「がんと心の関係」を明らかにする学問は、欧米にお いて1970年代から注目されるようになりました。「がん と心」の研究には二つの主なテーマがあります。 ひとつは、「患者さんの心や行動が、がんにどのよう な影響を与えるか」の研究です。心や行動をよい方向に 持っていったり、前向きな態度をとったりすると、がん にかかりにくくなるのではないか。また、がんをかかえ ていたとしても長生きできるのではないか、ということ が話題になることがあります。しかし、残念ながら現在、 そういったことががん患者さんの生存期間に直接関係す るという科学的な研究の結論にはいたっておりません。 ただ、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上に寄与 するということはありますから、このことが服薬遵守行 動などを介して間接的に長生きに影響しているかもしれ ません。はっきり言えるのは、がん患者さんがこれまで の生き方を大事にして自分らしくがんと向き合うこと、 そして絶望的になったり、気持ちが沈んだままのうつ病 やうつ状態になったら、早目に手当てをしていくという ことが最近の主なテーマになっているということです。 もうひとつは、「がんが、患者さんやご家族、そして 患者さんを支える医療スタッフの心にどのような影響を 与えるか」というテーマです。今回は「がんが患者さん の心に及ぼす影響」と「ご家族の役割」についてお話し ます。
「心の痛み
∼がんが心に及ぼす影響と家族の役割∼」
内富 庸介
先生
(国立がんセンター 東病院臨床開発センター 精神腫瘍学開発部長) がん患者さんとその家族の方々への精神的な支援を考える「がん−医と心を考える」セミナーが 2006年3月、東京で開催されました(主催:がん−医と心を考える会、ジャパン・ウェルネス)。 「がん」と診断を受けたとき、そしてまた進行、再発という辛く厳しい試練に遭遇したとき、私たち は「がん」とどのように向き合えばよいのでしょうか。医師や病院、関係機関をどう活用するか。ご家 族は、患者さんにいかに接するべきか。そのような問いに対し、国立がんセンターで診療とともに、 「がんが心に及ぼす影響」の研究活動をされている内富 庸介先生にご講演いただきました。 2006年『がん−医と心を考える』セミナー(1)
アストラゼネカ㈱は、当セミナーに協賛しています。
がん−医と心を考える会 がんにかかった際の対処方法、その後の生き方等の医療情報を提供しています。当会の委員は、がん分野の医師・医学関係専門家、 がん経験者、介護経験者、カウンセラー、その他各界のリーダーで構成されており、趣旨を同じくする国内外の会社・団体・組織等 と協力・連携して活動を推進しています。 ジャパン・ウェルネス がん患者の方々が、同じ悩みを持つ仲間の話を聞き、社会心理的な問題(無用の孤立、絶望感、主体性の喪失)を解消し、勇気と希 望をもって病気と向き合うためのサポートを行う特定非営利活動法人(NPO)です。す。この感情は、がん患者さんがご自身の将来を決める 上での判断材料に大きく関わります。 つまりがんと伝えられ、ひとつの治療を決めるまでに は、頭の中の「知」と「情」をフル活動させて、最終的 に治療方法を選ぶことになります。そういうことは、外 から見ているとなかなかわからないものですが、それだ け頭を使うと頭が疲弊し、中には重い落ち込みの状態に なる人もいます。実際、患者さんにとっては、心の持ち 方に様々な変化が生じるために、この時期が精神的につ らい時期と言えます。 ・がんに対する心の反応とは… はじめてがんの疑いをもち検診を受けている時、結果 が気がかりとなり、身体的には以前とそれほど変らず、 日常生活にも支障があるわけでもないのに、少なからず 生活を楽しめないというように感じたりします。 そして検査結果が出揃って、ある日、医師から“がん” と伝えられると、患者さんの心の中では直下型の大地震 に襲われたかのような衝撃が2∼3日にわたり駆け巡り ます。