ネットワーク構成論 I
第2章ネットワークを支える技術
ネットワーク構成論 I
情報システム学研究科
概要
物理ネットワークの形態
イーサネット
トークン・リング
FDDI
ATM
その他
物理ネットワークの形態
Internet
– 物理的なネットワークではない – 異なったハードウェアによって実現されている ネットワークを統合的にアクセスできるように する技術 伝送媒体
磁気メディア、ツイスト線、同軸ケーブル、 光ファイバー、無線通信
磁気メディア
– 25GBのDATテープを50本かばんに入れて 運ぶ.1時間で届ければ2.8Gbps – 遅延が大きい ツイスト線
(電話加入者線、UTP) – 2,3Kmならば数Mbpsの伝送能力をもつ。 • 距離、線の太さによる. (ADSL) – 干渉を除く. 同軸ケーブル
– 10Mbps 1km (50Ω) – Tコネクタ、vampire tapツイスト線
Vampire Tap
Yellow cable
光ファイバーケーブル
multi-mode と single-mode 1Gbps, 1km
LED, laser diode と photodiode
光のオン・オフでディジタル通信
vampire tap がむつかしい → 長短あり
多くは点対点で一方向で利用する.
細くてすむ. 長距離に適する.
光波長多重
MAPOS
NTT未来ねっと研究所 622Mbps, single mode ファイバー 2.4Gbps~20Gbpsへの 実験無線通信
無線LAN、赤外線通信、マイクロ波通信
衛星通信 トランスポンダ
– 500MHzを36MHz毎に分ける→50Mbps – 遅延の問題 • 250msから300ms • マイクロ波 3μ秒/km, 同軸ケーブル 5μ秒/km • 帯域幅が狭ければ地上通信でも同じ – 放送性、秘匿性 PHS, 移動通信
アナログ伝送とディジタル伝送
アナログ伝送
– モデム • PAM, FSK, PM, QAM 搬送波を用いる. – RS-232C, RS-449 ディジタル伝送
– PCM通信の規格T1 (1.544Mbps) • T2(6Mbps), T3(45Mbps), T4(274Mbps) 規格
– コネクタ、信号線、電圧レベル、呼接続手順ネットワーク通信の技術
回線交換
– 呼接続により回線を切り替えて、占有する. メッセージ交換
– 蓄積交換 store-and-forward パケット交換
– パケット(データの小包)単位の通信 – 通信路を占有しない.
回線交換
– 容量の保証、他の通信が邪魔をしない。 – コストはトラフィックに無関係 パケット交換
– 多重利用 – 容量がトラフィックによる(保証されない) ) 多くのコンピュータが通信路をshareできる. ¿ 相互接続の経費が小さい ) capacity ¿ 技術の進歩(高速化)で問題が少なくなった。ネットワークといえばパケット交換網をさす.
LANとWAN
WAN
– 通信事業者による – 点対点 (point to point) 接続 LAN
– 半径数km – 数Mbps以上 – 単一組織による所有 – 多重アクセスネットワーク多重アクセス・ネットワーク
静的割り当て
– FDM(TDM) 周波数(時)分割多重 • 通信路を占有できる 少数、重いトラフィックに有利 • 多数のユーザ、バースト・トラフィックに不利 – ほとんどの通信路がほとんどの時刻でIDLE 動的割り当て
– Aloha, Ethernet, Token-ring, FDDI – ランダム多重アクセス
動的割り当てモデル
局モデル
N
個の独立な局で独立に生起
単一通信路の仮定
衝突の起きる可能性
連続時間/スロット時間
Aloha Protocol
衛星によるハワイ大学のネットワーク
– 局は送信通報があればすぐに送信 – 衝突であればランダム時間待ち、再送衝突なしでどのくらいの%が送信できるか?
t t 衝突可能区間 時刻 t: 1フレーム時間 衝突フレーム 送信フレーム– 無限に多いユーザ – 1フレーム時間に発生するフレーム数は平均 がS のPoisson 分布をする. (0<S<1) – 再送を含めて1フレーム時間に送信されるフ レ ーム数は平均値G のPoisson 分布をする. offered load throughput ただし はフレームが衝突しない確率である. S≦G である.
k フレームの発生する確率は
!
