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2両 理 論 の 基 本 的 対 立 構 図 に 関 す る 解 説 して は

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研究論文

企 業 の競 争 戦 略 における線 形 反 応 モデルの有 効 性 一X社 の海 外 進 出構 想 を 中心 に

金 宇 烈

は じめ に

前 稿1で 、今 日の競 争 戦 略理論 と して圧 倒 的 な支 持 を得 て い るポー ター のポ ジ シ ョ ニ ン グ(positioning)およびバ ー ニー のResource‑BasedView(以 下RBVと す る)の 理 論 的特 徴 と、 現 実 の企 業 経 営 へ の適 用 にお け る諸 問題 を考 察 した。 そ して、企 業 経 営 の適 用 に 当たっては 、両 理論 の分 断 され ている分 析 視 点 を持 っては 、持 続 的競 争 優 位 を説 明するの に充 分 条件 にな らないこ とを明 らかに し、ポ ジシ ョニ ング とRBVの 統 合 的 分析 視 点に基づ き、外 部 環 境 と内部 環境 の絶 え間 ない コンフ リク ト、 適合 、 そ して 新 しい戦 略次 元 の再 構 築 といった線 形 反 応 モデルが必 要で あることを提 示 した。

本 稿 で は、企 業 経 営 の事 例 を取 り上 げ 、企 業 の戦 略 構想 の段 階で 、 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVが い か に応 用 され て い るの か、 を計画 のプ ロセ ス に焦 点 を合 わせ て 考 察 す る。 そ して 、企 業 が新 しい経 営 環境 に直面 し、そ こで競争優 位 を獲得 す るた めに は、

既 存 の戦 略 との整 合性 だ けで はな く、 新 しい戦 略 次元 の再創 出 が必 要 で あ る こ と検 証す る と共 に 、そ の場 合 に必要 な戦 略 的思 考 と して 、前 稿 で 取 り上 げた線 形 反応 モ デル が有効 で あ る こ と論 じる もの で あ る。

特 に 、新 しい経 営環 境 お よび競 争 次 元 に 直面 した企 業 に とっ て 、果 た して既 存 の 競争 戦 略 理 論 はそ のま ま有 効 で あ るのか 、 を再 度検 証 す るた め に 、国 内 市場 で はな く、海 外 市 場 とい った今 ま で とは全 く違 う競 争 条件 を1つ の 分析 対 象 と して取 り上 げ る。 事 例 と して は、 日本 で化 粧 品製 造販 売 を行 な って い る 中小 企 業 の海 外 進 出構 想 を取 り上 げ て い る。 それ は、既 存 の 国内競 争 次 元 とは全 く異 な る経 営環 境 に直 面

'衣 笠 洋 輔 ・ 金 宇 烈 競 争 戦 略 の 理 論 と実 際 一 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBV(Resource‑BasedView) の 統 合 的 分 析 視 点 を 探 っ て 一 」 『国 際 経 営 論 集 』(神 奈 川 大 学)、No.26,2003年11月

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国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.15

す る こ と、 国 内で の ノ ウハ ウや競 争 優位 が海 外 で もそ の ま ま優 位 性 を維 持 で き るか が分 か らな い こ と、 そ して、 国 内 で築 い た ポ ジ シ ョンをそ の ま ま海 外 市 場 に拡 大 し た と して も、そ れ が そ の ま ま競 争 優位 にな る か分 か らない こ とな ど、動 態 的環 境 要 因 の変化 に対 して 、果 た して既 存 の静 態 的 な競 争 戦 略理 論 が 有効 で あ るか を検 証 す る こ とが で き るか らで あ る。

本 稿 で取 り上 げ て い るX社 は 結果 論 か らす れ ば、 まだ 結果 を出 して い ない 現 在進 行 段 階 の企 業 で あ り、 一般 的 な事 例研 究 か らす れ ば 、何 の意 味 もな い もの と して と

らえか ね な い。 つ ま り、 あ る事 象 に対す る検 証 が で きない の で 、事 例研 究 と して価 値 を持 た な い と考 え られ る恐れ が あ る。 しか し、本 稿 は、 中小 企 業 の国 際化 のプ ロ セ ス を追 い なが ら、今 後 の成 長 過 程 も明 らか にす る と共 に、海 外 で の競争 戦 略 展 開 を結果 論 だ けで は な く、プ ロセ スか ら分析 す る こ とに よ り、競 争 戦 略理 論 にお け る 統合 化 を一層 精緻化 しよ うとす る もの であ る。 それ は 、前稿 の趣 旨で あった ポ ジシ ョ ニ ン グ とRBVの 統 合 化 とい った観 点 か らす れ ば 、現 在 の競 争 次 元(国 内 で の競争 優 位)で の競 争優 位 が新 しい環 境(海 外 で の競 争)で も競 争優 位 に な るの か とい った 問題 と深 く関連 してい るた め 、企 業 の持 続 的 競 争優 位 と関連 す る研 究 と して、格 好 の研 究課 題 に もな って い る。

した が って 、本 稿 は プ ロセ ス に あ る企 業 実 態 を追 う第 一歩 とな るわ け で あ り、安 易 に結果 論 的 な立 場 で、既 存 の理 論 を正 当化 す る もので は ない とこ ろに特徴 があ る。

ま た 、今 後 も、X社 の 競争 戦略 を追 い続 け る こ とに よ り、企 業 の競 争 戦 略 の 変遷 と そ こで有 効 な理 論 を検証 、抽 出 して い きた い と思 う。

1統 合 的 分 析 の フ レー ム ワー ク と線 形 反 応 モ デ ル

1ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVの 理 論 的 対 立 の 構 図

こ こでは 、前 稿 の 論 旨を概 略 し、既 存 の 戦略 理 論 を実 際 の企 業 現 実 に適 応 す る際 に起 こ りうる諸 問題 と、統 合 的 分析 視 点 の 必要 性 を再度 提 示 す る。 まず 、企 業 の持 続 的 競 争優 位 に 関 して 、ポ ジシ ョニ ン グ とRBVの 論 理 構 造 の相 違 点 に焦 点 を 当 て 、 理 論 的論 争 を巻 き起 こす 根 本 的 要 因 を抽 出す る と共 に、 理論 的 対 立 の構 図2を 明 ら か にす る(図 表1参 照)。

2両 理 論 の 基 本 的 対 立 構 図 に 関 す る 解 説 して は

、 岡 田 正 大rRBVの 可 能 性 ポ ー タ ーvs.バ ー

ニ ー 論 争 の 構 図 」 『ダ イ ヤ モ ン ド ・ハ0バ ー ド ・ビ ジ ネ ス ・ レ ビ ュ ー 』2001年5月 、 を 参 照 さ

れ た い 。

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研究論文●企業の競争戦略における線形反応モデルの有効性 第1に 、 競 争 力 を決 定 す る要 因 を 、RBVは あ くま で も企 業 内 部 の 経 営 資 源(以 下 、 リ ソー ス とす る)に 求 め て い る が 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 ポ ジ シ ョン 構 築 の 基 礎 とな る産 業 構 造(外 部 環 境 要 因)に 求 め て い る。 つ ま り、RBVは 、 企 業 の 保 有 す る リ ソー ス の 質 こ そ 、 企 業 の 競 争 力 を左 右 す る根 本 的 な 要 因 で あ る と 主 張 して い る の に対 し て 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 業 界 内 に お け る 自社 の 現 状 に 照 ら して 、 魅 力 の あ る競 争 的 位 置(ポ ジ シ ョン)を 見 つ け る こ とが 、競 争 力 を 決 定 す る第1の 要 因 で あ る と主 張 す

る 。

図表1持 続 的競 争優 位 に関 す る理 論 的 対 立 の構 図3 RBV

対立

ぐ一 レ

ポ ジ シ ョニ ング

競争 力 を決 定す る要 因 と して、企業 内部 環境(リ ソ0ス)を 重視

競争 力 を決定す る要 因 として、 業界 と い う外 部環境 を重視

競争優 位 の源泉 は一部 の リソー ス、ま た はその組み 合 わせ

競 争優位 の源 泉 は 自社 独特 の競争 ポ ジ シ ョニ ング

競争優i位の実現 は価値 のある希少な リソー スの獲 得 とそれ を有効 に活用 で き る組 織

競争優位 の実現は業務活動全体のフィッ ト

競争優 位 の持続 は希少 かつ模 倣 に コス ト のかか るケイパ ビ リテ ィ

競 争 優 位 の 持 続 は 、 競 争 相 手 と は 明 確 に 異 な る ト レ ー ド ・オ フ(tradeoff)

競争や 市場 の変化 に対 して 、迅速 で柔軟 な対応 がで きる組 織形態

競 争や 市場 の変化 に対 して、 自社 の競 争 ポ ジシ ョニ ングを絶 えず 改善 ・向上

戦 略 実 行 の 手 段 は 業 務 活 動 の ベ ン チ マ ー

ク と ベ ス ト ・プ ラ ク テ ィ ス 達 成

戦 略 実行 の手段 は競争 ポジ シ ョンに合 わせ た独特 の業務活 動

'」M .E.Porter,"StructurewithinIndustriesandCompanies'Performance,"RevzewofEconomics

andStatzstics,Vo1.61,May,1979,pp.214‑‑227;一,Co1ηpθ 亡1亡ル θ5「加 亡θ8y/Techniquesfor Ana/yzingIndUStriesandCompetitors,TheFreePress,1980;‐,CompetitiveAdvantage:Creating

andSustalningSuperiorP台r1わ ㎜aηoθ,TheFreePress,1985;一,TheCo、mpθ 亡1亡ル θAcゴvangageof

