、2017年度の年間配当につきましては、中間配当は1株当たり1円、期末配当は1株当たり1円
(株式併合考慮前に換算)を予定しております。
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株主優待制度
世界⼀周クルーズから、お気軽にお楽しみいただけるワンナイトクル
ーズまで、海外および国内のクルーズを幅広く多彩にご提供する、
商船三井客船(株)運航の
「にっぽん丸」のクルーズ優待券
を、株
主の皆様に発⾏致します。
(注意事項:株主優待券のご利⽤について ) (1)商船三井客船㈱が募集するクルーズ(チャータークルー ズを除く)で、ホテル・⾶⾏機などの利⽤を含まない商品に 適⽤となります。 (2)有効期間は1年です。 (3)1名様1クルーズ2枚までご利⽤可能です。 (4) 空室状況または予約状況によってはご利⽤頂けない場 合がございます。 (5) 優待券は、商船三井客船㈱の他の優待・割引制度と の併⽤はできません。 (6)詳しくは以下にお問い合わせ頂くか、以下ウェブサイトを ご覧下さい; (お問い合わせ先) ㈱商船三井総務部総務・株式グループ TEL:03-3587-7026 (ウェブサイト) http://www.mol.co.jp/ir/stock/sbp/優待内容
優待券1枚で、1名様1クルーズの旅⾏代⾦を正規料⾦から
10%割引 (30⽇以上のクルーズの場合は3%割引)
優待券2枚で、1名様1クルーズの旅⾏代⾦を正規料⾦から
20%割引 (但し、30⽇以上のクルーズの場合は6%割引)
対象株主様
毎年3⽉31⽇現在及び9⽉30⽇現在の株主名簿に記載された、
100株(1単元)以上ご所有の株主様
優待券の送付枚数
所有株式数
優待券枚数
100株〜4,99株
2枚
500株〜999株
4枚
1,000株以上
6枚
発⾏時期:年2回 毎年6⽉開催の定時株主 総会終了後に発送する総 会決議通知に同封(6⽉ 下旬)、及び中間報告書 に同封(11⽉下旬)33
【参考】株価推移
34
MOL株価は、株式併合考慮後に換算(*1)2017年度第二四半期末発行済株式数(自己株式除く)に基づき試算(株式併合考慮後に換算) (*2)2017年11月24日終値 (*3)2017年11月24日終値に基づき試算
【参考】過去5年間の財務数値・指標
(註1)当期純損益÷期中平均自己資本 (註2)経常損益÷期中平均総資産35
(単位:百万円)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
( 予想)
1,509,194
1,729,452
1,817,069
1,712,222
1,504,373
1,615,000
▲5,766
41,092
17,249
2,323
2,558
20,000
▲28,568
54,985
51,330
36,267
25,426
25,000
▲178,846
57,393
42,356
▲ 170,447
5,257
12,000
▲1.9%
3.2%
2.8%
2.1%
1.7%
1.5%
▲30.5%
9.5%
5.8%
▲ 25.8%
0.9%
2.1%
▲8.7%
2.5%
2.1%
1.5%
1.1%
1.1%
2,164,611
2,364,695
2,624,049
2,219,587
2,217,528
2,253,300
1,046,865
1,094,081
1,183,401
1,044,980
1,122,400
1,145,200
535,422
679,160
782,556
540,951
571,983
567,200
196%
161%
151%
193%
196%
202%
24.7%
28.7%
29.8%
24.4%
25.8%
25%
▲ 1,495.70
479.90
354.20
▲ 1,425.00
44.00
109.72
(*1)
4,477.60
5,679.00
6,542.60
4,522.80
4,782.25
4,742.29
(*1)
3,090
4,020
4,080
2,290
3,500
3,520
(*2)
-
8.38
11.52
-
79.55
32.08
(*3)
0.69
0.71
0.62
0.51
0.73
0.74
(*3)
期末PBR(倍)
ROA (註2)
総資産
有利⼦負債
⾃⼰資本
期末PER(倍)
1株当り純資産額 (円)
期末株価 (3/31終値)
(年度)
売上⾼
営業損益
経常損益
当期純損益
売上⾼経常利益率
ROE (註1)
ギアリング・レシオ
⾃⼰資本⽐率
1株当り当期純利益 (円)
36
(余⽩)
参考)定期コンテナ船事業会社 統合作業の進捗について
37
38
ONE
2016/10/3
1
2017/5/31
2017/7/7
2017/7/10
2017/10
2018/2
2018/4/1
定期コンテナ 船事業統合 を発表 新会社の商標 および 拠点を発表 新会社設立を 発表 新会社社長 および ロゴを発表 営業活動 開始 システム稼働 および Booking開始 新会社 サービス開始 全体の進捗状況:当初の想定から変更無し
2017年7月10日記者会見の様子(左から川崎汽船:村上英三、商船三井: 池田潤一郎、Ocean Network Express:Jeremy Nixon、日本郵船:内藤 忠 顕)新会社Ocean Network Expressの頭文字をとって略称ONEと設定
Ocean Network Express
Ocean Network Express
統合作業の進捗状況(2/3)
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地域統括拠点(Regional
Head Quarter)および各国
現地法人の設立状況
シンガポール本社 Marina One に決定。 1月OPEN予定
全ての地域統括拠点(シンガポール、香港、 英国、アメリカ、ブ
ラジル)および日本総代理店ONE JAPANで業務開始
その他各国現地法人の設立も進捗中
独禁法認可
南アフリカ共和国のみ審判請求手続中で2018年1月に結審見
込み
上記国を除き、統合事業に必要な手続きは完了
顧客との輸送契約
(入札)
2018年4月以降発効の年間契約等について顧客の入札スケ
ジュールに合わせて順次応札開始(*)
(*)除く南アフリカ航路
ベンダー契約
2018年4月以降発効のベンダー契約に就いて2017年10月より
交渉開始 (*)
Ocean Network Express
統合作業の進捗状況(3/3)
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ITインフラ
ベストプラクティスを結集した基幹システムを構築完了(17年8月)
18年2月ブッキング受付に向けたトレーニングを世界各地で開始
(17年9月~)
E-commerce :顧客利便性を追求した多機能ホームページを開発中
安全運航、環境
本社に最先端の24時間オペレーションセンターを設置予定
独自の安全運航基準を策定作業開始
ISO14001 取得に向けて準備開始
コーポレート機能
監査法人の決定
決算期 4月~3月期に決定
より効率的な資金管理のためGlobal Cash Management System
の採用を決定
【お問い合わせ先】