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石狩地方中部の地震に関する報告会の開催結果概要

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「石狩地方中部の

1 概要

石狩地方中部を震源とする地震が ろ発生した地震では、清田区内において このため札幌市では、平成22年 査を進める北海道大学理学研究院の 当日は、282名の御参加を頂きまし

2 内容

(報告会 (1)「石狩地方中部で発生した地震 講師:高橋 浩晃 氏(北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測 ・6時44分ころの地震は、 ・気象庁発表の最大震度は3 ・過去に、札幌に大きな揺れをもたらした ・石狩平野は、最近100 年間 ・巨大地震の発生に備えて、 (2)「地震に対する日ごろの備えについて 担当:札幌市危機管理対策室 (3)質疑応答 講師の高橋先生

3 お問い合わせ

札幌市危機管理対策室 ※この資料は、札幌市危機管理対策室 たかはし ひろあき 札幌市危機管理対策室

の地震に関する報告会」の開催

が、10月下旬以降相次いで発生し、12月2 において被害が報告されました。 年12月21日(会場:清田区民センター)に の高橋先生を講師とした報告会を開催しました きまして誠にありがとうございました。 報告会の議事及び配布資料は、添付した資料をご 地震について」 【議事:P2~6、資料 北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測 、清田区内の地下3~4kmで起きた直下型地震 3だが、場所によっては震度5弱程度の揺れがあった れをもたらした地震としては、1834 年の石狩地震 年間に約40 の地震が発生する、地震の起こりやすい 、家具の固定や住宅の耐震化などの対策を進めて えについて」 【議事:P7~8、資料 札幌市危機管理対策室 【議事 会場の様子 札幌市危機管理対策室 電話211-3062 危機管理対策室のホームページからも、ご覧いただけます 平成 23 年2月 札幌市危機管理対策室

開催結果

2日6時44分こ に、この地震の調 しました。 をご覧下さい。) 資料:P13~14】 北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター) 直下型地震であった。 れがあった。 石狩地震がある。 こりやすい場所である めて欲しい。 資料:P15~17】 議事:P9~12】 いただけます。 さっぽろ市 1

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-1 石狩地方中部で発生した地震について 【議事】

講師:高橋 浩晃 氏(北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター) 北海道大学の高橋と申します。北海道大学の地震火山研究観測センターで、地震の発生メカニ ズムを研究しています。私からは、12 月2日に発生した「石狩地方中部の地震」のメカニズムや 被害の状況等について、現時点で分かっていることを発表します。 (今回の地震の震源について) 資料:P13「地震の震源位置」 最初に、今回の地震の震源について説明します。地震が起こった場所である「震源」として、 気象庁が発表した場所は、資料「地震の震源位置」の赤の★印にあたる。この地点の地下約3~ 4km位の所で地震が発生して揺れたことになる。一般的にある程度大きな地震(本震)が発生 すると、その後本震の起きた近くで余震が発生します。6時44 分の地震の後、何度か震度1や2 の揺れを感じたと思うが、それらも概ね、清田区の真栄の地下3~4kmのところで発生したも のということが明らかになっている。 (地震の特徴 ~ 直下型地震) 今回の地震の特徴の一つは、震源の深さが3kmという非常に浅い所にあることである。深さ 3kmなど、浅い所で発生する地震を、「直下型地震」と呼んでいる。過去に、大きな被害を出し た「兵庫県南部地震」(阪神・淡路大震災)や「新潟県中越地震」など、内陸部で起きる大地震は、 今回の地震のように、地面の浅い所を震源とする地震であった。 地震の大きさを測る尺度には、「震度」と「マグニチュード」がある。「震度」は、みなさんが 実際に感じる揺れの大きさ、「マグニチュード」は地震のエネルギーの大きさである。今回の地震 のマグニチュードは4.6でした。兵庫県南部地震のマグニチュードは7.2でしたので、兵庫 県南部地震に比べてエネルギーは、千分の一位の大きさである。それほど大きな地震ではなかっ たが、それなりの揺れが清田周辺ではあったということになる。 (震度の分布) 資料:P13「震度の分布」 実際に揺れた震度の分布が、資料「震度の分布」となる。この図は、気象庁が発表する震度に、 札幌市や北海道大学が設置する地震観測点のデータを示したもの。公式な震度は、気象庁が発表 するものだけだが、札幌市内で使える全ての震度計のデータを示したものである。震源付近で震 度4、北広島のインターチェンジで震度5弱、震度4とあるのは里塚霊園です。気象庁が発表し た最大震度は3でしたが、震源に近い所では、震度4から5弱程度あったのは、ほぼ間違いない だろうと考えている。また、この地震の揺れは、北海道の中央部に広く揺れをもたらし、遠くは 青森県の方まで揺れていることからも、清田区で強く揺れるのもそれなりに納得できる。 (直下型地震の特徴 その1) 資料:P13「直下型(震源が浅い)地震の揺れの特徴」 今回の地震の特徴は、直下型であったと紹介しましたが、「直下型地震」とは、地震が起こる場 所が地面から非常に浅い所にあるということである。今回の地震は、地面から3kmという足元 で起きた。

