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§11. 成層圏オゾン層

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Academic year: 2021

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(1)
(2)

※紫外線予測分布図

• SPF (Sun Protection Factor) → UV-B • PA (Protection grade of UV-A) → UV-A

気象庁 http://www.jma.go.jp/jp/uv/ UV-C: <280 nm

UV-B: 280-315 nm UV-A: 315-400 nm

(3)
(4)

4

(5)

§7. 成層圏オゾン層

• オゾン (O

3

) とは?

– ギリシャ語 ozein (臭いがする) の現在分詞 ozon に

ちなんで 1840年 C.F. Schonvein (クリスティアン・

シェーンバインが名前を付けた)

– 雷, 古いコピー機

– 大気中のオゾンの約9割が成層圏 (1割が対流圏)

– 成層圏ではオゾン層

対流圏では OH の生成源

– 強い酸化力

→ 生物組成 (人間・植物) を酸化 → 大

7-1. オゾン

(6)

大気中のオゾンの役割

• 成層圏オゾン:

有益

(紫外線から生物を守る)

善玉オゾン

• 対流圏オゾン:

有害

(直接的に植物・生物にダメージ)

悪玉オゾン

(7)

Liou, 2002

オゾンによる太陽光の吸収

– 1880年代シャピュイ (J. Chappuis) と ハートリ (W. N. Hartley) 1Å = 10−10 m= 0.1 nm UV-C: <280 nm UV-B: 280-315 nm UV-A: 315-400 nm 気象庁

(8)

オゾンの吸収帯

(9)
(10)

オゾンの鉛直分布 (緯度・高度断面)

• 極大は熱帯下部成層圏

→ 中緯度は熱帯から極方向の輸送により支配

◎ 混合比と密度で極大となる高度が異なる

(11)

※ オゾンの測定方法 (例)

①紫外吸収光法

• 水銀線の 253.7 nm の吸収 (まさにオゾン層)

②オゾンゾンデ

• ヨウ化カリウム (KI) 溶液 → オゾン → 電流

• 気球に搭載し、鉛直分布を測定 → ECC オゾンゾンデ

③ドブソン分光器

• 対流圏積算量 (地表から大気上端までのオゾンすべ

ての積算量。このオゾンを 1気圧、0℃に集めたとき、

1mm = 100

DU

(

ドブソンユニット

)

④人工衛星による観測

(12)

※紫外吸光法によるオゾンの測定

• (上) オゾン

• (下) 一酸化炭素

(13)
(14)
(15)

• オゾンゾンデ (Ozonesonde) は気球に取り付けて

オゾンの鉛直分布を測定できる (地上~35 km)

• 現在の主流は ECC (Electrochemical

Concentration Cell) オゾンゾンデ [

Komhyr ,1969

]

• 濃度の異なるヨウ化カリウム (KI) 溶液を二つの

白金電極を入れた容器に入れる (Ion Bride)

• 大気中に含まれるオゾンが溶液に取り込まれる

と電荷を放出し、電流が流れる。電流量からオゾ

ン濃度を算出する

(16)

※地上からのオゾン全量観測

ドブソン分光光度計 ブリューワー分光光度計

(17)

人工衛星 (Aura/OMI) によるオゾン全量観測

(18)

7-2. オゾン層とチャップマン機構

① O

2

+ ℎ𝜈 → 2O

𝑗

1

(𝜆 < 242 nm)

② O + O

2

+ M → O

3

+ M (𝑘

2

)

③ O

3

+ ℎ𝜈 → O(

1

D) + O

2

𝑗

o3→O(1D)

(𝜆 < 320 nm, Hartley bands)

O(

1

D) + M → O + M

O

3

+ ℎ𝜈 → O + O

2

𝑗

o3→O

(𝜆 = 400 − 600 nm, Chappuis bands)

𝑗

3

= 𝑗

o3→O

+ 𝑗

o 3→O(1D)

④ O

3

+ O → 2O

2

(𝑘

4

)

