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質感を表現するオノマトペからみた自然感と高級感の関係

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Academic year: 2021

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DOI: http://doi.org/10.14947/psychono.36.7

J-STAGE First published online: October 18, 2017

質感を表現するオノマトペからみた自然感と高級感の関係

1

權   眞 煥

a

・吉 野 淳 也

a

・高 佐 原   舞

a

中 内 茂 樹

b

・坂 本 真 樹

a,

*

a 電気通信大学情報理工学研究科情報学専攻

b 豊橋技術科学大学情報・知能工学系

Relation between naturalness and luxuriousness

through onomatopoeia expressing texture

Jinhwan Kwon

a

, Junya Yoshino

a

, Mai Kosahara

a

,

Shigeki Nakauchi

b

and Maki Sakamoto

a,

*

a Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications b Department of Computer Science and Engineering, Toyohashi University of Technology

Many people prefer products made with natural rather than artificial materials, and favor luxury products with high social value. In this study, we examined whether similarities and differences between “naturalness” and “luxu-riousness” manifested in the onomatopoeic expressions used in texture evaluation. We used pearls and gold leaf, which have different market values depending on grade. Participants were asked to visually evaluate the “natural-ness” and “luxurious“natural-ness” of these items through a semantic differential technique and onomatopoeic expressions. We found that it was difficult for non-experts to distinguish which item actually had the highest value, but there was a positive correlation between “naturalness” and “luxuriousness” perceptions. Regarding the onomatopoeia results, when a material was perceived as artificial, participants described its texture with visual onomatopoeia. However, when the material was perceived as natural, tactile as well as visual onomatopoeias were used to describe texture. Based on these results, we suggest that knowledge based on of tactile experience may have influenced the visual per-ception of “naturalness” and “luxuriousness.”

Keywords: sound symbolic words, onomatopoeia, texture, naturalness, luxuriousness 世の中に存在しているモノは,その特有の質感を持 つ。質感認知は,モノに属している様々な物理量(表面 形状,形,色など)が人の知覚センサーに検知され,脳 で処理される一連の流れから成り立つ。しかし,質感は その情報量が膨大であるため,光沢感,透明感,乾湿 感,粗滑感などに細かく分類され,主に触覚と視覚,聴 覚の分野で研究が行われてきた(Bensmaia, 2009; Jones &

Lederman, 1991; Lederman & Klatzky, 2009; Lederman, Thorne, & Jones, 1986; Motoyoshi, Nishida, Sharan, & Adelson, 2007; Tamura, Mori, & Yamawaki, 1978; Tiest, 2010; Whitaker, Simões-Franklin, & Newell, 2008)。海外では材料特性とテ クスチャを中心に研究が盛んに行われ,脳機能において は比較的低次情報処理として扱われてきた。一方,小松 (2012) は,質感を「物体の素材や表面の状態の違いから 受ける感じ」と定義し,質感認知を「視覚や聴覚や触覚 の刺激から物体の素材や表面の状態を推定する機能」と 位置づけている。この質感認知は価値判断から中立した 情報処理機能であるとしている。さらに,小松(2012) は,質感認知により表面特性や物性の情報から嗜好や情 動が生まれ,価値判断や行動の選択を行っている情報処 理機能を「感性的質感認知」として定義している。 Copyright 2017. The Japanese Psychonomic Society. All rights reserved. * Corresponding author. Graduate School of Informatics and

Engineering, The University of Electro-Communications, W6–511, 1–5–1 Chofugaoka, Chofu, Tokyo 182–8585, Japan. E-mail: maki.sakamoto@uec.ac.jp

1 本論文の修正にあたり貴重なご助言ご意見をいただ

いた査読者の皆様に感謝申し上げます.本研究は MEXT科研費JP23125510およびJP25135713, JSPS科研 費JP15H05922の助成を受けたものです.

(2)