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震度4を記録した「2003 年十勝沖地震」という大きい地震の揺れは、今回の揺れと違ってゆらゆ ら横に揺れた。 十勝沖や浦河沖で起きる地震によって、最初にカサカサと細かい揺れがしばらく来て、その後 に大きな縦揺れが来る、ことを経験された方がいると思う。直下型地震の場合は、細かい揺れが 来ることなく、一気に大きな揺れが襲ってくる。 今回は、マグニチュード4.6という、やや小さい規模の地震だったが、中越地震や阪神・淡 路大震災に匹敵する直下型地震でマグニチュード6.5程度の規模の地震が起きると、一瞬のう ちに、大きな揺れで避難する時間もなく一気に足元から押し上げられ、家具などが倒れ、大きな 被害につながる要因となる。 (直下型地震の特徴 その2) 直下型地震の2つ目の特徴は、震源の真上では、震度が大きいですが、震源から少し離れると 震度が小さくなる。今回の地震の場合、震源の直上(平岡、美しが丘、大曲付近)では、震度4 ~5弱という非常に大きな揺れがあったが、そこから5kmくらい離れた札幌市中心地では、震 度2位まで揺れが小さくなる。 (発表された震度と感じた震度の差について) 資料:P13「発表される震度の基準」 今回ご自宅で地震を感じて、テレビやラジオで情報を聞かれたと思うが、発表された震度は、 非常に小さいと感じられたと思う。 今回の地震で発表された一番大きい震度は、北広島の震度3だが、実際、平岡や大曲では、震 度5弱相当になっていた。「自分の自宅はもっと揺れた」と思われた方もいると思う。「なぜ、そ のような大事な情報が、出てこないのか?」と思われた方がいると思うが、震度は、防災対策の 初期対応を行ううえで、非常に重要な情報であるため、気象庁が認めた震度計により、しっかり 管理された震度のみを気象庁が発表する。例えば、札幌市が独自に設置している地震計など、気 象庁が認可していない地震計の震度は発表されない。 逆に言うと、震度計が近くに無い場合は、テレビ等で発表される震度よりも大きくなるという ことは一般的にありえる。今回も、実際そうであり、みなさんがご自宅で震度3より強い揺れを 感じていることは、間違いない。なお、札幌市が設置している震度計は、できるだけ早急に気象 庁から公認した震度として発表できるように、現在気象庁と協議を進めていると聞いている。 (地震による被害について) 次は、地震による被害についてお話しさせて頂きたい。今回の地震では、主に地震の震源より も、東側において、被害が集中して発生している。実際には、北広島市の大曲小学校において職 員室の窓ガラスが46枚割れる、中学校の体育館の吸音材がはがれる、といった被害があった。 今回の地震では、ガラスが割れる被害はあったが、物が倒れる被害はあまりなかった。 この理由は、直下型地震では、下から突き上げられるような震動になり、上下に圧縮されると ガラスは割れてしまうが、物が倒れる被害はあまりなかった。このような被害の傾向も、直下型 地震の特徴である。 もう一つの大きな被害としては、清田区有明にあるゴルフ場で、土砂崩れ、地滑りが数箇所に て発生した。 この地域の昔の地図を見ると、沢・川、谷であった場所がある。今回、被害が発生した場所は、 沢に沿った場所である。また、ゴルフ場で地滑り被害が発生した所は、谷を埋め立てたり、盛土 をした場所で被害が集中していることが報告されている。つまり、もとの地形を人が改変した所 は、非常に地盤が弱く、そのような場所が今回の地震により、選択的に被害を受けたことになる。

