257
18.
611. 37: 611. 38: 612. 12. 128: 612. 461. 268: 616. 3實 驗 的 上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 ニ 於 ケ ル 膵 臟 ノ 變 化
前篇 血 清竝 ニ尿 中Diastase, Lipaseノ 消 長 ニ就 テ
岡山醫科大學津田外科教室(主 任津田教授)
橋
本
健
[昭 和11年1月24日 受 稿]Aus der Chirurgischen klinik der Okayama Medizinischen Fakultat
(Vorstand:
Prof. Dr. Seiji Tsuda).
Uber die Veranderungen des Pankreas bei den experimentellen
akuten Oberbauchperitonitiden.
(I.
Mitteilung.)
Der Diastasegehalt des Serums und des Urins,
u nd der Lipasegehalt des Serums bei
den experimentellen akuten
Oberbauchperitonitiden.
Von
Ken Hashimoto.
Eingegangen
am 24. Januar 1936.
Um die Beteiligung
des Pankreas
an
den
akuten
diffusen
Peritonitiden
fest
zustellen,
studierte
ich am Hunde
experi
mentell
die
akuten
Oberbauchperitoni
tiden,
die in verschiedener
Weise,
d. h.,
durch
Perforation
des Magens und durch
Berieselung
der Bouillonkultur
von ver
schiedenen
Bakterien
(Staphylokokken,
Kolibazillen,
Streptokokken und
Welch
- Frankelsche
Bazillen)
erzeugt
wurden.
Ich beobachtete
zuerst
die Ab- und
Zu
nahme der Diastase im Serum und
Urin,
und die der Lipase im Serum.
Den Dias
tasegehalt des Serums und des Urins habe
ich nach der Wohlgemuthschen
Methode
und den Lipasegehalt
des Serums nach
der Roua-Michaelisschen
Methode stalag
nometrisch
gemessen.
Meine Resultate
konnte ich folgendermassen zusammen fassen.
I. Unter den obigen Peritonitiden
zeigt die Entzundung durch W. F. sche
Bazillen den hochsten Grad. Die Blu
tung und Blutstauung im Eingeweide ist
babei sehr deutlich, das Paukreas ist
angeschwollen und blutet multipel. Die
Peritonitis durch Streptokokken zeigt den zweithochsten Grad, die Peritonitis durch Kolibazillen ist am leichtesten. Bei der
Staphylokokkenperitonitis und der Per
forationsperitonitis des Magens werden
die Verwachsung mit dem einzelnen Ein
geweide und der Eiterbelag nachgewie
sen. Und bei derjenigen der Kolibazillen,
der Staphylokokken, und dei der Per
foration des Magens ergaben sich makros
kopisch keine Veranderungen im Pank
reas.
II. Der Diastasegehalt des normalen
Hundeserums ist d38•‹/30•L=8-32, und der
des normalen Hundeharnes d38•‹/30•L=8
- 64. Dieser wert ist auch beim Meuschen fast der gleiche.
III. Der Lipasegehalt des normalen
Hundeserums ist individuell verschieden,
aber im grossen und ganzen liegt die
Tropfenzahldifferenz unter gtt. 8. Beim
Menschen betragt die Trofenzahldifferenz gtt. 6.
IV. Der Diastasegehalt bei den ver
schiedenen experimentelleu akuten Ober
bauchperitonitiden stellt sich folgender massen:
1.) Der Diastasegehalt
des Serums
bei der Perforationsperitonitis
des Ma
genkorpers und
des
Pylorusteiles
ist
d38•‹/30•L=32-64, der des Urins d38•‹/30•L=68
- 128. Die Perforationsstelle und der Dias tasewert sind unabhangig voneinander.
2.) Der Diastasegehalt des Serums
bei der Staphylokokkenperitonitis ist
d38•‹/30•L=128-256, der des Urins d38•‹/30•L=
128-256.
3.) Der Diastasegehalt des Serums
bei der Kolibazillenperitonitis ist d38•‹/30•L=
64-256, der des Urins d38•‹/30•L=256-512.
4.) Der Diastasegehalt des Serums
bei der Streptokokkenperitonitis ist
256-1024.
5.) Der Diastasegehalt des Serums bei der W. F. schen Bazillenperitonitis
ist d38•‹/30•L=256-2048, der des Urins
d38•‹/30•L=256-4096. Und im ganzen steht
die Steigerung dieses Diastasegehaltes an
der Spitze.
V. Der atoxylfeste Lipasegehalt im
Serum bei den verschiedenen experi
mentellen akuten Oberbauchperitonitiden stelleu sich folgendermassen:
1.) Die Tropfenzahldifferenz bei
der Perforationsperitonitis des Magen
korpers und des Pylorusteiles ist gtt.
5-8.
2.) Bei der Staphylokokkenperi tonitis ist sie gtt. 7-13.
3.) Bei der Kolibazillenperitonitis ist sie gtt. 10-15.
4.) Bei der Streptokokkenperito nitis ist sie gtt. 12-15.
5.) Bei der W. F. schen Bazillen
82
實驗的上腹部急性腹膜炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
259
peritonitis
ist sie gtt. 13-17,
und im gan
zen steht
dieser
Fall
an der
Spitze.
Nach
den
oben
augefuhrten
Resul
taten
wird
das Pankreas
bei den
akuten
Oberbauchperitonitiden
meistens
beein
flusst.
Aber die genaueren
Veranderun
gen des Pankreas
mussen
wir
noch his
tologisch
untersuchen.
Auf
Grund
der
Funktionsprufungen
des
Pankreas
wird
das
Pankreas
bei
der W.
F. schen
Ba
zillenperitonitis
am starksten
beeinflusst,
dem
nachst
bei
der
Streptokokkenperi
tonitis.
Der
Einfluss
bei
der
Koliba
zillenperitonitis
oder
der
Perforations
peritonitis
des Magens
ist am geriugsten.
Nach den makroskopischen
Befunden
des
Pankreas
und
nach
der
Messung
der
Lipase
und
der Diastase
im Serum
und
Urin
kann
man
sagen,
dass
die
Veran
derungen
des
Pankreas
bei
der W.
F.
schen
Bazillenperitonitis
und bei einigen
Fallen
der
Streptokokkenperitonitis
ein
Bild
ergeben,
das
dem
einer
akuten
Pankreasnekrose
sehr ahulich
ist.
(Autoreferat.)
内 容 目 次 第1章 緒 言 第2章 文 獻 概 要 第3章 實驗 材 料 竝 ニ實 驗 方 法 第4章 實驗 成績 其 ノ1 胃 體 部及 ピ幽門 部穿 孔 ニ ヨル變 化 其 ノ2 葡 萄 状 球 菌 注入 ニ 於 ケル變 化 其 ノ3 大 腸 菌注 入 ニ於 ケル變 化 其 ノ4 連 鎖 状球 菌 注 入 ニ 於 ケル變 化 其 ノ5 Welch-Frankel氏 菌 注 入 ニ於 ケ ル變 化 第5章 總 括 竝 ニ考 案 第6章 結 論 文 獻 第1章 緒 言 余 ハ 上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 ニ 於 ケ ル膵 臟 ノ 變 化 ニ 就 テ,之 ヲ 實 驗 的 根 據 ニ ヨ リ テ 述 ベ ン ト欲 ス. 膵 臟 ハ 腹 腔 ノ後 壁,諸 臟 器 ノ 間 ニ 介 在 シ, 内 分 泌 臟 器 ト シテ,又 消 化 腺 ト シテ,個 體 ノ生 活機 轉 ニ關 シ,幽 玄 微 妙 ナ ル作 用 ヲ營 爲 ス
ル器 官 タ リ.本 器 官 ガ上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 ニ於
ケル變 化,而
モ其 ノ變 化 タ ル ヤ,吾 々外 科 醫
ガ比 較 的稀 ニ經 驗 セル,急 性 膵 臟 壊 死,該 疾
患 ハ 其 ノ豫 後 極 メテ不 良,經 過 ハ全 ク奔 馬 性
ニ シ テ,而 モ臨 牀 上特 有 ナ ル症 状 ヲ缺 ク ガ 故
ニ練 達 ノ士 モ屡 々膽 道,胃 腸
,腹 膜 等 ノ疾 患
ト誤 リ,文 獻 ニ ヨル ニ其 ノ死 亡 率 ハ實 ニ過 半
數 ニ達 スル ガ如 キ高 率 タ リ.吾 人 ハ急 性 腹 膜
炎 ニ於 ケ ル膵 臟 ノ變 化 ト該 疾 患 トノ異 同,因
果 關 係 ヲ知 ラ ン コ ト,上 腹 部 腹 膜 炎 ノ治 療 ニ
際 シ,其 ノ豫 後 ノ推 察 ニ,又 治 療 ノ方 針 ニ極
メ テ必 要,且 興 味 津 々タ ル問 題 ナ リ.
飜 ツテ膵 臟 機 能 障碍 ノ診 断 ニ關 シテ ハ該 臟
器 ノ解 剖 學 的 位 置 ヨ リ シテ,甚 ダ困 難 ナ ル領
域 ニ屬 シ,往 昔 ハ主 トシテ,自 覺 的 症 状 竝 ニ
古 キ理 學 的 方 法(打 診 及 ビ觸診)ニ ヨ リテ得 タ
ル他覺 的 症 状 トニ ヨ リテ下 サ レタ ル ガ如 シ.