「感性的質感認知」に関連する要因の一つとして,近 年,「自然感」が着目されている。様々な材質において, 多くの人は人工物よりも天然物を好む傾向がある (Kaplan & Herbert, 1987; Overvliet & Soto-Faraco, 2011; Overvliet, Karana, & Soto-Faraco, 2016; Rozin, 2005; Rozin et al., 2004)。 天然物を用いた製品は人工物で作られた製品より品質と いう観点で良いものと感じる。また,人は,経験則的に 食物と薬などにおいても自然なものが良いと考えており, 何を食べるべきか,どんな物を使うべきか,買うべきか といった判断にも,天然物という要因が強く影響してい るのではないかとされる (Rozin et al., 2004)。さらに,特 定の物質の自然感の認識は,その天然物が元の状態から どのような過程を経て変化していったのかという知識に 依存していることが知られている(Rozin et al., 2004)。 自然感の知覚は,単一感覚および複数の感覚様式に よって特徴づけられると報告されている(Soto-Faraco & Deco, 2009; Tiest & Kappers, 2007; Whitaker et al., 2008)。自 然感を知覚するうえで,触覚の情報としては温度感覚と硬 柔感が,視覚においては色や光沢感が重要であるとされ ている (Ho & Jones, 2006)。Overvliet & Soto-Faraco (2011) は,感覚入力(視覚と触覚)が木材の自然感の知覚にど のように寄与しているかを検証している。実験参加者は, ベニヤなどの木材とビニールなどで作られた模造品のサ ンプルに対して自然感を評定している。その結果,自然 木材と人工木材における分類の精度は視覚が78%,触覚 が72%,視触覚 (視覚+触覚)が80%であったとしてい る。さらに,自然感知覚における単一感覚の影響度を調 べた結果,視覚または触覚は視触覚の自然感知覚と高い 相関性を示したものの,単一感覚同士(視覚と触覚)に は比較的低い相関性がみられたとしている。この結果か ら,視覚と触覚から自然感を知覚することは可能である が,単一感覚ごとの自然感の捉え方は異なる可能性を指 摘している。一方,Overvliet et al. (2016)は,視覚にお いて自然素材(ウールと綿)と合成繊維(アクリルとポ リプロピレン) から作られた布の自然感知覚を調査した。 その結果,ポリプロピレン素材は殆ど自然感が知覚され なかったものの,ウールと綿,アクリルは自然素材とし て認識する回答率が高かった。これは視覚だけでは合成 繊維も自然素材として知覚されることを示唆している。 特に,ウールと綿の自然素材にアクリルの合成繊維を混 合した場合,もっとも自然感が感じられると報告してい る。これらの報告から人が自然感を知覚する単一感覚の 情報処理機能が解明されつつあると考えられる。 これらの研究を含む多くの従来研究では,質感を定量 化するための評定方法としてSD法(Semantic Differential

technique)を用いている(Okamoto, Nagano, & Yamada, 2013)。SD 法とは「粗い–なめらか」,「柔らかい–硬い」 など相反的意味を表す形容詞対に対して質感の印象を所 定の段階(7段階など)で評定する方法である(Osgood, Suci, & Tannenbaum, 1957)。一方,近年質感認知特性を解 明するために,擬音語・擬態語の総称であるオノマトペ を用いた研究が行われている。北村・磯田・梁瀬 (1998) は,質感評価のための尺度の適切性を調査した結果,日 本語では形容詞よりも「zara-zara」「tsuru-tsuru」などの オノマトペ表現の方が多く用いられると報告している。 また,坂本・渡邊(2013)は,触素材を用いて手触りの 質感を表すオノマトペと形容詞の多様性を比べた。実験 参加者30名に対して40素材の刺激から表現された形容 詞は 15.6語で124種類であったものの,オノマトペは 21.7語で279種類であり,オノマトペの種類が有意に多 様であったと報告している。この結果は,形容詞は単一 の質感を表現することに適しているが,オノマトペの特 徴である音の組み合わせにより微細かつ統合的な質感表 現が可能となることを示唆している。 さらに,オノマトペを語彙の単位で形容詞と同様に扱 うのではなく,オノマトペを構成する音韻と感性的質感 評価の関係に着目した研究も行われている。オノマトペ を構成する音韻と形態的特徴には,何らかの意味や知覚 が結びつくという「音象徴性」と呼ばれる現象が指摘さ れている (Parise & Spence, 2012; Ramachandran & Hubbard, 2001, 2003; Spence, 2011; Sucevic, Jankovic, & Kovic, 2013)。 音象徴性とは外から知覚されるある情報量が脳の中の音 の要素(音韻)と強く結びつく現象を表す。つまり,人 は様々な知覚量をある音韻に収束させ,学習を行い,知 覚や感性表現として活用していることを示す。音象徴に 関する研究は,心理学において古くから行われている。 言語のもつ音韻と図形の視覚的な印象の間の連想につい てのブーバ・キキ効果 (Bouba/Kiki Effect) (Ramachandran & Hubbard, 2001, 2003) が有名である。日本語のオノマト ペについては,特定の音や音の組み合わせが語中の箇所 によって特有の音象徴的意味を持つとされ,音象徴が体 系的であるとされる (Hamano, 1998)。 オノマトペの音象徴性に着目した触覚の材質感表現に ついては, 早川・松井・渡邊 (2011) が,「粗滑」,「硬軟」, 「乾湿」といった触質感の代表的なカテゴリ分類におい て,使用されるオノマトペの音韻が異なることを報告し ている。たとえば,粗い手触りを表すオノマトペでは, 第1モーラ (第一音節)の子音に/z/が多く使用され(zara-zaraなど),滑らかな手触りを表すオノマトペの多くは 第1モーラの子音に/s/が使用されている (sara-saraなど)。

