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中越沖地震災害救護
における保健活動
長野赤十字病院 野村純子 滝沢寿美子 小林由加 平成20年2月10日(日) 第13回 日本集団災害医学会総会中越沖地震災害救護における
保健活動
長野赤十字病院
野村 純子
瀧澤 寿美子
小林 由加
はじめに
平成19年7月16日10時13分、新潟中越沖 地震発生。M6.8、死者15名、負傷者2345名。 当院救護班は、地震発生から約7時間後、 最大震度を受けた地域の一つである柏崎 小学校体育館にて、救護活動を行うことと なった。 体育館には、約500人の人々が避難してき ていた。 はじめに 当院の救護班は、発災当日、柏崎市小学校の体育 館で救護活動を行ってきた。救護所では、外傷や、 急性の疾患の診療だけでなく、慢性疾患の悪化予 防や、感染予防、日常生活への援助など被災者の 健康を管理するために様々な問題を抱えていること を感じた。3
避難所における看護師の役割
Ⅰ.医療面での役割
Ⅱ 環境作り
Ⅲ メンタルヘルス
私たちが、今回保健師と協力し、援助を行ってきた ことを黒田の「避難所における看護師の役割」に基 づき、振り返ってみたので報告をする。Ⅰ.医療面での役割
1)慢性疾患患者の悪化予防
①慢性疾患患者の常用薬を 保健師、
地域の診療所、薬局、薬剤師、災害
対策本部と連携し、翌日から震災前
と同様の内服が再開できるようにした
1医療面での関わり 避難所を巡回する中で、慢性疾患の患者が、内服薬 を持ち出せなかったことを知った。救護班の薬で医師、 薬剤師が対応したが、十分な対応は、出来なかった。 そこで病院との連携を、保健師をとおして災害対策本 部に依頼した。翌日には被災地の病院、薬局の協力を 得て、内服薬を患者の手元に届けることができた。突然 の災害では薬を持ち出せない被災者がいることを考え 日頃から慢性期疾患患者の薬の管理を指導していく必 要がある。また被災地でも対応できる病院や薬局の広 報が出来ないか検討できればと考える。5
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)保健師との連携
①保健師とカンファレンスを行い協 力しあった。 ②他病院の救護班ともカンファレン スを行い、情報交換を行った。 ③交替時には申し送りを行い、援助 や情報が継続できるようにした。 瀧澤澄子 課林ゆか ステージ 乃村順子 山田花子 介助必要 血圧内服中 心臓疾患あ り 患者配置表 患者配置表 2)保健師との連携 救護班も保健師も短期間で交代をする。救護班同士や保健師が 情報を共有し、継続した援助ができるようにしていく必要性を私た ちは感じた。体育館の配置図を作成し、注意を必要とする疾患の 患者、要介護の患者、一人で避難所にいる高齢者など、援助が 必要だと思われる患者をそれぞれ色テープに名前を書き、配置 図に保健師、看護師双方で貼り付けていった。それをもとに合同 でカンファレンスを持ったことで役割分担や情報の共有化、救護 者同士の信頼関係の構築に大変効果があった。①清潔な水と、トイレに再利用する水 の 区別を張り紙し、呼びかけを 行った。 ②速乾性手指消毒薬を取り寄せ、手洗 いの必要性を呼びかけ、使用方法 の デモンストレーションを行った。 ③食べ物を残しておかないように、 食中毒予防を呼びかけた
3)感染予防
3)感染予防 手洗いができない状況下では、食中毒を起こす恐れがあ ると考え、災害対策本部に手指消毒薬を要請、トイレや洗 面所に配置した。使用方法が徹底できるまで、張り紙や、 デモンストレーションを行って指導していった。衛生管理 に対する呼びかけは、非常に重要であった。7
Ⅱ 環境作り
日常生活での問題 1)活動性の低下予防 2)睡眠時間の確保 3)清潔面の援助Ⅱ環境作り
私たちが日常生活での問題として注目した
ことは3点である。
1)活動性の低下予防
①1日に3回、ラジオ体操を 行った。 →学校からラジオ体操の テープを借り、 看護師 が前に出て行った。 ②情報伝達や保健指導の 場になった。 1)活動性の低下予防 避難所生活では体育館に一日中座っている高齢者 の姿が見られた。活動性の低下は、寝たきりを引き 起こす要因ともなりその後のQOLに大きな影響を及 ぼす。またエコノミー症候群や、便秘、不眠を引き起 こす要因ともなるので、体を動かすことの必要性を感 じ、具体策としてラジオ体操を提案した7割以上の人 たちが参加し笑顔も見られた。定期的に行うことで体 操の準備をはじめると被災者の人々が、注目してく れるようになったので情報伝達や生活指導の場とし9
2)睡眠時間の確保
①就寝時間を決め消灯をした。 ②報道関係者に夜間、早朝は遠慮して もらうように張り紙をした。 2)睡眠時間の確保 震災当日は24時過ぎまで報道カメラが避難場所に 入っており、夜間の静寂が妨げられていた。日常生 活のリズムをつけ、規則正しい生活が送れるように、 起床時間、就寝時間を表示していった。報道関係者 にも、協力をもとめ就寝時間に休めるように、協力し てもらうことができた。3)清潔面への援助
① ①初日は持参したタオルをカットし、ホットタオルにして初日は持参したタオルをカットし、ホットタオルにして配っ配っ た。 た。 ②翌日からは、洗面器にお湯を入れて回った。 ②翌日からは、洗面器にお湯を入れて回った。 ③濡らしたタオルを干せるように、洗濯紐を設置した。 ③濡らしたタオルを干せるように、洗濯紐を設置した。 3)清潔面への援助 能登沖地震の救護報告会でホットタオルの清拭を 喜んでもらえたことを聞いていた私たちは、ここでも それができないか検討をした。救護班が持参したタ オルをカットしてホットタオルを作り配った。翌日被災 者から自分のタオルを使って行って欲しいと要望が あったので各自のタオルで清拭を行う事ができた。 「気持ちいい」「さっぱりした」と多くの笑顔が見られ、 清潔面への援助は、かかせない援助であると実感し た。「「避難所生活は、非日常の中で日常を作り上げ ていくことが大切である。」と松下は述べているように、11
Ⅲ メンタルヘルス
1)巡回診療でのこころのケア 2)集団生活におけるストレスの軽減 Ⅲメンタルヘルスケア 避難所巡回中に、「何もする気になれなし、考えられ ない」とずっと横になっている方がいた。被災地では、 発災直後から「こころのケア」は重要であると言われ ている。私たちも当日より、生活への援助を行いなが ら、話を聞いたり、困ったことの対応を行ってきた。そ れが、「こころのケア」に通じていたのではないかと感 じている。母親と
子供たちへの援助
①学校側に協力を求め、時間 を決めて音楽室を開放しても らった。 ②体育館内の子供達に直接声 を掛け、遊びに誘った。 ③看護師が中心となっ て、初対面の子供達が 一緒に遊べるように促 した。 2)集団生活におけるストレスの軽減 避難所では子どもたちの遊び場がなく、時間や体力 を持て余し、母親が子供を連れて避難所と外の往復 している姿がみられた。子供たちに遊び場を提供し たいと学校に協力を求め、時間を決めて音楽室を、 開放してもらった。初日は看護師が子供たちと一緒 に遊んだ。遊び道具はなかったが、自由に走り回り 生き生きした姿が見られた。その日、子供たちは早く 入眠できたと母親から話しを聞くことができた。一緒 に遊ぶ中で、子供たちと仲間意識が生まれ、その後 この子供達がパンフレット配布や、ラジオ体操、タオ13