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1 UDF An Experimental Study of High-speed Counter-rotation Propeller on Low Speed Wind Range Abstract A collaborative research project between the Nat

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* 平成9年3月

* 平成9年3月2828日受付日受付((received 28 March 1997received 28 March 1997))

A A 天秤歪み計測の増幅ゲイン天秤歪み計測の増幅ゲイン bb ブレード翼弦長ブレード翼弦長((mm)) C CLDLD ブレード設計揚力係数ブレード設計揚力係数 Cp Cp 圧力係数圧力係数 Cp Cp== ((PtPt−−PsPs))//qq∞∞ Ct Ct 推力係数推力係数 Ct Ct==TT/ρ/ρnn22 D D44 Ct Ct′′ 運動量理論より求めた推力係数運動量理論より求めた推力係数 D D プロペラ直径プロペラ直径((mm)) E E 天秤分力の電圧出力天秤分力の電圧出力((VV)) F F 天秤分力出力天秤分力出力((NN)) Fxb Fxb,,FzbFzb α>0時の機体軸まわりの力α>0時の機体軸まわりの力 JJ 前進率前進率 J J==VV∞∞ //nDnD LL プロペラ軸と天秤中心間の距離プロペラ軸と天秤中心間の距離((mm)) qq 22 動圧  動圧 qq=ρ=ρVV∞∞//22 nn 回転数回転数((rr//ss)) Mb Mb 騒音スペクトルピーク値の整数倍値騒音スペクトルピーク値の整数倍値 Mt Mt ブレード翼端マッハ数ブレード翼端マッハ数 Pt Pt ピトー圧ピトー圧((PaPa)) P shaft P shaft 一軸あたりのタービン出力 一軸あたりのタービン出力 (kW)(kW) P pipe P pipe 天秤較正時の空気継ぎ手圧力天秤較正時の空気継ぎ手圧力((papa)) Ps Ps 静圧静圧((PaPa)) SPL SPL 音圧パワースペクトル音圧パワースペクトル((dbdb)) rr プロペラ半径プロペラ半径((mm)) SS プロペラ面積プロペラ面積((mm22)) tt ブレード翼厚ブレード翼厚((mm)) T T 推力推力((NN)) V V∞∞ 風洞一様流風速風洞一様流風速((mm//ss)) V Vxx//VV∞∞ 軸方向速度比軸方向速度比 V Vrr//VV∞∞ 半径方向速度比半径方向速度比

同軸反転型高速プロペラの低速域における風洞実験

同軸反転型高速プロペラの低速域における風洞実験

UDF UDF 共同研究チーム共同研究チーム

An Experimental Study of High-speed Counter-rotation

An Experimental Study of High-speed Counter-rotation

Propeller on Low Speed Wind Range

Propeller on Low Speed Wind Range

Abstract

Abstract

 A collaborative research project between the National Aerospace Laboratory and Japan AircraftA collaborative research project between the National Aerospace Laboratory and Japan Aircraft

Development Company entitled

Development Company entitled ““Wind tunnel testing of aircraft with advanced propeller in low-Wind tunnel testing of aircraft with advanced propeller in

low-speed wind tunnel

speed wind tunnel”” was conducted from 1998 to 1992. was conducted from 1998 to 1992.  

 This paper summarizes a series of experiments conducted on the counter-rotation type advancedThis paper summarizes a series of experiments conducted on the counter-rotation type advanced

turboprop propeller (CRP) under this project. The contents of the project were the development of a turboprop propeller (CRP) under this project. The contents of the project were the development of a propeller test ring driven by an airturbine, measurement of the thrust characteristics of the 8 blades propeller test ring driven by an airturbine, measurement of the thrust characteristics of the 8 blades CRP with 0.3 m diameter SR

CRP with 0.3 m diameter SR−−2 blade, measurement of the propeller wake and measurement of the2 blade, measurement of the propeller wake and measurement of the

propeller noise. The overall characteristics of the counter-rotation propeller were estimated. propeller noise. The overall characteristics of the counter-rotation propeller were estimated.

