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平成 30 年度 滝沢市商工会

地域の経済動向調査報告書

(平成 30 年1月~6月)

平成30年9月

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目次

序章 調査の概要 ...1 1.名称 ...1 2.目的と概要 ...1 3.成果物の活用 ...1 1章 全国的にみた小規模事業者の動向 ...2 1.全国的にみた小規模事業者の動向 ...2 (1)小規模事業者の全国的な傾向 ...2 (2)中小企業の景況(全国) ...4 (3)小規模企業の景気動向 ...6 2章 岩手県における最近の景況 ... 16 1.岩手県内経済の動き ... 16 (1)岩手県内経済の動き ... 16 (2)いわて景気ウォッチャー調査 ... 20 2.中小企業の景況... 23

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序章 調査の概要

1.名称

地域の経済動向調査報告書

2.目的と概要

地域の経済動向を把握することを目的に、国や県・岩手県商工会連合会(以下、県連)等の関係機関による 『小規模企業白書』や一般財団法人岩手経済研究所の『岩手経済研究』、県連の「経営者モニター制度」、滝沢 市「観光動向調査」等の各種統計データや報告書等を活用して、とりまとめを行うものとする。 (1)全国的にみた小規模事業者の動向 ①小規模事業者の全国的な傾向 中小企業庁 『小規模企業白書』 年1回 ②中小企業の景況(全国) 全国商工会連合会「中小企業景況調査」 全国の商工会地区約 8,000 企業を対象 四半期ごと ③小規模企業の景気動向 全国商工会連合会「景気動向調査」 全国約 300 商工会の経営指導員対象 毎月実施 ※毎月実施の結果を、7月(1~3)、8月(4~6)、10 月(7~9)、1月(10~12)、四半期ごとに整理して レポート作成する。 (2)岩手県における最近の景況 ①岩手県内経済の動き 岩手経済研究所『岩手経済研究』 「岩手県内経済の動き」 「いわて景気ウォッチャー調査」 毎月 四半期ごと ②中小企業の景況 岩手県商工会連合会 『中小企業景況調査結果』 四半期ごと ③経営者モニター 岩手県商工会連合会 『経営者モニター業況調査結果』 四半期ごと (やや不定期) ④観光動向調査 滝沢市 「観光入込客数の推移」 毎月、毎年 (前年度) ※①については、上記と同様に、毎月実施の結果を、7月(1~3)、8月(4~6)、10 月(7~9)、1月(10 ~12)、四半期ごとに整理してレポート作成する。 (3)業界の動向 業界誌『販売革新』、『商業界』などから、滝沢市の事業者に関連した特集記事等を抜粋する。

3.成果物の活用

調査結果について報告書としてとりまとめ、昨年度実施した調査結果との比較も行いながら、滝沢市内商工 業者が策定する経営計画の策定に際しての基礎資料として活用するとともに、ホームページで公開する。

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1章 全国的にみた小規模事業者の動向

滝沢市を取り巻く全国的な経済動向を把握するため、『小規模企業白書』及び全国商工会連合会の「中小企 業景況調査」や「景気動向調査」を活用する。

1.全国的にみた小規模事業者の動向

(1)小規模事業者の全国的な傾向 小規模事業者の全国的な傾向について、2018 年版『小規模企業白書』(中小企業庁)では、第1部で、最 近の小規模事業者の動向についての分析に加え、小規模事業者の労働生産性等について分析を行っている。ま た、第 2 部では、小規模事業者の生産性向上に向けた取組について分析として、具体的には、業務の見直し、 IT 利活用、設備投資、企業間連携等について分析している。さらに、第 3 部では、地域課題に対応しながら 成長する小規模事業者やいわゆるフリーランス等の「新しい働き方」としての小規模事業者について事例を取 り上げている。 また、『小規模企業白書』は、以下の 10 ポイントを中心に、中小企業・小規模事業者に生産性向上に向け たヒントを提供することを目指す実践的な白書となっている。 ①中小企業の景況感は改善傾向にある一方、大企業との生産性格差は拡大 •中小企業の経常利益は過去最高水準である。景況感も改善傾向にあり、都市と地域間のばらつきも縮小して いる。 •他方、依然として大企業との生産性格差は拡大しており、中小企業の生産性向上が急務となっている。 ②未来志向型の取引慣行に向けて、下請取引は着実に改善 •下請 G メンによる下請企業ヒアリングでは、全体の約 25%の企業で具体的な改善が確認された。ただし、 25%の企業とは、具体的な改善があった事例を集計した割合であり、残りの 75%において不適切な取引 が存在しているわけではない。 •引き続き、未来志向型の取引慣行の実現に向けて、下請中小企業と親事業者の適正な取引を普及定着させ、 賃上げできる環境の整備を図るための取組を推進する。 ③IT 導入等を行う上でも、業務プロセスの見直しは生産性向上の大前提 •設備投資や IT 導入などの生産性向上に向けた取組は、業務プロセスの見直しと併せて実施することで一層 の効果が期待される。業務プロセスの見直しは、生産性向上の大前提である。 ④幅広い業種で多能工化・兼任化の取組が進展。生産性向上にも寄与 ・人手不足状況下で、多くの業種で多能工化・兼任化の取組が進展しているが、卸売業・小売業、サービス業 等の非製造業において製造業並の積極的な取組が必要である。 ⑤IT 導入のきっかけとして重要になるのは、地元の IT ベンダーなど身近な相談相手 •中小企業の IT に関する相談相手は、地元の IT メーカー・販売会社等が多く、こうした主体が IT 導入を働

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きかけていくことが重要である。 ⑥業務領域や一企業の枠を超えて連携することで IT の効果は飛躍的に高まる •IT 導入の効果を高める上では、複数の業務領域間でデータ連携を図ることが重要である。 •さらに、企業間でデータ連携を行うことで一層の生産性向上が期待できる。 ⑦生産性向上のためには前向きな投資が重要。引き続き投資を促進する必要 ・中小企業の設備投資は、緩やかな増加傾向となっている。 •足下では設備老朽化等を背景とした維持・更新投資が中心だが、生産性向上につながる前向きな投資をより 一層促進していく必要がある。 ⑧事業承継等を背景に中小企業の M&A は増加し、生産性向上に寄与 ・事業承継等を背景に、中小企業の M&A 件数は増加基調。買い手側の企業にとっても、シナジーを発揮し、 生産性を高める契機となりうる。 •M&A の相手先を見つけたきっかけとしては、金融機関等の第三者からの紹介が多く、マッチング強化が 今後の課題である。 ⑨小規模事業者では経営者に業務が集中。IT 導入等による経営者の業務効率化が急務 •人手不足を背景に、小規模事業者では経営者に業務が集中している。業務の見直しや IT 利活用等を進める ことを通じて、間接業務の業務負担を軽減し、経営者の業務効率化を進めることが急務の課題である。 ⑩小規模事業者へ施策を浸透させる上では、支援機関の役割が重要 •支援機関による伴走型支援や支援機関同士の連携によって、小規模事業者が必要とする施策をスムーズに 届けることが可能になる。

