応用問題・・・など
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祖先的な形質 - 問題
● OTU左の■の色は表現型形質の状態を表している ● 赤と青、「祖先的な」形質はどちらか? OTU1 OTU8 OTU9 OTU3 OTU2 OTU4 OTU5 OTU6 OTU7祖先的な形質 - 解答
● 答えは「不明」 ● 確定するにはこれらの外側の分類群が必要 OTU1 OTU8 OTU9 OTU3 OTU2 OTU4 OTU5 OTU6 OTU7化石記録からの分岐年代制約の導出 - 問題
OTU1 OTU2 OTU3 OTU4 ● OTU3,4の共通祖先だがOTU2,3,4の共通祖先ではないと思われ る化石が50万年前の地層から見つかっている ● OTU2,3,4の共通祖先だがOTU1,2,3,4の共通祖先ではないと思 われる化石が100万年前の地層から見つかっている ● OTU2とOTU3,4の分岐(a)の年代の範囲は? a化石記録からの分岐年代制約の導出 - 解答
OTU1 OTU2 OTU3 OTU4 ● 答えは「50万年以上」 ● 50万年前の地層から見つかった化石は枝5,6,7上の生物の可能性 があるが,いずれにしろaより根から遠い枝なのでaがそれ以前であ ると考えられる ● 100万年前の地層から見つかった化石は枝3,4,5上の生物の可能 性があるが,いずれなのか確定できなければaの年代範囲推定には 使えない 1 2 3 4 5 6 7 a化石記録からの分岐年代制約の導出 - 問題
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OTU1 OTU2 OTU3 OTU4 ● では,aの上限を決定するにはどんな情報が必要か? 1 2 3 4 5 6 7 a化石記録からの分岐年代制約の導出 - 解答
OTU1 OTU2 OTU3 OTU4 ● 答えは「枝3と特定できる化石の年代」 ● それが得られない場合「それより古いとOTU2,3,4の共通祖先の化 石が出ない年代」や「それより古いとOTU1の祖先の化石が出ない 年代」から類推 ● ただし,当時いたが化石として残っていないか見つけられていないだけ の可能性が常に残るため信頼性が低い ● 祖先が大量に生息していて化石としても残りやすいことが必要 1 2 3 4 5 6 7 a遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 問題
● ミトコンドリア・核の両方の配列があるとき、双方のML樹形が異なっ ていた.このとき,遺伝子浸透があったかどうかの検定を考える ● 共種分化関係にある2群間で乗り換えがあったかどうかの検定でも よい (ただし完全に1対1とする) ● 複数領域が異なる樹形を支持する(不調和)かどうかの検定でもよい ● つまり2つのデータが支持する系統樹が異なるかどうかの検定.この 検定の帰無仮説と対立仮説は? OTU1 OTU2 OTU1 OTU3遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - よくある間違い
OTU1 OTU2 OTU3 OTU1 OTU3 OTU2 ● 帰無仮説は「それぞれの配列でその配列のML樹形と別の配列の ML樹形の尤度に差が無い」 ● 対立仮説は「上記に差がある」遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - よくある間違い
おけ る尤度 A-ML B-ML p>0.05の領域 ● このような状況では先の問題設定でも間違わないが・・・遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - よくある間違い
おける尤度 A領域配列に おけ る尤度 A-ML B-ML p>0.05の領域 ● もしこうだったら・・・第1種の過誤が大きくなる 連結配列のMLは青と赤の 重複領域にある可能性が 高い.どちらの配列でも棄却 できない. この状況で不調和となるのは 誤検出だが、先の問題設定 では,帰無仮説が棄却されて しまう遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 解答
● 帰無仮説は「連結配列で双方に共通の樹形を当てはめたML」 ● 対立仮説は「連結配列で双方に異なる樹形を当てはめたML」 ● 「双方に共通の樹形を当てはめたML」は結合配列に最適モデルを 適用して最尤推定すれば得られる ● 「双方に異なる樹形を当てはめたML」はそれぞれで最尤推定して得 られた尤度の積(対数尤度の和)である ● ブートストラップリサンプリングに基づく方法で検定できる OTU1 OTU2 OTU1 OTU3遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 手順
1. 双方の配列をKakusan3に与 えてモデル選択 2. 結合配列に最適モデルを当て はめて最尤系統推定 3.Treefinderで座位ごとの尤度 or情報量規準を出力 1. それぞれの配列をKakusan3 に与えてモデル選択 2. それぞれの配列で最適モデル を当てはめて最尤系統推定 3.Treefinderで座位ごとの尤度 or情報量規準を出力 4. テキストエディタで結合 5.pgconvswlでCONSEL形式へ変換遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - やってみる
● SampleData内にLikelihood Ratchetによる系統推定までやって あるフォルダ(TestingIncongruence)が用意してあります ● 公式サイトでは配布されていないCONSELのWindows版も置いて あります ● Treefinderで座位ごとの尤度or情報量規準を出力するところから やってみます遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 座位ごと尤度出力
②Utilitiesメニューを開く
③Compute Sitewise Likelihoodsを選択 ①Treefinderを起動
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 座位ごと尤度出力
①配列ファイルを指定 ②最尤推定結果の Reportファイルを指定 ④出力するものを指定 ③出力先を指定 ⑤「OK」で出力遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 異樹形尤度の連結
②この範囲をコピー ①後ろに加える方(COX2)のファイルを開く
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 異樹形尤度の連結
①前にする方(COX1)のファイルを開く ③名前を付けて保存
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 変換元作成
①連結したファイルを開く
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 変換元作成
①同樹形を当てはめた方のファイルを開く
②カンマで区切ってから貼り付け ↓
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 変換元作成
最終的にできるファイルの内容 全領域に同一樹形を当てはめたモデルの座位ごとの尤度 各領域で異なる樹形を当てはめたモデルの座位ごとの尤度 座 位 が 対 応 す る よ う に 注 意 す る { }, { } { }遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - ファイルの変換
pgconvswl --output=CONSEL 入力ファイル 出力ファイル ①以下のコマンドを打ってEnter
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - リサンプリング
makermt CONSEL形式ファイル
拡張子が.rmtのファイルなどが作成される ①以下のコマンドを打ってEnter
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 検定の実行
consel .rmtファイル
拡張子が.pvのファイルなどが作成される ①以下のコマンドを打ってEnter
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 結果を見る
catpv .pvファイル ①以下のコマンドを打ってEnter
遺伝子浸透・共種分化・不調和の検定 - 結果を見る
不調和データと連結解析
● 不調和なデータを連結して共通の系統樹を仮定して解析していいの か? ● 「不調和はノイズによる.ノイズは領域ごとにバラバラのはずだ.連結す ればシグナルが浮かび上がってくるだろう」と考えるならOK – 現状では「そう考えて解析するしかない」ためこれが主流 – 解けないよりは良いが,非現実的な仮定– いわゆるSuper Matrix Method
● 「不調和はパラログによるから,パラログは除去すべき」という考え方も
ある
● 「不調和は『それぞれの領域が本当に異なる系統に由来する』から,そ
れぞれの領域の系統樹群から『種の系統樹』を推定すべき」という考え 方もある