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あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

あさひかわ緩和ケア講座

2010

第3

3講

がん疼痛マネジメント

がん疼痛マネジメント

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

旭川医科大学病院

麻酔科蘇生科 間宮敬子

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

がん疼痛マネジメント

がん疼痛マネジメント

がんの痛みって?

がんの痛みって?

どのがんでも発生する

がんの進行とともに多くなる

進行がんの患者の90%が疼痛を経験する

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

がん性疼痛の70~80%を鎮痛薬使用で緩

和できる。

痛みは身体的苦痛だけでなく、心理的、社

会的、スピリチュアルな面にも影響を及ぼし、

患者のQOLを著しく低下させる

転んで打撲した

運動後の筋肉痛

術後の創痛

お産の痛み

これらも強い痛み

がん疼痛は他の痛みと違うのか

がん疼痛は他の痛みと違うのか

時間が経てば基本的には消えていく痛み

時間が経てば基本的には消えていく痛み

がんの痛みは、増強しながら続いていく痛み

医療者が手をのばさなければ、最期まで苦しみ続ける

評価

現在の病態

現在の病態

1. 1. どこが?(部位)どこが?(部位)

痛みの評価・治療の流れ

痛みの評価・治療の流れ

評価

副作

効果

痛みの診断

心理社会・スピリ

心理社会・スピリ

心理社会・スピリ

心理社会・スピリ

みの

治療

2. 2. どんなふうに?(性質)どんなふうに?(性質) 3. 3. どのくらい?(強さ)どのくらい?(強さ) 4. 4. 何が困る?(痛みの影響)何が困る?(痛みの影響) 5. 5. 何が痛みを修飾している?何が痛みを修飾している? 6. 6. 痛みの治療の副作用は?痛みの治療の副作用は?

(2)

1.

1. どこが?(部位)

どこが?(部位)

2.

2. どんなふうに?(性質)

どんなふうに?(性質)

3

3 どのくらい?(強さ)

どのくらい?(強さ)

痛みの評価の

key component

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

3.

3. どのくらい?(強さ)

どのくらい?(強さ)

4.

4. 何が困る?(痛みの影響)

何が困る?(痛みの影響)

5.

5. 何が痛みを修飾している?

何が痛みを修飾している?

6.

6. 痛みの治療の副作用は?

痛みの治療の副作用は?

痛みの治療の原則

痛みの治療の原則

9原因に基づいた治療を行う

9痛み以外の身体症状、心理・社会・スピリチュア

ルな問題による苦痛を軽視しない

9多職種で関わり 情報を共有する

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

9多職種で関わり、情報を共有する

9患者・家族に合わせる柔軟性が不可欠

9検査や原病治療のために痛みの治療が遅れて

はならない(未治療の痛み ⇒ 神経系の変化を

来たすから)

9とにかく患者の痛みの訴えを信じること

薬物療法

薬物療法

痛み

の閾値

直接的痛

痛みの治療の種類

痛みの治療の種類

オピオイド鎮痛剤

NSAIDs

鎮痛補助剤

ステロイド

アセトアミノフェン

理学療法

物理療法

作業療法

看護ケア

看護ケア

マッサージ

鍼灸

リハビリテーション

リハビリテーション

日々のケア

声かけ

ADLのサポート

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

抗がん治療

抗がん治療

侵襲的疼痛治療

侵襲的疼痛治療

精神療法

精神療法

代替療法

代替療法

上げ

治療

放射線療法

抗がん剤治療

精神療法

姑息的手術

神経ブロック

漢方

椎体形成術

リラクセーション

絵画療法

ビスフォスフォネート

緩和的整形外科手術

音楽療法

グループ療法

アロマセラピー

症例を考えていきましょう

症例を考えていきましょう

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

肝細胞がんと診断され、1年前に手術をうけた。

数ヶ月前より右季肋部の持続する鈍痛が出現した。

症例

症例 1

1 58

58歳

歳 男性

男性

2010 2010

かかりつけ医より、ロキソニンが頓服で処方された。

ロキソニン

を内服すると痛みは軽減するが、楽にはな

らず、本日相談のため来院した。

痛みの症状緩和を行うにあたって

痛みの症状緩和を行うにあたって

まずおこなうべきことは何でしょう?

まずおこなうべきことは何でしょう?

WHOの除痛ラダー上の位置

2010 2010

疼痛の評価

(3)

WHOがん性疼痛治療法

WHOがん性疼痛治療法

弱オピオイド 強オピオイド フェンタニル モルヒネ オキシコドン

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 必要に応じて鎮痛補助薬 抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、NMDA受容体拮抗薬、 ステロイド等 NSAIDsまたはアセトアミノフェン(カロナール)※ 弱オピオイド コデイン オキシコドン

WHOがん性疼痛ガイドライン

WHOがん性疼痛ガイドライン

By the mouth:経口的に

By the clock:時間を決めて定期的に

By the ladder:

三段階除痛ラダ に沿 て効力順に

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

三段階除痛ラダーに沿って効力順に

For the individual:

患者ごとの個別的な量で

With attention to detail:

細かい配慮をする

痛みの評価

痛みの評価

いつからどこが痛いのか?

がんの痛みなのか?

どのように痛いのか?

痛みの性状の評価

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

痛みの性状の評価

一日中痛いのか?時々痛いのか?

痛みのパターンは?強さは?

画像診断などで、疼痛の原因となるがん病変があるか?