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(2)中小企業の景況(全国) 全国商工会連合会で行っている「中小企業景況調査」では、全国の商工会地区約 8,000 企業を対象に、四 半期ごとに調査を行い、集計分析している。その結果の概要は、以下のとおりである。 ①平成 30 年1-3月期 原材料高、人手不足などから製造業を中心に一歩後退 全国商工会連合会(会長:石澤義文)は、平成 30 年 1-3 月期中小企業景況調査(約 8,000 企業対象、 3 月 1 日時点調査実施)の結果をとりまとめた。 平成 30 年 1-3 月期の中小企業景況調査結果によると、全産業の DI(景気動向指数・前年同期比)は、 売上額がマイナス 25.0(前期比 3.6 ポイント低下)、採算(経常利益)はマイナス 26.6(同 2.7 ポイント 低下)、資金繰りはマイナス 17.1(同 2.8 ポイント低下)となり、主要3DI がそろって悪化した。業種別 の売上額 DI(建設業は完成工事額 DI)をみると、今期は製造業で大幅に悪化、建設業、サービス業でも悪化 がみられた。小売業は僅かに上昇したものの、変化は横這いの範囲内にとどまった。全体として平成 29 年 4-6 月期に大幅に好転した後、3 期連続で水準を切り下げた格好。製造業、建設業は 1 年前より高い水準 を維持しているが、小売業、サービス業は 1 年前とほぼ同水準にある。 業種別の動きは、以下のようにまとめられる。 製造業は、プラスチック製品、化学、精密機械器具等、多くの分野で売上額 DI、採算 DI が顕著に悪化した。 地域別にみても全地域で売上額 DI が悪化するなど、広範な悪化がみられた。経営上最大の問題点として「従 業員の確保難」「原材料価格の上昇」を指摘する経営者が増加している。 建設業でも若干の悪化がみられたが、他の業種と比べて高い水準を維持している。職別工事業が大幅に悪化 した半面、堅調な設備投資を反映して設備工事業は改善した。経営上最大の問題点として、4 分の 1 以上の 経営者が「従業員の確保難」「熟練技術者の確保難」のいずれかを指摘しており、人材不足の深刻化が調査結 果にも表れている。 小売業では、売上額 DI が 4 業種中最も低い状況が続いており、今期はほぼ横這いの動きとなった。半数以 上の経営者が、経営上最大の問題として、「購買力の他地域への流出」「大型店・中型店の進出による競争の激 化」等の中長期的課題を挙げる状況は変わっていない。 サービス業では、洗濯・理美容業、飲食店(一般・遊興)を中心に悪化がみられた。経営上最大の問題点と して「利用者ニーズの変化」といった構造問題に加え、今期は「従業員の確保難」「材料等仕入れ単価の上昇」 を指摘する割合が増加している。 マクロ経済は雇用情勢、企業収益、世界経済等からみる限り、堅調さを維持しているものの、大企業でも資 源価格上昇の影響が顕在化するなど不透明感も漂う。本調査は従業員規模が小さいほど状況が深刻である傾 向を示しており、今後の展開を注視する必要がある。

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②平成 30 年4-6月期 主要3DIが揃って改善、回復基調を維持する中小企業の景況 全国商工会連合会(会長:森 義久)は、平成 30 年 4-6 月期中小企業景況調査(約 8,000 企業対象、 6月1日時点調査実施)の結果をとりまとめた。 平成 30 年4-6月期の中小企業景況調査結果によると、全産業のDI(景気動向指数・前年同期比) は、売上額がマイナス 17.8(前期比 7.2 ポイント上昇)、採算(経常利益)はマイナス 20.9(同 5.7 ポイ ント上昇)、資金繰りはマイナス 12.0(同 5.1 ポイント上昇)となり、中小企業の主要 3DIがそろって改 善する結果となった。これは1年前の水準と比較すると、売上額がマイナス 0.3 ポイント、採算はマイナス 0.2 ポイント、資金繰りではプラス 1.3 ポイントと、ほぼ同じ水準に改善してきたことを示している。 業種別の動きは、以下のようにまとめられる。 当期の業況を製造業、建設業、小売業、サービス業の4分野でみると、その全てで主要 3DIが前期水準 を上回っており、3DIが揃って改善したのは1年ぶりになる。中でも製造業は 1 年前の水準と比較しても 全てのDIがそれを上回って推移しており、その他業種も 1 年前の水準から大きく下回ることなく回復基調 を維持しているものとみられる。 また、当期は4分野それぞれの内訳業種、人口規模別、従業員規模別のいずれ区分においても、その多くで 幅広く改善を示す傾向がみられた。ただし、地域別区分においてのみ、製造業で「東北」、建設業で「九州」 の3DI全てが低下するという特徴があり、加えて、東北地区の製造業と建設業は、3DIの水準自体が他の 地域に比べ低く推移している。 経営上の問題点としては、4分野全てにおいて「需要の停滞」をあげる経営者が引き続き多いものの、その 割合は前期と比べると低下している。一方、いずれの分野においても、原材料、あるいは仕入れ単価の上昇を 問題視する経営者は増加傾向にあり、前期からの増加幅は他と比べても大きい。また、「製造業」「建設業」「サ ービス業」の3分野では「従業員の確保難」が1番の問題点として比較的上位にあげられており、このうち、 製造業および建設業では前期よりも問題視をする割合が高くなった。 中小企業の人手不足感の高まりに加え、物価・資源価格の上昇などを背景としたコスト高など、供給面での 制約を問題視する経営者が増えつつあることを調査結果は示している。国内外の景気は引き続き緩やかに回 復しているが、それに伴う好調な企業収益を、中小企業も含めた確かな景況回復につなげることができるかが 重要である。また、過去の推移からは、中小企業の主要DIが4-6月期に上昇する傾向がみられるため、当 期の景況改善が軌道に乗っていくかどうかについては、国際的な貿易問題や7月豪雨災害の影響等も勘案し つつ引き続き注視していく必要があろう。 (注)DI(景気動向指数)は各調査項目について、各調査項目について増加(好転)企業割合から減少 (悪化)企業割合を差し引いた値を示す。

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(3)小規模企業の景気動向 全国商工会連合会では、全国約 300 商工会の経営指導員を対象に、調査票を用いた調査を毎月実施してい る。小規模企業景気動向調査結果の概要は、以下のとおりである。 ①平成 30 年1月期 ~降雪や厳冬により消費が低迷し、全業種で悪化した小規模企業景況~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年1月末 ・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/降雪や厳冬により消費が低迷し、全業種で悪化した小規模企業景況 1月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)、採算 DI、資金繰り DI が小幅に悪化し、売上額 DI は大幅に悪化した。 経営指導員からは、例年を上回る降雪により客足が伸びなかったことに加え、生鮮品が高騰し消費が低迷し たこと等により売上悪化を招いたことや、ガソリン・灯油等の燃料費が高値で推移していることから仕入価格 が高止まりしており、収益改善が遅れている一方で、自動車や工作機械などの機械・金属加工業は、人手不足 の問題を抱えながらも好調を維持しているとの報告があった。 ●製造業/機械・金属は好調を維持する一方、その他の業種が低調であった 製造業の業況 DI と売上額 DI は、先月から一転大幅に悪化し、採算 DI と資金繰り DI は小幅に悪化した。 工作機械や自動車、機械部品は好調であるが、食料、繊維等その他の業種が振るわず、悪化を示した。 経営指導員からは、受注量は一定量確保、あるいは増加しているとのコメントが寄せられている一方で、人 手不足や賃金の高騰により、受注量制限をして売上が頭打ちとなっていることや、資金繰りの改善にまでは至 っていないとの報告があった。 ●建設業/厳冬や降雪により一部で繁忙を極めるも、深刻な人手不足が利益確保を阻害している 建設業の業況 DI は、3か月ぶりに大幅に悪化した。売上額 DI は、先月から 10.1 ポイント下がり、マイナ ス 4.6 となった。採算 DI、資金繰り DI は小幅に悪化した。 経営指導員からは、降雪や厳冬による除雪作業や水道管破裂の修理などによって売上が増加したところが 一部にみられるが、工期の遅れや建築資材の調達遅延があり、利益確保が厳しいとのコメントが寄せられた。 また、除雪作業の出動回数が増えたが、その分燃料費がかかるため収益率は低いとの報告があった。加えて、 深刻な人手不足がコストアップ要因となり、低収益体質となっているとのコメントも寄せられた。 ●小売業/冬物衣料や暖房家電に動きが出るも、生鮮品の高騰で消費者に買い控えが起きた 小売業の業況 DI は、先月から一転小幅に悪化するも、他の3業種と比べると悪化幅は小さかった。売上額 DI は他3業種と同様に大幅に悪化し、採算 DI と資金繰り DI は小幅に悪化した。 経営指導員からは、厳冬により、冬物衣料や耐久消費財の中でもストーブやエアコンなどの暖房家電の売上 増加がみられたとのコメントがある一方で、食品関係では、天候不順により引き続き青物野菜を中心に値段が