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「2003 年十勝沖地震」があった時に、美しが丘の住宅地で非常に局所的ではあるが、地震による 揺れで地盤が変形して、建物が傾いたという事例があった。その場所も、もともと川や谷があっ た場所を埋め立て、この何十年かの間に宅地造成された場所である。 今後、地震が起きた際には、人工改変され、谷を埋めたり盛土した土地では、こうゆう地質的 な被害が起こる事が考えられる。 (石狩平野の地震環境について) そもそも、なぜ石狩平野このような地震が起きるのか、についてお話しします。 北海道の東側では、太平洋プレートという岩盤が、年間10cm位のスピードで北海道の下に沈 み込んでいる。太平洋プレートの沈み込みにより、北海道が上に押される。その結果、岩盤が周 りに比べて非常に弱い石狩平野に、ひずみ(地震を起こす原因)がたまる。弱い所に力が集中し た結果、耐えきれなくなって地震が発生する。 私たちが住む石狩地方は、地震が発生しやすい場所、つまり活断層が集中している場所です。 今回の地震を含めて、この地域で発生する地震は、太平洋プレートから押されたひずみが、岩盤 が弱い石狩地方にたまるとことが原因である。 (石狩平野の伏在活断層と今回の地震の関連) 資料:P13「札幌・北広島周辺の伏在活断層」 実際に、札幌市や北広島市の周辺にどのような活断層が存在しているかを紹介したい。 札幌市のホームページには、想定地震として3つの伏在活断層が考えられている。西側から、 西札幌断層、月寒断層、野幌丘陵断層帯です。伏在活断層の「伏在」という意味は、地面に隠れ ている活断層という意味であり、地面に隠れている活断層が、札幌市の直下に3つある可能性が 考えられている。12 月2日に発生した地震をはじめ、北広島市で 10 月の下旬から起きている地 震は、月寒断層の運動に関係しているのではないかと考えている。 (石狩平野の地震観測の現状について) 資料:P14「地震観測の状況」 札幌周辺の地震の観測体制の現状は、資料「地震観測の状況」のようになっている。 注意して頂きたいのは、人間が感じる大きな地震は震度計で観測できるが、人間が感じない小 さな地震は震度計では観測できない。しかし、私たちは、人間が感じない小さな地震を観測でき る地震計を設置して、観測を行っている。札幌市は、市内3箇所(手稲前田・中沼・里塚)に設 置している。気象庁は札幌市内にはなく、恵庭にある。北海道大学は、簾舞と北海道大学の近く に設置している。札幌は、都会で非常にノイズが大きいので、身体に感じない小さな地震を観測 することは、なかなか難しい。 札幌市の3箇所の地震計は、地下 500mの井戸を掘り、井戸の底に地震計を設置している。地 上で電車や車が走るノイズも、地下深い所では小さくなるので、札幌市の3箇所の地震計は、非 常によく地震を観測できる。 この3機関(気象庁、北大、札幌市)が設置している地震計のデータは、リアルタイムで交換 されており、地震が発生したとき、みなさんが耳にする「何時何分、どこで地震がありました。 この地震のマグニチュードは何です。」という情報は、北海道大学、気象庁、札幌市のデータも全 て使っている。 北海道大学では、観測されたデータを使い地震の発生メカニズムの解析を行っている。

