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今回のポイント 16 年 3 月期の売上高は前期比 5.8% 増の 5,114 億円 全事業で増収だった ただ 建築請負事業の受注未達で計画には及ばなかった 商品価格の値上げ 仕入ルートの見直し プレキャストなど建築資材の工場生産の拡大などで建築請負粗利率は 5.7 ポイント改善し 全体の粗利率も

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Bridge Report

レオパレス21(8848)

- 株式情報 - 株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位 705 円 262,874,395 株 185,326 百万円 14.3% 100 株 DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実) 22.00 円 1.7% 70.38 円 10.0 倍 556.06 円 1.3 倍 *株価 6/3 終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。ROE は前期末実績。 - 連結業績推移 - (単位:百万円、円) 決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 EPS DPS 2010 年 3 月(実) 620,376 -29,727 -33,831 -79,075 -521.91 0.00 2011 年 3 月(実) 484,390 -23,607 -31,808 -40,889 -261.03 0.00 2012 年 3 月(実) 459,436 4,585 2,349 1,588 9.40 0.00 2013 年 3 月(実) 454,222 7,413 11,091 13,335 74.50 0.00 2014 年 3 月(実) 471,089 13,673 11,574 15,229 67.17 0.00 2015 年 3 月(実) 483,188 14,763 13,424 14,507 55.19 0.00 2016 年 3 月(実) 511,424 20,996 19,820 19,432 73.92 10.00 2017 年 3 月(予) 528,000 22,500 21,500 18,500 70.38 22.00 *予想は会社予想。当期利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。 株式会社レオパレス21の 2016 年 3 月期決算概要等について、ブリッジレポートにてご報告致します。 ―目次― 1. 会社概要 2. 2016 年 3 月期決算概要 3. 2017 年 3 月期業績見通し 4. 今後の注目点 深山 英世社長 会社名 株式会社レオパレス21 証券コード 8848 市場 東証 1 部 業種 不動産業 社長 深山 英世 所在地 東京都中野区本町 2-54-11 事業内容 アパートの建築請負と賃貸を中心に、住まいに関するサービスをワンストップ で提供。全国に約 56 万室のアパートを管理。 決算月 3 月 HP http://www.leopalace21.co.jp

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今回のポイント

1.会社概要

保有地の有効活用を望む土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築と建築後の管理・運営を代行する「一括借上 げ」を業界で初めて導入。売上はアパート入居者からの受取家賃とアパート等の建築請負が中心。全国 3 大都市圏 (東京圏、名古屋圏、大阪圏)を中心に、2016 年 3 月末時点の管理戸数は 561,961 戸。 太陽光発電関連事業や海外での事業展開にも積極的。

【ビジネスモデル】

保有地の有効な活用方法を求める土地オーナーに対し、賃貸アパート等の建築および建築後の一括借上げを提案 する。 一括借上げとは、賃貸住宅の建築から管理運営まで、オーナーのアパート経営を総合的に支援するシステムで、具 体的には入居者募集、オーナーに対する賃料支払いや管理・修繕など、本来オーナーが行うべき業務を同社がアウ トソーサーとして代行してオーナーの負担を軽減し、かつ安定収入の確保に貢献するもの。 同社とオーナーとの契約期間は最長 30 年で、空室の有無に限らず一定期間は固定家賃をオーナーに払うもの。当 初の固定家賃期間終了後は、原則として 2 年毎に周辺の家賃相場実勢をベースに契約を更改していく。 「賃貸事業」における同社の売上は、入居者からの家賃収入となり、オーナーへの支払家賃が売上原価となる。 アパートの「建築請負事業」も主要収益源。 ・16 年 3 月期の売上高は前期比 5.8%増の 5,114 億円。全事業で増収だった。ただ、建築請負事業の受 注未達で計画には及ばなかった。商品価格の値上げ、仕入ルートの見直し、プレキャストなど建築資材 の工場生産の拡大などで建築請負粗利率は 5.7 ポイント改善し、全体の粗利率も 1.7 ポイント改善した。 販管費は前期比 2 桁増となったものの、計画以下に抑制。増収効果と採算性向上により、営業利益は前 年同期比 42.2%増と大幅増益となった。 ・17 年 3 月期の売上高は前期比 3.2%増の 5,280 億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業 も増収を見込む。営業利益は同 7.2%増の 225 億円。販管費も建築請負事業における人員増などで同 5.4%増加するが、増収効果と粗利増で吸収する。今期より中間配当を開始し、中間 10 円、期末 12 円/ 株の合計 22 円/株を予定。予想配当性向は 31.3%。中長期目標を 30%としていたが、事業環境が良好 なこともあり、前倒しの形で配当性向を前期の 13.5%から大幅に引き上げることとした。 ・中期経営計画「EXPANDING VALUE」2 年目の前期は売上高が若干未達であったものの、その他の指標 は概ねクリアした。前期決算を受けて若干改訂された最終年度である今期の数値をどれだけ上回るかも 注目されるが、投資家の視線は既にその先に移っているだろう。復配を行い、配当性向の引上げを前倒 しで実施した同社が次の中計においてどのような姿を目指すのか期待したい。