薬剤の投与に備えて、胃潰瘍、腎障害、出血傾向を確認

痛みの分類

痛みの分類

侵害受容性疼痛 (神経終末の刺激による痛み)

a.体性痛

1.表面痛

皮膚・粘膜由来など

2.深部痛

骨・筋肉由来など

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

b.内臓痛

内臓器の被膜伸展

腸管・尿管の閉塞

交感神経への浸潤など

神経障害性疼痛 (神経自体の損傷)

末梢性 脳神経・脊髄神経

中枢性 脳・脊髄

体性痛

骨転移など局在がはっきりした明確な痛み

ズキッとする痛み

内臓痛

腹部腫瘍の痛みなど局在があいまいなにぶい痛み

痛みの性状

痛みの性状

腹部腫瘍の痛みなど局在があいまいなにぶい痛み

ズーンとした重たい痛み

神経障害性疼痛

神経叢浸潤、脊椎浸潤などによる痛み

ぴりぴり電気が走るような、しびれる、

じんじんする痛み

痛みのパターン

痛みのパターン

疼痛はパターンから、

持続痛

突出痛

に分けられる

突出痛

持続痛+

持続痛

突出痛

(4)

がんの疼痛治療のアルゴリズム

がんの疼痛治療のアルゴリズム

1) NSAIDsの開始

2) オピオイドの導入

3) 残存・増強した痛みの治療

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

3) 残存 増強した痛みの治療

持続的な痛みをとるために

オピオイドを増量する

(持続痛の治療ステップ)

10 10 00 10 10 00 10 10 00

体動時や突然の痛みに対処

するためにレスキューを使う

(突出痛の治療ステップ)

がん患者の疼痛治療の目標

がん患者の疼痛治療の目標

第一目標:痛みに妨げられない夜の良眠

第二目標:安静時の痛みが消失

第三目標:体動時の痛みの消失

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

最終目標:痛みの消失が維持され、

平常の生活に近づくこと

症例

症例 1

いつからどこが痛いのか?

・右季肋部が数ヶ月前から痛い

どのように痛いのか?

・持続する鈍痛→内臓痛の可能性

痛みのパタ ンと強さ

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

痛みのパターンと強さ

・一日中痛い → 強さは10段階の7

画像診断などで、疼痛の原因となるがん病変が

あることを確認する

・画像診断にて腫大した肝臓内に巨大な腫瘤陰影

を多数認める

WHO

WHOがん疼痛治療法

がん疼痛治療法

弱オピオイド コデイン 強オピオイド フェンタニル モルヒネ オキシコドン

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 必要に応じて鎮痛補助薬 抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、NMDA受容体拮抗薬、 ステロイド等 NSAIDs またはアセトアミノフェン(カロナール)※

WHOラダーに沿って治療を開始

・NSAIDsの定期投与

・レスキューの指示

・胃潰瘍の予防

治療薬の副作用

治療薬の副作用-

-NSAIDs

NSAIDs-

-•

胃腸障害(消化性潰瘍)

PG製剤・PPIの使用

ハイリスク患者はアセトアミノフェン・

阻害薬

使用

2010 2010

COX-2阻害薬の使用

腎機能障害

生じれば基本的に使用を控える

心不全・高血圧

リスク評価が重要

症例

症例 1

1 58

58歳

歳 男性

男性

NSAIDsの定期投与

レスキューの指示

・疼痛の悪化にそなえ、レスキュー指示を出す

NSAIDsの1日最大量を超えない範囲でNSAIDs1回量

2010 2010

アセトアミノフェン

オピオイド

胃潰瘍の予防

・ PG製剤(サイトテック

Ⓡ )

、プロトンポンプ阻害薬または H

2

ブロッカーを

併用

NSAIDsを最大投与量まで増量する

アセトアミノフェンの併用を検討する

(5)

1~3日で効果を判定し、鎮痛が不十分であ

れば、 オピオイドを開始する

治療効果を判定するのは?

治療効果を判定するのは?

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

NSAIDsの副作用に注意(胃潰瘍、腎障害)

肝細胞がんと診断され、1年前に手術をうけた

数ヶ月前より右季肋部の持続する鈍痛が出現

症例1

症例1 58歳

58歳 男性

男性

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

ロキソニン

を3錠分3で開始し、3日後に再診とした

再診時にも症状緩和は十分でなかった

→ どうしますか?

WHO癌疼痛治療法

WHO癌疼痛治療法

弱オピオイド コデイン 強オピオイド フェンタニル モルヒネ オキシコドン

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 必要に応じて鎮痛補助薬 抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、NMDA受容体拮抗薬、 ステロイド等 NSAIDs またはアセトアミノフェン(カロナールⓇ)※

WHOラダーに沿ってオピオイドを開始

・オピオイドの定期投与

・レスキューの指示

・嘔気・便秘の予防

時間を決めて、定期的に投与。毎食後、疼痛時

という処方はしない。

NSAIDsは中止しないで併用

オピオイドの定期投与を開始

オピオイドの定期投与を開始

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

腎機能が低下している場合モルヒネの使用は

慎重に

体格が小さい、高齢者、全身状態が不良の場合、

少量から開始

オピオイドレスキューの指示

オピオイドレスキューの指示

• レスキューとは・・・

徐放性オピオイド鎮痛薬が定期投与されている

患者さんにおいて、基本処方の不足を補うための

即効性オピオイド製剤のこと

• 即効性オピオイド製剤のこと

• 原則として、徐放製剤と同じ種類のオピオイドを用

いる

→ フェンタニル貼付剤は別の製剤で対応

モルヒネのレスキューの投与間隔はモルヒネ

の各剤形によって異なる。

レスキュードーズの設定

レスキュードーズの設定

基本的には

製剤の最高血中濃度到達時間を

過ぎたあたり

がレスキュー間隔となる。

(6)

投与量

内服は1日量の1/6

持続注(静注、皮下注)1時間量を早送り

坐薬1日内服量の1/10

(経口:坐薬=1:2/3

オピオイドレスキューの指示

オピオイドレスキューの指示

モルヒネ

モルヒネ

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

1日定時量の1/4~1/8として計算)

