第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、特に後半において輸出の好調に加え、半導体部門等で設備投資 が急増し、また、個人消費にも若干の明るさが見え始める等、概ね回復基調で推移しました。
海外においても、米国経済の緩やかな拡大と、中国を中心とするアジア経済の活況により回復基 調となりました。
このような状況のもと、当社グループは各事業分野において、顧客のニーズに応える新製品の開 発、販売・保守・サービス体制の効率化を図ってまいりました。一方、移動体通信分野の設備投 資 の鈍化に対応するため、対応事業所である千歳事業所及び八木記念情報通信システム研究所仙台 事 業部門の閉鎖、管理・間接部門従事者を対象とした希望退職等の緊急経営施策を実施しました。
その結果、当連結会計年度の営業状況は、以下の通りとなりました。
受注高は、通信・情報システム、放送・映像システム、半導体製造システムのすべての事業部門 で前連結会計年度に比べて増加し、1 千458億8 千6百万円で前期に比べ191億9千8百万円 (15%)増となりました。売上高もすべての事業部門で前連結会計年度を上回り、1 千429億 9千8百万円で前期に比べ136億3千8百万円(11%)増となりました。
当連結会計年度の利益につきましては、半導体製造装置や地上デジタル放送向けの新製品を中心 とした売上高の増加による利益増に加えて、原価低減、経費支出縮減等の効果もあり、営業利益 は 6 5 億9 千1 百万円、経常利益は55億8千9百万円となりました。これを前連結会計年度と比べ ますと、営業利益は6 0 億4千7百万円、経常利益は66億2千2百万円いずれも増加しました。
当期純利益は、特別損失として緊急経営施策実施にともなう特別退職金等3 2 億9 千5 百万円な どの計上もあり、1 7 億 4 千8 百万円で前期に比べ2 億4 千5 百万円増(16%)となりました。
当 連 結 会 計 年 度 の 業 績 を 事 業 の 種 類 別 セ グ メ ン ト に 分 け て 見 ま す と 、 通 信 ・ 情 報 シ ス テ ム 部 門 (移動体通信システム、公共通信システム、情報システムなど)の当連結会計年度の受注高は5 7 4 億5 千4 百万円で、前連結会計年度に比べ2 0 億9 千7 百万円(4%)増加しました。売上高 も5 7 4 億8 千7 百万円で、前連結会計年度に比べ2 8 億4 千万円(5 %)増加しました。
この部門の売上高は、移動体通信事業者の設備投資抑制と販価下落により、携帯電話基地局装置 は減少しましたが、公共・公益業務用無線のデジタル化進展に伴い、防災無線、公共業務用デジ タ ル無線の売上が増加しました。
放送・映像システム部門(放送システム、監視システム、CATV、アンテナなど)の当連結会 計年度の受注高は4 4 5 億3 千9 百万円で、前連結会計年度に比べ1 8 億 9百万円(4%)増加 し ま し た 。 売 上 高 も 4 5 3 億 8 千 8 百 万 円 で 、 前 連 結 会 計 年 度 に 比 べ 1 7 億 5 千 3 百 万 円 (4%)の増加となりました。
半導体製造システム部門(縦型酸化・拡散/LPCVD装置など)の受注高は4 3 8 億9千3百 万円で、前連結会計年度に比べ152億9千3百万円(54%)増加しました。売上高も401 億 2 千2 百万円で、前連結会計年度に比べ90億4千5百万円(29%)増加しました。
この部門の売上高は、世界的な半導体市場の急速な回復・拡大に伴い、国内外のDRAMメーカ ー向け大口受注もあり大幅に増加しました。
また、所在地別セグメントの業績で見ますと、日本につきましては、国内DRAMメーカーの大 型設備投資等により半導体製造システムの売上が増加したこと、また、地上デジタル放送用送信 機 の大口案件の売上計上による放送・映像システムの増加等が寄与し、売上高は1千384億9千 5 百万円で、前連結会計年度に比べ145億6千万円(12%)増となり、営業利益は67億4千 8 百万円で、前連結会計年度に比べ、66億4千万円増となりました。
北米につきましては、半導体製造システム関連の子会社の再編等により、売上高は、85億2千 3百万円で前連結会計年度に比べ、15億8千1百万円(16%)減となり、営業損失は2億4 千 4百万円(前連結会計年度の営業利益は5千4百万円)となりました。
そ の 他 の 地 域 に つ き ま し て は 、 当 連 結 会 計 年 度 の 損 益 計 算 書 か ら KOKUSAI ELECTRI C KOREA CO. , LTDの損益を持分法による投資損益として計上していることにより、売上高は32億2千4百万 円で、前連結会計年度に比べ23億8千3百万円(43%)減となり、営業利益は7千4百万円 で 前連結会計年度に比べ、2億9千9百万円(80%)減となりました。
( 2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末 に比べ、154億8千万円(35%)増加し、599億8千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は111億5千5百万円であり、前連結会 計年度に比べ42億7千4百万円(62%)増となりました。これは主に仕入債務の増加額66 億 7千9百万円、非資金項目である減価償却費の計上額40億1千2百万円等の増加要因が、売上 債 権の増加額53億9千2百万円等の減少要因を上回った結果によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
