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目次 1 はじめに 1 2 基本的な方針 1 3 発生段階と対策の概要 4 Ⅰ 平常時の対策 5 1 体制の整備 5 2 情報提供 広報 5 3 検査 医療体制 6 4 患者対応 6 5 媒介蚊対策 7 Ⅱ 県内感染症例発生時の対策 9 1 情報提供 広報 9 2 検査 医療体制 9 3 患者対応

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茨城県蚊媒介感染症対応の手引き

(第4版)

茨城県保健福祉部保健予防課

(平成28年10月)

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目 次

1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 基本的な方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3 発生段階と対策の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 Ⅰ 平常時の対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 1 体制の整備 ・・・・・・ 5 2 情報提供・広報 ・・・・・・ 5 3 検査・医療体制 ・・・・・・ 6 4 患者対応 ・・・・・・ 6 5 媒介蚊対策 ・・・・・・ 7 Ⅱ 県内感染症例発生時の対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 1 情報提供・広報 ・・・・・・ 9 2 検査・医療体制 ・・・・・・ 9 3 患者対応 ・・・・・・10 4 媒介蚊対策 ・・・・・・10 Ⅲ 積極的疫学調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 1 患者に対する積極的疫学調査 ・・・・・・13 2 リスクのある同行者と同居者に関する積極的疫学調査 ・・・・・・13 3 海外感染症例の場合の積極的疫学調査 ・・・・・・13 各調査票 ・・・・・・15 添付1:患者調査票 添付2:リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者についての過去4週間の健康調査 添付3:リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者、 ジカウイルス病については、患者と性行為のあったものについての健康観察票 Ⅳ 行政検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 1 疑い患者に対する診断のための検査 ・・・・・・25 2 患者に対する病原体検査 ・・・・・・26 3 媒介蚊の病原体検査 ・・・・・・26 Ⅴ その他・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 1 感染症法の関連条文 ・・・・・・27 2 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針 ・・・・・・28

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1 はじめに

国際的な人の移動の活発化に伴い、国内での感染があまり見られない感染症について、海外から 持ち込まれる事例が増加している。デング熱などの蚊が媒介する感染症(以下「蚊媒介感染症」と いう。)についても、海外で感染した患者の国内での発生が継続的に報告されており、茨城県でも報 告されている。 平成 26 年 8 月には、国内でデング熱に感染した患者が、昭和 17 年から昭和 20 年までの間にかけ て報告されて以来、約 70 年ぶりに報告された。 近年、国内感染症例が発生した蚊媒介感染症は、予防接種の普及により年間数件の発生にとどま る日本脳炎に限られており、感染症対策の一環として、平常時における媒介蚊の対策だけでなく、 国内に常在しない蚊媒介感染症が国内で発生した際の媒介蚊の対策が十分に実施されていないとい う現状がある。 このため、厚生労働省は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感 染症法」という。)第 11 条の規定に基づき、総合的に予防のための施策を推進する必要がある感染 症として、デング熱、チクングニア熱、日本脳炎、マラリア、ウエストナイル熱等の蚊媒介感染症 を定め、「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」(平成 27 年 4 月 28 日厚生労働省告示第 260 号。以下「指針」という。)を告示した。 指針では、デング熱、チクングニア熱について重点的に対策を講じる必要がある蚊媒介感染症に 位置づけ、これら感染症の媒介蚊であるヒトスジシマカが発生する地域における対策を講じること により、その発生の予防とまん延の防止を図ることを主たる目的としている。 本県では、指針の趣旨に鑑み、国が示した「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・ 対策の手引き(地方公共団体向け)(平成27 年4月 28 日国立感染症研究所作成)を踏まえ、平常時 から県内発生期まで、県、市町村、医療機関、施設管理者、蚊の防除事業所等の関係機関が連携し て取り組むべき事項をまとめた具体的な手引きを、平成27年10月に作成した。 今般、中南米地域において多数のジカウイルス感染症患者が報告されており、平成28年2月5 日にジカウイルス感染症が感染症法の四類感染症に追加されたことや「デング熱・チクングニア熱 等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き(地方公共団体向け)」の改訂及び指針の一部改正を踏まえ、 本手引きの一部を改定した。 なお、本文中の蚊媒介感染症とは、デング熱とチクングニア熱及びジカウイルス感染症を指す。 また、本手引きについては、蚊媒介感染症の予防・治療等に関する最新の科学的知見や本手引き に基づく取組等を勘案して、適時適切に改定するものとする。

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2 基本的な方針

(1) 本手引きの基本的な考え方 ① 根拠 「蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針」(平成 27 年4月 28 日付け厚生労働省告示 第 260 号。以下「国指針」という。) ② 対象とする感染症 蚊媒介感染症の1つであるデング熱は、ワクチンや特異的な治療法は存在せず、デング 出血熱と呼ばれる重篤な症状を呈する場合がある。 チクングニア熱及びジカウイルス感染症については、現時点では国内感染症例が報告さ れていないが、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症については、いずれも 日本国内に広く分布するヒトスジシマカが媒介することが知られており、いずれも海外で 蚊媒介感染症にかかった者が帰国又は入国する例(以下「輸入感染症例」という。)が増加 する傾向にあることから、輸入感染症例を起点として国内での感染が拡大する可能性が常 に存在する。 このため、国の指針においては、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症を 重点的に対策を講じる必要がある蚊媒介感染症に位置づけていることから、本手引きにお いても国の指針を踏まえ、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症について、 重点的に対策を講じる。 なお、これら以外の蚊媒介感染症(ウエストナイル熱、黄熱、西部ウマ脳炎、東部ウマ 脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎、マラリア、野兎病及びリフトバレー熱)について も、共通する対策は必要に応じて講じるものとする。 ③ 基本的な考え方 蚊媒介感染症については、国、県、市町村、医療機関、施設管理者、蚊の防除事業者等 の関係者及び県民一人一人が連携して予防に取り組むことが基本である。 これらの予防対策の積み重ねにより社会全体における蚊媒介感染症の発生の予防及びま ん延の防止につながるものである。 県は、平常時から蚊媒介感染症について、情報の収集及び分析を進めるとともに、国内 に常在しない蚊媒介感染症の国内感染症例の発生が認められた場合には、感染の原因を特 定するため、正確かつ迅速に発生動向を調査することが重要である。 県は、医師が蚊媒介感染症の患者を適切に診断するとともに、必要に応じ関係機関等と 連携し、良質の医療を提供できるよう、医療機関に向けた情報発信の強化等を図ることが 重要である。 県及び市町村は、蚊媒介感染症や媒介蚊に関する幅広い知識や技術を有する人材を養成 することが必要である。

