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特産物「タデ藍」の鶏飼料としての給与安全性試験

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Academic year: 2021

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(1)

特産物「タデ藍」の鶏飼料としての給与安全性試験

誌名 誌名

徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課研究報告 = Bulletin of Tokushima Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center Livestock Research Division

ISSN

ISSN 21886083

著者 著者

丸谷, 永一 清水, 正明 藤本, 武 馬木, 康隆 松長, 辰司 巻/号

巻/号 19号

掲載ページ

掲載ページ p. 25-27 発行年月

発行年月 2020年3月

農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター

Tsukuba Business-Academia Cooperation Support Center, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat

(2)

徳 島 畜 研 報 No. 19 (2020) 

特産物 「 タデ藍 」 の鶏飼料としての給与安全性試験

丸 谷 永 ー ・ 清 水 正 明 ・ 藤 本 武 ・ 馬 木 康 隆 ・ 松 長 辰 司

要 約

生産地と結びつく特性と品質を高める肉用鶏生産の確立を目的に,新しく飼料利用を目指す特産 物のタデ藍について,飼料安全性評価基準の 「鶏ひなの成長試験」に従い安全性を評価した。

試験は,市販の配合飼料(基礎飼料)のみ給与する対照区と,タデ藍茎葉(供試資材)を1%ま たは10%含むよう基礎飼料に添加して給与する2試験区の計3区を設定した。制限給餌法により育成 した8日齢の肉用交雑種雄雛6羽を1群とし,各区に3群ずつを配して,各飼料を6日間不断給与した。

その結果,供試資材の添加量が増えるにつれ,対照区より増体重が減少し,飼料要求率が低下し たが,試験区間で有意差はなかった。また,いずれの供試鶏にも健康状態の異常は銀察されず,給 与安全性が確認され,鶏飼料として活用できることが示された。

した。 近 年 は , 鶏 肉 需 要 が 好 調 な 反 面 , 産 地 競 争 力 の

強化が 課 題 で あ り , 餌 の 工 夫 な ど 経 営 導 入 し や す

い手 法 で 差 別 化 を 因 る 特 色 あ る 鶏 肉 生 産 技 術 が 望 材 料 お よ び 方 法

まれている。 1)供 試 資 材 お よ び 基 礎 飼 料

生 産 地 と 結 び つ い た 付 加 価 値 を 付 与 す る 特 産 物 無 農 薬 で 栽 培 し た 食 用 タ デ 藍 を 乾 燥 細 断 処 理 し の 飼 料利 用 を 目 指 し , 本 県 を 代 表 す る 伝 統 工 芸 ・ て 得 た 茎 葉 ( 図1)を県内の事業者から譲受し,

藍 染 の 染 料 で あ り な が ら , 健 康 成 分 に 富 む 素 材 特 微 粉 砕して 供 試 し た。基礎飼料には, CP22.0%,  性 を 活 か し た 応 用 研 究 が 拡 が る13)タ デ 藍 (Poly‑ ME3, lOOkcalの 抗 菌 性 飼 料 添加 物を 含 ま な い 市 販 gonum tinct"orium)に 着 目 し,これまでに, フロ ブロイラー 肥育前期用配合飼料を用いた。

イ ラ ー 肥 育 仕上げ期のタデ藍乾燥葉添加給与で,

鶏 肉 食 味 が 向 上 す る 可 能 性 を 報 告 し て き た 叫 夕 デ 藍 の 食 経 験 , 漢 方 や 生 薬 と し て の利 用の 歴 史 は 古 く 見 人 体 へ の 安 全 性 が 確 認 さ れ て い る 一 方 , 家 畜 に 対 す る 利 用 事 例 は な く , 飼 料 と し て の 安 全 性 が 確 保 さ れ て い な い。

そ こ で , タ デ 藍 の 添 加 給 与 が 肉 用 鶏 の 発 育 に 及 ぼ す 影 響 を明ら か に す る た め , 飼 料 安 全性 評 価基 準 の 「鶏 ひ な の 成 長 試 験」6)に 従 い 安 全 性 を 評価

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図 1 乾 燥 細 断 処 理 し た タ デ 藍 茎 葉

‑25 ‑

(3)

徳 島 畜 研 報 N o .  1 9  ( 2 0 2 0 )  

2)供試鶏

軍鶏とホワイトプリマスロックを交配した肉用 交雑種の雄雛

1 2 0

羽を初生導入し,同一鶏群とし て,基礎飼料を制限給与して予備飼育を行った後,

8

日齢で体重が

1 5 3 .2 ‑ 1 7 7 .  2 g

の個体

5 4

羽を選抜し

5 )

統計処理

て供用した。 結果の値は平均値土標準偏差で示した。統計処

ど一般症状について, 1日2回(朝および夕)調査 した。また,試験終了時に個体体重,飼料摂取量 を測定し,増体重と飼料要求率を算出した。

理は,一元配置分散分析の後,対比較をTukey法 3)試験区の設定および方法 により実施した。有意水準は5%とした。

基礎飼料のみ給与する対照区と,基礎飼料の1

% ( 1

%給与区)または

10% ( 1 0

%給与区)を供 試資材で代替した2試験区の計3区を設定した。供 試鶏6羽を1群として平飼い鶏舎に収容し,収容室 の大きさは

0 . 6

面とした。各区につき 3群ずつを配 して,各飼料を

1 3

日齢までの

6

日間不断給与とし,

飲料水(水道水)は自由摂取させた。

4)調査項目

試験期間中の毎日,食欲,ふん便性状や活力な

結 果

いずれの試験区群においても,試験期間中に健 康状態の異常,へい死は観察されなかった。

また,供試資材の添加量が増えるにつれ,増体 重が減少し,飼料要求率が低下したが,有意差は 認められなかった。飼料摂取量にも区間差は認め られなかったが, 1%給与区が最も増えた(表 1)。

