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2 修士課程・博士課程の教育内容・方法等

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(1)

目標:本大学院の目的を達成するために必要なカリキュラムの編成と、効果的な教育方法が実施する。

さらに十分な成果をあげられるよう常に改善を図り、教育・研究指導体制を強化する。

1.教育課程等

1)大学院研究科の教育課程

(1) 大学院研究科の教育課程と各大学院研究科の理念・目的並びに学校教育法第 65 条、大学院設置 基準第3条第1項、同第4条第1項との関連

【現状の説明】

本大学院の教育課程は区分制で、2年と3年の別個の課程になっている。博士後期課程は1997年度 に改定されたカリキュラムを、修士課程は2005年度に改定および専攻を増設したカリキュラムを実施 している(表1、2)。

表1 博士課程カリキュラム

単 位 数

分野

授 業 科 目

必修 選択

理 論 看 護 学 1

看 護 学 方 法 論 3

心 理 学 方 法 論 1

社 会 学 方 法 論 1

基 礎 医 学 方 法 論 1

高 等 統 計 学 1

特 論 2

基 礎 看 護 学

演 習 2

特 論 2

看 護 教 育 学

演 習 2

特 論 2

小 児 看 護 学

演 習 2

特 論 2

母 性 看 護 ・

学 演 習 2

特 論 2

成 人 看 護 学

演 習 2

特 論 2

老 年 看 護 学

演 習 2

特 論 2

精 神 看 護 学

演 習 2

特 論 2

地 域 看 護 学

演 習 2

特 論 2

看 護 管 理 学

演 習 2

看 護 学 特 別 演 習 2 看 護 学 特 別 研 究 6

履修方法 1.必修科目

「看護学方法論」 3 単位

「専攻する分野の特論」 2 単位

「看護学特別演習」 (研究計画書) 2 単位

「看護学特別研究」 (博士論文) 6 単位 基盤分野より看護学方法論以外に 1 単位

合計 14単位

2.選択科目

希望により必修科目以外の授業科目を選択履修 することができる。

2 修士課程・博士課程の教育内容・方法等

(2)

表2 博士前期課程(修士課程) 授業科目一覧 看護学専攻

修論コース 上級実践コース 修論コース 上級実践コース

単位数 単位数 単位数 単位数

授 業 科 目

必修 選択 必修 選択

授 業 科 目

必修 選択 必修 選択

応用形態機能学 2 2 特論Ⅰ 2 2

病態生理学 2 2 特論Ⅱ 2 2

特 論 2 2 特論Ⅲ 2

看護心理学

演 習 2 2 演習Ⅰ 2 2

特 論 2 2 演習Ⅱ 2 2

看護社会学

演 習 2 2

老年看護学

演習Ⅲ 2 2

看護学研究法 2 *2 特論Ⅰ 2 2

看護理論 2 *2 特論Ⅱ 2 2

看護倫理 2 *2 特論Ⅲ 2

看護情報学 2 2 演習Ⅰ 2 2

応用統計学 2 2 演習Ⅱ 2 2

フィジカルアセスメント 2 2

精神看護学

演習Ⅲ 2 2

特別講義(健康教育) 1 1 特論Ⅰ 2 2

特 論 2 特論Ⅱ 2 2

特 論 2 特論Ⅲ 2

演 習 2 演習Ⅰ 2 2

演 習 2 演習Ⅱ 2 2

基礎看護学

演 習 2

国際看護学

演習Ⅲ 2 2

特 論 2 特論Ⅰ 2 2

特 論 2 特論Ⅱ 2 2

演 習 2 特論Ⅲ 2

演 習 2 演習Ⅰ 2 2

看護技術学

演 習 2 演習Ⅱ 2 2

特論 2 *2

地域看護学

演習Ⅲ 2 2

特論 2 2 特論Ⅰ 2 2

演習 2 特論Ⅱ 2 2

演習 2 特論Ⅲ 2

看護教育学

演習 2 演習Ⅰ 2 2

特論 2 2 演習Ⅱ 2 2

特論 2 2

在宅看護学

演習Ⅲ 2 2

特論 2 特論Ⅰ 2 *2

演習 2 2 特論Ⅱ 2 2

演習 2 2 特論Ⅲ 2

小児看護学

演習 2 2 演習Ⅰ 2 2

特論 2 2 演習Ⅱ 2 2

特論 2 2

看護管理学

演習Ⅲ 2 2

特論 2 特別看護研究 8

演習 2 2 6

演習 2 2 課 題 研 究 2

成人看護学

(急性・慢性)

演習 2 2

特論 2 2

特論 2 2

特論 2

演習 2 2

演習 2 2

がん看護学・

緩和ケア

演習 2 2

上級実践コースの必修科目は*印の中より8単位以 上を選択

ウィメンズヘルス・助産学専攻の専門分野の科目を 10 単位を超えない範囲で履修することができる。

(3)

ウィメンズヘルス・助産学専攻

修論コース 上級実践コース 単位数 単位数 授 業 科 目

必修 選択 必修 選択 応用形態機能学 2 2

病態生理学 2 2

特 論 2 2 看護心理学

演 習 2 2 特 論 2 2 看護社会学

演 習 2 2 看護学研究法 2 2 分 看護理論 2 2 看護倫理 2 2 野 応用統計学 2 2

看護情報学 2 2 フィジカルアセスメント 2 2 特別講義(健康教育) 1 1 特論Ⅰ 2 2 特論Ⅱ 2 2 特論Ⅲ 2 演習Ⅰ 2 2 演習Ⅱ 2 2 ウィメンズヘルス

演習Ⅲ 2 2 特論Ⅰ 2 2 特論Ⅱ 2 2 特論Ⅲ 2 特論Ⅳ 2 特論Ⅴ 2 演習Ⅰ 2 2 演習Ⅱ 2 2 演習Ⅲ 2 2 演習Ⅳ 2 助 産 学

演習Ⅴ 2 特 論 2 2 国際協働論

演 習 2 2 特 論 2 2 コミュニティ論

演 習 2 2 特 論 2 2 サービス

マネジメント論 演 習 2 2 特別看護研究 8

実 習 6

課 題 研 究 2

看護学専攻の専門分野の科目を10単位を 超えない範囲で履修することができる。

(4)