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固定家賃期間に想定以上の空室が発生した場合、「逆ザヤ」が発生することとなる。 空室発生の抑制(入居率の向上)と適正家賃の獲得が同社の収益向上のための最重要ポイントとなっている。 「新規オーナーの開拓による賃貸アパート建設の供給増加と、入居者の安定的な獲得による家賃収入増大」が同ビ ジネスモデルにおける収益拡大ストーリーであったが、2008 年のリーマンショックを受けた企業収益の急速な悪化か ら各企業における人員削減が増加。同社においては法人契約物件を中心に退去が増加したため「逆ザヤ」となり、 賃貸事業の収益が悪化した。また金融機関のローン審査が厳格化したことでアパートの新規供給も急減し、建築請 負事業も大きな影響を受け、収益は低迷した。 こうした状況を受け、一括借上げの基本的な枠組みは維持しつつも、下記の施策を取り込み、安定収益獲得のため のストックビジネスへの転換を進めている。 バランスのとれた請負事業の展開 賃貸事業の収益拡大に結び付ける事を目的とし、高い入居率が見 込めるエリアに絞り込んで新規供給 賃貸事業の収益改善 賃貸原価の削減、適正家賃の実現 一括借上げを行わない施設の建築請負 建築請負事業の対象分野拡大 入居者満足度向上のための物件価値向上 長期安定入居のための入居者視線重視

【市場環境】

① 世帯数動向 国立社会保障・人口問題研究所の推計(2013 年 1 月)によれば、2010 年に 5,184 万世帯だった日本の一般世帯総数 は 2019 年に 5,307 万世帯でピークに達し、その後 2035 年には 4,956 万世帯まで減少するが、単独世帯に限れば 2010 年 1,679 万世帯から増加が続き、2035 年には 1,846 万世帯に達し、総世帯に占める割合は 2010 年の 32.4%か ら、2035 年には 37.2%に上昇する。単独世帯数の増加は、従来からワンルームを中心に事業展開してきた同社にと ってはビジネスチャンスの広がりとも考えられる。従来の若年層中心から、高齢者まで対象を広げて、いかにしてニ ーズを取込んでいけるかがカギとなる。また、そのためには法人契約と並行して個人入居者の獲得も着実に進めて いく必要があるだろう。 <日本の世帯数の将来推計> *2013 年 1 月推計:国立社会保障・人口問題研究所資料より *2010 年以降は推計。単独世帯比率は右軸。 ② 住宅着工戸数の推移 平成 27 年度の新設住宅着工戸数は、前年度比 4.6%増の 920,537 戸と前年度のマイナスからプラスに転じた。2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた不動産需要の盛り上がりから、当面は好調が持続するとも見ら れるが、人口減少が不可避な現状では長期的に増加トレンドを辿るとは考えにくい。

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③借家の建替え需要 ただ、住宅、なかでも同社の事業ドメインである「借家」を「ストック」という観点から見てみると、異なった未来図が現 れる。 総務省統計局が発表した「平成 25 年住宅・土地統計調査速報集計結果(2014 年 7 月発表)」によると、日本全国に は約 1,450 万戸の民営借家があるが、1980 年以前に建築されたものは約 220 万戸となっている。 賃貸住宅市場においては、新築物件の人気が圧倒的に高く、入居率を高めようとすれば土地オーナーは一部改修 ではなく新築・建て替えを選択しなければならないのが現状であり、これら全国大都市の借家では今後継続的に建 替えニーズが生まれるものと同社では考えている。 こうした建替え需要に加え、相続税法の改正も大きな追い風となる。2015 年 1 月 1 日以降の相続については、相続 税の基礎控除が 5,000 万円から 3,000 万円に引き下げられ、課税対象者が大幅に増加している。貸家建付地の土地 評価減を利用した相続税対策に起因する借家建築の需要も増加傾向にある。