Nations,TheFreePress,1990;‐,"TowardsDynamicTheoryofStrategy,"Strategic ManagementJournal,Vo1.12,Winter,1991,pp.95‑117;‐,"WhatisStrategy?"Harvard

BusinessReview,November‑December,1996;一,「 戦 略 の 本 質 は 変 わ ら な い 」 『ダ イ ヤ モ ン ド ・ ハ ー

バ ー ド ・ ビ ジ ネ ス ・ レ ビ ュ0』2001年5月;JB .Barney,"FirmResourcesandSustained

CQmpetitiveAdvantage,"Journa/ofル 危 ηa8θ 加 θηオ,Vo!.17,1991,pp.99‑120.一,0∂1刀 加g

aηd5ロ5亡 ∂左珈g(=ompetltiveAdvantages,MA:Addison‑Wesley,1997;一,

"l

stheResource‑basedViewaUsefulPerspectiveforStrategicManagement

Research?Yes,"AcademyofManagementRθ 訂 θ1鷲VoL26,2001,pp。41‑56;一,「 リ ソ ー ス ・

べ 一 ス ト ・ ビ ュ ー 」 『ダ イ ヤ モ ン ド ・ ハ ー バ ー ド ・ ビ ジ ネ ス ・ レ ビ ュ ー 』2001年5月;Amit、and P.J.H.Schoemaker,"StrategicAssetsandOrganizationalRent,"StrategicManagement

/b召rη 謡Vol.14,1993,pp.33‑46;岡 田 正 大 、 前 傾 論 文 な ど に 基 づ き 、 筆 者 作 成 。

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国 際 経 営 フ ォ0ラ ムNo.15

第2に 、 競 争 優 位 の 源 泉 に 対 して 、 ポ ジ シ ョニ ン グ で は 、 業 界 内 部 で 自社 に とっ て 魅 力 の あ る競 争 的 位 置 を確 立 す る こ とに よ っ て 、 競 争 優 位 は あ る 程 度 決 ま っ て く る と主 張 して い る の に対 して 、RBVで は 、 競 争 優 位 は 自社 が 業 界 に提 供 で き る リ ソー ス とそ の組 み 合 わ せ で あ る ケ イ パ ビ リテ ィ(capability)に よ り決 ま る とい う。

第3に 、 ポ ジ シ ョニ ン グ で は 個 々 の 業 務 活 動 と戦 略 との 整 合 性 は も ち ろ ん 、 業 務 活 動 間 の 整 合1生 を保 つ こ と こ そ が 、 競 争 優 位 を 実 現 す る決 め 手 に な る と い うの に 対 して 、RBVで は価 値 の あ る希 少 な リ ソー ス を 獲i得 し、 さ らに そ れ ら を有 効 に 活 用 で き る組 織 の 存 在 に よ り、 競 争 優 位 は 実 現 され る と主 張 す る。

第4に 、 競 争 優 位 の 持 続 に 関 して 、 ポ ジ シ ョニ ン グ お よ びRBVは 共 に 模 倣 可 能 性 に 重 点 を 置 い て い る。RBVは 、 リ ソー ス が 競 争 相 手 に よ り簡 単 に模 倣 され な けれ ば 、 そ の 優 位 性 は 持 続 す る とい う見 解 で あ り、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 企 業 の ポ ジ シ ョ ン 自 体 が 競 争 相 手 に よ り簡 単 に 模 倣 され る とか 、 侵 食 され る こ との な い よ うに す る た め に は 、 競 争 相 手 と は 明 確 に 異 な る トレー ド ・オ フ の 関係 が 必 要 だ とい う立 場 で あ る。

特 に 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 ト レー ド ・オ フ の 関 係 が 大 き く働 くた め に は 、 自社 の 業 務 活 動 を 他 社 が 真 似 す る に 当 た っ て 、 他 社 が 今 ま で 行 な っ て き た 業 務 活 動 を諦 め る か 、 大 幅 に 変 更 しな け れ ば な ら な い 状 態 が 望 ま し く、 変 化 に 対 す る コ ス トと抵 抗 が 模 倣 を 難 し くす る とい う立 場 で あ る。

第5は 、 外 部 環 境 要 因 の 変 化 に 対 して 、RBVは 、 持 続 的 競 争 優 位 の源 泉 と な る リ ソ ー ス を有 効 に 活 用 す る た め の 柔 軟 な 組 織 形 態 が 必 要 だ と主 張 す る。 これ に対 して 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 競 争 や 市 場 の 変 化 に 対 して 、 自社 独 特 の 競 争 ポ ジ シ ョニ ン グ を 絶 えず 改 善 ・向 上 す る こ とだ と主 張 す る。 しか し、 両 方 と も 、 そ の 動 態 的 適 合 プ ロ セ ス に つ い て 充 分 な 説 明 が な され て い な い 。

第6に 、 戦 略 実 行 の 手 段 と して 、RBVは 、 ベ ンチ マ ー ク とベ ス ト ・プ ラ ク テ ィ ス な ど 、 オ ペ レー シ ョ ン活 動 の 持 続 的 改 善 を重 視 し、 こ う し た 日々 の 活 動 を通 じて 、 企 業 は そ の 戦 略 を 実 現 で き る とい う。 これ に 対 して 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 業 務 効 率 化 は 当 然 の 前 提 と しな が ら も 、 ポ ジ シ ョ ン に 合 わ せ た 独 特 の業 務 活 動 と業 務 活 動 間 の フ ィ ッ トこ そ が 戦 略 を 実 行 す る基 盤 に な る と主 張 す る。 しか し、 ポ ジ シ ョニ ン グ に 必 要 な リ ソー ス の 獲 得 プ ロ セ ス と、 どの よ うな方 向 ヘ ベ ス ト ・プ ラ ク テ ィ ス を実 行 しな けれ ば な らな い の か 、 両 方 と も不 明確 で あ る。

以 上 、 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVの 対 立 構 図 を 見 て き た が 、 ポ ジ シ ョニ ン グ とRBVの 理 論 的 対 立 を 生 み 出 す 根 本 的 要 因 は 、 一 方 が極 端 に 内 部 環 境 を 重 視 して い る の に 対

して 、 他 方 は極 端 に外 部 環 境 を 重 視 して い る 点 に あ る。 ま た 、 以 上 の 考 察 に 基 づ き 、

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研究論文●企業の競争戦略における線形反応モデルの有効性 前稿 で は、2つ の 競争 戦 略 理論 が企 業 経営 の 実践 にお い て もその ま ま有 効 なの か と い う問題 を考察 してい くた めに、次 の4っ の ポイ ン トを取 り上 げて い る。1つ 目は、

競争 力 を決 定す る条件 が 内部環 境 なの か 、外 部環 境 な のか 、 それ とも両方 とも単独 で は十 分 条件 に は な らない のか。2つ 目は 、競争 優 位 の源 泉 が ポ ジ シ ョニ ン グか ら 生 まれ るの か 、企 業 内部 の リソー スか ら生 まれ るの か 、それ と も どち らの理 論 も競 争優 位 の源 泉 を説 明す るの に十分 条 件 に は な らない の か。3つ 目は、 業務 活 動 が ポ ジ シ ョン と整 合 性 を持 ち、 かつ業 務 活 動全 体 が フ ィ ッ トすれ ば 、競争 優 位 は 自 ら実 現 され るの か 、そ れ とも リソー ス の有 効活 用 が な けれ ば 、競争 優 位 は決 して実 現 さ れ な い もの か。4つ 目は 、競 争優 位 を持続 す る方 法 と して、 自社 独 特 の 業務 活 動 さ え維 持す れ ば、 トレー ド ・オ フが働 くた め、競争 優位 は持 続す るのか 、それ とも 日々 のオペ レー シ ョン効 率 を追 求 す る結 果 、 リソー スの模 倣 が一 層 困難(希 少 かつ模 倣 に コス トのか か る リソー ス)に な り、競争 優 位 が持続 す るの か。

次 は 、以 上 の4つ のポ イ ン トに基づ い て 、企 業 経 営 の実 践 に照 ら して み た場 合 、 両理論 が単 独 で は持続 的競 争 優位 を実 現 す る十 分 条件 に は な らな く、統合 的 で折衝 的 な分析 視 点 が必 要 で あ る こ とを再度 論 じて い く。

2統 合 的 分 析 視 点 の 必 要 性

企 業 の競 争 力 を決 定 づ け る能 力 は 、企 業 の 内部 か ら生 まれ るの か(RBV)、 そ れ とも外 部 か ら生 ま れ るのか(ポ ジ シ ョニ ン グ)に つ い て 、 ポ ジ シ ョニ ン グは 、企 業 の主 体 的能 力 とマ ネ ジ メ ン トの重 要性 を見逃 して い る とい う批判 が あ るよ うに 、非 常 に機 械 的 な論理 を展 開 して い る こ とは否 めな い。 特 に、 クー ル とシ ェ ンデル が 、 同 じ戦 略 グル ー プ に属 す る企 業 間 に も明確 な業績 格 差 が 存在 してい る こ とを明 らか に した よ うに4、 同一 の外 部 環境 条件 で も企 業 競 争 力 に 多大 な相 違 が生 じる要 因は 、 外部 環 境 要 因 に対 す る企 業 の 主体 的 対応 が異 な るか らに他 な らない。 したが って 、 企 業 の競争 力 は企 業 内部 の条件 に大 い に影 響 され てお り、 そ の意 味 で 、競 争 力決 定 要 因 を 内部 条件 に求 め て い るRBVの 論 理 が 一応 妥 当だ と言 え る。

とはい え、企 業 が 現在 の競争 次 元 で、 競争 力 を発 揮 で き る内部 条 件 が 、他 の全 て の競争 次 元 にお いて 必ず し も有効 とも言 えない 。 つ ま り、全 て の条 件 に おい て 、企

aK .O.Cool,andD.Schendel,"PerformanceDifferenceamongStrategicGroup

Members,"StrategicManagementJourxza.1,Vol.9,1988,pp.207‑224;K.O.Cool,andI.