そしてがんを否定したくなったり、自分はもうだ めだと絶望したり、なぜ自分なんだという怒り、嘆きが 生じたりするなど、さまざまな思いが頭の中を駆けめぐ ったりします。 その後2週間の間に、心の負担、悲嘆、落胆、うつ、 不安、そして食欲がわかない、眠れない、集中できない ・軽い落ち込みとは?重い落ち込みとは? がんが心に及ぼす影響で大きな問題は、「落ち込み」 です。「落ち込み」には、“軽い”落ち込みと“重い”落 ち込みがあります。“軽い”落ち込みは、専門用語で 「適応障害」といい、家事や仕事が手につかない軽い風 邪のようなものです。一方、“重い”落ち込みは「うつ 病」、あるいは「うつ状態」といい、重い風邪、肺炎の ように心に激痛をもたらします。“うつ”は、がんを抱 えていなくても、10人から15人にひとりは生涯に一度 は経験すると言われています。 この「適応障害」と「うつ病」「うつ状態」を合わせ て「抑うつ」と呼びますが、「抑うつ」がもたらす問題 は、人生の意味の喪失感を含むQOLすべての側面が低 下するということです。この状態に陥ると、周囲からひ きこもり、人との関係を悪くし、ひいては自分の人生に は何も意味がない、迷惑をかけるばかりだったのではな いかと思い込んだりと、身体的な痛みだけでなく精神的 にもマイナスに感じてしまいます。 最近の研究により、がん患者さんがうつの状態になる と、「病院に行きたくない」「もう検査を受けなくていい」 「治療も途中でやめたい」などと思い、がんと前向きに 取り組めなくなる傾向にあることが分かってきました。 そして、なかには進行がんと診断されただけで、余命わ ずかの末期のがんであると誤解したりして、自ら命を絶 たれる方もいます。 「抑うつ」につながるひとつの契機として、インフォ ームド・コンセント(説明と同意)の場面が考えられま す。この時の人の心は、「知」(知識)、「情」(感情)、 「意」(意思・意識)という三つの言葉で表わすことがで きます(図1参照:インフォームド・コンセントと心の 機能)。医師からがんに関する情報が伝えられ、説明を 受けると、患者さんの頭の中では、がんについて既に知 っている知識の「知」の部分と、悲しみ、怒り、幸せ、 恐怖といった感情の「情」の部分で衝撃が駆けめぐりま 図1
■がんが心に及ぼす影響
心の負担のひとつに「疎外感」があります。ここで 「疎外感」を理解する上でよく使われる例題をご紹介し ましょう。会社の営業部に所属する山田さんという人が、 胃がんと診断され入院している時、山田さんはご自身と がんの関係をどのように考えるでしょうか。今までの仕 事や社会生活から切り離されて疎外感が強い時は、「営 業部の山田」ではなく、「がん患者の山田」だと強く感 じることでしょう。英語で言うと、「I have Cancer」で はなく、「I am Cancer」と感じていることでしょう。こ のような気持ちの違いは、疎外感によって心の「情」の 部分が強く働くことから生まれます。しかし、がんに関 する知識が増えて「知」の部分がより強く働くようにな ると、身体の中にあるがんを身体の外にあるような感覚、 「I have Cancer」で捉えられるようになります。
人間の心にはこのように常に「知」と「情」のふたつ のチャンネルがあり、「知」と「情」は表裏一体で一緒 に動いていきます。患者さんとの対話でも、後で「そう いうつもりでこの治療を決めたわけではなかったのに …」ということがよく起こります。患者さんご自身、ご 家族、医療スタッフは、今、患者さんが、または自分が どちらのチャンネルで話をしているのかを理解・確認し あい、お互いの誤解を生じさせないようにすることが大 切です。 ・重い落ち込みの時… 多くの患者さんは、がん診断後に限らず、退院後に実 生活に戻ったり、また抗がん剤治療を中止したり、ある いはがんが再発した時など、さまざまな時期にいろいろ な落ち込みを経験することがあります。まわりのご家族 もそのことを意識し、患者さんに重い落ち込みがある時 には、医師、看護師、患者家族相談室のソーシャルワー カーに相談してください。