• 検索結果がありません。

理学研究科 化学専攻博士後期課程 1 年

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "理学研究科 化学専攻博士後期課程 1 年"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)※ ホームページ等で公表します。 (様式1) 立教SFR-院生-報告. 立教大学学術推進特別重点資金(立教SFR) 大学院学生研究 2015年度研究成果報告書. 研究科名. 立教大学大学院. のものを記入). 研究科. 理学研究科 化学専攻博士後期課程 1 年. 自然・人文 ・社会の別 研究課題. 理学部化学科 自然. ・. 田中. 李叶子. 印 氏 名. 教授 人文. 専攻. 氏 名. 所属・職名 指導教員. 化学. 在籍研究科・専攻・学年. 研 究 代 表 者 (2016 年 3 月 現 在. 理学. 松下 ・. 社会. 信之. 個人・共同の別. 印 個人. ・. 共同. 名. 金属錯体固体酸におけるプロトン伝導性 在籍研究科・専攻・学年 理学研究科 化学専攻博士後期課程 1 年. 氏 名 田中. 李叶子. 研 究 組 織 (研究代表者 ・共同研究者) ※ 2016 年 3 月 現 在のものを記入. 研 究 期 間 研 究 経 費 (1 円単位). 2015. 年度. (支出金額)499,967 円/(採択金額)500,000 円. 研究の概要(200~300 字で記入、図・グラフ等は使用しないこと。). 近 年 、環 境 問 題 や エ ネ ル ギ ー 問 題 の 観 点 か ら 水 素 燃 料 電 池 が 注 目 さ れ て き た 。プ ロトン伝導体は水素燃料電池の固体電解質として用いられており、電池の能率を 上げるためにはより高い伝導性を示すプロトン伝導体の構築が必要不可欠であ る。 本 研 究 で は H [ M L 6 ] 又 は H A [ M L 6 ] ( H:プ ロ ト ン , A:陽 イ オ ン , M:金 属 イ オ ン , L: 配 位 子 )と い う 一 般 式 で 書 け る よ う な 、 孤 立 し 、 遊 離 し た プ ロ ト ン を 含 む 金 属 錯 体 固体酸に着目し、プロトン伝導体としての性質の解明を目指した。. キーワード(研究内容をよく表しているものを3項目以内で記入。) 〔 プロトン伝導性. 〕 〔 結晶構造解析. 〕〔 金 属 錯 体. 〕.

(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。). 《研究背景》 水素燃料電池の固体電解質であるプロトン伝導体について、近年盛んに研究が行われている。これ までに報告されているプロトン伝導キャリアにはオキソニウムイオンや水分子などがあるが、 本研究 ではこれまでに報告の無い、 孤立・遊離したプロトンに着目をした。ヘキサシアニド鉄(II)錯体と孤立・ 遊離したプロトンからなる金属錯体固体酸の存在が過去に報告されているので、 これを基にして新た な金属錯体固体酸を合成し、プロトン伝導体特性の解明を目指した。 《湿度によってプロトン伝導キャリアが異なる金属錯体固体酸の構築》 ヘキサシアニド鉄(II)錯体と有機カチオンを酸性条件下で混ぜ合わせることで得られた紫色粉末 が、シリカゲルで乾燥することで茶色粉末に変化することを発見した。この色変化は水分子の脱着が 関与していると考えられることから、湿度によってプロトン伝導度、伝導キャリアが異なるプロトン 伝導体としての物性が期待できる。そこでその詳細を調べた。 ・紫色粉末の単結晶 X 線構造解析 紫色粉末の再結晶によって単結晶を作成し、単結晶 X 線構造解析を行った。その結果、紫色粉 末には鉄錯体と有機カチオンのほかに、オキソニウムイオン(H3O+)が 2 つ含まれていることが分 かった。 ・熱重量分析 紫色粉末の熱重量分析を行うと、加熱によって水分子 2 つ相当の重量減少が見られた。測定後 のサンプルは茶色をしており、紫色粉末をシリカゲルで乾燥した茶色粉末と同等であることが分 かった。今度は茶色粉末を加湿すると、水分子 2 つ相当の重量増加が見られ、粉末色は紫色に戻 った。従って、加湿・乾燥による水分子の出入りによって可逆的に紫色粉末と茶色粉末とを変化す ることが明らかとなった。加えて、紫色粉末にはオキソニウムイオンが含まれているため、これ から水分子が抜けた茶色粉末には孤立・遊離したプロトンが含まれている可能性が示唆された。 ・茶色粉末の粉末 X 線構造解析 茶色粉末からは単結晶を得ることが出来なかったので、粉末 X 線構造解析を行った。その結果、 茶色粉末には鉄錯体と有機カチオンのみが含まれ、他に水分子やオキソニウムイオン等は含まれ ないという組成で解析することが出来た。しかしながら、この組成では電荷のバランスが合わず、 有機カチオンの他にカチオンが存在する必要があった。そこで結晶構造を精査すると、紫色粉末 では見られなかった鉄錯体のシアノ基同士が近接している(2.6 Å 程度)箇所があった。X 線による 構造解析では水素原子の位置を決定することは出来ないが、孤立・遊離したプロトンは他の分子と 水素結合を形成しているはずなので、このシアノ基同士が近接した箇所に存在する可能性が高い。 加えて、この箇所にプロトンが存在すると仮定して組成を考えると電荷のバランスが合うことか ら、熱重量分析結果と併せて考えても確実に孤立・遊離したプロトンが存在すると言える。 以上より、加湿・乾燥によって可逆的にオキソニウムイオンを含む紫色粉末と孤立・遊離したプロト ンを含む茶色粉末とを変化することが明らかとなった。 孤立したプロトンもオキソニウムイオンも共 にプロトン伝導キャリアと成り得ることから、湿度によって伝導キャリアが変化し、それに伴って伝 導挙動も変化する可能性のある物質を構築することが出来た。.

