2017 年(平成 29 年)5 月実施
(2017 年 5 月 28 日)
ファイナンシャル・プランニング 技能検定
2 級 実技試験
<個人資産相談業務>
解答・解説集
---★ ご注意 ★--- 1. 本冊子は 2 級 FP 技能士試験の解答・解説集です。 1. 問題文は(一社)金融財政事情研究会が公式 HP 上で公開している試験問題より引用して おります。 出典:(一社)金融財政事情研究会 http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/list/fp/test 2. WEB 上での公開時の文字化けを回避するため、丸囲みの数字は(1)~(3)や○×というよ うに表記を変更している場合があります。 3. 解答・解説文は正確を期すよう努力しておりますが、分かりやすさ・読みやすさを重視 していることから、記載を省略したり、平易な用語に読み替えている場合があります。 4. 本冊子に記載されている情報については、利用者の責任に基づいてお取り扱いくださ い。 5. 本冊子に記載されている情報による損害については一切責任を負いません。 解説文に間違いを発見された場合や、ご意見・ご感想などは、下記 URL よりご連絡頂- 2 - 《第1問》 X社に勤務するAさん(45歳)は、妻Bさん(42歳)との2人暮らしである。Aさんは、 平成29年7月末日付でX社を早期退職し、個人事業主として事業を開業する予定である。 Aさんは、X社退職後に個人事業主となった場合における社会保険および老後資金の準備 について詳しく知りたいと考えている。そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナ ーのMさんに相談することにした。 Aさんおよび妻Bさんに関する資料は、以下のとおりである。 〈Aさんおよび妻Bさんに関する資料〉 (1) Aさん(会社員) 生年月日:昭和 47 年4月 17 日 厚生年金保険、全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入中である。 〔公的年金の加入歴(見込み期間を含む)〕 (2) 妻Bさん(専業主婦) 生年月日:昭和 49 年8月 30 日 高校卒業後から 26 歳でX社を退職するまでは厚生年金保険に加入(被保険者期間は 96 月)。 X社退職後は第3号被保険者として国民年金に加入している。 ※妻Bさんは、現在および将来においても、Aさんと同居し、生計維持関係にあるものとす る。 ※Aさんおよび妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に 該当する障害の状態にないものとする。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
Mさんは、Aさんの退職後の国民年金について説明した。Mさんが説明した以下の文章の 空欄(1)~(3)に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~ヌのなかから選 び、その記号を解答用紙に記入しなさい。 ⅰ)「Aさんは、X社を退職後、国民年金に第1号被保険者として加入することになりま す。国民年金の加入の届出は、厚生年金保険の被保険者資格を喪失した日から、原則とし て( 1 )以内に住所地の市区町村の窓口で行います」 ⅱ)「AさんがX社を退職後、60歳になるまで国民年金の保険料を納付した場合、65歳か ら受給することができる老齢基礎年金の額は、780,100円(平成28年度価額)となりま す。老齢基礎年金の支給開始年齢は原則65歳ですが、Aさんが希望すれば、60歳以上65歳 未満の間に老齢基礎年金の繰上げ支給を請求することができます。仮に、Aさんが60歳0 カ月で老齢基礎年金の繰上げ支給を請求した場合の減額率は( 2 )%となります。な お、Aさんが老齢基礎年金の繰上げ支給を請求する場合は、その請求と同時に老齢厚生年 金の繰上げ支給の請求を( 3 )」 〈語句群〉 イ.14日 ロ.20日 ハ.30日 ニ.15 ホ.30 へ.42 ト.60 チ.7(2) リ.しなければなりません ヌ.する必要はありません
- 4 - 《問1》<解答・解説> 国民年金の切替手続き・年金の繰上げに関する問題です。 ⅰ)国民年金に切り替える届出は、厚生年金の被保険者資格の喪失日から、14 日以内に住 所地の市区町村の窓口で行います。 ⅱ)老齢基礎年金を繰上げ受給する場合、1ヶ月につき 0.5%減額され、減額された年金額 で生涯支給されます。 よって、65 歳からの年金を、5 年繰上げて 60 歳から受給した場合の減額率は以下の通り。 繰上げによる減額率=5 年×12 月×0.5%=30% また、老齢厚生年金の繰上げは、老齢基礎年金と同時に請求しなければならないため、老齢 基礎年金の支給開始年齢を繰り上げると、老齢厚生年金も同時に繰上げ受給することにな ります。 以上により正解は、(1)イ.14 日 (2)ホ.30 (3)リ.しなければなりません
