• 検索結果がありません。

有理数から p 進数へ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "有理数から p 進数へ"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

有理数からp進数へ

75

《研究ノート》

有理数から p 進数へ

鈴 木 俊 夫

1  はじめに

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1 を

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

上のベクトル空間とする.次の 4 条件を満たすある関数

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=Ror C上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) = |a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1 を集合

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

上の関数をノルムという:任意の

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

に対して,

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1 を有理数体とする.

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

に対して,通常のノルム(ここでは絶対値)を用い た通常の距離

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

が定まっているとする.これにより,

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1 の元に対して,

“近さ” を表現することができる.このとき,この距離に関する完備化によって,実数 体

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

が構成される.この

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=Ror C上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0.

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) = |a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

は,有理数と無理数から構成される,我々がよく知る “数”

として,馴染みが深いものとなっている.すなわち,桁数の多い数は “大きい数” にな り,桁数を増やし続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数 は “小さい数” を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,ある値 へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大として扱い,無 限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値が対応するのである.

Example 1.1.

有理数から p 進数へ

1 はじめに

XK=RorC上のベクトル空間とする.次の4条件を満たすある関 数∥ · ∥:X→Rを集合X上の関数をノルムという:任意のx, y∈Xa∈K に対して,

• ∥x∥ ≥0 .

• ∥x∥= 0⇔x= 0

• ∥ax∥=a∥x∥

• ∥x+y∥ ≤ ∥x∥+∥y∥

Qを有理数体とする.a, b∈Qに対して,通常のノルム(ここでは絶対 値)を用いた通常の距離d(a, b) =|a−b|が定まっているとする.これによ り,Qの元に対して,“近さ”を表現することができる.このとき,この距 離に関する完備化によって,実数体Rが構成される.このRは,有理数と 無理数から構成される,我々がよく知る“数”として,馴染みが深いものと なっている.すなわち,桁数の多い数は“大きい数”になり,桁数を増やし 続けることで無限大へと発散する.また,小数点以下の桁数が多い数は“小 さい数”を表現することであり,小数点以下の桁を増やし続けることで,あ る値へと収束する.平たく言えば実数体は,限りなく大きい数は単に無限大 として扱い,無限小のものに対してはそれが意味のあるものとして,ある値 が対応するのである.

Example 1.1.

10n→ ∞,

(1 10

)n

0 as n→ ∞.

1

しかし,距離の定め方はこれだけではない.距離の定め方を変えることで,実数では 無限大のものとして扱えなかったものに意味をもたせ,大きな桁数のものにもある値を 対応させることが出来るのである.本稿では,無限大の桁数に意味をもたせる,

しかし,距離の定め方はこれだけではない.距離の定め方を変えること で,実数では無限大のものとして扱えなかったものに意味をもたせ,大きな 桁数のものにもある値を対応させることが出来るのである.本稿では,無限 大の桁数に意味をもたせる,p進数体についての導入についてまとめる.

2 Q

p

の定義

先に述べた通り,有理数体Q上に通常のノルム(距離)を定めることに より,我々がよく知る実数Rを得ることができる.ここでは,Qpを構成す るために,別のノルムを考えてみよう.

Definition 2.1. x∈Q,pを素数とし,γ =γ(x)∈Zに対して,x=pγm

m, n∈Zは互いに素,m, npと互いに素)と表されているとする.このn 時,p進ノルムを,次のように定める:

|x|p=

{p−γ (x̸= 0),

0 (x= 0). (1)

このp進ノルムはノルムの公理を満たしている.それを確認してみよう.

|x|p0,|x|p= 0⇔x= 0と,|xy|p=|x|p|y|pは明らかである.いま,

x=pγm

n, y=pγm n とする.γ > γのとき,

x+y=pγmn+mnpγ−γ

nn (2)

(2)式で,mn+mnpγ−γpと互いに素とは限らないが,

|mn+mnpγ−γ|p≤p−γ であるから,

γ(x+y)≥γ= min(γ, γ) であることに注意すれば,

|x+y|p=pγ(x+y) max(p−γ, p−γ)

= max(|x|p,|y|p) (3) 進

参照

関連したドキュメント

Economic and vital statistics were the Society’s staples but in the 1920s a new kind of statistician appeared with new interests and in 1933-4 the Society responded by establishing

Actually one starts there from an abelian surface satisfying certain condition, the most stringent being that the Galois representation ρ ∨ A,p must be congruent modulo p to

In terms of the i-invariants, the absolute p-adic Grothendieck conjecture is reduced to the following two

We describe the close connection between the linear system for the sixth Painlev´ e equation and the general Heun equation, formulate the Riemann–Hilbert problem for the Heun

This is a survey of the known properties of Iwasawa algebras, i.e., completed group rings of compact p-adic analytic groups with coefficients the ring Z p of p-adic integers or

Pongsriiam, The general case on the order of appearance of product of consecutive Lucas numbers, Acta Math.. Pongsriiam, The order of appearance of product of Fibonacci

Greenberg ([9, Theorem 4.1]) establishes a relation between the cardinality of Selmer groups of elliptic curves over number fields and the characteristic power series of

(中略) Lafforgue pointed out to us that the modules in our theory could be regarded as analogues of local shtukas in the case of mixed characteristic.... Breuil, Integral p-adic