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高騰しているため、消費者の買い控え起きており、資金繰りと併せて大変厳しいとの報告があった。 ●サービス業/人手不足と燃料費高騰に加え、天候不順が押し下げ要因となった サービス業は、業況 DI、売上額 DI、採算 DI ともに大幅に悪化。資金繰り DI が小幅悪化となった。 経営指導員からは、天候不順で一部のクリーニング業では売上が増加した一方で、燃料費の高騰が採算悪化 要因となっているとの報告があった。また、自動車関連サービス業ではスタッドレスタイヤの需要が増えたと の報告があり、運輸業では、仕事量は確保できるが、人手不足と燃料費の上昇が収益圧迫を招き、また、価格 改定が出来ず厳しいとの報告があった。 業種 産業全体 製造業 建設業 12 月 1 月 前月比 12 月 1 月 前月比 12 月 1 月 前月比 売上額 ▲ 6.2 ▲ 13.6 ▲ 7.4 ▲ 2.3 ▲ 8.5 ▲ 6.2 5.5 ▲ 4.6 ▲ 10.1 採 算 ▲ 12.6 ▲ 16.8 ▲ 4.2 ▲ 10.8 ▲ 14.4 ▲ 3.6 ▲ 6.7 ▲ 10.2 ▲ 3.5 資金繰り ▲ 8.4 ▲ 11.4 ▲ 3.0 ▲ 7.1 ▲ 9.6 ▲ 2.5 ▲ 4.0 ▲ 8.3 ▲ 4.3 業 況 ▲ 11.0 ▲ 15.8 ▲ 4.8 ▲ 5.8 ▲ 12.7 ▲ 6.9 ▲ 0.4 ▲ 5.7 ▲ 5.3 業種 小売業 サービス業 12 月 1 月 前月比 12 月 1 月 前月比 売上額 ▲ 15.2 ▲ 22.0 ▲ 6.8 ▲ 12.6 ▲ 19.3 ▲ 6.7 採 算 ▲ 20.3 ▲ 24.5 ▲ 4.2 ▲ 12.9 ▲ 18.0 ▲ 5.1 資金繰り ▲ 14.6 ▲ 16.7 ▲ 2.1 ▲ 7.8 ▲ 11.3 ▲ 3.5 業 況 ▲ 22.9 ▲ 25.1 ▲ 2.2 ▲ 14.8 ▲ 19.9 ▲ 5.1 注)DI(景気動向指数)は、各調査項目について、増加(好転)企業割合から減少(悪化)企業割合を差し引いた値を示す。 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課 ②平成 30 年2月期 ~建設業を除き、3業種で停滞が続く小規模企業景況~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年2月末 ・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/建設業を除き、3業種で停滞が続く小規模企業景況 2月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)と資金繰り DI がわ ずかに悪化し、採算 DI は若干の改善、売上額 DI は不変となり、小幅な動きとなった。建設業は、堅調な需要 が下支えていることに加え、除雪作業が入り好調を示したものの、他3業種は天候不順などにより停滞が続い ている。 経営指導員からは、大雪による物流等の混乱や寒波による客数減などが、悪化を招いたとのコメントが目立

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った。 ●製造業/金属・自動車・工作機械とそれ以外とで二極化が見られる 製造業の業況 DI は不変、売上額 DI、採算 DI、資金繰り DI はわずかに悪化した。金属製品、自動車部品、 建設機械や工作機械については、海外・国内ともに需要が安定し、一部では自社対応できない分を外注するな どの対応に追われている。 一方で、食料品製造業では、野菜高騰による仕入価格の上昇が採算を悪化させていることや漁獲高の減少に よる生産量調整によって売上確保ができないとの声があった。また、段ボールやプラスチック容器の資材価格 の上昇分を価格転嫁できず厳しい経営環境が続いているとの報告があった。 ●建設業/需要増で売上が改善するも、原材料高により採算確保が十分ではない 建設業の業況 DI と資金繰り DI は先月から一転、小幅に改善した。売上額 DI は大幅改善、採算 DI は小幅 改善した。年度末を控え公共工事が売上増に貢献するとともに、住宅やそのリフォーム等の民間需要も堅調な 動きを示しているとのコメントがあった。 また、大雪による除雪作業が売上に寄与した一方で、慢性的な人手不足であり、除雪作業を優先した結果、 施工工事の工程遅れを危ぶむ声もあった。また、建築用鋼材、重機用燃料、住宅用建材の高騰により利幅が減 少しているとの声も聞かれた。 ●小売業/季節需要も限定的であり、大雪や寒波により客足が伸びなかった小売業 小売業の業況 DI は、2か月連続して小幅に悪化した。採算 DI は改善したが、売上額 DI は小幅悪化、資金 繰り DI はわずかに悪化した。 経営指導員からは、一部の業種で卒業・入学シーズンにより売上が増加したことや厳冬により防寒具などの 冬物商品が好調であったとの声が聞かれた一方で、少子化により新入学生向け商品の売上が年々減少してい ることや天候不順が続くために春物の売上が低迷していること、地域によっては大雪や寒波により商品仕入 れが出来なかったり、消費者の来店数が減少したりして売上減少を招いたとのコメントがあった。 ●サービス業/理美容業を中心に厳しい状況が続く サービス業は、業況 DI は小幅に悪化した。採算 DI は不変であったが、売上額 DI は小幅悪化、資金繰り DI は、わずかに悪化した。 経営指導員からは、クリーニング業は季節の変わり目でもあり、小幅に改善がみられたが、理美容業は固定 客の減少や低価格店舗との競争など厳しい環境におかれているとの声があった。また、旅館業については、外 国人観光客や工事関係者を受け入れているところは安定しているが、観光オフシーズンであるので総じて低 調とのコメントがあった。 業種 産業全体 製造業 建設業 1 月 2月 前月比 1 月 2月 前月比 1 月 2月 前月比 売上額 ▲ 13.6 ▲ 13.2 0.4 ▲8.5 ▲ 9.2 ▲ 0.7 ▲ 4.6 3.0 7.6 採 算 ▲ 16.8 ▲ 16.0 0.8 ▲ 14.4 ▲ 15.8 ▲ 1.4 ▲ 10.2 ▲ 7.0 3.2 資金繰り ▲ 11.4 ▲ 12.1 ▲ 0.7 ▲ 9.6 ▲ 10.5 ▲ 0.9 ▲ 8.3 ▲ 6.5 1.8 業 況 ▲ 15.8 ▲ 16.4 ▲ 0.6 ▲ 12.7 ▲ 13.0 ▲ 0.3 ▲ 5.7 ▲ 2.8 2.9