多くのがん専門病院や総合病 院、大学病院には、心の専門家がいます。 といった症状をようやく自分のこととして自覚できるよ うになり、見かけ上、日常生活の最低限の状態に適応し ていくようになります。そして、人によって回復時期は 様々ですが、衝撃から早くて2∼4週間、遅くて3ヵ月を 経ると、現実的な対応や情報を収集したりすることでご 自身で態勢を建て直し、疎外感や孤立感に向き合うよう になります(図2参照:がんに対する心の反応)。 これは、がんに対する心の健康的な反応です。つまり 人間には、なんとか衝撃を和らげて自分自身を取り戻そ うとする心の働きが備わっています。がんになる前にも、 いろいろな場面で人生の大きな問題に取り組んできた経 験や歴史がありますので、それぞれ自分らしく、そのと きの状況を思い出しながら、これからの対処法を模索し ます。心の中では不安な気持ちを抱えながらも、がんに ついての情報を集めたり、医療保険について調べたり、 会社などの休職の手続きをとったりと、現実的な問題に 向き合い始めます。 がんが進行している状態であっても、「自分の足でト イレに行ける」「自分の手で食事が食べられる」などの 日常生活に支障がない限り、「自分に限ってがんは良く なる」というように理解でき、楽観的な見通し(健康な 否認)をもつようになるのが一般的です。逆にそう思え ない時は、心の負担が重くなりすぎていると理解するの がよいと思います。
■がんと上手に向き合う
図2重い落ち込みを診断する上で、いくつかのチェック項 目があります(図3参照:重い落ち込み(うつ病)の診 断)。朝起きたものの仕事に行きたくない、とにかく気 持ちがすぐれない、人にも会いたくないなどというよう な「抑うつ気分」。孫の写真を見ても何とも思わないな どの「興味・喜びの低下」。人に迷惑をかけるばかりだ、 自分は価値がない人間だと感じるなどの「自責感」。焦 ったり、動作や思考がゆっくりになる「焦燥感・制止症 状」。誰も知らないところに一人で消えてしまいたい、 人に会わないところに行ってしまいたい、死にたいとい った強い死への願望(希死念慮)。そのほか「眠れない」 「集中できない」「食欲がない」「だるい」といったがん 治療の副作用に関係するような症状などです。 これら図3に示した9つの症状のうち、「抑うつ気分 * 」、「興味・喜びの低下* 」のいずれか1つを含み、5項 目以上の症状があれば、「うつ病」を疑って、早めに専 門家に声をかけていただくことが必要です。 まず、自分が持っているがんについての色々な情報を 整理することです。そして、これまでに感じたり受けた 怒りや悲しみ、不安や恐怖という感情や気持ちを周囲や 身近な人に打ち明けるとよいでしょう。そういった寄り 添ってくれる人の存在は非常に大きな助けになります。 身内以外にもがん患者さんの先輩、患者会やサポートグ ループなどに参加すると色々な情報が得られます。情報 (「知」)と気持ち(「情」)の両側面を整理することによ って、次の行動の一歩が踏み出せ、意思決定ができるよ うになります。 患者さんやご家族が気持ちの落ち込みに上手に対処し ていくために、担当医に伝えて欲しいことがあります。 それは、自分のがんをどこまで理解しているか、自分は どこまで知りたいか(今日はこの程度まで、大事な話で あっても次回家族とともに聞きたいなど)、どのように 伝えてほしいか(検査のたびに少しづつ、検査終了後に すべての結果を知りたいなど)の3点です。それらを事 前に担当医にきちんと伝えることが、ショックを和らげ ることにもつながります(図4参照:担当医に伝えてお きたいこと)。 ・再発・進行の不安を抱えたら… 入院中は、医師や看護師、同じ患者さんがいるという 恵まれた支援体制下にあります。それが退院した途端、 まわりに誰もいないような孤立感を味わいます。それは 初めての水泳体験に似ています。入院時のサポートは、 水泳の練習を“足がつくプール”の中でしているような もので、それほど不安にならないものですが、退院後は いきなり“沖合い”に投げ出されるようなものです。退 院後、特に最初の1年は、がん治療の後遺症の影響など、 普段の生活に復帰するにはかなりつらいものがありま す。そして再発の確率が高いと考えられる期間は、身体 図4 図3
