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土木学会論文集 F3( 土木情報学 ), Vol. 71, No. 2, II_28-II_33, 215. なお, 最近では, 東日本旅客鉄道 (JR 東日本 ) や東 (3) 国土交通省の実態調査急電鉄が, 自社のアプリとして一部の路線を対象に列車 (2) で述べたとおり, 輸送障害の発生につい

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公式Twitterに基づく都市鉄道の運転見合わせの

発生状況と情報提供の実態分析

堀江 岳

1

・関谷 聡大

2

・金子 雄一郎

3 1学生会員 日本大学大学院理工学研究科修士課程土木工学専攻(〒101-8308 千代田区神田駿河台1-8-14) E-mail:[email protected] 2非会員 元日本大学理工学部土木工学科 E-mail:[email protected] 3正会員 日本大学准教授 理工学部土木工学科(〒101-8308 千代田区神田駿河台1-8-14) E-mail:[email protected] 本研究は,最近東京圏の鉄道で列車の運転見合わせが頻発している状況を踏まえ,鉄道事業者が公式 Twitter上で提供している運行情報を用いて,運転見合わせの発生状況や情報提供の実態を分析したもので ある.具体的には,運転見合わせの発生頻度や原因別内訳,支障時間の特性,運転再開見込み時刻の誤差 などを把握した.その結果,発生頻度は人身事故等の部外原因が多いものの,土木・電気施設の点検・故 障等の部内原因も3割近く発生していること,運転見合わせによる支障時間は原因によって大きく異なり, 特に土木・電気施設関係でばらつきが大きいこと,運転再開見込み時刻の提供は人身事故のケースを中心 に行われており,実際の再開時刻との誤差は,全体の約7割で±15分以内であることなどがわかった.

Key Words : train operating information, train operation disorde, twitter, urban railways

1. はじめに

最近,東京圏の鉄道において,人身事故や車両点検, 信号故障等の輸送障害に起因する列車の運転見合わせが 頻発している.国土交通省関東運輸局管内における輸送 障害に伴う運休もしくは 30 分以上の遅延件数は,平成 15 年度に 812 件であったのに対して,平成 25 年度では 1,222 件と大幅に増加している1) 列車の運転見合わせは,利用者に対して時間損失や 機会逸失などの多大な影響を及ぼすことから,その対策 はきわめて重要である.具体的には,ホームドアの整備 や車両・信号等の運行に関わるシステムの信頼性向上な ど,原因である輸送障害の発生の抑制に加えて,適切な 情報提供など発生後の影響を最小限に留めるような対策 も必要であると考えられる. ここで,列車の運転見合わせ時に関する既往研究と しては,利用者の迂回行動に関する分析2), 3) ,情報提供 に対する利用選好に関する分析 4),情報取得行動に関す る分析 5)などが行われている.また,利用者からの要望 の多い運転再開見込み時刻の提供方法に関する研究 6), 7) も行われている.これらの既往研究は,効果的な情報提 供のあり方を検討する上で有益なものであるが,検討の 基礎となる運転見合わせの発生頻度や原因別内訳,支障 時間の分布特性,運転再開見込み時刻の誤差などについ ては,十分把握されていないのが現状である. 列車の運転見合わせのような異常時における情報提 供に関しては,利用者が運転見合わせの区間や運転再開 の見通しなどの情報を迅速に取得し,適切な行動を選択 できることが重要であり,そのためにも,実態の把握や それに基づく分析の必要性は高いと考えられる. 以上を踏まえ本研究では,鉄道事業者が公式 Twitter 上で提供している運行情報を用いて,列車の運転見合わ せの発生状況や情報提供の実態分析を行うことを目的と する.具体的には,運転見合わせの発生頻度や原因別内 訳,支障時間の分布特性,運転再開見込み時刻の誤差な どを把握することで,異常時における利用者の行動決定 支援に資する知見を得ることを目的とする.