【同業他社】

「賃貸住宅の一括借上げ」というビジネスモデルの観点からは以下の各社が比較対象となる。 企業名 市場 時価総額 売上高 営業利益 営業利益率 ROE PER PBR (1766)東建コーポレーション 東証 1 114,240 288,046 12,665 4.4% 11.1% 13.6 2.0 (1878)大東建託 東証 1 1,227,301 1,498,000 107,000 7.1% 27.4% 16.7 4.9 (3276)日本管理センター 東証 1 29,502 40,000 2,118 5.3% 33.0% 21.4 8.3 (8848)レオパレス 21 東証 1 185,326 528,000 22,500 4.3% 14.3% 10.0 1.3 *業績は今期予想。単位:百万円。PER および PBR は倍。時価総額は 2016 年 6 月 3 日終値ベース。 業界首位の大東建託と比較すると営業利益率、ROEともに下回っており、これが株価評価にもつながっているよう だ。次の中期経営計画においてどのような収益性向上策が打ち出されるか期待したい。

【ROE 分析】

2012/3 期 2013/3 期 2014/3 期 2015/3 期 2016/3 期 ROE(%) 4.8 29.0 18.7 12.5 14.3 売上高当期純利益率(%) 0.4 2.9 3.2 3.0 3.8 総資産回転率(回) 1.6 1.7 1.7 1.6 1.6 レバレッジ(倍) 8.4 5.7 3.4 2.6 2.3 2016 年 3 月期は、レバレッジは低下したが、売上高当期純利益率の上昇により ROE は上昇した。2017/3 期計画は 「ROE 12.0%」を掲げている。

【事業内容】

「賃貸事業」、「建築請負事業」、「シルバー事業」、「ホテル・リゾート事業」、「その他事業」の 5 事業から構成されてい る。 中心事業は「賃貸事業」、「建築請負事業」で両事業による売上構成比は約 95%にのぼる。

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<賃貸事業> 売上高 410,552 百万円、セグメント利益 22,760 百万円 (2016 年 3 月期実績。) 同社の主力事業。建築請負したアパート等の一括借上げによる賃貸物件の賃貸及び管理等を行っている。 賃貸サービスの契約形態には、利用料月払いで初期費用の負担を軽減した「賃貸契約」と、利用料は一括前払いで 全室家具・家電付き、水道・光熱費不要の「マンスリー契約」の 2 種類がある。 同社の売上は入居者からの受取家賃。オーナーへの支払家賃が売上原価となる。 <建築請負事業> 売上高 74,160 百万円、セグメント利益 3,339 百万円 (2016 年 3 月期実績。) アパートなどの建築請負を行っている。近年は、同社が一括借上して賃貸及び管理を行う賃貸物件に加え、商業施 設や介護施設など同社が一括借上げしないアパート以外の請負にも前期から取組んでいる。 また、太陽光発電システムの販売にも力を入れ、2013 年 2 月からは「屋根借り太陽光発電事業」も開始した。 <シルバー事業> 売上高 10,798 百万円、セグメント利益 -1,354百万円 (2016 年 3 月期実績。) 「あずみ苑」の名称で、2016 年 3 月末現在、関東と中部で 67 拠点の「有料老人ホーム」、「デイサービス」、「ショート ステイ」、「グループホーム」の運営、訪問介護・居宅介護支援など、地域社会に根差した介護事業を行っている。マ ーケットが拡大する中で確実に需要を取り込むためにも、新規施設の開設を進めている。 <ホテル・リゾート関連事業> 売上高 11,427 百万円、セグメント利益 -697百万円 (2016 年 3 月期実績。) 海外子会社レオパレスグアムコーポレーションを通じてグアム島でゴルフ場や野球場などのスポーツ施設やホテル、 コンドミニアムなどのリゾート施設を運営している。 また、国内では 2016 年 3 月末現在、全国 6 か所でホテルを運営している。 同事業は、賃貸事業、建築請負事業という同社の主力事業の拡大をサポートするという側面も有している。 例えば土地のオーナーへ提案営業を行う際、ホテルを運営しているという認知度や信頼度から商談がスムーズに進 むケースも多いということだ。 損益計算上の利益はマイナスとなっているが、営業 CF はプラスを維持しており減損処理のリスクは現時点では小さ い。