反復間隔

内服 1時間

静脈注射 皮下注射 15~30分

坐薬 2時間

指示例:1時間あけて何度でも使用可

投与量

内服は一日量の1/4

持続注(静注、皮下注)1時間量を早送り

オピオイドレスキューの指示

オピオイドレスキューの指示

オキシコンチン

オキシコンチン

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

反復間隔

内服 1時間

静脈注射 皮下注射 15~30分

パビナール注

パビナール注

複合オキシコドン注射液 パビナール注

(1925年発売)

1A中 塩酸オキシコドン 8mg

塩酸ヒドロコタルニン 2mg

モルヒネ注射液

モルヒネ内服薬

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

モルヒネ注射液

30~45mg

モルヒネ内服薬

90mg

オキシコンチン内服薬

60mg

パビナール注射液

40~60mg

1/2~1/3

2/3~1

2/3

4/3

オピオイドのタイトレーション

オピオイドのタイトレーション

鎮痛効果と副作用とのバランスをとりながら、

それぞれの患者さんにとって最適なオピオイ

ドの投与量を決めることをオピオイドタイト

レーションという

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

レ ションという

基本となる除放製剤に不足を補うレスキュー

ドーズ使用量を上乗せして除放製剤量を増

量していく

オピオイドのタイトレーションにより除痛の安定

している患者の19~95%に、突出痛と呼ばれる

持続の短い、一過性の痛みの増悪が出現

・骨転移などの体動に伴って増悪する痛み

突出痛とレスキュードーズ

突出痛とレスキュードーズ

2010 2010

骨転移

体動 伴

す 痛

・原因のはっきりしない突出痛

・内服直前に起こる痛み

突出痛:急激に発症、数分以内に最大に達する。

持続時間は数分から2時間程度

患者さまの約8割は突出痛の発症を予測できる

ようになる

突出痛とレスキュードーズ

突出痛とレスキュードーズ

2010 2010

z

痛みの発症を予防する効果的なレスキュー投与のタイミング

や投与経路を患者さんと共に評価する

(7)

便秘:ほぼ必発、耐性形成されない

嘔気・嘔吐:約30%で発生、1-2週で耐性形成

眠気:数日で耐性形成

治療薬の副作用

治療薬の副作用-

-オピオイド

オピオイド-

-あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

(呼びかけても完全に覚醒しないのは真の鎮静 = 過量)

呼吸抑制:眠気の先にある

蕁麻疹:ヒスタミンの遊離作用による

せん妄:腎機能変化時に起こりやすい

他の要因を見逃さない!

オピオイドの副作用対策

オピオイドの副作用対策

嘔気の予防

制吐薬を併用 2週間後に嘔気がなければ中止

便秘の予防

ほぼ必発の副作用

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

ほぼ必発の副作用

緩下剤と刺激性下剤を組み合わせて処方

眠気対策

オピオイド開始数日は、眠気や軽い傾眠が見られることが多い

不快であれば対処

オピオイドの減量、オピオイドローテーション、他の薬剤の見直し

症例

症例 1

1 実際の処方例

実際の処方例

オキシコンチン

(5mg) 2錠 分2(8時 20時)

酸化マグネシウム

1.5g 分3

ノバミン

(5mg)

3錠 分3

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

オキノーム

(2.5mg)

1包 疼痛時頓服

レスキューは1時間以上あけて繰り返し使用可

制吐薬(ノバミン

)を決められたように内服して

いるか?

No:内服するように指導

Yes: 制吐薬を追加処方

嘔吐しました

嘔吐しました

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

トラベルミン

3錠 分3

セレネース

(0.75mg)1錠 寝る前

嘔吐して食事ができない状況? → 輸液を考慮

便秘 → 浣腸を考慮

嘔気は通常1~2週間で治まることを説明

オピオイドの使用量は間違っていないか?

呼びかければはっきり覚醒して文章で会話できる

か?

No :診察を行い評価

眠気が強いようです

眠気が強いようです

No :診察を行い評価

Yes:経過観察

眠気は通常数日以内に治まることを説明

→治まらない場合

オピオイド減量

オピオイドローテーション

膵臓がんの診断で半年前に手術をうけた。

心窩部から背部にかけての持続する鈍痛に対して、

症例

症例 2

45歳

45歳 女性

女性

窩部

続す 鈍痛

オキシコンチン

30mg/日で処方されていた。

最近まで痛みのコントロールは良好であったが、痛

みが強くなったため来院した。

(8)

弱オピオイド 強オピオイド フェンタニル モルヒネ ド

WHOがん疼痛管理法

WHOがん疼痛管理法

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 必要に応じて鎮痛補助薬 抗うつ薬、抗てんかん薬、局所麻酔薬、NMDA受容体拮抗薬、 ステロイド等 NSAIDsまたはアセトアミノフェン(カロナールⓇ)※ 弱オピオイド コデイン オキシコドン

以前からの痛みかどうかを確認

・以前からのがん性疼痛に、新しい原因(感染、骨折)が

加わることがあるので注意

残存・増強した痛みの治療

残存・増強した痛みの治療 評価

評価

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

加わることがあるので注意

・いままで痛かった場所と同じかどうか確認

持続痛か突出痛かを確認

残存・増強した痛みの治療

残存・増強した痛みの治療 評価

評価

以前からの痛みかどうかを確認

・以前からのがん性疼痛に、新しい原因(感染、骨折)が加わ

ることがあるので注意

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

・いままで痛かった場所と同じかどうか確認

→ いままでと同じ痛みの増強

持続痛か突出痛かを確認

→ 持続痛

残存・増強した痛みの治療

残存・増強した痛みの治療

定期オピオイドを増量する

内服量が少ない時

(モルヒネ120mg/day オキシコドン80mg/day以下)

前日の

ま を

日かけ 増量

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

前日の50%までを 2~3日かけて増量

内服量が多い時、体格の小さい者、高齢者、全身状態

不良者

(モルヒネ120mg/day オキシコドン80mg/day以上)

前日の20~30%までを 2~3日かけて増量

症例

症例 2

2 45歳

45歳 女性

女性

オキシコンチン

40mg/日に増量した。

2010 2010

増量後、痛みのコントロールは良好であったが、

がんによる消化管閉塞にて内服困難になった。

→どうしますか?