本学の創立の理念と目的は「本学は基督教精神を基盤として、看護保健の職域に従事する看護専門 指導者の育成を目的とする」と学則第 1 条に明記されている。大学院においてもこの建学の精神に則 った本学大学院の理念および目的を、聖路加看護大学大学院学則第 1 条に「建学の精神にのっとり看 護学の理論および応用を教授研究し、深奥な学識と高度な実践・研究能力を養い、文化の進展に寄与 することを目的とする」と明記している。

【点検・評価】

本学の理念および目的は、学校教育法第65条、大学院設置基準第3条第1項、同第4条第1項と合 致するものであり、創立者の強い意図により明確に示されており、現在も変わらず継承されている。

また、理念、目的は学則、学生便覧に記載され、折あるごとに学生、教職員に伝えられている。

創立から今日まで、キリスト教精神に基づき、一貫して看護教育を行い、看護の指導者を育成して きた。このことは、本学の修了生の看護界における活動からも明らかであるといえる。明確な理念と 目的をもち、それが全学に浸透できる小規模な大学であり、理念を生かした環境の中で教育、研究活 動ができることは長所であるといえる。

問題点としては、他大学でも大学院が増設され、看護系大学院への社会の要請も多岐にわたってき ている状況の中で、創立の理念に沿った働きを続けるために、単科大学の小規模校としてどこまで展 開していけるかである。

【将来の改善・改革に向けた方策】

他大学でも大学院が増設されていく状況にあって、本大学院では、2000年に大学院開設20周年を記 念する行事の計画とともに、「大学院将来構想プロジェクト」を立ち上げた。これまでの20年の足跡を 振り返り、今後の方向性、発展性を検討した結果、大学院の拡充が提案され、専攻分野の拡大、助産 師養成課程の内容を含めた大学院教育、社会人入学プログラムの開発が提案され検討された。

その結果、2002年度より博士後期課程社会人入学開始、2004年度修士課程社会人入学開始、2005年 度修士課程ウィメンズヘルス・助産学専攻増設とともに修士課程カリキュラムの改定を行った。今後 は多様な背景をもった学生に本学の理念をいかに明確に伝え継承していくかについて検討していく必 要がある。

(2) 「広い視野に立って清深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する 職業等に必要な高度の能力を養う」という修士課程の目的への適合性

【現状の説明】

本学大学院学則第2条第4項により、「修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、看護学 の分野における研究能力または高度の専門性を要する看護の実践および看護教育に携わる者等に必要 な高度の能力を養うものとする」と明記されている。この目的のもとに、修士課程では、研究能力の 開発と高度な職業能力の開発の2つの目的に分けて、修士論文コースと上級実践コースを設けている。

修士論文コースでは、自分の興味あるテーマを選び、研究を進めて修士論文を作成する。上級実践コ ースでは、スペシャリストとして機能することができるように、より専門性を深めた患者ケアの実践 を学ぶために、6単位の実習を行い、課題研究の提出が課せられている。このコースは、日本看護協 会が認定するCNS(専門看護師)制度の発足に連動し、その受験資格に相当する教育内容を含んでい る。

(5)

【点検・評価】

本学は1980年に看護学研究科としては全国で2番目、私立大学では初めての修士課程を設置した。

2006年3月までに363名の修士を世に送り出している。本学の修了生たちは、全国の大学で教員として、

研究者として活躍している一方、わが国の139名(2006年5月現在)の専門看護師のうち約4分の1が 本学の修了生であり、高度な実践家として活躍もしている。このような面からも、本学の目的は、十 分に果たされているといえるだろう。

CNS(専門看護師)制度の発足に伴い、いちはやくCNSコースを開始し、さらに2005年度には基盤 分野を強化し、看護専門分野を細分化した新カリキュラムを開始した。また、同年にウィメンズヘル ス・助産学専攻を増設し、より特性を活かしたカリキュラムを組み立て、研究者、教育者の育成とと もに、高度な専門職業人の育成に貢献している点は長所と考えられる。問題点としては、修士論文コ ース、上級実践コースとも同じ教員が指導を受け持つ状況にあるので、教員の負担についても検討す る必要がある。

【将来の改善・改革に向けた方策】

日本看護系大学協議会の専門看護師教育課程の認定については、10年ごとの認定更新が必要である。

2007年度より順次この更新申請に該当するので、更新申請の準備とともに現在の課程の見直し、さら に新たな課程の課程認定の可能性をさぐり、効果的なカリキュラムの実施をめざす。

(3) 「専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業 務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養う」という博士課程の 目的への適合性

【現状の説明】

本学大学院学則第2条第5項により、「博士後期課程は、看護学の分野における研究者として自立 して研究活動を行うに必要な高度の研究能力およびその基礎となる豊かな学識を養うものとする」と 明記されている。この目的のもとに博士後期課程では、カリキュラムを基盤分野と専門分野に大別し、

基盤分野では、専門分野での研究を支える教科目を開設して、理論や研究方法を学び、専門分野では、

興味あるテーマに沿ってそれぞれ課題を深め、看護学特別演習(研究計画書)および看護学特別研究

(博士論文)につなげていく。

【点検・評価】

本学の博士後期課程は、1988年に日本初の看護学研究科博士後期課程として開設され、2006年3月 までに46名の博士を世に送り出している。

本学の修了生たちは、質の高い看護を提供できる実践者として、看護教育の指導者として社会の高 い評価を得ている。2003年度には、21世紀COEプログラム「市民主導型の健康生成をめざす看護形成 拠点」が採択され、本学大学院博士後期課程の実績が証明され、目的を果たしてきたと評価される。

博士後期課程開設から現在まで、この分野の日本における先駆者として、指導者を世に送り社会に貢 献してきたが、今後さらに世界に通用する人材を育成し、世界に向けて情報を発信する研究機関とし ての方策を検討していく時期にきている。