Rontgen線
的 診 斷 ハ 膵 臟 ニ關 シテ ハ進 歩 ヲ
認 メザ リ キ.併 シ膵 臟 ガ消 化腺 トシテ主 要 ナ
ル 役 目 ヲ演 ズ ル トコ ロ ヨ リ,當 臟 器 ノ機 能 的 診 斷 法 ニ 向 ツ テ ノ研 究 ニ 學 者 ノ 眼 ノ注 ガ ル ル ニ 至 リ シ ハ 宜 ベ ナ リ.而 ニ テ 現 代 ニ 於 テ,膵 臟 機 能 障 碍 ノ 診 斷 ニ 供 セ ラ ル ル モ ノ 多 々 有 リ ト雖 モ,多 數 ノ學 者 ニ ヨ リ テ 用 ヒ ラ レ,良 好 ナ ル 成 績 ヲ 博 セ ル モ ノ ニ,血 中 及 ビ 尿 中 ノ Diastase測 定(Wohlgemuth氏 法)及 ビ血 清 中 ノatoxylfeste Lipaseノ 測 定(Rona-Michaelis氏 法)ノ2ア リ. 即 チ1909年Wohlgemuthハ 尿 中Diastase 定 量 ニJodmetrieヲ 發 見 シ,同 氏 竝 ニ 野 口, Schlesinger, Wilenko (1910)等 ハ 膵 臟 ノ機 能 檢 査 ニ 應 用 シ,膵 臟 疾 患 殊 ニ膵 臟 損 傷,種 種 ノ原 因 ニ ヨル 輸 膵 管 閉 塞 及 ビ急 性 膵 臟 壊 死 時 ニ 於 ケ ル膵 臟 機 能 檢 査 上 ニ 有 力 ナ ル 一 指 針 タ ル ノ 價 値 ヲ 認 メ ラ レ,其 ノ後 多數 ノ學 者 ニ ヨ リ テ 論 議 檢 討 セ ラ レ,其 ノ 間,本 法 ノ 價 値 ニ 就 テ 疑 問 ノ 一 石 ヲ投 ゼ シ學 者 無 キ ニ シ モ 非 ザ レ ドモ,本 法 ハWohlgemuth氏 發 見 以 來 30年 ニ 垂 々 トス ル 今 日 ニ於 テ モ 尚 ホ 炳 トシ テ 其 ノ光 輝 ヲ 失 ハ ズ.膵 臟 機 能 診 斷 上 ノ有 力 ナ ル 一 大 指 針 タ リ ト謂 ハ ザ ル ベ カ ラ ズ. 次 ニ 血 清 中Lipaseニ 關 シ テ ハ,數 年 來 甚 シ ク 臨 牀 上 ノ 興 味 ヲ 有 セ ラ ル ル ニ 至 レ リ.抑 々 血 中 ニlipolytisches Fermentノ 存 在 ハ 餘 程 以 前 ヨ リ學 者 ニ ヨ リ テ 認 メ ラ レ シ所 ナ ル ガ, 1911年Rona u. Michaelis氏 ノ 案 出 セ ル Tributyrin分 解 力 ヲ以 テ ス ル 血 清Lipaseノ 測 定 法 ハ, Lipase研 究 ノ歴 史 ニ 一 大 進 歩 且, 新 轉 機 ヲ劃 シ,更 ニ1922年 ヨ リ1924年 ニ 亙 リ, Rona及 ビ其 ノ 一 派 ノ 人 ニ ヨ リテ,臟 器 Lipaseノ 特 異 性 ガ 發 見 サ レ,更 ニ 進 デ 或 ル 疾 患 ニ 際 シ,血 清 中 ニ 出 現 ス ル 臟 器Lipaseノ 特 異 性 ニ ヨ リテ,疾 患 臟 器 ノ源 泉 ヲ推 定 シ,疾 患 ノ類 別 診 斷 ヲ 可 能 ナ ラ シ ム トノ 所 見 ヲ 發 表 セ シ以 來,學 界 ノ 興 味 ト注 目 ト ハ翕 然 トシ テ 集 レ リ.即 チRona一 派 ニ ヨ リテ 膵 臟Lipase ハatoxylfeate Lipaseナ ル コ ト證 明 サ レ, Rona-Michaelis氏 ノ創 案 ニ カ カ ルTributyrin 分 解 力 ヲ以 テ セ ル,血 清Lipaseノ 測 定 法 ニ ヨ リ テ,膵 臟 機 能 ノ 變 化 ヲ究 ム ル モ ノ ニ シ テ, 之 ニ關 シ,議 論 未 ダ定 マ ラ ズ シ テ,前 途 尚 ホ 研 究 サ ル ベ キ 状 態 ニ ア リ ト雖 モ,大 勢 ノ 決 ス ル ト コ ロ,本 法 ニ シ テ之 ヲ 正 確 ニ 行 ハ ン カ, 膵 臟 疾 患 診 斷 上,一 大 指 針 ト シ テ,毫 モ 他 ニ 遜 色 ナ キ ガ 如 シ. 余 ハ 茲 ニ 於 テ,上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 ニ 於 ケ ル 膵 臟 ノ變 化 ヲ檢 査 ス ベ ク,尿 中 及 ビ 血 中 Diastase (Wohlgemuth氏 法)及 ビ 血 中 atoxylfeate Lipase (Rona-Michaelia氏 法) ヲ 測 定 シ,且 尚 ホ 其 ノ 際 ノ膵 臟 ヲ 組 織 學 的 ニ 檢 査 ス ベ ク,之 ヲHamatoxylin-Eosin染 色, Sudan III染 色, Mallory氏 結 締 織 染 色 原 法, Golgi竝 ニMitochondriaノ 染 色 ヲ 行 ヒタ リ. 飜 ツ テ文 獻 ヲ 徴 ス レバ,現 今,急 性 腹 膜 炎 ノ 研 究 又 ハ 膵 臟 ノ研 究 等,何 レモ 積 ン デ實 ニ 山 ヲ ナ ス ノ感 ア リ ト雖 モ,急 性 腹 膜 炎 ノ際 ニ於 ケ ル 膵 臟 ノ變 化 ニ 就 テ,之 ヲ 生 理 化 學 的 方 面 竝 ニ 病 理 組織 學 的 方 面 ヨ リ,系 統 的 ニ,而 モ 實 驗 的 ニ 證 明 セ ル モ ノ,余 寡 聞 ニ シ テ 知 ラ ズ. 余 ハ本 研 究 ノ 要 旨 ハ 之 ヲ 昭 和10年2月10 日 岡 山 醫 學 會 第46囘 總 會 ノ 席 上 ニ 於 テ 發 表 セ リ.今 茲 ニ 其 ノ詳 細 ヲ報 告 シ,大 方 諸 彦 ノ 御 叱 正 ヲ乞 ハ ン トス. 余 ハ 本 研 究 ヲ 便 宜 上 之 ヲ前 後2篇 ニ分 チ, 前 篇 ニ 於 テ ハ 専 ラ上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 ノ 腹 腔 内 84
實驗的上腹部急性腹膜炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
261
所 見 竝 血,尿 中Diastase及 ビ 血 中Atoxylfeste
Lipaseノ 消 長 ニ 關 シ テ 論 ジ,後 篇 ニ 於 テ ハ,
膵 臟 病 理 組 織 學 的 所 見 ニ 就 テ 述 ベ ン ト ス.
第2章 文 獻 概 要
Bauchardat und Sandras(1845)ニ 依 リ テ,創
メ テ 膵 臟Drastaseノ 發 見 ア リ. 1846年Magendie
ハ 血 中 ニDiastaseヲ 發 見 ス.之 ニ 後 ル ル コ ト17
年 即 チ1863年Cohnheimハ 尿 中 ニDiastaseヲ
發 見 ス. 1865年Rechamps之 ヲ 承 認 ス.其 ノ後
Leo (1888), Bendersky (1890), Achard, Clark (1905), Loper (1905), Ficai (1907)等 ハ 腎 臟 疾 患
トDiastaseト ノ 關 係 ヲ 説 ケ リ.又Aehard, Clark
ハ 惡 液 質 トDiastaseト ノ關 係 ニ 就 テ 述 ブ.而 シ
テ 又Clark, Wynhausen, Lepine等 ハ 糖 尿 病
トDiastaseト ノ關 係 ニ 就 キ, Marinoハ 貧 血 ト
Diastaseト ノ關 係 ニ 就 キ, V. Benzurハ 甲 状 腺 ト
Diastaseト ノ關 係 ニ 就 キ, Rostock, Popperハ 耳
下 腺 トDiastaseト ノ關 係 ニ就 テ 述 ベ タ ル モ1908
年Wohlgemuthハ 先 人 ノ 軌 ヲ 脱 シ テ,始 メ テ
Jodmetrieニ ヨ ル 一 新 法 ヲ創 定 シ,之 ヲ 發 表 セ リ.
同 氏 竝 ニEhrmann, V. Benzur, Loewenthal,
Marino, Wynhausen等 ニ 依 リ,上 記 諸 疾 患 ニ 對
ス ルDiastaseノ 態 度 ヲ 明 確 ニ 追 試 セ リ.又 野 口,
Schlesinger, Schinokauer, Wilenko (1910)等 ハ
之 ヲ 膵 臟 機 能 檢 査 ニ 應 用 シ テ,漸 ク 驥 足 ヲ 伸 長 ス ル ニ 至 レ リ. 血 中Diastaseノ 生 産 箇 所 ニ 就 テ 尿 中 ニ 出 現 ス ルDiastaseハ 腎 臟 ヲ 介 シ テ,血 中 ヨ リ排 出 サ ル ル モ ノ ナ ル ガ,血 中Distaseハ 其 ノ 生 産 箇 所 ニ 關 シ テ,諸 説 紛 々 ト シ テ 歸 一 ス ル 處 ヲ 知 ラ ズ.今 其 ノ 大 略 ヲ 述 ブ レ バ 次 ノ如 シ. 1.古 ハ 死 後 ノ變 化 ニ ヨ ル 産 物 ナ リ ト考 フ. 2. Rohmann (1892), Bial (1893)兩 氏 ハ 淋 巴 液 ニ 歸 ス. 3. Carlson, Luckhardハ 一 般 組 織 ノ 代 謝 機 能 ノ 副 産 物 ナ リ ト.
4. Bainbrige, Beddard (1907), Milne, Peters
(1912)ハ 肝 臟 ニ歸 ス. 5. Schlesinger (1908)始 メ テ 膵 臟 起 原 説 ヲ 説 キ,膵 臟 ヲ最 モ 重 要 ナ ハ 源 泉 ト認 ム.而 シ テRo hmann, Bial,熊 谷,大 里 等 ノ 唱 フ ル 處 ハ,正 常 時 ニ ハ 膵 臟 ヨ リ血 中 ニ 直 接 移 行 ス ル コ トナ ク,膵 臟 ノ 病 變 時 ニ ノ ミ淋 巴 道 ヲ 介 シ テ 入 ル ト. 6. Wohlgemuth (1909), Gould, Ollen, Gal loway (1910), Carlson (1912),野 口, Davis and
Ron (1921)等 ハ 大 體 膵 臟 ヲ 以 テ,主 要 ナ ル 源 泉 ト ナ ス ニ 一 致 ス レ ド モ,膵 臟 ヲ 全 剔 出 セ ル モ ノ ニ 於 テ モ 尚 ホ 血 中 ニ 證 明 サ ル ル 事 實 有 リ(1/2乃 至1/3 ニ 減 少).此 場 合,尚 ホ 唾 液 腺 ヲ 除 去 シ オ ク モ, Diastaseハ 尚 ホ 證 明 サ ル ル ヲ 以 テ, Wohlgemuth ハGlykogenヲ 含 有 ス ル肝,腎,筋 肉 等 モ 亦Dias taseノ 發 生 箇 所 トセ ザ ル ベ カ ラ ザ ル ヲ 説 ケ リ. King (1914)ハ 肝,筋 肉,白 血 球 等 ノ 之 ニ 關 與 ス ト唱 ヘ タ リ. 其 ノ他 氏 原,小 金 井 モ 亦 血 中Diastaseノ 獨 立 存 在 ヲ唱 ヘ,血 中Diastaseハ 單 ナ ル 各 組 織 ヨ リ ノ 浮 遊 産 物 ニ ア ラザ ル ベ シ ト思 惟 ス. Haberlandt ハ 白 血 球 ニ 歸 ス. 之 等 ヲ 要 ス ル ニ,血 中Diastaseノ 生 産 箇 所 ニ 就 テ ハ,種 々 ノ 名 論 卓 説 有 リ ト雖 モ,何 レ モ 其 ノ完 壁 ノ域 ニ 達 セ リ トハ 謂 ヒ 難 シ.而 シ テ 其 ノ産 生, 運 命 ニ 關 シ テ ハ 尚 ホ 不 明 ノ點 多 シ ト謂 フ べ シ.然 リ ト雖 モ,膵 臟 ヲ以 テ 主 要 ナ ル 源 泉 トナ ス ノ點 ニ 於 テ ハ,異 議 ナ キ ガ 如 シ. 急 性 膵 臟 壊 死 ノ 際 ニ 於 ケ ル 血,尿, Diastaseニ 就 テ Schlesinger (1908), Wohlgemuth (1910)等 ハ
精 細 ナ ル 實 驗 的 事 實 ヨ リ立 脚 シ テ,膵 臟 機 能 檢 査
上 ニ 使 用 セ リ.而 シ テClere and Loeper (1908),
Gould and Carlson (1912), King (1914)等 ノ諸
家 モ 亦 之 ヲ 追 試 シ テ,其 ノ價 値 ヲ認 メ タ リ.カ ク テ 膵 臟 疾 患 殊 ニ 急 劇 ニ 來 リ,且 不 定 ナ ル 症 状 ヲ 伴 ヒ,而 モ 其 ノ診 斷 ハ 甚 ダ シ ク 困 難,其 ノ 豫 後 ハ 極 メ テ 重 篤 ニ シ テ,速 ニ的 確 ナ ル 診 斷 ヲ下 シ,ソ レ ニ 對 應 セ ル 處 置 ヲ 講 ズ ル ニ 非 ザ レ バ,到 底 其 ノ生 命 ヲ 救 助 シ 能 ハ ザ ル 彼 ノ急 性 膵 臟 壊 死 ニ於 テ,盛 ニ 使 用 セ ラ レ タ リ. Heller:急 性 膵 臟 壊 死 ニ 於 テ ハ,確 實 ナ ル 血 糖 檢 査 ヲ 行 フ ニ 暇 ナ ク,尿 糖 ヲ 以 テ 滿 足 セ ザ ル べ カ ラ ズ,之 ニ 反 シ,血,尿, Diastaseハ 其 ノ操 作 簡 單 ニ シ テ,賞 用 ス べ キ モ ノ ナ リ. 野 口(1912-1916):膵 臟 損 傷 時 ニ 於 ケ ル 膵 臟 酵 素 ノ動 揺 ニ 就 テ,檢 索 中,偶 々Antitrypsinノ 輕 微 ナ ル 變 動 ア ル ニ 比 シ, Diastaseノ 驚 ク ベ キ 上 昇 ヲ 目 撃 シ,又 胃 手 術 ニ 際 シ テ,膵 臟 ヲ 損 傷 セ ル 3例 ニ テ モ,同 様 ノ 事 實 ア ル ヲ 認 メ,種 々 ノ 實 驗 的 研 究 ノ結 果,膵 臟 損 傷 時 ニ ハ 數 時 間 或 ハ24時 間 後 已 ニ 血 中 及 ビ 尿 中Diastaseハ 相 共 ニ 著 明 ニ 増 加 シ,而 モ 尿 中 ニ 於 ケ ル 増 加 ノ 方,血 中 ノ ソ レ ヨ リ モ,勝 ル コ ト ヲ確 認 シ,更 ニ コ ノ 注 目 ス ベ キ 現 象 ガ,急 性 膵 臟 壊 死 ニ 於 テ,殊 ニ 然 ル ヲ 發 見 シ (1912),又3例 ノ急 性 膵 臟 壊 死 患 者 ノ 發 病 後2晝 夜 ヲ 經 過 セ シ 例 ニ 於 テ,尿 中Diastaseノ 甚 ダ 高 値 ニ シ テ, d 3 8° / 30´ =2048ナ ル ヲ 報 告 ス. Schmieden:本 法 ノ壊 死 ニ 對 ス ル 陰 性 率 ヲ20 %ト 云 フ. Unger u. Heuss (1927):氏 ノ經 驗 セ ル31例 中,膵 臟 膿 瘍 及 ビ 腎 臟 炎 ヲ 伴 ヘ ル2例 ヲ 除 キ,他 ハ 總 テ 高 價 ヲ示 シ タ ル ヲ 以 テ,陽 性 成 績 ヲ示 シ タ ル ト キ ハ,重 大 ナ ル 意 味 ヲ オ キ テ 可 ナ リ ト シ,且 d 38°/ 30′=1000以 上 ニ 上 リ タ ル モ ノ ニ テ ハ,豫 後 不 良 ニ シテ,多 クハ 中 毒 症 状 ヲ以 テ,不 幸 ノ轉 歸 ヲ トル ト. Popper, Walzel:該 法 ノ 價 値 ア ル ヲ 唱 ヘ,大 體 血中d /30´38°=64,尿 中d 38°/ 30´=256以 上 ヲ 以 テ, 膵 臟 ノ 病 的 状 態 ニ 有 ル モ ノ トス.