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各触質感を表すオノマトペ,それぞれに特徴的な第1モー ラの子音があるとされる。 また,オノマトペの音韻と快不快といった情緒・感性 的評価との関係性も指摘されている。渡邊・加納・清 水・坂本(2011)は,触覚に異常がなく,触覚の特殊技 能を持たない20代男女各15名を対象に,様々な触素材 を触れたときの感覚をオノマトペで表現してもらうとと もに,快不快を評価してもらう実験を行っている。実験 素材として,再現性があり,指先との接触で磨耗しない, 布,紙,金属,樹脂など 50素材選定している。実験参 加者に,8 cm×10 cmの穴のあいた箱に手を入れ(素材 は見えない), 素材の表面を軽くなぞるように触れても らい,50素材の触感をオノマトペで表してもらい, 快・ 不快の感性評価(+3から−3の7段階)を行ってもらっ た。実験により,1500通り(50素材×30人)のオノマ トペと快・不快評価値の組み合わせが得られた。回答さ れたオノマトペの数は,触素材1つに平均1.24個(分散 0.69)で,触素材の種類ごとに有意差はなかった。回答 されたオノマトペの形式は,2モーラ音が繰り返される 形式(たとえば「sara-sara」など)が1268通りで全体の 84.5%を占めた。得られた快・不快評価値は,平均 0.38 であり,やや快が多く回答されたものの,快・不快どち らかに大きく偏るものではなかった。触素材ごとの評価 値は,有意差が生じ,素材ごとに快・不快の評価値に差 があることが確認されたとしている。また,快・不快の 評価とオノマトペの音韻の関係について,前述の2モー ラ繰り返し型オノマトペ1268語を対象に分析を行った。 特に,感覚イメージと関連が強いとされる第1モーラ母 音と第1モーラ子音について,その音素を使用して表さ れた素材の評価値が,1268語の評価値の平均(0.38)と 有意差があるか分析したところ,母音では,/u/と/a/が快 (評価値が正)と有意に結びつき,/i/と/e/は使用数が少な いが,有意に不快と結びついたとしている。子音では, /h/, /s/, /m/, /t/が有意に快と結びつき,/z/, /sy/, /j/, /g/, /b/ は有意に不快と結びついたとしている。これらのこと は,人の質感・快不快の評価は,オノマトペを構成する 音と結びついているということを示唆している。 一方,オノマトペを用いて模造金属と実金属の違いに アプローチしている研究がある。近年,電気製品や自動 車のインテリアなどの加飾パネルに樹脂から成る模造金 属が用いられることが増えている。模造金属は実金属と 比べて軽量かつ低コストというメリットがあるが,実金 属と比べ,高級感がやや劣るように見えたり感じられた りする場合がある。製品開発において,模造金属には実 金属のように見えるように検討された金属調のテクスチャ が施されているが,模造金属の表面に実金属のようなテ クスチャを施しても,模造金属は実金属と比べて高級感 が感じられないという課題がある。そこで,Sakamoto,

Yoshino, Doizaki, & Haginoya (2015)では,どのようなテ クスチャを施せば,より実金属のように見えるかのデザ イン手法を探る研究を行っている。実験参加者に実金属 と模造金属から想起されるオノマトペの回答を求める実 験を実施している。実験参加者50名が,色温度5500 K の照明を設置した観測箱に置かれた実金属と模造金属の 2素材を1組とした全部で15組,計30素材の評価を行っ ている。実験参加者は,実金属および模造金属を観察 し,感じたままを,口頭によりオノマトペで回答した。 その結果,実金属と模造金属の感じられ方の違いがオノ マトペに反映されることが示されている。具体的には, 実金属の方は模造金属より多くのオノマトペで表現され ることが報告されている。また,実験参加者の属性に注 目した分析では,専門家は視覚オノマトペを使う傾向が あるが,非専門家は触覚オノマトペを使う傾向があると している。これは質感に対してオノマトペを表現する際 には視覚か触覚という感覚優位性により表現されること を表している。 本研究では自然感と高級感の感じ方の違いや共通性が, 質感評価で用いられるオノマトペに現れるかどうかを分 析する。従来,「自然感」と「高級感」に着目してオノ マトペで質感評価を行っている研究はないが,実金属に 比べて高級感が感じられない模造金属と実金属の違いが オノマトペに反映されるという報告がある(Sakamoto et al., 2015)。そこで本研究では,視覚を通して感じられる 自然感と高級感についてオノマトペで分析を行う。ま た,実金属と模造金属から想起されるオノマトペの特徴 において,専門家は視覚オノマトペを使う傾向がある が,非専門家は触覚オノマトペを使う傾向があるとの報 告がある(Sakamoto et al., 2015)ことから,本研究では 質感評価で用いられるオノマトペが視覚優位のオノマト ペか触覚優位のオノマトペかという,感覚優位性に着目 して分析を行う。 方 法 実験参加者 素材に対して専門性を持たない40名(男性22名,女 性18名,平均年齢21.8歳,標準偏差=1.51)を実験参加 者とした。 実験刺激 実験刺激は,市場価値に段階性があり,安価な模造物