概  要

概  要

 この研究は,  この研究は,同軸反転型高速プロペラの実験的研究をまとめたものである。同軸反転型高速プロペラの実験的研究をまとめたものである。昭和昭和6363年から平成年から平成44年度に年度に かけて航空宇宙技術研究所と日本航空機開発協会が かけて航空宇宙技術研究所と日本航空機開発協会が「大型低速風洞におけるプロペラ回転翼エンジン付き「大型低速風洞におけるプロペラ回転翼エンジン付き 機体の風洞試験法の研究」 機体の風洞試験法の研究」を共同研究として進めた。を共同研究として進めた。この報告書は共同研究の内,この報告書は共同研究の内,エアータービン式プロエアータービン式プロ ペラ試験装置の開発, ペラ試験装置の開発,SRSR−−22ブレードを装着した直径ブレードを装着した直径0.3m0.3m,,88枚×枚×22列の同軸反転型プロペラの離着陸形列の同軸反転型プロペラの離着陸形 態ピッチ角, 態ピッチ角,巡航形態ピッチ角の推力特性,巡航形態ピッチ角の推力特性,プロペラ後流の気流測定,プロペラ後流の気流測定,騒音測定等を行い,騒音測定等を行い,同軸反転型プ同軸反転型プ ロペラの空力特性を評価した。 ロペラの空力特性を評価した。

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 22 V Vcc//VV∞∞ 円周方向速度比円周方向速度比 ZZ ブレード枚数ブレード枚数 α α プロペラ迎角プロペラ迎角((degdeg)) β βFF 前方プロペラピッチ角前方プロペラピッチ角((degdeg)) β βAA 後方プロペラピッチ角後方プロペラピッチ角((degdeg)) β βbb 0.75R 0.75R 位置を基準としたブレードねじり角位置を基準としたブレードねじり角 ( (degdeg)) ddββ ββFF−β−βAA前方後方ピッチ角の差前方後方ピッチ角の差 δ δ 天秤の歪み量天秤の歪み量 Φ Φ ピトー管の取り付け角ピトー管の取り付け角((degdeg)) ρ ρ 空気密度空気密度 kg kg//mm33 ALP

ALP ピトー管較正時の迎角ピトー管較正時の迎角((degdeg))

BET

BET ピトー管較正時の偏揺角ピトー管較正時の偏揺角((degdeg))

添字 添字 xx,,yy,,zz 天秤分力方向天秤分力方向 on on ブレードを付けた時の天秤出力ブレードを付けた時の天秤出力 off off ブレードの無い状態の天秤出力ブレードの無い状態の天秤出力

1.

1.まえがき

まえがき

 航空機における燃料消費の少ない推進装置の開発は  航空機における燃料消費の少ない推進装置の開発は 永遠の課題であり, 永遠の課題であり,各国でしのぎを削って研究に取り組各国でしのぎを削って研究に取り組 んでいる。 んでいる。  現在のハイバイパス  現在のハイバイパス・・ターボフアンターボフアン・・エンジンの推進エンジンの推進 効率はマッハ数 効率はマッハ数0.850.85付近でおおよそ付近でおおよそ6060%である。%である。また従また従 来のプロペラ推進機は低マッハ数域では 来のプロペラ推進機は低マッハ数域では8 08 0%位の推進%位の推進 効率を保つが, 効率を保つが,マッハマッハ0 . 6 50 . 6 5 付近から急速に効率が低下付近から急速に効率が低下 し, し,マッハマッハ 0.75 0.75 以上ではほとんど実用化されていない以上ではほとんど実用化されていない 1) 1),,2)2)。。航空機の高速化に伴って見捨てられていたプロペ航空機の高速化に伴って見捨てられていたプロペ ラ推進装置をマッハ数 ラ推進装置をマッハ数 0.8 0.8 付近の高速飛行でも高い効率付近の高速飛行でも高い効率 を維持できるように, を維持できるように,直径や枚数,直径や枚数,翼形状等を改良し,翼形状等を改良し,高高 速推進機に応用しようとした研究が 速推進機に応用しようとした研究がU D FU D F((U n - D u c tU n - D u c t Fan