Rostock, Roseno, Dreyfuss, Walzel, Grass
berger, Bernhard u. Wohlgemuth自 ラ 重 篤 ナ
ル 急 性 膵 臟 壊 死 ニ 於 テ,正 常 又 ハ 反 ツ テ,低 値 ヲ
示 セ ル 例 ヲ報 告 シ, Grassbergerノ 如 キ ハLipase
測 定 ニ 左 袒 シ, Roseno, Mareus, Walzelハ 先 ヅ,
腎 臟 障 碍 ヲ 顧 慮 ス ベ シ ト説 ケ リ. Roseno, Dreyfuss (1928):ハ 膵 壊 死 デ,僅 ニ d 38°/ 33´=8-4ナ リ シ 場 合 ヲ 記 シ,膵 壊 死 ニ シ テ, 甚 ダ シ キ 低 値 ヲ見 ル トキ ハ,壊 死 ノ全 膵 ニ 及 ブ ト 考 フ. Popper, Selinger (1928): 6例 ノ 膵 壊 死 ト, 1 例 ノ膵 膿 瘍 ニ テ 血 清Diastase値 何 レ モ, d38°/30´= 128-516ニ シ テ,大 體Diastase値 ノ高 度 ト病 機 ノ輕 重 ト相 關 的 關 係 ヲ 認 ム. Martens (1928): 1例 ノ膵 壊 死 ニ テ, d38°/30´= 8000ナ リ キ. Bsteh (1929):著 者 ノ 報 告 セ ル1例 ハDiastase 價 高 ク,觀 血 的 處 置 ニ 依 リテ,膵 液 ヲ 體 外 ニ誘 導 ス ル ニ 及 ビ,下 降 ス ル ヲ 見 ル.同 氏 ハd 38°/ 30´=256 以 上 ヲ以 テ,膵 臟 ノ病 的 異 常 状 態 ニ存 ス ル モ ノ ト ナ シ,膵 壊 死 ノ時 ハd 38°/ 30´ =1000以 上 ナ リ ト云 フ. Walzel (1929): Diastase測 定 ノ 價 値 ア ル ヲ 論 ジ, d 38°/ 30´ =256ヲ 以 テ,膵 臟 壊 死 時 ノ最 少限 トナ セ リ. Wohlgemuth:全 經 過 ヲ通 ジ テ,遂 ニ 陰 性 ニ 終 リ タ ル1例 ヲ,觀 血 的 ニ 腹 腔 ヲ 開 キ タ ル 後,始 メ テ,尿Diastase價 ノ 上 昇 ヲ見 タ ル1例 ヲ報 ジ, 病 竈 トDiastase増 減 ト ノ關 係 ニ就 テ,次 ノ如 ク想 定 セ リ.即 チ 膵 臟 ノ深 部 ニ 有 ル 少 數 ノ 病 竈 ハ 表 面 ニ 多 數 ノ 病 竈 ヲ 有 ス ル モ ノ ヨ リ モ,ヨ リ高 度 ノ増
實驗 的上腹 部急性腹膜 炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
263
量 ヲ來 ス ベ ク,又 甚 ダ シ ク 病 機 進 行 セ ル 少 數 ノ 病 竃 ハ 輕 度 ナ ル 多 數 ノ病 竈 ア ル 場 合 ヲ 凌 グ ベ シ ト. 日 影(大 正15年):實 驗 的 ニ輸 膵 管 結 紮 及 ビ 膵 臟 壊 死 時 ニ 於 ケ ル 各 々 ノ尿Diastase價 ヲ 比 較 セ シ ニ,兩 者 共 ニ 上 昇 ス ル モ,殊 ニ 後 者 ニ 於 テ, 上 昇 高 度 ナ リ シ ヲ 報 告 セ リ. 胃 及 ビ 十 二 指 腸 疾 患 トDiastase: Block (1921):胃 潰 瘍,胃 惡 性 腫 瘍,十 二 指 腸 潰 瘍,其 ノ 他 ノ場 合 ニ 就 テ,血 中Diastaseヲ 測 定 ス. 1)甚 ダ シ キ 上 昇 ハ 潰 瘍 ノ直 接 膵 ト癒 着 又 ハ 穿 孔 セ ル 場 合. 2)中 等 度 ノ上 昇 ハ ,胃 小 彎,胃 ノ後 壁 及 ビ 十 二 指 腸 ノ上 部 前 壁 ニ 於 テ,周 圍 炎 ヲ 惹 起 セ ル 場 合. 3)正 常 値 又 ハ ソ レ 以 下 ノ場 合 ハ 幽 門 ,大 彎, 噴 門 部 ニ 於 ケ ル 病 變 トナ シ,胃,十 二 指 腸 潰 瘍 ノ 位 置 診 斷 ニ 應 用 ス ベ シ トナ セ リ. Grassberger (1926):動 物 竝 ニ 臨 牀 例 ヨ リ Blockノ 説 ハ 正 シ カ ラ ズ トナ シ, 7例 中2例 ノ ミ輕 微 ナ ル 上 昇 ヲ 見 シ ニ ヨ リ,本 法 ノ價 値 少 ク, 且 穿 孔 部 位 ヲ 斷 ズ ル コ ト能 ハ ズ トナ シ, Cohen , Strasser (1926)等 ノ報 告 モ 亦 之 ニ 一 致 ス. Janker (1927):膵 臟 ニ 漫 潤 セ ル 胃 癌 ノ1例 ニ 於 テ,血 中 及 ビ 尿 中 ノDiastase價 ノ上 昇 セ ル ヲ 報 告 セ リ. 膽 石 症 ノ 際 ノDiastase: 急 性 膵 臟 壊 死 ノ成 因 ニ 關 シ テ ハ,古 來 種 々 論 議 サ ル ル モ,大 體 次 ノ如 ク 分 類 シ 得. 1. Kanalicularer Weg a. biliar b. intestinal 2. Lymphweg a. biliar b. intestinal 3. vasculare Theorie a. embolisch b. spastisch c. toxisch 4. traumatische Theorie以 上 ニ 於 テ, vasculare Theorieニ 反 シ, kanali
culare Theorie即 チAktivierungstheorieニ 左 袒
ス ル モ ノハ,何 レ モ 膽 道 疾 患 ニ 合 併 セ シ コ ト ヲ 唱 フ ル モ ノ ノ如 シ. 抑 々 主 輸 膵 管 ハ 相 共 ニ,或 ハ 近 接 シ テ,總 輸 膽 管 トVater氏 乳 頭 ニ 合 流 ス. Holzapfel (1930) ノ研 究 ニ ヨ レ バ, 20%ニ 於 テ,主 輸 膵 管 ハ 總 輸 膽 管 ト共 通 ノ開 口 ヲ 以 テ, 1箇 ノ乳 頭 ニ 合 流 シ, 而 モ 氏 ノ經 驗 セ ル3例 ノ急 性 膵 臟 壊 死 ニ 於 テ ハ, 何 レ モ 同 型 ニ 屬 ス ル 點 ヨ リ,急 性 膵 臟 壊 死 ト,膽 石 症 トハ,不 即 不 離 ノ關 係 ニ ア ル ヲ提 唱 セ リ.又
Schmieden 70%, Kirschner 100%, Walzel 25% ,
Nordmann 40%, Vogel 42% , Korte 50%, Mayo
81% etc.ノ 割 合 ニ 於 テ 急 性 膵 臟 壊 死 ヲ見 ル ト. カ カ ル 故 ニ 古 來 多 數 ノ學 者 ニ ヨ リ テ 測 定 サ ル . Cohn (1926):膽 嚢 疾 患 ノ28 .9%ニ 於 テ, katarrhalischer Ikterusニ テ ハ23%ニ 於 テ ,何 レ モDiastase値 ハ 高 シ ト. Janker (1927):總 輸 膽 管 ヲ 閉 塞 セ ル1例 ニ 於 テ 高 値 ヲ示 ス. Winkelhauer, Bsteh (1927):膽 嚢 炎,膽 石 症,膵 頭 部 ノ硬 結 ヲ合 併 セ ル1例 ニd 38°/ 30´=500 ナ リ キ ト. Popper, Selinger (1928):膽 嚢 炎39例 中10 例 ハDiastaeノ 異 常 ナ ル 上 昇 ヲ 示 セ リ ト. 其 ノ 他 腎 石,妊 娠 時,脚 氣 等 種 々 ノ 病 的 状 態 ノ 際 ニ 於 ケ ル, Diastaseノ 變 化 ニ 就 テ 論 議 檢 討 サ レ タ ル モ ノ ア ル モ,本 論 文 ニ 關 係 ナ キ ヲ 以 テ ,之 等 ノ 記 載 ハ 全 ク 省 略 ス.
血 清Lipaseニ 就 テ 血 清Lipaseノ 研 究 ハ1896年Harinot氏 ニ 始 マ リ, 1911年Rona&Michaelis氏 ハTributyrin 分 解 力 ヲ 以 テ ス ル 血 清Lipase測 定 法 ノ案 出 サ ル ル ヤ,當 研 究 ニ 向 ツ テ,新 機 軸 ヲ 劃 シ,且 長 足 ノ 進 歩 ヲ 見 ル ニ 至 リ ス.而 シ テ,血 清Lipaseノ 源 泉 ニ 關 シ テ ハ,膵 臟,肝 臟,肺 臟,脾 臟,白 血 球 等 多 々 有 リ ト雖 モ,膵 臟Lipaseハatoxylfestナ ル コ ト ヲ立 證 セ ル ハ,一 ニRona及 ビ 其 ノ一 派 ノ人 人 ノ 功 績 タ リ. 膵 臟 疾 患 ト血 清Lipaseト ノ 關 係
Osata, Diena u. Jornsノ 實 驗 ニ ヨ ル ニ.膵 臟
ノ 種 々 ノ障 碍 ノ際 ニ 血 液 中 ニLipase移 行 ス ト.