どうしますか?

オピオイドローテーション

オピオイドローテーション

1993年 de Stoutz, MacDonaldらによって提唱された

1つのオピオイドをより好ましい反応を得るために他のオピ

オイドに切り替えること

2010 2010

鎮痛効果の改善を期待して行うオピオイドローテーション

オピオイドに対する耐性のために、増量しても鎮痛効果が

望めない場合、他のオピオイドにローテーションすることで

鎮痛効果が得られることがある。

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

投与経路を変更したいとき

(9)

オピオイドローテーション

オピオイドローテーション

モルヒネ

(MSコンチンⓇ、パシーフ、オプソ、塩酸モルヒネ注 あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

オキシコドン

(オキシコンチン錠Ⓡ、パビナール注

フェンタニル

(デュロテップパッチⓇ、フェンタネス ト注Ⓡ

オピオイド換算表

オピオイド換算表

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

投与方法による換算

投与方法による換算 モルヒネ

モルヒネ

内服:坐薬: 静脈・皮下投与 :硬膜外

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

1:

1/2 :

1/2~1/3

:1/10 ~ 1/15

オピオイドローテーションの方法

オピオイドローテーションの方法

力価表に従って、現在のオピオイドと等価の新しいオピ

オイドの投与量を換算

経口モルヒネ60mg/日以上の場合、一度に変更せず、

30

50%づつ徐々に置き換える

30~50%づつ徐々に置き換える

→急に経口できなくなった時はこの限りではない

変更後疼痛と眠気の観察を行う

・痛みの増強:30%増量

・眠気の増強:20%減量

オピオイドローテーションの注意点

オピオイドローテーションの注意点

比較的良好な疼痛コントロールが得られている場合はその

相当量の

50~75%

で切り替える

→オピオイド間の相互耐性が完全ではないから

オピオイド間の相互耐性が完全ではないから

たとえば患者があるオピオイドで、眠気に対する

耐性を獲得しても、相当する量の別のオピオイド

に変更するとその患者は再び眠気を経験する

疼痛のコントロールが不十分な場合はその相当量の

75~

100%

で切り替える

(10)

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

便秘の副作用

便秘の副作用

便秘の副作用

・がんの病態を考慮し、オピオイド製剤による腸管蠕動運動抑制をできるだけ避

けたい時

・下剤での調節が困難な時

モルヒネやオキシコドンからフェンタニルへ

経口のモルヒネ製剤を注射剤に変更

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

嘔気の副作用

・十分な制吐剤を使用しても改善困難な嘔気

・モルヒネ不耐性による嘔気

オピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

嘔気の副作用で難渋する場合

嘔気の副作用で難渋する場合

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

オピオイド

テ ション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

強い眠気やせん妄の副作用が出現した場合

強い眠気やせん妄の副作用が出現した場合

腎機能障害時にモルヒネはその活性産物であるモルヒネ‐6‐グロクロナイドの 蓄積により、副作用として眠気やせん妄などが出現しやすくなる ↓ 活性代謝物の産生がほとんどない オキシコドンやフェンタニルへのオピオイドローテーションが適応 あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

モルヒネによるミオクローヌスが出現した場合

モルヒネによるミオクローヌスが出現した場合

• ミオクローヌスはモルヒネの代謝産物である

モルヒネ-3-グルクロナイドの関与が考えられている。

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

モルヒネ以外へのオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

副作用の改善を期待して行うオピオイドローテーション

瘙痒感がひどい場合

瘙痒感がひどい場合

モルヒネの投与により抗ヒスタミン薬の投与などでも改善しない痒みが出現する

場合

ヒスタミン遊離作用の少ないオキシコドン

ヒスタミン遊離作用のないフェンタニル

2010 2010

症例

症例 2

オピオイドローテーションの実際

オピオイドローテーションの実際

オキシコンチン

40mg/日→デュロテップパッチ

オキシコンチン

40mgはモルヒネ換算表で

経口モルヒネの60mg

2010 2010

経口モルヒネの60mg

デュロテップパッチ

2.5mgと等価

デュロテップパッチ

は有効血中濃度に達するまで

12~24時間程度

を要するため、内服と同時に

デュロテップパッチ

貼付を開始し、次回よりオキシ

コンチン

内服は中止

(11)

オピオイドローテーションのタイミング

オピオイドローテーションのタイミング

モルヒネ

モルヒネ→

→フェンタニルパッチ

フェンタニルパッチ

内服1日2回製剤

貼付開始と同時に1回量を投与

内服1日1回製剤

投与した12時間後に貼付を開始

アンペック坐剤

貼付開始と同時に1回量を投与

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

塩酸モルヒネ錠・末

、オプソ内服液

貼付開始と同時および4時間後に1回量を投与

塩酸モルヒネ注

貼付開始 6時間後まで継続して持続点滴

6時間後半量に減量、12時間後中止

オピオイドローテーションのタイミング

オピオイドローテーションのタイミング

フェンタニルパッチからのローテーション

フェンタニルパッチからのローテーション

フェンタニルパッチ→モルヒネ、オキシコンチン内服

パッチ剥離24時間後内服開始

(剥離後フェンタニルの半減期約20時間)

パッチ剥離6~12時間後内服開始

(剥離後

半減期約

時間)

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

(剥離後フェンタニルの半減期約17時間)