2 【生産、受注及び販売の状況】
( 1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称 金額( 百万円) 前年同期比増減( %)
通信・情報システム 55, 070 4. 5
放送・映像システム 43, 732 0. 9
半導体製造システム 44, 032 56. 8
合計 142, 835 15. 1
( 注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
( 2) 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称 金額( 百万円) 前年同期比増減( %)
通信・情報システム 1, 554 △ 7. 2
放送・映像システム 1, 754 △ 3. 5
半導体製造システム 875 1. 2
合計 4, 184 △ 4. 0
( 注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
( 3) 受注状況
当連結会計年度における受注状況を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりでありま す。
区分 受注高( 百万円) 前年同期比増減( %) 受注残高( 百万円) 前年同期比増減( %)
通信・情報システム 57, 454 3. 8 20, 948 △ 0. 2
放送・映像システム 44, 539 4. 2 16, 207 △ 5. 0
半導体製造システム 43, 893 53. 5 10, 180 58. 8
合計 145, 886 15. 2 47, 336 6. 5
( 注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 受 注 残 高 の 前 年 同 期 比 増 減 は 、 前 連 結 会 計 年 度 の 受 注 残 高 か ら 前 年 度 末 に 持 分 法 適 用 と な っ た
KOKUSAI ELECTRI C KOREA CO. , LTDに係る受注残高 425百万円を除いて比較しております。
( 4) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称 金額( 百万円) 前年同期比増減( %)
通信・情報システム 57, 487 5. 2
放送・映像システム 45, 388 4. 0
半導体製造システム 40, 122 29. 1
合計 142, 998 10. 5
3 【対処すべき課題】
来期のわが国経済は、引続き米国・中国向けを中心とした堅調な輸出、デジタル家電、自動車、 電子部品部門での設備投資の拡大、さらには緩やかな回復が期待できる個人消費等、当期と同程 度の成長が期待されます。
当社は、これまで平成12年10月の合併以降、事業所の整理・統合等企業体質の強化に努めると ともに、通信・放送のデジタル化対応等の技術開発を積極的に行ってまいりました。
来期の当社関連市場は、半導体部門の積極的な投資、公共業務無線のデジタル化更新需要、地 上デジタル放送の更なる拡大等が期待できます。
当社はこのような市場動向に対応すべく、顧客ニーズに適合した特長ある製品を積極的に投入 してまいります。平成16年10月に予定しております八木アンテナ事業部の分社化も、顧客ニーズ への対応を主たる目的としたものであります。また、全製品に共通の価格下落に対応するため、 引続き総コストの削減に努め、価格競争力ある製品の提供により成長を図ってまいります。
なお、当社は昨年6月に経営の迅速化と透明化を目的として「委員会等設置会社」に移行する とともに、コンプライアンス本部の設置や内部通報制度の開始など内部統制制度の向上を図りま した。引続き公正で透明性の高い経営を目指してまいります。
4 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経 営成績及び財務状況等(株価等も含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなも のがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したも のであります。
( 1) 半導体市況に係るリスクについて
半導体業界は過去40年間、平均成長率17%という高い成長をしてきましたが、シリコンサ イクルという、ほぼ4年毎の市況変動を繰り返してきました。
半導体のシリコンサイクルは、上昇期に参入企業が競って大型の設備投資を進めるため、需要 と供給のギャップが急激に広がり供給過剰になり、半導体の値崩れ及び設備投資の抑制が発生し ます。
半導体のシリコンサイクルは1990年代振幅が縮小して消滅したと言われながら、ITバブ ル が 崩 壊 し た 平 成 1 3 年 ( 2 0 0 1 年 ) は 、 世 界 半 導 体 市 場 統 計 ( Wor l d Semi conduc t or Tr ade St at i s t i c s )では、出荷額は前年比32%減というかつてない下落率となりました。
平成15年(2003年)からデジタル家電を中心とした市場拡大に伴う上昇局面が再び現れ ていますが、半導体市場は事業構造上、不安定な性質を有しているため、将来においても市況が 低迷する可能性があります。
半導体市場と連動する半導体製造装置市場もこの不安定な市況を避けることは難しく、半導体 市況に連動し当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