Dierickx,̀̀Rivalry,StrategicGroupsandFirmProfitability,"StrategicルlanagetnentJourna!, Vo1.14,1993,pp,47‑‑59.

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国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.15

業 の 内 部 条 件 が 競 争 力 を決 定 す る とは 言 い 難 の で あ る。 例 え ば 、 本 稿 で 取 り上 げ て い る 事 例 の よ うに 、 日本 国 内 で 有 効 だ っ た 内 部 条 件 が 、 海 外 で も有 効 とは 言 え な い も の が 多 く 、 一 国 で は 有 効 な リ ソー ス が 他 国 、 ま た は 新 しい 経 営 環 境 で も必 ず し も 競 争 優 位 を 発 揮 で き る と は 言 え な い の で あ る 。 した が っ て 、 外 部 環 境 要 因 に 制 約 さ れ た 条 件 下 で の み 内 部 条 件 が 競 争 力 を決 定 す る と言 え る の で は な か ろ うか 。

第2に 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 安 定 的 で 成 熟 した 産 業 や ビ ッグ ビ ジ ネ ス の み を対 象 に して い る とい う批 判 が あ る よ うに5、 参 入 障 壁 が 低 く 、 ポ ジ シ ョ ン 間 の 移 動 が 容 易 な 業 界 に お い て は 、 競 争 優 位 を説 明 す る の に 非 常 に脆 弱 で あ る。 つ ま り、 参 入 ・ 移 動 障 壁 が 低 い 産 業 の 場 合 、 ポ ジ シ ョン 間 に ト レー ド ・オ フ の 関 係 が 非 常 に 弱 い た

め 、 ポ ジ シ ョ ン 自体 が も ろ くて 、 簡 単 に侵 食 され て しま う可 能 性 が 高 い の で あ る 。 例 え ば 、 対 面 サ̀.ビ ス を 主 とす る サ ー ビス 産 業 の 場 合 、 差 別 化 の 要 素 が 個 々 の 人 材 の 能 力 に 大 き く左 右 され る た め 、 差 別 化 が 難 し く、 機 械 的 な ポ ジ シ ョニ ン グ理 論 を 持 っ て は 、 競 争 優 位 を 説 明 す る の が 非 常 に難 し い。 こ の よ うな 理 由 も あ り、 サ ー ビ ス 産 業 の 場 合 、 個 々 の 企 業 は 、 業 界 分 析 とい っ た 外 部 環 境 要 因 を 持 っ て 、 競 争 相 手 と異 な る ポ ジ シ ョ ン を 構 築 して も、 そ の ポ ジ シ ョ ン に お い て 競 争 相 手 を排 除 す る ト レー ド ・オ フ が 長 く続 く とは 言 え な い 。

一 方 のRBVは

、 サ ー ビス 産 業 の よ うに 、 企 業 間 の 競 争 が 同 質 化 に 走 りや す い 産 業 で は 非 常 に 有 益 な 分 析 手 法 で あ る。 例 え ば 、 サ ー ビ ス 産 業 に お い て 、 い い ポ ジ シ ョ ン を 見 つ け た と して も、 そ れ を 構 築 ・持 続 す る た め に は 、 サ ー ビ ス の 質 が 伴 わ な け れ ば な ら な い 。 そ の た め に は 、 有 能 な ス タ ッ フ を育 ち 、 訓 練 させ 、 しか も社 内 に 長 期 勤 続 させ る こ とが 必 要 で あ る 。 しか し、 熟 練 ス タ ッ フ の 育 成 、 厳 格 な サ ー ビ ス 質 の 管 理 や 日々 の 地 昧 な ク レー ム 対 応 な ど は 、 ポ ジ シ ョニ ン グ か らす れ ば 、 オ ペ レー シ ョ ン効 率 の 追 求 に す ぎ な い 。 しか も 、 オ ペ レー シ ョ ン効 率 は 誰 で も簡 単 に 遂 行 で き る も の と仮 定 して い る。 しか し、 サ ー ビス 産 業 は 、 上 記 の よ うな 産 業 的 特 徴 も あ り、 皮 肉 に も オ ペ レー一シ ョン努 力 の 積 み 重 ね に よ り、 質 の 高 い サ ー ビス 企 業 と して 自社 の ポ ジ シ ョン を維 持 ・強 化 す る こ とが で き る の で あ る。 とは い え 、 自己 完 結 的 な 面 か らす れ ば 、RBVは 企 業 努 力 の 方 向性 を 外 部 環 境 に 委 ね て い る 未 完 成 の 理 論 で あ り、 明確 な 方 向性 の な い オ ペ レー シ ョ ン追 求 で は 、 持 続 的 競 争 優 位 に は な らな い。

した が っ て 、 オ ペ レー シ ョン の 追 求 を 方 向 づ け る意 味 で は 、 方 向性 と して の ポ ジ シ ョ

H.Mintzberg,"TheDesignSchool:ReconsideringtheBasicPremisesofStrategic Management,"5冒trateglcManagement/ournal,Vol.11,1990,pp.171‑195.

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研 究論文●企業の競争戦略における線形反応モデルの有効性 ニ ン グ とオ ペ レー シ ョ ン のRBVの 融 合 が 求 め られ る と考 え られ るの で あ る。

第3に 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 クー ル と シ ェ ン デ ル の 研 究 が 示 して い る よ うに 、 同 じ戦 略 グル ー プ に 属 す る企 業 間 に も業 績 格 差 が 生 じ る 要 因 の 説 明 が で き な い。 ま た 、 外 部 の模 倣 に対 して 、 既 存 の 業 務 活 動 問 の フ ィ ッ トだ け で は ポ ジ シ ョン を 改 善 ・向 上 す る こ とが で き な い こ と を 見 逃 して い る。 した が っ て 、 競 争 優 位 を 実 現 す る方 法 と して 、 ポ ジ シ ョン に合 わ せ た 業 務 活 動 問 の フ ィ ッ トだ け で は 十 分 で は な い と言 え る。 こ の こ とは 、 本 稿 で 取 り上 げ て い る 企 業 の 海 外 進 出 に お い て 、 同 じポ ジ シ ョン を持 っ て 参 入 して も、 そ こ に 必 要 な リ ソー ス が 大 き く異 な る こ と を見 れ ば 一 目瞭 然 で あ り、 業 務 活 動 の 整 合 性 や フ ィ ッ トの み で は 、 変 化 す る経 営 環 境 の 中 で 、 持 続 的 競 争 優 位 を説 明 で き な い と考 え る の が 妥 当 で あ る。 む しろ 、 競 合 相 手 と は異 な る リ

ソー ス 、 ま た は機 能 を 中心 に 、 全 体 の 業 務 活 動 を シ ス テ ム 的 に 配 置 す る こ と こ そ が 、 企 業 間 の 収 益 格 差 を 生 じ させ 、 そ れ が 結 果 的 に 競 争 優 位 に つ な が る と言 え る の で は

な か ろ うか

第4に 、 持 続 的 競 争 優 位 に 関 して 、 ポ ジ シ ョニ ン グ で は 、 ポ ジ シ ョン 問 に トレー ド ・オ フ が な け れ ば 、 そ の ポ ジ シ ョン は 永 続 す る も の に は な らな い とい う。 ま た 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 戦 略 と業 務 活 動 の 最 適 な フ ィ ッ トが 競 争 優 位 を も た らす と主 張 し て い る。 しか し、 一 度 浸 食 され は じめ て い る ポ ジ シ ョ ン に 対 して 、 今 ま で の 内 部 条 件 下 で ポ ジ シ ョ ン を 改 善 ・向 上 す る こ とが 、 果 た して どれ ほ ど差 別 性 を もた ら し、

トレー ド ・オ フ を 強 化 す る こ とが で き るの か は 疑 問 で あ る。

以 上 の よ うに 、 ポ ジ シ ョニ ン グ は 、 最 初 の 参 入 戦 略 と して 、 そ して 今 後 の 方 向 性 を 示 す もの と して 、 非 常 に 明 快 な 理 論 で は あ る も の の 、 経 営 環 境 の 変 化(需 要 、 競 争 構 造)に 対 して 、 い か に ポ ジ シ ョ ン を 改 善 ・向 上 す る か 、 そ して ポ ジ シ ョン の 改 善 ・向 上 に 必 要 リ ソー ス の 重 要 性 を 説 明 す る の に は 多 くの 問 題 点 を露 呈 して い る。

この こ と に 対 して 、RBVは 一 度 確 定 され た ポ ジ シ ョ ン 、 ま た は 将 来 描 い て い る企 業 の位 置 を 達 成 す るた め に 、 必 要 な オ ペ レー シ ョ ン的 な課 題 を 明 らか に す る の に は 非 常 に有 益 で あ る もの の 、 明 確 な 準 拠 を 外 部 環 境 に 委 ね て い る とい う理 論 的 限 界 が あ る 。 しか も 、 ポ ジ シ ョニ ン グ もRBVも 静 態 的 な 分 析 手 法 を踏 襲 し、 環 境 要 因 の 変 化 に 適 応 して い くプ ロセ ス に 関す る認 識 を欠 如 して い る 。 例 え ば 、RBVの 論 理 で は 現 在 の リ ソー ス が い つ ま で 有 益 で 、 価 値 の あ る の も の に な り続 け る の か が 分 か ら な い 。 結 局 、 時 間 的 経 過 に 伴 う外 部 環 境 の 変 化 に 対 して 、 企 業 の 動 態 的 な 適 合 プ ロ セ ス を 提 示 しな け れ ば 、 持 続 的 競 争 優 位 は 説 明 で き な い の で あ るs。