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(石狩平野の過去の地震の発生歴) 資料:P14「過去の地震発生状況」 今回はこのような地震であったが、過去はどうだったかということが気になると思う。資料「過 去の地震発生状況」は、1900~1996 年までの身体に感じる地震の起こった場所を示したものです。 札幌市周辺で100 年の間に 30~40 個くらいの身体に感じる地震が発生している。最近は、15 年 に1回位の頻度で起こっている。これまで分かっている札幌周辺最大の地震としては、1834 年(天 保5 年)に起きた「石狩地震」がある。石狩地震では、札幌市内で少なくとも震度6弱以上の揺 れがあったと考えられている。大きな揺れが起きると、地面から水や砂が噴き出す「液状化」と いう現象が起きるが、遺跡の発掘調査から石狩地震により札幌市内の複数の箇所で、液状化があ ったことが明らかになっている。 100 年位前の話のため、どこが震源で、どうゆう地震だったかを明らかにする事はかなり難し いが、札幌で大きな揺れを起こす地震が過去にあったことは、心にとめておいて頂きたい。 (想定地震と地震防災マップ) 資料:P14「札幌市の地震被害想定」 そのため、過去にそうゆう地震があったことを踏まえて、札幌市では起こりうる最大級の地震 を想定して、どのような揺れが起きるかのシミュレーションを行っている。今日、みなさんに配 布された「地震防災マップ」は、月寒断層が動いた場合に、みなさんの地域はどの程度の震度と なるかを示している。 月寒断層が動いた場合、札幌市の広い範囲で、震度6強以上の強い揺れが発生する可能性があ る。札幌市でもこのような大きな地震が発生するということを想定して、色々な防災対策を事前 に講じておくことが非常に重要である。札幌市役所として取り組むことももちろん非常に重要だ が、みなさんお一人お一人が過去に大きな地震があったという事実や、地震想定がされていると いう事を、よく御理解いただいて、ご家庭における地震防災対策を日ごろから行って頂くことが 非常に重要であると考えている。 (緊急地震速報) 資料:P14「緊急地震速報について」 最後に緊急地震速報について、説明したい。今回の地震では、揺れでも驚かれたと思うが、携 帯電話が鳴りだしたり、テレビが突然何か言い出したりして驚かれた方がいると思う。これは、 気象庁が平成19 年から運用を開始した、「緊急地震速報」というシステムである。緊急地震速報 とは、大きな揺れが来ることが、事前に分かる場合があるシステムです。 震源(地震発生)で地震が発生した場合に、その近くにある地震計のデータを即時に解析する と、発生した地震のマグニュードや震度が分かる。その情報を、地震計からより離れた場所に伝 達することで、地震計から離れた場所では、地震の揺れが来る前に、緊急地震速報で、「あと何秒 で大きな揺れが来る」という情報を得ることができる有効な手法である。ただし、地震計よりも 地震の発生した場所が近い場所では、この緊急地震速報のシステムは使い物にならず今回は、そ の一例だった。 今回の地震で、気象庁が「緊急地震速報」を発表したのは、恵庭にある気象庁の地震計である。 一方、今回の地震の震源は、清田区なので、地震の波は同心円状に広がっていくのだが、恵庭の 観測点より、震源に近い部分は、既に地震の揺れが来ていることになる。地震波が震源から恵庭 の観測点に来るときには、既に札幌市全域の揺れは終わっている状態になる。 みなさん一番戸惑われたのは、「強い揺れがきます。」という風に何回も言われた際に、「また揺 れが来るのかな?」と思われた方が多かったと思うが、札幌市に関しては、強い揺れは通り過ぎ てしまった。千歳では、大きい揺れが来る前に警報が間に合った。緊急地震速報のシステムは、 場合によっては非常に有効に使える。特に、十勝沖、釧路沖、浦河沖で大きな地震が起こった場 合には、札幌では、大きな揺れが来る5~10 秒位前に、「大きな揺れが来る」と警報が出て、重

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要な情報になる、限界があるシステムであることを是非御理解いただきたいと思う。 気象庁では専門家を交えて、よりよい緊急地震速報を発信できるような検討をしている。私が 思うには、大都市の近くに観測点が必要だろうと思う。色々と課題もあるかと思うが関係機関が 努力して、より実践的に緊急地震速報ができる観測点を作って頂きたいと思う。 (まとめ) 資料:P14「被害を防ぐために」~「まとめ」 まず一つ目です。札幌や北広島の直下では、直下型地震の発生する場所であるという事です。 札幌は、地震がないところだと思っている方もいらっしゃいますが、実際、阪神・淡路大震災の ときも、「神戸は地震がない」とほとんどの人が思っていた。札幌は、巨大地震が発生する場所で あるということを、是非覚えて頂きたい。 地震による人的被害の大分部は、家具の転倒や家屋の倒壊によるものです。兵庫県南部地震や 中越地震においては、けがをしたり、亡くなられた方の8~9割は、タンスや食器棚の下敷きに なったことが原因である。家具の固定は結構簡単にできて、思わぬ効果を生みだします。これか ら大掃除の季節なので、家具の固定もついでに行って頂けきたい。 今回、最大の震度は5弱でしたが、震度5強くらいになると、固定していない家具も倒れる事 があるので、家具を固定していただきたい。タンスの中に物を入れるときには、重たいものは上 に入れると不安定になるので、重たいものは下に入れる、家具を固定することは、非常に基本的 なので、是非とも日ごろから心がけて頂ければと考えている。