2. 列車の運行状況に関する情報

(1) 鉄道事業者が提供する情報 列車の運転見合わせを含む運行状況に関する情報につ いては,基本的に鉄道事業者によって提供されている. 提供方法については,駅構内や車両内における放送, LED やディスプレイによる表示,自社 HP や公式 Twitter への掲載などであり,提供情報については,運行状況 (平常通り,運転見合わせ中,遅延発生等),運転見合 わせの場合には,発生時刻,場所,原因,運転見合わせ 区間,運転再開見込み時刻などである.

(2)

なお,最近では,東日本旅客鉄道(JR 東日本)や東 急電鉄が,自社のアプリとして一部の路線を対象に列車 の運行位置や車内混雑状況等を提供している(車内混雑 状況は JR 東日本のみ).また,東京地下鉄では,オー プンデータ化の流れを受けて,主にアプリ開発用として, 列車ロケーション情報,運行情報,駅時刻表,列車時刻 表等を,登録者を対象に無償で提供している. (2) 国土交通省の統計情報 国土交通省では毎年度,「鉄道事故等報告規則」およ び「軌道事故等報告規則」に基づき,鉄・軌道運転事故 等の発生状況をとりまとめて公表している.具体的には, 運転事故,踏切事故,人身障害事故,輸送障害の発生状 況が把握されており,輸送障害については,鉄道による 輸送に障害を生じた事態(列車の運転を休止したもの, または旅客列車にあっては 30 分(旅客列車以外にあっ ては 1 時間)以上遅延を生じたもの)であって,鉄道運 転事故以外のものが対象となっている. ここで,国土交通省関東運輸局管内における輸送障害 の原因別発生状況の推移1)を図-1 に示す.図中の部内原 因は鉄道係員,車両または鉄道施設に原因するものであ り,鉄道外原因は線路内立入り,自殺,動物との衝突等 に原因するもの,自然災害は水害,風害,雪害,雷害ま たは地震害等の自然災害に原因するものである.これよ り,発生件数は概ね経年的に増加傾向であり,原因別 (平成 25 年度)では,鉄道外原因が 45.7%(558 件)と 最も多く,次いで部内原因が 28.0%(343 件),自然災 害が 26.3%(321 件)となっている. 以上の統計情報については,鉄道の運休や遅延に関す る全体的な傾向は把握できるものの,30 分未満の事象 が対象外であることや,個別の事象における支障時間が 公表されていないことなどから,本研究の目的である列 車の運転見合わせの発生状況や情報提供の実態分析に活 用することは困難である. 390 318 367 534 398 295 268 242 275 307 261 343 294 366 330 427 432 461 468 530 564 591 634 558 178 128 236 165 132 172 172 143 263 317 272 321 203 264 222 276 274 332 347 382 325 367 383 349 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 年度 部内原因 鉄道外原因 自然災害 うち自殺 図-1 関東運輸局管内における輸送障害の原因別 発生状況の推移1) (3) 国土交通省の実態調査 (2)で述べたとおり,輸送障害の発生については 30 分 未満の遅延を収集した統計が未整備であることから,実 態の把握が困難であった.そのため,2008 年度,国土 交通省によって初めて,三大都市圏の鉄道を対象とした 輸送トラブルに関する調査が実施された8) この調査結果によると,輸送障害の発生状況として, 支障時間が 10 分未満の輸送トラブルが 60%以上と多い こと,原因別では,鉄道外の原因による輸送障害が大半 を占め,支障時間が 10 分未満では急病人,踏切道支障, 線路内立入,混雑によるものが多く,支障時間が 30 分 以上 1 時間未満では自殺を原因とするものが大半を占め るなどの実態が報告されている.ただし,これらの結果 は集計されたものであり,調査結果も概要版のみの公開 となっていることから,個別の事象の詳細について把握 することはできない.