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が流通しているものという基準により選定を行い,真珠 と金箔を用いることとした。実験刺激である真珠と金に

は,ABCによる評価ランクや24金,18金のように明確

な市場価値基準があり,このような価値基準は真珠を対 象とした質感評価を行っている先行研究でも採用されて いる(Tani, Nagai, Koida, Kitazaki, & Nakauchi, 2014; 柳瀬・ 谿・永井・鯉田・中内・北崎,2012)。本研究では,そ れぞれの素材において,3段階の価値があるものを用意 した。詳細は以下の通りである。 真珠は,トレーダーによるABC評価という基準をも とに選定した。真珠の評価では,主に「巻き」,「色目」, 「照り」の3つの尺度がある。「巻き」とは,真珠層の巻 き厚のことであり,厚巻,中巻,薄巻の三段階があり, 巻きが厚い方が深い光沢があると言われている。また, 「色目」は,真珠の色のことで,「照り」は,真珠の輝き を表しており良,並,劣の三段階がある。これらの評価 を基準にすると,Aランクが厚巻で良,Bランクが中巻 で並,Cランクが薄巻で劣となる。本実験では,「色目」 が白のAランクとCランクに加え,安価な模造真珠の3段 階の真珠を実験刺激として用いた(Figure 1)。販売価格 帯としては,Aランク真珠が一包装6,000円,Cランク真 珠が一包装1,500円,人工真珠が一粒70円である。 金箔は,金の含有率を基準に選定した。上位の刺激を 金含有率97.66%の1号色金箔と言われるものとし,中位 の刺激として一般的に流通している金含有率94.43%の 4号色金箔とし,下位の刺激としてアルミ箔に着色料を 塗った金色の折り紙を用意した(Figure 2)。販売価格帯 は,1号色金箔が10センチ角1枚260円,4号色金箔が10 センチ角 1枚230円,金色折り紙が15センチ角1枚5円 である。 評価項目 選定した実験刺激を用いて,オノマトペリスト作成の ための予備実験を行った。実験参加者40名に対して実験 刺激を見てもらい,その質感をオノマトペで自由に回答 してもらう実験を行った。この予備実験で回答されたオ ノマトペを基に,本実験で使用する選択肢としてTable 1 のようなオノマトペリストを作成した。また,Table 1の オノマトペリストの感覚優位性を調べるため,視覚オノ

Figure 1. Experimental stimuli (Pearl).

Figure 2. Experimental stimuli (Gold leaf).

Table 1.  List of onomatopoeia

(The alphabetical notation Q shows the assimilated sound with small “tsu” in Japanese)

Onomatopoeia

Vision dominance Touch dominance Others

kira-kira sara-sara tsuru-tsuru

teka-teka siQtori boko-boko

tsuya-tsuya zara-zara toro-toro

pikaQ nuru-nuru zawa-zawa

pika-pika sube-sube

Figure 3. Semantic differential (SD) technique with 7-point scale (very natural (or luxurious): +3, natural (or luxurious): +2, somewhat natural (or luxurious): +1, neither: 0, very artificial (or cheap): −3, artificial (or cheap): −2, somewhat artificial (or cheap): −1).

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マトペと触覚オノマトペに分類する実験を行った。実験 参加者7名(男性4名,女性3名,平均年齢24.4歳,標準 偏差=2.7)が参加し,Table 1のオノマトペリストを,視 覚優位のオノマトペと触覚優位のオノマトペに分類して もらった。回答された感覚優位性の結果のうち,7名全 員が視覚あるいは触覚優位と答えたオノマトペを選別 し,分類を行った。その結果,視覚優位のオノマトペは 「kira-kira (きらきら)」,「tsuya-tsuya (つやつや)」,「pika-pika (ぴかぴか)」,「teka-teka (てかてか)」,「pikaQ (ぴかっ)」 となり,触覚優位のオノマトペは「sara-sara (さらさら)」, 「siQtori (しっとり)」,「nuru-nuru