【将来の改善・改革に向けた方策】

2003年度に採択された21世紀COEプログラム「市民主導型の健康生成をめざす看護形成拠点」は5

(6)

年間のプログラムである。このプログラムで計画実施されているさまざまな試みを、今後は本学独自 の方法でどのように継続していくか検討していく。

(4) 学部に基礎を置く大学院研究科における教育内容と、当該学部の学士課程における教育内容の 適切性及び両者の関係

【現状の説明】

本学の学部教育の目的は、豊かな教養と感性を備えた人間形成の追及と、看護専門職者としての成 長であり、それがかなうようにカリキュラムを組んでいる。学部の教育は看護学の基礎教育なので、

将来どの方向に進むにしても必要な看護学の核になるものを学べるように考えられている。

看護学の分野においては、社会の変動や疾病構造の変化、さらに医学などの関連領域の進歩に伴っ て、その領域が拡大し、また専門化しつつある。このような時代にあって看護に求められる役割は重 く、学部での基礎知識だけでは専門家や研究者を育成するには不十分になっている。本学の修士課程 では、看護学の基礎を修めた者を対象に看護学の分野における高度な専門性を要する看護実践や、看 護教育に携わる人材の育成および研究能力の開発に努めている。

さらに、博士後期課程では、看護学の分野における研究者として自立して研究活動を行うに必要な 高度の研究能力および基礎となる豊かな学識を備えた人材を育成することを目的としている。

なお、本学は看護学部を基礎におき、大学院は看護学研究科ひとつの単科大学であり、看護専門家 育成というキャリアパスが見えやすい。学部約340名に対して、大学院約110名という、学部対大学院 の比率が3対1と院生の比率が高い。小規模の利点を生かし、大学院教育による知的財産は全学共有 のものとなり、学部教育にも波及効果があるといえる。

【点検・評価】

学部では基礎教育を修め、大学院では高度な専門性を要する看護実践や看護教育・研究に携わる人 材の育成を目的に掲げ、それぞれを学則で明記し、大学案内、学生便覧にも提示している。また本学 の学生のみならず、学外にも情報公開をしている。

学部と大学院修士課程と博士後期課程の目的が一貫しており、カリキュラムについてもその目的の もとに作成され、時代の変遷とともに適切な改定を行ってきていることは長所といえる。2005年度に 改定され修士課程の新カリキュラムにより臨床家と研究者の育成のコースがより明確になり、効果的 な教育を展開しているのは評価できる。

従来は学部から大学院へ直接進学することより、現場での実践経験を奨励していたが、直接進学に より知識量・技術量共に優れた人材として、修士の修了生を現場に送る試みを始めたところである。

その成果が今後問われるところであり、検討していくべき課題である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

学部から大学院へ直接進学した学生の追跡調査を行うこと、また、直接進学を促進する活動も必要 であり、学内推薦制度を検討している。今後とも時代の変遷に則したカリキュラムを、一貫性をもっ て検討、実施していく。

(5) 修士課程における教育内容と、博士後期課程における教育内容の適切性及び両者の関係

【現状の説明】

(7)

修士課程におけるカリキュラムと博士後期課程におけるカリキュラムは、ともに1997年度に改定さ れた。その後、修士課程については2005年度より新しいカリキュラムを実施し現在に至っている。専 門領域の区分は、博士後期課程は9領域であるが、修士課程はその9領域をさらに細分化したものと なっている。修士課程で培った高度な専門性を博士後期課程ではさらに研究者として自立して研究活 動を行うに必要な高度な研究能力を養うことを目的としている。本学の修士課程から博士後期課程へ 直接進学を希望する者へは、入学金の免除と入学試験のうち専門分野を免除する措置がとられてい る。

【点検・評価】

専門領域は博士後期課程のほうがより包括的であるが、基盤分野と専門分野からなるカリキュラム の構造は同じで一貫性がある。指導教員は修士課程、博士後期課程をもっており、修士課程での研究 を続ける研究環境にあるといえ、評価できる。

問題点としては、入学金の免除、入学試験の一部免除の実施により、本学修士課程から博士後期課 程に直接進学を希望する学生の進学の機会を広げたが、経済的問題、就職の問題があり、博士後期課 程に引き続き就学することが困難なことである。一方で、臨床あるいは教育の現場に戻り実践を積み、

博士後期課程に改めて進学する学生への配慮が不足している。

修士課程と博士後期課程の基盤分野の学修に一貫性があるがゆえに、他大学の多様な修士課程修了 者が、博士後期課程の学修において知識量の補完を要する場合がある。今後、系統的な知識の補充に ついての検討が求められるであろうことが、もうひとつの課題である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

博士後期課程のカリキュラムについては、実践を変革しうる研究成果を得られるような研究を推進 するための改革案が話し合われている。修士課程・博士後期課程のカリキュラム運用の検討のために、

大学院教育に参与する全教員が参加する「拡大カリキュラム委員会」が2005年度より開催されている が、この機能をより充実させ、課題解決を図っていく。

(6) 博士課程(一貫制)の教育課程における教育内容の適切性 該当せず

(7) 課程制博士課程における、入学から学位授与までの教育システム・プロセスの適切性

【現状の説明】

博士後期課程のカリキュラムは、基盤分野と専門分野に大別されており、基盤分野では、専門分野 での研究を支える教科目を開設して、理論や研究方法を学び、専門分野では興味ある研究テーマに沿 ってそれぞれ課題を深め、看護学特別演習(研究計画書)および看護学特別研究(博士論文)につな げていく。

専門領域は9分野に区分されているが、入学試験は同一で、入学後に研究指導教員を学生が選択す るようになっている。学位授与までのプロセスは学生便覧に記載され、入学時には、教務部よりオリ エンテーションを行い、作成過程と付随する届出様式をセットにした冊子を配布している。

計画書作成の過程は看護学特別演習として単位化している。計画書の提出は随時であり、その都度 審査を行い、学生の研究遂行能力が評価され、合格すると研究倫理審査委員会を経て研究を開始する。

(8)