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<その他> 売上高 4,485 百万円、セグメント利益 337 百万円 (2015 年 3 月期実績。) 子会社を通じた賃貸入居者向けに家財の少額短期保険の提供の他、ファイナンス事業、住宅等不動産販売事業、 太陽光発電事業等を含む。

【特長と強み】

「3 大都市圏への集中」 全国約 56 万戸管理物件の内、約 70%が東京・名古屋・大阪の 3 大都市圏に集中。 この 3 大都市圏は人口流入が続いており、人口が集中するエリアに管理物件を集中させることで高い入居率を維持 している。 「高い商品開発力」 「ロフト付き」「一括借上げ」「マンスリー」「ブロードバンド装備」「家具・家電付き」という仕組みを業界で初めて導入し たことに現れているように、同社は時代のニーズに対応した新しい商品や仕組みを開発することに力を入れている。 家具・家電付き、自分好みの部屋にすることができる「お部屋カスタマイズ」、セキュリティシステムなど、入居者の目 線に立ったサービスやシステムの導入を入居率向上に結び付けている。 (同社資料より) 「ワンルームの優れた商品性」 同じ面積の土地にファミリータイプの住宅を 1 軒建てるよりも、入居率を一定程度に保つことができればワンルーム の方が通常は家賃総収入が多くなるため、土地オーナーの収益性は高くなる。 また、同社の管理物件が集中する都会には狭小地が多い。ファミリータイプでは建設自体難しい場合でも、ワンルー ムであれば柔軟な設計が可能であり、土地オーナーに有効なソリューションを提供することができる。 「全国規模での事業展開」 2016 年 3 月末現在で全国に直営 182 店、FC130 店の合計 312 の店舗を有している。どこの店舗からでも全国どこの 物件も契約することができるため、大学入学、入社や転勤などの際の利便性の高さを入居者に提供することができ る。 また全国規模で遊休地や土地オーナーの属性など豊富な土地情報を保有しており、この情報をベースに様々な提 案を行うことができるのも同社の大きな特長となっている。 お部屋カスタマイズ