間違いの少ないわかりやすいタイミングを優先

落ち着くまでレスキューでカバーする

フェンタニルパッチ→注射剤

パッチ剥離6時間後から半量で開始

12時間後全量へ

オピオイドローテーションの実際

オピオイドローテーションの実際

大量のオピオイドを使用している場合

大量のオピオイドを使用している場合

パシーフ

180mg/日 → デュロテップ

パシーフ 180mg/日 レスキュー: パシーフ 120mg/日 デュロテップ パシーフ 60mg/日 デュロテップ デュロテップ パッチ あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010 ・パシーフ180mg/日を内服した12時間 後にデュロテップパッチ2.5mgを貼付 ・次回からパシーフ120mgに減量 ・レスキューはそのまま ・デュロテップパッチ貼る交替日、パシーフ 120mg/日を内服した12時間後にデュロ テップパッチ5mgを貼付 ・次回からパシーフ60mgに減量 ・レスキューはそのまま レスキュー: モルヒネ 30mg/回 デュロテップ パッチ 2.5 mg (MT4.2mg) デュロテップ パッチ 5 mg (MT8.4mg) 7.5 mg (MT12.6mg)

フェンタニル貼付剤

フェンタニル貼付剤 3日製剤

3日製剤

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

特徴:アルコールが添付されていないので、アルコールに弱い患者にも使用可能

12.5μg/hr製剤が発売されたので、コントロールが容易

レスキュー 内服ができない場合 アンペック坐薬Ⓡ

フェンタニル貼付剤

フェンタニル貼付剤 1日製剤

1日製剤

1日1回製剤

2010年 6月24日発売

少用量規格(モルヒネ29mg以下相当)を有する

日本人向けに開発した製剤

製剤の工夫

患者・医療従事者が使いやすい製品仕様

フェンタニル貼付剤

フェンタニル貼付剤 1日製剤

1日製剤

(12)

持続皮下注

持続皮下注 利点

利点

経口困難な患者様に投与可能

携帯に便利で入浴や外泊が可能

持続速度、注入量を臨機応変に調節可能

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

確実に薬物が体内に入る

過量投与が起こりにくい

静脈注射と比較し感染が起こりにくい

血管を確保しなくても良い

持続皮下注

持続皮下注 欠点

欠点

注射液の交換、管理が必要

大容量投与には不適

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

大容量投与には不適

皮膚刺激物質では疼痛または壊死の可能性

長期安定性が期待できない薬剤には不向き

持続皮下注

持続皮下注 使用目的

使用目的

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

持続皮下注

持続皮下注 使用される薬剤

使用される薬剤

皮膚の局所刺激が少なく、安定して吸収されるものが望まれる。

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

持続皮下注

持続皮下注 穿刺部位と注意点

穿刺部位と注意点

針の刺入は体動時に影響を受けない方向にする。

刺入部位は鎖骨と乳頭の間もしくは腹部が好まれる

注入量には個人差があり

1ml/hrが限界

0.5ml/hr程度では問題ないが、0.8ml/hr ぐらいに

2010 2010

程度

問題

なると皮膚が発赤することがあり、その場合、

頻回の刺し替えが必要

2ルートにする方法もあり

モルヒネ

ヒスタミン遊離作用により蕁麻疹や発赤、硬結が

出現することがある。これは、1日量として0.5~1mg

のデカドロン

かリンデロン

を添加すると消失する

刺入部の痛みには2%リドカインを使用する。

症例3

症例3 60歳

60歳 女性

女性

8年前

乳癌と診断され、手術、抗がん剤治療をうけた。

8ヶ月前 腰椎に骨転移を指摘され、放射線治療と抗が

ん剤治療をうけた。

1ヶ月前 多発性骨転移を指摘された。右大腿部外側か

2010 2010

1ヶ月前 多発性骨転移を指摘された。右大腿部外側か

らひざにかけてしびれるような痛みが出現。

前屈や座位で増強する。

臥位で軽快する。(NRS3~10)

モルヒネ120mg/日、NSAIDs を投与しても痛み

は良くならなかった。

(13)

神経障害性疼痛

神経障害性疼痛

オピオイドが効きづらい痛み

NSAIDsやオピオイドに加え鎮痛補助薬の投与を考

える

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

患者さんの表現

びりびりしびれるような

電気が走るような

焼けるような

締め付けられるような

神経障害性疼痛の治療

神経障害性疼痛の治療

神経補助薬

神経補助薬の有用性:40~60%

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

神経補助薬の有用性:40

60%

十分なエビデンスと保険適応がない薬剤が多い

神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン

神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン

z

第一選択治療薬(first line)

・三環系抗うつ薬 : ノルトリプチン デシプラミン

・SSNRI : デュロキセチン ヴェンラファキシン

・Ca+ α2‐δ リガンド : ガバペンチン プレガバリン

・リドカイン(パッチ) :キシロカイン

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

z

第二選択治療薬(second line)

・オピオイド : モルヒネ オキシコドン メサドン レボルファノール

・ トラマドール : トラマドール

z

第三選択治療薬(third line)

・ガバペンチン以外の抗けいれん薬 抗うつ薬

・メキシレチン NMDA受容体拮抗薬 カプサイシン

Dworkin R.H.et al.:Pharmacologic management of neuropathic pain: Evidence‐based recommendations Pain 132 (2007) 237–251

神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン

神経障害性疼痛の薬物治療ガイドライン

• オピオイドが第一選択治療薬として推奨される病態

三環系抗うつ薬などの第一選択治療薬を用いた至摘投与量設

定(タイトレーション)期間中に速やかな鎮痛が必要とされてい

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

る場合

激しい突出痛が出現している場合

急性の神経障害性疼痛

神経障害性のがん疼痛

Dworkin R.H.et al.:Pharmacologic management of neuropathic pain: Evidence‐based recommendations Pain 132 (2007) 237–251