研究計画書発表会を行い、これは本学の教員、学生以外にも公開されている。研究計画書の副査には、

どの時点でも指導を受けることが可能であり、他の機関の研究者がその専門の立場から副査として加 わることが常態化している。

表 3 博士論文作成過程

段階 期日 学生関係事項 届出様式 大学関係事項 備考

5月 指導教員の申請 Dr-1 研究科委員会で決定

必要と認めた場合は研究科委員 会の承認を得て、複数の指導教 員をおくことができる。

8単位以上の履修 履修科目の報告・承認

修士論文の公表(査読者のいる 学会誌への投稿がのぞましい)

予備研究の実施(必要に応じ研 究倫理審査委員会)

提出日の 指定なし

博士論文研究計画書 審査申請

〔両面印刷〕

Dr-2 研究計画書に指導教員の署名を

添えて提出

教務部よ り通知

博士論文研究計画書 の審査(博士候補資 格試験)

研究計画書審査委員会 審 査 結 果 を 研 究 科 委 員 会 で 審 議・承認

研究倫理審査 研究倫理審査委員会

・届出は指導教員(主査)

・必要に応じて本人から聴取を 行い審査

・審査結果を学長に報告

研究計画書発表会 Dr-3 審査終了後なるべく早い時期に

行う

毎年 1月10日 および 7月10日

博士論文定稿提出

(5 部)〔両面印刷〕 Dr-4 博士論文受領書発行 博士論文に論文要旨、論文目録 および履歴書を添える

博士論文審査・最終

試験 博士論文審査委員会 論文審査委員会により日時を決

定し実施される

博士論文審査・最終

試験の合否 研究科委員会で決定

10

合格日 から 30日以内

国立国会図書館納本 用博士論文 1 部 学内図書館等納本用 2部

合計3部〔両面印刷〕

学位授与から20日以内に製本し た論文3部を教務部に提出する

(製本費用は本人)

11 修了 学位授与

12 国 会 図 書 館 に 博 士 論

文納本(1 部) 学位授与から1ヶ月以内 13

文 部 科 学 大 臣 に 学 位 授 与 の 報 告 と 本 学 の 学位簿に登録

学位授与から3ヶ月以内

14

博 士 論 文 の 内 容 の 要 旨 お よ び 審 査 結 果 の 要旨を公表

学位授与から3ヶ月以内

15

学位授与 から 1年以内

博士論文の全文を印 刷公表(または所定 の手続きを経て要約 を印刷公表)

学位授与から1年以内

16 発表された印刷物を

大学に提出

申請、提出物の提出窓口は教務部とする。

(9)

論文提出の機会は年2回あり、原則的に計画書審査委員と同じメンバーで論文審査委員会が組織さ れる。審査結果は研究科委員会に報告され、学位授与が審議、決定される。入学から学位授与までの プロセスは表3の通りである。

【点検・評価】

学位授与までのプロセスを大学院学生便覧に掲載し、学内・外に公開していることは評価できる。

さらに必要書類を入学時に一括して配布するため、学生が計画的に学位授与までの手順を踏むことが できることは評価される。指導教員を学生が選択できることも研究の遂行に役立ち、評価できる。

研究計画書は審査委員会ならびに研究倫理審査委員会でも審査され、研究対象者のみならず研究者 を保護することになる点は長所といえる。また発表会で指導教員以外の教員や、外部の参加者から指 摘も受けることができ、良質な博士論文の作成につながっている。

問題点としては、計画書審査および論文審査の基準が明文化されていないこと、在学中の学会誌に 発表された印刷物の収集管理の規程が整っていないため、研究成果を研究科として把握できていない ことである。

【将来の改善・改革に向けた方策】

より良質な博士論文を作成するため、また、大学院設置基準改正による必要性から、研究計画書審 査、論文審査の評価基準の明示が必要で、研究科委員会においてワーキンググループを立ち上げ、2006 年度からの運用をめざしている。また、学生の学会発表や論文発表について、教務課において情報を とりまとめる方策を検討中である。

(8) 創造的な教育プロジェクトの推進状況

【現状の説明】

2005年度「魅力ある大学院教育」イニシアティブに、プログラム名称「看護実践を変革する力をも つ研究者の育成」を申請し、ヒアリング審査に進んだが、採択には至らなかった。

プログラムは、1)博士後期課程の研究計画書に至る学修の単位化、2)看護現象の変革を推進で きる人材育成、根拠に基づく実践が可能となる基礎力の強化、3)海外研究教育拠点でのインターン シップ事業、4)プログラム評価システムの確立、5)学習環境の整備等などであり、学内でこれらの 具体化を検討している。

【点検・評価】

今後の取り組みの検討ができたことは評価できるが、その具体化が現状では困難である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

看護実践を変革する力を持つ研究者の育成を具体化すること、またより具体的なプログラムを立て ていくことを考えたい。

2)単位互換、単位認定等

【現状の説明】

本学の創立の理念と同じ基盤を有する立教大学の社会学研究科およびコミュニティ福祉学研究科 と提携しており、相互に当該研究科に設置されている科目を履修し、相手校教員の研究指導を受ける ことができる。社会学研究科とは1990年に、コミュニティ福祉学研究科とは2002年にそれぞれ単位互

(10)

換制度の協定を結んでいる。

2006年度までに、本学からは延べ7名、立教大学大学院からは延べ8名の履修者があった。履修に 際しては、学生が指導教員と相談の上、相手校の担当教員と直接面談し、希望を提出している。

米国のオレゴンサイエンス大学看護学部、タイのマヒドン大学看護学部、韓国のヨンセイ大学看護 学部、カナダのマックマスター大学看護学部と国際交流協定を結んでいるが、単位互換、単位認定に は至っていない。

【点検・評価】

立教大学社会学研究科、コミュニティ福祉学研究科で専門分野に関連する科目を履修できることな らびに研究指導を受けられることは、単科大学である本学の院生にとって貴重な機会であり、評価で きる。また、他大学の院生が加わることで、情報の交換、交流も深めることができ、相互の刺激にも なっている。

しかしながら、開講時期が同一ではないこと、履修手続期間が短いこと、通学に時間を要するなど の理由から履修者は多いとはいえないのが問題である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