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2.2016 年 3 月期決算概要

(1)連結業績 (単位:百万円) 15/3 期 構成比 16/3 期 構成比 前期比 期初計画比 売上高 483,188 100.0% 511,424 100.0% +5.8% -2.6% 売上総利益 75,755 15.7% 88,820 17.4% +17.2% +0.4% 販売管理費 60,992 12.6% 67,823 13.3% +11.2% -1.7% 営業利益 14,763 3.1% 20,996 4.1% +42.2% +7.7% 経常利益 13,424 2.8% 19,820 3.9% +47.6% +10.1% 当期純利益 14,507 3.0% 19,432 3.8% +33.9% +21.5% 建築請負事業の採算向上もあり増収・増益 売上高は前期比 5.8%増の 5,114 億円。全事業で増収だった。ただ、建築請負事業の受注未達で計画には及ばなか った。商品価格の値上げ、仕入ルートの見直し、プレキャストなど建築資材の工場生産の拡大などで建築請負粗利 率は 5.7 ポイント改善し、全体の粗利率も 1.7 ポイント改善した。販管費は前期比 2 桁増となったものの、計画以下に 抑制。増収効果と採算性向上により、営業利益は前年同期比 42.2%増と大幅増益となった。 (2)セグメント動向 (単位:百万円) 売上高 セグメント利益 15/3 期 16/3 期 前期比 計画比 15/3 期 16/3 期 前期比 計画比 賃貸事業 399,316 410,552 +2.8% -0.1% 20,532 22,760 +10.9% +5.9% 建築請負事業 61,312 74,160 +21.0% -13.8% 210 3,339 +1490.0% -4.6% シルバー事業 10,608 10,798 +1.8% -3.6% -606 -1,354 - - ホテル・リゾート事業 8,951 11,427 +27.7% -8.6% -1,289 -697 - - その他 2,999 4,485 +49.5% +4.3% 31 337 +987.1% - 調整額 - - - - -4,116 -3,388 - - 損益計算書計上額 483,188 511,424 +5.8% -2.6% 14,763 20,996 +42.2% +7.7% *売上高は外部顧客への売上高 <賃貸事業>  売上高は前年同期比 2.8%増の 4,105 億円。ほぼ計画通りだった。セグメント利益は 227 億円で、前期実績、計 画を共に上回った。  2016 年 3 月期の空室損失引当金は前期末比で 14 億円の戻入。通期計画は 25 億円の戻入。残高は 38 億円 で、2016 年 3 月以降は残高を維持する。  2016 年 3 月期の期中平均入居率は前年同期比 1.38 ポイント上昇の 87.95%となった。引き続き長期の賃貸契 約による入居期間の長期化、稼動の安定化を実現している。2017 年 3 月期平均入居率目標は 89.0%。2016 年 4 月の入居率は 88.97%とも前年水準を約 1%以上上回っている。  法人契約戸数は前期比 5.6%増加の 277,261 戸。全契約戸数に占めるシェアは 54.5%と同 1.5 ポイント上昇した。 堅調な企業業績を背景に、社員寮や社宅ニーズが拡大しており、営業強化で順調に取り込んだ。  2016 年 5 月には官公庁担当部門を設置。新たな市場開拓に取り組む。  個人および学生の契約戸数については、それぞれ 183,008 戸(前期比 0.5%増)、48,451 戸(同 4.6%減)で、法 人契約に比べ引き続き低調な推移となっている。2014 年には学校法人営業部を設立し営業を強化している。ま た、積極的な TVCM の放映などで、認知度向上を図っている。  個人向け施策の 1 つ、「お部屋カスタマイズ」は引き続き評価が高い。無料で壁紙1枚をカスタマイズでき原状回 復費用は発生しない。2012 年 5 月からの累積契約件数は 2016 年 3 月末で 26,542 件となっている。入居者の男 女比は同社全体が 7:3 なのに対し、お部屋カスタマイズは 5:5。女性顧客獲得に大きく寄与している。  外国人契約戸数は 2016 年 3 月末で 15,013 戸と過去最高を記録した。構成比は 3.0%。海外店舗の展開、来日 後のサポート体制(サービスガイドの配布、コールセンター対応、懇親会など)の充実を図り、更に拡大を図って いる。国籍別には中国が 6,627 戸で引き続きトップだが、2015 年 3 月期 2Qに韓国を抜き 2 位に浮上したベトナ

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ムの伸長が目を引く。契約の属性は学生 59%、社会人 41%となっている。  2016 年 3 月末のセキュリティシステムの設置件数は 256,900 戸で設置率は 45.7%となっている。セキュリティシ ステムは築 15 年未満の物件のみで設置することにしているため実質的な設置率は 5 割を超えている。防犯カメ ラは 7,848 棟に設置済で設置比率は 21.9%。今後は防犯カメラ、防犯シャッターなど、より安心・安全な住環境作 りに力を入れて競争力を強化し、女性およびセキュリティ重視の大企業のニーズを取り込んでいく。 <建築請負事業>  売上高は 741 億円と、前期を上回ったが計画には未達だった。総受注高が 864 億円と、前年を 1%下回った。 一方、発注方法や資材の見直しで採算性は向上。粗利益は前年及び計画を上回った。  建築請負事業の支店数は 2016 年 3 月末で全国 60 支店。受注エリアを絞り込んでおり、全国一括借上アパート 完工棟数のうち 49.9%を首都圏が、72.6%を三大都市圏が占めている。  業界トップクラスの遮音性、安心・安全のセキュリティ、家具・家電付きなど基本スペックはそのままに、異なる 2 つのブランドコンセプトを展開することにより競争力強化と入居者イメージの一新を図る「MIRANDA(ミランダ)」 と「CLEINO(クレイノ)」の新ブランドの販売を 2015 年 5 月より開始した。  また、高品質アパート建築のために、2015 年 10 月より壁式プレキャストコンクリート商品「Burliant」の発売を開 始した。コンクリートのパーツを工場生産することで工期を約 2 ヶ月短縮し、現場での作業工程縮小により現場 労務量を軽減できることに加え、壁式プレキャストコンクリート工法により、優れた耐震性・耐風圧性・水密性を 実現した。 <シルバー事業> 売上高は前年同期比 1.8%増の 107 億円。計画に対しては未達だった。 中期経営計画において建築請負事業とのシナジーが期待できることに加え、地域貢献も図ることが出来る事から成 長事業と位置付け、2018 年 3 月末までに 104 施設まで拡充する。これまでは首都圏中心であったが、2015 年 11 月 各務ヶ原(岐阜県)、2016 年 2 月春日井、守山(どちらも愛知県)など中部圏にも拡大する。介護施設「あずみ苑」は 2016 年3 月末現在関東と中部で67 か所を運営している。スケールメリットと原価コントロールにより採算を確保する。 <ホテル・リゾート事業> 国内ホテルの売上は 21 億円で前期を下回ったが、計画は上回った。賃貸事業の取引法人への利用を促進したこと から稼動率は前期を上回った。営業利益は収支トントンとなり、前期および計画を上回った。 2015 年 7 月にホテルレオパレス新潟を売却したため、2016 年 3 月末現在のホテルは 6 か所となっている。 グアムリゾート施設の売上高は前期実績、計画共に上回った。稼働率は前年実績を下回ったが、ほぼ計画通りだっ た。 <屋根借り太陽光発電事業> 同グループ自らが投資する「屋根借り太陽光発電事業」は、新たに 524 棟に設備を設置し、累計設置棟数は 4,493 棟となった。 14/3 期 実績 15/3 期 実績 16/3 期 実績 累計 設置棟数 1,114 棟 2,855 棟 524 棟 4,493 棟 発電開始棟数 680 棟 3,102 棟 710 棟 4,492 棟 発電容量 21.4MW 37.2MW 8.4MW 67.1MW 売電による売上高 1.0 億円 14.6 億円 28.3 億円 発電量 約 2,700MWh 約 36,600MWh 約 74,200MWh *福島実証モデル事業の 67 棟、1.2MWを含む。発電量は各期間分。売電による売上は「その他事業」に計上