Jornsハ 急 性 竝 ニ 慢 性 膵 臟 炎 ノ際 ニatoxylfeste
Lipaseハ 増 加 ス.即 チ 一 般 ニ 膵 組 織 ノ 破 壊 サ ル ル
時 ハ 血 中 ニ 移 行 ス.而 シ テ 輸 膵 管 ノ狹 窄 セ ル 場 合
ニ ハ,血 中 ニ 少 量 ノLipase上 昇 ヲ見 ル ト.之 ニ ハ
Simon (1925), Grassberger (1928), Lasch (1928),
Ehrmann (1929)コ レ ニ 賛 成 セ リ.而 シ テRona-Michaelis氏 法 ニ ヨ リ テ 測 定 セ ル 滴 數 差 ヲKatsch ハ4ヲ 膵 臟 疾 患 ナ リ ト稱 ス ル モ, Rona & Lssch ハ 正 常 値 ヲ6ト ス. Simon (1925)ハ 正 常 値 ヲ7-8 ト ス. Schmitt (1933)ハ 之 ニ 關 シ テ 詳 細 ナ ル 發 表 ヲ ナ シ, 50例 ノ健 康 人 ニ 就 テ 測 定 セ ル ニ, 5滴 以 下 ナ リ キ. 7滴 ノ 場 合 ハ 大 體 ニ 於 テ,常 ニ 膵 臟 疾 患 ヲ 物 語 ル モ ノ ナ リ ト云 フ.但 シ, atoxylfeste Lipase價 ノ多 寡 ニ ヨ リ テ ハ 病 機 ノ輕 重 ハ 判 別 シ 難 シ ト稱 セ リ.尚 ホ 同 氏 ハ 膽 石 症 ノ 際 ニ ハatoxyl feste Lipaseノ 上 昇 ヲ 見 ル.即 チ 膽 石 症 ハ 急 性 竝 ニ慢 性 膵 臟 壊 死 ノ 原 因 トナ リ, Bernhard氏 ニ ヨ レ バ,急 性 膵 臟 壊 死 ハ 膽 石 症 ノ 早 期 合 併 症 ナ リ ト サ へ 唱 ヘ ラ レ タ リ.胃 竝 ニ 十 二 指 腸 潰 瘍 ノ際 ハ 一 般 ニLipaseノ 上 昇 ヲ見 ル. 併 シ 急 性 膵 臟 壊 死 ト鑑 別 診 斷 上 必 要 ナ ル 胃 及 ビ 十 二 指 腸 ノ 穿 孔 性 腹 膜 炎 竝 ニIleusノ 際 ニ 於 ケ ル 上 昇 ノ程 度 ハ 急 性 膵 臟 壊 死 ノ 時 ヨ リ少 シ ト. Skoog (1929) & Bernhard (1931)ハ 急 性 膵 臟
壊 死 患 者 ノ多 數 ニ 就 テ,尿 中Diastase及 ビ 血 中 Lipase共 ニ 測 定 セ ル ニ, Diastaseハ 手 術 後36時 間 位 ヨ リ急 ニ 下 降 ス ル モ,血 中Lipaseハ 永 ク上 昇 値 ヲ 示 シ,膵 臟 機 能 ノ 診 斷 補 助 ト シ テ, Lipase測 定 ハDiastase測 定 ニ 勝 ル ト. Gubergritz (1931):同 氏 ハ 膵 臟 疾 患 ノ 際 ニ Lipaseヲ 測 定 シ タ ル モ,本 法 ハ 膵 臟 疾 患 ヲ 確 定 ス ル 目 標 トナ ラ ズ ト稱 セ リ. 川 島 震 一,小 久 保 佐 市(昭 和8年):急 性 膵 臟 壊 死 ノ症 状 ヲ呈 セ ル1臨 牀 例 ヨ リDiastaseハ 膵 壊 死 ノ輕 度 ノ モ ノ及 ビ 初 期 ニ ハ 上 昇 ス.長 キ 經 過 ヲ トル モ ノ及 ビ 高 度 ノ變 化 ノ モ ノハ 反 ツ テ 増 加 セ ズ.而 シ テLipaseハ 常 ニ 上 昇 シ ヲ ル ヲ 以 テ,診 斷 學 上 必 要 ナ リ ト唱 フ. 第3章 實 驗 材 料 竝 ニ 實 驗 方 法 余 ハ 實 驗 動 物 トシ テ ハ,健 康 正 常 ナ ル 體 重5kg 乃 至10kg位 迄 ノ犬 ヲ用 ヒ,餘 リ大 ナ ル 犬 ハ 用 ヒ ザ リ キ.上 記 ノ犬 ヲ 數 日前 ヨ リ一 定 ノ 混 合 食 餌 ニ テ 飼 育 シ,手 術 當 日 ハ 絶 食,麻 醉 ト シ テ ハ3% Morphiumヲ 體 重1kgニ 對 シ, 0.25-0.5ccヲ 注 射 ス ル ヨ トニ ヨ リ,約30分 ニ シ テ,全 ク無 抵 抗 且 靜 穏 トナ リ,容 易 ニ 手 術 ヲ 遂 行 シ得 タ リ.試 獸 ハ 手 術 臺 上 ニ 背 位 ニ 固 定 シ,腹 部 ハ 剪 刀,剃 刀,微 温 温 及 ビ 石 鹸 ニ テ 剃 毛 清 浄 ニ シ タ ル 後, Grossichi ノ 法 ニ ヨ リテ,皮 膚 消 毒 ヲ ナ シ,人 體 手 術 ノ場 合 ト全 ク 同 様 ニ 無 菌 的 武 装 ノ 下 ニ,迅 速 ニ 手 術 ヲ施 行 セ リ. 上 腹 部 急 性 腹 膜 炎 惹 起 ニ ハ.前 當 教 室 員,岩 藤 博 士 ノ教 フ ル ト コ ロ ニ ヨ リテ 行 フ. 即 チ 吾 人 ガ 穿 孔 性 腹 膜 炎 ニ 於 テ,屡 々 經 驗 セ ル 幽 門 部 竝 ニ 胃 體 部 等 ニ 於 テ, Paquelin氏 焼 灼 器 ニ
實驗的上 腹部急 性腹膜 炎ニ於 ケル膵臟 ノ變 化
265
テ,人 工 的 ニ穿 孔 ヲ作 リ,其 ノ 内 容 ヲ 腹 腔 内 ニ 塗 抹 セ ル 後,穿 孔 部 ニ ハ 小 「ゴ ム 」管 ヲ 挿 入 固 定 シ, 内 容 物 ヲ シ テ 斷 ヘ ズ 腹 腔 内 ニ 流 出 セ シ メ,又 カ カ ル 胃 及 ビ 十 二 指 腸 ノ穿 孔 性 腹 膜 炎 以 外 ニ,急 性 腹 膜 炎 ノ患 者 ヨ リ,分 離 培 養 セ ル,連 鎖 状 球 菌,葡 萄 状 球 菌,大 腸 菌, Welch-Frankel菌(以 下W. F. 菌 ト記 ス.)ノ 純 粹 培 養 液(細 菌 量 ハBouillon 2cc ニ1 Oseヲ 加 ヘ38℃, 24時 間 培 養 シ オ キ タ ル モ ノ, W. F.菌 ハ 肝 臟 肝 臟 肉 汁38℃, 20時 間)ノ 一 定 量 ヲ 滅 菌 「ガ ー ゼ 」 小 片 ト共 ニ 試 獸 ノ上 腹 部 ニ 注 入 シ.腹 壁 ハ3層 ニ 縫 合 セ リ. カ ク テ 一 定 ノ時 日 ノ 後,試 獸 ガ 急 性 腹 膜 炎 ニ 罹 患 セ ル 後,開 腹 シ,又 死 亡 セ ル モ ノ ニ 於 テ モ,強 直 ヲ 來 ス モ ノ,又 時 間 ノ 相 當 經 過 セ ル モ ノハ 之 ヲ 檢 索 ニ 用 ヒ ザ リ キ.而 シ テ 余 ハ1箇 ノ動 物 ニ 就 テ 次 ノ 事 項 ヲ 檢 査 セ リ. 1.試 獸 ノ正 常 時 ニ 於 テ,コ ノ尿 及 ビ 血 清 中ノDiastase及 ビ 血 清 中atoxylfeste Lipaseヲ
測 定 セ リ.尿 採 集 ニ ハ 導 尿 又 ハ 自 然 排 尿 セ ル モ
ノ ヲ用 ヒ タ リ.血 清 採 集 ニ ハ 股 靜 脉 ヨ リ血 液 ヲ
採 集 シ,之 ヲ遠 心 沈 澱 器 ヲ用 ヒ テ,血 清 ヲ 分 離
セ リ.
Diastase價 測 定 ニ ハWohlgemuth 30分 法,
atoxylfeste Lipase價 測 定 ニ ハ, Rona-Michaelis
氏 法 ヲ 採 用 ス.實 施 方 法 ニ 就 テ ハ 項 ヲ 改 メ テ 後
述 ス ベ シ.
2.急 性 腹 膜 炎 罹 患 時 ニ 於 ケ ル,腹 腔 内 ノ肉
眼 的 變 化 ヲ 記 載 シ.膵 臟 ノ 病 理 組 織 學 的 檢 査 ヲ
行 フ べ ク,ヨ レ ヲHamatoxylin-Eosin染 色,
Mallory氏 結 締 織 ノ染 色 原 法, Sudan III染 色,
Golgi氏 装 置 竝 ニMitochondriaノ 染 色 ヲ 行 ヘ
リ.
3.試 獸 ノ急 性 腹 膜 炎 罹 患 時 ニ 於 ケ ル 尿,血
清 ノDiastase,血 清 ノatoxylfeste Lipaeeヲ 測
定 セ リ. 檢 査 方 法 ニ 就 テ (I) Wohlgemuth氏 法 檢 査 用 品 1.數ccノ 尿 量(少 ク トモ2cc) 2. 1%食 鹽 水 3. 1‰ 澱 粉 溶 液(「 カ ー ル バ ウ ム 」ノ可 溶 性 澱 粉) 4. 1/50規 定 沃 度 液 5. 1cc及 ビ10cc,「 ビ ベ ツ ト」2本 6.試 驗 管10本 以 上 實 施 第2ヨ リ 第10迄 ノ試 驗 管 ニ 各1%ノ 食 鹽 水 ヲ 入 レ ル.次 ニ第1及 ビ 第2ニ 尿1ccヲ 入 レ ル. 之 ヲ ヨ ク 混 ジ テ,第2試 驗 管 ヨ リ1ccヲ ト ツ テ 第3ニ 入 レ ル.第3試 驗 管 ヲ ヨ ク混 ジ テ,更 ニ 其 ノ1ccヲ ト リ,第4ニ 移 ス.カ ク シ テ 第10ヨ リ1ccノ 餘 分 ヲ捨 テ ル.即 チ 之 デ 尿(酵 素)列 ハ 1.0, 0.5, 0.25, 0.125...0.002ト ナ ル. 次 ニ 各 試 驗 管 ニ1000倍 ノ 澱 粉 溶 液2cc入 レ ル.ヨ ク 混 ジ テ38℃ ノ 水 浴 中 デ30分 間,ア タ タ メ ル.次 ニ2-3分 間 冷 水 ニ テ 冷 ヤ ス.最 後 ニ 1/50定 規 沃 度 液1-3滴 ヲ加 フ.此 時 尚 ホ 消 化 セ ラ レ ザ ル 即 チDiastaseノ 作 用 ヲ受 ケ ザ ル 澱 粉 ア ラ バ 青 色 ヲ 呈 シ,「 エ リ ト ロ デ キ ス ト リ ン」 ハ 赤 色 ヲ 示 ス モ,既 ニ 消 化 セ ラ レ タ ル 澱 粉 ハ, 澱 粉 反 應 ナ ク テ,黄 色 ヲ 呈 ス ル ナ リ.今 尿 中 ニ 於 ケ ル 酵 素 量 ヲ 計 算 ス ル ニ ハ,赤 色 ヲ 呈 ス ル ト コ ロ マ デ ヲ陽 性 トス. 例 之,試 驗 管 第1-第5迄 ガ 黄 色,第6ガ 赤 色,第7紫 色.第8青 色 ナ ラ バ, 2ノ6乗 即 チ4. 26=64ナ リ.之 ヲ38℃ ニ テ, 30分 間 作 用 セ シ メ タ ル ガ 故 ニ, d 38°/ 30´ =64ト 記 載 ス. 次 ニ第8試 驗 管 ガ 赤 色 ナ ラ バ, 28=256即 チ d 38°/ 30´ =256ナ リ. 注 意 ト シ テ ハ,正 確 ニ 尿 量 ヲ 測 ル コ ト.温 度
ヲ 一 定 ニ ス ル コ ト. (II) Rona-Michaelis氏 法 膵 酵 素 ノ一 ナ ルLipaseハ,之 ヲ 脂 肪 酸 ニ 作 用 セ シ メ,脂 肪 酸 ノ 分 解 ヨ リ起 ル 表 面 張 力 ノ 差 ヲ 滴 數 法 ニ テ 計 算 ス ル 方 法 ナ リ.文 獻 ノ 部 ニ 於 テ 記 載 セ ル 如 ク, Ronaニ ヨ レ バ,膵Lipaseハ Chininニ ヨ リ破 壊 サ ル ル ケ レ ド モ, Atoxylデ ハ 破 壊 サ レ ナ イ.併 シ 膵 以 外 ノLipaseハAtoxyl ニ ヨ リテ 作 用 ヲ 失 フ.故 ニ 血 清 中 ニAtoxylヲ 加 フ ル 時 ハ,血 清 中 ニ 現 レ タatoxylresistentノ Lipaseノ 作 用 ノ ミ ヲ 見 ル コ トガ 出 來 ル. 檢 査 用 品 1. 2-3ccノ 血 清 2.燐 酸 混 合 液(m/3第 一 燐 酸 「ナ ト リ ウ ム 」液1ニ 對 シ,m/3第 二 燐 酸 「ナ ト リ ウ ム 」液7-9ヲ 加 フ ル 時 ハpH=7.6ナ ル 混 合 液 ト ナ ル. 3. 1ccノAtoxyl溶 液(0.2:100) 4. 50ccノTributyrin飽 和 水 溶 液 (Tributyrin 4-5滴 「カ ー ル バ ウ ム 」ヲ 炭 酸 ヲ 除 イ タ 蒸 餾 水1Lニ ト カ シ, 5 時 間 振 盪 装 置 デ 強 ク 振 リ タ ル 後,不 溶 解 ノ小 脂 肪 滴 ハ 濾 過 シ テ 除 去 ス. 2-3 日 間 シ カ 使 ヘ ナ イ カ ラ,常 ニ 新 シ ク 作 ル ヲ 要 ス.) 5. Rona-Michaelis氏 ノ 滴 數Pipette 實 施 2-3ccノ 血 清 ニ 同 量 ノ燐 酸 混 合 液 ヲ加 へ, 1cc ノAtoxyl溶 液 ヲ 混 ジ タ ル 後, 30分 ニ シ テ, 50cc ノTributyrin飽 和 水 溶 液 ヲ 加 ヘ,滴 數Pipette ヲ 以 テ, 3´30´60´90´ 毎 ニ 滴 下 ス ル,滴 數 ヲ 測 定 ス.一 定 ノ室 温 デ 良 シ. 3´ ト90´ ト ニ 於 ケ ル 點 滴 ノ數 ガ6滴(Rona). 7-8滴(Simon)ヲ 正 常 トス. Tributyrin溶 液 ガAtoxylresistentノ 膵 Lipaseノ 作 用 ヲ受 クル ガ 故 ニ,分 解 ニ從 ヒ,表 面 張 カ ハ上 昇 シ,滴 數 ハ少 クナ ル. (III)組 織 學 的 檢 査 方 法 後 篇 ニ於 テ 詳 細 ニ記 載 ス ルヲ以 テ,本 篇 ニ於 テ ハ,之 ツ省 略 ス. 第4章 實 驗 成 績 其 ノ1 胃體 部 及 ビ幽 門 部 穿 孔 ニ ヨ ル 變 化 犬 第2號.體 重4.7kg,昭 和8年9月13日,午 後2時30分, 3% MorphiumヲProkg 0.5ccヲ 皮 下 ニ注射 スル ニ, 10分 位 シテ 漸 次麻 醉 ニ陷 ル.此 處 ニ 於 テ上 述 ノ方 怯 ニ テ 十分 消毒 ヲナ セル上 腹 部 ニ於 テ,正 中切 開 ヲ施 シ,迅 速 ニ幽 門 部 ヲ求 メ, コ ノ下面 ニ 於 テ, Paquelin氏 灼 熱 器 ヲ以 テ穿 孔部 ヲ作 リ,此 處 ニ「ゴ ム」管 ヲ挿 入 シ,胃 内容 物 ノ腹 腔 内 ニ流 出 ス ル ニ便 ナ ラ シム.動 物 ハ術 後2時 間 ニ シテ 麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.呻 吟,不 安 状 蹲 リ,歩 行 不 能,翌 日呻 吟 不 安 状 ハ 去 ル.然 レ ドモ食 慾 不 振 ナ リ.昭 和8年9月17日 一 般 的 ニ全 身 状 態良 好 ナ リ.開 腹 ス. 生 存 時 間: 4日 腹 腔 内所 見:開 腹 ス レバ,腹 膜 ハ 甚 ダ シ ク肥 厚 シ,腹 腔 内 浸 出 液 少 量 ニ認 ム.之 ヲ顯 微鏡 的 ニ 檢 査 ス レバ,主 トシテ葡 萄 状球 菌 ヲ認 ム.大 腸 ハ 甚 ダ シ ク肥 厚 シ,(殊 ニ上 腹 部 ニ 於 テ甚 ダ シ)小 腸 ハ互 ニ纎 維 性 癒 着 ヲ ナ シ,前 ニ 幽 門 部 ニ穿 孔 ヲ施 セ ル部 ハ,大 網 及 ビ小 腸 互 ニ癒 着 ス.肝 臟 下 面 ト, 小 腸 トハ又 纎 維 性 癒 着 ヲ認 メ,其 ノ部 ニ輕 度 ノ膿 苔 ヲ認 ム.下 腹 部 ハ 一般 ニ變 化 少 シ.膵 ハ稍 々正 常 ノ色 澤 ヲ呈 シ,出 血 其 ノ他 ノ異 常 ハ認 メ ヲ レズ. Diastase價