3. 分析方法および結果

(1) 分析方法 本研究では,近年複数の鉄道事業者が利用者への情報 提供手段として活用している公式 Twitter を用いて分析 を行う.これは上述したとおり,運転見合わせの発生時 刻,場所,原因,運転再開時刻などの情報が掲載されて おり,過去に遡って把握できるためである. 東京圏の JR・大手民鉄・地下鉄のうち,調査開始時 点で Twitter 公式アカウントを所有していた事業者は, 西武鉄道,京成電鉄,京王電鉄,小田急電鉄,東急電鉄, 京急電鉄,東京地下鉄(東京メトロ),東京都交通局 (都営地下鉄)の 8事業者である. これらの事業者の公式 Twitter では,原則として 15 分 以上(京成電鉄のみ 30 分以上)の遅れまたは遅れが見 込まれる場合,運転見合わせの発生時刻,場所,原因, 運転再開時刻,折り返し運転の有無等の情報が提供され ている.なお,小田急電鉄については,Twitter では運転 見合わせや遅れの有無のみを提供し,詳細は自社 HP へ リンクする形式となっている.HP の内容は常に最新の 情報であることから,過去の履歴を把握することはでき ない.従って,本研究では小田急電鉄を除く 7 事業者を 対象とする.以上の事業者を対象とした調査期間は, 2014 年 1 月 1 日から 2014 年 12 月 31 日の期間である. (2) 鉄道事業者別の発生状況 運転見合わせの発生原因については,鉄道事業者間で 必ずしも記載方法が統一されていないことから,上述し た国土交通省の調査 8)を基本に,Twitter に記載されてい る原因との対応を表-1 のように整理した.具体的には,

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大分類および中分類は国交省調査の分類を参考に設定し, Twiterr に記載されている原因を対応させることとした. 以上を基に整理した運転見合わせ原因別の発生件数を 図-2 および表-2 に示す.これより,対象期間における 運転見合わせ件数は 270 件であり,内訳は,鉄道外原因 表-1 運転見合わせ原因の分類 大分類 中分類 具体的事象(各事業者の表記を基に整理) 鉄道係員 乗務員のトラブル 車両等 車両・ドアの故障・不具合・点検 ホームドアの故障・不具合・点検 車内点検 車両同士の衝突 土木・電気施設 保安装置(信号・ポイント等)の故障・不具合・点検 線路の異常・点検 トンネル内の異常・点検 その他施設の異常・点検 夜間作業の遅れ 線路内(支障) 線路内支障物 線路内立入 踏切道(支障) 自動車・二輪車・自転車等と接触 踏切の安全確認 人身事故 人身事故 急病人 急病人救護 他路線の影響 他路線での人身事故 他路線での車両の故障・不具合・点検 その他 混雑 乗客のトラブル,ホーム下転落 沿線火災,架線に飛来物が付着 その他 自然災害 (災害原因)自然災害 台風,大雨,強風 積雪,雪崩 地震,落雷,土砂崩れ その他 鉄道内 (部内原因) 鉄道外 (部外原因) 18 53 125 30 29 0% 20% 40% 60% 80% 100% 鉄道係員 車両等 土木・電気施設 線路内(支障) 踏切道(支障) 人身事故 急病人 他路線の影響 その他 自然災害 鉄道内原因 鉄道外原因 自然災害 N=270 図-2 運転見合わせの原因別構成 表-2 鉄道事業者別・原因別の発生件数 西武 鉄道 京成 電鉄 京王 電鉄 東急 電鉄 京急 電鉄 東京 メトロ 都営 地下鉄 