Aさんが平成29年7月末日付でX社を退職し、その後個人事業主となった場合に、原則と して65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(平成28年度価額)を計算した 次の空欄(1)、(2)、(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。また、空欄(3)に 入る語句を、解答用紙の「される/されない」のいずれかから選び、適切なものをマルで 囲みなさい。計算にあたっては、《設例》および下記の〈資料〉を利用すること。なお、 問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。 1.報酬比例部分の額(円未満四捨五入) ( 1 )円 2.経過的加算額(円未満四捨五入) ( 2 )円 3.基本年金額(上記「1+2」の額) □□□円 4.加給年金額(解答用紙の「される/されない」のいずれかをマルで囲むこと) Aさんの場合、加給年金額は加算( 3 )。 5.老齢厚生年金の年金額 ( 4 )円 〈資料〉 老齢厚生年金の計算式 ⅰ)報酬比例部分の額=a+b a:平成15年3月以前の期間分 平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
- 6 - 《問2》<解答・解説> 老齢厚生年金の支給額に関する問題です。 老齢厚生年金額は、まず、報酬比例部分の年金額を求めます。 報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成 15 年3月までの被保険者期間の月数+平 均標準報酬額×乗率×平成 15 年4月以後の被保険者期間の月数) 問題にあるように、Aさんの平成 15 年 3 月までの平均標準報酬月額 30 万円・被保険者月 数 144 月で、平成 15 年 4 月以降の平均標準報酬額 50 万円・被保険者月数 172 月です。 =300,000 円×7.125/1000×144 月+500,000 円×5.481/1000×172 月 =307,800 円+471,366 円 =779,166 円 次に経過的加算額は、定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額で、以下の計算式となりま す。 経過的加算額=定額部分-老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額 ※定額部分=1,626 円×被保険者月数 ※老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額 =満額の基礎年金×(20 歳以上 60 歳未満の被保険者月数(注))/(加入可能年数×12) (注) 昭和 36 年 4 月以後の厚生年金 ここで、Aさんの「20 歳以上 60 歳未満の被保険者月数」は、会社員だった 316 月から 18 ~20 歳までの 12 月を差し引いた、304 月です(A さんは 4 月 17 日生まれなので、厚生年 金加入後すぐに 19 歳になり、12 ヶ月後には 20 歳になります)。 さらに、Aさんの加入可能年数は、20 歳以上 60 歳未満の 40 年ですので、40 年×12 月= 480 月 です。 よって、定額部分=1,626 円×316 月=513,816 円 老齢基礎年金の厚生年金加入期間相当額=780,100 円×304/(40 年×12) =494063.33… 従って、経過的加算額=513,816 円-494063.33…円=19752.66… →19,753 円(円未満四捨五入) よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算 =779,166 円+19,753 円 =798,919 円
最後に配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が 20 年以上で、65 歳未満の配偶者 がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されますが、A さんの厚生年金の被保険者 期間は 316 月(26 年 4 ヶ月)のため加給年金の支給対象です。 よって、A さんが受け取る老齢厚生年金額は、779,416 円+390,100 円=1,189,019 円 で す。 以上により正解は、(1)779,166(円) (2)19,753(円) (3)される (4)1,189,019(円)
Mさんは、Aさんに対して、Aさんが平成29年7月末日付でX社を退職し、その後個人事 業主となった場合における老後資金の準備についてアドバイスした。Mさんがアドバイス した次の記述(1)~(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙 に記入しなさい。 (1)「老後の年金収入を増やす方法としては、国民年金基金に加入することも検討事項の1 つです。国民年金基金の毎月の掛金は、加入時の年齢や選択する給付の型などによっても 異なりますが、1年分の掛金を前納すると割引が適用される仕組みがありますので、資金 に余裕がある場合は検討してください」 (2)「 Aさんは、所定の手続により、国民年金の定額保険料のほかに月額200円の付加保険 料を納付した場合、老齢基礎年金の受給時に、『400円×付加保険料納付済月数』の算式で 算出した額を付加年金として受け取ることができます」 (3)「 Aさんが小規模企業共済に加入する場合、小規模企業共済の毎月の掛金は、10,000 円から100,000円の範囲内(500円単位)で選択することができ、その全額が所得控除の対 象となります」