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<賃貸事業の海外展開> 韓国や台湾で日本人および日系企業向けの現地不動産仲介業を展開している。 また、今後成長が見込まれる韓国の賃貸管理市場に日本で培ったノウハウを輸出するために設立した合弁会社「ウ リレオ PMC」の 2016 年 3 月末時点での管理受託実績は 1,001 戸となっている。 2016 年 3 月末現在、海外支店および現地法人は、中国 4、韓国 2、台湾 1、タイ 2、ベトナム 2、カンボジア 1、ミャンマ ー1、フィリピン 1、インドネシア 1 の合計 15 支店・法人。 今期より、東南アジアで、日系企業駐在員向けサービスアパートメントの開発・運営の展開に着手した。 まず 2015 年 10 月より、タイ・シラチャー郡で地上 8 階、72 部屋のサービスアパートメントの運営を開始した。レセプ ションのほか、プール、ジム、サウナ等を完備したもので、日系企業の駐在員でほぼ 100%稼働状態。 この他、サービスオフィスの運営を 2015 年 11 月にフィリピン・マカティ市(44 部屋)、2016 年 4 月にミャンマー・ヤンゴ ン市(17 部屋)で開始した。また、同じく日系企業駐在員向けに、地下 1 階、地上 13 階、48 戸のサービスアパートメ ントをカンボジアに開発中で、2017 年中に運営開始を予定している。 2 桁の利回りを目標としている。 <その他> 海外への赴任をトータルでサポートするワールドビジネスサポート(WBS)を新たに開始した。 海外物件のご紹介  海外物件仲介  サービスアパートメント、サービスオフィスの運営管理 ビジネストラベルマネジメント  航空券手配  ビザ取得  ホテル手配  レンタカー手配など その他サポート  空家管理、転貸、売却  中古車買取、取次ぎ  赴任前検診、予防接種  海外への引っ越し、取次ぎ また、日本国内の職人不足に対応すべく、ベトナムおよび日本政府が推進している外国人技能実習制度に協力し、 協力工務店による技能実習生の受け入れサポートを開始した。ベトナムで日本語及び建築技能の基礎を学んだベト ナム人技能工 18 名が第一陣として 2015 年7月に来日し、現時点で 9 社の協力工務店に配属され、8 月より現場で 作業に従事している。第 2 期 10 名、第 3 期 11 名も 2016 年 2 月より順次配属している。雇い入れは協力工務店が行 う。