合計 鉄道係員 0 0 0 0 0 2 0 2 車両等 4 0 0 2 0 11 1 18 土木・電気施設 15 2 5 4 0 24 3 53 線路内(支障) 1 1 0 0 0 1 0 3 踏切道(支障) 0 0 2 1 0 0 0 3 人身事故 29 10 26 28 12 13 7 125 急病人 0 0 1 0 0 1 0 2 他路線の影響 0 0 0 2 0 3 0 5 その他 4 1 0 2 1 22 0 30 災害 自然災害 10 2 5 5 5 2 0 29 63 16 39 44 18 79 11 270 原因 鉄道内 (部内 原因) 鉄道外 (部外 原因) 合計 注:各鉄道事業者の公式 Twitter では,原則として 15 分以上(京成電鉄のみ 30 分以上) の遅れ,または遅れが見込まれる場合に情報が提供されている.調査期間は,2014 年 1 月~12 月である(東急電鉄のみ,2014 年 2 月~12 月). 西武 京成 京王 東急 メトロ 都営 0 5 10 15 20 25 30 0 5 10 15 20 25 30 35 40 運 見 合 わ せ 件 数 ( 件 ) 列車走行キロ(百万キロ) 注:各事業者の列車走行キロについては,国土交通省鉄道局「鉄軌道輸送の安全にかかわ る情報(平成 26 年度)」に記載された数値を用いている. 図-3 事業者ごとの列車走行キロと土木・電気施設に起因する 運転見合わせ件数との関係 が 168 件(62.2%)と最も多く,次いで鉄道内原因が 73 件(27.0%),自然災害が 29件(10.7%)である. 原因別では,人身事故が 125 件(46.3%)と最も多く, 次いで土木・電気施設が 53 件(19.6%)である.これを 鉄道事業者別に原因をみると,東京メトロを除く 5 事業 者で人身事故が最も多く,東京メトロでは土木・電気施 設が最も多い傾向が見られる.東京メトロの場合,路線 の大部分がトンネル区間であり,人身事故が発生するこ とが多い踏切が存在しないこと,近年,ホームドアの設 置が進められていることが関係しているものと推察され る.なお,ホームドアについては,2013 年度末現在で, 179 駅中 84 駅で設置済みである9) なお,土木・電気施設を原因とする運転見合わせに関 しては,営業キロや運行本数など鉄道事業者ごとの特性 が関係しているものと考えられる.この点について,全 列車の走行距離の総和を示す指標である列車走行キロと 土木・電気施設に起因する運転見合わせ件数との関係を 示したのが図-3 である.これより,全体的に列車走行 キロが大きいほど運転見合わせ件数も多い傾向が見られ, 両者の間に一定の関係があることが推察される. (3) 運転見合わせ原因別の支障時間の特性 運転見合わせによる影響度を把握するため,原因別の 支障時間を算出する.ここで支障時間とは,運転見合わ せの発生から運転再開までに要した時間のことである. なお,京成電鉄および京急電鉄では運転見合わせの発生 および運転再開時刻が,東急電鉄では運転再開時刻がそ れぞれ Twitter 上に記載されていないため,これらの事 業者を除く 4事業者を対象に分析を行うこととする. まず,支障時間の基本統計量を表-3 に示す.これよ り,原因ごとで支障時間は大きく異なることがわかる. 具体的には,車両等,土木・電気施設,踏切道(支障), 人身事故,自然災害で,支障時間の平均が 40 分以上と 長い傾向が見られる.このうち,土木・電気施設と自然