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業種 小売業 サービス業 1 月 2月 前月比 1 月 2月 前月比 売上額 ▲ 22.0 ▲ 24.8 ▲ 2.8 ▲ 19.3 ▲ 21.8 ▲ 2.5 採 算 ▲ 24.5 ▲ 23.2 1.3 ▲ 18.0 ▲ 18.2 ▲ 0.2 資金繰り ▲ 16.7 ▲ 18.3 ▲ 1.6 ▲ 11.3 ▲ 13.1 ▲ 1.8 業 況 ▲ 25.1 ▲ 27.5 ▲ 2.4 ▲ 19.9 ▲ 22.4 ▲ 2.5 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課 ③平成 30 年3月期 ~前月から一転、建設業以外の3業種で業況が改善した小規模企業景況~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年3月末 ・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/前月から一転、建設業以外の3業種で業況が改善した小規模企業景況 3月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)、売上額 DI、資金 繰り DI はわずかに改善した。また、採算 DI は不変であった。春の行楽シーズンに入り、3月中旬頃から観光 に関連した小売業、サービス業を中心に業況が改善した。 経営指導員からは、年度末の資金需要もあり、全体的に貸出態度が積極的な地域金融機関が多いが、企業の 資金需要は低調とのコメントがあった。 ●製造業/金属製品・自動車関連部品とそれ以外とで二極化が見られる 製造業の業況 DI、売上額 DI、資金繰り DI は、産業全体と同様にわずかに改善した。また、採算 DI につい ては不変であった。 経営指導員からは、製造業の中でも、金属製品と自動車部品は好調との積極的なコメントがあったが、先月 と比べると機械部品・繊維製品・建設機械については消極的なコメントが目立った。そのような中、人材不足 を補うために資金力のある企業では設備投資に前向きな声が聞こえるも、従業員の高齢化や人材確保難によ り、機械を購入してからの生産体制や技術承継に危機感を覚えているとの声も聞かれた。 ●建設業/一定の工事量は確保しつつも、地域により格差が見られる 建設業の業況 DI は先月から一転、小幅に悪化した。売上額 DI はわずかに改善、採算 DI はわずかに悪化、 資金繰り DI は小幅に改善した。 経営指導員からは、例年と比べると公共工事が少なく、民間工事は堅調とのコメントがあった。域外の仕事 を取りに行けるかどうかで、二極化が発生している。また、引き続き人手不足については解消されていないも のの、自社でやりくりできるところは、他社からの請負で売上・利益ともに確保できている。一方で、豪雪の ために工事の遅れが発生した地域では、代金の回収に遅れが生じ、資金繰りが悪化しているとのコメントが寄

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せられた。 ●小売業/一部で売上が改善するも、業種・地域は限定的 小売業の業況 DI は3か月ぶりに小幅に改善した。売上額 DI は不変であったが、採算 DI は2か月連続して 小幅に悪化、資金繰り DI は小幅に改善した。 経営指導員からは、3月は先月と比べ天候が良く、行楽シーズンと相まって観光土産物等の販売が好調であ ったとの声が聞かれた。気温上昇により春野菜の入荷が始まり、食料品小売業では価格高騰の歯止めに期待が 持てる状況となってきたが、耐久消費財等では動きが乏しく、売上の低迷、減少に直面している事業者が多い とのコメントがあった。 ●サービス業/観光関連業種とそれ以外とで差が見られる サービス業では、業況 DI と採算 DI は小幅に改善した。売上額 DI は不変であったが、資金繰り DI はわず かに改善した。 経営指導員からは、春の観光シーズンを迎え、地域によってはレンタカー、宿泊施設の稼働状況が上向いて きている。季節需要に乏しい業種では、小売業と同様に人口減少や高齢化などで来客数が減少している。運輸 業では、引越需要増で多忙であったが、一方で、人手不足や燃料費高騰により厳しい状況が続いているとのコ メントがあった。 業種 産業全体 製造業 建設業 2月 3月 前月比 2月 3月 前月比 2月 3 月 前月比 売上額 ▲ 13.2 ▲ 12.5 0.7 ▲ 9.2 ▲ 7.3 1.9 3.0 3.6 0.6 採 算 ▲ 16.0 ▲ 15.7 0.3 ▲ 15.8 ▲ 16.1 ▲ 0.3 ▲ 7.0 ▲ 8.6 ▲ 1.6 資金繰り ▲ 12.1 ▲ 10.4 1.7 ▲ 10.5 ▲ 8.9 1.6 ▲ 6.5 ▲ 3.9 2.6 業 況 ▲ 16.4 ▲ 15.7 0.7 ▲ 13.0 ▲ 11.9 1.1 ▲ 2.8 ▲ 6.0 ▲ 3.2 業種 小売業 サービス業 2月 3月 前月比 2月 3月 前月比 売上額 ▲ 24.8 ▲ 24.6 0.2 ▲ 21.8 ▲ 21.4 0.4 採 算 ▲ 23.2 ▲ 23.9 ▲ 0.7 ▲ 18.2 ▲ 14.3 3.9 資金繰り ▲ 18.3 ▲ 16.2 2.1 ▲ 13.1 ▲ 12.3 0.8 業 況 ▲ 27.5 ▲ 25.3 2.2 ▲ 22.4 ▲ 19.7 2.7 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課 ④平成 30 年4月期 ~製造業を中心に2カ月連続の改善となった小規模企業景況~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年4月末

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・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/先月に引き続き、建設業を除く3業種において若干の景気好転が見られた小規模企業景況 4月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)と売上額 DI は小幅 に改善、採算 DI はわずかに改善、資金繰り DI は不変であった。前月に比べ製造業が大幅に改善したのに加 え、4月になり入学・観光シーズンが到来したこと、晴天が多く、気温も温暖であったことから、サービス業 において若干の改善が見られた。回復基調にもかかわらず、経営指導員からは、建設業を中心に、人手不足感 が解消されず、消極的なコメントが目立った。 ●製造業/好調な自動車関連部品・工作機械が業況を牽引する製造業 製造業の業況 DI と売上額 DI は、先月と比べると大幅改善、採算 DI は小幅に改善し、資金繰り DI はわず かな改善に留まった。特に、自動車関連部品、工作機械については、受注増加に伴う稼働率の向上と併せて、 業績好調とのコメントが寄せられている。一方、紡績・繊維業については、前年同月比では、資金繰り DI を 除けば回復の兆しが見られるが経営指導員からのコメントの内容から見ると、数値ほど改善してはいない状 況である。 ●建設業/公共工事不足、大手との競合、人手不足、建築資材高騰等で不安要素の多い建設業 建設業の業況 DI は、先月から一転、わずかに改善した。ただし、売上額 DI、採算 DI については、わず かに悪化、資金繰り DI にいたっては大幅に悪化した。2~3月に降雪の多かった地域も、4月は晴天が続い て雪解けが進み、工事に取り掛かれたとの声が聞かれた。年度初めということもあり、公共工事の発注数が乏 しく、一方で民間工事ではリフォーム工事の発注はあるが、大手ハウスメーカーとの競合や人手不足、建築資 材の高騰により資金繰りが逼迫しているとのコメントが寄せられた。 ●小売業/夏を先取りした暑さから、一部業態は好調も、足元は弱い小売業 小売業の業況 DI は、先月から一転わずかに悪化した。売上額 DI と資金繰り DI は、先月とほぼ不変、採算 DI はわずかに改善した。経営指導員からは、4月期は全国的に夏を先取りしたような暑さから、夏物衣料や 耐久消費財のうちエアコンの販売が好調との、例年に無いコメントが目立った。また、食料品小売業では、野 菜の高騰が沈静化してきており、消費者の購入意欲に回復の兆しが見られている。一方で、4月から小麦や乳 製品の値上げにより一部商品で値上げの動きが見せており、息を抜けない状況が続いている。 ●サービス業/天候や季節要因で全体的には好調であるが、一部地域で災害の影響に苦しむサービス業 サービス業の業況 DI、売上額 DI、資金繰り DI は小幅に改善したが、採算 DI はわずかに悪化した。4月期 は晴天が続き気候も温暖であったことから、全国的に観光や行楽による需要が高まった。また、理美容業関係 では入学シーズンの需要が発生し、洗濯業では衣替えの需要により好調を維持しているとのコメントがあっ た。一方で、4月は噴火が続いた月であった。特に硫黄山噴火に伴い、宮崎県では風評被害により宿泊業にお いてキャンセルが相次ぎ、予約数が激減しているとのコメントが寄せられた。 業種 産業全体 製造業 建設業 3月 4月 前月比 3月 4月 前月比 3月 4月 前月比 売上額 ▲ 12.5 ▲ 10.0 2.5 ▲ 7.3 ▲ 1.0 6.3 3.6 2.3 ▲ 1.3