にちょっとでも違和感があるというだけで再発を疑うな ど心が常に緊張状態にあります。しかし、再発のリスク が減ってくるおおよそ3年が過ぎると、がんを忘れる時 間が増し、ようやくがんになる前と後の人生の再設計・ 再統合が始まります。 実際に再発・進行した場合には、患者さんも家族も知 識がかなり増えていますので、前段階の時のような期待 含みの受け取り方はできず、こうすればよくなるのでは ないかといった楽観的な見通しも持てなくなったりする ことがあります。このような状況の中では、患者さんも 医師もすぐ次の段階に治療を進めようとします。しかし、 そこでボタンのかけ違いをしないようにするためにも、 まずは少し時間をかけて、患者さんやご家族の人生観、 価値観、意向といったものをもう一度しっかり考慮に入 れて、知識(「知」)と感情(「情」)の両面をゆっくりめ ぐらせながら、治療の選択をするのが良いでしょう。 その時には、担当医以外の専門家の意見も取り入れる 余裕を持ち、セカンドオピニオン* を求めることも視野 に入れることです。また、全ての事態を頭だけでなく気 持ちの面においても受け入れることが重要です。当然、 やり残した仕事への執着、家族を残すことへの不安、見 捨てられるのではないかという不安といったさまざまな 感情が伴うこともありますが、身近な人に気持ちを率直 に打ち明け、誇りにしている過去の出来事や思い出を大 事な人と振りかえることによって、過去と現在を共有し、 たとえ不確実な将来のことであっても現実味のある目標 や希望について話し合うとよいでしょう。こうすること で、自分らしいがんとの向き合い方を見つけることがで きると思います。 がんを疑い、がんと診断され、治療・退院を経て実生 活にもどる過程で、患者さんは心の専門家を必要とする 場面があります。心の専門家は、次の三つのリハビリテ ーションを行います。 まず一つ目は、「カウンセリング」です。カウンセリ ングでは、心を通して、心の大きな痛手を治します。患 者さんは、これまでの人生でがんに匹敵する、あるいは それほどでなくともいろいろな困難に向き合ってこられ た経験、歴史を持っています。また財産、業績といった ものもあります。それらの「過去」を紐解いていくと、 必ず最良の取り組み方が見つかりますので、その見つけ る作業を患者さんと一緒になってやっていきます。つま りカウンセリングでは、情報を整理し、事態を正しく理 解するための援助を行うのです。人間は元々自分自身で 危機に対処できる能力をもっていますので、自らの苦し みを周囲の方に理解してもらえるような環境を提供して あげると、自然に自分自身で対処する力を回復していか れる方が多いのです。 二つ目は、身体を動かすことで心を癒す「リラックス 法」です。頭の先の筋肉からつま先の筋肉までギュッと 収縮しては緩めることをだいたい1回15∼20分、1日3 ※セカンドオピニオン セカンドオピニオンとは、文字通り「第二の意見」と訳されるが、医療現場では「主治医の診断や治療方針に対する別の医師の意見」 ということになる。医師によって病気及び治療に対する考え方が違うことがあり、同一の病気や状態に対しても複数の治療法の選択肢が 存在することが認識されてきた。また、医師や病院によって、医療技術や診療の質に差がある場合もある。このような場合、自分にとっ てより最善・最良と考えられる医療を患者と主治医で判断するため、主治医以外の医師の意見を聞くことがセカンドオピニオンである。 1970年代の米国において患者の基本的人権の保護が確立され、どのような医療を受けるかを自分で納得して決める権利を行使するため に必要な情報を得る手段として普及してきた歴史がある。セカンドオピニオンを受けることにより結果的に医師や病院がかわることがあ るが、主治医と良好な関係を保ちながら複数の医師の意見を聞き、自分の病気の治療などに対する判断の参考にするためであり、医師や 病院をかえることが目的ではない。 (九州がんセンター サイコオンコロジー科 大島 彰先生)