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災害については,標準偏差の値も高く,後述するとおり, 個々の支障時間のばらつきが大きいことがわかる(図-4 は,これらの傾向を図示したものである). 次に,人身事故および土木・電気施設の支障時間の分 布を図-5 に示す.これより,人身事故が 30 分~75 分に 集中しているのに対し,土木・電気施設はばらつきが大 きいことがわかる.なお,土木・電気施設における支障 時間が 60 分以上の原因としては,ポイント点検・不具 合(6 件),保安装置故障(4 件),信号確認(1 件), 夜間作業遅れ(1 件)などである. 表-3 運転見合わせ原因別の支障時間の基本統計量 大分類 中分類 件数 平均 標準偏差 最大値 最小値 鉄道係員 2 21.5 11.5 33 10 車両等 15 41.1 45.8 156 8 土木・電気施設 39 97.4 152.2 919 6 線路内(支障) 1 5.0 - - - 踏切道(支障) 2 47.0 12 59 35 人身事故 68 51.7 24.1 126 8 急病人 2 11.5 8.5 20 3 他路線の影響 2 12.5 0.5 13 12 その他 19 19.1 20.2 75 3 自然災害 自然災害 6 110.7 60.7 180 33 単位:分 鉄道内 (部内 原因) 鉄道外 (部外 原因) 鉄道係員 車両等 土木・電気 施設 踏切道(支障) 人身事故 急病人 他路線の影響 その他 自然災害 0 20 40 60 80 100 120 140 160 0 20 40 60 80 100 120 支 障 時 間 の 標 準 偏 差 ( 分 ) 支障時間の平均(分) 図-4 原因別の支障時間の平均と標準偏差の関係 0 5 10 15 20 件 数 輸送障害の支障時間の分布(原因別) 人身事故 土木・電気施設 注:数値の範囲は,「より大きい~以下」を表わす 支障時間 図-5 運転見合わせ原因別の支障時間の分布 (4) 運転再開見込み時刻の誤差に関する分析 a) 運転再開見込み時刻の誤差の状況 従来,鉄道事業者による運転見合わせ時の情報提供に ついては,発生時刻,場所,原因等が中心であったが, 2003 年に小田急電鉄が運転再開見込み時刻の提供を開 始したのを契機に,現在では複数の鉄道事業者において, 同様の取り組みが実施されている 7).この取り組み自体 は,鉄道利用者の利便性向上の観点から意義のあるもの であるが,例えば,運転見合わせの原因別の提供状況や 実際の運転再開時刻との誤差の程度など,利用者の経路 選択に影響を及ぼすような実態については.必ずしも明 らかにされていない. ここでは,鉄道事業者が提供を行っている運転再開見 込み時刻の正確度を把握するため,運転再開見込み時刻 と実際の再開時刻との誤差を算出する.なお,本分析は, Twitter 上で運転再開見込み時刻の提供を行っている西武 鉄道,京王電鉄,東京メトロ,都営地下鉄の 4 事業者 (運転見合わせ件数は計 192件)を対象とする. まず,運転再開見込み時刻の提供状況について整理し た結果および誤差の基本統計量を算出した結果を表-4 に示す.これより,提供が行われたのは 113 件であり, 提供率は 58.9%と 6 割近くであった.原因別の提供率 (各 10 件以上の事象を対象)は,人身事故が 86.7%と 最も高く,次いでその他が 65.4%であり,土木・電気施 設は 38.3%と低くなっている.これは(3)で述べたとおり, 土木・電気施設および自然災害を原因とする運転見合わ せの場合,支障時間の標準偏差(ばらつき)が大きく, 運転再開の見込みが立てにくいことが関係しているもの と推測される. 次に,運転再開見込み時刻の誤差の基本統計量をみる と,発生件数が最も多い人身事故では平均 14.5 分,標 準偏差 12.8 分であるのに対して,土木・電気施設は平 均 50.4 分,標準偏差 60.4 分と,平均,ばらつきともに 大きいことがわかる. また,図-6 は,すべての原因を対象に誤差の分布を 示したものである.図中の誤差の正値は見込みより遅い 表-4 運転再開見込み時刻の誤差の基本統計量 提供 件数 全件 数 提供 率 平均 標準 偏差 最大 値 最小 値 鉄道係員 2 2 100.0% 4.0 1.0 5 3 車両等 7 16 43.8% 27.9 38.9 112 0 土木・電気施設 18 47 38.3% 50.4 60.4 192 0 線路内(支障) 1 2 50.0% 8.0 0.0 8 8 踏切道(支障) 0 2 - - - - - 人身事故 65 75 86.7% 14.5 12.8 59 0 急病人 0 2 - - - - - 他路線の影響 1 3 33.3% 7.0 0.0 7 7 その他 17 26 65.4% 6.8 5.3 20 1 自然災害 自然災害 2 17 11.8% 4.5 4.5 9 0 113 192 58.9% 鉄道内 (部内 原因) 鉄道外 (部外 原因) 原因 計 単位:分