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2 地震に対する日ごろの備えについて 【議事】

担当:札幌市危機管理対策室 (地震防災マップについて) 資料:P15「地震防災マップについて」 札幌市危機管理対策室の菅生です。「地震防災マップ」をお配りさせて頂きましたが、このマッ プの見方を中心に御説明させて頂きたい。「地震防災マップ」には、「地震マップ」という大きい 地図、下に「液状化危険度」、「建物全壊率」と、3種類の地図が付いている。一番大きい「地震 マップ」は、高橋先生から御説明頂きました、「第3次地震被害想定」という想定をもとに作成し たものです。地図を掲載している面と反対の面には、日ごろの備えや地震発生時の行動を記載し ている。 (マップの見方①) 資料:P15「マップの見方①」 「地震マップ」は、「利用にあたって」に記載しているように、3つの想定した震源(西札幌背 斜に関連する断層、月寒背斜に関連する断層、野幌丘陵断層帯)で地震が発生した場合の揺れが、 各地点で最大となるものを予測したものです。その他に、収容避難場所や土砂災害の危険箇所も 表記している。お住まいの地区の予測される揺れの状況や避難場所を確認して頂きたい。 (マップの見方②) 資料:P15「マップの見方②」 「液状化」という現象は、地盤が揺れの影響により一時的に液体のような状態になる現象であ る。「液状化危険度」は、液状化の起こりやすさを4段階で表記しているので、参考にして頂きた い。 (マップの見方③) 資料:P15「マップの見方③」 「建物全壊率図」は、その地区の建物がどの程度全壊するかを示している。なお、平成19 年1 月時点の建物状況をもとに被害を計算しているため、住宅の耐震化や建替えを進めて頂くことで、 被害(全壊率)は減少する。 (揺れと被害) 資料:P15「地震発生時の行動 揺れと被害」 地図と反対の面には、「知っておこう」、「地震発生時の行動」及び「事前の備え」など、地震防 災に関連する様々な情報を掲載している。「知っておこう」には、震度4~7までの目安を示して いる。例えば、震度4は「多くの人が驚く」、震度5弱は「物につかまりたいと感じる」ことなど、 目安として記載している。 (地震発生時の行動) 資料:P16「地震発生時の行動」 「地震発生時の行動」では、「地震発生」から「半日~3日」と、経過時間に併せて地震時の行 動パターンを記載しているので、参考にして頂きたい。 (減災のためにお願いしたいこと) 資料:P16「減災のためにお願いたしたいこと」 地震災害による被害を減らすためには、普段からの取組が重要であると考えており、地震防災 マップの「事前の備え」には、家庭における話しあいや、家具の固定、住宅の耐震化などを示し ている。

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「家族防災会議」では、地震が発生した時に、家族みんなで担う役割や非常持出品の準備に関 して、普段からご家族で話し合ったり、考えて頂きたい。 「家具の固定」については、家具の位置を確認するとともに、家具の固定や、突っ張り棒をは さむなどの対策を進めて頂きたい。 「住宅の耐震化」については、「阪神・淡路大震災」では、昭和56 年5月以前の古い基準で建 てられていた建物に被害が集中したので、耐震性に心配がある方は、耐震化の制度をご活用頂け ればと考えている。 (地震に対する心構え) 資料:P17「地震に対する心構え」 最後に、「地震に対する心構え」として、心構えの『か・き・く・け・こ』とう標語を示してい る。 『か』は、家具の固定はしっかりと、『き』は、協力して避難・救助・避難場所運営、『く』は、 来る前に家族で話す防災会議、『け』は、けがした人への応急手当、家族みんなで救命講習、『こ』 は、困ったときの備蓄品、事前に準備、持ち出袋、である。この標語を参考にして、地震に対す る備えを、普段から考えて頂きたい。