Fan))またはまたはATPATP((Advanced Turbo-PropAdvanced Turbo-Prop))で略称されで略称され る研究である。 る研究である。これらの高速プロペラの研究はこれらの高速プロペラの研究は19701970年代年代 から各国で進められてはいるものの, から各国で進められてはいるものの,まだまだ解決しなまだまだ解決しな ければならない課題も多く実用化に至っていない。 ければならない課題も多く実用化に至っていない。  一方,  一方,近年の航空機の開発は多国間の共同開発が主流近年の航空機の開発は多国間の共同開発が主流 になっている。 になっている。わが国がこれら国際開発に対等の立場でわが国がこれら国際開発に対等の立場で 参画する為には, 参画する為には,各要素分野で先進的技術レベルに達す各要素分野で先進的技術レベルに達す ることが重要である。 ることが重要である。とりわけ開発の初期の段階から発とりわけ開発の初期の段階から発 言力を強めるために, 言力を強めるために,試験設備と試験技術の確立が不可試験設備と試験技術の確立が不可 欠である。 欠である。  航空宇宙技術研究所と日本航空機開発協会は今日の  航空宇宙技術研究所と日本航空機開発協会は今日の 航空機開発情勢から

航空機開発情勢からUDF UDF 試験技術の確立と先行的試験技術の確立と先行的UDFUDF 研究が, 研究が,将来の航空機開発に大きく寄与するものと想定将来の航空機開発に大きく寄与するものと想定 し, し,昭和昭和6363年度から年度から「大型低速風洞におけるプロペラ回「大型低速風洞におけるプロペラ回 転翼エンジン付き機体の風洞試験法の研究」 転翼エンジン付き機体の風洞試験法の研究」の共同研究の共同研究 を開始した。 を開始した。この報告書は同共同研究のなかで得られたこの報告書は同共同研究のなかで得られた 成果のうち, 成果のうち,試験装置の開発,試験装置の開発,プロペラ特性試験,プロペラ特性試験,プロプロ ペラ後流トラバース試験及び騒音計測結果等をまとめ ペラ後流トラバース試験及び騒音計測結果等をまとめ たものである たものである3)3) ∼∼9)9)。。

2.

2.試験装置

試験装置

   2. 12. 1 試験装置の基本要求仕様 試験装置の基本要求仕様  この研究で要求される試験装置の基本的仕様は,  この研究で要求される試験装置の基本的仕様は,対象対象 とする全機形態航空機模型の大きさから決まる。 とする全機形態航空機模型の大きさから決まる。航空宇航空宇 宙技術研究所の大型低速風洞測定部の大きさは 宙技術研究所の大型低速風洞測定部の大きさは 5.5 m 5.5 m×× 6.5 m 6.5 m であり,であり,この風洞に入れられる模型の大きさはおこの風洞に入れられる模型の大きさはお おむね翼幅 おむね翼幅 3.0 m 3.0 m 程度となる。程度となる。この程度の大きさの模型この程度の大きさの模型 のエンジン推力とエンジン回りの流れを模擬するため のエンジン推力とエンジン回りの流れを模擬するため のエンジン軸出力は のエンジン軸出力は 74.5 kW 74.5 kW((100HP100HP))程度を必要とす程度を必要とす る。 る。また翼幅また翼幅 3.0 m 3.0 m の全機形態模型の模擬エンジンの大の全機形態模型の模擬エンジンの大 きさ きさ(プロペラ無しの状態で)(プロペラ無しの状態で)は直径は直径0.15m0.15m,,長さ長さ0.3 m0.3 m 程度であろう。 程度であろう。さて,さて,直径直径0.15m0.15mで軸出力で軸出力 74.5 kW 74.5 kW (100HP) (100HP) が得られる模擬エンジンの駆動方法は電動式が得られる模擬エンジンの駆動方法は電動式 とエアータービン式が考えられるが, とエアータービン式が考えられるが,現時点で入手可能現時点で入手可能 なこと, なこと,また将来的に各種試験また将来的に各種試験(たとえばジェットエン(たとえばジェットエン ジンシミュレータ, ジンシミュレータ,テールロータ,テールロータ,VTOLVTOL,,ヘリコプタ,ヘリコプタ, 吸い込み, 吸い込み,吹き出し試験等)吹き出し試験等)への転用が可能であることへの転用が可能であること 等を考慮してエアータービン式を採用した。 等を考慮してエアータービン式を採用した。  軸出力  軸出力74.5 kW74.5 kWの得られるエアータービンを採用するの得られるエアータービンを採用する として, として,その駆動空気源の仕様を表2−1に示す。その駆動空気源の仕様を表2−1に示す。空気空気 源は使用するエアータービンの流量, 源は使用するエアータービンの流量,圧力で決まり,圧力で決まり,軸軸 出力 出力74.5 kW74.5 kWのタービン一台当たり圧力のタービン一台当たり圧力4.41MPaA(454.41MPaA(45 kgf kgf//cmcm22AA,流量流量2.84kg2.84kgssが必要となる。が必要となる。全機形全機形 態では最低2台のエンジンが必要となるから, 態では最低2台のエンジンが必要となるから,空気源の空気源の 要求は表2−2の様に決められる。 要求は表2−2の様に決められる。  ちなみに外国の主要風洞で保有する空気源の容量を  ちなみに外国の主要風洞で保有する空気源の容量を