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3 (2) 対策の目的 本手引きでは、デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症の蚊媒介感染症のまん 延防止を図るため、平常時から感染症を媒介するヒトスジシマカの発生抑制の取組や県内に おいて蚊媒介感染症が媒介蚊から人に感染した症例を迅速に把握するための早期診断体制の 整備等を講じることを目的とする。 (3) 発生段階の考え方 蚊媒介感染症対策をより効果的なものとするため、あらかじめ発生の段階を設け、各段階 において想定される状況に応じた対策を定めた。 本手引きでは、平常時(県内で国内感染例が発生していない段階)から、県内感染症例発 生時(県内で国内感染症例が発生した段階)の2段階に設定する。 ※・国内感染症例とは、発症前2週間以内の海外渡航歴がない者において、医療機関からデング熱、チクングニア熱又 はジカウイルス感染症と診断された者をいう。 ・輸入感染症例、県外での国内感染症例の発生している場合も平常時とする。 (4) 推進体制 蚊媒介感染症の対策の検討や感染症発生時に速やかに必要な対策の実施、さらに実施した 対策の有効性等について評価を行うため、「茨城県感染症対策委員会 蚊媒介感染症対策部会」 を設置する。 発生段階 定 義 目 標 平常時 県内で国内感染症例が発生 していない段階※ ・蚊の発生を可能な限り抑制し、行政と 県民が協力して蚊媒介感染症の発生リ スクを低下させる。 ・検査・医療体制を整備し、患者発生を 早期に探知する。 ・蚊媒介感染症や媒介蚊に関する幅広い 知識や技術を有する人材を養成する。 県 内 感 染 症 例 発 生 時 県内で国内感染症例が発生 した段階 ・県民に対し注意喚起する。 ・蚊の発生を可能な限り抑制し、行政と 県民が協力して蚊媒介感染症の発生リ スクを低下させる。 ・検査・医療体制を整備し、患者発生を 早期に探知する。 ・患者に対し、適切な医療を提供する。 ・推定感染地の蚊の対策を速やかに実施 し、感染の拡大及び伝播を抑える。

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4 (5) 各主体の役割と連携 蚊媒介感染症の発生や拡大を防止するためには、「平常時」から感染症を媒介する蚊の対策 を行うこと、「県内感染症例発生時」においては、蚊媒介感染症が媒介蚊から人に感染した症 例を迅速に把握すること、的確な媒介蚊の対策を行うこと及び蚊媒介感染症の患者に適切な 医療を提供することが重要である。 そのためには、県、市町村、医療機関、施設管理者、蚊の防除事業者等の関係者及び県民 の各主体が互いに協力しそれぞれの役割を果たすことが非常に重要である。

3 発生段階と対策の概要

蚊媒介感染症対策をより効果的なものとするため、発生段階(フェーズ)を設定し、関係機関 の発生段階別の対応について示す。 段階 関係機関 平常時 県内感染症例発生時 県 ・体制整備 ・情報提供・注意喚起 ・定点モニタリングの検討・実施 ・情報提供・注意喚起 ・積極学的疫学調査 ・行政検査 ・推定感染地密度調査 ・蚊の駆除の指示 市町村 ・体制整備 ・情報提供 ・蚊の発生源対策 ・情報提供・注意喚起 ・蚊の発生源対策 ・蚊の駆除 医療機関 ・診療 ・患者発生届出 ・検体の提供 ・患者指導 ・診療 ・患者発生届出 ・検体の提供 ・患者指導 施設管理者 ・蚊の発生源対策 ・定点モニタリングへの協力 ・蚊の発生源対策 ・推定感染地における蚊の駆除 ・施設利用制限の検討 蚊防除事業者 ・蚊の防除に関する知識の普及 ・蚊の駆除方法についての技術的相談 への協力 ・蚊の駆除方法についての技術的相談 への協力 ・蚊の駆除の実施 * 発生段階別の対応については、状況に応じて、必要時に行うものもある。

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Ⅰ 平常時の対策

基本的考え方 蚊媒介感染症については、県、市町村、医療関係者等の関係者及び県民一人一人が連携して予防 に取り組むことが基本である。これらの予防対策の積み重ねにより、社会全体における蚊媒介感染 症の発生の予防及びまん延の防止に必要な体制を整備する。 また、国内感染症例の早期探知に努め、県内での発生予防のための対策を実施する。

1 体制の整備

・ 保健予防課は、茨城県医師会の役員、感染症等の専門家、検疫機関、疫学の専門家、蚊の防除事 業者、市町村関係者、保健所及び衛生研究所の代表、教育庁関係課の代表等からなる「蚊媒介感染 症対策部会」を設置し、蚊媒介感染症の予防及びその対策について検討する。 ・ 保健予防課は、保健所が蚊の密度調査を行うために必要な蚊の捕獲用の資機材等を整備する。 ・保健予防課、生活衛生課及び市町村は、人及び媒介蚊についての積極的疫学調査の研修、蚊の捕 集、同定、密度調査及び駆除に関する研修を適宜実施し、蚊媒介感染症や媒介蚊に関する知識や技 術を有する職員を養成する。 ・ 蚊の防除事業者は、保健予防課、生活衛生課、市町村、施設管理者等が主催する研修会で蚊の防 除に関する知識の普及に協力する。 ・ 保健予防課は、特に重症化の徴候が認められる事例について、診断に加えて適切な治療が可能な 専門医療機関に相談または、患者を紹介することができるよう医療連携体制づくりに努める。

2 情報提供・広報

・ 保健予防課及び感染症情報センターは、ホームページ等により蚊媒介感染症の発生状況や感染予 防策、県外に推定感染地がある場合は当該地について情報提供を図る。 ・ 保健予防課は、医療関係者に対し、蚊媒介感染症の国内外での発生状況をはじめ、疫学、診断治 療等に関する情報について、迅速に提供する。 ・ 保健予防課、感染症情報センター及び市町村は、県民に対し、媒介蚊の発生源の対策、肌をでき るだけ露出しない服装や忌避剤の使用等による防蚊対策の普及に努める。ジカウイルス感染症にお いては、妊婦及び妊娠の可能性のある者は流行地域への渡航を控えること、流行地域から入国(帰 国を含む)した男女は、症状の有無にかかわらず、少なくとも6か月、パートナーが妊婦の場合は 妊娠期間中、性行為の際に、コンドームを使用するか性行為を控えることを推奨する。 ・ 保健予防課及び市町村は、施設管理者に対し、蚊の発生抑制対策や環境整備を促すとともに、施 設内を推定感染地とする患者が発生した際の対応について周知し理解を図る。 ・ 保健予防課及び感染症情報センターは、検疫所やパスポートセンターと連携し、海外に渡航する 者に対し、現地で流行している蚊媒介感染症、防蚊対策、黄熱等の予防接種、マラリア予防薬の服 薬などの蚊媒介感染症の予防方法に関する知識の周知徹底を図り、海外で蚊媒介感染症にかかるこ とを防止するとともに、ヒトスジシマカの活動期においては少なくとも帰国日から2週間程度、症