(ぬるぬる)」,「zara-zara (ざらざら)」,「sube-sube (すべすべ)」となった(本 研究では促音「っ」をアルファベット表記「Q」で表す)。 本実験では,オノマトペ回答後,アンケート(Figure 3) を用いて各実験刺激を「高級感」,「自然感」のSD評価 で回答してもらった。Figure 3はSD評価の回答用紙であ る。表内の数値は,「自然な感じがする」,「高級な感じ がする」が+3,「どちらでもない」が0,「人工的な感じ がする」,「安っぽい感じがする」が−3である。 実験環境 実験は,照明温度が5500 Kの環境下で行った。オノマ トペの観察と回答時は,実験台と腹部の距離を15センチ とし,目の高さの位置は,実験台の上部から20センチの 位置になるようにした(Figure 4)。 手続き 本実験は「オノマトペ回答実験」と「自然感と高級感 のSD評価実験」で構成されている。真珠3種類,金箔3 種類をそれぞれ1組として,計2組をランダム順で呈示 した。また,各組の3刺激についても呈示する際はラン ダムな配置とした。実験参加者には真珠3種類あるいは 金箔3種類で構成されている1組を呈示し,3つの刺激を 見比べて評価してもらった。実験順序としては「オノマ トペ回答実験」と「自然感と高級感のSD評価実験」の 順で行った。まず,「オノマトペ回答実験」では実験参 加者に紙のオノマトペリスト(Table 1)を与え,刺激か ら感じた質感の印象をリストから選択し,口頭で回答す るよう指示した。実験刺激の観察時間を30秒,回答時間 を1分間と制限した。次に,「自然感と高級感のSD評価 実験」においてはSD法回答シートを与え,刺激から知 覚される自然感と高級感を7段階のうち評価してもらっ た。「オノマトペ回答実験」と同じく観察時間を30秒, 回答時間を1分間と制限してSD法回答シートにチェッ クしてもらった。実験においては視覚のみで行い,実験 参加者は一切実験刺激に触れていない。 結 果 本研究では,各刺激から知覚される自然感と高級感の 印象をSD評定法による評価値として求めた。また,各 素材から得られた印象評価値を用いて,自然感と高級感 の相関関係を調べた。オノマトペについては,感覚優位 性により分類されたオノマトペの回答頻度を算出し,そ の頻度データを利用し,統計的有意差を検証した。まず, 自然感と高級感に関する SD評価の実験結果について, 素材ごとに全実験参加者の印象評価値の平均を算出した (Figure 5)。Figure 5に示す通り,自然感の評価ではAラ ンク真珠 (mean=−0.725, SD=1.565)と折り紙(mean= −2.150, SD=1.388)が人工的である傾向が表れたものの, Cランク真珠 (mean=0.475, SD=1.761) と人工真珠 (mean= 0.450, SD=1.774), 1 号 色 金 箔(mean=0.350, SD=1.441), 4号色金箔 (mean=0.175, SD=1.358)においては自然感 が感じられる結果となった。一方高級感の評価では折り 紙 (mean=-1.800, SD=1.735) が安っぽいとの傾向が表れ たものの,Aランク真珠 (mean=0.300, SD=1.735) とCラ ンク真珠(mean=0.725, SD=1.717),人工真珠(mean= 0.625, SD=1.560),1号色金箔(mean=1.800, SD=1.030), 4号色金箔(mean=1.625, SD=1.155)においては高級感 が感じられる結果となった。 次に,「自然感」と「高級感」の間に相関があるかを確

Figure 5. Mean values of results obtained from SD technique with 7-point scale in the “naturalness” and “luxuriousness” evaluations. (A) represents the results of pearl stimuli and (B) indicates the results of gold leaf’s stimuli.

(6)

かめるために相関分析を行った。その結果をFigure 6に 示す。まず,Figure 6のAの図は刺激の種類にかかわら ず,すべての評価値を用いて「自然感」と「高級感」の 相関係数を求めた結果,統計的に有意な正の相関がみら れた (r=0.633, p<.001)。またFigure 6にある通り,「自 然感」と「高級感」の間において4号色金箔の相関係数 は低かったものの (r=0.106, p=.517), Aランク真珠 (r= 0.614, p<.001), Cランク真珠 (r=0.581, p<.001),人工真 珠 (r=0.558, p<.001), 1号色金箔 (r=0.435, p<.001),折り 紙 (r=0.646, p<.001) においては有意な正の相関がみら れた。すなわち,実験参加者が主観において素材を自然 だと感じるとき,それに高級感も感じる傾向にあること がわかった。 各刺激に対する全実験参加者のオノマトペの回答は Table 2に示す。ここで回答されたオノマトペについては, 感覚優位性の特徴とそれに基づくオノマトペ出現頻度に 着目して分析を行った。Table 3は刺激における視覚優位 のオノマトペと触覚優位のオノマトペの出現頻度とその 合計を示す。その結果,自然感の評価が低かったAラン ク真珠と折り紙には視覚優位のオノマトペが多く表れた ものの,自然感の評価が高かったCランク真珠,人工真 珠,1号色金箔,4号色金箔には触覚優位のオノマトペが 多く含まれていることがわかった。また,感覚優位性に より集計されたオノマトペの頻度の差を検証するために, カイ二乗検定による多重比較(Benjamini & Hochberg法)