第1選択薬

第1選択薬

三環系抗うつ薬

アモキサピン(アモキサン

アミトリプチン(トリプタノール

ノルトリプチン(ノリトレン

イミプラミン(トフラ

イミプラミン(トフラニール

• 抗うつ薬はうつの気分改善とは関係なく鎮痛効果が認められる

• 三環系抗うつ薬は下行抑制系を賦活することで鎮痛効果を発揮

• 焼け付くような、しめつけられる、つっぱる、しびれると表現され

る疼痛に有効

• 抗コリン作用による副作用として口渇、排尿障害、便秘、視調節

障害がみとめられることあり

第1選択薬

第1選択薬

ガバペンチン(ガバペン

・GABA誘導体の新しいタイプの抗けいれん薬

・本邦ではてんかんのみ保険適応

本邦ではてんかんのみ保険適応

・欧米では神経障害性疼痛に対してプレガバリン

とともに効果のある薬として承認されている

(14)

第1選択薬

第1選択薬

プレガバリン(リリカ

2010年6月22日発売

• 抗てんかん薬、鎮痛補助薬

• 帯状疱疹や糖尿病等の神経障害性疼痛に効果

• ガバペンチンに類似したGABAの構造類縁体で GABAA受

容体にもGABAB受容体にも活性がない

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

容体にもGABAB受容体にも活性がない

• シナプス前の電位依存性Ca

++

チャネルのα2δサブユ ニッ

トに高い親和性を持つので、Ca

++

イオンの流入を 抑制して、

伝達物質の放出を抑制

• 抗てんかん作用はガバペンチンの10倍

• 用量がガバペンチンの半分から3分の1ですむ

• ガバペンチンと比較して用量依存性に効果が出現するため

効果を予想できる

ガバペンチンとプレガバリンの比較

ガバペンチンとプレガバリンの比較

Dose equivalencies of Gabapentin and Pregabalin

for the substitution protocol

Daily Dose ofGabapentin (mg/day)

Daily Dose of Pregabalin (mg/day)

Pre-Switch

Post-Switch

0–900

150

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

0–900

150

901–1,500

225

1,501–2,100

300

2,101–2,700

450

2,700 or higher

600

Substitution of Gabapentin Therapy with Pregabalin Therapy in Neuropathic Pain due 

to Peripheral Neuropathy Pain Medicine 2010; 11: 456–465 Cory Toth, BSc, MD, 

FRCPC

第2選択薬

第2選択薬

オピオイド

トラマドール(塩酸トラマドール) クリスピン

弱オピオイドと強オピオイドの中間

日本では注射のみ 100mg/2ml

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

日本では注射のみ 100mg/2ml

オピオイド・レセプターを介した作用機序の他に、シナプス前神経細胞を

介したセロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害作用がある。

オピオイド特有の副作用(特に便秘)が少ない代わりに、痙攣の閾値を

下げる可能性がある。

モルヒネ注との効力比は1/5である。

第3選択薬

第3選択薬

ガバペン以外の抗けいれん薬

・カルバマゼピン(テグレトール

電激痛に効果あり

三叉神経痛で保険適応あり、がん性疼痛にはなし

脱力感、眠気に注意

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

・クロナゼパム(リボトリール

オピオイドによるミオクロヌスにも有効

0.5mgから開始 眠前投与

・フェニトイン(アレビアチン

経口だけでなく、静脈薬がある

神経障害性疼痛で使用される頻度は少ない

・バルプロ酸ナトリウム(デパケン

鎮静効果が弱く初心者には使いやすい

除放剤があるため安定した血中濃度を維持しやすい

第3選択薬

第3選択薬

NMDA受容体拮抗薬

塩酸ケタミン(ケタラール

(オピオイドでないが麻薬)

NMDA受容体は興奮性アミンであるグルタミン酸が結合する受容体であり、

この受容体の活性化により痛みが増強されたり過敏状態が起こる。

2010 2010

神経障害性疼痛ではこの受容体を介した脊髄の感受性の増加が起こって

いるとされ、NMDA受容体拮抗薬が治療薬として注目されている。

投与方法:持続点滴法あるいは皮下注(50~100mg/日で開始)

シロップに混ぜての内服

ケタミン軟膏(旭川医大では0.5%と1.5%)

その他

その他

コルチコステロイド

・腫瘍による頭蓋内圧の亢進,神経圧迫,脊髄圧迫,骨転移痛、

腫瘍周囲の浸潤 浮腫 炎症による疼痛に効果がある

2010 2010

腫瘍周囲の浸潤、浮腫、炎症による疼痛に効果がある。

・リンデロン(ベタメタゾン

)1日1~2mg 朝1回投与から開始

・経口と注射の量は同じ

・消化器潰瘍の予防にH2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬を

併用

・せん妄の原因になることがある

(15)