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6 状の有無に関わらず防蚊対策の実施について周知し、蚊媒介感染症が国内に持ち込まれる頻度を低 減させるよう努める。 ・ 保健予防課及び感染症情報センターは、県民に対し、蚊媒介感染症に対する正しい知識を持ち、 蚊媒介感染症常在国への渡航時には防蚊対策を実施し、帰国日から 4 週間以内の献血自粛を遵守 するとともに、帰国後、発熱などで医療機関を受診する場合は、海外への渡航歴を伝えるよう周知 する。 ・ 県外に推定感染地がある場合、保健予防課、保健所及び市町村は、県民に対し、推定感染地へ立 ち入らないこと、防蚊対策を実施すること、推定感染地で蚊に刺咬されて発熱などで医療機関を受 診する場合は蚊の刺咬歴を伝えることなどを周知する。 ・ 保健予防課は、県民が県外の推定感染地で感染した場合には、国や当該都道府県に情報提供する。

3 検査・医療体制

・ 保健予防課は、医療機関に対し、国が作成した「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第2版)」 を周知し、蚊媒介感染症の診療に関する情報提供を行い、患者発生を早期に探知するよう努める。 ・ 保健所は、医療機関から、蚊媒介感染症疑い患者(以下「疑い患者」という。)に対する診断の ための検査について相談があった場合には、「Ⅳ 行政検査」に基づき対応する。 ・ 保健所は、医療機関に対し、診断した患者に対して、血液中に病原体が多く含まれ蚊を媒介して 感染拡大のリスクがある時期(以下「ウイルス血症期」という。デング熱については、およそ発症 前日から発症5日目までの期間。)の防蚊および献血の回避の重要性に関する指導を行うよう協力 を依頼する。 ・ 衛生研究所は、輸入感染症例及び国内感染症例のいずれにおいても、提出された全ての検体につ いて、可能な限り病原体の病原体検査を実施し、病原体の血清型等を解析するとともに、必要に応 じて遺伝子配列の解析を実施し、発生動向を分析する。結果については、速やかに検査依頼のあっ た保健所及び国立感染症研究所に報告する。 ・ 保健所は、遺伝子検査等から得られた情報を基に、感染経路の究明等に努める。 ・ 保健所は、蚊媒介感染症の病原体の遺伝子検査等のため、必要に応じて、蚊媒介感染症の診断が なされた後においても医師等の医療関係者に患者の検体等の提出を依頼する。

4 患者対応

・ 保健所は、蚊媒介感染症を診断した医師からの発生届出を受け、蚊媒介感染症患者(海外感染症 例及び国内感染症例)に対し、積極的疫学調査を実施するとともに、媒介蚊の活動が活発な時期で あるか否かや周辺の媒介蚊の発生状況に留意しつつ、感染後の国内での刺咬歴等の確認を行う。ま た、リスクのある同行者と患者の同居者について、患者から聴取する。 ・ 保健所は、医療機関と連携して、蚊媒介感染症と診断された患者に対して、ウイルス血症期のウ イルスまん延防止のための防蚊対策や献血の回避の重要性に関する指導を行う。なお、発症前 14 日以内の輸血歴や献血歴がある場合は、速やかに日本赤十字社血液事業本部安全管理課:03(3437) 7200、090-8011-5123、090-3097-4807 へ連絡する。 ・ 保健所は、積極的疫学調査で得られた情報を速やかに保健予防課に報告する。

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5 媒介蚊対策

(1)発生源対策 ・ 保健予防課及び保健所は、市町村及び施設管理者向けの講習会等を開催し発生抑制対策について 周知徹底を図るとともに、必要に応じて、媒介蚊対策に関する必要な助言や指示を行う。 ・ 保健予防課、感染症情報センター及び保健所は、県民向けの蚊の発生抑制対策に関するリーフレ ットの作成やホームページへの掲載等により注意喚起を図る。 ・ 市町村は、住民、自治会あるいは公園等施設管理者等に対し、媒介蚊の発生対策として、住宅周 辺に散乱している雨水が溜まった容器の処分すること、逆さにして水を無くすこと、容器などに水 が溜まらないよう整頓することなどの清掃又は物理的駆除を実施するよう依頼する。 (2)成虫対策 ・ 保健予防課は、ウイルスの流入機会(蚊媒介感染症の流行地からの多数の訪問)、感受性者の曝 露機会(長時間滞在、イベント等)、蚊の生息好適地(低木の茂み、日陰等)の有無及び県内在住 者の感染症例等を勘案し、必要に応じリスク評価を行う。リスク評価の結果、注意が必要とされた 地点においては、保健所が必要に応じて、市町村と連携しつつ、施設等の管理者の協力を得て、定 点モニタリングを行う。方法については、国が策定した「デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染 症の対応・対策の手引き」を活用する。 ・ 蚊の防除事業者は、県から蚊の駆除方法について技術的相談があった場合は、協力する。 ・ 保健所は、海外及び県外で感染した患者が、ウイルス血症期に県内で蚊に刺されたとの訴えがあ った場所については、「Ⅱ 県内感染症例発生時の対策 4 媒介蚊対策(2)推定感染地につい ての検討」に準じて検討し、対応する。 【参考:ヒトスジシマカ幼虫の発生源例】 ・雨水マス ・植木鉢やプランターの水の受け皿 ・庭先に置き忘れたバケツや壺 ・コンビニ弁当などのプラスチック容器 ・古タイヤ ・雨を除けるために被せたビニールシートの水の溜まった窪みや隙間 ・廃棄された機械の水の溜まったフレーム 等

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8 【定点モニタリング 調査方法】 ・ 成虫が羽化する5月中旬から成虫の活動性がなくなる 10 月下旬まで、成虫についての定期調査 を実施する。定期調査の実施間隔は2週間おきとする。実施にあたっては、定点モニタリング地 点を環境に応じて適宜の大きさ(地点全体を大きめの区画 50 m 四方程度)で区切り、各区画にお いて利用者の滞在場所でありかつ蚊の生息好適地となりうる箇所を選んで調査を実施する。 【調査方法】①、②どちらかの方法で実施する。 ①CO2 トラップ: 誘引源として、1日当り約 1~1.5kg(保冷容器や設置時間による)のドライ アイスを新聞紙で包み、さらにビニール袋に入れたものを保冷容器に入れる。 保冷袋は乾電池式の吸引機の上あるいは脇につるし、翌日捕集容器に捕獲され た成虫を回収する。 高さは成人の腰より低めに設置する。 ②人 囮 法 : 1ヵ所に1人が立ち、吸血のために飛来する成虫を捕虫網(直径 36~42cm)で 捕える。採集時間は一定時間(8分)とする。網は蚊が来た時だけ振り、蚊が来 ないときは振らずに立ったまま待つ。調査の際は、蚊に刺されないように個人的 防御法を実践する。 引用:デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き 地方公共団体向け (平成 27 年 4 月 28 日国立感染症研究所(平成 28 年 9 月 26 日改訂))