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3 質疑応答 【議事】

(質問1)地震と地盤の関係 直下型の地震の場合、地盤と震度の関係はあるのか? (回答)高橋先生 一般的に直下型の場合、地盤の弱い所では、より大きな揺れになる。 また、直下型地震や、それ以外の地震のどちらにしても、地盤の弱い所では、大きな揺れが来 た場合、何らかの被害が出る可能性が、他の場所より高くなると考えてよろしいかと思う。 (質問2)場所によって感じる揺れが違うことについて 石狩市花川や西区に住む知人に聞いたところ、6時44 分の地震はほとんど感じなかったという がなぜか? (回答)高橋先生 石狩市花川の方で、揺れが小さかったという話ですが、震源から花川までは、12~3km離 れているので、震度は小さくなるし、花川まで離れると直下地震ではなくなる。花川では、下か ら突き上げる揺れではなくて、ゆらゆらとしたゆっくりとした横揺れが感じられたのではないか。 (質問3)震源の深さ 震源の深さは3kmであったが、新聞報道では、深さ10kmとなっていたが、なぜか? (回答)高橋先生 気象庁が地震情報を発表する時には、一刻でも早く地震の起きた場所とマグニチュードをみな さまにお知らせすることが重要であることから、深さの浅い地震の場合は、1km刻みで深さを 決めずに、10kmという「速報値」で発表することがある。その後精査して、深さ3kmと最終 的に震源の深さを決めている。 (質問4)今後の見通し 今後も、引き続き地震が起きるのかどうかが、心配である。 (回答)高橋先生 今後の見通しに関しての質問は、かなり難しい質問であり、正直に申し上げると、何とも言え ない。 色々調べていますが、分からないというのが正直なところである。ただ、起こる可能性がある 場所であることを、理解して頂きたいと思う。

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(質問5)縦揺れ・横揺れ 過去に感じた地震の揺れは横揺れが多かったが、縦揺れと横揺れによる被害の程度はどのよう に違うのか? (回答)高橋先生 直下型で、マグニチュード 6.5 位の規模の地震が発生すると、縦揺れと横揺れが同時に来る。 兵庫県南部地震も直下型地震であるが、その時もすごい力の縦揺れと横揺れが、同時に一瞬で来 た。縦揺れと横揺れが、一気に襲ってくることが、直下型地震の一番恐ろしいところである。 (質問6)地震防災マップの作成時点 「地震防災マップ」は、いつの時点を基準として作成したものですか? (回答)札幌市 「地震防災マップ」は、平成20 年度(平成 21 年3月)に作成した。建物全壊率のもととなっ ている建物の情報は、平成19 年1月時点を使っている。そのため、耐震化が進めば、マップに示 す全壊率の被害は少なくなるため、是非耐震化を進めて頂きたい。 (質問7)地震のタイプ 地震には、断層が沈み込む、プレートが沈み込む地震と、プレートをはじくような地震がある と思いますが、今回の地震は、はじくような地震であったのか? (回答)高橋先生 地震には、大きく分けて「プレート境界型地震」と「内陸型地震」がある。 「プレート境界型地震」は、北海道で言う、太平洋側の十勝沖地震、青森県東方沖地震、釧路 沖地震など、マグニチュード8クラスの地震のように、プレートの沈み込みによって、たまった エネルギーが跳ね返るときに起こる地震である。 今回の地震は、プレートの沈み込みにより、北海道が押されたことにより、北海道の岩盤の中 で弱い所が耐えられずに破壊して起きた地震であり、「内陸型地震」にあたる。 (質問8)活断層の露出 札幌市内に活断層があると言う話でしたが、活断層が露出している所はあるのですか? (高橋先生) 札幌市内では、活断層の露出を見つけることは難しい。札幌付近では、江別の大麻と野幌丘陵 断層帯の断層の一部で露出している。活断層は非常に不明瞭であるため、一目見て、断層と分か るようなものを道内では見つけることは難しい。見つけるためには、井戸を掘るなどして調査を 行うことが必要である。