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採 算 ▲ 15.7 ▲ 14.9 0.8 ▲ 16.1 ▲ 12.1 4.0 ▲ 8.6 ▲ 9.4 ▲ 0.8 資金繰り ▲ 10.4 ▲ 10.4 0.0 ▲ 8.9 ▲ 7.3 1.6 ▲ 3.9 ▲ 8.6 ▲ 4.7 業 況 ▲ 15.7 ▲ 13.3 2.4 ▲ 11.9 ▲ 6.8 5.1 ▲ 6.0 ▲ 4.8 1.2 業種 小売業 サービス業 3月 4 月 前月比 3月 4 月 前月比 売上額 ▲ 24.6 ▲ 24.6 0.0 ▲ 21.4 ▲ 16.7 4.7 採 算 ▲ 23.9 ▲ 22.7 1.2 ▲ 14.3 ▲ 15.5 ▲ 1.2 資金繰り ▲ 16.2 ▲ 16.1 0.1 ▲ 12.3 ▲ 9.9 2.4 業 況 ▲ 25.3 ▲ 25.9 ▲ 0.6 ▲ 19.7 ▲ 15.9 3.8 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課 ⑤平成 30 年5月期 ~改善が長続きせず、一歩後退の小規模企業景況~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年5月末 ・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/改善が長続きせず悪化が続く小規模企業景況 5月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)はわずかに悪化、 売上額 DI は不変、採算 DI と資金繰り DI はわずかに改善した。昨年と比べると休日が連続していたGWの おかげで、一部地域では宿泊業や飲食業が好調であった。ただし、引き続き、全体的な人手不足感は未だに改 善せず、求人広告を出しても応募が無く、人が集まらないという声が幅広く聞かれた。 ●製造業/先月まで好調の続いていた機械・金属が伸び悩み、紡績・繊維業が低迷する製造業 製造業の業況 DI は小幅、売上額 DI はわずかに悪化し、採算 DI と資金繰り DI は若干改善した。GWの観 光客向けに食料品関連の製造業では、売上が伸びたとの声が聞かれた。一方で、先月まで好調を維持していた 機械・金属関係の製造業では、他の製造業や他3業種と比べると好調さは際立つものの、業況 DI は3か月前 の低い水準に戻ってしまった。また、石油等の原材料費の上昇もあり、紡績・繊維業は停滞し、先行き不透明 な状況が続いている。 ●建設業/土木工事が引き続き好調も、人手不足・技術者不足により懸念が残る建設業 建設業の業況 DI は先月から一転、小幅に悪化した。売上額 DI は先月に続きわずかに悪化、採算 DI はわ ずかに改善、資金繰り DI は小幅に改善した。例年であれば、予算の執行開始前の時期で、公共工事が少ない 時期であるが、一部地域では災害復旧工事等があり、土木関連は引き続き好調との声が聞かれた。一方で、建 設関連は、職別工事業において技術者不足が顕著なため、全般的に受注はやや増加しているものの、先行き不 透明により人や設備への投資に踏み切れないとのコメントが寄せられた。

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●小売業/消費者の高齢化、消費意欲の減退、来店頻度低下等により経営体力の低下が著しい小売業 小売業の業況 DI、売上額 DI、資金繰り DI はわずかに悪化、採算 DI は先月から不変であった。GWによる 行楽客や好天の恩恵を受けることのできた地域・業態では、飲食料品小売業、衣服小売業において売上が上昇 したとの声が聞かれた。一方で、恩恵を受けることのできない地域・業態では、高齢化する消費者の消費意欲 や来店頻度の低下に加え、商店近くの公共施設が改修工事に入ったために売上が減少するなど、周囲の環境の 変化に苦しみ、経営体力の低下が顕著になってきている。 ●サービス業/GW需要から飲食・宿泊業共に好況であったが、一時的な売上増加に楽観視できないサービス業 サービス業の業況 DI、採算 DI、資金繰り DI は先月と比べわずかに、売上額 DI については小幅に改善し た。5月期はGWの恩恵が目立った月であった。宿泊関連サービス業のみならず、飲食業からも売上増加の声 が寄せられた。一方で、個人消費の持ち直しは見られているが、この先も継続するかは先行き不透明なため、 GWのような一時的な売上増加が見られても、飲食業内でも明暗が分かれており楽観視できないとのコメン トが寄せられた。 業種 産業全体 製造業 建設業 4月 5月 前月比 4月 5 月 前月比 4月 5 月 前月比 売上額 ▲ 10.0 ▲ 10.0 0.0 ▲ 1.0 ▲ 2.6 ▲ 1.6 2.3 1.2 ▲ 1.1 採 算 ▲ 14.9 ▲ 14.2 0.7 ▲ 12.1 ▲ 11.1 1.0 ▲ 9.4 ▲ 8.2 1.2 資金繰り ▲ 10.4 ▲ 9.1 1.3 ▲ 7.3 ▲ 6.2 1.1 ▲ 8.6 ▲ 4.1 4.5 業 況 ▲ 13.3 ▲ 14.2 ▲ 0.9 ▲ 6.8 ▲ 8.8 ▲ 2..0 ▲ 4.8 ▲ 6.8 ▲ 2.0 業種 小売業 サービス業 4 月 5 月 前月比 4 月 5 月 前月比 売上額 ▲ 24.6 ▲ 25.2 ▲ 0.6 ▲ 16.7 ▲ 13.3 3.4 採 算 ▲ 22.7 ▲ 23.1 ▲ 0.4 ▲ 15.5 ▲ 14.3 1.2 資金繰り ▲ 16.1 ▲ 17.4 ▲ 1.3 ▲ 9.9 ▲ 8.8 1.1 業 況 ▲ 25.9 ▲ 26.5 ▲ 0.6 ▲ 15.9 ▲ 14.9 1.0 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課 ⑥平成 30 年6月期 ~小売業が好転も、回復の足取りが重い小規模企業景~ ●調査概要 ・調査対象:全国約 300 商工会の経営指導員 ・調査時点:2018 年6月末 ・調査方法:対象商工会経営指導員による調査票への選択記入式 ●産業全体/小売業が好転も、回復の足取りが重い小規模企業景況

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6月期の小規模企業景気動向調査は、産業全体の業況 DI(景気動向指数・前年同月比)と売上額 DI は不 変、採算 DI はわずかに悪化、資金繰り DI は小幅に悪化した。天候に恵まれ、また、夏の暑さが到来したこ とにより、小売業や一部サービス業が好転したのに加え、各地で公共工事の発注も始まり建設業も緩やかな回 復傾向が見られた。一方、人手不足の慢性化や原材料高、加えて貿易問題や 6 月 18 日に発生した大阪府北 部を震源とする地震の影響により、回復への足取りは重い。 ●製造業/引き続き受注は好調も、国内外の要因により先行が不安な製造業 製造業の業況 DI、売上額 DI、採算 DI は、わずかに悪化し、資金繰り DI は小幅に悪化した。機械・金属関 連は、引き続き受注は多い状況であり、特に電気自動車やロボット産業に関連した製造業では、全体的に増加 傾向である。一方で、慢性化してきた人手不足、アメリカの保護主義や原油高、資源高を要因として、繊維業 や金属製品製造業を中心に、採算、資金繰りが悪化し、利益に結びついていない状況になっているとの声が聞 かれた。 ●建設業/エアコン工事や公共事業が好調も、資材高・人手不足の影が差す建設業 建設業の業況 DI は、先月からほぼ不変であった。売上額 DI、採算 DI、資金繰り DI は小幅に悪化した。例 年よりも一足早く到来した夏の暑さから、エアコンの設置等にかかる設備工事業が繁忙を極めている。公共工 事も、発注が開始されたこともあり好調である。一方で、窓枠関連の建設業では、ビル用のアルミサッシの価 格が昨年 12 月から高止まりしているため、仕入が滞り工期が遅れ、資金繰りが悪化している。また、足場関 連の工事業では、設置にかかる職人不足で、工期が遅れているとのコメントが寄せられた。 ●小売業/暑さの到来により回復したものの、コスト上昇の不安残る小売業 小売業の業況 DI、売上額 DI は小幅に改善した。採算 DI は先月とほぼ不変、資金繰り DI はわずかに改善 した。地域によっては、梅雨入り後の雨量が少なく好天が続いたため、消費者の外出への意欲が旺盛なことも あり、売上が好転したとの報告や夏の暑さが到来したことから、エアコンの新規取付け需要が発生し、耐久消 費財の売上を押し上げたとのコメントがあった。一方、気温上昇が急激であったため、夏野菜の成長が間に合 わず数量が確保できないため、価格高騰が和らいでいない事例や運送コスト上昇の影響を受けて仕入単価が 増加している。 ●サービス業/一部で回復が見られるも、コスト増により伸び悩むサービス業 サービス業の業況 DI、採算 DI、資金繰り DI は、先月と比べわずかに悪化した。売上額 DI については不変 であった。6月は空梅雨な地域も多く、外出しやすい天候に恵まれたことから宿泊業を初めとし、サービス業 の売上が回復してきている地域がある一方で、ドライクリーニングに使用する溶剤、運送にかかるガソリン代 など原油高の影響が徐々に出てきており、コスト上昇を転嫁できないとのコメントが寄せられた。 業種 産業全体 製造業 建設業 5月 6 月 前月比 5 月 6 月 前月比 5 月 6 月 前月比 売上額 ▲ 10.0 ▲ 10.4 ▲ 0.4 ▲ 2.6 ▲ 3.7 ▲ 1.1 1.2 ▲ 1.0 ▲ 2.2 採 算 ▲ 14.2 ▲ 15.3 ▲ 1.1 ▲ 11.1 ▲ 12.7 ▲ 1.6 ▲ 8.2 ▲ 10.3 ▲ 2.1 資金繰り ▲ 9.1 ▲ 11.3 ▲ 2.2 ▲ 6.2 ▲ 9.9 ▲ 3.7 ▲ 4.1 ▲ 8.9 ▲ 4.8 業 況 ▲ 14.2 ▲ 14.2 0.0 ▲ 8.8 ▲ 9.4 ▲ 0.6 ▲ 6.8 ▲ 6.4 0.4