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Ⅱ 県内感染症例発生時の対策

基本的考え方 県内感染症例については、可能な限り全ての症例に対して積極的疫学調査を実施することで、推 定感染地の特定に努め、蚊の密度調査や病原体検査の結果を基に、当該地の管理者等や市町村に対 し、必要に応じて計画的な駆除を指導・指示するとともに、関係機関の連携により、蚊の発生を可 能な限り抑制し感染拡大リスクを低減させる。 また、県民に対し、蚊媒介感染症に対する正確な情報を配信するなどの情報提供に努め、過度な 不安や混乱を招かないよう注意する。 専門的な助言が必要な場合は、蚊媒介感染症対策のために「蚊媒介感染症対策部会」を開催し実 施すべき対策について検討するとともに、実施した対策についてはその有効性を評価し、適時、対 策の見直しに反映させる。

1 情報提供・広報

・ 保健予防課は、県内初発感染症例が発生した際には、厚生労働省とも十分に協議を行ったうえで プレス発表を行い、広く注意喚起を行う。なお、症例をプレス発表する場合には、個人情報の保護 に努める。 ・ 保健予防課は、推定感染地が判明した場合には、プレス発表を行うとともに、当該管理者に対し て注意喚起を行う。当該推定感染地が公共性の高い場所である場合や、不特定多数の者が訪れる場 所である場合などは、その情報を適宜、ホームページ等で情報提供する。 ・ 保健所は、相談窓口を設置し、国や県が作成するQ&A等を基に住民への情報提供に努める。 ・ 保健予防課、保健所及び市町村は、住民に対し、防蚊対策のほか、推定感染地で蚊に刺咬されて 発熱などで医療機関を受診する場合は、蚊の刺咬歴を伝えることなどを周知する。

2 検査・医療体制

(1)検査体制 ・ 保健予防課は、保健所に対し、デング熱については、デングウイルスNS1 抗原(ELISA法) 検査の健康保険による臨床検査を実施できる医療機関等について情報提供する。 ・ 保健所は、医療機関から、蚊媒介感染症疑い患者(以下「疑い患者」という。)に対する診断の ための検査について相談があった場合には、「Ⅳ 行政検査」に基づき対応する。 ・ 衛生研究所は、提出された全ての検体について、可能な限り病原体の病原体検査を実施し、病原 体の血清型等を解析するとともに、必要に応じて遺伝子配列の解析を実施し、発生動向を分析する。 結果については、速やかに検査依頼のあった保健所及び国立感染症研究所に報告する。 ・ 保健所は、遺伝子検査等から得られた情報を基に、感染経路の究明等に努める。 ・ 保健所は、蚊媒介感染症の病原体の遺伝子検査等のため、必要に応じて、蚊媒介感染症の診断が なされた後においても医師等の医療関係者に患者の検体等の提出を依頼する。

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10 (2)医療体制 ・ 保健予防課は、医療機関に対し、県内感染患者の発生情報、蚊媒介感染症の診断治療に関する情 報、院内での防蚊対策の実施方法等について情報等を提供し適切な医療が提供される体制を促す。 また、重症化する事例を専門医療機関につなげる連携体制を構築する。

3 患者対応

・ 保健所は、県内で感染した患者に対し、媒介蚊の活動が活発な時期であるか否かや周辺の媒介蚊 の発生状況に留意しつつ、当該者の国内での蚊の刺咬歴等の確認を行うなど、積極的疫学調査を実 施する。また、リスクのある同行者と患者の同居者について、患者から聴取する。 ・ 保健所による積極的疫学的調査は、全ての蚊媒介感染症患者に対して行うものであるが、県内患 者数が増加し全患者に対する積極的疫学的調査の実施が困難となった場合はこの限りではない。 ・ 保健所は、医療機関と連携して、蚊媒介感染症と診断された患者に対して、ウイルス血症期のウ イルスまん延防止のための防蚊対策や献血の回避の重要性に関する指導を行う。なお、発症前 14 日以内の輸血歴や献血歴がある場合は、速やかに日本赤十字社血液事業本部安全管理課:03(3437) 7200、090-8011-5123、090-3097-4807 へ連絡する。 ・ 保健所は、積極的疫学調査で得られた情報を速やかに保健予防課に報告する。

4 媒介蚊対策

(1)発生源対策 ・ 市町村は、住民、自治会あるいは公園等施設管理者等に対し、媒介蚊の発生対策として、住宅周 辺に散乱している雨水が溜まった容器の処分、人工容器などに水が溜まらないよう整頓することな どの清掃又は物理的駆除を実施するよう依頼する。 ・ 保健所は、市町村に対し、必要に応じて媒介蚊対策に関する必要な助言や指示を行う。 (2)推定感染地についての検討 ・ 保健所は、感染者に対する積極的疫学調査、蚊の生息調査等に基づき、推定感染地の絞り込みを 行う。 ・ 複数の患者が探知された場合、これらの複数の患者がデング熱では発症前 14 日~発症前 2 日、 ジカウイルス病とチクングニア熱では発症前 12 日~発症前 2 日に屋外活動をしていた唯一の場 所があれば、当該地を推定感染地とする。なお、推定感染地の絞り込みに当たっては、患者の聞き 取りの質を担保し、同一場所で蚊に刺された患者の複数発生等を参考に判断する。 (3)推定感染地についての対応の検討 ・ 推定感染地を所管する保健所は、複数の県内感染症例患者から推定感染地が特定され、かつ、当 該場所が多くの人が集まる場所(公共施設、公園等)等である場合には、施設管理者の同意を得て、 法第 35 条に基づき、刺咬された場所周辺の蚊の密度調査及び蚊の発生源調査を実施する。この際、 従事者の個人的防御を徹底する。

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11 ・ 衛生研究所は、前項の密度調査で捕獲した蚊について、媒介蚊の雌の鑑別・計数を実施し、検査 結果を速やかに検査依頼のあった保健所に報告する。なお、病原体検査については、陰性であった 際に結果の評価が困難であることから、集団発生時等の状況に応じて実施するものとする。 ・ 推定感染地を所管する保健所は、密度調査の結果、蚊の密度が高いと判断した場合には、集団発 生等の状況の評価を行い、事前に周辺住民等へ周知し理解を得た上で、当該場所の管理者または市 町村に対し、法第 28 条に基づき、清掃又は物理的防除若しくは化学的防除を行うよう指示する。 ただし、成虫対策としての清掃又は物理的防除については、感染蚊の拡散の可能性も考えて慎重に 実施する。この際、保健予防課は必要に応じて国立感染症研究部の担当部署に相談する。 ・ 蚊の防除事業者は、県、保健所から蚊の駆除法について、技術的相談があったときは、蚊媒介感 染症のまん延防止のために速やかに協力する。 ・ 蚊の防除事業者は、市町村、施設管理者から、蚊の防除作業について委託又は依頼を受けた場合 は、その範囲内において速やかに対応する。 ・ 施設管理者は、新たな患者発生とまん延防止のためにやむを得ない場合に限り、当該推定感染地 の閉鎖や立ち入り禁止等を検討する。決定するにあたっては、当該地に関連した発症者数、密度調 査結果、当該地での更なる暴露の可能性等を考慮したうえで決定する。 (4)ウイルス血症の時期の滞在地に対する対応 ・ 患者からウイルス血症期に蚊に刺されたとの訴えのあった場所を所管する保健所は、当該地に関 連して発生した症例数等を考慮し、リスク評価を行った上で、必要に応じて蚊の対策を実施する。 (5)終息の確認 ・ 推定感染地を所管する保健所は、推定感染地に関する症例の最後の発症日の後、50 日程度を経過 した時点若しくは 10 月末をもって、当該感染地に関する事例は終息したものとする。 ジカウイルス病については、媒介蚊の活動期でない場合は、患者と性的接触のあった人について、 最終の性行為から12 日間健康観察した上で、さらなる伝播がないことを確認した上で終息と判断 する。 【調査範囲】 ・ 推定感染地を環境に応じて適宜の大きさ(推定感染地全体を小さい区画 25 m 四方程度)で区切 り、各区画において利用者の滞在場所でありかつ蚊の生息好適地となりうる箇所、および症例が蚊 に刺されたと訴えている場所等を対象とする。 【調査方法】①、②どちらかの方法で実施する。 ①CO2トラップ: 誘引源として、1日当り約1~1.5 kg(保冷容器や設置時間による)のドラ イアイスを新聞紙で包み、さらにビニール袋に入れたものを保冷容器に入れる。 保冷袋は乾電池式の吸引機の上あるいは脇につるし、翌日捕集容器に捕獲され た成虫を回収する。高さは成人の腰より低めに設置する。