- 10 - 《問3》<解答・解説> 国民年金基金・付加年金・小規模企業共済に関する問題です。 (1)は、○。国民年金基金の掛金は、終身年金か確定年金か等の給付形式の選択と、加入時 の年齢によって決まりますが、1 年分の掛金を前納すると割引されます(4 月から翌年3月 分まで)。 よって、資金に余裕がある場合は前納することも検討に値します。 (2)は、×。付加年金の保険料は月額 400 円で、付加年金の受給額=200 円×付加保険料納 付月数 です。 (3)は、×。小規模企業共済の掛金は、月額 1,000 円から 7 万円の範囲内(500 円単位)で、 全額が小規模企業共済等掛金控除として、所得税・住民税に係る所得控除の対象です。
会社員のAさん(45歳)は、2年前に購入したX投資信託を現在も保有しているが、新た にY投資信託に興味を持つようになった。そこで、Aさんは、金融機関に勤務するファイ ナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。 X投資信託およびY投資信託に関する資料等は、以下のとおりである。 〈X投資信託に関する資料〉 ・公募株式投資信託 ・追加型/国内/株式 ・主な投資対象:東京証券取引所市場第一部に上場する株式 ・信託期間:無期限 ・決算日:毎年9月 20 日 ・購入時手数料:購入時の基準価額に対して 2.16%(税込) ・運用管理費用(信託報酬):年 1.08%(税込) ・信託財産留保額:なし 〈Y投資信託に関する資料〉 ・公募株式投資信託 ・追加型/海外/債券 為替ヘッジなし ・主な投資対象:米国の企業が発行するドル建ての債券 ・信託期間:無期限 ・決算日:年2回(5月 20 日と 11 月 20 日) ・購入時手数料:購入時の基準価額に対して 3.24%(税込) ・運用管理費用(信託報酬):年 1.863%(税込) ・信託財産留保額:換金時の基準価額に対して 0.3% 〈X投資信託とY投資信託の予想収益率〉
- 12 -
〈X投資信託とY投資信託の過去5年間の運用パフォーマンスに関する情報〉
Y投資信託についてMさんがAさんに対して説明した次の記述(1)~(3)について、適切なも のには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 (1)「Y投資信託は米国の債券を主な投資対象としていますので、一般に、米国の金利が上 昇した場合、当該債券の価格は上昇することから、Y投資信託の基準価額の上昇要因とな ります」 (2)「Y投資信託は為替ヘッジを行っていませんので、購入後に米ドルに対して円高となっ た場合、基準価額の下落要因となります」 (3)「仮にY投資信託が償還された場合、償還金から信託財産留保額が控除されます」
- 14 - 《問4》<解答・解説> 債券価格の変動要因・信託財産留保額に関する問題です。 (1)は、×。債券の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しま すので、米国債券に投資する Y 投信は、米国金利が上昇すると、投資先の債券価格が下落 するため、基準価額の下落要因となります。 (2)は、○。為替ヘッジとは、為替変動リスクを通貨先物やオプション取引等で回避するこ とですので、為替ヘッジのないY 投信は、0 円高による為替差損は、基準価額の下落要因と なります。 (3)は、×。信託財産留保額は、投資家間の公平性を保つために、買付や換金に係る諸費用 を買付代金に加算もしくは換金代金から差し引く金額であり、Y 投資信託の場合も信託財 産留保額は「換金時の基準価額に対して 0.3%」とされているため、満期でも繰上でも償還 の場合は信託財産留保額の負担はありません。
X投資信託とY投資信託についてMさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄(1)~ (4)に入る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~リのなかから選び、その 記号を解答用紙に記入しなさい。 ⅰ)「無リスク資産利子率を1%と仮定した場合、過去5年間の運用パフォーマンスに基 づくX投資信託のシャープ・レシオは、( 1 )です。一方、Y投資信託のシャープ・レ シオは、( 2 )です。シャープ・レシオの値が大きいほど、取ったリスクに対して大き なリターンを得たことになります。このため、X投資信託とY投資信託を比較した場合、 シャープ・レシオからみると、( 3 )のほうが過去のパフォーマンスは優れていたとい えます。なお、過去のパフォーマンスが高い投資信託であっても、将来のパフォーマンス もその通りになるとは限りませんので、注意が必要です」 ⅱ)「Aさんは、これまでにX投資信託から普通分配金と元本払戻金(特別分配金)を受 け取っています。このうち、普通分配金による所得は( 4 )とされ、分配時に所得税 および復興特別所得税と住民税の合計で20.315%の税率による源泉(特別)徴収がされて います。一方、元本払戻金(特別分配金)は非課税とされています」 〈語句群〉 イ.X投資信託 ロ.Y投資信託 ハ.1.4 ニ.2.0 ホ.2.4 へ.3.0 ト.配当所得 チ.利子所得 リ.雑所得