]
Pr[
k
e
G
k
G k −=
0GP
S
=
G
0P
Pure Aloha のスループット解析
– 0個のフレーム生起の確率 – 衝突しない確率 – スループット Slotted Aloha
– すべてのフレームは同期してスロット内に生起 – 完全な衝突か、完全な分離 Ge
P
0=
−2 Ge
−=
]
0
Pr[
GGe
GP
S
=
0=
−2 GGe
S
=
−Aloha のスループット
(平衡状態)
ス ル ー プ ッ ト Offered traffic S G Slotted Aloha Pure Aloha 18% 37%Aloha プロトコルの性能
Slotted Aloha は G=1 のとき最大 S
37%がアイドル、37%が成功、26%が衝突 平均待ち時間 E の指数関数的増大
– 衝突なし 衝突あり – k 回送信でやっと成功368
.
0
/
1
=
=
e
S
Ge
−1
−
e
−G 1)
1
(
− − −−
=
G G k ke
e
P
∑
∞ ==
=
1 k G ke
kP
E
Carrier sense protocol
1 persistent CSMA – 空いていれば使う. – ビジーなら待ち、空いたらすぐ使う. non-persistent CSMA – 空いていれば使う. – ビジーなら衝突サイクルへ入る. p-persistent CSMA – 空いている限り確率 p で使う. • 途中でビジーになると衝突サイクルへ入る. – ビジーなら空くまで待って上の処理へ入る. ) 衝突サイクル→ ランダム時間待ち、再試行CSMA protocol の特性
offered traffic G ス ル ー プ ッ トS
衝突検出 CSMA/CD
キャリア検出のほかに衝突検出も行う.
– キャリア・センスをしても衝突はなぜ起きるか. • 最大伝搬時間をτとすると 2τは衝突がわからな い. • 同軸ケーブルでは τ=5μ秒 – 時間幅2τのslotted alohaと同じになる. – 衝突検出はアナログ処理である. • 記号 “0” が 0 ボルト信号だとわからない. • Manchester codingIEEE 802
802.3
Ethernet
802.4
Token Bus
802.5
Token Ring
– 標準 • 異なるコンピュータが接続可能 • 市場の拡大、生産の合理化、安価・大量– De facto (from the fact - 実質的な標準) – De Jure (by law - 正式な標準)
標準化
2匹の象の啓示
標準化が遅くても早くても不可
– 早過ぎると → 正しくない選択 – 遅すぎると → ばらばらな投資 研究 標準化 大量投資 時間 活 動
1973年MITの学生 → Xerox
– Ethernet – DEC, Intel が後押し – コントローラ・チップ LANの実質標準 GM (General Motors)
– Token Bus – 日本の自動車メーカーとの競争 – ラインの制御 → 最悪の遅延時間を押さえる. IBM
– Token Ring – IBM Zurich – 高信頼、保守性その他
IEEEの後押しでLANの標準化
大騒ぎになった
– Ethernet
• Xerox, DEC, Intel, オフィス・オートメーション – Token Bus • GM, 下請け, ファクトリ・オートメーション – Token Ring • IBM, 多くのその他
結局タオルが投げられ、・・・
– 無いよりはまし. – 3つの標準ができた → 上位の規格を合わ せたEthernet
1 persistent CSMA/CD with binary
exponential back-off
– キャリア・センス • 空いていれば出る. • 空いていなければ空くまで待って出る. – 衝突が起きたら、すぐにやめて • ランダム時間待って繰り返す. • 待ち時間は繰り返しのつど最大値が2倍になる 待ち時間=(0,1) の一様乱数× その他の規格
k2
Ethernet
性質
– 分散アクセス制御 – バス: すべての局がひとつの通信路を共有 – boadcast: すべての局がすべての伝送を受け る – Manchester 符号 – ジャム 数10ビットEther frame
Self identifying
– プリアンブル 64ビット – あて先 48ビット – 発アドレス 48ビット – フレーム長 16ビット – データ 368~12000ビット – CRC 32ビット • データ部分は1500オクテット以下802.3の能率
ネットワーク機器
トランシーバ
リピータ
ブリッジ
ハブ
スイッチング・ハブ
ルータ
ゲートウェー
Ethernet ネットワーク機器
リピータ/ブリッジ トランシーバ
Ethernet ネットワーク機器
Ethernet ネットワーク機器
マルチホーム・ホスト
ゲートウェー