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(3)財政状態とキャッシュ・フロー (単位:百万円) 15 年 3 月末 16 年 3 月末 15 年 3 月末 16 年 3 月末 現預金 75,221 88,043 買掛金 2,803 2,606 売掛金 6,254 6,779 工事未払金 14,049 12,193 完成工事未収入金 1,714 1,992 短期有利子負債 24,525 6,003 前払費用 3,656 2,847 未払金 18,466 19,229 流動資産合計 102,263 114,185 前受金 40,781 38,701 建物・構築物 59,899 57,979 流動負債合計 116,521 95,384 機械装置及び運搬具 15,115 16,105 長期有利子負債 11,156 34,107 土地 83,289 84,241 長期前受金 22,198 18,950 リース資産 7,880 9,417 長期預り敷金保証金 8,019 7,516 投資有価証券 6,832 8,230 空室損失引当金 5,280 3,802 長期前払費用 3,416 3,686 退職給付に係る負債 9,351 10,224 固定資産合計 205,887 212,033 固定負債合計 65,279 85,294 資産合計 308,274 326,890 負債合計 181,801 180,679 純資産合計 126,473 146,211 負債純資産合計 308,274 326,890 11 年 3 月末 12 年 3 月末 13 年 3 月末 14 年 3 月末 15 年 3 月末 16 年 3 月末 自己資本 33,025 33,804 58,133 104,829 126,455 146,173 自己資本比率 11.1% 12.8% 22.2% 36.5% 41.0% 44.7% 有利子負債残高 39,888 48,305 46,874 31,497 35,681 40,110 現預金 40,674 41,477 56,681 74,767 75,221 88,043 NDE レシオ -0.02 0.20 -0.17 -0.41 -0.31 -0.33 *有利子負債はリース債務含まない。*NDE レシオ=(有利子負債―現預金)/自己資本 2015 年 3 月末と比較して、現預金、太陽光発電事業に係る機械装置及び運搬具、リース資産、投資有価証券の増加 など、資産合計は 186 億円増加の 3,268 億円となった。 短期有利子負債が同 185 億円減少した一方、長期有利子負債は同 229 億円増加。長期前受金の減少などもあり、 負債合計は同 11 億円減少の 1,806 億円となった。 純資産は、利益剰余金の大幅増加により同 197 億円増加の 1,462 億円となった。この結果、自己資本比率は 44.7% と 2015 年 3 月末に比べ 3.7%上昇した。 ◎キャッシュ・フロー (単位:百万円) 15/3 期 16/3 期 増減 営業CF 15,715 22,104 +6,389 投資CF -17,550 -11,087 +6,463 フリーCF -1,835 11,017 +12,852 財務CF 1,747 1,374 -373 現金及び現金同等物残高 74,504 86,826 +12,322

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3.2017 年 3 月期業績見通し

(1)連結業績 (単位:百万円) 16/3 期 実績 構成比 17/3 期 予想 構成比 前期比 売上高 511,424 100.0% 528,000 100.0% +3.2% 売上総利益 88,820 17.4% 94,000 17.8% +5.8% 販管費 67,823 13.3% 71,500 13.5% +5.4% 営業利益 20,996 4.1% 22,500 4.3% +7.2% 経常利益 19,820 3.9% 21,500 4.1% +8.5% 当期純利益 19,432 3.8% 18,500 3.5% -4.8% 好調な賃貸事業を柱に、小幅ながらも 4 期連続の増収増益へ 売上高は前期比 3.2%増の 5,280 億円。引き続き好調な賃貸事業に加え、建築請負事業も増収を見込む。 営業利益は同 7.2%増の 225 億円。販管費も建築請負事業における人員増などで同 5.4%増加するが、増収効果と 粗利増で吸収する。今期より中間配当を開始し、中間 10 円、期末 12 円/株の合計 22 円/株を予定。予想配当性 向は 31.3%。中長期目標を 30%としていたが、事業環境が良好なこともあり、前倒しの形で配当性向を前期の 13.5%から大幅に引き上げることとした。 (2)セグメント動向 (単位:百万円) 売上高 16/3 期 17/3 期(予) 増減 賃貸事業 410,552 420,500 +2.4% 建築請負事業 74,160 82,800 +11.7% シルバー事業 10,798 12,200 +13.0% ホテル・リゾート事業 11,427 8,100 -29.1% その他 4,485 4,400 -1.9% 損益計算書計上額 511,424 528,000 +3.2% *売上高は外部顧客への売上高。 (単位:百万円) セグメント利益 16/3 期 17/3 期(予) 増減 賃貸事業 22,760 23,400 +2.8% 建築請負事業 3,339 4,200 +25.8% シルバー事業 -1,354 -1,750 - ホテル・リゾート事業 -697 -450 - その他 337 500 +48.4% 調整額 -3,388 -3,400 - 損益計算書計上額 20,996 22,500 +7.2%  賃貸事業は引き続き旺盛な法人需要を取り込み、管理戸数増、入居率上昇を見込む。空室損失引当金の戻入 れはゼロの見込み。  建築請負事業は競争激しいが、受注を拡大させるとともに、採算性向上を継続して売上、利益を確保する。  シルバー事業は、通所介護施設中心に今期 10 か所の開設を計画。投資増で損失は拡大。コスト低減に取り組 む。  屋根借り太陽光発電事業は前期で設置が完了。減価償却費減少で採算が向上する。