- 16 - 《問5》<解答・解説> シャープレシオ・投資信託の分配金に関する問題です。 ⅰ)シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率-安全資産利子率)÷標準偏差 ですので、 X 投資信託のシャープ・レシオ=(10%-1%)÷3%=3.0 Y 投資信託のシャープ・レシオ=(13%-1%)÷5%=2.4 シャープ・レシオは、標準偏差で測ったリスク1単位に対して、超過収益率がどれだけあっ たかを示すものですから、値が大きいほど超過収益率が高い=優れた金融商品ということ です。 従って、シャープ・レシオからみて優れている金融商品は、X です。 ⅱ)追加型の株式投資信託で、収益分配金支払後の基準価額が受益者の個別元本(収益分配 金支払前)よりも低い場合、分配金は元本払戻金(特別分配金)として非課税となります。 つまり、投信の価格が元本を下回ったときの分配金は、元本の取り崩しに相当するため、利 益が出ているわけではないとして非課税になるわけです。 逆に、収益分配金支払後の基準価額が受益者の個別元本(収益分配金支払前)よりも高い場 合、分配金は普通分配金として課税対象となります。 また、株式投資信託の収益分配金は配当所得となり、20.315%が源泉徴収(所得税・復興特 別所得税・住民税含む)されます。 以上により正解は、(1)へ.3.0 (2)ホ.2.4 (3)イ.X投資信託 (4)ト.配当所得
《設例》の〈X投資信託とY投資信託の予想収益率〉に基づいて、X投資信託とY投資信 託をそれぞれ4:6の割合で保有した場合のポートフォリオの期待収益率を、次の(1)~(3) の順序で求めなさい(計算過程の記載は不要)。なお、〈答〉は%表示の小数点以下第2位 を四捨五入し、小数点以下第1位までを解答用紙に記入すること。 (1)X投資信託の期待収益率 (2)Y投資信託の期待収益率 (3)ポートフォリオの期待収益率
- 18 - 《問6》<解答・解説> ポートフォリオの期待収益率に関する問題です。 ポートフォリオの期待収益率=(各資産の構成比×各資産の期待収益率※)の合計 とな ります。 ※各資産の収益率=(予想収益率×生起確率)の合計 従って、本問では X 投信・Y 投信の期待収益率を算出し、構成比を乗じたものの合計がポ ートフォリオの期待収益率となるわけです。 X 投信の期待収益率:15%×30%+10%×50%+(-20%)×20%=5.5% Y 投信の期待収益率:(-5%)×30%+14%×50%+18%×20%=9.1% 従って、ポートフォリオの収益率=5.5%×4/10+9.1%×6/10=7.66% → 7.7%(小数点以下第 2 位四捨五入) 以上により正解は、(1) 5.5(%) (2)9.1(%) (3)7.7(%) なお、ポートフォリオの期待収益率は、本問のように各資産ごとの期待収益率を算出して計 算する方法以外にも、各シナリオごとの期待収益率を算出して計算する方法もあります。 その場合は、ポートフォリオの期待収益率=(各シナリオの生起確率×各シナリオの収益率 ※)の総和となります。 ※各シナリオの収益率=(収益率×投資比率)の総和
- 20 - 《第3問》 Aさんは、雑貨店を営む個人事業主で、妻Bさんとともに開業以来10年にわたり営業を続 けており、賃貸アパートの経営も行っている。また、Aさんは、平成28年中に、加入して いた下記の生命保険を解約し、解約返戻金を受け取っている。 Aさんの平成28年分の収入等に関する資料等は、以下のとおりである。 〈Aさんの家族構成〉 ・Aさん(50 歳):個人事業主(青色申告者) ・妻Bさん(44 歳):Aさんの青色事業専従者 ・長男Cさん(18 歳):大学生。平成 28 年中に収入はない。 ・二男Dさん(15 歳):中学生。平成 28 年中に収入はない。 〈Aさんの平成 28 年分の収入等に関する資料〉 ・事業所得の金額 :13,500,000 円(青色申告特別控除後の金額) ・賃貸アパート(居住用)の不動産所得に係る損失の金額:1,300,000 円 ※上記の損失の金額には、不動産所得を生ずべき土地等を取得するために要した負債の利 子 30 万円が含まれている。 〈Aさんが平成 28 年中に解約した生命保険に関する資料〉 保険の種類:一時払変額個人年金保険 契約年月日:平成 21 年2月1日 契約者(=保険料負担者):Aさん 解約返戻金額 :6,000,000 円 正味払込済保険料:5,000,000 円 〈妻Bさんの平成 28 年分の収入等に関する資料〉 ・Aさんの事業に係る青色事業専従者給与の金額:1,020,000 円(事前届出額以内で労務の 対価として適正である) ※妻Bさん、長男Cさんおよび二男Dさんは、Aさんと同居し、生計を一にしている。 ※Aさんとその家族は、いずれも障害者および特別障害者には該当しない。 ※家族の年齢は、いずれも平成 28 年 12 月 31 日現在のものである。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
Aさんの平成28年分の所得税に関する次の記述(1)~(3)について、適切なものには○印 を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 (1)Aさんは妻Bさんについて配偶者控除の適用を受けることはできないが、配偶者特別控 除の適用を受けることができ、その控除額は38万円である。 (2)Aさんは長男Cさんおよび二男Dさんについて扶養控除の適用を受けることができ、そ の控除額は合計して101万円である。 (3)Aさんの不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額のうち、土地等を取得するために 要した負債の利子に相当する部分の金額は、損益通算の対象とならない。