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12 ② 人 囮 法 : 1ヵ所に1人が立ち、吸血のために飛来する成虫を捕虫網(直径 36~42cm) で捕える。採集時間は一定時間(8分)とする。網は蚊が来た時だけ振り、蚊 が来ないときは振らずに立ったまま待つ。調査の際は、蚊に刺されないように 個人的防御法を実践する。 引用:デング熱・チクングニア熱等蚊媒介感染症の対応・対策の手引き地方公共団体向け (平成 27 年 4 月 28 日国立感染症研究所(平成 28 年 9 月 26 日改訂))

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Ⅲ 積極的疫学調査

基本的な考え方 症例への積極的疫学調査は、推定感染地の絞り込み、ウイルス血症期に関連した感染拡大の可能 性について確認することを目的としている。 また、症例の発症前 14 日~発症前2日に症例と早朝・日中の屋外活動に同行した者等のリスクの ある同行者と症例の同居者についても蚊媒介感染症に感染している可能性があるため、健康調査、 潜伏期間の間の健康観察を行う。健康調査にて、または健康観察期間中に蚊媒介感染症を疑わせる 症状が出現した場合は、医療機関の受診を勧める。 1 患者に対する積極的疫学調査 ・ 保健所は、症例が発生した場合には、添付 1-①~②を用いて症例への積極的疫学調査を実施し、 1例ごとにデング熱については発症 14 日前~発症 5 日目の期間、ジカウイルス病とチクングニア 熱の場合は、発症 12 日前~発症 5 日目の期間について、屋外活動の詳細等を聞き取る。 ・ 患者が調査対象期間内に自治体をまたいで移動している場合は、活動場所に関する情報を当該自 治体間で共有する。(他県の場合は保健予防課を通じて行う。) ・ 患者の主な居住地(自宅等)・職場等についても情報収集し、患者には、蚊に刺されないこと、 献血を行わないことなどの注意を与える。発症前後直近の輸血や献血の有無について、添付 1-①に 記載する。 ・ ジカウイルス病については、上記の屋外活動の情報に加え、発病前 12 日~調査日までの性行為 についての情報を添付1-③で聞き取る。 ・ 患者の発症前 14 日~発症前 2 日に患者と早朝・日中の屋外活動に同行した者(「リスクのある 屋外活動同行者」とする)がいればその名前と連絡先等を初発例から聞き取り、添付1 - ①に記 入する。 ・ 患者の屋外活動に同行していない場合でも、添付 1 - ③により、同居者の把握を行う。 2 リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者、ジカウイルス病については、患者と性行為のあ ったものに関する積極的疫学調査 ・ 保健所は、リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者、ジカウイルス病については、患者と性 行為のあったものについては、添付 2 を用いて、過去 4 週間の海外渡航歴の有無や同期間内で発 熱・発疹等の症状の有無等について健康調査を行う。 ・ デング熱では、リスクのある屋外活動同行者については、患者と最後に屋外活動をしてから 2 週 間、同居者についても患者の発症後 2 週間を経過するまで、チクングニア熱と蚊媒介経路が疑わ れるジカウイルス病については12 日間、ジカウイルス病については、発病前日以降調査日までに 患者とコンドームを使用しないで性行為を行った人については、最後の性交渉から12 日間、添付 3 により健康観察を行う。 ・ 添付2~3を用いた調査において、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス病を疑わせる症状 がある場合は、医療機関の受診を勧める。本人(または保護者)の協力を得て検体を採取し、衛生

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14 研究所で病原体検査を実施し、病原体の血清型等を解析する。また、必要に応じて、病原体の遺伝 子配列の解析を行う。ジカウイルス病については、リスクのある屋外活動同行者、同居者、患者と 性行為があった人について、無症候であっても感染源探索のための検体提出への協力を依頼する。 3 海外感染症例の場合の積極的疫学調査 ・ 患者およびリスクのある屋外活動同行者と患者の同居者等の調査の考え方は、上記1および2と 同様であるが、調査票に関しては、「茨城県感染症事務マニュアル」に基づいた調査票を使用し、 積極的疫学調査を行う。ただし、必要時は、添付1~3を活用してもよい。

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15 添付1: 患者調査票 ① 発症 14 日前~発症 5 日目の活動(チクングニア熱、ジカウイルス病の場合は発症 12 日前~発症 5 日目の活動) 患者/保護者氏名: 患者ID: 輸血歴: □なし □あり( 年 月 日) 調査日時: 調査者氏名: 献血歴: □なし □あり( 年 月 日) ワクチン接種歴 日本脳炎: □あり ( 歳頃) □なし □不明 黄熱: □あり ( 歳頃) □なし □不明 デング熱/チクングニア熱/ジカウイルス病/日本脳炎、いずれかの既往: □なし □あり 病名 かかった時期: 年 月 感染した場所:国名とその都市名: (女性のみ)妊娠の有無: □なし □不明 □ あ り ( 週 数 週 日) 、胎 児の健診 所見: □異 常なし □異 常あり ( ) □不明 質問1) 発症 14 日前から発症 5 日目(チクングニア熱、ジカウイルス病の場合は発症 12 日前から発 症5 日目)にどこか旅行・出張に行きましたか?(はい・いいえ) 「はい」の場合は、場所と期間を以下に記載してください。 場所 ( ): 年 月 日~ 年 月 日 場所 ( ): 年 月 日~ 年 月 日 質問2) 発症 14 日前から発症 5 日目(チクングニア熱、ジカウイルス病の場合は発症 12 日前から発 症5 日目)の、屋外活動について、以下に記載してください。特に、早朝と日中の活動が重要です。 時期 日付 (曜日) 時間帯 ①午前6~9 時 ②午前9 時~午後 5 時 ③午後5 時~午後 8 時 ④午後8 時~午前 6 時 ⑤ そ の 他 ( ) 屋外活動 活動内容と場所 (住所等) 同行者 (連絡先等) 蚊の刺咬 (あり・なし・不明) 発症5 日目 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明)