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4.今後の注目点

中期経営計画「EXPANDING VALUE」2 年目の前期は売上高が若干未達であったものの、その他の指標は概ねクリ アした。前期決算を受けて若干改訂された最終年度である今期の数値をどれだけ上回るかも注目されるが、投資家 の視線は既にその先に移っているだろう。復配を行い、配当性向の引上げを前倒しで実施した同社が次の中計にお いてどのような姿を目指すのか期待したい。 <業績推移> (単位:億円) 16/3 期(計画) 16/3 期(実績) 17/3 期(当初計画) 17/3 期(改定値) 売上高 5,250 5,114 5,400 5,280 営業利益 195 209 220 225 経常利益 180 198 210 215 当期純利益 160 194 190 185 EPS(円) 60.9 73.9 71.7 70.4 自己資本比率 45.0% 44.7 48.0% 48.0% ROE 12.0% 14.3 12.3% 12.0% ROA 5.5% 6.1% 6.0% 5.6% <参考:コーポレートガバナンスについて> ◎組織形態、取締役、監査役の構成 組織形態 監査役設置会社 取締役 9 名、うち社外 2 名 監査役 4 名、うち社外 2 名 ◎コーポレートガバナンス報告書 同社はコーポレートガバナンス・コード適用以降のコーポレートガバナンス報告書を 2015 年 11 月 20 日に提出してい る。 <実施しない主な原則とその理由> 原則 実施しない理由 【原則4-8-2 独立社外取締役の有効な活用】(筆頭独立社外 取締役) 当社の独立社外取締役は 2 名の選任であり、経営 陣や監査役会との連絡や調整は、各々が各会議体 などの活動を通じて支障なく出来きる体制となって おります。よって筆頭者を置かなくても特段の支障 はなく、また無用な序列意識を誘発することを回避 するためにも筆頭者を介して連絡等を行うことを目 指しておりません。 【原則4-11-3 取締役会・監査役会の実効性確保のための前 提条件】(取締役会の分析評価) 当社は、取締役会が果たすべき役割がどの程度達 成できたかについて、評価分析を行い、その結果を 次年度以降に反映させることを予定しております。 2015 年 3 月期の取締役会評価は行っておりません

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<開示している主な原則> 原則 開示内容 【原則1-4 いわゆる政策保有株式】 当社は、取引先や資本提携または業務提携先との関係維 持強化のため、取引先等の株式を取得することが有用と認 められ、当該株式取得により得られる中長期的な経済的利 益が取得に伴う費用等を上回ると見込まれる場合、社内規 程に定められた手続によって当該株式を取得することがあ ります。 当該株式については、決算承認を行う取締役会で中長期 的な経済合理性を検証しております。この検証によって経 済合理性に疑義がある場合には、保有継続の要否を検討 することとしております。 議決権行使においては、財務経理部が、当該株式の保有 目的、発行会社の業績等を総合的に勘案した上で行使案 を策定し、当社決裁権限規程に基づいて決定した上で議決 権行使を行っております。 原則 5-1.株主との建設的な対話に関する方針 当社では、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の 向上を図る為、執行役員を責任者とする広報・IR 担当部署 を設け、株主との建設的な対話(面談)を促進しておりま す。具体的には、個別面談に加え、決算説明会、個人投資 家説明会、海外投資家説明会等を開催し、株主を含むステ ークホルダーに当社の経営方針等の明確な説明を行って おります。 株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組み に関する方針については、「ディスクロージャーポリシー」を 策定し、当社ホームページにて開示しておりますので、ご参 照ください。 本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び 見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源か ら入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当 性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッ ジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなさ れますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2016 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

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