- 22 - 《問7》<解答・解説> 青色事業専従者給与・扶養控除・不動産所得の損益通算に関する問題です。 (1)は、×。配偶者に青色事業専従者として給与を支払っている場合、配偶者の合計所得金 額に関わらず、配偶者控除も配偶者特別控除も適用されません。 (2)は、×。扶養控除は 16 歳以上が適用対象で、控除額は 38 万円です。また、特定扶養控 除は、19 歳以上 23 歳未満が適用対象で、控除額は扶養控除 38 万円に 25 万円上乗せした、 63 万円です。 いずれも、生計同一で合計所得金額 38 万円以下(給与収入だけなら 103 万円以下)である ことが必要です。 よって、18 歳で収入 0 円の長男 C さんは、扶養親族として、扶養控除 38 万円の対象です が、15 歳の二男 D さんは扶養控除の対象外ですので、控除の合計は 38 万円です。 (3)は、○。不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得 と損益通算できません(建物取得用なら損益通算可)。 つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失 となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
青色申告に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る最も適切な語句を、下記の〈語句群〉の イ~トのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。 青色申告者が受けられる税務上の特典として、青色申告特別控除、青色事業専従者給与の 必要経費算入、最長( 1 )の純損失の繰越控除、純損失の繰戻還付などがある。青色 申告特別控除の控除額は、不動産所得または事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者 が、その取引の内容を正規の簿記の原則に従い記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借 対照表等を添付した確定申告書を法定申告期限内に提出した場合、最高で( 2 )であ る。なお、確定申告書を法定申告期限後に提出した場合には、青色申告特別控除の控除額 は、最高( 3 )となる。 〈語句群〉 イ.3年間 ロ.5年間 ハ.10年間 ニ.10万円 ホ.38万円 ヘ.65万円 ト.103万円
- 24 - 《問8》<解答・解説> 青色申告に関する問題です。 不動産所得・事業所得・山林所得については、一定の帳簿で記帳すること等の要件を満たす ことで、所得税の青色申告をすることができます(青色申告承認申請書を納税地の所轄税務 署長に提出する必要あり)。 <青色申告の特典> ●青色申告特別控除:最高 65 万円を所得から控除できる(期限後申告となった場合は最高 10 万円)。 ●青色事業専従者給与:同一生計の配偶者や親族に支払った給与を必要経費に算入できる。 ●純損失の繰越し・繰戻し:損益通算しても控除しきれない損失額を翌年以後 3 年間繰り 越すことができる。また、前年に繰り戻して所得税の還付を受けることができる。 以上により正解は、(1)イ.3年間 (2)ヘ.65 万円 (3)ニ.10 万円
Aさんの平成28年分の所得税および復興特別所得税の額を計算した下記の表の空欄(1)~ (3)に入る最も適切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は 「□□□」で示してある。
- 26 - 《問9》<解答・解説> 所得税の申告納税額に関する問題です。 所得税の申告納税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要があります が、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。 本問では、事業所得と不動産所得、一時所得(一時払変額個人年金保険の解約返戻金)はい ずれも総合課税の対象です。 事業所得は既に分かっていますから、ここでは不動産所得と一時所得を計算します。 A さんの不動産所得は 130 万円の損失となっており、不動産・事業・山林・譲渡所得の損 失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。 ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損 益通算できません(建物取得用なら損益通算可)。 つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失 となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。 よって、土地取得に要した負債の利子 30 万円は、不動産所得の損失▲130 万円から除かれ、 ▲100 万円となります。 次に、一時所得=収入額-収入を得るために支出した額-特別控除 50 万円 ですので、 一時所得=600 万円-500 万円-特別控除 50 万円=50 万円 さらに、総所得金額を計算する際に、一時所得はその2分の1が合算対象です。 よって、Aさんの総所得金額=事業所得+不動産所得+一時所得÷2 =1,350 万円+▲100 万円+50 万円÷2=1,275 万円 従って、(1)の正解は、12,750,000(円単位) また、所得税の基礎控除は 38 万円で、誰でも一律に同額が所得控除されます。 従って、(2)の正解は、380,000(円単位) 次に、課税総所得金額、算出税額を計算して求めます。 課税総所得金額=総所得金額 1,275 万円-所得控除合計 210 万円=1,065 万円 算出税額=課税総所得 1,065 万円×33%-153.6 万円=197.85 万円 よって、(3)の正解は、1,978,500(円単位) 以上により正解は、(1)12,750,000(円) (2)380,000(円) (3)1,978,500(円)