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 44

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表2−3に示す。 表2−3に示す。表2−2に示す空気源を用意すれば同表2−2に示す空気源を用意すれば同 一模型を用いた国際共同試験も可能になり, 一模型を用いた国際共同試験も可能になり,諸外国と対諸外国と対 等で開発研究に参画できると思われる。 等で開発研究に参画できると思われる。    2. 22. 2 高圧空気源昇圧装置, 高圧空気源昇圧装置,    表2−2に示す仕様を満足させ,表2−2に示す仕様を満足させ,かつ当所大型低速風かつ当所大型低速風 洞の中庭に設置できる大きさに納めるために, 洞の中庭に設置できる大きさに納めるために,既設の遷既設の遷 音速風洞の 音速風洞の2020気圧空気源から最大気圧空気源から最大1.57MPaA1.57MPaA((16kgf16kgf//cmcm 2 2AA)の圧縮空気の供給を受け,の圧縮空気の供給を受け,最大最大4.61MPaA4.61MPaA47kgf47kgf cm cm22AA)に昇圧する装置を製作した。に昇圧する装置を製作した。装置の外観を写真2装置の外観を写真2 −1に主要機器の配置図を図2−1に示す。 −1に主要機器の配置図を図2−1に示す。主要構成機主要構成機 器は 器は1400kW1400kWモータ,モータ,7.997.99倍シングルヘリカル増速機,倍シングルヘリカル増速機, 1221kW 1221kW遠心式昇圧機,遠心式昇圧機,冷却器,冷却器,冷却水クーラ,冷却水クーラ,貯気タン貯気タン ク, ク,消音塔,消音塔,及び各種制御弁より構成している。及び各種制御弁より構成している。図2−2図2−2 に本昇圧機の高圧空気配管系統と制御弁の配置図を示 に本昇圧機の高圧空気配管系統と制御弁の配置図を示 す。 す。また図2−3に本昇圧機の作動特性を示す。また図2−3に本昇圧機の作動特性を示す。一般に圧一般に圧 縮機は吸入流量と吐出流量を定められた範囲で運転しな 縮機は吸入流量と吐出流量を定められた範囲で運転しな ければならない。 ければならない。吸入流量が少ないとサージングを生じ,吸入流量が少ないとサージングを生じ, 圧縮機ブレードの破損につながる。 圧縮機ブレードの破損につながる。特に圧縮機定格流量特に圧縮機定格流量 に対し, に対し,使用流量の少ない場合に注意を要する。使用流量の少ない場合に注意を要する。運転は一運転は一 定の流量と圧力を保持しつつ, 定の流量と圧力を保持しつつ,負荷側の使用流量に応じ負荷側の使用流量に応じ て給気制御弁と放出制御弁を制御し, て給気制御弁と放出制御弁を制御し,サージングを防止サージングを防止 する方式を採用している。 する方式を採用している。  吐出温度制御は昇圧機の一段出力に中間冷却器を,  吐出温度制御は昇圧機の一段出力に中間冷却器を,終終 段出力に後置冷却器を設けている。 段出力に後置冷却器を設けている。中間冷却器の水量を中間冷却器の水量を 手動弁で調節し, 手動弁で調節し,終段冷却器の水量を自動制御で調節し終段冷却器の水量を自動制御で調節し て空気吐出温度を て空気吐出温度を3030∼∼5050℃に制御できる。℃に制御できる。冷却水は専冷却水は専 用の空気冷却塔で大気と熱交換し, 用の空気冷却塔で大気と熱交換し,蒸発した水量だけ水蒸発した水量だけ水 道水を補充している。 道水を補充している。  空気源の運転時は操作手順に従って起動,  空気源の運転時は操作手順に従って起動,運転,運転,停止停止 のシーケンスに沿って自動的に行われる。 のシーケンスに沿って自動的に行われる。モータ起動時モータ起動時 写真2−1 昇圧機外観 写真2−1 昇圧機外観