正常時 尿 d
/30´38°=8罹患後 尿 d
38°/ 30´=128實驗的上腹部急性腹膜炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
267
Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 93 92 90 89 4 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 93 89 87 86 7 犬 第3號.體 重48kg,昭 和8年9月14日 午 後 2時30分, 3% MorphiumヲProkg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,上 述 ノ 方 法 ニ ヨ リテ,胃 體 部 ノ前 面 ニ,穿 孔 部 ヲ 作 成 ス.動 物 ハ 術 後1時 間 半 ニ シ テ 麻 醉 ヨ リ覺 醉 ス.呻 吟,不 安 状 ニ 陷 リ,歩 行 不 能 ナ ル コ ト前 例 ト同 様 ナ リ.翌 朝 即 チ9月15日 午 前 8時,動 物 ハ 全 ク 頻 死 ノ状 態 トナ レ リ.此 處 ニ 於 テ 直 チ ニ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 16時 間 半 腹 腔 内 所 見:正 中 切 開 ニ テ 開 腹 ス レ バ,腹 膜 ハ 中 等 度 ノ膿 苔 ノ 附 着 ヲ 見 ル.胃 穿 孔 部 ハ 大 網 ト 癒 着 シ,大 網 ハ 甚 ダ シ ク 浮 腫 状 トナ リ テ 肥 厚 ス. 小 腸 ハ 處 々 纎 維 性 癒 着 ア リ テ,又 壁 ニ ハ 處 々膿 苔 ノ 附 着 ヲ見 ル. 腹 腔 内 浸 出 液 ハ 輕 度 ニ シ テ,漿 液 性 稍 々 膿 性 ト デ リ,之 ヲ顯 微 鏡 的 ニ 培 養 ニ ヨ リ テ,葡 萄 状 球 菌 竝 ニ大 腸 菌 ナ ル コ トヲ 確 定 セ リ.膵 臟 ハ 稍 々 浮 腫 状 ニ 見 ユ ル 以 外 ニ,出 血,其 ノ他 ノ 變 化 ハ 認 メ ズ. Diastase價正常時 尿 d
/30´38°=8罹患後 尿 d
38°/ 30´ =64 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 90 90 89 88 2 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 90 88 86 85 5 犬 第32號.體 重5kg,昭 和8年9月13日 午 後 3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,動 物 ノ睡 眠 ニ 陷 ル ヲ待 チ テ,上 記 ノ 方 法 ニ ヨ リ テ 幽 門 部 ノ前 面 ニPaquelin氏 灼 熱 器 ニ テ 穿 孔 部 ヲ 作 リ,此 部 ニGumidrainヲ 挿 入 シ,穿 孔 性 腹 膜 炎 ヲ 惹 起 セ シ メ ン トス.動 物 ハ 術 後 約1時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ,不 安 状 態 有 リ,苦 惱 ノ状 著 明 ナル モ,次 第 ニ元 氣 ヲ囘 復 ス. 9月17日 開 腹 ス レバ 次 ノ如 シ. 生 存 時 間: 4日 腹腔 内 所 見:開 腹 スル ニ,漿 液 性 膿 性 ノ浸 出 液 中 等度 潴 溜 ス.之 ヲ顯 微鏡 的 竝 ニ培 養 ニ ヨ リテ 葡 萄 状球 菌 ノ存 ス ル ヲ認 ム.大 網 ハ甚 ダ シ ク肥 厚 シ,穿 孔 部 位 ハ癒 着 シ,其 ノ附 近 ニ 多 數 ノ膿 苔 ノ 存 ス ル ヲ認 ム.小 腸 モ亦 處 々纎 維 性 癒 着 ヲ見 、 到 ル處(殊 ニ上 腹 部 ニ於 テ)膿 苔 ヲ認 ム.肝 臟 ノ表 面 ニモ,輕 度 ノ膿 苔 ヲ見 ル.變 色 其 ノ他 ノ變 化 ハ ナ シ.充 血 ハ 一 般 ニ認 メ ラ レ ズ. 膵 臟 ハ 肉 眼 的 ニ變 化 ヲ認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=8 2.尿 d 30°/ 30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38° / 30´ =64 2.尿/ Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 95 93 92 91 4 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 96 92 90 88 8 犬 第29號.體 重5kg,昭 和8年9月15日 午 後2時, 3% MorphiumヲPro kg. 0.5cc皮 下 注射 ヲ行 ヒ,上 記 ノ方法 ヲ以 テ胃 ノ體 部,前 面,大 彎 ニ近 キ 部分 ニ穿 孔 ヲ作 成 シ,穿 孔 性 腹膜 炎 ヲ惹 起 セ シメ ン トス.動 物 ハ術 後 約1時 間 ニ シテ 麻 醉 ヨ リ覺 醉 シ,甚 ダ シ ク苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス .食 慾 全 ク 無 ク,無 慾 ノ状 トナ ル. 9月16日 午 後1時 頻 死 ト ナ ル.開 腹 ス. 生 存 時 間: 23時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レ バ,漿 液 性 稍 々 血性 ヲ帯 ビ,且 膿 性 ナ ル 浸 出 液 中 等 度 存 ス.顯 微鏡 竝 ニ培 養 ニ依 リテ, 葡 萄 状 球 菌,少 數 ノ連 鎖 状 球 菌 竝 ニ大 腸 菌 ナ ル コ トヲ證 明 セ リ.胃,腸,腸 間 膜 ハ輕 度 ニ充 血 ス. 漿 膜 ハ稍 々Mattト ナ ル,穿 孔 部 位 ニハ大 網 癒 着 シ,附 近 ニ膿 苔 ノ附 着 ヲ見 ル.膿 苔 ハ 肝 臟 下 面, 腹 膜,胃(殊 ニ穿 孔 部 位 ニ近 ク)ノ 壁 ニ見 ル. 膵 臟 ハ異 常 ヲ認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´ =8 2.尿 / 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=32 2.尿 d 38°/ 30´ =64 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 95 93 92 92 3 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 96 93 92 90 6 其 ノ2 葡 萄 状 球 菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 犬 第7號.體 重6kg,昭 和8年10月10日 午 後 3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.5cc皮 下 ニ 注 射 シ,睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ,上 腹 部 ヲGrossich氏 法 ニ依 リ十 分 消 毒 ヲ ナ シ,小 切 開 ヲ以 テ 開 腹 シ, 胃 ト十 二 指 腸 トノ間 ニ於 テ,膵 臟 ノ見 ユル 部 分 ニ, 滅 菌 「ガ ー ゼ」小 片 ヲ置 キ テ,其 ノ部 ニ,吾 人 ガ人 體 ノ急 性 腹膜 炎 ノ患 者 ヨ リ分 離 セ ル葡 萄 状 球菌 ノ 38℃, 24時 間 肉 汁培 養 セル モ ノ ヲ18cc注 射 器 ニ テ,其 ノ「ガ ー ゼ」ノ上 ニ注 入 ス.動 物 ハ術 後2時 間 許 リニ シテ麻 醉 ヨ リ覺 醉 シ,不 安 状 態 有 リシ モ, 數 時 間 ニ シテ,元 ノ元 氣 ヲ囘 復 ス. 10月14日 午前9時 開 腹 ス. 生 存 時 間: 3日18時 間 腹 腔 内所 見: 開 腹 ス ル ニ,挿 入 セ シ 「ガ ー ゼ」 ハ 大 網 ト癒 着 ス.腹 膜 ハ肥 厚,其 ノ他 ノ變 化 ヲ認 メ ズ.小 腸 ハ 互 ニ甚 ダ輕 度 ノ纎 維 性癒 着 ヲ認 ム.其 ノ他 ニ著變 ヲ認 メズ.浸 出 液 ハ 認 メ ズ. 膵 臟 ハ 一般 ニ浮 腫 ヲ認 メ,赤 色 ヲ呈 シ,甚 ダ シ ク柔 軟 ナ リ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=16 2.尿 d 38° / 30´ =32 罹 患 後 1.血 清 d 38° /30´=128 2.尿 d 38° /30´ =256 Lipaee價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 101 98 97 96 5 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 104 / / 92 12 犬 第8號.體 重5kg,昭 和8年10月12日 午 前 11時, 3% Morphium Pro kg 0.5ccノ 麻 醉 ヲ ナ シ,上 記 ノ 方 法 ニ テ,葡 萄 状 球 菌 ヲ 注 入 ス,菌 液 量18cc.試 獸 ハ 術 後1時 間 許 リ ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ
實驗的上腹部急 性腹膜 炎ニ於 ケル膵臟 ノ變化
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覺 醉 シ,甚 ダ シク不 安 状 態 ニ陷 リ,歩 行 全 ク不能 ナ リ.翌 朝 即 チ10月13日 午 前8時 甚 ダ シ ク全 身 状 態 惡 化 セ リ.依 テ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 21時 間 腹 腔 内所 見: 開 腹 ス ル ニ,腹 腔 内ハ 稍 々臭 氣 ヲ帯 ビ,腹 膜 ハ 處 々膿 苔 ヲ認 メ,小 腸 モ亦 互 ニ癒 着 シ,且 膿 苔 ヲ 認 ム.殊 ニ 上腹 部 ハ甚 ダ シ.肝 臟 膽 嚢 ハ變 化 ヲ認 メズ.大 網 ハ甚 ダ シク肥 厚 シ,處 々 出 血部 ヲ認 ム. 膵 臟 ハ肉 眼 的 ニ變 化 ヲ認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=32 2.尿 d 38° /30´ =32 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´= 256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 / 90 92 7 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 95 90 93 7 犬 第10號,體 重6kg,昭 和8年10月20日 午 後3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.6ccヲ 用 ヒ, 上 記 ノ方 法 ニ 依 リ テ,葡 萄 状 球 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液18ccヲ 上 腹 部 ニ 注 入 ス.術 後 試 獸 ハ約 1時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.甚 ダ シ ク 不 安 状 態 ニ 陷 リ,全 身 状 態 不 良 ナ リ.翌 日 即 チ10月21 日 午 前9時益 々 状 態 惡 化 シ ツ ツ ア ル ヲ 以 テ,開 腹 ス. 生 存 時 間: 18時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レ バ,腹 腔 内 ニ ハ 多 量 ノ膿 性 浸 出 液 潴 溜 ス.大 網 ハ 一 般 ニ 浮 腫 状 ニ 肥 厚 シ,出 血 ヲ認 ム. 而 シ テ 幽 門 部 ニ 存 在 ス ル 「ガ ー ゼ 」 ノ 小 片 ニ 癒 着 ス.肝,脾,其 ノ他 ノ 内 臟 諸 器 官 ニ ハ 膿 苔 ヲ 見 ズ. 