■「心の痛み」を治す専門家の役割
回程度行います。がん再発の不安という緊張の連続で、 いつ地雷を踏むのではないかといった戦闘態勢のような 緊張した状態から、発病以前のリラックスした状態へと 身体を癒していきます。 そして三番目は「薬物療法」で、抗不安薬、睡眠導入 剤、場合によっては抗うつ薬といった薬剤を使用します。 患者さんと接する中でよく聞かれることに、「心のつ らさを病院で話したりするのは場違いではないか」とい うことがあります。心の専門家に相談することをためら ったりすると、自分が一番希望する治療を受けられなく なるかもしれません。心の専門家に相談することをため らう必要はありません。それは精神的な弱さではなく、 むしろ強さの表われであると理解されています。がんを きちんと知り、がんと上手に取り組むためには、医療者 とのより良いコミュニケーションが必要であり、まずは 担当医や看護師に積極的に相談することが大切です。そ して必要に応じて心の専門医、精神科医、心療内科医、 臨床心理士を紹介してもらうことが大切です。精神科、 心療内科などの標榜がある総合病院、大学病院、がん専 門病院には心の専門家が必ずいますし、それ以外の一般 病院でも心の専門医や臨床心理士なども紹介してもらう ことができます。 なお最近はで専門看護師やソーシャルワーカーがいつ でも相談にのってくれるような患者家族相談室や医療連 携室など、病院の内外にいろいろな機能があり、スタッ フもおりますので、窓口として相談されるのもよいでし ょう。 ・家族や身近にいる人は何をしたらよいのか? 患者さんと接する時には、自分の話の長さを1とする と患者さんの方が10になるよう耳を傾けることが大切で す。安易な励ましは慎み、そして患者さん自身に役割の 喪失を感じさせないように接しなければなりません。例 えば主婦の場合には、「家の中のことは心配しないで」 と言われるのは、アイデンティティーの喪失につながり ます。また会社員の場合は、「代りの者がプロジェクト を引き継いだから大丈夫だ。安心して治療に取り組みな さい」と言われると、人生の全てを失ったかのような深 く激しい心の傷(心的外傷)を生むこともありますので、 「君の役割は分担してこなしているが、大変だ」といっ た言葉をかける配慮が望ましいでしょう。進行・終末期 の患者さんの場合、身のまわりのことをできなくなるこ ともあるので、周囲の人が良かれと思って、何かと手伝 いたくなるのが心情です。しかしトイレ、入浴、食事と いったことでは、患者さん本人に意思決定に参加しても らうことが大切で、意向を尋ねながら能動的、主体的な 部分をできるだけ残すように心がけることが望ましいの です。 また、ご家族は介護を続けるなかで、時として自分自 身が燃え尽きてしまい、つい言いたくない一言を発した り、態度にあらわしたりしてしまうことがあります。良 好なコミュニケーションを図るために、ご家族も心身を 休め、週に一度は介護の休みをとることです。身近な家 族だからこそ、不安な気持ちに揺れ動きながらも、「大 丈夫だよ」と自分に言い聞かせて安心したい気持ちにな りがちです。ご家族にとっても、がんという爆弾が家庭 に落ちたようなものですから、患者さんの心が揺れるの と同じように、ご家族も揺れながら支え合っていくとい うのがむしろ自然です。患者さんのよき聴き手がご家族 であるように、ご家族もまた友人や身近な親戚・知人の 中に自分の気持ちを打ち明けられるサポーター、ネット ワークを作り、身体、心の両方の手当てをしながら対応 していく。そうすると一緒に揺れながらも、しっかりと 患者さんの言葉に耳を傾けることができるのです。
■家族の役割
2006 年5月作成 提 供:アストラゼネカ株式会社
企画・制作:株式会社 エル・ビー・エス