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.15

3線 形 反 応 モ デ ル

今 ま で の考 察 か ら、 ポ ジ シ ョニ ング とRBVの 分断 され た分 析 視 点 で は 、今 日の複 雑 な企 業 間競争 の実態 を解 明す るこ とがで きな く、内外環 境 要 因 の統合 的分 析視 点 、 特 に方 向性 と して の ポ ジ シ ョニ ング とオペ レー シ ョン と して のRBVの 融 合 こそ 、企 業 間競 争 関係 の実 態 を よ り現 実 的 に と らえ られ る有 力 な視 点 を提 供 して くれ る と言 え る。 また 、 時 間軸 と企 業 成長 の プ ロセ ス を考 慮 した線 形 反応 モデ ル を提 示 す る こ とに よ り、企 業 の環境 変 化 に対す る持続 的競 争 優位 の説 明が 一層 容 易 とな る。 以 下 で は 、統合 的分 析 の た めの具 体 的 フ レー ム ワー ク を提 示 す る。

第1に 、 内外 環 境 要 因 の統合 的分 析視 点 で あ る。 前述 した よ うに、 ポ ジシ ョニ ン グ とRBVの 分 断 的 な分 析 視 点 は 、外 部 環 境 要 因 に よ り企 業 の競 争 力 が決 定 され て し ま うとい う宿 命 主 義(ポ ジ シ ョニ ング)か 、経 営 資源 さえ あれ ば い かな る環 境 条件 下 で も、 企 業 は競 争 力 を獲 得 で き る とい う万能 主義(RBV)に 陥 りか ね ない 。 しか し、企 業 は 内外 環 境 要 因 との複 雑 な相 互 作用 を繰 り返 す こ とに よ り、 自社 の経 営 資 源 で最 適 な戦 略 次 元 を構 築 で き る環 境 要 因 を選 択す る こ とが で き る(図 表2参 照)。

実 際 に ほ とん どの 企 業 は 、 内外 環 境 条件 の相 互 作 用 を通 じて 、 自社 に とっ て最適 な 外 部 環境 を選 択 し、 そ こで 自社 の経 営 資源 を最 適 に活 用 して い る。 この よ うに、 両 理 論 が 相反 す る もの で は な く、互 い に補 完 す る とい う統 合 的分 析 視 点 を活 用 しな け れ ば、 極端 に一 方 の み を重視 す る こ とに よ る宿命 主義 か 、 それ と も万能 主義 か の 問 題 か ら避 け る こ とが で き ない と言 え る。

第2は 、 方 向性(ポ ジ シ ョニ ン グ)と 実 行 力(RBV)の 融 合 で あ る。RBVの 最 大 の理 論 的欠 点 は、 リソー スの価 値 を評 価 し うる準拠 がな い とい う点 にあ るもの の 、 企 業 の オペ レー シ ョン とそれ に よる リ ソー ス の 蓄積 を説 明す る の には非 常 に有効 で あ る。 これ に対 して 、ポ ジ シ ョニ ン グは 、戦 略 の方 向性 を示 す とい う面 で は非 常 に 有 効 で あ るが 、企 業 の動 態 的 で主 体 的 な役割 と リソー ス が企 業 業績 に及 ぼす 重要 性 につ い て は 、 あま りに も疎 か に扱 って い る とい う問題 点 が あ る。 これ らの理論 的 問 題 に対 して 、現 実 の企 業 経 営 にお け る戦 略 策 定 の プ ロセ ス は 自社 の経 営 資源 が あ る ので 、 それ を活 用 す る形 で あ る ポ ジ シ ョン を描 い て い る場 合 もあれ ば 、 ポ ジシ ョン を描 い てか らそ こ に必 要 な 資源 を獲 得 して い く場 合 も あ り、 この2つ の ケー スが 、 両 立 してい る。 した が って 、戦 略 の方 向性 と して の ポ ジシ ョニ ン グ と、 それ を実 行

日 原 田氏 は既 存 の競争戦 略論 は

、 一 時点での戦略 策定 、静 態 的な経 営戦 略 に重 点を置 いてき たため、 環境 変化 と共 に戦 略 間のつながりが無視 され てきたといい、戦 略 間 ・時 点 問のつながりを 強調 している。 原 田勉 『競 争・逆転 の戦略』 東洋経 済新報社 、2000年 。

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研究論文●企業の競争戦略における線形反応モデルの有効性 す るオペ レー シ ョン と して のRBVの 融 合 を模 索 す る こ とが 、学 際 的 な研 究 にお い て 非 常 に重 要 な課 題 で あ る と言 え るので あ る。

図表2統 合 的分析視点 による戦略次元の構築

外部 縣 耀 髭

ポ ジ シ ョニ ン グ

タ榔 環 簾1'

孫乞 外部環境2

く〉

/ 外部環境3

笏撫

RBV

除 合的分析視点

、一 物

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外部

嬰 夢 ⇒ ⇒ 覧ン ⇔繍 i

/

第3は 、線 形反 応 モ デ ル の 開発 で あ る。RBVに しろ、 ポ ジシ ョニ ン グに しろ 、持 続 的競 争優 位 を論 じて い な が らも、経 営 環境 の変 化 をほ とん ど不変 の もの と仮 定 し

てい る。 例 え ば、RBVで は 、現 在 競争 優 位 を発 揮 して い る リソー ス が環境 条 件 の変 化 に対 して も、 そ の ま ま有 効 な のか とい う問題 を説 明で き ない 。 ま た 、ポ ジシ ョニ ング も、 一度 確 立 され た ポ ジ シ ョン を経 営 環境 の変 化 に対 して 、 い か に改 善 ・向上

して い けば い いの か に 関す る動 態 的視 点 を欠如 して い る。

本稿 で は 、 これ らの 問題 を改 善 し、競 争 優位 の持 続 に関す る企 業経 営 の実 態 を よ り現 実 的 に反 映 す るた め には 、 時間 的経 過(内 外 環 境 変 化)を 軸 に した線 形反 応 モ デル を提 示 して い る。 図 表3は 、 競争 優 位 を持 続 す る動 態 的 プ ロセ ス を表 した もの で 、 まず 、 内外 環境 条 件 の 分析 に基 づ き、企 業 は 自社 に最適 な経 営 環境 を選 択 し、

自社 の戦 略 方 向性 と して ポ ジシ ョンを設 定す る(図 表3参 照)。 ま た は 、 そ の 逆 と して ポ ジ シ ョンを先 に設 定 し、必 要 資源 を獲 得 ・開発 す る場合 もあ る。 そ して 、 こ

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国 際 経 営 フ ォ ー ラムNo.15

図表3外 部要 因と内部要 因の線形反応モデル

内部条件(業 務 活動 の配置)

飛躍 飛躍

1灘難

外部環境 時 問軸(内 外環 塊条件 の変化)

P1,P2,P3;ポ ジ シ ョ ン ●:リ ソ ー ス

の 戦 略 方 向 性 との 整 合 性 の 中 で 、 自社 固有 の リ ソー ス を 中 心 と した 最 適 な 業 務 活 動 の 配 置 に よ り、 一一時 的 競 争 優 位 を 獲i得す る こ とが で き る(P1)。

しか し、P1の 状 況 で 一 旦 確 定 され た 競 争 優 位 も、 環 境 条 件 の 変 化 、 ま た は 自社 の 戦 略 的 意 図 の 変 化 に よ り、 既 存 の ポ ジ シ ョ ン との 不 均 衡 が 生 じた り、 ま た は ポ ジ シ ョ ン を 維 持 、 強 化 す る た め に 、 新 しい リソ0ス が 必 要 と され る。 そ こ で 、 企 業 は 内 外 環 境 要 因 との 不 均 衡 を解 消 す る方 向 ヘ ポ ジ シ ョン を移 動 す る か 、 新 しい リ ソー ス を獲 得 しな け れ ば な らな い 。 ま た 、 そ れ に伴 い 、 業 務 活 動 の 配 置 も 当 然 修 正 して い か な け れ ば な らな い 。 っ ま り、 今 ま で の ポ ジ シ ョ ン も 、 そ こ で 有 効 だ っ た リ ソー ス も 、 新 しい 競 争 環 境 下 で そ の 優 位 性 が 薄 れ て い く こ と に な り、 新 し くポ ジ シ ョ ン お よび リ ソ ー ス を 獲i得 しな け れ ば な らな くな る の で あ る 。 こ の 段 階 で 、 企 業 は 飛 躍

と い う新 し い 挑 戦 局 面 に 直 面 し 、 こ の 局 面 を う ま く乗 り越 え る 企 業 は 、 さ ら な る 成 長 と競 争優 位 を 獲 得 す る こ とが で き る。 実 際 に 、 順 調 な 成 長 を成 し遂 げ て き た 企 業 が 、 環 境 変 化 に順 応 で き な い と か 、 業 界 の 再 編 に遅 れ を と る とか の 理 由 で 脱 落 す る ケ ー ス を数 多 くみ る こ とが で き る 。 そ の 要 因 は 、 企 業 内 部 の マ ネ ジ メ ン ト体 制 も あ

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研 究論文 ●企業 の競争 戦略 における線形 反応モデル の有 効性 れ ば、組 織 的 な 問題 も あ るが、根 本 的 には 、既 存 の ポ ジシ ョンお よび リ ソー スか ら 飛 躍 して 、新 しい ポ ジ シ ョンお よび必 要 リ ソー スの獲 得 に シ フ トで き なか っ たか ら