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業種 小売業 サービス業 5 月 6 月 前月比 5 月 6 月 前月比 売上額 ▲ 25.2 ▲ 23.2 2.0 ▲ 13.3 ▲ 13.6 ▲ 0.3 採 算 ▲ 23.1 ▲ 22.8 0.3 ▲ 14.3 ▲ 15.2 ▲ 0.9 資金繰り ▲ 17.4 ▲ 15.9 1.5 ▲ 8.8 ▲ 10.4 ▲ 1.6 業 況 ▲ 26.5 ▲ 245 2.0 ▲ 14.9 ▲ 16.4 ▲ 1.5 資料:全国商工会連合会 企業環境整備課

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2章 岩手県における最近の景況

岩手県内経済の状況については、『岩手経済研究』の岩手経済研究所地域経済調査部による平成 30 年1月 からの「岩手県内経済の動き」及び同年4月、7月、10 月の「いわて景気ウォッチャー調査」結果を要約、 抜粋するとともに、県連の『中小企業景況調査結果』および『経営者モニター業況調査結果』などから、小規 模事業者の動向を把握する。

1.岩手県内経済の動き

(1)岩手県内経済の動き 一般財団法人岩手経済研究所の『岩手経済研究』から、「岩手県内経済の動き」を抜粋、要約すると以下の とおりである。 ①平成 30 年1月から3月の概況 ●県内経済は緩やかな回復の動き 1~2月の県内経済は、個人消費の持ち直しの動きに足踏み感がみられ、生産活動も鉱工業生産指数が3か 月ぶりにマイナスとなったが、雇用情勢は改善が続いているほか住宅着工も前年を上回るなど、緩やかな回復 の動きが続いている。 需要面においては、1月の百貨店・スーパー販売額が4か月連続で前年を下回り、2月の乗用車販売台数も 6か月連続でマイナスとなるなど足踏み感がみられる。2月の公共工事請負額は、市町村がプラスとなったも のの、国と県が二桁台のマイナスとなり3か月連続で前年割れとなった。1月の住宅着工戸数は、主力の持家 と貸家のほか分譲もプラスとなり、3か月連続で前年を上回った。 鉱工業生産指数は、97.2(季調値)と前月比 3.4%低下した。主要 17 業種のうち主力の輸送機械や生産 用機械など6業種がプラスとなったものの、電子部品・デバイスや食料品など 11 業種がマイナスとなった ことなどから、3か月ぶりに前月を下回った。 1月の有効求人倍率(季調値)は、前月比 0.02 ポイント上昇の 1.46 倍で 57 か月連続の1倍台となり、 震災後の最高値と連続1倍台の過去最長記録を更新した。正社員有効求人倍率(原数値)も前年同月比 0.11 ポイント上昇の 0.91 倍となり、96 か月連続で前年を上回るなど雇用情勢は改善を続けている。 国内経済の情勢は、輸出や設備投資などをけん引役として穏やかな回復の動きを継続しているが、米国にお ける鉄鋼やアルミニウムの輸入制限の動きなど今後の海外経済動向は予断を許さないものとなっており、本 県においてもそうした外部環境の変化による影響などには注意が必要である。 ●県内経済は緩やかな回復の動き 2~3月の県内経済は、個人消費の持ち直しの動きに足踏み感がみられるものの、生産活動も鉱工業生産指 数が2か月ぶりのプラスとなったほか雇用情勢も改善が続くなど、緩やかな回復の動きが続いている。 需要面においては、2月の百貨店・スーパー販売額が5か月連続で前年を下回り、3月の乗用車販売台数も 7か月連続でマイナスとなるなど引き続き足踏み感がみられる。3月の公共工事請負額は、県や市町村はプラ スとなったものの、国が二桁台のマイナスとなり4か月連続で前年割れとなった。2月の住宅着工戸数は、主 力の持家はプラスとなったものの、貸家と分譲が大幅な前年割れとなり、4か月ぶりにマイナスとなった。

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鉱工業生産指数は、97.4(季調値)と前月比 0.2%上昇した。主要 17 業種のうち主力の輸送機械や電子 部品・デバイスなど 12 業種がマイナスとなったものの、生産用機械や食料品など5業種がプラスとなった ことなどから2か月ぶりに前月を上回った。 2月の有効求人倍率(季調値)は、前月比 0.04 ポイント低下の 1.42 倍で6か月ぶりに前月を下回ったも のの、58 か月連続の1倍台となり、過去最長記録を更新した。また、正社員有効求人倍率(原数値)は前年 同月比 0.09 ポイント上昇の 0.85 倍となるなど、雇用情勢は改善を続けている。 国内経済の情勢は、企業の設備投資や堅調な雇用・所得環境を背景とした個人消費などを中心に引き続き緩 やかな回復の動きとなっているが、本県製造業の主要 17 業種のうち過半数が2か月連続でマイナスになる など、足許でやや弱い動きもみられることから、引き続き業種ごとの生産動向には注意が必要である。 ●一部に足踏み感がみられるが県内経済は緩やかな回復の動き 3~4月の県内経済は、個人消費の持ち直しの動きに足踏み感がみられるほか、生産活動も一部の業種で弱 い動きとなっているが、住宅着工がプラスとなり雇用情勢も改善が続いているなど、緩やかな回復の動きが続 いている。 需要面においては、3 月の百貨店・スーパー販売額は6か月ぶりに前年を上回ったものの、4月の乗用車販 売台数が8か月連続でマイナスとなるなど、引き続き持ち直しの動きに足踏み感がみられる。また4月の公共 工事請負額は、国や市町村などはプラスとなったものの、県が二桁のマイナスとなり前年を下回るスタートと なった。3月の住宅着工戸数は、主力の持家はマイナスとなったものの貸家と分譲が大幅に前年を上回り、2 か月ぶりにプラスとなった。 鉱工業生産指数は、96.4(季調値)と前月比 0.9%低下した。主要 17 業種のうち主力の輸送機械など 10 業種がプラスとなったものの、電子部品・デバイスや食料品など6業種がマイナスとなったことなどから2か 月ぶりに前月を上回った。 3月の有効求人倍率(季調値)は、前月比 0.03 ポイント上昇の 1.45 倍で 59 か月連続の1倍台となり、 過去最長記録を更新した。また、正社員有効求人倍率(原数値)も前年同月比 0.10 ポイント上昇の 0.81 倍 となるなど雇用情勢は改善を続けている。 国内経済の情勢は、個人消費が持ち直しの動きとなっているほか、好調な企業業績を背景とした設備投資や 海外経済の拡大に伴う輸出の増勢などから緩やかな回復の動きが続いているが、本県の生産活動には足許で やや足踏み感がみられるほか、県南地区において主力企業の閉鎖が明らかとなり地域経済への影響が懸念さ れるなど、引き続き業種ごとの動向には注意が必要である。