(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-院生-報告. 研究成果の概要. つづき. 《孤立・遊離したプロトンとオキソニウムイオンを含む橙色粉末のプロトン伝導性》 前述の紫色粉末とは異なる有機カチオンとヘキサシアニド鉄(II)錯体、そしてオキソニウムイオン と孤立・遊離したプロトンを含む橙色粉末を合成し、プロトン伝導性を調べた。 ・インピーダンス測定 錠剤成形した橙色粉末に交流電圧 1 V を印加し、周波数 1 Hz ~1 MHz、温度 220 ~ 320 K で交 流インピーダンス測定を行った。その結果、伝導度に周波数依存性が見られたことから、橙色粉 末が電気伝導ではなくイオン伝導を示すことが示唆された。また伝導度には温度依存性が見られ、 高温になるにつれて伝導度は向上した。しかしながら最も伝導度が高かった 320 K におけるイオ ン伝導度は 1.03×10-9 Scm-1 であり、橙色粉末は期待したような高伝導性を示さないことが分か った。興味深いことに、伝導度のアレニウスプロットをとると、室温以下と室温以上で傾き、つ まりは活性化エネルギーが大きく異なることが分かり、温度範囲によって伝導機構、或いは伝導 キャリアが異なることが示唆された。 ・固体プロトン NMR 測定 橙色粉末中におけるプロトンの運動を調べるために、固体プロトン NMR 測定を 294~380 K の 温度範囲で行った。すると、オキソニウムイオンと孤立・遊離したプロトンの両方の水素の運動が 観測され、橙色粉末がイオン伝導ではなく、プロトン伝導を示すことが明らかとなった。さらに、 温度上昇に伴ってオキソニウムイオンに帰属できるシグナルの強度増加が見られ、温度が上がる につれて回転運動をしているオキソニウムイオンの数が増えることが分かった。従って、インピ ーダンス測定によるアレニウスプロットの傾きの変化は、室温以下では回転運動をしているオキ ソニウムイオンの数が少ないが、室温以上に加熱すると大幅に増加するために伝導度が向上する ことに由来することが明らかになった。 ・結晶構造からの考察 以上に述べたように、橙色粉末は孤立・遊離したプロトンとオキソニウムイオンの両方が伝導キ ャリアとして働き、プロトン伝導を示すことが分かったが、その伝導度は期待したほど高い値を とらなかった。この原因を結晶構造から考察すると、まず孤立・遊離したプロトンは隣接したヘキ サシアニド鉄(II)錯体同士の間に位置していると考えられる。しかしながら、このようなプロトン が存在するサイトは結晶中で連続しておらず、長距離の伝導パスが構築出来ないことから高い伝 導性を示さなかったと推察できる。同様にオキソニウムイオンも、周囲に鉄錯体と水分子が存在 するので回転運動をしても水素結合的には安定に存在できるが、伝導パスが短い。プロトン伝導 性について多く報告されている配位高分子などは、高分子という特徴から長距離の伝導パスを構 築しやすいが、金属錯体固体酸などの分子性結晶は構築しにくい。従って伝導キャリアだけでは なく、どのようにプロトン伝導パスをデザイン、構築するかが高プロトン伝導性の金属錯体固体 酸を作るために必要であることが分かった。. ※この(様式2)に記入の成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間等 を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。.