症例3

症例3 60歳

60歳 女性

女性

8年前

乳癌と診断された。

1ヶ月前 多発性骨転移を指摘された。右大腿部外側から

ひざにかけてしびれるような痛みが出現。前屈や

座位で増強する。臥位で軽快する。モルヒネ

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

座位 増強す 。臥位 軽快す 。

120mg/日、NSAIDsを投与しても痛みは良くなら

なかった。

神経障害性疼痛と判断され、ガバペン

200mg/日から

処方を開始し、増量。600mg/日まで増量した時点で、痛み

は消失した。

放射線療法

放射線療法

骨転移による疼痛の緩和と骨折の予防に放

射線照射が有効

3Gy×10frが標準的だが、単回照射でも可

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

適応について、放射線治療医と相談

骨転移に限らず、責任病巣のはっきりした疼痛

に対しては、適応の可能性がある

局所制御や根治も視野に入れた設定が可能

ビスフォスフォネート

ビスフォスフォネート

破骨細胞の活動を抑える薬剤

疼痛および骨折の予防に効果

処方例

ゾメタ

(4

)の点滴投与

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

処方例

ゾメタ

(4mg)の点滴投与

重篤な副作用として顎骨壊死がある

投与前は、患者の口腔内の状態を観察

歯科治療が必要な場合には投与開始前に終了

がん治療に対する神経ブロック療法

がん治療に対する神経ブロック療法

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

神経ブロック

神経ブロック

適応となる疼痛が出現したすべての場合で適応を検討する。

・神経ブロックの適応となるがん性疼痛患者は

約10%

膵が

腹部痛

臓が

会陰部

膵がんによる上腹部痛、骨盤内臓がんによる肛門・会陰部の痛み、

胸壁の痛みなどで適応になる場合が多い

早期の適応について、専門医と相談

・全身状態が悪化してからは、ブロック処置を行うことができない

神経ブロックとは

神経ブロックとは

麻酔の技術を応用した鎮痛法

痛みを伝達している神経を遮断し、痛みを

やわらげる手段

局所麻酔薬

神経破壊薬

高周波熱凝固

を使用

(16)

がん疼痛治療における神経ブロックの適応

がん疼痛治療における神経ブロックの適応

薬物療法や他の手段で十分な鎮痛効果が得

られない場合

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

モルヒネ経口量100mg/日以上でも鎮痛困難な場合

体動時の疼痛管理困難な場合

薬物療法による副作用が強い場合

がん疼痛治療における神経ブロックの利点

がん疼痛治療における神経ブロックの利点

全身状態,意識レベルおよび精神活動に無影響

高い鎮痛効果

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

高い鎮痛効果

週・月単位の長く続く鎮痛効果

鎮痛薬の減量が可能

がんの痛みに対する神経ブロック

がんの痛みに対する神経ブロック

硬膜外ブロック

腹腔神経叢ブロック 内臓神経ブロック

上下腹神経叢ブロック

くも膜下フェノールブロック

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

くも膜下フェノ ルブロック

肋間神経ブロック

神経根ブロック

脊髄後枝内側枝ブロック(高周波熱凝固法を利用)

経皮的椎体形成術(骨セメントを利用)

etc

がんの痛みに対する神経ブロック

がんの痛みに対する神経ブロック

硬膜外ブロック

腹腔神経叢ブロック 内臓神経ブロック

上下腹神経叢ブロック

くも膜下フェノールブロック

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

くも膜下フェノ ルブロック

肋間神経ブロック

神経根ブロック

脊髄後枝内側枝ブロック(高周波熱凝固法を利用)

経皮的椎体形成術(骨セメントを利用)

etc

内臓神経ブロック

内臓神経ブロック 腹腔神経叢ブロック

腹腔神経叢ブロック

内臓痛に対する神経ブロック

上腹部内臓悪性腫瘍(胃がん、すい臓がんなど)に

よる上腹部痛 背部痛に適応

2010 2010

よる上腹部痛,背部痛に適応

感覚や運動機能を低下させることなく除痛

腸蠕動運動を亢進させて消化器症状の改善

WHO式がん疼痛治療指針においても推奨

腹腔神経叢、内臓神経の解剖

腹腔神経叢、内臓神経の解剖

胃、胆嚢、膵臓、肝臓、

小腸、上行結腸横行結腸

脾臟

2010 2010

交感神経性求心性繊維

腹腔神経叢

内臓神経

(17)

腹腔神経叢、内臓神経ブロックの実際

腹腔神経叢、内臓神経ブロックの実際

内臓神経ブロック

動脈 肺 腎蔵 肝臓

神経破壊薬

無水エタノールを注入

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

腹腔神経叢ブロック

動脈,肺,腎蔵,肝臓

損傷の回避

内臓神経ブロック

内臓神経ブロック

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

腰痛症の原因と治療

腰痛症の原因と治療

腰痛症の原因

椎間関節症(ぎっくり腰)

骨粗鬆症による圧迫骨折

脊椎腫瘍

分離症・すべり症

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

腰椎椎間板ヘルニア

脊椎炎

従来の治療

安静、薬物療法

神経ブロック治療

硬膜外ブロック

神経根ブロックetc

装具療法

手術療法

高周波熱凝固療法

高周波熱凝固法

高周波熱凝固法

神経を熱により凝固→痛みが伝わらない

針の先2×4mmのみに希望する温度の熱を加えることが

出来る→安全

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

脊髄後枝内側枝ブロック(高周波熱凝固法)

脊髄後枝内側枝ブロック(高周波熱凝固法)

後枝外側枝

適応:動作時痛

適応:動作時痛

(後屈時痛、寝返り時疼痛

(後屈時痛、寝返り時疼痛etc

etc)

後枝内側枝

交感神経

脊髄神経節

椎体

脊髄

経皮的椎体形成術

経皮的椎体形成術

骨セメントを経皮的アプローチにより椎体に注入

椎体を破壊する病変に適応

主要な適応疾患

脊椎腫瘍(原発性、転移性)

椎体圧迫骨折

椎体血管腫

(18)