を行った。その結果をTable 4に示す。検定結果による と自然感の評価が低かったAランク真珠は折り紙と感覚 優位性を持つオノマトペ出現頻度に差がなかったものの (p=0.614),Cランク真珠 (p<0.001),人工真珠 (p<0.001), 1号色金箔 (p<0.001), 4号色金箔 (p<0.001)とはオノマ トペの出現頻度に差が表れた。一方,自然感の評価が高 かったCランク真珠は人工真珠,1号色金箔,4号色金 箔と感覚優位性を持つオノマトペ出現頻度に差がなかっ たものの (p=0.200, p=0.796, p=0.781),折り紙とはオノ マトペの出現頻度に差が表れた (p<0.001)。人工真珠に おいては1号色金箔,4号色金箔とオノマトペ出現頻度 に差がなかったものの (p=0.319, p=0.0745),折り紙と はオノマトペの出現頻度に差が表れた (p<0.001)。1号 色金箔においては4号色金箔とオノマトペ出現頻度に差 がなかったものの (p=0.614), Aランク真珠,折り紙と はオノマトペの出現頻度に差が表れた (p<0.001)。4号 色金箔はAランク真珠,折り紙とオノマトペの出現頻度 に差が表れた (p<0.001)。この結果は,自然感の評価が 低かったAランク真珠と折り紙の間に感覚優位性を持つ オノマトペ出現頻度の差がなく,ほかの素材とは頻度の 差が表れたことがわかる。一方,自然感の評価が高かっ たCランク真珠,人工真珠,1号色金箔,4号色金箔同士 には感覚優位性を持つオノマトペ頻度の差がなく,Aラ ンク真珠と折り紙とは頻度の差が表れたことを示す。 Figure 6. Scatter plots and linear regression line of the correlation between naturalness and luxuriousness evaluations in each

stimulus. “r” represents the correlation coefficient. (A) shows the result of total SD evaluation data obtained from all stim-uli. (B)–(G) represents the result of each stimulus.

(7)

考 察 本研究では,自然感と高級感の感じ方の違いや共通性 が質感評価で用いられるオノマトペに現れるかどうかを 分析した。Figure 5(B)より,実験参加者は金箔につい てはランクの高いものほど自然で高級だと感じたことが わかった。しかし,真珠についてはAランクではなくC ランクの真珠を最も自然で高級だと評価した。さらに, 人工真珠の方がAランクの真珠よりも自然で高級だと評 価した(Figure 5(A))。今回行った実験の参加者は非専 門家であるため,この実験結果から,非専門家は素材が 実際に高級かどうかを必ずしも判断できないことがわか る。 Figure 6にある通り,「自然感」と「高級感」の間にお Table 2.

Results of onomatopoeia response.