• 上記4つの反応をチャップマン機構 (Chapman Mechanism) (純酸素大気の理 論) といい、成層圏オゾンの生成・消滅の理解の基礎となっている。 ※ チャップマン (英国人物理学者. 1930年にオゾン層のメカニズムを提唱 ) 18

(19)

➂の反応で生成された酸素原子は 三重項状態 (基底状態) O(3P) と一重項

状態 (電子励起状態) O(1D) があり、O(1D) は三体反応によりエネルギーを

失う。

(20)

𝑑 O

3

𝑑𝑡

= 𝑘

2

O O

2

M − 𝑗

3

O

3

− 𝑘

4

[O][O

3

]

𝑑 O

𝑑𝑡

= 2𝑗

1

O

2

+ 𝑗

3

O

3

− 𝑘

2

O O

2

M − 𝑘

4

[O][O

3

]

ここで、 O + 2 O2 + 3 O3 = 一定、であることに注意 • O𝑥 ≡ O + O3 とすると、 𝑑 O𝑥 𝑑𝑡 = 𝑑 O 𝑑𝑡 + 𝑑 O3 𝑑𝑡 = 2𝑗1 O2 − 2𝑘4[O] O3 となる。 • 定常状態 (時間変化しない → 時間微分がゼロ) を考えると、 𝑘2 O O2 M = 𝑗3 O3 + 𝑘4[O][O3] 𝑗1 O2 = 𝑘4 O O3 となる。 20

(21)

• 成層圏では、𝑗

3

≫ 𝑘

4

O が知られており、

[O]

[O

3

]

=

𝑗

3

𝑘

2

O

2

[M]

となり、2つの式を解くと、

O

3

= [O

2

]

𝑗

1

𝑘

2

[M]

𝑗

3

𝑘

4

となる。

𝑗3 𝑗3 𝑗1 𝑗1

(22)
(23)

(オゾン層破壊の科学, 北海道大学出版)

• チャップマンメカニズムを用いると、現実のオゾンよりも多い

→ オゾンを壊す反応があるはず。

(24)

7-3.

触媒反応サイクル (オゾン破壊連鎖反応)

• オゾンの破壊触媒反応サイクル (𝜒: 触媒)

𝜒 + O

3

→ 𝜒O + O

2

𝜒O + O

3

→ 𝜒 + 2O

2

(正味)

2O

3

→ 3O

2

• 触媒の例

– OH (水酸化物ラジカル: OH

𝑥

)

– NO (窒素酸化物ラジカル: NO

𝑥

)

– Cl (塩素ラジカル: ClO

𝑥

)

24

(25)

(問)

① 成層圏が上空ほど気温が高い理由を述べよ。 ② オゾン混合比とオゾン数密度の極大となる高度が異なるのはな ぜか? ③ チャップマン機構において、オゾンの存在量はどの反応によって 決まるか? ④ 何らかの理由で成層圏オゾンが減少した場合、成層圏オゾン量 および気温はどのように変化すると考えられるか?チャップマン 機構のみが成り立っているものとして考えよ。 ⑤ 触媒反応サイクルとは何か説明せよ。

(26)

7-4. 極域でのオゾン消失&オゾンホール

• 1970年代 南極上空でのオゾン濃度の減少

– 南極ハレーベイでのオゾン減少 (

Farman et al.,

1985

)

– 昭和基地でのオゾン減少 (

Chubachi, 1985

)

• 人工衛星観測での確認

– TOMS は当初異常データとして処理していなかっ

たが南極での観測事実から再計算

★オゾンホールの発見★

26

(27)
(28)

昭和基地におけるオゾンの変動 (オゾンゾンデ)

(29)
(30)

昭和基地におけるオゾンの変動 (オゾンゾンデ)

(31)

オゾンホール (Ozone hole) とは?