腸 間 膜 ハ 一 般 ニ充 血 ス.腸 管 ノ癒 着 ヲ認 メ ズ. 膵 ハ 一 般 ニ輕 度 ニ 浮 腫 状 ニ肥 厚 シ,輕 度 ニ 赤 色 ヲ 帯 ブ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=32 2.尿 d 38°/ 30´ =32 罹 患 後 1.血 清 d 38°/30´=128 2.尿 d 38°/30´=128 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 109 105 / 101 8 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 108 103 101 99 9 犬 第11號.體 重6kg,昭 和8年11月12日 午 後4時, 3% Morphium Pro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ注 射 シ,睡 眠 ニ陷 ル ヲ待 チ テ,上 記 ノ方 法 ヲ以 テ, 上 腹 部 ニ 滅菌 「ガ ーゼ」 小 片 ト共 ニ,葡 萄 状 球菌 38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液18ccヲ 注 入 ス.動 物 ハ 術 後 約1時 間 ニ シテ,麻 醉 ヨ リ覺醒 シ,稍 々 苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス ル モ,漸 次 輕 快 シ,元 氣 トナ ル. 11月 15日 快生 ス.同 日午 後3時 開 腹 ス. 生 存 時 間: 3日 腹腔 内所 見: 開 腹 ス ル ニ,浸 出液 ハ 認 メズ.腹 膜 ニ ハ肥 厚, 膿 苔 ノ附 着 ヲ認 メ ズ.胃 腸 モ亦 稍 々輕 度 ノ纎 維 性 癒 着 ヲ認 ム ルモ,出 血,充 血,膿 苔 ノ存 在 ヲ認 メ ズ.大 網 ハ 手術 ニ際 シ テ挿 入 セ シ「ガ ー ゼ」小 片 ニ 癒 着 シ,其 ノ附 近 ハ 浮腫 性肥 厚,且 輕 度 ノ膿 苔 ノ93
附 着 ヲ證 明 ス. 膵 ニ ハ 輕 度 ノ浮 腫 ヲ認 ム ル 以 外 變 化 ヲ認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=16 2.尿 d 38°/30´=16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´ =256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 100 98 96 95 5 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff.
102 /
92 89 13
犬 第12號.體 重6.5kg,昭 和8年10月25日 午 後2時, 3% Morphium Pro kg 0.6ccヲ 用 ヒ, 睡 眠 ニ陷 ル ヲ待 チ テ,既 述 ノ方 法 ヲ以 テ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ葡 萄 状 球 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液18cc ヲ注 入 ス.術 後 動 物 ハ約1時 間 ニ シテ,麻 醉 ヨ リ 覺 醒 ス.甚 ダ シ ク苦 惱 ノ状 ヲ呈 シ,全 身 状 態 全 ク 不 良 ナ リ. 10月26日 午 前10時益 々状 態 惡 化 ス ル ヲ以 テ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 20時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レバ,多 量 ノ臭 氣 ア ル膿 性 浸 出液 潴 溜 ヲ 認 ム.大 網 ハ 甚 ダ シ ク肥 厚 シ,充 血,且 處 々膿 苔 ノ附 着 ヲ見 ル.其 ノ先 端 ハ 先 ニ挿 入 セ シ「ガ ー ゼ」 ニ 附 着 ス.胃 及 ピ小 腸 表 面 ハ 處 々輕 度 ノ膿 苔 ノ附 着 ヲ見,且 腸 間 膜 ハ 輕 度 ニ充 血 ス.肝 臟 モ下 面 ハ 輕 度 ノ膿 苔 ノ附 着 ヲ見 ル.膽 嚢 其 ノ他 ニハ 異 常 ナ シ. 膵 臟 ハ一 般 ニ赤 色 ヲ呈 ス.出 血 ハ 認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38° /30´ =32 罹 患後 1.血 清 d 38°/ 30´=256 2.尿 d 38° /30´ =128 Lipaee價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 108 104 102 100 8 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 108 102 101 98 10 其 ノ3 大 腸 菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 犬 第9號.體 重5.7kg,昭 和8年10月13日 午 後5時30分, 3% Morphium Pro kg 0.6cc皮 下 ニ注 射 シ,睡 眠 ニ陷 ル ヲ待 チ テ,上 腹 部 ヲ十分 Grossich氏 法 ニテ 消 毒 ナ シ,滅 菌 「ガ ー ゼ」小 片 ヲ 挿 入 シ,大 腸 菌38℃, 24時 間 肉 汁培 養 液 ヲ10cc 注 入 ス.動 物 ハ 約1時 間半 ニ シテ.麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ,全 身 状 態 稍 々 不良 ナ リ.翌 日 ヨ リ元 氣 稍 々 囘 復 スル モ,尚 ホ不 安 状 態 全 クハ 去 ラ ズ.食 慾 不振 時 々蹲 リテ,苦 惱 スル ガ如 シ.同 様 ナル 状 態 ナ ル ヲ以 テ10月15日 午 後2時30分 開 腹 ス. 生 存 時 間: 45時 間 腹 腔 内所 見: 開腹 スル ニ,腹 膜 ハ 一般 ニ肥 厚 シ,腹 腔 内 ニ ハ 浸 出液 ヲ認 メズ.大 網 竝 ニ胃 腸 ハ 一般 ニ 充 血 シ, 腸 間膜 ノ毛 細 血 管 ハ甚 ダ シ ク怒 張 ス.腸 管 ハ互 ニ 輕 度 ニ癒 着 ヲ見 ル有 リ.胃 ト肝 臟 ハ 互 ニ癒 着 シ, 輕 度 ニ膿 苔 ノ附 着 ヲ見 ル. 膵 臟 ハ稍 々 浮腫 様 ニ見 ユ,出 血其 ノ他 ノ著 變 ヲ 見 ズ. 94實驗的 上腹 部急 性腹膜 炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
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Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38°/ 30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=64 2.尿 d 38°/ 30´=256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 107 98 93 89 18 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 / 89 88 10 犬15號.體 重8kg,昭 和10年11月25日 午 後 3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.5ccヲ 注 射 シ, 上 記 ノ方 法 ニ テ,大 腸 菌38℃, 24時 間,肉 汁 培 養 液 ヲ 上 腹 部 ニ18cc注 入 ス.術 後 約2時 間 ニ シ テ, 麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ タ ル モ,甚 ダ シ ク 苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス. 翌 日 ニ ナ ル モ カ カ ル 状 態 消 失 セ ズ.即 チ11月26 日 午 前11時30分 開 腹 ス. 生 存 時 間: 20時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス ル ニ,少 量 ノ血 性 漿 液 性 浸 出 液 潴 溜 ス. 大 網 ハ 胃 ニ 癒 着 シ,充 血 且 肥 厚 ス.腸 ノ漿 膜 ハ 充 血 中 等 度 ニ シ テ,癒 着 ナ シ.腸 間 膜 モ 亦,毛 細 管 ノ怒 張 ヲ認 ム.カ カ ル 變 化 ハ 汎 發 的 ナ ル モ,上 腹 部 ニ 於 テ 殊 ニ 甚 ダ シ. 膵 臟 ハ 處 々 汎 發 的 ニ 點 状 ノ出 血 ヲ 認 ム.硬 度 尋 常,脂 肪 壊 死 ハ 認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38°/ 30´=16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´=256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 91 90 89 10 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 90 85 83 15 犬 第20號.體 重6kg,昭 和8年10月10日 午 後5時, 3% Morphium Pro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 ス.動 物 ノ 睡 眠 ス ル ヲ 待 チ テ,既 述 ノ 方 法 ニ ヨ リ テ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ,大 腸 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液10ccヲ 注 入 ス.動 物 ハ 術 後 約1時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.苦 惱 ノ状 甚 ダ シ ク,歩 行 ハ 全 ク 不 能 常 ニ 蹲 リ,狂 叫 ス. 10月12日 午 後5時 全 身 状 態 惡 化 シ,頻 死 ノ状 態 ニ 達 シ タ レ バ,直 チ ニ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 48時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス ル ニ,腹 腔 内 ニ ハ 浸 出 液 ノ潴 溜 ナ シ.腹 膜 ハ 稍 々 肥 厚 シ,處 々 輕 度 ニ 膿 苔 ノ附 着 ス ル ヲ 見 ル.胃 及 ビ 腸 ノ漿 膜 竝 ニ 腸 間 膜 ハ 甚 ダ シ ク 充 血 シ, 且Mattト ナ ル.處 々 輕 キ 纎 維 性 癒 着 ア リ.且 上 腹 部 ニ ハ 處 々 膿 苔 ノ附 着 ス ル ヲ 證 明 ス.肝 臟 ハ 前 面 ニ 輕 度 ノ膿 苔 ヲ 見 ル. 膵 臟 ニ ハ 著 變 ヲ 認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=8 2.尿 d 38° / 30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´ =256Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 101 97 95 93 8 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 95 90 89 10 犬 第21號.體 重9kg,昭 和8年12月27日 午 後3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.6cc皮 下 ニ 注 射 シ,動 物 ノ 睡 眠 ヲ 開 始 セ ル 後,大 腸 菌38℃, 24 時 間 肉 汁 培 養 液19ccヲ,既 述 ノ方 法 ニ テ,上 腹 部 内 ニ 注 入 ス.術 後 動 物 ハ 約1時 間 半 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.全 身 状 態 不 良 ナ リ.益 々 状 態 ハ 惡 化 シ, 全 ク 無 慾 ノ状 態 ナ リ, 12月28日 午 後1時 開 腹 ス. 生 存 時 間: 22時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス ル ニ,血 性 漿 液 性 浸 出 液 中 等 度 ニ 存 ス. 胃,腸,腹 膜,腸 間 膜 ハ 何 レ モ 充 血 シ,毛 細 管 ハ 甚 ダ シ ク擴 張 ス.大 網 モ 亦 肥 厚,充 血,處 々 出 血 有 リ.膿 苔 ハ 認 メ ズ.肝 臟 ハ 甚 ダ シ ク 赤 色 ヲ 呈 ス. 膵 臟 ハ 極 メ テ 小 サ キ,點 状 出 血 ヲ被 膜 ニ 認 ム. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=8 2.尿 d 38° /30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=256 2.尿 d 38°/ 30´ =512 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 100 92 90 89 11 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 101 93 87 86 15 其 ノ4 連 鎖 状 球 菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 犬 第18號.體 重4kg,昭 和9年1月11日 午 後 3時, 3% MorphiumヲPro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ注 射 シ,睡 眠 ニ陷 ル ヲ待 チ テ,既 述 ノ方 法 ヲ以 テ, 上 腹 部 内 ニ,連 鎖 状 球 菌38℃, 24時 間肉 汁 培 養液 15ccヲ 注 入 ス.動 物 ハ 麻 醉 ヨ リ約2時 間 ニ シテ, 覺 醒 ス ル モ,全 ク不 安 状 態 ニ陷 リ,甚 ダ シ ク苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス.カ カル 状 態 ニ少 シ モ輕 快 ス ル コ トナ ク,翌 日 トナ ル モ,全 身 状 態益 々惡 化 シ,氣 息 奄 奄 タ リ.茲 ニ於 テ, 1月12日 午 後3時 開 腹 ス. 生 存 時 間: 24時 間 腹 腔 内所 見: 開腹 スル ニ.少 量 ノ血 性 浸 出液 潴 溜 ス.大 網 ハ 中 等 度 ニ充 血 シ,處 々點 状 ノ 出血 部 位 ヲ認 ム.胃 ノ幽 門 部 及 ビ十 二 指 腸 ノ漿 膜 ハ 稍 々高 度 ニ點 状, 線 状 又 ハ 得 状 ニ出 血 シ,小 腸 壁 モ一 般 ニ充 血 ス. 腸 間 膜 ハ 一 般 ニ充 血 シ,毛 細 管 ノ擴 大 セ ル ヲ認 ム. 而 シテ 腸 管 ニ輕 度 ノ癒 着 ヲ認 ム.肝 臟 其 ノ他 ニハ 肉 眼 的 異 常 ヲ認 メ ズ. 膵 臟 ハ 一般 ニ充 血 シ,處 々米 粒 大 ヨ リ,大 豆 大 ノ出 血 部 位 ヲ證 明 ス.脂 肪 壊 死,其 ノ他 ノ病 的 所 見 ハ認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=8 2.尿 d 38°/ 30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´=512 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 96 94 92 7 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 93 88 86 12
實驗的上腹部急性腹膜炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變化
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犬 第19號.體 重5kg,昭 和9年1月14日 午 前 11時30分, 3% MorphiumヲPro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ注射 ヲナ シ,睡 眠 ニ陷 ル ヲ待 チ テ,既 述 ノ方 法 ニテ,連 鎖 状 球菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養18cc ヲ,上 腹 部 腹腔 内 ニ 注 入 ス.術 後2時 間 許 リニ シ テ,動 物 ハ 麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.然 レ ドモ,全 身 状 態 甚 ダ 重 態 ナ リ.歩 行 全 ク不 能,苦 惱 ノ状 甚 ダ シ. 1月15日 開腹 ス. 生 存 時 間: 20時 間 腹 腔 内所 見: 開 腹 スル ニ,血 性 浸 出 液 中 等 度 腹腔 内 ニ潴 溜 ス. 大 網 竝 ニ腹 膜 ハ充 血甚 ダ シ.胃 及 ビ小 腸壁 モ處 々 點 状 又 ハ 線 状 ニ出 血 シ,腸 間膜 ハ 甚 ダ シ ク充 血 ス. 肝 臟 ハ 肉 眼 的 ニ著 變 ヲ認 メ ズ. 膵 ハ稍 々充 血 ス.硬 度 普 通,其 ノ他 ニ異 常 ナ シ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38°/ 30´=32 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=256 2.尿 d 38° /30´ =512 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 96 93 90 8 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 92 88 84 15 犬 第22號.體 重5kg,昭 和9年1月13日 午 後 2時, 3% MorphiumヲPro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ 注 射 ス.動 物 ノ睡 眠 ヲ 開 始 ス ル ヲ 待 チ テ,既 述 ノ方 法 ニ ヨ リテ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ,連 鎖 状 球 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液15cc注 入 ス.動 物 ハ 術 後 約1時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ,全 身 状 態 甚 ダ 重 篤 ニ シテ,不 安 状 ニ陷 リ,狂 叫 シ,全 ク苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス. 1月14日 午 後1時益 々重 篤 トナ ル ニ氣 付 キ, 開 腹 ス. 生 存 時 間: 23時 間 腹 腔 内所 見: 開 腹 スル ニ腹 腔 内 ニハ,中 等 量 ノ血 性 浸 出液 ノ 潴 溜 ヲ 見,腹 膜,大 網,胃,腸 壁 竝 ニ腸 間 膜 ハ 甚 ダ シ ク充 血 シ,又 點 状,線 状,又 ハ帯 状 ノ出 血 ヲ 交 ヘテ,陸 離 タル紋 理 ヲ現 ス,一 般 ニ漿 膜 ハ特 有 ノ光澤 ヲ消失 シ, Mattト ナ ル.腸 管 ニ ハ癒 着 又 ハ 膿 苔 ノ存 在 ヲ見 ズ.肝 臟 ニ ハ表 面 ニ極 メテ輕 度 ノ 膿 苔 ノ存 在 スル ヲ認 ム. 膵 臟 ハ汎 發 的 ニ充 血 シ,且 到 ル處,米 粒 大 乃 至 粟 粒 大 ノ出 血 ヲ認 ム.硬 度 ハ稍 々増 加 ス ル モ ノ ノ 如 シ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d38°/ 30´=8 2.尿 d 38°/ 30´ =16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=256 2.尿 d 38° /30´ =1024 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 100 96 95 93 7 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 101 93 88 86 15 犬 第23號.體 重5kg,昭 和9年1月16日 午 後 1時30分, 3% Morphium Pro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,睡 眠 ヲ 開 始 ス ル ヲ 待 チ テ,既 述 ノ方 法 ニ ヨ リ テ,連 鎖 状 球 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液 17ccヲ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ 注 入 ス.術 後 動 物 ハ 約1 時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス ル モ,全 身 状 態 甚 ダ重 篤 ナ リ. 1月17日 午 前9時30分 開 腹 ス. 生 存 時 間: 20時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス ル ニ少 量 ノ血 性 浸 出 液 潴 溜 ス.大 網 ハ 甚 ダ シ ク充 血 シ,處 々大 豆 大 ノ出 血 ヲ認 メ.一 般 ニ 肥 厚 ス.膿 苔 ヲ認 メズ.腹 膜 ハ膿 苔 竝 ニ肥 厚 ハ 認 メザ ル モ,一 般 ニ 特 ニ上 腹 部 ニ於 テ,線 状 ノ出 血 多 シ.胃,腸 竝 ニ 腸 間膜 ハ,其 ノ毛 細 管 ハ擴 大 シ, 又 處 々點 状 出 血 ヲ多 數 ニ認 ム.膿 苔,癒 着 ハ 見 ズ. 肝 臟 ハ變 化 ヲ認 メズ. 膵 臟 ハ稍 々 一般 ニ充 血 ス. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=8 2.尿 d 38°/ 30´=16 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´=128 2.尿 d 38°/ 30´ =256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 99 96 94 92 7 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 93 87 85 13 其 ノ5 Welch-Frankel菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 犬 第24號.體 重4.8kg,昭 和8年11月20日 午 前11時, 3% MorphiumヲPro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,既 述 ノ方 法 ニ テ,上 腹 部 ニW. F.菌 38℃, 20時 間,肝 臟 肝 臟 肉 汁 液20ccヲ,滅 菌 「ガ ー ゼ 」 小 片 ト共 ニ 入 レ ル.術 後 動 物 ハ 約1時 間 半 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ,甚 ダ シ ク 苦 惱 ノ状 ヲ呈 ス.常 ニ 臥 床 シ,歩 行 全 ク 不 能 トナ ル.殆 ド無 慾 ノ状 トナ ル.全 身 状 態益 々 惡 化 ス ル ニ依 リテ,同 日午 後7時 開 腹 ス. 生 存 時間: 8時 間 腹 腔 内所 見: 開 腹 ス ル ニ,腹 腔 内 ニハ 多 量 ノ血 性浸 出液 潴 溜 シ,大 網 ハ甚 ダ シ ク充 血 シ,處 々 點 状 ノ出 血 ヲ認 ム.胃 及 ビ腸 壁 ハ其 ノ 特有 ナ ル 光 澤 ヲ 消 失 シ, Mattト ナ リ,汎 發 的 ニ充 血 ス.腸 間 膜 モ亦 甚 ダ シ ク充 血 ス.然 レ ドモ,脂 肪 組 織 壊 死 ハ 認 メ ズ.癒 着 ナ シ.肝 臟,膽 嚢 其 ノ他 ニハ 著變 ナ シ. 膵 臟 ハ肉 眼 的 ニ變 化 ヲ認 メズ. Diastase價 正常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38°/ 30´ =16 罹 患後 1.血 清 d 38°/ 30´=1024 2.尿 d 38°/ 30´ =4096 Linase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 93 90 / 88 5 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 91 84 77 75 16 犬 第25號.體 重6.2kg,昭 和8年11月15日 午 後3時30分. 3% Morphium Pro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ,既 述 ノ方 法 ニ テ 「ガ ー ゼ 」小 片 ト共 ニW. F.菌38℃, 20時 間,肝 臟 肝 臟 肉 汁 培 養 液18ccヲ 注 入 ス. 動 物 ハ 術 後 約2時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 セ ル モ,全 身 状 態 ハ 甚 ダ シ ク 不 良 ナ リ. 11月16日 午 後7時,全 ク 全 身 態 状 不 良 ト ナ リ タ ル ヲ 以 テ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 27時 間30分 98
實驗的上腹部急性腹膜 炎 ニ於 ケル膵臟 ノ變 化