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16 発症4 日目 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症3 日目 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症2 日目 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症日 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症1 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症2 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症3 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症4 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症5 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症6 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症7 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症8 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症9 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症10 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症11 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症12 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明)

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17 発症13 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 発症14 日前 (あり・なし・不明) (あり・なし・不明) 質問3) 上記の期間(発症 14 日前から発症 5 日目(チクングニア熱、ジカウイルス病の場合は発症 12 日前から発症5 日目))で、自宅やエレベーター内など、屋内において蚊にさされることがありました か? (はい・いいえ) 「はい」の場合は、具体的な場所と時間帯について以下に記載してください。 ②推定感染地と活動歴の詳細な情報(場所の確認の際には地図を添付することが望ましい) 患者/保護者氏名: 患者ID: 調査日時: 調査者氏名: 1 調査対象期間に公園等(周辺含む)へ訪問したかどうかと、その頻度 □毎日 □週2~6回 □週 1 回 □週 1 回未満 □なし 2 活動は □一人 □複数もしくは団体(具体的な名前: ) 3 主に過ごした場所 □屋外 □屋内 □屋外・屋内同程度 4 主な活動の内容(複数ある場合、頻度の多かったものから番号をふって下さい。) □散歩やジョギング □ 通勤・通学路 □公園(屋外)で開催された催し物への参加や見学 □公園(屋内)で開催された催し物への参加や見学 □公園(屋外)での課外活動の練習など □公園(屋内)での課外活動の練習など □公園内や周辺での販売業務(屋外) □公園内や周辺での販売業務(屋内) □公園内や周辺での業務(公園管理など) □ その他( ) 5 1 日当たり公園等(周辺含む)での屋外活動の時間の長さ □30 分未満 □30 分以上 2 時間未満 □2 時間以上 4 時間未満 □4 時間以上 12 時間未満 □12 時間以上 □不明 6 屋外活動の主な時間帯(複数選択可) □午前 6~9 時 □午前 9 時~午後 5 時 □午後 5 時~午後 8 時 □午後 8 時~午前 6 時 □その他( ) 7 主に行った屋外場所(適宜地図に○) 8 公園等(周辺含む)での屋外活動中に蚊にさされたか □はい □いいえ □不明 9 蚊に刺された場所(適宜地図に×)

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18 10 屋外活動時の主な服装 □常に長袖長ズボン □それ以外 □不明 11 屋外活動時の虫除け剤の体への塗布 □使用している(商品名 ) □使用せず □不明 12 使用している場合、□数時間おきに塗りなおす □塗りなおさない □不明 13 屋内・屋外の活動場所での殺虫剤(蚊取り線香、電気蚊取などを含む)の使用 □常に使用 □時々使用 □使用せず □不明 ③ジカウイルス病に関する性行為歴の情報 ※以下は、ジカウイルス病の患者のみ記載して下さい 質問4) ジカウイルス病の発症 12 日前から発症 2 日前までに流行地への渡航歴のあるパートナー(帰 国後6 か月以内。ジカウイルス病の診断の有無にかかわらない。)と適切にコンドームを使用しない性 行為がありましたか?(はい・いいえ) 「はい」の場合は、以下を記載してください。 性行為があった時期 年 月 日 か ら 年 月 日まで パ ー ト ナ ー の 連 絡先等 パートナーの渡航場所 パ ー ト ナ ー の 渡 航時期・期間 年 月 日 か ら 年 月 日まで パートナーの症状の有無 (複数選択可) □あり (□発疹 □発熱 □関節痛 □関節炎 □結膜炎 □その他( )) □なし パ ー ト ナ ー の ジ カ ウ イ ル ス 病 診断の有無 □あり、診断時期( 年 月 日) □なし □不明 パートナーの妊娠の有無 □あり(妊娠 週 日) □なし □不明 質問5) ジカウイルス病の発症 1 日前から本調査日までに適切にコンドームを使用しない性行為があり ましたか?(はい・いいえ) 「はい」の場合は、以下を記載してください。 性行為があった時期 年 月 日 か ら 年 月 日まで パ ー ト ナ ー の 連 絡先等 パートナーの症状の有無 (複数選択可) □あり (□発疹 □発熱 □関節痛 □関節炎 □結膜炎 □その他( )) □なし パ ー ト ナ ー の ジ カ ウ イ ル ス 病 診断の有無 □あり、診断時期( 年 月 日) □なし □不明 パートナーの妊娠の有無 □あり(妊娠 週 日) □なし □不明

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④同居者に関する情報:同居の方の健康状態等を把握するために以下の情報の提供にご協力ください。 続柄 名前 性別 年齢 連絡先(携帯番号等)

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20 添付2: リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者についての過去4週間の健康調査 初発例のID(保健所設定) 1 氏名 性別 年齢 連絡先 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無 □有(症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ① 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ② 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) 2 氏名 性別 年齢 連絡先 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無 □有(症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ③ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ④ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) 3 氏名 性別 年齢 連絡先 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無□有 (症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無

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21 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ⑤ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ⑥ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) 4 氏名 性別 年齢 連絡先 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無 □有(症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ⑦ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ⑧ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) 5 氏名 性別 年齢 連絡先 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無 □有(症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ⑨ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ⑩ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) 6 氏名 性別 年齢 連絡先

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22 職業(学生の場合は学校名) 患者との関係 過去4 週間の発疹や発熱又は、関節痛:□無 □有(症状等: ) 過去4 週間の海外渡航歴 □有(渡航先等: ) □無 □ 健康観察の説明 健康観察期間: まで 所見: 調査実施日 年 月 日 検査診断 検体採取日と結果 ⑪ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: ) ⑫ 年 月 日 □血清(結果: ) □尿(結果: ) □その他(結果: )

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23 添付 3: リスクのある屋外活動同行者、患者の同居者、ジカウイルス病については、患者と性行為の あったものについての健康観察票 患者のID (保健所設定) 接触者の氏名 年齢 性別 連絡先 日付 体温注3 発疹 その他の症状注4 医療機関の受診 0 日目注5 あり・なし あり・なし 備考注6 1 日目 あり・なし あり・なし 備考: 2 日目 あり・なし あり・なし 備考: 3 日目 あり・なし あり・なし 備考: 4 日目 あり・なし あり・なし 備考: 5 日目 あり・なし あり・なし 備考: 6 日目 あり・なし あり・なし 備考: 7 日目 あり・なし あり・なし 備考: 8 日目 あり・なし あり・なし 備考: 9 日目 あり・なし あり・なし 備考: 10 日目 あり・なし あり・なし 備考: 11 日目 あり・なし あり・なし 備考: 12 日目 あり・なし あり・なし 備考: 13 日目注 7 あり・なし あり・なし 備考: 14 日目注 7 あり・なし あり・なし 備考: 担当者名 連絡先