- 28 - 《第4問》 会社員のAさんは、父親から相続した戸建て住宅(土地200㎡・建物120㎡、土地・建物と もに母親と共有)に、母と妻の3人で居住しているが、今般、母親が介護付き老人ホーム に入居することになり資金の手当てが必要となった。そこで、建物が古く建替えの時期で もあることから、この機会に戸建て住宅を売却し、母親の持分相当額は老人ホーム資金 に、Aさん自身の持分相当額は自宅近くの中古マンション(東京都内)購入資金に、それ ぞれ充当したいと考えている。 売却予定の戸建て住宅(以下、「譲渡予定物件」という)および購入予定の中古マンショ ン(以下、「購入予定マンション」という)の概要は、以下のとおりである。 なお、譲渡予定物件の売却および購入予定マンションの購入は、いずれも宅地建物取引業 者を介して行う予定である。 〈譲渡予定物件および購入予定マンションの概要〉 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
譲渡予定物件を売却し、購入予定マンションを取得する場合の留意点に関する次の記述(1) ~(3)について、適切なものには○印を、不適切なものには×印を解答用紙に記入しなさ い。 (1)宅地建物取引業者と締結する専任媒介契約および専属専任媒介契約の有効期間は3カ月 が上限とされており、これより長い期間を定めて契約した場合は、当該契約は無効とな る。 (2)Aさんは、譲渡予定物件の売買契約の締結に際して、買主との合意により、譲渡予定物 件について瑕疵担保責任を負わないとする旨の特約をすることができる。 (3)購入予定マンションに抵当権設定登記がなされているかどうかは、当該マンションの登 記記録の権利部乙区の記載内容により確認することができる。
- 30 - 《問10》<解答・解説> 土地の媒介契約・瑕疵担保責任・登記記録に関する問題です。 (1)は、×。専属専任媒介契約・専任媒介契約の場合は、契約の有効期間は 3 ヶ月ですが、 これより長い期間を定めた契約は無効にならず、有効期間は 3 ヶ月とみなされます。 (2)は、○。民法の瑕疵担保責任は任意規定のため、売主と買主の合意により売主が瑕疵担 保責任を負わないとする特約は有効です(売主が宅地建物取引業者である場合や、売主が瑕 疵があることを知りながら買主に告げないときは除く)。 (3)は、○。所有権に関する事項は、登記記録の権利部甲区に記録され、所有権以外の権利 (地上権・抵当権・賃借権等)に関する事項は権利部乙区に記録されます。
購入予定マンションを取得した場合の不動産取得税に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入 る最も適切な語句または数値を、下記の〈語句群〉のイ~チのなかから選び、その記号を 解答用紙に記入しなさい。 不動産取得税は、不動産の取得者に課される地方税であり、その課税標準は、原則とし て、固定資産課税台帳に登録されている価格により決定される。 設例のとおりに購入予定マンションを取得した場合、不動産取得税の課税標準の特例を受 けることにより、土地については、取得した不動産の価格に( 1 )を乗じた額が不動 産取得税の課税標準となり、建物については、独立的に区画された1戸ごとの価格から最 大で( 2 )を控除した額が不動産取得税の課税標準となる。 不動産取得税の標準税率は、本則においては4%であるが、設例のとおりに購入予定マン ションを取得した場合、特例により( 3 )となる。 〈語句群〉 イ.2分の1 ロ.3分の2 ハ.1,000万円 ニ.1,100万円 ホ.1,200万円 へ.1% ト.2% チ.3%
- 32 - 《問11》<解答・解説> 不動産取得税に関する問題です。 不動産取得税は、不動産を取得した者に対して、その不動産がある都道府県が課税する地方 税で、課税標準は市区町村の固定資産課税台帳に登録された固定資産税評価額です。 また、不動産取得税について、新築住宅を取得(増改築を含む)する場合、床面積が 50 ㎡ 以上 240 ㎡以下(貸家の場合 40 ㎡以上)の住宅(特例適用住宅)であれば、1 戸につき 1,200 万円を課税標準から控除することができます。 (床面積の判定は、独立した区画ごとに行うため、マンション等の場合は1住戸ごとに適用 されます) なお、不動産取得税の税率の特例により、平成 30 年 3 月 31 日までに不動産を取得した場 合、土地・住宅の不動産取得税率は 3%で、課税標準は宅地の場合固定資産課税台帳登録価 額の 2 分の 1 です。 以上により正解は、(1)イ.2分の1 (2)ホ.1,200 万円 (3)チ.3%
Aさんが、《設例》の条件等のとおり譲渡予定物件を譲渡し、購入予定マンションを購入 して、「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」の適用を受けた 場合の課税長期譲渡所得金額に係る所得税、復興特別所得税および住民税の合計額を計算 した次の〈計算式〉の空欄(1)~(4)に入る最も適切な数値を求め、解答用紙に記入しなさ い。なお、《設例》に記載されているもの以外の費用等はないものとする。また、問題の 性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。 〈計算式〉 1.Aさんの持分に応じた金額明細 譲渡価額 8,000万円×1/2=4,000万円 概算取得費 4,000万円×( 1 )%=□□□万円 譲渡費用 (90万円+260万円)×( 2 )=□□□万円 2.特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例 a.収入金額 □□□万円-買換え資産取得価額3,680万円=□□□万円 b.取得費・譲渡費用 (□□□万円+□□□万円)×□□□万円/□□□万円=( 3 )円 c.譲渡益 □□□万円-( 3 )円=□□□円 d.所得税、復興特別所得税および住民税の合計額(100円未満切捨て) ( 4 )円