Participant No. Pearl Gold leaf

Arank Crank Artifact No. 1 color No. 4 color Folding paper

1 tusya-tsuya tsuru-tsuru sube-sube zara-zara sara-sara pika-pika

2 pika-pika siQtori tsuya-tsuya teka-teka tsuya-tsuya pikaQ

3 pikaQ tsuru-tsuru siQtori pika-pika sara-sara pikaQ

4 tusya-tsuya sara-sara toro-toro kira-kira zawa-zawa pikaQ

5 pika-pika tsuya-tsuya siQtori zara-zara pika-pika kira-kira

6 tusya-tsuya siQtori toro-toro kira-kira zara-zara tsuya-tsuya

7 pikaQ sara-sara zawa-zawa zara-zara teka-teka pika-pika

8 teka-teka tsuru-tsuru siQtori siQtori zara-zara pika-pika

9 pika-pika kira-kira tsuya-tsuya sara-sara sube-sube pika-pika

10 teka-teka tsuru-tsuru siQtori tsuya-tsuya siQtori teka-teka

11 kira-kira sube-sube pikaQ sara-sara zara-zara pika-pika

12 pika-pika tsuru-tsuru kira-kira sara-sara tsuya-tsuya teka-teka

13 kira-kira sara-sara nuru-nuru sara-sara zawa-zawa pika-pika

14 teka-teka pika-pika sara-sara sara-sara zara-zara teka-teka

15 kira-kira sara-sara siQtori pika-pika zara-zara kira-kira

16 tsuru-tsuru sara-sara zara-zara zara-zara sara-sara tsuru-tsuru

17 sube-sube zara-zara pikaQ sara-sara zara-zara pika-pika

18 teka-teka tsuya-tsuya siQtori sara-sara kira-kira teka-teka

19 sube-sube tsuru-tsuru tsuya-tsuya sara-sara zara-zara tsuru-tsuru

20 tsuya-tsuya sara-sara tsuru-tsuru sube-sube sara-sara tsuru-tsuru

21 pika-pika sube-sube zara-zara zara-zara boko-boko kira-kira

22 teka-teka tsuru-tsuru tsuya-tsuya sara-sara tsuya-tsuya pika-pika

23 tsuru-tsuru pika-pika teka-teka sara-sara zara-zara tsuru-tsuru

24 tsuru-tsuru sara-sara tsuya-tsuya zara-zara sara-sara tsuru-tsuru

25 pika-pika siQtori tsuru-tsuru pikaQ tsuru-tsuru kira-kira

26 kira-kira sube-sube nuru-nuru zara-zara siQtori pika-pika

27 tsuru-tsuru sara-sara sube-sube zawa-zawa zara-zara tsuya-tsuya

28 kira-kira teka-teka tsuya-tsuya teka-teka tsuya-tsuya pikaQ

29 tsuya-tsuya teka-teka toro-toro nuru-nuru zawa-zawa siQtori

30 pika-pika sara-sara tsuya-tsuya boko-boko zara-zara kira-kira

31 sara-sara tsuru-tsuru siQtori sara-sara zara-zara tsuru-tsuru

32 teka-teka sara-sara siQtori tsuya-tsuya zara-zara kira-kira

33 pikaQ sara-sara tsuya-tsuya sube-sube sara-sara pika-pika

34 pika-pika tsuya-tsuya siQtori zara-zara zawa-zawa pika-pika

35 tsuru-tsuru pika-pika pikaQ teka-teka pika-pika pikaQ

36 tsuya-tsuya sube-sube pika-pika zawa-zawa zara-zara teka-teka

37 pikaQ sara-sara tsuru-tsuru zawa-zawa zara-zara tsuru-tsuru

38 pika-pika sube-sube siQtori boko-boko zara-zara pika-pika

39 pika-pika sara-sara sube-sube kira-kira zara-zara teka-teka

(8)

いて4号色金箔 (Gold leaf (No. 4 color)) の相関係数は低 かったものの,4号色金箔 (Gold leaf (No. 4 color))以外 の刺激においては統計的に有意な正の相関がみられた。 これらのことから,素材が実際に高級であるかを判断す ることは非専門家にとって困難だが,素材が物理的に高 級であるかどうかにかかわらず,素材を自然だと感じる ときに高級感も感じ,素材を人工的だと感じるときに安っ ぽいと感じることがわかる。先行研究によると人々は人 工物で作られた製品よりも天然物で作られた製品の方が 品質の良いものだと感じると報告されている(Kaplan & Herbert, 1987; Overvliet & Soto-Faraco, 2011; Overvliet et al., 2016; Rozin, 2005; Rozin et al., 2004)。本実験の結果からも, 自然だと感じられるものほど質が良く高級だと感じたの だと思われる。しかし,物理的に自然で高級なものであ るかにかかわらず,人が自然だと感じるときに高級感も 感じるという結果が得られていることから,主観という 側面で自然感と高級感が知覚的に繋がっていると考えら れる。

4号色金箔(Gold leaf (No. 4 color))においては「自然 感」と「高級感」の間に相関関係がみられなかった。そ の理由として,実験参加者が4号色金箔を知覚する際, 視覚的に色が加工されていると知覚した可能性が挙げら れる。4号色金箔は銀4.9%,銅0.7%を含む金合金であり, 色は純金より銀色を含んでいる(柴井・北川,1987)。 先行研究によると自然感を知覚する際には,視覚は色や 光沢感が重要であると知られている(Ho & Jones, 2006)。 また特定の物質の自然感の認識は,その自然物が元の状 態からどのような過程を経て変化していったのかに依存 しているとも報告されている(Rozin et al., 2004)。その ため,4号色金箔 (Gold leaf (No. 4 color)) は純金より視 覚的に色が加工されていると知覚されたことが低い「自

然感」評価となり,「高級感」との弱い相関関係に繋がっ

Table 3.

Total sum and frequency of onomatopoeia with visual and tactile dominance obtained from each stimulation

Pearl Gold leaf

A rank C rank Artifact No. 1 color No. 4 color Folding paper

Vision dominance kira-kira 5 1 2 3 1 6 tsuya-tsuya 6 3 8 2 4 2 pika-pika 11 3 1 2 2 13 teka-teka 6 2 1 3 1 6 pikaQ 4 0 3 1 0 5 sum 32 9 15 11 8 32 Touch dominance sara-sara 1 14 1 12 6 0 siQtori 0 3 10 1 2 1 nuru-nuru 0 0 2 1 0 0 zara-zara 0 1 2 8 17 0 sube-sube 2 5 3 2 1 0 sum 3 23 18 24 26 1 Table 4.