で はな か ろ うか。

いず れ に しろ、 ポ ジ シ ョンの移 動 とそれ に伴 うリ ソー ス獲 得 お よび 最適 配 置 を 円 滑 に行 な え る企 業 は、 再 びP2の 状 況 で 競争 優 位 を」 得 し、 全体 的 にP1→P2→P3の

スパ ンで競 争優 位 を持続 す る。 この よ うな一 時 的均衡 と長 期 的 不均 衡 へ 、企 業 組 織 を絶 え間 な く適 応 させ て い く努 力 が な けれ ば、持 続 的競 争 優位 は 実現 され な い。 し たが って 、 内外 環 境 要 因 と現 在 の ポ ジ シ ョンお よび リソー ス との均 衡 、不均 衡 を素 早 くキ ャ ッチ し、迅 速 にそ の不 均衡 を調 整 で き る経 営 シス テ ムが深 く根 を下 ろ して

い る企 業 は 、持 続 的 競 争優 位 を実現 す る可 能性 が高 い と言 え る。

結 局 、企 業 は 生 き物 で あ り、持続 的競 争 優位 を説 明す るに 当た っ て も、短 期 的 で 静 態 的 な分 析視 点 で は な く、連 続 的 で継 続 的 な スパ ン で考 察 しな けれ ば な らな い。

しか し、今 まで の戦 略 論 は 、一 時 的 で静 態 的 な分 析 が多 か った た め、持 続 的競 争 優 位 に関す る動 態 的 な プ ロセ ス の分析 視 点 に欠 けてお り、動 態 的 な プ ロセ ス に基 づ く 競 争 戦 略 の理解 と展 開 こそ 、本 稿 の 目的 が あ るの で あ る。

∬X社 の 事 例 研 究

1中 小 企 業 の 海 外 進 出 に お け る 直 接 販 売 チ ャ ネ ル 構 築 が 持 つ 意 味

絶 対 多数 の企 業 が 同様 で ある よ うに 、 中小企 業 が海 外 と何 らか の 関係 を持 つ こ と は ほ とん ど貿 易 で あ る。 つ ま り製 品 の輸 出入 を通 じて外 国企 業 お よび市 場 とは じめ て 関係 を結 ぶ わ けで あ る。 大体 の場合 、企 業 は輸 出商 社 へ依 存 し、 は じめて海 外 ビ ジ ネ ス を経 験 す る。 そ して 、 海 外 の進 出 国 に 現 地 販 売 子 会 社(subsidiary)を 設 立 し、 自社 販 売 経 路 の 開発 と促 進 活 動 の 実施 を経 て 、最 終 的 に は現 地 で の生 産 段 階 に 入 る こ とに な る。 特 に 、現 地販 売 子 会社 の設 立 は 、現 地 市 場 に よほ どの特 性(現 地 業者 の 民族 的特性 、言 語 修 正等 の特 異性 、市 場 の狭 隆 さ)が ない か ぎ り、 自己ブ ラ ン ドに よ る 自社販 売 とい う長 期 的 な マ ー ケテ ィ ン グを実 施 す る段 階 で あ り、 現地 生 産 のた めの前 提 とな る。 した が って 、 メー カー の マ0ケ テ ィ ング展 開 お よび 企 業 の 競争 戦 略 とい う観 点 か らす れ ば 、 この 現地 販 売 子会 社 の設 立 は、 マ ー ケ テ ィ ン グを 実践 し うる経 営 資源 のパ ッケ ー ジが 完成 す る段 階 に な る7。

現 地販 売子 会 社設 立 の段 階 に な る と、現 地 で マ ー ケ テ ィ ン グお よび競 争 戦 略 を展 開す る こ とがで き るが 、一 方 で は企 業 はか な りの リス ク とコス トを背 負 うこ とに な

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.15

る。 特 に 、経 営 資源 の制約 が大 きい 中小 企 業 に とって 、販 売 子 会社 とはい え、簡 単 に意 思決 定 を くだせ る もの で は な く1現 地 で の 自社 の競 争 優位 性 を模 索 す る こ とに な る。

企 業 の海 外 進 出 の 可能 要 因 につ い て 、典 型 的 なMNCs研 究 で は 、企 業 固有 の経 営 資源 とい った切 口で 、現 地企 業 との競 争 で企 業 が生 き残 れ る可 能性 を説 明 してい る。

海 外 直接 投 資 を最 初 に体 系 化 した ハ イ マ ー(S.H.Hymer)は 、海 外 直接 投 資 を行 な う企 業 は主 と して寡 占的 大企 業 で あ り、そ の よ うな寡 占的 大企 業 が海 外 直接 投 資 を 行 な うた め には 、何 らか の企 業 特殊 的優 位 、す なわ ち寡 占的優 位 性 を持 た な けれ ば な らな い とい う。 なぜ な らば、海 外 市 場 にお い て は現地 企 業 の方 が 、 自国 の経 済 、 言語 、 法律 、政 治 な どに 関す る情報 を入 手 す る上 で外 国企業 に対 して優位 性 を持 ち、

外 国企 業 は現地 政府 の 対外 差別 、 国家 リス ク ・為 替 リス ク に も さら され るか らで あ る。 したが って 、外 国企 業 が海 外 で事 業 を成 功 裏 に営む た め には 、 これ らの劣位 性 を上 回 る何 らか の優 位 性 を持 た な けれ ばな らない。 例 え ば、低 コス トの 生産 要 素 、 効 率 的 生産 に 関す る知 識 、 流 通 能 力 、 製 品 差別 化 能力 な どで あ る8。 また 、 キ ン ド ル バ ー ガ ー(CP.Kindleberger)は 、 これ らの 寡 占的 優 位 を 以 下 の3つ に ま とめ て

い る9。

① 製 品 ・価 格 の差別 化 能 力(製 品差別 化 、特 別 な マー ケ テ ィン グ技術 、小 売価 格 維 持 、管 理価 格)

② 要 素 市場 の 差別 化 能 力(特 許 技 術 、非 公 開 技術 、資 本調 達 にお け る差 別 化 、競 争組 織 に組 み込 まれ た 経営 者 能 力)

③ 規模 の経 済性

以 上 の考 察 か ら、本 稿 と関連 して 次 の2っ の 点 を抽 出す る こ とが で き る。 第1は 、 単 な る販 売 拠 点 の設 営 とはい え 、 中小企 業 が海 外 に直接 投資 を行 い 、現 地 企 業 との 競 争 で 生 き残 れ るた め に は、何 らか の優 位性 を持 た な けれ ば な らない。 しか し、 そ の優位 性 が 国内 で は優位 で あ っ て も、実 際 に現 地企 業 との競 争 で は優 位 に働 くか ど うかが 分 か らな い。 特 に、 ほ とん どの 中小 企 業 は 、商 社経 由 の貿 易 、 ま たは 直接 貿 易 とは い え 、そ の経 験 と財 務 的余 力 に大 き な制 約 が あ るた め 、一 体 に 自社 の どの よ

山 崎 清 ・ 竹 田 志 郎 『テ キ ス トブ ッ ク 国 際 経 営 』(新 版)、 有 斐 閣 、1993年 、 第5章 S.H.Hymer著 、 宮 崎 義 一 編 訳 『多 国 籍 企 業 』 岩 波 書 店 、1979年

C.P.Kind/eberger著 、 小 沼 敏 監 訳 『国 際 化 経 済 の 論 理 』 べ りか ん 社 、1970年

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研 究論文 ●企 業の競争戦 略 にお ける線 形反応 モデル の有効性

うな特 殊性 が現 地 企業 に対 して優位 性 を発 揮 で き るか は分 か らな い場 合 が 多 い。

第2は 、既 存 の競争 戦 略 理論 と関連 して、 企業 の海 外 で の競 争優位 は ポ ジ シ ョニ ン グか ら生 まれ るの か、それ とも企 業 内部 の リソー スか ら生 まれ るか の問題 で あ る。

この 問題 は一 見す る と、RBVの 論 者 の論 理 に よ り、 企 業特 殊 的優 位 性 、つ ま り、 リ ソー ス さえ あれ ば 、海 外 で も競争 優位 に立っ こ とが で き る と理 解 され か ね ない。 し か し、例 え ばあ る リソー ス で は優 位 に あ る もの の、他 で は劣位 に あ る場合 、そ の企 業 は優 位 に あ る リソー ス の有 効活 用 だ けで競 争優 位 を獲 得 す る こ とがで きる のか 、 それ とも、劣位 に あ る リソー ス を も優 位 に ある リソー ス に育 て な けれ ば競 争 優位 を 獲 得 で きな いの か。 これ らの 問題 に対 して、RBVの 理論 的 フ レー ム ワー クだ けで は 、 国 内の 中小 企 業 が現 地 で 競争 戦 略 を展 開す るに 当た って 、制 約 的 な意 味 しか示 唆 し な いの で あ る。

2X社 の 海 外 進 出 の 背 景

世界 の人 々 が公 害 のな い化 粧 品 を利 用 し、安全 で豊 か な生 活 をサポ ー トす る とい っ た企 業 理 念 で、1988年 に設 立 され た 日本 のX社 は ー1991年 に化粧 品容 器 の 工夫 に よ り防腐 剤 無 しで も腐 らな い化粧 品 を完成 し、1997年 に は遠 赤 外線 キャ ップ に よ る実 用新 案 を取得 す る よ うに な る。 ほ とん どの化 粧 品 が水 分 とそ の他 の 油成 分 を混合 す るた め に、 界面 活 性剤 を使 用 した り、 また は成 分 の腐 敗 を防 ぐた めに 防腐剤 を使 用 した り して い る。 しか し、 これ らは 、人 体 に有 害 な成 分 で あ る こ とは 間違 い な く、