学生が制度を有効に利用できるよう、手続きの簡略化、開講時期の見直し、情報の提示方法などを 検討することが課題である。

海外の大学の看護学部との国際交流協定を院生が十分活用するためには、カリキュラム上に位置づ けて整備する必要があり今後検討する。

3)社会人学生、外国人留学生等への教育上の配慮

【現状の説明】

博士後期課程においては、2002年度より社会人入学を開始し、2006年度までの間に、25名が社会人 として入学している。社会人入学者から未だ学位取得者は出ていないが、7名が研究計画書を提出し ており、そのうち5名が単位取得後退学している。単位取得後退学者への指導については、論文提出 時の再入学制度により学位取得を推進している。

博士後期課程では、社会人入学制度開始前からも、有職者である学生も多く在学していた。社会人 入学開始以前は、学生のペースで研究を進めるため、研究が遅滞することがあり課題となっていた。

社会人入学制度が導入されてからは、必須科目は金曜日、土曜日のみの開講とし、履修しやすい時間 割を配慮している。

修士課程においては2004年度より社会人入学制度を開始し、2006年度までに19名が社会人として入 学している。この社会人入学制度は、標準修業年限2年間の課程を3年間で学ぶ長期在学制度である。

学費は2年間分を3年間に分割して支払うようになっていて、合計では2年間の一般入学の場合と変 わらない。土曜日と夜間(18:00~20:25)の開講を実施し、土曜日のほかに平日1日のみの通学で 必要単位を履修できるよう時間割が計画されている。2007年3月に、初めての長期在学制度での修了 生が出る予定である。

なお、本学において社会人入学とは、仕事を持ったまま学業を続けることを意味している。外国人 留学生の実績はなく、特別の対応は制度化されていない。

大学院拡充の将来計画に伴い、本館から徒歩3分の場所に新校舎を取得し、2004年度より、博士後

(11)

期課程、修士課程ともに新校舎へ移転している。社会人の学生の利便性を考慮し、カードキーによる セキュリティシステムの採用、学生ラウンジにコンピュータ、プリンターの常設を実施している。

【点検・評価】

博士後期課程で社会人入学を制度化したことにより、本人および教職員の意識も変わってきている。

勤務先からの「通学承諾書」が提出されているので、各々の職場でも大学院進学者への支援が得られ やすい。本学の東京都中央区という立地条件から、全国各地から新幹線や飛行機を乗り継いで通学し ている者もおり、遠隔地に住む社会人学生の地理的な条件や本務の都合により授業をやむを得ず欠席 する場合に対する措置を考えていく必要がある。

修士課程では、社会人入学を導入して、短期間しか経過していないため、修士論文の提出、発表会、

審査等それぞれの段階に社会人入学者が達した際の手順については、どのような配慮が必要か、検討 し提示する必要がある。時間割については社会人が少ない通学日数で履修ができるよう組まれている ため、一般入学者側からすると片寄った時間割となる場合があるので、両方の学生がバランスよく履 修するための方策についても検討していく必要がある。

【将来の改善・改革に向けた方策】

社会人学生の学位取得者が職場に戻ることによりその職場が活性化し、新たな進学者がつづき、ま た本学の臨床の場として機能し、人的な交流、研究の活性化につながるよう努めていく。

遠隔地の社会人学生に対してe-ラーニング活用を検討していく。

4)研究指導等

(1) 教育課程の展開並びに学位論文の作成等を通じた教育・研究指導の適切性

【現状の説明】

修士論文コースでは2年前期までに基盤分野、専門分野の必要科目を履修し、5月に研究計画書を 提出する。研究計画書については研究科委員会で審議し、さらにすべての研究計画書を研究倫理審査 委員会で審議している。修士論文の提出は、例年1月31日となっている。研究科委員会において修士 論文審査委員および最終試験審査委員を選出し、決められた日程に審査を行い、研究科委員会にて最 終的な合否の決定を行う。

論文審査委員会で差し替えが認められた部分については、定められた期日に各自差し替えを行うこ とができ、最終稿として製本保存される。論文審査および最終試験に合格したものは、発表会を行う。

上級実践コースでは、修士論文コースと同じく2年前期までに基盤分野、専門分野の必要科目を履 修する。その後は、6単位の実習を各々実習場にて行う。この実習により得たデータ等をもとに特定 の課題についての研究の成果を課題研究として、修士論文と同じ提出日に提出する。また、課題研究 の内容によって、データ収集の際に指導教員が必要と判断した場合は、研究倫理審査委員会に計画書 の審査を申請する。課題研究の合否については、指導教員が行い、決められた日程に最終試験審査を 受け、研究科委員会において最終的な合否の決定を行う。課題研究も保存され、最終試験に合格した 者は、発表会を行う。

博士後期課程においては8単位以上の科目を履修後、研究計画書を作成し提出する。研究計画書は、

研究科委員会で、審査委員(3~4名)を選定し研究計画書審査を実施する。審査結果を研究科委員 会で報告、審議し、合格となった場合は研究開始が承認される。また、審査終了後すべての研究計画

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書が、本学の研究倫理審査委員会で審議され、研究開始に際しては研究倫理審査委員会の承認も受け る必要がある。

審査に合格後、研究計画書発表会を経て、本格的に研究が開始される。博士論文の提出は、原則的 に毎年7月10日と1月10日となっている。論文提出後の研究科委員会で論文審査委員が決定し、論文 審査および最終試験が実施される。審査の結果を研究科委員会で審議し、合格が決定した者は発表会 を行う。

なお、博士論文研究計画書は「看護学特別演習」2単位、博士論文は「看護学特別研究」6単位と して単位化されている。

本学には研究支援室が設置されており、大学院生に対してリファレンスサービス、研究倫理の相談、

研究資金募集案内等の支援を行っている。

【点検・評価】

修士課程の目的は研究能力の開発と高度な職業能力の開発の2点にある。修士論文コースと上級実 践コースをそれぞれ独立させ、修了後のめざす方向性を明確にしている。研究能力、実践能力それぞ れの比重のかけ方が明白となり、教育内容も充実できたと評価される。