- 34 - 《問12》<解答・解説> 居住用財産の譲渡所得の特例適用後の所得税・住民税に関する問題です。 居住用財産の買換え特例では、売った家より買った家のほうが高ければ課税繰り延べ、逆 に売った家のほうが買った家より高い場合は、差額に長期譲渡所得として 20.315%課税(買 った家相当額は課税繰り延べ)されます(買換え特例は所有期間 10 年超が適用条件のため、 自動的に長期譲渡所得となります)。 まず、土地の譲渡所得は、土地や建物を売った金額から、取得費と譲渡費用の合計額を差し 引いて計算しますから、A さんの持分に応じて、譲渡価額や取得費、譲渡費用を求めます。 問題文にある通り、譲渡資産のAさんの持分割合は、2 分の 1 ですから、 譲渡価額:8,000 万円×1/2=4,000 万円 次に、土地の取得価額が不明な場合は、譲渡価額の 5%を取得費(概算取得費)とすること ができます。 よって、概算取得費:4,000 万円×5%=200 万円 また、譲渡費用とは売却するために直接かかった費用のことで、売却の広告料、土地の測量 費、仲介手数料、建物の取壊し費用などです。 よって、譲渡費用:(90 万円+260 万円)×1/2=175 万円 ここから特例適用による税額を計算していきますが、A さんは買換え資産として 3,680 万 円の新築マンションを単独名義で購入予定ですから、Aさんの収入金額は、 譲渡価額 4,000 万円-取得価額 3,680 万円=320 万円です。 次に、必要経費(取得費と譲渡費用の合計額)は、 概算取得費 200 万円+譲渡費用 175 万円=375 万円です。 ただし、この合計額は譲渡資産全体の取得費・譲渡費用ですので、買換え資産との差額(収 入額)に応じた金額だけを必要経費として計上することが必要です。 よって、差額分の必要経費=全体経費 375 万円×収入額 320 万円/譲渡額 4,000 万円 =30 万円 よって、譲渡益=収入額 320 万円-必要経費 30 万円=290 万円 所得税・復興特別所得税・住民税合計=290 万円×20.315%=589,135 円 → 589,100 円(100 未満切捨て) 以上により正解は、(1)5(%) (2)1/2 (3)300,000(円) (4)589,100(円)
Aさんは、平成29年3月25日に病気により78歳で死亡した。Aさんには妻Bさん(77歳) との間に生まれた長男Cさん、二男Dさん(45歳)の2人の子がいたが、長男Cさんは平 成20年に既に死亡している。Aさんは、平成25年に長男Cさんの配偶者Eさん(53歳)と 養子縁組をした。Aさんには3人の孫がおり、孫Fさん(30歳)、孫Gさん(28歳)は長 男Cさんの子、孫Hさん(19歳)は二男Dさんの子である。 Aさんは、遺言書を作成しておらず、遺産分割については相続人で協議を行う予定であ る。 Aさんの親族関係図および主な財産の状況等は、以下のとおりである。 なお、妻Bさん、二男Dさん、孫Fさんは、Aさんから生前に財産の贈与を受けている。 <親族関係図> <Aさんの主な財産の状況(相続税評価額)> ・預貯金:7,000 万円 ・有価証券(上場株式):8,000 万円 ・自宅の敷地:1億 8,000 万円 ・自宅の建物: 2,200 万円 ・貸駐車場の敷地(300 ㎡):1億 5,000 万円
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けた場合の贈与税の非課税の特例」の適用を受けて、現金 800 万円を一括贈与した。なお、 Aさんの死亡日において、非課税拠出額からの支出はない。
相続開始後の手続に関する以下の文章の空欄(1)~(3)に入る最も適切な語句を、下記の 〈語句群〉のイ~チのなかから選び、その記号を解答用紙に記入しなさい。 ⅰ)被相続人の財産は相続開始と同時に共同相続人の共有状態になるため、財産の取得者 を確定させるためには、遺産分割を行うことになる。遺産分割にあたり、遺言書がない場 合、協議分割をすることになるが、協議分割を成立させるためには共同相続人の全員の参 加と合意が必要である。この合意が成立しないために協議分割を行えない場合、共同相続 人は( 1 )に対して申立てを行い、( 1 )の調停・審判による遺産分割を行うこと になる。 ⅱ)Aさんが所有している上場株式の相続税評価額は、原則として、その株式が上場され ている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価する。ただし、その最 終価格が課税時期の属する月以前( 2 )間の毎日の最終価格の各月ごとの平均額のう ち最も低い価額を超える場合には、その最も低い価額によって評価する。 ⅲ)Aさんが平成29年分の所得税について確定申告をしなければならない者に該当する場 合、相続人は、原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から( 3 )以 内に準確定申告書を提出しなければならない。 〈語句群〉 イ.法務局 ロ.公証役場 ハ.家庭裁判所 ニ.2カ月 ホ.3カ月 ヘ.4カ月 ト.6カ月 チ.10カ月