(4) ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-院生-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ④ そ の 他 (学 会 発 表 ) ・ ○ 田 中 李 叶 子 ,森 本 正 和 ,松 下 信 之 ,「 オ キ ソ ニ ウ ム イ オ ン を 含 む 電 荷 移 動 鉄 錯 体 の ベ イ ポ ク ロ ミ ズ ム と プ ロ ト ン 伝 導 性 」 ,1P040, 第 9回 分 子 科 学 討 論 会 2015, 2015年 9月 16-19日 (東 京 ) ・ ○ 田 中 李 叶 子 ,松 下 信 之 ,「 オ キ ソ ニ ウ ム イ オ ン を 含 む ヘ キ サ シ ア ニ ド 鉄 (II) 錯 体 電 荷 移 動 塩 の 外 部 刺 激 に よ る 色 変 化 と 結 晶 構 造 」 , 1 PA - 1 6 , 錯 体 化 学 会 第 65回 討 論 会 , 2015年 9月 21-23日 (奈 良 ) ・○ 田 中 李 叶 子 , 松 下 信 之 , 結 晶 学 会 年 会 ,「 ビ ピ リ ジ ン 骨 格 を 有 す る 有 機 ア ク セ プ タ ー 分 子 と 鉄 錯 体 ド ナ ー か ら な る 新 規 電 荷 移 動 塩 の 構 築 と 結 晶 構 造 」, P B - 0 1 2 , 2015年 10月 17,18日 (大 阪 ) ・ ○ 田 中 李 叶 子 ,岡 澤 厚 ,小 島 憲 道 ,松 下 信 之 ,「 ジ ヒ ド ロ ビ ピ リ ジ ニ ウ ム と 鉄 錯 体 か ら な る 電 荷 移 動 塩 の 酸 蒸 気 に よ る ベ イ ポ ク ロ ミ ズ ム 」 ,OC605, 第 24回 有 機 結 晶 シ ン ポ ジ ウ ム , 2 0 1 5 年 11 月 1 - 3 日 ( 広 島 ) ・ ○ 田 中 李 叶 子 ,松 下 信 之 ,「 Acid-induced vapochromism on a charge-transfer salt composed of an organic acceptor and an iron(II) complex」 ,INOR 594, 環 太 平 洋 国 際 化 学 会 議 , 2015年 12月 15-20日 (ハ ワ イ ) ・ ○ 田 中 李 叶 子 ,松 下 信 之 ,「 鉄 錯 体 電 子 ド ナ ー と ジ ヒ ド ロ ビ ピ リ ジ ニ ウ ム か ら な る 電 荷 移 動 塩 の 相 変 化 」 , 3 PA - 0 4 6 , 日 本 化 学 会 第 9 6 春 季 年 会 , 2 0 1 6 年 3 月 24-27日 (京 都 ).

(5)

参照

関連したドキュメント

遺伝子発現に関する下の文を読み,問 1~問 4 に答えなさい.

第 9 章「 《FIRST KISS》にまつわるコミュニケーションの様相1」~第 11 章「 《FIRST KISS》にま つわるコミュニケーションの様相3」では、

る。  研究遂行に求められる倫理観や安全重視の思想を育む機会を提供する。 <教育方法> 学士課程での教育によって養った基礎知識および研究能力を発展させるとともに,ものづくりやシステム づくりを通じて社会の持続的発展に貢献するための幅広い専門知識を習得できるように,エネルギー工学教

ある選択肢を実践するために必要なコストをマイナス、その実践の結果生

に比べ、より面積が広い部屋の建設ができるようになっ ている。屋根にはより耐久性・防水性に優れる施釉瓦が 使用され、壁も煉瓦壁に白い施釉タイルが貼られる。客 庁の間口は 9.9m

一般に真核細胞においては,核内で転写された RNA はさまざまな加工・修飾を受けて

現在、テキストに対する検索手法としては、全文検索

これら遺伝子の発現が誘導されたことを示唆している.膜タンパク質が遺伝子 の転写調節に関わる例として Notch の例が報告されているが