そ の 多 くが 旧厚 生省 の 指 定表 示 成 分 と して 分類 され てい る。X社 は こ うした有 害 成 分 を一切使 わな い、 い わ ゆ る安全 な化粧 品 に着 目 し、独 特 の ビン の工 夫 に よ り防腐 剤 を一切 使 わな くて も、腐 敗 しな い化粧 品 を完 成 す る よ うにな っ たの で あ る。

1991年 に はマ レー シア に処 女 輸 出 した こ とが 、 は じめて の海 外 展 開 だ っ た が、 そ の後 、経 営 方針 のす れ 違 い に よ り中断 され 、 それ 以 降 、海 外 展 開 は ほ とん ど進 展 の ない ま ま だ った。 しか し、2003年 に韓 国の 輸入 化 粧 品 専 門会社 か らの 引 き合 いが あ り、貿 易 仲 介企 業 の仲 介 下 で韓 国 にX社 化 粧 品 を輸 出 しは じめた こ とが き っ か け と な り、長 年 の夢 だ った海 外 展 開 を本 格 的 に再度 推 進 す る こ とにな っ た。

特 に 、今 日あ らゆ る生活 分野 にお い て 、 「環 境 」、 「自然 」、 「安 全 」 が大 き なテ ー マ とな って い る状 況 を考慮 す れ ば、X社 の企 業理 念 と製 品 コンセ プ トは、時代 的 二・.

ズ を先 取 り した 、優 れ た製 品 で あ り、 今後 、大 き く成 長 す る潜 在 的 可能 性 を潜 め て い る とい う 自信 感 の元 で 、貿易 で はな く、 直接 販 売 拠 点 の設 立 に よ る海 外 拡 大 を具 体 的 に計 画 す る よ うにな った の で あ る。 ま た、 相 手 国 の輸 入商 社 との貿 易 は、 リス

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.15

ク お よ び コ ス トが か か らな い と い うメ リ ッ トは あ る が 、X社 の 企 業 理 念 お よび 本 来 の 製 品 コ ン セ プ トが 全 く コ ン トロ ー ル で き な い とか 、 統 一 した ブ ラ ン ド ・イ メ ー ジ の 構 築 が 期 待 で き な い とい う判 断 か ら 、海 外 直 接 投 資 に よ る 現 地 販 売 法 人 を 構 想 す る よ うに な っ た 。 そ して 、 最 終 的 に は 世 界 にX社 の 販 売 法 人 を 設 立 す る とい っ た 遠 大 な 計 画 を 立 て る よ うに な っ た の で あ る。

3全 体 的 な 構 想

前 述 した よ うに 、X社 は 、現 在 の よ うな現 地 輸入 商社 との貿 易 で は、 世界 的 な ブ ラ ン ドの構 築 が で きない と判 断 し、海外販 売子 会社 の展 開 に よる世界 的な化粧 品 メー カ ー と して のポ ジ シ ョン を構 築す る とい った計 画 の元 で 、海 外進 出 を構 想 して い る。

しか し、規模 の小 さい 中小 企 業 で あ り、 貿易 ノ ウハ ウもほ とん どな く、人材 育成 、 海 外 ノ ウハ ウな ど、海 外 展 開 を実行 し うる経 営 資 源 とい った 面 で は ほ とん ど期 待 で き る ものが な い状 況 で あ る。 こ う した事 情 もあ り、海 外 直接 進 出 の高 い リス クか ら 国 内事 業 をヘ ッジ ン グす るた めの異 例 の方 針 を計 画 しな けれ ば な らない よ うに なっ た。 そ れ は 、海 外販 売 子 会社 を国 内事 業 と完 全 に切 り離 す構 想 で あ る。

具 体 的 に は 、す で に貿 易 関係 に あ る韓 国 に対 して 、100%投 資 の現 地販 売 法 人 を設 立 し、 現地 法 人 の 事業 が軌道 に乗 る につれ て 、新 しい持株 会 社 を作 る とい う計 画 で あ る。 そ して、 この持 株 会社 に対 して 、海 外 連結 子 会 社 の 関係 を持 た な いた めに 、 法律 上 最小 限の 出資額 限 度 に留 める とい う計画 を持 って い る。 こ うす る こ とに よ り、

も し、海 外 事業 が失 敗 して も、 そ の しわ寄 せ が 国 内事 業 に波 及 し、 国 内事 業 自体 の 経 営安 全性 も危 うくす る とい う最悪 の事 態 は避 け たい とい う狙 い が あ る ので あ る。

一方、韓 国 に ス ター トした販 売 法 人 はX社 の 日本 本 社 と新 し く設 立 され た持株 会 社 の資 本構 成 に変 更す る。 そ して 、第3国 に進 出す る際 には 、 ス ピンア ウ ト(spin‑

out)の 形 で、 現 地 法 人 と持 株 会 社 、X社 の 日本 本 社 か ら出 資 額 を割 り当 て進 出 す る こ とに して い る。 例 えば 、 台湾 の 現 地販 売 法 人 に関 して は 、X社 の韓 国法 人 が40

%、 持 株 会 社 が50%、 そ して 日本 本 社 が10%を 出資 す る とい う具 合 で あ る。 も ちろ ん、

この構 想 は あ くま で も計 画 の段 階で あ り、 その 実行 にお い て か な りの 変 更 を迫 られ る と思 われ るが 、海 外 現 地 法人 の設 営 を考 えて い る企 業 に とって は、 そ の統 制機 能 を どの よ うな形 でお くか に関す る問題 は あ る もの の 、一般 的 に あ り得 る進 出パ ター ンだ と言 え る。

具体 的 な進 出方 案 は 、先 にア ジア市場(韓 国 、台湾 、香 港 、 中国 な ど)に 対 して 、 日本 国 内で 現 地人 を雇用 し、徹 底 した教 育 と同 時 に初期 に市 場 を開拓(現 地 国語 に

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研究論文●企業の競争戦略における線形反応モデルの有効性 よ る イ ン ター ネ ッ トの シ ョ ッ ピ ン グ モ ー ル 構築 、 潜 在 的 な取 引 先 の 開 拓)す る。 そ

して 、 文 化 お よ び 地 理 的 に 近 い ア ジ ア で 海 外 展 開 の ノ ウハ ウを 蓄 積 し、 徐 々 に ア メ リカ 市 場 と ヨ0ロ ッパ 市 場 へ 拡 大 して い く とい う計 画 を 立 て て い る。

4現 地 販 売 法 人 の 戦 略 展 開 に お け る 必 要 条 件

と は い え 、X社 が 、 海 外 直 接 投 資 に よ る現 地 法 人 を 設 立 す る とい っ た 計 画 を 立 て て も 、 そ こ に は 数 多 く の 難 問 が あ る 。 日本 国 内 で は 公 害 の な い 化 粧 品 と して 、 天 然 化 粧 品 の 一 ポ ジ シ ョ ン を 獲 得 して い る も の の 、 そ の ポ ジ シ ョ ン が 確 固 た る も の で は な く、 企 業 規 模 も小 さ い ゆ え に 、 今 後 海 外 展 開 の た め に は 多 大 な マ ー ケ テ ィ ン グ努 力 が 必 要 に な っ て い る。

X社 が 海 外 展 開 の た め に 獲 得 して い る条 件 と今 後 必 要 な 条 件 を 概 略 す る と、 次 の よ うな も の が あ る 。 ま ず 、 特 許 と い っ た 差 別 的 な製 品 、 ユ ニ ー ク な 経 営 理 念 、 そ し て 高 い 従 業 員 の ロイ ヤ ル テ ィ お よ び テ レマ ー ケ テ ィ ン グ の ノ ウハ ウ な どで あ る。 し か し、 貿 易 お よ び 海 外 事 業 に 関 す る ノ ウハ ウ の 蓄 積 が ほ とん どな く 、 現 地 で どの よ うに マ...̲ケテ ィ ン グ を展 開 す れ ば い い の か 、 そ の確 固 た る 戦 略 も未 だ に な い 状 況 で あ る。 ま た 、 日本 で は 通 信 販 売(ほ とん どが テ レマ ー ケ テ ィ ン グ とイ ン タ.̲.̲ネッ ト に よ る 販 売)を 主 に して い る が 、 現 地 国 で どの よ うな チ ャ ネ ル で 販 売 す れ ば い い の か 、 ま た 世 界 的 に 統 一 した 販 売 形 態 は 何 か 、 と い っ た 戦 略 的 な 問 題 は 今 後 の 課 題 と

して 残 っ て い る 。 しか も 国 際 的 事 業 を 管 理 で き る ノ ウハ ウや 組織 的 な 面 で の ノ ウハ ウ も な く、 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム や 、 海 外 展 開 を 実 行 し うる 人 材 も ほ とん ど揃 っ て い な い 状 態 で あ る 。

こ の よ うな 状 況 で 、 人 材 を い か に 確 保 し、 現 地 に相 応 しい マ,̲̲.̲ケテ ィ ン グ戦 略 お よ び 競 争 戦 略 を 展 開 して い け る の か 、 ま た 、 現 地 国 の 労 務 関 係 、 法 律 、 規 制 、 会 計 制 度 、 お 客 様 の 二〇 ズ な ど、 現 地 情 報 不 足 の 問 題 を い か に 解 消 し うる か が 、X社 に と っ て 大 き な 課 題 とな る。 しか し、X社 は 、 こ の 点 に つ い て 充 分 に 理 解 して お り、