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24 注3体温測定をしている場合は、体温を記入。測定していない場合(健康観察開始前など)は、自覚的な 発熱の有無を記録する。 注4発熱・発疹以外の症状があれば記載する。 注5蚊媒介経路の場合は、リスクのある同行者については患者と最後に屋外活動をした日、同居者につい ては患者の発症日など。性行為経路の場合は、患者との適切にコンドームを使用しない最後の性交渉日。 注6医療機関の受診結果・検体採取などに適宜記載する 注7チクングニア熱、ジカウイルス病は、患者との最終接触日から12 日で健康観察を終了する

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Ⅳ 行政検査

基本的な考え方 ・ 蚊媒介感染症患者が発生した場合、感染経路の究明を目的とした行政検査を実施することが想定 される。 ・ 蚊媒介感染症の診断に必要な検査については、平成 27 年6月から集中治療に対応できる一部の 医療機関での入院を要する重症事例については、デングウイルスNS1 抗原検査(ELISA法) が保険収載されたところであるが、デング熱で重症化する事例は、ごく一部に限られるため、保険 適用による検査が行われる患者は非常に少ないと考えられる。 ・ このような状況を踏まえ、県内での感染者を早期に探知し、注意喚起、蚊の発生の抑制等の感染 拡大防止を図るため、蚊に刺された後、蚊媒介感染症に特徴的な症状がみられる症例について、海 外の流行地域からの帰国者だけでなく、海外渡航歴のない者についても、衛生研究所で遺伝子検査 等を実施する。

1 疑い患者に対する診断のための検査

デング熱、チクングニア熱及びジカウイルス感染症 ・ 保健所は、医療機関から疑い患者の検体が提出された場合は、搬入時間・方法について衛生研究 所と協議のうえ、当該検体を衛生研究所へ適切に搬送する。 ・ 検体は、急性期(発症後5~6日)の血清(必須)約1ml 及び尿3ml とする。急性期検体が陰 性であった場合で、蚊媒介感染症を強く疑う場合は、回復期(解熱後または発熱後7日目以降)の 血清を採取し、抗体検査を実施する。なお、抗体検査の検体は 14 日間をあけたペア血清が望まし い。ただし、ジカウイルス感染症については、衛生研究所でPCR検査が陽性となった症例につい て、発症前2週間以内に流行地への渡航歴がなく国内感染を疑う場合(性行為による感染を含む。) は、国立感染症研究所において最終確認のための検査を実施する。 ・ 衛生研究所は、検査結果を依頼のあった保健所に速やかに報告する。 ・ デング熱、ジカウイルス病については、次の目安を参考に判断する。(チクングニア熱について も、「デング熱を疑う目安」に準じて判断する。) ※ デング熱を疑う目安 海外のデング熱流行地域から帰国後、あるいは海外渡航歴がなくてもヒトスジシマカの活動時期に国 内在住者において、下記の所見を認める場合にデング熱を疑う。 ・発熱かつ ・以下の所見の2つ以上を認める場合 ① 発疹 ② 悪心・嘔吐 ③ 頭痛・関節痛・筋肉痛 ④ 血小板減少 ⑤ 白血球減少

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26 ⑥ ターニケットテスト陽性注) ⑦ 重症化サイン 注) ターニケット(駆血帯)テスト:上腕に駆血帯を巻き、収縮期血圧と拡張期血圧の中間の圧で5分間 圧迫を続け、圧迫終了後に2.5cm×2.5cmあたり10以上の点状出血が見られた場合に陽性と判定する。 「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第2版)」より ※ ジカウイルス病を疑う患者 次の①~③をすべて満たすもの ① 発疹又は発熱(ほとんどの症例で、38.5 度以下) ② 下記の a) ~c) の症状のうち少なくとも一つ a) 関節痛 b) 関節炎 c) 結膜炎(非滲出性、充血性) ③ 流行地域(③a)への渡航歴(③b) ③a 流行地域 ジカウイルス感染症は、現在、中南米、アジアを中心に世界的に拡大傾向にあることから、 流行国・地域に関しては、厚生労働省ウェブサイト「ジカウイルス流行地域について」を参考 とする。 ③b 渡航歴 潜伏期間を考慮し、上記の流行地域から出国後、2~13 日以内の発症であることを条件とす る。ただし、他の疾患を除外した上で、国内発生を疑う場合はこの限りではない。 「蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第2版)」より

2 患者に対する病原体検査

・ 保健所は、医療機関に対し、蚊媒介感染症の病原体検査等のため、必要に応じて、蚊媒介感染症の診 断がなされた後においても、患者の検体等の提出を依頼する。 ・ 保健所は、医療機関から患者の検体が提出された場合は、搬入時間・方法について衛生研究所と 協議のうえ、当該検体を衛生研究所へ適切に搬送する。 ・ 検体は、急性期(発症後5~6日)の血清(必須)約1ml 及び尿3ml とする。急性期検体が陰 性であった場合で、蚊媒介感染症を強く疑う場合は、回復期(解熱後または発熱後7日目以降)の 血清を採取し、抗体検査を実施する。なお、抗体検査の検体は 14 日間をあけたペア血清が望まし い。 ・ 衛生研究所は、提出された全ての蚊媒介感染症患者の検体について可能な限り病原体検査を実施 し、病原体の血清型等を解析する。また、必要に応じて、病原体の遺伝子配列の解析を行うことに より感染経路の究明等に努める。 ・ 衛生研究所は、検査結果を依頼のあった保健所に速やかに報告する。

3 媒介蚊の病原体検査

・ 保健所は、蚊の密度調査にて蚊を捕獲した場合は、搬入時間・方法について衛生研究所と協議のうえ、 適切な方法で衛生研究所に搬送する。

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27 ・ 衛生研究所は、推定感染地等での密度調査で捕獲した蚊について、媒介蚊の雌の数の鑑別・計数等を 行い検査結果を速やかに検査依頼のあった保健所に報告する。また、集団発生時等では必要に応じてそ れらの病原体検査を実施する。

Ⅴ その他

1 感染症法の関連条文 (感染症の発生の状況、動向及び原因の調査) 第十五条 都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又は感染症の発生の状況、動向及び原因を明らかに するため必要があると認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感 染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保 有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体 の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。 2 厚生労働大臣は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると 認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若し くは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見 がある者又は感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理 者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。 3 一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症若しくは新型インフルエンザ 等感染症の患者、疑似症患者及び無症状病原体保有者、新感染症の所見がある者又は感染症を人 に感染させるおそれがある動物若しくはその死体の所有者若しくは管理者その他の関係者は、前 二項の規定による質問又は必要な調査に協力するよう努めなければならない。 (ねずみ族、昆虫等の駆除) 第二十八条 都道府県知事は一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四類感染症の発生を予防し、又はそ のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該 感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねずみ族、昆虫等が存在する区域を指定 し、当該区域の管理をする者又はその代理をする者に対し、当該ねずみ族、昆虫等を駆除すべき ことを命ずることができる。 2 都道府県知事は、前項に規定する命令によっては一類感染症、二類感染症、三類感染症又は四 類感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難であると認めるときは、厚生労 働省令で定めるところにより、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがあるねず み族、昆虫等が存在する区域を指定し、当該区域を管轄する市町村に当該ねずみ族、昆虫等を駆 除するよう指示し、又は当該都道府県の職員に当該ねずみ族、昆虫等を駆除させることができる。