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(質問9)地震防災マップにおいて揺れを示す想定地震 「地震防災マップ」は、札幌市に大きな影響が想定される3つの想定地震を重ね合わせたもの が地域の震度と書いてある。この3つの震源は過去に発生した地震の実績によるものなのか、ど うゆう根拠で算出されたものかをお聞きしたい。 (回答)札幌市 想定したものです。西札幌背斜に関連する断層、月寒背斜に関連する断層、野幌丘陵断層帯の 3つの断層が、もしずれたら、どれくらい揺れるかを色にして示したものである。なお、3つの 断層が全て同時に揺れた想定ではなくて、1つ1つの断層を個別に揺らした場合、3つの断層の うちで最大の揺れをマップに示したものである。 (回答)高橋先生 震度の予測を行う時は、大きく2つの方法がある。1 つ目の方法は、過去に地震が起こってい ない場合に、ある仮定を置いて、その仮定に基づき定める場合がある。2つ目の方法は、実際に 起きている実際の小さな地震のデータを使って、「強震動予測」というのを行う場合もある。 今回の地震のように、実際に揺れた地震を使い、札幌で起こるであろう大きな地震はどのよう なものであるか、について研究することが我々が考えている事です。 (質問 10)緊急地震速報を発する地震計の位置 恵庭に地震計があっても、札幌市内になければ、札幌市民には何の役に立たないのではないか と思う。 緊急地震速報を送る際には、1秒2秒の時間が、生死を分ける要因になると思う。ただちに、 数か所に地震計を設置してほしいと思う。 (回答)高橋先生 私もそう思う。気象庁では、札幌管区気象台の地震計のデータも、今後利用することについて 検討を始めると聞いている。特に、人口密集地帯は、その近くに地震計が無いと、いくらシステ ムが優れていても使い物にならない事は、今回の事例で良く分かったので、北海道大学としても 是非お願いしたいと思っている。 (質問 11)正確な震源の位置 今回の地震の震源の位置について、今回の地震の震源の位置は、この建物の地下3kmと言う ことまで分かっているのでしょうか? (回答)高橋先生 およその場所は分かるが、地震の起こった場所を計算するには、地面の下の地震の波の伝わる 速度が正確に分かってないと計算できません。そのため、本当にこの建物の下だという位置の精 度をもって、地震の場所を特定することは、現在はできない。 震源の真上の場所は、非常に重要な情報ではあるが、一つ覚えておいて頂きたいのは、震源の 真上だから一番揺れるということではないということ。今回の地震では、震源の真上ではなくて、 むしろ大曲の方が大きく揺れた。震源の真上がいつも必ず一番揺れる場所という訳ではないとい うことを覚えておいて頂きたい。

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(質問 12)液状化の起こりやすい場所や被害の防止 液状化に関して、海面何m位の場所において起こりやすいという傾向はありますか? 海面から80m位の所にある地区で、昔、沼であった場所では、以前、地震により液状化が起き た。液状化はどこでも起きると考えるべきか、又は、昔の地形により液状化が起きやすい場所が あるのかを教えて欲しい。 (回答)高橋先生 液状化の起こる条件は、実はまだ良く分かっていない。感覚としては、昔の沼を埋め立てた所 や谷を埋め立てた所で、起こりやすい傾向は分かっているが、そこでいつ起きるかまで分かって いない。今後、研究を進めていかないと、どうゆう条件のときに液状化が起きるかを確定的なこ とは、現在では言えないという風に思っている。

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2010/12/22

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1 石狩地方中部で発生した地震について         【資料】