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②平成 30 年4月から6月の概況 ●一部に足踏み感がみられるが県内経済は緩やかな回復の動き 4~5月の県内経済は、個人消費の持ち直しの動きに足踏み感がみられるほか、生産活動も一部の業種で弱 い動きとなっているが、住宅着工が2か月連続で前年を上回ったほか雇用情勢も改善が続いているなど、緩や かな回復の動きが続いている。 需要面においては、百貨店・スーパー販売額は2か月ぶりに前年を下回ったほか、乗用車販売台数が9か月 連続でマイナスになるなど、引き続き持ち直しの動きに足踏み感がみられる。公共工事請負額は、市町村は前 年を上回ったものの国や県などが二桁台のマイナスとなり、全体では6か月連続で前年を下回った。住宅着工 戸数は、主力の持家と貸家が二桁台のプラスとなったほか、分譲もマンションの着工などから大幅に前年を上 回り、全体では2か月連続でプラスとなった。 鉱工業生産指数は 91.7(季調値)と前月比 4.5%低下した。主要 17 業種のうち主力の電子部品・デバイ スや輸送機械など9業種がプラスとなったものの、食料品やはん用機械など8業種がマイナスとなったこと などから2か月連続で前月を下回った。 国内経済の情勢は、消費者マインドや雇用・所得環境の改善などから個人消費が持ち直しの動きとなってい るほか、海外景気の回復を受けて輸出が増勢を続けているなど緩やかな回復の動きが継続している。しかし、 米国において鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限に加えて自動車への追加関税が検討されるなど保守的な通商 政策に軸足が移っており、こうした動きが本県の生産活動に与える影響などについて警戒が必要である。 ●一部に足踏み感みられるが県内経済は緩やかな回復の動き 5~6月の県内経済は、個人消費で引き続き持ち直しの動きに足踏み感がみられ、生.産活動も一部の業種 で弱い動きとなっているが、住宅着工が 3 か月連続でプラスとなったほか雇用情勢も改善が続いているなど、 緩やかな回復の動きが続いている。 需要面においては、百貨店・スーパー販売額は 2 か月連続で前年割れとなったほか、乗用車販売台数が 10 か月連続でマイナスとなるなど引き続き持ち直しの動きに足踏み感がみられる。公共工事請負額は、県はブラ スとなったものの国や市町村などが二桁台の前年割れとなり全体では 7 か月連続でマイナスとなった。住宅 着工戸数は、分譲はマイナスとなったものの主力の持家と貸家が二桁台の増加となったことなどから全体で は 3 か月連続でプラスとなった。 鉱工業生産指数は 99.4(季調値)と前月比 8.5%上昇した。主要 17 業種のうちはん用機械など 3 業種が マイナスとなったものの、主力の電子部品・デバイスや食料品など 14 業種がプラスとなったことから、5 か 月ぶりに前月を上回った。 国内経済の情勢は、個人消費が持ち直しの動きとなっているほか、設備投資が増加傾向にあるなど緩やかな 回復の動きが継続している。一方、6 月の企業短期経済観測調査では、大企業製造業の業況判断指数が 2 四 半期連続で悪化したほか、平成 30 年 1~3 月期の実質国内総生産が 9 四半期ぶりにマイナスとなるなど懸 念材料もあり、本県においてもそういった外部環境の変化による影響などに注意が必要である。 ●一部に足踏み感みられるが県内経済は緩やかな回復の動き 6~7月の県内経済は、個人消費で持ち直しの動きに足踏み感がみられるものの、生産活動に底入れの兆し がみられ、また、住宅着工が 4 か月連続で前年を上回った。雇用に関しては、6月の有効求人倍率(季調値) は前月比 0.01 ポイント上昇の 1.45 倍となり、62 か月連続の1倍台で過去最長を更新した。また、正社員

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有効求人倍率(原数値)も前年同月比 0.08 ポイント上昇の 0.89 倍となり、雇用情勢も改善が続いているな ど、引き続き緩やかな回復の動きが続いている。 需要面においては、百貨店・スーパー販売額が 3 か月ぶりに前年を上回ったが、百貨店販売額は小幅なブ ラスに留まったほか、乗用車登録台数は 2 か月連続で前年割れとなるなど持ち直しの動きに足踏み感がみら れる。公共工事請負額は、県はブラスとなったものの国や独立行政法人等が二桁台のマイナスとなったほか市 町村も前年割れとなり、全体では 8 か月連続で前年を下回った。住宅着工戸数は、主力の持家と分譲住宅は マイナスとなったものの貸家が二桁台の増加となったことなどから 4 か月連続で前年を上回った。 鉱工業生産指数は 102.8(季調値)と前月比 3.4%上昇した。主要 17 業種のうち.電子部品・デバイスや 金属製品など 8 業種がマイナスとなったものの、主力の輸送機械や食料品など 9 業種がプラスとなったこと から、2 か月連続で前月を上回った。 国内経済の情勢は、個人消費や輸出が持ち直しの動きとなっているほか、設備投資も増加傾向にあることな どから、引き続き緩やかな回復の動きとなっているが、米国と中国がそれぞれの輸入品に対して関税率を引き 上げるなどの貿易摩擦によって世界経済の下振れリスクが増している状況にあり、本県においてもそういっ た外部環境の変化などを注視していく必.要がある。

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(2)いわて景気ウォッチャー調査 一般財団法人岩手経済研究所の『岩手経済研究』の「いわて景気ウォッチャー調査」(平成 30 年4月、7 月調査)の結果は、以下のとおりである。 ①4月調査結果 現状判断:52.0(前回 平成 30 年1月調査比 5.7 ポイント上昇)、先行き判断 50.8(同 1.7 ポイント低 下)、景況判断は現状、先行きともに 50 を上回る結果となっている。 ●現状判断 ~8期ぶりに 50 を上回る~ 3か月前と比較した県内の景気の現状判断指数は、52.0 と前回(46.3)に比べ 5.7 ポイント上昇し、景 況感の分かれ目とされる 50 を8期ぶりに上回った。青果物などの仕入れコストの低下や観光客の増加によ り飲食関連を中心に消費が活発化したこと、製造業の一部の業種において受注が堅調であることなどから、県 内の景気ウォッチャーは持ち直しの動きを感じている(図表1、2)。 回答構成比は「良くなっている」「やや良くなっている」が 26.0%(前回 18.9%)と増加した一方、「変 わらない」は 49.0%(同 51.5%)、「やや悪くなっている」「悪くなっている」は 25.0%(同 29.7%)と ともに減少した。 分野別にみると、家計動向関連指数は 48.9(同 41.7)、企業動向関連指数は 59.4(同 53.1)とそれぞ れ上昇したが、雇用関連指数は 56.3(同 65.6)と前回より低下した。 家計動向関連では、仕入れ単価の低下などコスト面の改善を示す回答や観光客の動きが活発であるとの回 答があった。企業動向関連では、製造業の一部で好調な受注を示す回答がみられた。雇用関連では、学生の 売り手市場が続いており変化はみられないとの回答が多数となった。 ●先行き見通し ~2期連続で 50 を上回る~ 2~3か月先の県内の景気の先行き判断指数は、50.8 と前回(52.5)に比べ 1.7 ポイント低下したもの の、2期連続で 50 を上回った(図表3、4)。 回答構成比は「良くなる」「やや良くなる」が 23.0%(前回 31.7%)と減少したが、「変わらない」が 54.0%(同 45.5%)、「やや悪くなる」「悪くなる」は 23.0%(同 22.8%)と増加した。 分野別では、企業動向関連指数が 59.4(同 55.2)と上昇したが、家計動向関連指数は 48.5(同 50.4)、 雇用関連指数は 43.8(同 62.5)といずれも前回より低下した。 人件費の増加など経営の厳しさが窺われる一方で、東北絆まつりなどイベントの開催による観光客の増加 に期待が寄せられた。 ●地域別の状況 地域別では、現状は県央、県南、県北地域で 50 を上回り、先行きは県南のみ 50 を上回った(図表5)。 現状判断は、県央地域が 52.1(前回 41.2)、県南地域が 52.0(同 49.3)、沿岸地域が 48.5(同 47.1)、 県北地域が 57.5(同 52.5)となった。 先行き判断は、県央地域が 47.2(同 54.1)となり、県南地域が 55.4(同 53.4)、沿岸地域が 48.5(同 50.0)、県北地域は 50.0(同 47.5)となった。 県央地域では「値上げによる消費への影響に対する懸念」、県南地域では「企業誘致による好影響の実感」、 沿岸地域では「フェリー航路開設に伴う新たな需要の拡大への期待」、県北地域では「人口減少による需要