修了生は、教育研究施設に就職し、教育・研究に従事しているものと、臨床家として高度な職業能 力を発揮しているものがおり、現在専門看護師として活躍している者の約4分の1が本学の修了生で あり、この分野のパイオニアとして活躍していることは、評価に値する。

博士課程ではコースワークが充実しており、研究計画書の作成過程には複数の教員が参与する体制 ができていることは評価できる。履修指導から論文作成に至るまで、指導教員の指導を受けるだけで なく、発表会、研究倫理審査委員会、複数の審査委員での審査を設けていることから、幅広い指導を 受けられる体制になっていることは長所といえる。

修士課程、博士課程とも、目的が明確でそれぞれの目的に応じたカリキュラムと指導体制が整って いる。学生数の増加に伴い、指導教員の担当人数を検討する必要がある。

【将来の改善・改革に向けた方策】

修士課程については、カリキュラムを改訂して短期間しか経過していないので、今後の経過をみて 問題点を探っていく。

博士後期課程については、予備研究や成果の公表を単位化し促進する検討を進める。

教員については、研究および指導能力のある講師・助教授の活用を検討する。

(2) 学生に対する履修指導の適切性

【現状の説明】

修士課程では、1年前期の授業開始から1週間をオリエンテーション期間とし、1年前期の履修科 目を提出する。その後、7月15日までに1年後期以降のすべての履修届けを提出する。なお、社会人 入学者については、半年ずつの履修届けを提出するようになっており、勤務先の状況を鑑みて予定を 立てられるよう柔軟な対応に努めている。

博士後期課程では、入学後、各分野の教員から授業科目および研究の専門領域についてオリエンテ ーションを受ける。定められた期日までに「博士後期課程における指導教員の決定について(依頼)」 を教務部に提出する。指導教員については、研究科委員会で審議され、決定される。指導教員と履修

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科目について相談し、指定された日時までに教務部に提出する。

【点検・評価】

履修指導については、入学式後にオリエンテーションの期間を設けている。修士課程、博士後期課 程ともに各科目の説明を受けた上で履修を検討するようになっており、修士課程の学生も博士後期課 程の学生も必要科目の履修が滞ることはない状態である。履修については、指導教員の指導を十分に 受け計画されているといえる。

修士課程では、履修届けを2回に分けて申請するようになっているため、1年の前期以降の計画を 十分余裕をもって教員と相談し、計画することができることは長所といえる。

博士後期課程では、履修科目の説明とともに学位授与までの必要書類等も配布し、審査手続き、提 出時期などを考慮して研究を進めていくことができるよう配慮しているといえる。問題点としては、

在籍する学生が多くなることにより、個々に行ってきている履修指導が担当教員だけでは物理的に難 しくなってきていることである。

【将来の改善・改革に向けた方策】

入学時のオリエンテーションの期間と内容を検討し、全体的に行える履修指導を適切に実施し、

個々の指導をより綿密に行えるよう方策を検討する。

(3) 指導教員による個別的な研究指導の充実度

研究分野や指導教員にかかる学生からの変更希望への対処方策

【現状の説明】

修士課程における指導教員は、通常入学願書に記載した領域の教授もしくは助教授が担当する。入 学後はその指導教員が学生の授業科目の選択指導や論文指導を行う。指導教員は看護学を専門とした 教員であるため、研究方法論や分析方法で他の教員からの指導を受けている。また、必要時には学内 の他の教員からも指導を得ることができる。

博士後期課程における指導教員は、入学後に提出した「指導教員の決定について(依頼)」で申請 し、研究科委員会で承認された指導教員が学生の授業科目の選択指導や論文指導を行う。また、専門 領域あるいは研究方法において優れた学外の専門家を含めて指導が受けられる複数指導体制をとって おり、計画書審査の段階から複数の指導者の意見をもらっているのが現状である。

なお、指導教員の変更手続きについては、2005 年度より研究科委員会において申し合わせを取り決 め、院生にも学生便覧で提示し、運用されている。また、2005 年度より人権委員会が設置され、学生 にも周知している。

【点検・評価】

看護学を専門とする教員が、看護学研究の指導を行っていることは評価できる。また指導教員の下 で、研究指導に必要な人材を学内外から活用できることも長所である。

指導教員の変更手続きや人権委員会は、学生と指導教員間のトラブルに関して双方の人権を守り配 慮することができ、安心して研究を進めることができるといえる。

問題点としては、修士課程においては、教員1名あたり学生 4 名(2学年で8名)を最大数として いる。ここに博士後期課程の学生が加わるため、教員によっては多数の学生を抱えることになり、領 域差が大きいことがあげられる。

(14)

【将来の改善・改革に向けた方策】

大学院での指導のできる教員を増やすことを検討していく。

修了時に学生から、研究指導、実習指導等に関する評価アンケートの実施を計画しており、2006 年 度には実施の予定である。

5)医学系大学院の教育・研究指導

【現状の説明】

本学における臨床系専攻の学生とは、修士課程上級実践コース履修者である。このコースのカリキ ュラムには実習6単位と課題研究2単位が課せられており、臨床実践と研究が乖離することなく学べ る体制になっている。実習6単位は専門看護師等高度な看護実践家としての能力を修得するもので、

実習先はそれぞれの専門領域ですでに専門看護師等が機能しており、実習指導にあたれる場所を選ん でいる。また実習病院の医師、専門看護師、助産師を「臨床教授」として本学の院生に指導、助言を 行う制度を整えている。臨床教授は現場における豊富な経験を有する者であり、2001年度より内規を 制定し、2006年度14名、2005年度13名、2004年度11名を委嘱している。

【点検・評価】

臨床実践能力を開発するために、研究者育成のコースと別にカリキュラムを組み立てていることは、

明確な方向性を示しており、評価できる。また臨床の場に、本学の担当教員のほか臨床教授を置いて いることは、学内教育と臨床教育との連携を強化しより充実した臨床教育を実施でき評価できる。