そ こ に 必 要 な リ ソー ス を段 階 的 な プ ロセ ス を経 て構 築 して い く と い う計 画 を 立 て て い る。

皿X社 の海外進 出構 想 にお ける競 争戦 略への示唆

ま ず 、 図 表4を 参 照 しな が ら 、X社 の 海 外 展 開 の 構 想 を詳 細 に 見 て み よ う。 第1 に 、 海 外 市 場 で の ポ ジ シ ョ ン(X社 の 位 置 づ け)を 先 に 念 頭 に お い て 、 そ こ に 必 要

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国 際 経 営 フォ ー ラムNoユ5

な リソー ス を網 羅 して い る。 この こ とは、 現在 の資源 と業務 活 動 の最適 配 置 に重 点 を置 い てい る静態 的 な ポ ジ シ ョン分 析 では 、将 来 企 業成 長 のた め に必 要 な リソー ス 獲 得 と、企 業成 長 の動 態 的側 面 を説 明す るの に か な りの制約 が あ る こ とを物 語 って

い る。

図表4X社 の 海 外展 開 にお ける ポ ジ シ ョンおよ び リソー ス獲 得 の構 想

/

外 部環境1(国 内市場)/

i 市 場 ポ ジ シ ョ ン1 /

安 全 な化 粧 品 、 中価 の 製 品 、 国 内 の ロー カル 市 場 に お け

ポ ジ シ ョン構 築 X社 製 品化 の

理念 難 班 ン

獲 得す べ き市 場 ポ ジ シ ョン

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獲得す べ き

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リ ソ ー ス

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飛躍

ロ イ ヤ ル テ ィ

理念 の 共有

X

特許 の 製 品

Tei廿mも1 ヒkemg

貿 易 ノ ウハ ウ X

ネ ッ ト シ ョン

ピ ン グ

獲得 すべ き市 場 ポジ シ ョン

獲 得 す べ き リ ソ ー ス

獲得 すべ き市 場 ポジ シ ョン

⇒ 菖

内 中心 ・海 外拡 大

外市場 にお け る名 品 と してブ ン ド化

外市場 で も安全 な化粧 品 と し のポ ジシ ョン構築

貿 易 ノ

ウハ ウ 皐 ッ ト シ ョ'.

ン ピ ン グ,

国籍 中心 地適応 化

界的 ブラ ン ドイ メー ジの構 築 界通用 す る安 全 な化粧 品 と し のポ ジシ ョン構築

懇 轡 藷 嚇 響

。.瞬 奪鋤1班' 世 界 紐 一・

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研 究論文 ●企業 の競 争戦 略 にお ける線 形反応 モデル の有効性

第2に 、 あ る時 点 に な り、 一定 のポ ジ シ ョンお よび リソー ス を獲得 す る と、 次 の 段 階 に向 け て企 業 システ ム全体 を飛 躍 させ る構想 を してい る。 つ ま り、現 在 の均衡 と将 来 の 不均 衡 を継 続 的 に解 消す る こ とを繰 り返 す こ とに よ り、成長 を成 し遂 げ て い く とい うこ とを描 い て い るので あ る。 以 下 で は 、X社 の構 想 か ら競 争 戦 略 理 論 に 示唆 す る ところ を抽 出 してみ よ う。

1企 業 成 長 の 原 動 力 は 一 時 点 か ら次 の 時 点 へ の 飛 躍

図表4で も分 か る よ うに 、既 存 の リソー ス の最 適 活用 だ けで は、企 業 成長 は 限界 にぶ つ か る。 つ ま り、 さ らな る成 長 を果 たす た め に は、企 業 の描 い て い るポ ジシ ョ

ン と現状 の リソー ス とのギ ャ ップ を埋 め られ る新 しい リソー ス が必 要 とな るわ け で あ る。X社 の事 例 か らす れ ば 、最 初 は公 害 のな い化 粧 品 を作 り、 化粧 品公 害 を無 く す とい うモ ッ トで 安全 な化粧 品 に着 目す る よ うに な った。 そ して、 こ う した 化粧 品 事業へ の参 入 は、参入 後 のポ ジ シ ョン、つ ま り、天 然化粧 品 とい った製 品市場 でニ ッ チ ・マ ー ケ ッ トを形成 し、 そ こで事 業活 動 を行 な うこ とにな る。 しか し、 この ポ ジ シ ョン は、す で に必要 な リソー スが あ った か らこそ 可能 に なっ た わ けで は な く、 し か も、 ポ ジ シ ョン と業務 活 動 との整 合 性 だ けで 可能 に な った わ けで もな い。X社 が 公害 の な い化粧 品 、安 全 な化粧 品の製 造販 売 を行 な うた めに は、新 しい製 品技 術 と、

それ を流 通す るた めの チ ャネル とい った新 しい リソー ス が必 要 とな った。 さ らに、

人材 育成 と公 害 のな い化 粧 品 とい っ た経 営 理念 を実 現 で き る高 い従 業 員 の ロイ ヤ ル テ ィを獲i得した か らこそ、現在 の市場 ポ ジシ ョンを獲得 す る こ とがで きたの で あ る。

っ ま り、現 状 との不 均 衡 こそ、 新 しい ポ ジ シ ョンの 獲得 を 可能 と した わ けで あ る。

次 に、X社 が ア ジア 市 場 へ の進 出 を模 索 した時 、最 初 は韓 国 か らの 引 き合 い に よ り、ア ジア市 場 へ の進 出 を具体 的 に検 討 す る よ うに な った。 海 外企 業 との貿 易 は考 えてい た ものの 、貿 易 の ノ ウハ ウや それ を担 当で き る人材 が不 足 して い る状 態 で 、 韓 国 の輸 入 業者 か らの 引 き合 い が あ り、韓 国 にX社 製 品 を輸 出す る よ うに な っ た。

この段 階 で 日本 国 内生 産 とい うコス ト的 な要 素 と韓 国 での輸 入 関税 お よび 流 通 マ ー ジ ンな どを考慮 した場 合 、 日本 国 内 よ りもは るか に 高 い価格 で韓 国の輸 入 業 者 は韓 国 国 内 での販 売 価格 を設 定 し、 高価 格 製 品 と して販 売す る よ うに な る。 もち ろん 貿 易 取 引 の た め 、X社 は製 品 の販 売 方 法 や価 格 設 定 な どにお い て 、何 の戦 略 的 意 図 を 韓 国輸 入 業者 に貫 徹 す る こ とは で きな く、輸 入 者 の 注 文 に よ り、製 品の み を船積 み す る典 型 的 な初 期 の海 外展 開の道 を歩 む よ うに な った の で あ る。

しか し、X社 は韓 国 か らの 引 き合 い を き っか け に 国際 事 業 展 開 を具 体 化 す るた め

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.15

の 戦 略 を構想 す る よ うに な り、 第3の 企 業 と の 貿 易 で は な く、 自社 の 現 地 法 人 を 設 立 し、X社 の 追 及 す る 商 品 ブ ラ ン ドの 構 築 や 販 売 チ ャネ ル を 構 想 す る こ と に な る。

そ こ で 、X社 は 、 あ く ま で も 無 店 舗 販 売 に よ る 流 通 マ ー ジ ン の 削 減 を 通 じて 価 格 の 引 き 下 げ と 中 間 所 得 層 に も支 持 を 得 る こ と に よ り、 よ り広 範 囲 の 顧 客 を ター ゲ ッ ト に 設 定 しよ う と して い る。

一 方 、X社 が 自社 直 接 の 販 売 チ ャ ネ ル を海 外 に設 立 し、 海 外 で も公 害 の な い 化 粧 品 と し て 市 場 ポ ジ シ ョ ン を 獲i得す る た め に は 、 今 ま で の リ ソー ス で は 到 底 対 応 で き な い こ と を 察 知 し、新 し く獲 得 す べ き リ ソー ス と企 業 能 力 の 検 討 に入 る。 そ れ は 、 貿 易 ノ ウハ ウ 、 海 外 展 開 を 構 想 し、 実 行 し うる人 材 、 イ ン タ ー ネ ッ ト販 売 お よ び 通 信 販 売 の ノ ウハ ウな どで あ る。 これ ら の リ ソー ス はX社 の 日本 国 内 で の 販 売 実 績 を 通 じて 、 全 く な い とは 言 え な い も の の 、 事 情 が 異 な る海 外 で 果 た して 通 用 す る か は 未 知 数 で あ り、 そ の た め 、 内部 蓄 積 が 可 能 な も の と外 部 か ら調 達 す べ き も の を 区 別 し て 、 リ ソー ス 獲 得 を 模 索 し て い る。 現 在 、X社 は 、 ま さ に リ ソ ー ス 獲 得 の 段 階 に あ り、 海 外 で 新 しい ポ ジ シ ョ ン を構 築 す る に 当 た っ て 、 必 要 な リ ソー ス と ノ ウハ ウ を構築 す る た め の 準 備 に入 っ て い る わ け で あ る(図 表4の ポ ジ シ ョン2の 段 階)。

最 後 に ポ ジ シ ョ ン3の 段 階 に な る と、X社 は 天 然 化 粧 品 とい う市 場 ポ ジ シ ョ ン で 、 公 害 の な い 化 粧 品 と して 世 界 的 に 統 一 した ブ ラ ン ド ・イ メ ー ジ を構築 し、 当 該 製 品 市 場 で 確 固 た る市 場 ポ ジ シ ョン を構 築 す る とい う 目標 を 立 て て い る。 しか し、 こ こ で 必 要 な リ ソ ー ス は 、 上 記 と 同様 に 現 地 適 用 力 、 多 国籍 展 開 の ノ ウハ ウ な ど、 新 し く獲 得 す べ き リ ソー ス が 山 積 み して お り、 現 在 の 内 部 条 件 か ら さ らな る 飛 躍 が 必 要 で あ る こ とを 自覚 して い る 。