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 66 の起動電流による他機器への外乱を心配したが, の起動電流による他機器への外乱を心配したが,設計起設計起 動電流

動電流 760A 760A,,起動時間起動時間16 16 秒に対し,秒に対し,計測値は計測値は400A400A,,66 秒で定格運転時の 秒で定格運転時の288A288Aのの1.41.4倍程度であった。倍程度であった。起動電流起動電流 が大幅に減少した原因は, が大幅に減少した原因は,モータ起動前にモータ起動前に2020気圧空気源気圧空気源 より5気圧の圧縮空気を昇圧機に供給するため, より5気圧の圧縮空気を昇圧機に供給するため,昇圧機昇圧機 とモータがターニング状態になり, とモータがターニング状態になり,過電流を押さえる効過電流を押さえる効 果が有効に作用する為である。 果が有効に作用する為である。    2. 32. 3 天秤と天秤干渉除去装置 天秤と天秤干渉除去装置  試験装置の製作にあたって,  試験装置の製作にあたって,全機形態で行うか,全機形態で行うか,半裁半裁 形態で行うかは, 形態で行うかは,必要経費と技術的困難度,必要経費と技術的困難度,さらに諸外さらに諸外 国の開発進捗状況等を勘案して総合的に判断される。 国の開発進捗状況等を勘案して総合的に判断される。本本 試験装置では日本航空機開発協会の要望もあり, 試験装置では日本航空機開発協会の要望もあり,プロペプロペ ラエンジン付きの半裁模型が試験可能な仕様で設計さ ラエンジン付きの半裁模型が試験可能な仕様で設計さ れた。 れた。半裁模型を対象に製作された5分力天秤を図2−半裁模型を対象に製作された5分力天秤を図2− 4に, 4に,定格分力容量を表2−4に示す。定格分力容量を表2−4に示す。また架台に取りまた架台に取り 付けた天秤と2管路ジンバル空気継ぎ手を写真2−2 付けた天秤と2管路ジンバル空気継ぎ手を写真2−2 に示す。 に示す。本天秤は図2−4に示すように上下にフランジ本天秤は図2−4に示すように上下にフランジ を配置し, を配置し,中 心 部 に は 高 圧 空 気 の 給 排 管 を 通 す 直 径中 心 部 に は 高 圧 空 気 の 給 排 管 を 通 す 直 径 0.11m 0.11m の穴を開け,の穴を開け,フランジ間を厚さフランジ間を厚さ0.02 m0.02 mの2本のの2本の ビームと, ビームと,厚さ厚さ0 . 0 0 2 m0 . 0 0 2 m の4本の薄板バネ及び厚さの4本の薄板バネ及び厚さ 0.004m 0.004m,,2本の板バネを設け,2本の板バネを設け,各分力毎に4∼8枚の歪各分力毎に4∼8枚の歪 ゲージを組み合わせて接着している。 ゲージを組み合わせて接着している。また模型から流入また模型から流入 する熱を天秤に流さないために厚さ する熱を天秤に流さないために厚さ0.4m0.4mのセラミックのセラミック 材で作った断熱材をストラットと天秤の間に挿入して 材で作った断熱材をストラットと天秤の間に挿入して いる。 いる。この天秤を風洞床下に設置し,この天秤を風洞床下に設置し,半裁模型試験およ半裁模型試験およ びプロペラ単体試験に用いている。 びプロペラ単体試験に用いている。  エアータービンを使ったプロペラ駆動装置には排気  エアータービンを使ったプロペラ駆動装置には排気 空気の扱いで2通りの方式が考えられる。 空気の扱いで2通りの方式が考えられる。一つは排気空一つは排気空 写真2−2 天秤と2管路ジンバル空気継ぎ手 写真2−2 天秤と2管路ジンバル空気継ぎ手