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28 (質問及び調査) 第三十五条 都道府県知事は、第二十七条から第三十三条までに規定する措置を実施するため必要があると 認めるときは、当該職員に一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは新型イン フルエンザ等感染症の患者がいる場所若しくはいた場所、当該感染症により死亡した者の死体が ある場所若しくはあった場所、当該感染症を人に感染させるおそれがある動物がいる場所若しく はいた場所、当該感染症により死亡した動物の死体がある場所若しくはあった場所その他当該感 染症の病原体に汚染された場所若しくは汚染された疑いがある場所に立ち入り、一類感染症、二 類感染症、三類感染症、四類感染症若しくは新型インフルエンザ等感染症の患者、疑似症患者若 しくは無症状病原体保有者若しくは当該感染症を人に感染させるおそれがある動物若しくはその 死体の所有者若しくは管理者その他の関係者に質問させ、又は必要な調査をさせることができる。 (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H10/H10HO114.html から抜粋)

2 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針

(平成 27 年4月 28 日告示・適用、平成 28 年 3 月 30 日一部改正告示・適用) 国際的な人の移動の活発化に伴い、国内での感染があまり見られない感染症について、海外から 持ち込まれる事例が増加している。デング熱などの蚊が媒介する感染症( 以下「蚊媒介感染症」と いう。) についても、海外で感染した患者の国内での発生が継続的に報告されている。 我が国においては、平成二十六年八月、デング熱に国内で感染した患者が、昭和十七年から二十 年までの間にかけて報告されて以来、約七十年ぶりに報告された。現在、デング熱については、特 異的な治療法は存在せず、ワクチンも実用化に向けた研究開発が進められている段階であり、また、 デング出血熱と呼ばれる重篤な症状を呈する場合がある。このような蚊媒介感染症のまん延防止の ためには、平常時から感染症を媒介する蚊( 以下「媒介蚊」という。)の対策を行うこと、国内に おいて蚊媒介感染症が媒介蚊から人に感染した症例( 以下「国内感染症例」という。) を迅速に把 握すること、発生時に的確な媒介蚊の対策を行うこと、蚊媒介感染症の患者に適切な医療を提供す ることなどが重要である。しかしながら、近年、国内感染症例が発生した蚊媒介感染症は、予防接 種の普及により年間数件の発生にとどまる日本脳炎に限られており、感染症対策の一環として、平 常時における媒介蚊の対策だけでなく、国内に常在しない蚊媒介感染症が国内で発生した際の媒介 蚊の対策が十分に実施されていないという現状がある。そのため、近年、各地方公共団体における 媒介蚊の対策に関する知識や経験が失われつつあるとともに、国民の媒介蚊に対する知識や危機感 が希薄になりつつある中、媒介蚊の対策を含む蚊媒介感染症の対策の充実が喫緊の課題となってい る。こうした蚊媒介感染症の感染経路、流行した場合に社会に与える影響等に鑑みると、行政関係 者や医療関係者はもちろんのこと、国民一人一人がその予防に積極的に取り組んでいくことが極め て重要である。

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29 蚊媒介感染症であるジカウイルス感染症及びチクングニア熱については、現時点では国内感染症 例が報告されていない。しかしながら、デング熱、ジカウイルス感染症及びチクングニア熱につい ては、いずれも日本国内に広く分布するヒトスジシマカが媒介することが知られている。また、平 成二十七年には、インド、台湾等でデング熱の流行が、ブラジルを始めとする中南米地域でジカウ イルス感染症の流行が報告されており、いずれも海外で蚊媒介感染症にかかった者が帰国又は入国 する例( 以下「輸入感染症例」という。)を起点として国内での感染が拡大する可能性が常に存在 する。蚊媒介感染症としては、これら以外にも、マラリア、ウエストナイル熱、日本脳炎などがあ る。マラリアについては、媒介蚊であるハマダラカが国内の人口が密集している地帯には生息して いない。ウエストナイル熱については、発症している際の人の血中におけるウイルス量が少なく、 媒介蚊のみを介した人から人への感染環が成立しないことから、デング熱、ジカウイルス感染症及 びチクングニア熱と比して、輸入感染症例を起点として国内感染症例が発生する可能性は低い。日 本脳炎については、効果的なワクチンが既に存在し、予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号) に基づく定期の予防接種が実施されている。こうした理由から、現時点では、デング熱、ジカウイ ルス感染症及びチクングニア熱については、その感染が国内で拡大する可能性が高いと考えられる。 このため、本指針では、デング熱、ジカウイルス感染症及びチクングニア熱を、重点的に対策を講 じる必要がある蚊媒介感染症に位置付け、これらの感染症の媒介蚊であるヒトスジシマカが発生す る地域における対策を講じることにより、その発生の予防とまん延の防止を図ることを主たる目的 とする。なお、これら以外の蚊媒介感染症( ウエストナイル熱、黄熱、西部ウマ脳炎、東部ウマ脳 炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎、マラリア、野兎病及びリフトバレー熱) についても、共通す る対策は必要に応じて講じるものとする。 本指針は、このような状況を受け、蚊媒介感染症について、適切なリスク評価を行った上で、必 要な範囲において対策を実施することを目標とする。あわせて、その目標を達成するため、国、地 方公共団体、医療関係者、国民等、全ての関係者が連携して取り組んでいくべき施策について、新 たな方向性を示すものである。 本指針は、蚊媒介感染症の発生動向、蚊媒介感染症の予防・治療等に関する最新の科学的知見、 本指針に基づく取組の進捗状況等を勘案して、少なくとも五年ごとに再検討を加え、必要があると 認めるときは、これを改正するものとする。 第一 平常時の予防対策 一 基本的考え方 蚊媒介感染症については、国、都道府県等( 都道府県、保健所を設置する市及び特別区をい う。以下同じ。) 、市町村( 保健所を設置する市を除く。以下同じ。) 、医療関係者等の関係 者及び国民一人一人が連携して予防に取り組むことが基本である。それらの予防対策の積み重 ねにより、社会全体における蚊媒介感染症の発生の予防及びまん延の防止につながるものであ る。 二 一般的な予防方法の普及 国、都道府県等及び市町村は、国民に対し、個人及び地域で実施可能な予防方法として、媒 介蚊の発生源の対策、肌をできるだけ露出しない服装や忌避剤の使用等による防蚊対策、ワク

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