AWGN通信路の通信路容量に迫る符号化と変調に関す る研究
著者 小川 陽平
URL http://hdl.handle.net/10236/6499
2009 年度 修士論要旨
AWGN 通信路の通信路容量に迫る符号化と変調に関する研究
関西学院大学大学院理工学研究科 情報科学専攻 井坂研究室 小川 陽平
シャノンの通信路符号化定理によれば,無記憶通信路の通信路容量より小さいレート(情報速度)で何らかの符 号化を行なうことにより,誤り率が任意に小さいメッセージの伝送が可能とされている.このため, 通信路容量に 迫る具体的な符号化, 及び伝送の方式を構成することは情報理論における長年の重要な課題になっている.
その中でも平均送信電力に制約のある加法的白色ガウス(Additive White Gaussian Noise: AWGN)通信路に 対する符号化の問題については,離散的な(通信路)入力アルファベットに対して有限体上の線形符号を用いる 手法が理論及び実用の両面から研究されてきた.
しかし, AWGN通信路の通信路容量を達成するような符号を実数体上で直接構成することは非常に困難である 為,通常は実用的で利便性が高い,誤り訂正符号化された2元(0と1から構成されている)系列を離散的な送信信 号に変換して送信を行なう方法を採る(これを変調と呼ぶ).
しかし,上記のような変調を行った場合の通信路容量は, AWGN通信路の通信路容量と比べて劣化が生じるとい う特性を持つ.この問題を解決する一手法として,多次元信号空間において信号点集合が占める領域を超球に近い 形状とすることが有効であり,そのための操作は一般にシェーピングと総称される.この中でも,低次元の信号空 間においてガウス分布を模した離散型確率分布に従う入力アルファベットを構成する手法を本稿では考えることと し,既存研究に倣ってこれをコンステレーション・シェーピング(constellation shaping: CS)と呼ぶこととする.
本研究では上記CSを用い, 加法的白色ガウス雑音通信路の通信路容量に迫る符号化,変調の方式について検討 する.その上で情報速度に関して優れる通信路入力アルファベットの設計を行い,低密度パリティ検査符号を用 いたときの反復復号・復調特性を評価する.