経皮的椎体形成術

経皮的椎体形成術

脊椎腫瘍に対する適応と効果

脊椎腫瘍に対する適応と効果

椎体の悪性腫瘍

転移性腫瘍

リンパ種

骨髄腫など

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

骨髄腫など

椎骨の破壊による強い背部痛

椎体の物理的補強および塞栓術効果による、腫瘍の成

長抑制と除痛

経皮的椎体形成術

経皮的椎体形成術

椎弓根を貫通して椎体を穿刺

するためにCTにて穿刺位置や

角度を測定

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

経皮的椎体形成術

経皮的椎体形成術

セメントを注入

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

注入されたセメント

注入されたセメント

くも

くも膜下フェノールブロック

膜下フェノールブロック

z

神経破壊薬の

高比重フェノールグリセリン

をくも膜下腔に注入する。

z

脊髄神経後根を破壊をし、強力かつ半永久的な鎮痛を生じる。

z

ブロック後に感覚消失による異常知覚が強まる例もあり、神経破壊

薬を用いる前に、試験的に局所麻酔薬でブロックして効果を確認

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

薬を用いる前に、試験的に局所麻酔薬でブロックして効果を確認

することが望ましい。

z

注入直後から効果が出現するので、

患者の自覚症状を確認しながら、

追加注入を行う。

くも

くも膜下フェノールブロック

膜下フェノールブロック

手技、部位によっては、運動機能の麻痺を生じるため、適

応が限られる。 → Th 4~10

直腸がん、膀胱がん、前立腺がん、子宮がんなどの肛門

部、会陰部、骨盤周辺のがん性疼痛に、くも膜下サドルブ

が行われる

2010 2010

ロック saddle blockが行われる。

→人工肛門

尿道カテーテル挿入後

回腸導管手術後

本邦におけるがん性疼痛治療薬の変遷

本邦におけるがん性疼痛治療薬の変遷

1989年

モルヒネ徐放性経口製剤

2002年

フェンタニル経皮吸収型貼付剤(3日1回貼り替え)

2003年

モルヒネ内服液

オキシコドン徐放性経口剤

2007年

オキシコドン速放性経口製剤

経皮吸収型貼付剤発売( 日 回貼り替え)

2010 2010

2010年

フェンタニル経皮吸収型貼付剤発売(1日1回貼り替え)

プレガバリンの発売

近い将来・・・・

フェンタニルキャンディの発売

トラマドールの発売

メサドンの発売

(19)

フェンタニルキャンディ

フェンタニルキャンディ

•OTFC(クエン酸フェンタニルのキャンディ)

•即効性で作用時間は約2時間

•レスキュー製剤として有用

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

メサドン

メサドン

• 70年前に開発された合成麻薬

• 北米ではでは麻薬の置き換え治療として使用されていた

• 近年、がん性疼痛にも使用されるようになった

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

近年、がん性疼痛にも使用されるようになった

• 活性代謝物が存在せず、

腎機能低下症例に有用

• 低価格

(他のオピオイドに比較して 1/10)

• NMDA受容体拮抗作用

があり

→神経障害性疼痛を有するがん患者の疼痛に最適

メサドン

メサドン

• 半減期が長い(12時間から150時間?)

1日2~3回の投与

• 長い半減期が予測しにくく、体内に蓄積する可能性

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

• 苦味がつよい

Take Home Message!

Take Home Message!

z

進行がん患者の90%が疼痛を経験し、鎮痛

薬を適切に使用することで、がん性疼痛の70

~80%は緩和することができる。

z

疼痛治療はWHOのガイドラインにもとづいて

Take Home Message!

Take Home Message!

あさひかわ緩和ケア講座 あさひかわ緩和ケア講座20102010

z

疼痛治療はWHOのガイドラインにもとづいて

行い、鎮痛薬の定期投与の開始と同時にレス

キューの指示、副作用予防を行う。

z

鎮痛薬の効果が十分でないとき、オピオイド

ローテーションや鎮痛補助薬を使用し、適応

があれば神経ブロックを行う。

参考文献

参考文献

堀 夏樹ほか:一般病棟でできる緩和ケア Q&A 総合医学社 2006

沢村敏郎:緩和医療レッスン 羊土社 2008

加賀谷 肇:がん疼痛緩和ケアQ&A じほう社 2007

下山直人:患者の疑問に答えるオピオイドの要点 2005

有賀悦子:さらに上級なスキルをめざすがん疼痛緩和 日本放射線技師会

出版社 2007

的場元弘:がん疼痛治療のレシピ 春秋社 2007

槇田浩史:がん疼痛緩和ハンドブック 中外医学社 2007

Dworkin R H et al :Pharmacologic management of neuropathic pain:

Dworkin R.H.et al.:Pharmacologic management of neuropathic pain:

Evidence-based recommendations Pain 132 (2007) 237–251

木澤義之ほか訳:EPEC-O Participant’s Handbook. 日本緩和医療学会教

育研修委員会. 2006.

木澤義之ほか:PEACE 日本緩和医療学会教育研修委員会. 2008.

高崎 真弓ほか:ペインクリニックに必要な局所解剖 麻酔科診療プラクティス

(12)2003

川股知之ほか:すぐに役立つがん患者症状コントロールに用いる薬の使い

方と注意点 2008

恒藤暁ほか:緩和ケアエッセンシャルドラッグ 医学書院 2008

Cory Toth, BSc, MD, FRCPC:Substitution of Gabapentin Therapy with

Pregabalin Therapy in Neuropathic Pain due to Peripheral Neuropathy

Pain Medicine 2010; 11: 456–465

参照

関連したドキュメント

1.管理区域内 ※1 外部放射線に係る線量当量率 ※2 毎日1回 外部放射線に係る線量当量率 ※3 1週間に1回 外部放射線に係る線量当量

第1段階料金適用電力量=90キロワット時 × 日割計算対象日数 検針期間の日数

格納容器内温度 毎時 6時間 65℃以下. 原⼦炉への注⽔量 毎時

柏崎刈羽原子力発電所6号炉及び7号炉

山元 孝広(2012):福島-栃木地域における過去約30万年間のテフラの再記載と定量化 山元 孝広 (2013):栃木-茨城地域における過去約30

山元 孝広(2012):福島-栃木地域における過去約30万年間のテフラの再記載と定量化 山元 孝広 (2013):栃木-茨城地域における過去約30

料名  購入量  購入額  購入単価 ..

2号区域 6:00~22:00 1日における延長作業時間 1号区域 10時間以内. 2号区域 14時間以内