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②7月調査結果 県内景気の現状判断指数は、前回(平成 30 年1月調査、52.0)に比べて、2.7 ポイント低下の 49.3 と なった。先行き判断指数は、47.8 と前回(同、50.8)に比べ、3.0 ポイント低下し、3期ぶりに 50 を下回 る結果となっている。 ●現状判断 ~後退し 50 を下回る~ 3か月前と比較した県内の景気の現状判断指数は、前回(52.0)に比べ 2.7 ポイント低下の 49.3 となっ た。前回調査で8期(2年)ぶりに景況感の分かれ目とされる 50 を上回ったものの、再び 50 を下回った。 東芝メモリの企業誘致などによる好影響がみられる一方、天候の影響により売上げが伸びなかったことなど から、県内の景気ウォッチャーは、景気の動きが弱いと感じている。 分野別にみると、家計動向関連指数は 47.1(前回比 1.8 ポイント低下)、企業動向関連指数は 53.3(同 6.1 ポイント低下)、雇用関連指数は 55.6(同 0.7 ポイント低下)となり、いずれも低下した。 地域別では、沿岸、県北地城で 50 を上回ったが、県央、県南地域では 50 を下回った。 ●先行き判断 ~3 期ぶりに 50 を下回る~ 2~3 か月先の県内の景気の先行き判断指数は 47.8 と前回(50.8)に比べ、3.0 ポイント低下し、3期 ぶりに 50 を下回った。猛暑や豪雨災害などの景気への影響を不安視する声が聞かれたほか、ガソリンなど の物価高騰に対する懸念や県内企業の雇用確保における厳しい見方が、景気判断指数を押し下げた。 分野別にみると、家計動向関連指数は 48.9(同 0.4 ポイント上昇)、企業動向関連指数は 47.8(同 11.6 ポイント低下)、雇用関連指数は 38.9(同 4.9 ポイント低下)となった。 ●地域別の状況 地域別では、現状は沿岸、県北地域で 50 を上回ったが、県央、県南地域では 50 を下回った。また、先行 きでは県南地域が唯一 50 を上回った。 個々の地域でみると、県央地域は、現状が 45.4、先行きが 48.7 となった。「イベントなどで集客が見込 まれるが西日本の豪雨による影響が懸念される(商店街組合)」と災害による観光客の減少を懸念する声が聞 かれた。 県南地域は、現状が 48.6、先行きが 51.4 となった。「消費税増税前の駆け込み需要が考えられる(不動 産取引業)」と増税前の不動産取引の増加を見込む回答があった。 沿岸地域は、現状が 57.8、先行きは 40.6 となった。「宮古・室蘭フェリーについては、現状のダイヤで は地元への経済効果は乏しいのではないか(旅館業)」とフェリー就航後の厳しい見通しを指摘する回答がみ られた。 県北地域では、現状が 52.5、先行きが 42.5 となった。「地域内の衣料品販売店やガソリンスタンドの閉 店の話が聞こえてくる(クリーニング業)」といった地域経済の縮小を危惧する回答があった。

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2.中小企業の景況

岩手県商工会連合会の『中小企業景況調査結果』(平成 30 年 1~3月、4~6月)による実績(全産業の 推移)は、以下のとおりである。 ①平成 30 年1~3月期 ●売上高/小売業が上昇 製造業、建設業、サービス業が低下(※建設業の売上高は完成工事高) 今期は、前期低下に転じていた小売業が 7.5 ポイント増加して△38.6 まで回復した。他方、3期連続して 改善基調にあった製造業が 18.1 ポイント減少して△25.0 まで低下、サービス業も低下に転じ、18.3 ポイ ント減少して△33.3、建設業が 9.6 ポイント減少して△33.4 まで低下した。建設業は、2期連続の減少と なっている。 来期は、今期低下した製造業、サービス 業、建設業の3業種において上昇が見込まれるものの、今期上昇 した小売業では大幅な低下が見込まれており、マイナス幅が拡大することが予想される。 ●採算/小売業が好転 製造業、建設業、サービス業が悪化 今期は、小売業が 10.2 ポイント増加して改善に転じたものの、建設業が 4.8 ポイント減少の△23.8、サ ービス業が 6.7 ポイント減少の△30.0、製造業も小幅に減少して△32.2 となり、建設・サービス・製造の 3業種で採算DIが悪化した。 来期は、小売業が今期に引き続いて増加が予想されるほか、今期悪化した建設業、サービス業、製造業の3 業種において好転が見込まれる。 ●資金繰り/小売業が改善 建設業が大幅に悪化 今期は、小売業が 2.6 ポイント増加して△25.6 まで改善し、製造業がほぼ横ばいの△17.9 となったもの の、サービス業が 8.4 ポイント減少して△22.0 となり、また、建設業においては 23.8 ポイントと大幅に減 少して△28.6 まで悪化した。建設業は、4期連続して資金繰りDIが悪化している。 来期は、小幅ながら、全業種において資金繰りDIが改善する見通しである。

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②平成 30 年4~6月期 ●売上高/製造業、サービス業が大幅に上昇 建設業が3期連続の低下 今期は、製造業が 21.5 ポイント上昇して、△3.5 まで回復した、また、サービス業も 18.3 ポイント上昇 して△15.0 となっている。小売業は 2.6 ポイントの小幅な上昇にとどまっている。 建設業は、6,6 ポイント低下し、3 期連続の低下となり、△40,0 まで悪化した。 来期は、今期大幅に上昇した製造業、サービス業が低下に転じ、小売業も小幅に低下すると予想される。 また、3期連続して低下した建設業は、大幅な上昇が見込まれている。 ●採算/サービス業、製造業、小売業が好転 建設業が悪化 今期は、サービス業が 13.4 ポイントの大幅な増加となり、△16.6 まで上昇、製造業も 8.6 ポイント増加 して、△21.4 となった。小売業も小幅に上昇して、△40.0 となっている。 建設業は 11.2 ポイントの大幅な低下となり、3期連続の低下により、△35.0 まで悪化している。 来期は、製造業、建設業において、好転することが予想されているものの、サービス業、小売業においては 悪化に転じるものと見込まれている。 ●資金繰り/サービス業が小幅に改善 建設業が悪化 今期は、サービス業が 6.7 ポイント上昇して、△15.3、製造業が 3.1 ポイント上昇して△14.8、小売業 が 0.6 ポイント上昇して△25.0 となり、この3業種において資金繰りが好転している。 建設業においては、6.4 ポイントの低下となり、3期連続低下して△35.0 まで悪化している。 来期は、建設業において大幅な改善が見込まれ、また、製造業、小売業、サービス業においては、横ばい見 通しとなっている。

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