( 2) 資材等の調達に係るリスクについて
当社グループの生産活動には、社外からの材料・部品・製品・設備装置その他の供給品のタイ ムリーな納入が必要です。当社グループが購入する資材等には、特殊な技術を要する品目も多く 仕入先や供給品の切替が困難なものがあり、また仕入先の保有する技術力・生産能力の関係から 特定の仕入先からしか入手できないものもあります。
当社グループの使用する購入品は、継続的な供給先への先行情報提供等により安定的な供給を 確保しておりますが、供給の遅延・中断や急激な需要の増加があった場合等、必要不可欠な資材 の供給不足が生じる事があります。これらの原因により、当社グループの経営成績及び財務状況 に影響を及ぼす可能性があります。
( 3) 製品の欠陥に係るリスクについて
( 4) 研究開発活動に係るリスクについて
当社グループの展開する市場においては新規製品を継続的に投入していく必要があります。当 社グループでは、十分なマーケティングを行い、市場ニーズを的確に把握し、それに対しソリュ ーションを提供できる高品質の製品・システムをスピーディーに市場に提供することを研究開発 の方針としております。当社グループの当連結会計年度の研究開発費は、総売上高の8.6%に あたる123億6千3百万円となっております。
当社グループは継続して新製品を開発できると考えておりますが、研究開発の成果は不確実な ものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつくとは限らないため、将来の成 長と収益性を低下させ、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
( 5) 海外活動に係るリスクについて
当社グループは海外市場への進出を積極的に進めているため、海外の各国において次のような リスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財務 状況等に影響を及ぼす可能性があります。
① 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
② 社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への影響 ③ 不利な政治的要因の発生
④ テロ、戦争等による社会的混乱等
( 6) 為替リスクについて
当社グループは為替相場の変動に対処するため為替予約による為替リスクヘッジを行っており ますが、中長期的な為替相場の変動は当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可 能性があります。
( 7) 重要な訴訟等に係るリスクについて
5 【経営上の重要な契約等】
( 1) 技術導入契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約品目 契約内容 契約期間
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
モトローラ・インク ( MOTOROLA社)
米国
セルラー自動 車無線機
特許実施権 許諾
自 昭和62年4月21日
至 当期中に契約満了
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
インターデジタル・テクノロ ジー・コーポレーション ( I NTERDI GI TAL TECHNOLOGY 社)
米国
デジタル方式 携帯電話
特許実施権 許諾
自 平成7年3月27日
至 当期中に契約満了
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
アトメル・コーポレーション ( ATMEL社)
米国
ハンドヘルド デジタルセル ラ電話装置
ノウハウ提供
自 平成4年12月17日
至 当期中に契約満了
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
レメルソン・メディカル・エ デュケーション・アンド・リ サーチ・ファウンデーショ ン・リミテッド・パートナー シップ
( LEMELSON MEDI CAL, EDU CA-TI ON AND RESEARCH FOUND A-TI ON, LI MI TED PARTNERSHI P)
米国
電子機器 通信機器
特許実施権 許諾
自 平成10年11月15日
至 契約対象特許の
権利満了日
プラズマディ スプレイ検査 装置
特許実施権 許諾
自 平成12年4月1日
至 平成17年3月31日
( 5年毎自動延長) ( 株) 日立国際電気
( 当社)
( 株) 日立製作所 日本
はんだバンプ 検査装置
特許実施権 許諾
自 平成9年10月1日
至 平成16年9月30日
( 1年毎自動延長)
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
(財)NHKエンジニアリング
サービス
日本
TVML番組 自動製作シス テム
特許実施権 許諾
自 平成12年6月26日
至 平成18年6月25日
( 3年毎自動延長)
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
ジー・イー・テクノロジー・ デベロプメント・インク ( GE TECHNOLOGY DEVELOPMENT 社)
米国
ビデオカメラ VTR
特許実施権 許諾
自 平成12年4月1日
至 平成17年3月31日