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0 10 20 30 40 件 数 注:数値の範囲は,「より大きい~以下」を表わす 負値:見込みより早く再開 正値:見込みより遅く再開 運転再開見込み時刻の誤差 図-6 運転再開見込み時刻の誤差の分布 再開,負値は見込みより早い再開を表している(以下, 同様である).これより,誤差が±5 分以内が全体の 24.8%(113 件中 28 件),±15 分以内が 66.3%(113 件中 75 件)と 7 割近い結果であった. なお,上述の誤差は,Twitter 上で最初に提供された運 転再開見込み時刻を用いて算出したものであるが,いく つかの事象では,再開見込み時刻の変更が行われている. 具体的には,人身事故や土木・電気施設等を中心に全 23 件で変更が行われており,再開見込み時刻の誤差は, 平均 43.4 分から 14.6 分に短縮されている.図-7 は,変 更前後の誤差分布を示したものであるが,仮に変更前の 当初の再開見込み時刻のままであった場合,5 分~15 分 および 25 分以上に多く分布しているのに対して,変更 後は-15 分~15分に集中していることがわかる. b) 運転再開見込み時刻の提供までの時間と誤差の関係 次に,運転再開見込み誤差の程度について,運転見合 わせの発生から運転再開見込み時刻を提供するまでに要 した時間(以下,提供までの時間と表記)との関係をみ る.ここでは,Twitter 上で運転再開見込み時刻が記載さ れた時刻を把握できる西武鉄道,東京メトロ,都営地下 鉄の 3 事業者(計 88 件) を対象とする. まず,提供までの時間の傾向を示したが図-8 である. なお,a)で述べたとおり,事象によっては運転再開見込 0 2 4 6 8 10 12 件 数 運転再開見込み時刻の変更前後の誤差分布 変更前 変更後 注:数値の範囲は,「より大きい~以下」を表わす 運転再開見込み時刻の誤差 図-7 運転再開見込み時刻の変更前後の誤差分布 60 17 3 8 0% 20% 40% 60% 80% 100% ~10分 10分~20分 20分~30分 30分~ 数値は「より大きい~以下」を示す 注:最初に運転再開見込み時刻が提供されるまでの時間を対象としている. 図-8 運転見合わせの発生から再開見込み時刻提供までの時間 み時刻の変更が行われているが,ここでは,最初に提供 されるまでの時間を対象としている.これより,全体の 7 割近くで発生から 10 分以内に提供されていることが わかる.30分より長い 8 件のうち 4件は,土木・電気施 設を原因とする事象である. また,表-5 は,原因別の提供までの時間を示したも のである.土木・電気施設以外の原因の事象については, 平均 10 分以下で運転再開見込み時刻が提供されている ことがわかる. ここで,一般に提供までの時間と運転再開見込み時刻 の誤差との間には,トレードオフの関係があるものと考 えられる.このような視点から両者の関係を示したのが 図-9 である.なお,図中の点は,運転再開まで再開見 込み時刻の変更がなかった場合(青点),変更があった 場合の変更前(緑点)と変更後(赤点)の 3 つに区分さ れている.これより,運転再開まで再開見込み時刻の変 更がなかった場合(青点)は,概ね 20 分までに提供さ れており,提供までの時間の経過と誤差との間に明確な 関係はみられない. 一方,運転再開まで再開見込み時刻の変更があった場 合(緑点および赤点)は,最初に提供された段階の再開 見込み時刻は結果的に誤差が大きく,その後,再開見込 み時刻が変更されたことによって誤差が縮小しているこ とがわかる.だだし,提供までの時間は 20分~100 分と 長いものとなっている. 表-5 運転見合わせの発生から再開見込み時刻提供までの時間 件数 平均 標準偏差 最大値 最小値 鉄道係員 2 5.0 0.0 5 5 車両等 7 8.1 3.2 14 4 土木・電気施設 17 15.1 16.7 61 2 線路内(支障) 1 4.0 0.0 4 4 踏切道(支障) - - - - - 人身事故 43 9.1 6.5 39 0 急病人 - - - - - 他路線の影響 1 8.0 0.0 8 8 その他 17 5.2 2.8 15 2 自然災害 自然災害 - - - - - 原因 鉄道内 (部内 原因) 鉄道外 (部外 原因)