問題点としては、上級実践コース履修者が増加しており、より多くの実習施設や指導者が必要とな っていることである。

【将来の改善・改革に向けた方策】

現在、臨床教授の制度を整備しているが、さらに幅を広げた臨床指導者の確保(臨床助教授等)につ いて検討している。

2. 教育方法等 1)教育効果の測定

【現状の説明】

測定方法のひとつとして、大学院生全員に著書・学術論文、学会発表の報告を課している。報告内 容は著書・学術論文は、①著書・学術論文の名称、②単著・共著の別、③発行または発表の年月日、

④発行所・発表雑誌等の名称、⑤編者・共著者、⑥該当ページ、学会発表は、①演題発表、②開催日、

③開催地、④学会名、⑤共同者である。提出方法は所定の用紙に記入したものを教務部窓口に提出、

または教務部宛にメールでの提出も受け付けている。年に 2 回前期分と後期分に分けての提出となっ ている。

本学修了生の博士論文が、日本私立看護系大学協会看護学研究奨励賞や日本看護科学学会学術論文 優秀賞を受賞している。

【点検・評価】

大学院生に業績報告を課すことは、学生の研究成果の最新情報を把握することのみならず、報告す ることによって学生本人の意識も向上させ、研究成果の発表を推進することにつながり評価できる。

(15)

提出された博士論文が関連団体から表彰されたということは、内容が独創的で新しい知見に富むも のであり、看護学術研究の基礎を築く上で貢献しているといえる。看護実践を支える研究成果や、新 たな方法論の確立について、社会的に高く評価されているといえる。

問題点としては、本学での研究の成果による業績の集積を利用した評価方法・活用方法が確立され ていないこと、修了生の修了後の看護学への貢献度の測定(調査)を実施していないため、教育の効 果を把握できていないことである。

【将来の改善・改革に向けた方策】

教育効果を測定する上で、在学生には科目評価アンケートと修了時のアンケートの実施を計画して いる。

大学院生の業績報告については、現在紙媒体での集積であるが、将来的にはデータベース化を進め、

COE、図書館と連携して研究成果の国際発信の推進を図る。

修了生の追跡調査を行う方策を検討する。

2)成績評価法

【現状の説明】

修士課程および博士後期課程ともに、成績評価は各授業科目においては秀、優、良、可、不可の5 段階評価を採用している。評価については、各授業科目の単位認定者の判断によるものである。博士 論文、修士論文については、論文審査委員会で評価を行い、研究科委員会で報告、承認を受ける方法 をとっている。また、博士論文研究計画書、修士課程の最終試験については、合否による判定方法を とっている。

【点検・評価】

単位認定者の責任を明確にしているといえる。不可の場合、再履修をして学修内容の到達で単位を 認めている。論文の評価については、複数の委員の判断を総合して評価をしており、適切な評価を行 っている。

5段階評価による成績評価については、現在のところ問題点はない。合否による評価については、

判定基準が明文化されていないため検討の必要がある。

【将来の改善・改革に向けた方策】

研究計画書を含む論文審査、最終試験の判定方法については、大学院設置基準改正により学位論文 にかかる評価基準の明示が求められており、研究科委員会で検討の上、2006 年度後期より作成した審 査基準を用いる予定である。

3)教育・研究指導の改善

(1) 教員の教育・研究指導方法の改善を促進するための組織的な取り組み状況

【現状の説明】

大学院研究科の教育課程ならびに学籍に関する意思決定機関は研究科委員会である。研究科委員会 は本学大学院学則第19条により、「本大学院に研究科委員会をおき、学長および研究科担当教授をもっ て組織する」とある。また、審議事項についても第20条により以下のように規定されている。

1. 大学院担当教員の人事に関する事項

(16)

2. 入学・修了・休学・退学・転学・留年・賞罰その他学生の身分に関する事項 3. 教育課程および研究指導に関する事項

4. 学位の審査に関する事項 5. その他大学院に関する事項

研究科委員会は定例委員会を月1回、必要に応じて臨時委員会を設け、学生の履修状況や論文作成 に関し、問題がある場合は検討している。また、2005年度より大学院教育に関わる助教授、講師を含 めた大学院拡大カリキュラム委員会を開催し、大学院カリキュラムの運用上の課題を検討し、研究指 導、実習指導の情報交換を行っている。

大学全体でFD委員会が常設されており、全教員を対象にしたFD研修会は年 1~3回のプログラ ムを実施している。学部教育に関する研修のほか、幅広く国際活動を展開している客員教授による研 修会や、WHO センターの海外からの招聘講師による講演会、大学院レベルのテーマで開催している 公開セミナーもFDの役割を果たしている。

また、研究のためのサバティカル・リーブの制度が設けられている。専任教員として6年以上引き 続き勤務した教授・助教授・講師を対象とし、毎年2名に6カ月の期間が与えられる。また看護専門 科目の教員が学位を取得するための支援策を期限付きの制度として設けている。

【点検・評価】

研究科委員会が意思決定機関として組織され、規定でも明確になっていることは評価することがで き、大学院拡大カリキュラム委員会は新たな試みとして評価でき、これは大学院担当者のFDにつなが っている。小規模大学のため、大学院研究科のための別のFD委員会は組織していないが、全学のFD 委員会を設けて組織的に取り組み、大学院の課題も視野に入れた多彩なプログラムを実施しているこ とは評価できる。

大学院生の増加、社会人入学等の多様なカリキュラムの導入により、教育課程および研究指導に関 する検討事項が増加しており、その解決のための方略が課題である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

大学院拡大カリキュラム委員会を組織しており、今後はこの委員会を教育・研究指導方法の充実を 促進するため活用していく。学生からの授業評価、研究指導評価等を開始するので、その結果を教育 方法の改善に用いていく予定である。

(2) シラバスの適切性

【現状の説明】

シラバスについては、1997年度より現在のシラバスの形態で作成している。記載は、各授業科目ご とになっており、記載項目は、授業科目名、担当者、単位数、授業概要、評価方法、授業日程となっ ている。修士課程と博士後期課程が1冊の大学院シラバスとして作成され、各授業科目ごとに切り取 り式となっている。書式については、2005年度より全科目共通の様式を利用している。