以 上 で 見 た よ うに 、 企 業 成 長 力 の 原 動 力 は 、 ポ ジ シ ョニ ン グ で い う現 在 の 条 件 に お け る リ ソー ス お よ び 業 務 活 動 の 最 適 配 置 だ け で は 不 十 分 で 、 新 しい ポ ジ シ ョン を 可 能 とす る リ ソー ス の 獲 得 に よ り実 現 され る も の で あ る 。 つ ま り、 ポ ジ シ ョン は 将 来 の 方 向 性 を 明 確 に し、 進 む べ き 道 を示 唆 す る の に 非 常 に有 効 で あ る が 、 そ れ を 具 現 化 す る た め に は 、 意 図 的 に 不 均 衡 を創 造 し、 必 要 リ ソー ス を 獲 得 しな け れ ば な ら な い と い う点 を 見 落 と して い る 。 ま た 、 個 々 の 時 点 に お け る ポ ジ シ ョ ン か ら次 の 時 点 ヘ ポ ジ シ ョ ン を 拡 大 、 変 更 す る た め に は 、 リ ソー ス お よび 内 部 管 理 体 制 な どに お け る 飛 躍 が 必 要 で あ り 、 こ の 飛 躍 が 可 能 な 企 業 こ そ 、 継 続 的 な 成 長 を 達 成 し 、 新 し い 経 営 環 境 で も競 争 優 位 を 獲 得 す る こ とが で き る と言 え る 。

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研 究論 文●企業 の競争 戦 略 にお ける線 形反応 モデル の有効性 2個 々 の 時 点 に お け る 方 向 性 は 市 場 ポ ジ シ ョニ ン グ

RBVの 最 大 の理 論 的 限 界 が企 業 戦 略 の方 向性 を示 さない とい う点 と、価 値 の あ る リソー ス を決 定す る要 因 を外 部 環境 要 因 に委 ね てい る とい う点 で あ る。 それ で 、方 向性 と して のポ ジ シ ョニ ン グ とそれ を実行 す るオペ レー シ ョン と してRBVの 融 合 を 強 調 して きた わ け で あ る。X社 は、 海 外 とい う新 しい経 営 環 境 に直 面 し、 内外 環 境 要 因 の分 析 に基 づ き、 自社 の長 期 ビジ ョン を描 け る相 対 的位 置 を確 認 し、 それ を可 能 とす るた めの リソー ス を模 索 して い る。 つ ま り、 どの競 争 ポ ジ シ ョン に 自社 を位 置 づ け るか 、そ して 、 それ は可 能 な の か、 とい った 競争 要 因分 析 に基 づ き、参 入 の 方 向性 お よび 将 来 の あ り方 を1っ の タ ーゲ ッ トと して設 定 して い るの で あ る。

この点 は 、RBV論 者 が い う長 期 ビジ ョン'oかも しれ ない が 、 そ の長 期 ビジ ョン こ そ、 市場 で の 自社 の位 置 づ け を具体 化 す る もの で あ り、 市場 ポ ジ シ ョン に他 な らな いの で あ る。 ま た、 こ うした長 期 的 な市 場 ポ ジ シ ョンを 明確 に打 ち出す こ とに よ り、

いか な る リソー スが 必 要 な のか も明 らか に され るはず で あ る。 した が って 、 現実 の 企 業経 営 にお け るポ ジ シ ョンは 自社 の方 向性 を示 唆 す る とい った 意 味 にお い て は非 常 に有 効 で あ り、方 向性 と して の ポ ジ シ ョンの重 要 さを再度 認 識 しな けれ ば な らな

い 。

3ポ ジ シ ョ ン を 飛 躍 す る た め に は 企 業 固 有 の リ ソ ー ス の 蓄 積 が 前 提

前述 した よ うに 、一 度確 定 され た ポ ジ シ ョンがそ の まま永 遠 に 競争 優位 を持 続 す る こ とは あ り得 ない 。 つ ま り、 持続 的 な改 善 と向上 を図 らな けれ ば な らない が 、 ポ ジ シ ョンの持 続 に は企 業 固有 の リソー ス が必 然 的 に必要 とな るわ け で あ る。X社 の 事 例 か らす れ ば 、構 想 の段 階 で はあ る もの の、 国 内か らア ジ ア市 場へ 、 さ らに多 国 籍 展 開 を図 るた め に必 要 な リソー ス を網 羅 し、 そ の獲 得 お よび 内 部蓄 積 を念頭 に 、 現 地 国 の人 材 獲 得 お よび 教 育 か らE一マ ー ケテ ィ ン グ に必 要 な シ ス テ ム構 築 や ノ ウ ハ ウの 蓄積 まで 多様 な リソー ス の構築 を計 画 して い る。 この こ とは 、静 態 的 で現 状 維 持 的 な ポ ジ シ ョニ ン グ論 理 で は、企 業 成 長 の背 景 に あ る原 動 力 に関す る説 明 が で きな く、 ま た、 一度 確 立 され た ポ ジシ ョン を改 善 、 向上す る た め には 、企 業 内部 の

リソー ス獲 得 が 必ず 必 要 で あ る こ とを 見せ てい るの で あ る。

結 局 、競 争 環境 要 因分析 と、 自社 に とっ ての最 適 な市 場 セ グ メ ンテ ー シ ョンで の 集 中 を理 論 的骨 子 とす るポ ジシ ョニ ン グは 、環 境 要 因 が変化 す る につ れ て、 自社 の

°C .K.PrahaladandG.Hamel,"StrategicIntent,"HarvardBusinessReview,May‑June,19$9.

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国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.15

ポ ジ シ ョン をい か に改 善 し、 向上す べ き に関す る連続 的 な分 析視 点 を欠 如 して い る た め、一 時 点 で の競 争優 位 を結 果論 で体 系化 した もの にす ぎ ない とい う問題 点 を露 呈 して い る。 また 、RBVに お い て も現在 獲得 して い る リ ソー ス と、今 後競 争 優位 を 持続 す るた め に必 要 な リソー ス をい か に見極 め 、構築 す るか に関す る議 論 が で きな い の は 、や は り外 部 環境 要 因の 変化 に対 して 、連続 的 な分析 視 点 を欠 如 して い るか らに他 な らない。 この点 こそ 、 ポ ジ シ ョン もRBVも 共 に持 っ て い る静態 的 で一 時 点 で の分 析 視 点 の 限界 で あ る。

本 稿 で考 察 して い る よ うに、企 業 は 内外 環 境 要 因 の持 続 的 変化 に直 面 しな が ら、

将 来 の市 場 で の位 置 づ けお よび そ の た め に必 要 な リソー ス を絶 えず 調 達 、供 給 しな けれ ば 、競争 優位 は ともか く、存 続 す ら危 うくな る。 この こ とは 、企 業 が持 続 的競 争 優 位 を獲 得 す るた め に は、環 境 要 因 の変 化 と共 に持 続 的 に新 しい ポ ジシ ョン を構 築 し、それ に必 要 な リソー ス を獲 得 しな けれ ば な らない とい うこ とで あ り、 これ こ そ 、現 実 の企 業 経 営 に おい て競 争 戦 略 を策 定す る際 の最 重 要 な指 針 とな る と言 え る の で は なか ろ うか。

4競 争 優 位 は ポ ジ シ ョ ン と そ の 構 築 を 可 能 と す る 企 業 リ ソ ー ス の 融 合 企 業 の成 長 はポ ジシ ョニ ン グでい うよ うに、 内部 条 件 をそ の ポ ジ シ ョンに 向け て 最 適 配 置す る こ とに よって 実現 され る もの で はな く、ポ ジシ ョン を実現 可能 とす る 企 業 の リソー ス構 築 が な けれ ば な らな い。

X社 の 事 例 か らす れ ば、X社 の海 外進 出 の構 想 が 実 現 され 、 公 害 の な い化 粧 品 と して の 市場 ポ ジ シ ョン を海 外 で も獲 得 で き るか ど うかは 、 ま だ未 知数 で あ るが 、少 な くて も企 業 の 競争 戦 略 の策 定 にお い て 、現在 の ポ ジ シ ョンを改 善 ・向上 す るた め に は、企 業 内部 の リソ,̲̲.スの 開発 を常 に念頭 にお き 、戦 略 を策 定 しな けれ ば な らな い こ とを確 認 す る こ とがで きる。

た だ し、 こ こで浮 き彫 りに され る問題 は、企 業 の ポ ジシ ョンが リソー ス を決 定 す るの か 、そ れ とも リソー ス が ポ ジ シ ョンを決 定す る のか 、 とい う問題 で あ る。 つ ま り、企 業 の最適 な参入 ポイ ン トで あ るポ ジシ ョン を確 固た る ものにす るた めに リソー スが必 要 なの か 、そ れ とも企 業 の持 っ てい る リソー スが ポ ジ シ ョンを決 定す るかの 問題 で あ る。 そ もそ もポ ジシ ョニ ン グが企 業 間競 争 で示 唆 して い る最 大 の 要 は、 全 て の企 業 が 売 上 、 ま た は 市場 シ ェア に おい て第1の 位 置 を 占め る必 要 が ない とい う

こ とで あ る。 そ して 、それ ぞれ の セ グ メ ンテー シ ョンで最 適 な利 益 を獲 得 で き る企 業 体質 、言 い換 えれ ば、互 い に異 な る競 争次 元 で戦 うこ とこそ が 、無 限 大 の模 倣 の

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