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-60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 0 20 40 60 80 100 運 転 再 開 見 込 み 時 刻 の 誤 差( 分 ) 運転見合わせの発生から再開見込み時刻提供までの時間(分) 提供までの時間(変更なし) 提供までの時間(変更前) 提供までの時間(変更後) 図-9 運転再開見込み時刻提供までの時間と誤差の関係

4. おわりに

本研究では,鉄道事業者が公式 Twitter 上で提供して いる運行情報を用いて,運転見合わせの発生状況や情報 提供の実態分析を行った.主な結果として,運転見合わ せの発生頻度は人身事故等の部外原因が多いものの,土 木・電気施設の点検・故障等の部内原因も 3 割近く発生 していること,運転見合わせによる支障時間は原因によ って大きく異なり,特に土木・電気施設関係および自然 災害でばらつきが大きいこと,運転再開見込み時刻の提 供については,人身事故が原因の場合を中心に行われて おり,実際の再開時刻との誤差は,全体の約 7 割で±15 分以内であることなどがわかった. 今後の課題としては,最近のスマートフォンの普及に より,鉄道利用者の運行情報へのアクセス性が向上して いる環境下において,運転見合わせ時における迂回等の 行動決定に有効となる情報の提供が必要である.このう ち運転再開見込み時刻の精度については,既往研究 7) おいて,利用者は再開見込み時刻に一定の予測誤差が生 じることを前提に,より早い段階での提供を求めている 実態が示されており,これらを踏まえた鉄道事業者によ る情報提供のあり方の検討が期待される. さらに,今後のオープンデータ化の進展に伴い,列車 の位置情報や遅延情報なども提供されることが見込まれ ることから,多様なデータを整理・統合した利用者向け のアプリの開発なども重要な課題である. 参考文献 1) 国土交通省関東運輸局鉄道部:関東運輸局管内における 鉄軌道事故等の発生状況,2014. 2) 高田和幸,小林繭美:鉄道輸送障害発生時の乗客の選択 行動に関する分析,土木計画学研究・論文集,Vol.25, pp.763-768,2008. 3) 武藤雅威:運転再開時における旅客数の予測手法の開発, 鉄道総研報告,22(6),pp.17-22,2008. 4) 伊藤太郎,岡村敏之,中村文彦,王鋭:首都圏鉄道遅延 発生時における利用者の情報提供に対する利用選好に関 する研究,土木学会論文集 D3(土木計画学),Vol.67, No.5, I_657-I_663,2011. 5) 武藤智義,金子雄一郎:鉄道の運転見合わせ時における 利用者の情報取得行動分析,第 32 回交通工学研究発表会 論文集,pp.471-476,2012. 6) 山内香奈,村越暁子,藤浪浩平:輸送障害時の旅客向け 駅案内放送の改善に向けた検討,鉄道総研報告書,Vol.23, No.9,pp.53-58,2009. 7) 武藤智義,金子雄一郎,大沼史明:鉄道の運転見合わせ 時における再開見込み情報の提供方法に関する追試的検 討,鉄道工学シンポジウム論文集,第 17 号,pp.81-88, 2013. 8) 国土交通省:鉄道輸送トラブルによる影響に関する調査 結果の概要,2009. <http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo08_hh_000003.html> (入手 2014.7.1) 9) 東京地下鉄株式会社:平成 27 年度(第 12 期)事業計画 (説明資料),2015. <http://www.tokyometro.jp/corporate/profile/scheme/pdf/plan_h27_ 2.pdf> (入手 2015.10.20) (2015.10.26受付)

STUDY ON TRAIN OPERATION DISORDE USING OFFICIAL TWITTER

OF URBAN RAILWAY COMPANIES

By Gaku HORIE, Akihiro SEKIYA and Yuichiro KANEKO

The objective of this paper is to study on train operation disorde using official twitter of urban railway companies in the Tokyo metroporitan area. The frequency and causes of occurrence of the suspension of the train, the characteristics of the trouble time and error of operation resumption expected time were re-vealed by using the twitter information. As a result, it found that is more likely to occur suspension of the train service due to injury, the variation of trouble time in cause failure of facilities is greater, the error of the operation resumption expected time is within 15 minutes in the whole of 70%.

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