• 南極 ・北極でのオゾン積

算量の減少

• 人工衛星画像から穴が

開いたように見えるので

オゾンホールと呼ぶ

(32)

人工衛星観測 (TOMS, OMI)

(33)

人工衛星によるオゾン観測 (北極の

オゾンホール) Aura/OMI

(34)

オゾンホール面積と南半球のオゾン全量の最小値

(35)
(36)

O

3

と ClO の人工衛星による観測 (MLS )

(37)

塩素系触媒反応サイクル

★ O

3

と ClO が強い逆相関 → 塩素ラジカル

Cl + O

3

→ ClO + O

2

(38)

極渦

(極域の低気圧性循環)

• 極渦の内側は極低温

(39)
(40)

極成層圏雲

PSC (Polar Stratospheric Cloud)

• 極渦 → 極低温

→ PSC 生成

– タイプI ~ 1μm

– タイプII 数μm –

100μm

– NAT (HNO

3

・3H

2

O)

40

(41)

(※参考)

CALIPSO/CALIOP によ

る PSC 観測

(42)

オゾンホールの形成

① 下部成層圏 (通常期の塩素を含む化合物)

ClO + NO

2

+ M →

ClNO

3

+ M

Cl + CH

4

HCl

+ CH

3

② 極低温下

→ PSC → PSC 上での

不均質反応

ClNO

3

+ HCl →

Cl

2

+ HNO

3

ClNO

3

+ H

2

O →

HOCl

+ HNO

3

HOCl + HCl →

Cl

2

+ H

2

O

BrNO

3

+ HCl → BrCl + HNO

3

Cl

2

, HOCl が生成 & NOx 除去

(

PSCで硝酸として “脱窒”

)

(43)

③ ClOラジカル, ClOOCl の生成

Cl

2

+ hν → 2Cl

HOCl + hν → Cl + OH

Cl + O

3

ClO

+ O

2

(NOx は大気から取り除かれる。 O の濃度も低い)

→ClO 濃度増加 → ClO 自己反応

ClO + ClO + M →

ClOOCl

+ M

ClOOCl + M → 2

ClO

+ M

④ 春のオゾン破壊 (太陽光照射)

ClOOCl + hν → ClOO + Cl

ClOO + M → Cl + O

2

+ M

Cl の再生 → オゾン破壊

(44)

• Br (臭素) の触媒反応

BrCl + hν → Br + Cl

Br + O

3

→ BrO + O

2

BrO + ClO → Br + Cl + O

2

→ BrCl + O

2 44

(45)

南極のオゾンホール形成過程 (まとめ)

極低温

脱窒

(46)

※北極 ”初の” オゾンホール(2011年)

46

(47)

※オゾンホールの対策

• 成層圏のオゾン破壊をもたらす CFCs (クロロフルオロ

カーボン; 日本ではフロンという)

• 1985年3月22日、オゾン層保護を目的とした国際協力

ための基本的な枠組みを設定する「オゾン層保護の

ための

ウィーン条約

」が採択 (172カ国とEC(欧州共同

体)

• 1987年9月16日、上記のウィーン条約の下、オゾン層

を破壊するおそれのある物質を特定し、その生産と消

費と貿易を規制して、人の健康および環境を保護する

「オゾン層を破壊する物質に関する

モントリオール議

定書

」が採択 (171カ国とEC)

(48)

48

(49)

フロンガス (CFC-11) の増加

(50)

参考文献 (さらに勉強するために)

• オゾン層破壊の科学 (北海道大学出版会) • 大気科学講座3 成層圏と中間圏の大気, 松野太郎・島崎達夫著, 東 京大学出版会 • 大気化学入門 (東京大学出版会, D.J. ジェイコブ著、近藤豊 訳) • 地球環境の事典 (朝倉書店, 吉崎正憲・野田彰他編) 「成層圏光化学 とオゾン層」 「オゾン層破壊」 • 越境大気汚染の物理と化学 (藤田慎一 他, 成山堂書店) • 環境省 webpage

• The Stratosphere: Dynamics, Transport, and Chemistry (Polvani et al Edit., AGU)

• Atmospheric Chemistry And Physics , John H. Seinfeld and Spyros N. Pandis, Wiley-Interscience

• Mathematical Modeling of Atmospheric Chemistry, GP Brasseur and DJ Jacob

参照

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