また、シラバスの全文を2002年度よりホームページ上で公開している。

【点検・評価】

シラバスに授業概要だけでなく、評価方法、授業日程も記載されていることは、授業科目の意義、

内容を十分に理解することができ、履修の計画を立てる上でも有効に活用されていると評価できる。

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また、ホームページ上で公開していることは、情報公開の面からも評価することができる。

シラバスの作成においては、担当教員の作成にまかせてあるので、記載内容は十分であるが、記載 方法の明確な基準が不十分であるといえる。

【将来の改善・改革に向けた方策】

よりわかりやすいシラバスを作成するために、全体に一貫性を持たせるような作成方法を検討する。

(3) 学生による授業評価の導入状況 学生満足度調査の導入状況

【現状の説明】

学生による授業評価については、2006年度研究科委員会においてワーキンググループを組織し、検 討が重ねられ、2006年度後期より授業科目ごとの評価と修了時の評価を実施予定である。科目評価は 教員が最終講義の際に配布し、回収は教室等に備え付けのボックスに学生本人が投函する方法をとる。

なお、科目によっては学生数が少ないため、個人が特定されてしまうので、集計結果の閲覧とし、学 生が直接記載したアンケート用紙は公開しない予定である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

未だ実施、回収、集計に至っていないので、今後、回収率、集計の方法、結果の公表、さらに結果 をどのように生かしていくか検討する。

3.国内外における教育・研究交流

【現状の説明】

本学は、米国聖公会からの派遣伝道医によって創立されたことから、従来から国際化への関心が高 く、1990年にWHOプライマリヘルスケア看護開発協力センターに任命されたことをきっかけに、国 際交流の推進を本学の方針としている。また、2003年度看護学研究科が文部科学省21世紀COEプログ ラムに採択され、国際化がさらに推し進められ、大学院にも国際看護学を開講した。

2003年度に米国・オレゴンヘルスサイエンス大学看護学部、韓国・ヨンセイ大学看護学部、2004年 度にはタイ・マヒドン大学看護学部、2005年度にはタイ・マヒドン大学医学部看護学科Ramathibodi 看護学校、カナダ・マックマスター大学と学術交流協定を締結し、大学院生の研修や共同研究が可能 になっている。

また、東アジア看護学研究者フォーラムの加盟校となり本学教員が理事として参加している。米国 聖公会内の米国聖路加後援会の活動や、JICAや国際看護交流協会等からの国外研修生の受け入れは 年々増加している。

また、外国人客員教授を雇用し、院生の英語を援助する体制ができており、また「研究法」のコー スワークの一部は1986年よりUCSFからの招聘教授が担当している。

学内の委員会組織としてWHO委員会のほかに2006年度より国際交流委員会を組織し、事務部門に 国際交流室担当の専任事務職員1名を配置した。

研究成果の国際発信を促進するため、2006年度より「研究成果国際発信プロジェクト」を組織し、

研究成果の発信と業績の集積を進めている。その一環として博士後期課程修了者への英文誌への投稿 支援(本学大学院外国人教員による英語の論文作成支援)を行っている。

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【点検・評価】

WHO プライマリヘルスケア看護開発協力センターを通した国際ネットワークは有効であり、複数 の大学と交流協定を締結しているが、いずれも具体的な研究・教育活動を伴っている。国際協力事業団 等の看護教育プロジェクトで来日する看護教育関係者が本学を研修場として希望することは、本学に 対する評価とみなすことができる。国外研修生の受け入れは、大学院生の研究環境としても刺激を受 けるチャンスとなっている点は長所である。

国際交流を推進するため、国際交流室担当の専任事務職員を配置したことは効果的であるが、受け 入れの物理的条件を整えていくのは検討課題である。また、教員が学部・大学院を担当しながら、国 外での研究、国際協力に派遣されることも難しいことが課題である。

【将来の改善・改革に向けた方策】

交流協定を積極的に利用し、大学院生の派遣制度、交換留学制度など知的交流がより多く密に行わ れるよう、必要な予算措置、受け入れ態勢等整えていきたい。今後も、WHO プライマリヘルスケア 看護開発協力センターの活動を核にして、外国の大学との提携を計画し、国外より研修生を積極的に 受け入れる措置を検討したい。

具体的な方策としては、カナダ・マックマスター大学ヘルスサイエンス大学院の看護学科教員との 国際共同研究の計画推進、2007 年のEast Asian Forum Nursing Science (EAFONS) への参加促進が あげられる。

4.学位授与・課程修了の認定 1)学位授与

(1) 修士・博士の各々の学位の授与状況と学位の授与方針・基準の適切性

【現状の説明】

修士の学位に関しては、入学生のほとんどが学位を取得し修了している。修士論文コースでは、修 士論文を作成し、その審査と最終試験に合格することが課せられている。上級実践コースでは6単位 の実習を行い、さらに特定の課題研究の提出、その成果の審査と最終試験に合格することが課せられ ている。

博士の学位に関しては、1991 年に甲第1号が修了し、2005 年度までに甲第 43 号まで学位を授与し ている。このうち、1995 年度から 1999 年度までの5年間で 11 名、2000 年度から 2003 年度までの 4 年間で 14 名、2004 年度から 2005 年度までの2年間で 11 名の博士の学位を授与している。

また、1994 年度に制定された論文博士制度は長く適用されなかったが、2003 年度に乙第 1 号が授 与されて以来 2005 年度までに第6号までが授与された。

【点検・評価】

本研究科は、看護学では国内初の博士後期課程を開設し、看護教育の高等教育化の推進に大きな役 割を果たしてきた。本学の博士後期課程の修了者の多くは教員として活躍し、全国の看護系大学創設 を牽引してきたことは周知の通りであり、優秀な教育・研究者を育成してきたことは評価されるとこ ろである。

学位授与に関わる審査体制や手段等に関しては、大学院便覧に学位規程ならびに内規として提示さ れ、毎年整備を重ねよりわかりやすく学内・外に開示されているといえる。

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