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
東北電力( 株) 富士テック( 株)
日本
一周波同時送 受話方式移動 無線機
特許実施権 許諾
自 平成3年8月5日
至 平成16年8月4日
( 1年毎自動延長)
マイクロコン ピュータ・サ ポートツール
技術情報使用 許諾
特許実施権 許諾
自 平成12年9月1日
至 平成17年8月31日
国 際 電 気 ア ル フ ァ ( 株)
( 連結子会社)
( 株) 日立製作所 日本
マルチメディ アカード用サ ポートツール
技術情報使用 許諾
自 平成12年3月3日
至 平成17年3月2日
( 注) 1 モトローラ・インクとの契約は、平成15年8月18日を以って満了致しました。
2 インターデジタル・テクノロジー・コーポレーションとの契約は、平成15年12月27日を以って満了致し
ました。
3 アトメル・コーポレーションとのとの契約は、平成15年6月19日を以って満了致しました。
4 ( 財)NHKエンジニアリングサービスとの契約は、契約書の規定により、3年間自動延長されました。
( 2) 相互技術援助契約
契約会社名 相手方の名称 国名 契約品目 契約内容 契約期間
( 株) 日立国際電気 ( 当社)
モトローラ・インク ( MOTOROLA社)
米国
FLEX− T D ( R C R STD- 43) 方式ページャ 端末
特許実施権の 相互許諾
自 平成8年3月7日
至 R C R S T D −
43が標準規格で なくなる日
6 【研究開発活動】
当社グループは十分なマーケティングを行ない、市場ニーズを的確に把握し、それに対しソリュー ションを提供できる高品質の製品・システムをスピーディーに市場に提供することを研究開発方針と しております。
当社グループの研究開発は、当社の八木記念情報通信システム研究所、半導体装置システム研究所 な らび に 各 事 業 部の 設 計 部 門及 び( 株) 国 際 電 気 エ ン ジニ ア リ ン グ 、国 際 電 気 アル フ ァ( 株) 、KOKUSAI SEMI CONDUCTOR EQUI PMENT CORP.、日立電子テクノシ ステム( 株) 、( 株) 国際電気セミコンダク ターサ ービスで行なっております。また、( 株) 日立製作所の中央研究所を始めとした各研究所とも連携をと りながら、研究開発を推進しております。
研究スタッフはグループ全体で681人にのぼり、これは総従業員の14.3%にあたっております。 また、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、総売上高の8.6%にあたる123億6 千3百万円となっております。
当社グループの研究開発は、通信・情報システム、放送・映像システム、半導体製造システム及び これらに関連するシステムソフト技術について進めております。
当連結会計年度における研究開発の概況は、次のとおりであります。
通信・情報システム: 当社、( 株) 国際電気エンジニアリングにおいて、W−CDMA小型基地局 装置、第3世代基地局用共通増幅装置、広帯域アクセスシステム、デジタ ル方式固定系防災無線システム等の開発を行っております。当事業に係る 研究開発費は62億32百万円となっております。
放送・映像システム: 当社、日立電子テクノシステム( 株) において、ネットワーク型監視システ ム、マルチモードFPU装置、地上デジタル放送送信設備・アンテナ等の 開発を行っております。当事業に係る研究開発費は24億64百万円とな っております。
7 【財政状態及び経営成績の分析】
当社グループに関する財政状況及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基 づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したも のであります。
( 1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準 に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及 び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見 積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確 実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[ 経理の状況] の連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な 会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えておりま す。
① 貸倒引当金の計上基準
当社グループは債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等を勘 案して必要額を、貸倒懸念債権及び破産更生債権については個別に回収可能性を勘案した回収不 能見込額を計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には引当 金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積 っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積 額が減少した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 退職給付引当金