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2010/12/22

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地震防災マップの概要 「地震防災マップ」について 「マップの見方」 「災害時の行動や日頃の備えなど」について 「地震発生時の行動」 「減災のためにお願いしたいこと」 「地域防災へのきっかけづくり」 「地震マップ」 「液状化危険度図」 「建物全壊率図」 「地震に対する心構え」 地震防災マップについて 地震防災マップは、「第3次地震被害想定」で想定 された揺れの強さや、液状化の危険性などを図示し、 あわせて地震災害に対する日頃の備えや災害時の行 動などの情報をのせています。 ※「第3次地震被害想定」は、最新の調査等を基に、札幌で発 生する可能性があり、最大級の被害をもたらす地震を想定して 被害を予測したものです。(平成20年9月公表) ●3つの震源による地震のうち、 最大のものを1つの地図に色分け したもの。 ●収容避難場所(注)、土砂災害危険 箇所も図示 ●震源からの距離、堆積層(地震を起 こす固い岩盤から地表までの柔らか い地盤)の厚さ、地質、地震波の伝 わりやすさなどが「揺れ」の大きさ に影響 マップの見方① 「地震マップ」 (注)収容避難場所は、札幌市が指定している場所のうち、土砂災害危険箇所 内にある施設を除外したものを掲載しています。 お住まいの地区の予測される揺れの強さや避 難場所などを確認しましょう。 ●液状化(注)の起こりやすさを 4段階で表したもの。 ●地下水の水位、地質などが影響 マップの見方② 「液状化危険度図」 ※「液状化」とは? 地盤が一時的に液体のような状態になることで、 埋 立 地や河口など水分をたくさん含んだ砂質の地盤 で 発 生する現象です。建物が傾いたり、マンホー ルが飛び出したりします。 液状化を起こしやすい場所に建物を建てる場 合には、地盤改良や家の建て方に工夫が必要 なので、注意が必要です。 ●地震により、その地域の建物が どの程度倒壊するのかを割合毎 にランク分けしたもの。 ●震度、建物の種別(木造か非木 造か)、建築年次などが影響。 ●建物の耐震化・建て替えなどが 進むと、全壊率は減少します。 ※平成19年1月時点の建物情報(構造や建築 年)をもとに被害を計算したもの。 マップの見方③ 「建物全壊率図」 地震発生時の行動 「揺れと被害」 ~揺れが強いと、立っていることも困難になります~ 震 度 5 震 度 6 震 度 7 震 度 4 震 度 3

2 地震に対する日ごろの備えについて         【資料】

3 4 5 6 「地震防災マップ 」は、下記にて配布しております。 ・危機管理対策室(中央区北1条西2丁目) ・清田区総務企画課(清田区平岡1条1丁目)

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地震発生時の行動 自分や家族の安全を守るためには、地震が発生しても、あ わてず行動できるかがポイントになります。いざという時 にあわてないよう、地震発生から数日間の標準的な行動パ ターンをしっかりと覚えておきましょう。 「地震発生」 「1~5分後」 「5分後~」 「数時間後~」 「半日~3日後」 地震発生時の行動 図 減災のためにお願いしたいこと いざという時に身を守り、困らないためにも日頃から の備え・取組みが大切です。 1・日頃の家族の話し合い(対策を考える) 2・家具の固定などの安全確保 3・住宅の耐震化 減災のためにお願いしたいこと 「日頃の家族の話し合い」 減災のためにお願いしたいこと 「家具の固定などの安全確保」 減災のためにお願いしたいこと 「住宅の耐震化」 マンションなど非木造の建物で、 昭和56年5月以前に建築された建物の耐震化については、 【お問い合わせ】都市局市街地整備部建築安全推進課 211-2867 都市局市街地整備部建築安全推進課 211-2867 7 8 9 10

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地域防災へのきっかけづくり 地域防災へのきっかけづくりとして 次のような取り組みがあります。 「まちあるき」による気づき 「DIG」の開催 「防災訓練」の実施 「要援護者支援」の検討 地域防災へのきっかけづくり 「まちあるき」による気づき まち歩きは、災害が発生したときの事をイメージしながら、危険な 箇所や、支援に役立つ資源などをチェックして歩くものです。 「まちあるきの様子」 「まちあるきの様子」 地域防災へのきっかけづくり DIG(簡易型災害図上訓練)は、 あなたの町内で地震や風水害などの 災害が起きた場合を想定し、参加者 が皆で対応を考えて、大きな地図に 書き込みながら、地図上で行う防災 訓練です。 パンフレット「みんなでDIG」 パンフレット「みんなでDIG」 「DIG」の開催 地域防災へのきっかけづくり 地域において、日頃から訓練を実施することによって、地域で の連帯感の醸成や、災害が発生したときに何をすればよいのか、 何が必要かなどについて、確認することができます。 写 真 「防災訓練の様子」 「防災訓練の様子」 「防災訓練」の実施 地域防災へのきっかけづくり 「要援護者支援」の検討 災害時にまわりの人の手助けが必 要な人(災害時要援護者)の避難 支援を、隣近所や地域ぐるみで考 えておくことが大切です。 「災害時支えあいハンドブック」 「災害時支えあいハンドブック」 地震に対する心構え ●地震対策は、まず、自分の命を守ることが大事です。 ●地震の発生を防ぐことはできませんが、事前の準備を すれば、被害を減らすことは可能です。 図 13 14 15 16 17 18

参照

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