表1 発育成績

区 群 体重(

g

/羽) 増体重 飼料摂取量 飼料要求率 開始時 終了時

( g

/羽)

( g

/羽)

対 照 区

1 6 5 . 5

7 . 8 3 2 3 . 4

2 7 . 4 1 5 7 .  9

2 0 . 5 2 2 9 .  9  1 .   4 5 6   2  1 6 4 .  7

7 . 3 3 3 5 .  6

1 2 . 4 1 7 0 .  9

5 . 8 2 2 5 .  7  1 .   3 2 1   3  1 6 4 . 6

6 . 6 3 2 6 .  1

2 4 .1  1 6 1 .  5

1 7 . 6 2 2 1 . 4   1 .   3 7 1  

平 均

1 6 4 . 9

0 . 6 3 2 8 . 3

7 . 9 1 6 3 . 4

7 . 8 2 2 5 .  7

4 . 2 1 .   3 8 3

0 . 0 6 8 1

%給与区

1  1 6 6 . 2

6 . 8 3 2 6 .  7

2 2 . 8 1 6 0 . 5

1 7 .4  2 3 2 .  6  1 .   4 4 9  

2  1 6 4 . 5

6 . 0 3 1 3 . 5

1 9 .1  1 4 9 . 0

1 3 .9  2 2 9 . 6   1 .   5 4 2   3  1 6 4 . 0

6 . 9 3 2 7 . 4

1 7 .1  1 6 3 . 4

1 0 . 5 2 3 6 . 2   1 .   4 4 5  

平 均

1 6 4 . 9

0 .5  3 2 2 . 5

2 .9  1 5 7 . 6

3 . 5 2 3 2 . 8

3 . 3 1 .   4 7 9

0 . 0 5 5 1 0

%給与区

1  1 6 5 . 8

8 . 9 3 1 7 .  7

2 2 . 2 1 5 1 .  9

1 4 . 0 2 2 3 .  6  1 .   4 7 2  

2  1 6 4 .  7

7 . 4 3 0 0 . 6

1 4 . 6 1 3 5 . 9

8 .1  2 1 3 . 4   1 .   5 7 1   3  1 6 4 .  1

7 . 4 3 1 0 .  7

2 5 .9  1 4 6 . 6

1 9 . 0 2 2 9 .  1  1 .   5 6 3  

平 均

1 6 4 . 9

0 .9  3 0 9 .  7

5 . 8 1 4 4 . 8

5 . 4 2 2 2 . 0

8 . 0 1 . 5 3 5

0 . 0 5 5

平均値土標準偏差

全項目で試験区間で有意差なし

‑26 ‑

(4)

徳 島 畜 研 報

No. 19 (2020) 

考 察

我々はこれまでに,肥育後期飼料にタデ藍葉を

1

%添加し,

2

週間給与することにより,ブロイラ 一肉の食味が向上する可能性を確認し,飼料価値 を見出した見

本試験では,この添加量を大きく上回る

10

%給 与区を含めた全ての供試鶏ひなにおいて,健康状 態に異常はなく安全性が確認されたことから,飼 料活用できることが示された。

しかし,鶏肉品質の向上が期待できる

1

%給与 の水準において,飼料摂取量が慣行飼育に比べて 増加する傾向を認めたことは,生産コストに占め る飼料費の割合が高い養鶏産業において,経費面 での問題が示唆された。有効な利用法の確立には,

より最適な添加量の検討を行う必要がある。

また,タデ藍については,抗菌,抗酸化,抗炎 症作用など併せ持つ機能性に関する多くの報告

3、78)

がなされており,鶏の生体機能と関連を持 つ有用成分の存在が推察される。アニマルウェル フェアの向上や安全志向の消費者等をターゲット として,抗菌性物質に依存しない飼育や高付加価 値化が求められる肉用鶏生産にとって興味深く,

さらなる調査が必要と考えられた。

3)  Kimura H.,  Tokuyama S.  et  al. 

J .  

Pharm.  Biomed. Anal.  108 (10).  102‑112.  2015  4)

丸谷永ー・金丸芳ら.徳島畜研報.

17. 22‑3 

0.  2018 

5)

小濱利郎・三谷芳広.特産種苗.

21. 117‑1  21.  2015 

6)

農林水産省.農林水産省消費・安全局長通知.

平成20 年5

月19

日付け.

20

消安第

597

7)

河村保彦・西内優騎.徳島大学大学院ソシオ

テクノサイエンス研究部研究報告.

56. 18‑2  5.  2011 

8)

佐々木健郎.東北薬科大学研究誌.

62. 25‑3  7.  2015 

謝 辞

本試験の実施にあたり,供試したタデ藍の生産,

提供にご協力いただいた株式会社ボン・アーム

(徳島県徳島市)に深く感謝申し上げます。

文 献

l)

岩城完三・栗本雅司.ファインケミカル.

31 (11).  5‑11.  2002 

2) 畑中加珠•福家教子ら.

日歯周誌.

50(3).  1  67‑175.  2008 

‑27 ‑

参照

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