- 38 - 《問13》<解答・解説> 調停分割・上場株式の相続税評価額・準確定申告に関する問題です。 ⅰ)遺産の分割について、共同相続人の間で協議がまとまらない場合、各共同相続人はそれ ぞれ家庭裁判所に遺産分割の調停・審判を申し立てることができます。 調停分割は、各共同相続人の申立てに基づき家庭裁判所の調停により分割する方法です。 ⅱ)上場株式の相続税評価額は、相続発生日の最終価格、もしくは相続した月・その前月・ その前々月の月平均額のうち最も低い金額です。 ⅲ)被相続人が所得税の確定申告をすべきだった場合、相続人は、相続の開始があったこと を知った日の翌日から 4 ヶ月以内に、その年の被相続人の所得税の確定申告をすることが 必要です(準確定申告) 。 つまり、自営業やアパートの大家さんの人が死亡した場合、相続する遺族は4ヶ月以内に、 準確定申告をする必要があるわけですね。? 以上により正解は、(1)ハ.家庭裁判所 (2)ホ.3カ月 (3)ヘ.4カ月
Aさんの相続に関する次の記述(1)~(3)について、適切なものには○印を、不適切なものに は×印を解答用紙に記入しなさい。 (1)二男DさんがAさんから贈与を受けた上場株式については、相続開始時点の相続税評価 額がAさんの相続に係る相続税の課税価格に加算される。 (2)妻BさんがAさんから贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた財産のうち、そ の配偶者控除額に相当する金額(特定贈与財産の額)は、Aさんの相続に係る相続税の課 税価格に加算されない。 (3)孫FさんがAさんから贈与を受けた結婚・子育て資金について、Aさんの死亡日におけ る非課税拠出額の残額は、Aさんの相続に係る相続税の課税価格に加算されることはな い。
- 40 - 《問14》<解答・解説> 相続時精算課税、贈与税の配偶者控除、結婚・子育ての非課税特例に関する問題です。 (1)は、×。相続時精算課税の適用を受けると、贈与された財産は贈与時の価額で、相続税 の課税価格に加算されます。二男D さんは、贈与された上場株式について相続時精算課税 の適用を受けていますので、贈与時の評価額で相続税が計算されます。 (2)は、○。相続開始前3年以内に贈与された財産でも、贈与税の配偶者控除の適用を受け ている場合、配偶者控除に相当する部分は、相続税の課税価格に加算する必要はありませ ん。 (3)は、×。結婚・子育ての非課税特例では、資金管理契約の締結日から終了日までに贈与 者が死亡した場合、その時点の残額が相続税の課税価格に加算されます。
Aさんの相続における課税遺産総額(「課税価格の合計額-遺産に係る基礎控除額」)が2 億8,800万円であった場合の相続税の総額を計算した下記の表の空欄(1)~(4)に入る最も適 切な数値を求めなさい。なお、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示し てある。
- 42 - 《問15》<解答・解説> 相続税の総額に関する問題です。 相続税の計算は、課税遺産総額をそれぞれ法定相続分に分割し、分割後の金額に応じた税 率で算出します。 相続税の基礎控除額=3,000 万円+600 万円×法定相続人の数です。 また、配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の親族は、子・直系尊属・兄弟姉妹の順に、 先の順位者がいない場合に、法定相続人となります。 さらに、被相続人が死亡するよりも先に相続人が死亡した場合、その相続人の直系卑属が代 襲相続人として、相続人に代わって相続します。 なお、養子の場合は実子がいる場合は 1 人まで、実子がいない場合は 2 人まで法定相続人 とすることができます。 従って、本問における法定相続人は、配偶者である妻 B、二男 D、長男 C の代襲相続人で ある孫 F・G、養子である配偶者 E の 5 人です。 よって、相続税の基礎控除:3,000 万円+600 万円×5 人=6,000 万円 です。 問題文の表より、課税遺産総額は 2.88 億円です。 代襲相続人の相続分は、その直系尊属(代襲相続人の親など)の相続分と同じで、また養子 の法定相続分は、実子と同一です。 さらに、同じ立場の法定相続人に対する法定相続分は、その人数分で等分されますので、本 問の場合、妻Bの法定相続分は 1/2、二男 D・配偶者 E の法定相続分は 1/6(1/2÷3)、 孫 F・G 法定相続分は 1/12(1/6÷2)です。 妻Bの法定相続分の相続税 :2.88 億円×1/2×40%-1,700 万円=4,060 万円 二男Dの法定相続分の相続税 :2.88 億円×1/6×20%-200 万円=760 万円 配偶者Eの法定相続分の相続税:2.88 億円×1/6×20%-200 万円=760 万円 孫Fの法定相続分の相続税 :2.88 億円×1/12×15%-50 万円=310 万円 孫Gの法定相続分の相続税 :2.88 億円×1/12×15%-50 万円=310 万円 従って、相続税の総額=4,060 万円+760 万円+760 万円+310 万円+310 万円=6,200 万 円 です。 以上により正解は、(1)6,000(万円) (2)4,060(万円) (3)760(万円) (4)6,200(万円)