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腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レ バ,多 量 ノ 血 性 浸 出 液 ノ潴 溜 ヲ認 ム. 大 網 ハ 充 血 シ,處 々 點 状 ノ 出 血 ヲ認 ム.胃,腸 ハ 甚 ダ シ ク 充 血 シ, Mattト ナ リ,腸 間 膜 ハ 高 度 ノ 充 血 ヲ認 ム.肝 臟,膽 嚢 ニ ハ 病 的 變 化 ヲ認 メ ズ. 膵 臟 ハ 一 般 ニ充 血 シ,處 々 小 豆 大 ノ出 血 部 ノ存 在 セ ル ヲ認 ム. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38°/ 30´=16 2.尿 d 38°/ 30´ =16 罹 患後 1.血 清 d 38°/ 30´=1024 2.尿 d 38°/ 30´ =8092 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 92 88 / 86 6 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 93 / / 80 13 犬 第26號.體 重7.5kg,昭 和8年11月18日 午 後3時30分, 3% Morphium Pro kg 0.6cc注 射 ノ下 ニ,睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ,既 述 ノ方 法 ニ テ, 上 腹 部 内 ニ, W. F.菌38℃, 20時 間,肝 臟 肝 臟 肉 汁 培 養 液17.2ccヲ 注 入 ス.動 物 ハ 術 後1時 間 ニ シ テ,麻 醉 ヨ リ覺 醒 シ,甚 ダ シ ク苦 惱 ノ状 ヲ 呈 ス. 全 身 状 態 甚 ダ 不 良 ナ リ. 11月19日 午 後2時30分 状 態 甚 ダ シ ク 惡 化 シ 來 ル ヲ 以 テ 開 腹 ス. 生 存 時 間: 23時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レ バ,血 性 浸 出 液 多 量 ニ 潴 溜 ス.大 網 ハ 甚 ダ シ ク 充 血 シ,又 出 血 部 多 シ.胃 及 ビ 腸 ハ 癒 着 ハ 認 メザ ル モ,漿 膜 ニ ハ 到 ル 處 帯 状,線 状 ノ 出 血 ヲ認 ム.腸 間 膜 モ 亦 甚 ダ シ ク 充 血 ス.肝 臟 其 ノ 他 ノ内 臟 諸 器 官 ニハ 異 常 ヲ認 メ ズ. 膵 臟 ハ 到 ル處 ニ粟 粒 大 ヨ リ,米 粒 大 ノ出 血 ヲ認 ム.又 線 状 ニ走 ル出 血 ヲ認 ム ル處 モ 有 リ.硬 度 ハ 變 化 セ ズ.脂 肪組 織 壊 死 其 ノ他 ノ變 化 ハ 認 メ ズ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /30´=32 2.尿 d 38°/ 30´=64 罹 患後 1.血 清 d 38°/ 30´=256 2.尿 d 38°/ 30´ =256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 100 / 95 93 7 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 98 92 88 83 15 犬 第27號.體 重7kg,昭 和8年12月3日 午 後 2時, 3% Morphium Pro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ,既 述 ノ方 法 ニ テ,上 腹 部 腹 腔 内 ニ, W. F.菌38℃, 20時 間,肝 臟 肝 臟 肉 汁 培 養 液 ヲ18cc注 入 シ,動 物 ハ 術 後 約2時 間 ニ シ テ 麻 醉 ヨ リ覺 醒 ス.食 慾 無 ク,常 ニ 蹲 リ,全 身 状 態 甚 ダ 重 篤 ナ リ.翌 日12月4日 正 午 頻 死 ノ 状 ニ陷 ル ヲ 以 テ,開 腹 ス. 生 存 時 間: 22時 間 腹 腔 内 所 見: 開 腹 ス レ バ,多 量 ノ血 性 浸 出 液 潴 溜 ス.而 シ テ 大 網 ハ 甚 ダ シ ク 充 血 シ,汎 發 的 ニ 強 度 ノ 出 血 ヲ 伴 フ.胃 及 ビ 小 腸 等 ノ壁 ハ 充 血 シ,且 汎 發 的 ニ 線 状, 帯 状 ノ出 血 ヲ 認 メ,陸 離 タ リ.腸 間 膜 ハ,其 ノ毛 細 管 甚 ダ シ ク 怒 張 ス.何 レ モ 之 等 ノ 漿 膜 ハ,其 ノ 特 有 ナ ル 光 澤 ヲ 消 失 シMattナ リ.腸 管 相 互 ノ癒 着 ハ 認 メ ズ.膵 臟 ハ 汎 發 的 ニ,米 粒 大 乃 至 大 豆 大 ノ 出 血 ヲ 認 ム.硬 度 ニ ハ 異 常 ナ シ. Diastase價 正 常 時 1.血 清 d 38° /3 0´=8 2.尿 d 38° /30´ = 32 罹 患 後 1.血 清 d 38°/ 30´ =128 2.尿 d 38°/ 30´=256 Lipase價 正 常 時 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 93 90 89 87 6 罹 患 後 3´ 30´ 60´ 90´ Diff. 92 82 78 75 17 第5章 總 括 竝 ニ 考 案 以 上 記 載 セ ル 諸 成 績 ヲ 總 括 シ,其 ノ結 果 ヲ 次 ニ 列 擧 ス レ バ次 ノ如 シ. (1)胃 體 部 及 ビ 幽 門 部 ノ穿 孔 實 驗 用 犬 トシ テ ハ,體 重4.7-5kgノ 正 常 健 康 ナ ル ヲ 用 ヒ, 3% MorphiumヲPro kg 0.5ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ, 無 菌 的 ニ 開 腹 シ,胃 ノ 前 壁,大 彎 ニ接 シ テ,又 幽 門 部 ノ 下 面 竝 ニ 前 面 ニPaquelin氏 灼 熱 器 ニ テ 穿 孔 シ,中 ニ 護 謨 管 ヲ 挿 入 シ,胃 及 ビ十 二 指 腸 ノ 内 容 物 ノ 流 出 ニ 便 ナ ラ シ ム.動 物 ハ 最 短16時 間 半 ニ シテ 頻 死 ノ状 ヲ 呈 シ(Nr. 3), 最 長 ハ4日(Nr. 2)ニ 及 ブ モ 尚 ホ 生 存 セ ル ヲ 以 テ,何 レモ 開 腹 セ リ.何 レ ノ例 ニ於 テ モ 共 通 シ テ 顯 著 ナ ル 變 化 ハ,大 網 ハ 浮 腫 状 ニ 肥 厚 シ,多 ク ノ 場 合,穿 孔 部 位 ト癒 着 シ,其 ノ 周 圍 ハ膿 苔 ノ 附 着 ヲ 見 ル.又 穿 孔 部 位 ハ,其 ノ
周 圍 臟 器 組 織 ト癒 着 ス.小 腸 ハ 何 レモ,互 ニ
輕 キ纎 維 素 性 癒 着 ヲ見 ル.腹 膜 ハ 處 々輕 キ膿
苔 ノ附着 ヲ 見 ル モ,出 血 其 ノ他 ノ變 化 ハ ナ シ.
肝 臟 ハ下 面 ノ部 ニ於 テ輕 度 ノ膿 苔 ノ附 着 ヲ見
ル. 膵 臟 ハ 一 般 ニ 肉 眼 的 ニ變 化 ヲ認 メ ス. 今 次 ノ如 ク之 等 ノ諸 成 績 ヲ 簡 單 ニ 表 示 ス ベ シ(第1, 2表 参 照). 第1表 胃 體 部 及 ビ幽 門 部 穿 孔 ノ際 ノDiastase價 第2表 胃 體 部 及 ビ幽 門 部 穿 孔 ノ際 ノ atoxylfeste Lipase價 (平 均値 ハ小 數 以 下 四捨 五入) (2)葡 萄 状 球 菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 實 驗 用 犬 ト シ テ ハ,體 重5-6.5kgノ 健 康實 驗 的 上 腹 部急 性腹 膜 炎 ニ於 ケル 膵 臟 ノ變 化 277 正 常 ナ ル 犬 ヲ 用 ヒ, 3% Morphium Pro kg 0.5-0.6ccヲ 注 射 シ,睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ,無 菌 的 ニ 上 腹 部 ニ 小 切 開 ヲ以 テ,腹 腔 内 ニ滅 菌 「ガ ー ゼ 」小 片 ト共 ニ,葡 萄 状 球 菌38℃, 24時 間,肉 汁 培 養 液18ccヲ 注 入 ス.動 物 ハ 最 短 18時 間 ニ シ テ 頻 死 ノ状 トナ リ,長 キ ハ4日 ニ 至 ル モ 尚 ホ 生 存 ス.之 等 ヲ 開 腹 シ檢 セ ル ニ, 大 多 數 ノ 例 ニ 於 テ 少 量 又 ハ 多 量 ノ 膿 性 浸 出 液 ノ 潴 溜 ヲ 認 ム.中 ニ ハ 臭 氣 ヲ 帯 ブ ル モ ノ ア リ. 大 網 ハ 一 般 ニ 強 度 ニ 肥 厚 シ,充 血 シ,且 膿 苔 ノ 附 着 強 シ.大 多 數 ニ於 テ,已 ニ 挿 入 セ ル 「ガ ー ゼ 」 小 片 ト癒 着 シ,其 ノ附 近 ニ膿 瘍 ヲ 形 成 ス ル モ ノ ア リ.胃 及 ビ腸 壁 ハ 處 々 輕 度 ノ 膿 苔 ヲ 認 ム.腸 間 膜 ハ 一 般 ニ 充 血 ス.肝,膽 嚢, 脾 等 ハ 一 般 ニ 肉 眼 的 ニ 變 化 ヲ 認 メ ズ.膵 臟 ハ 浮 腫 状 ニ 肥 厚 セ ル モ ノ ア リ.又 輕 度 ニ赤 色 ヲ 帯 ブ ル モ ノ ア リ.但 シ一 般 的 ニ 肉 眼 的 ノ變 化 ヲ認 メ ザ ル モ ノ 多 シ. 今 次 ニ 之 等 ノ諸 成 績 ヲ簡 單 ニ 表 示 ス ベ シ (第3, 4表 参 照). 第3表 葡 萄 状 球 菌 注 入 ノ 際 ノDiastase價 第4表 葡 萄 状 球 菌 注 入 ノ際 ノ atoxylfeste Lipase價 (3)大 腸 菌 注 入 ニ 於 ケ ル 變 化 實 驗 用 犬 ト シ テ ハ,體 重5.7-9kgノ 健 康 正 常 ナ ル 犬 ヲ 用 ヒ, 3% Morphium Pro kg 0.5-0.6ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,動 物 ノ睡 眠 ニ 陷 ル ヲ 待 チ テ,無 菌 的 操 作 ノ下 ニ,上 腹 部 腔 内 ニ,大 腸 菌38℃, 24時 間 肉 汁 培 養 液10-18ccヲ,滅 菌 「ガ ー ゼ 」小 片 ト共 ニ注 入 シタ ル ニ,動 物 ハ 最 短20時 間 ニ シ テ 頻 死 ノ状 態 ニ 達 ス.長 キ モ48時 間 ニ シ テ 何 レ モ 全 身 状 態 甚 ダ 重 篤 ナ リ. 開 腹 シ見 ル ニ,少 量 ノ 血 性 漿 液 性 浸 出 液 ノ 潴 溜 セ ル モ ノ ア リ.胃,腸 壁,腸 間 膜 等 ハ 一 般 ニ 輕 度 又 ハ 中 等 度 ノ 充 血 ヲ 認 メ,中 ニ ハ 漿 膜 ハ 其 ノ光 澤 ヲ 消 失 シ,甚 ダ シ クMattト ナ ル モ ノ ア リ.殆 ド何 レ モ,腸 管 ハ 輕 度 ノ纎 維 素 性 癒 着 ヲ 認 メ,カ カ ル 變 化 ハ 上 腹 部 ニ特 ニ 甚 ダ シ.肝,脾 等 ハ 變 化 ヲ認 メ ズ.膵 臟 ハ 一 般 ニ稍 々浮 腫 状 ナ ル モ, Nr. 15ノ 例 ニ 於 テ ハ 汎 發 的 ニ極 メ テ 小 サ キ 點 状 ノ 出 血 ヲ被 膜 ニ 認 ム.其 ノ他 ニ ハ 變 化 ヲ認 メ ズ. 101
今 次 ニ 之 等 ノ諸 成 績 ヲ 簡 單 ニ表 示 ス ベ シ (第5, 6表 参 照). 第5表 大 腸 菌 注 入 ノ際 ノDiastase價 第6表 大 腸 菌 注 入 ノ 際 ノ atoxylfeste Lipase價 (4)連 鎖 状 球 菌 注 入 ニ於 ケ ル 變 化 實 驗 用 犬 ト シ テ ハ,體 重4-5kgノ 健 康 正 常 ナ ル 犬 ヲ 用 ヒ, 3% MorphiumヲPro kg 0.6ccヲ 皮 下 ニ 注 射 シ,動 物 ノ 睡 眠 ニ陷 ル ヲ 待 チ テ,無 菌 的 操 作 ノ下 ニ,上 腹 部 腔 内 ニ 滅 菌 「ガ ー ゼ」小 片 ト共 ニ,連 鎖 状 球 菌38℃, 24 時 間 肉 汁 培 養 液 ヲ15-18cc注 入 ス.動 物 ハ 何 レ モ 重 篤 ナ ル 症 状 ヲ呈 シ,最 モ 短 キ ハ20時 間,長 ク トモ, 24時 間 ニ シ テ 全 ク頻 死 ノ状 態 トナ ル.茲 ニ 於 テ 之 ヲ 開 腹 ス. 全 例 ニ 於 テ 腹 腔 内 ニ 血 性 浸 出 液 ノ 潴 溜 ヲ 認 メ,大 網 甚 ダ シ ク充 血,且 點 状 ノ 出 血 甚 グ シ. 胃,腸 管 ノ漿 膜 ハ 點 状 又 ハ 帯 状 ノ 出 血 甚 グ シ ク,カ カ ル 出 血 ノ現 象 ハ 汎 發 的 ナ ル モ,殊 ニ 上 腹 部 即 チ 十 二 指 腸 又 ハ 幽 門 部 ニ 近 ヅ ク ニ從 ヒ,其 ノ程 度 ハ 強 シ.腸 間 膜 ハ 極 メ テ 強 ク充 血 シ,夫 等 ノ漿 膜 ハ 其 ノ光 澤 ヲ 失 ヒMattト ナ ル.癒 着 ハ 殆 ドナ シ.又 膿 苔,膿 瘍 等 ハ之 ヲ認 メ ズ.肝 脾 等 ニ ハ 肉 眼 的 ニ ハ變 化 ヲ 認 メ ズ.膵 ハ 一 般 ニ 充 血 シ,中 ニ ハ 米 粒 大 乃 至 大 豆 大 ノ 出 血 ヲ 認 ム. 今 次 ニ之 等 ノ諸 成 績 ヲ 簡 單 ニ 表 示 ス(第7, 8表 参 照). 第7表 連 鎖 状 球 菌 注 入 ノ 際 ノDiastase價 第8表 連 鎖 状 球 菌 注 入 ノ 際 ノ atoxylfeste Lipase價 102