(2)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は、1千429億9千8百万円で前連結会計年度に比 べ136億3千8百万円(11%)増となりました。経常利益は55億8千9百万円、当期純利 益は17億4千8百万円となり、前連結会計年度に比べそれぞれ66億2千2百万円、2億4千 5百万円増となりました。これは主として、半導体製造装置や地上デジタル放送向けの新製品を 中心とした売上高の増加による利益増に加えて、原価低減、経費支出縮減等の効果によるもので あります。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因についての分析であります。
① 売上高の分析
当連結会計年度の売上高は1千429億9千8百万円でありますが、これを事業の種類別セグ メントごとに分析しますと、通信・情報システム部門の当連結会計年度の売上高は574億8千 7百万円で、前連結会計年度に比べ28億4千万円(5%)増加しました。これは、移動体通信 事業者の設備投資抑制と販価下落により、携帯電話基地局装置は減少しましたが、公共・公益業 務用無線のデジタル化進展に伴い、防災無線、公共業務用デジタル無線の売上が増加したことに よります。今後につきましては、第3世代移動体通信インフラ事業のグローバル展開や、公共業 務用無線事業における防災や消防、タクシーや列車、空港等の大型プロジェクトに対応し事業の 拡大を図ってまいります。
放送・映像システム部門の当連結会計年度の売上高は453億8千8百万円で、前連結会計年 度に比べ17億5千3百万円(4%)増加しました。これは、地上デジタル放送関連の送信機、 アンテナ等の売上が増加するとともに監視システムもセキュリティ需要の拡大を受け、鉄道、公 共(道路・河川等)関連、ネットワーク回線利用監視システム等の売上が増加したことによりま す。今後も、本格化する地上デジタル放送関連設備の需要に対応する送信機等の拡販に努めると ともに、ネットワーク型監視システム市場への新製品投入を強化してまいります。
半導体製造システム部門の当連結会計年度の売上高は401億2千2百万円で、前連結会計年 度に比べ90億4千5百万円(29%)増加しました。これは、世界的な半導体市場の急速な回 復・拡大に伴い、国内外のDRAMメーカー向け大口受注もあり大幅に増加したことによるもの であります。今後も、ウエハー径300mm、90∼65nmライン向けの縦型装置を中心とし た戦略新製品の販売比率を高め、国内及び今後大きな成長が期待される中国を含めたワールドワ イドでの事業拡大を引き続き推進してまいります。
② 売上原価、販売費及び一般管理費の分析
リストラ策による固定費削減及び研究テーマの厳選による研究開発費削減等によるものでありま す。
③ 営業外損益の分析
当連結会計年度の営業外収益は17億円で前連結会計年度に比べ8億5千7百万円増加しまし た。これは主に、銀行株式等の売却に伴う有価証券売却益2億3千8百万円等の計上によるもの であります。また、当連結会計年度の営業外費用は27億2百万円で前連結会計年度に比べ2億 8千1百万円増加しました。これは主に、販売見込等を勘案して計上した棚卸資産評価損7億1 千万円等の計上によるものであります。
④ 特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、戸田倉庫等の土地の売却益2億1千4百万円を計上しました。 また、移動体通信分野の設備投資の鈍化に対応するため、対応事業所である千歳事業所及び八木 記念情報通信システム研究所仙台事業部門の閉鎖、管理・間接部門従事者を対象とした希望退職 等の緊急経営施策を実施し、当連結会計年度の特別損失として特別退職金等32億9千5百万円 を計上しました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比 べ、154億8千万円(35%)増加し、599億8千9百万円となりました。これは主として、 転換社債型新株予約権付社債の発行60億円及び仕入債務の増加66億7千9百万円等によるも のであります。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は26億9千万円であり、前連結会計年度 に比べ196億7千万円改善されました。これは主に前連結会計年度においては、転換社債の償 還による支出が、141億4千3百万円ありましたが、当連結会計年度においては、有利子負債 の返済による支出26億3千1百万円及び配当金の支払額6億3千7百万円等を行った一方、転 換社債型新株予約権付社債60億円を発行した結果によるものであります。
② 資金需要について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品 の購入の他、営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費及び研究開発費等 であります。
(4)新会計基準の適用等について ① 減損会計基準の適用
平成14年8月9日に企業会計審議会から「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意 見書」が公表されております。同会計基準の実施時期は平成17年4月1日以後開始する事業年 度からであり、当連結会計年度では早期適用しておりません。
② 企業結合会計基準の適用