Chi-square test’ multiple comparison (with Benjamini & Hochberg correction) of total frequency of onomatopoeia with vi-sual and tactile dominance obtained from each stimulation

Pearl Gold leaf

A rank C rank Artifact No. 1 color No. 4 color Folding paper

Pearl A rank

C rank <.001***

Artifact <.001*** 0.200

Gold leaf No. 1 color <.001*** 0.796 0.319

No. 4 color <.001*** 0.781 0.0745 0.592

Folding paper 0.641 <.001*** <.001*** <.001*** <.001***

(9)

たと考えられる。 また,刺激における視覚優位のオノマトペと触覚優位 のオノマトペの出現頻度とその合計を算出した。その結 果,自然感の評価が低かったAランク真珠と折り紙には 視覚優位のオノマトペ (「kira-kira」,「tsuya-tsuya」,「pika- pika」,「teka-teka」,「pikaQ」)が多く表れたものの,自然 感の評価が高かったCランク真珠,人工真珠,1号色金 箔,4号色金箔には触覚優位のオノマトペ(「sara-sara」, 「siQtori」,「nuru-nuru」,「zara-zara」,「sube-sube」)が多 く含まれていることがわかった。この結果から素材を人 工的だと感じる際にはその質感を視覚的なオノマトペで 表現するのに対して,自然だと感じる素材については実 際にその素材を触っていなくても触覚的なオノマトペを 用いて質感を表現することがわかる。このことから,素 材を見たときにそれを自然だと感じている場合,人は触 覚的な質感までも潜在的に想起しているのだと考えられ る。 そのメカニズムとしては触覚の経験に基づく知識が視 覚に影響を与えた可能性が挙げられる。我々は普段衣類 に使われている布など様々なものから自然素材と人工素 材を学習している。人は主に触覚モダリティを通して材 質特性(硬さや粗さなど)を知覚するが,素材の表面の 触覚特性を視覚情報から推定することができると報告さ れている (Bensmaia, 2009; Jones & Lederman, 2006; Klatzky & Lederman, 1987; Lederman & Klatzky, 2009; Tiest, 2010; Wastiels, Schifferstein, Wouters, & Heylighen, 2013; Whitaker et al., 2008)。特に,日常的な経験を通じてのクロスモーダル

の学習が重要だと報告されている(Ernst, 2007; Flanagan,

Bittener, & Johansson, 2008; Seitz, Kim, van Wassenhove, & Shams, 2007)。さらに近年,fMRIの研究では,触覚あるい は視触覚の経験が材質知覚における神経活動パターンに 影響を与えると言われている (Goda, Tachibana, Okazawa, & Komatsu, 2014; Goda, Yokoi, Tachibana, Minamoto, & Komatsu, 2016)。それゆえ,人は素材を見たときにそれを自然だと 感じている場合,触覚の経験に基づく知識が影響してい ると考えられる。また,本研究では実際真珠や金箔に触 れる機会が少ない非専門家である実験参加者に自然感と 高級感を評定してもらった。先行研究によると視覚にお いて実金属と模造金属の質感の違いがオノマトペに反映 され,実金属の方が模造金属より多くのオノマトペが回 答されるという報告がある(Sakamoto et al., 2015)。さら に,専門家は視覚オノマトペを,非専門家は触覚オノマ トペを多く使用する傾向があることが判明した (Sakamoto et al., 2015)。それゆえ,本研究の結果から人が触れる機 会の少ない素材の自然感を判断するとき,学習された自 然素材から潜在的に想起される触覚経験と結びつきやす い素材が高い自然感につながったと考えられる。 結 論 市場価値に段階性が存在する真珠と金箔について,そ れぞれAランクとCランクの真珠,人工真珠,1号色と 4号色の金箔,金色の折り紙という3段階の素材を実験 刺激として用意し,その質感をオノマトペで表現しても らう実験を実施した。その結果,非専門家にとって素材 が高級であるかを正確に判断するのは困難であったが, 素材が物理的に自然か,高級であるかにかかわらず,主 観において素材を自然だと感じた際には,高級感も感じ ていることが分かった。また,人工的だと感じる素材に 対しては,視覚的なオノマトペでその質感を表現するの に対して,自然だと感じている素材に対しては,視覚的 なオノマトペだけでなく触覚的なオノマトペも用いて質 感を表現することがわかった。本研究の結果より,オノ マトペには人が感じる自然感や高級感が反映され,自然 感には触覚的な経験が潜在的に関係することがわかっ た。この結果から,消費者がどのようなものに価値を感 じるのかを,消費者が質感を直感的に表現するオノマト ペから把握しながら,製品作りに生かすことができると 考えられる。 引用文献

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Figure 3. Semantic differential  (SD)  technique with  7-point scale  (very natural  (or luxurious) : +3, natural
Figure 5. Mean values of results obtained from SD technique with 7-point scale in the  naturalness  and  luxuriousness   evaluations
Figure 6. Scatter plots and linear regression line of the correlation between naturalness and luxuriousness evaluations in each  stimulus

参照

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