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写真2−3 試験装置外観 写真2−3 試験装置外観

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気を風洞内に放出する方式, 気を風洞内に放出する方式,もう一つは排気空気をストもう一つは排気空気をスト ラットと天秤を通して風洞外に導き, ラットと天秤を通して風洞外に導き,大気に放出する方大気に放出する方 式である。 式である。前者は装置が簡単になるが,前者は装置が簡単になるが,プロペラ推力とプロペラ推力と 排気推力の合計を天秤で計ることになる。 排気推力の合計を天秤で計ることになる。後者は吸気と後者は吸気と 排気の2管路を設けることにより装置が複雑になるが 排気の2管路を設けることにより装置が複雑になるが プロペラ単体の性能を正しく評価できる利点がある。 プロペラ単体の性能を正しく評価できる利点がある。ここ の研究では, の研究では,新しい風洞試験技術の開発も共同研究の重新しい風洞試験技術の開発も共同研究の重 要な一つであるので敢えて, 要な一つであるので敢えて,難しい方式の後者を選択し難しい方式の後者を選択し た。 た。  装置の概念図を図2−5に,  装置の概念図を図2−5に,風洞測定部との関係を図風洞測定部との関係を図 2−6に, 2−6に,ストラットと風防の関係を図2−7に示す。ストラットと風防の関係を図2−7に示す。 また外観を写真2−3に示す。 また外観を写真2−3に示す。本方式の重要な構成要素本方式の重要な構成要素 である高圧給気, である高圧給気,排気用2管路ジンバル空気継ぎ手を図排気用2管路ジンバル空気継ぎ手を図 2−8に示す。 2−8に示す。その構造は2重のベローズと2軸のジンその構造は2重のベローズと2軸のジン バルを持つ継ぎ手2個を風洞床下に配置し バルを持つ継ぎ手2個を風洞床下に配置し(図2−6参(図2−6参 照), 照),上方フランジを模型ストラット側に接続し,上方フランジを模型ストラット側に接続し,下方フ下方フ ランジを風洞側に固定する。 ランジを風洞側に固定する。気流通路は中心部に高圧側気流通路は中心部に高圧側 路A 路A((13.3cm13.3cm22))とその外側に排気側Bとその外側に排気側B((35.6cm35.6cm22))を配を配 置し, 置し,圧力による干渉を軽減している。圧力による干渉を軽減している。    2. 42. 4 エアータービン エアータービン  エアータービンは米国

 エアータービンは米国TDITDI((Tech Development INCTech Development INC)) 製の 製のMODEL-1700MODEL-1700を採用した。を採用した。このタービンは図2−このタービンは図2− 9に示すように最大部直径 9に示すように最大部直径0.0985m0.0985m((3.88IN3.88IN)),,長さ長さ 0.433m 0.433m((17.06IN17.06IN))で同軸反転型プロペラを駆動出来るで同軸反転型プロペラを駆動出来る タービンである。 タービンである。駆動空気は主空気孔とトリム空気孔を駆動空気は主空気孔とトリム空気孔を 持ち, 持ち,主空気で前方軸を回し,主空気で前方軸を回し,その残りの圧力で後方軸その残りの圧力で後方軸 を回す。 を回す。当然のことながら主空気の圧力は前方プロペラ当然のことながら主空気の圧力は前方プロペラ で低下するから, で低下するから,後方軸の回転数が前方ほど上昇しな後方軸の回転数が前方ほど上昇しな い。 い。そこでトリム空気を注入して,そこでトリム空気を注入して,回転数を両者一致す回転数を両者一致す る様に制御している。 る様に制御している。    MODEL-1700MODEL-1700のエアータービンの性能を図2−のエアータービンの性能を図2−1010にに 示す。 示す。軸 出 力 は 供 給 圧 力 と 回 転 数 で 決 ま り ,軸 出 力 は 供 給 圧 力 と 回 転 数 で 決 ま り ,供給圧供給圧 4.82MPa 4.82MPa((49.22kgf49.22kgf//cmcm22)のとき回転数のとき回転数100rps100rps 写真2−4 エアータービン分解 写真2−4 エアータービン分解

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4.43kW 4.43kW((59.5HP59.5HP)),,256.6rps256.6rpsの時の時81.95kW81.95kW((110HP110HP))のの 出力が得られる。 出力が得られる。タービン部の分解写真を2−4に示タービン部の分解写真を2−4に示 す。 す。  2軸タービンの回転数制御系を図2−  2軸タービンの回転数制御系を図2−1111に示す。に示す。主空主空 気とトリム空気の制御弁は天秤上部に取り付け, 気とトリム空気の制御弁は天秤上部に取り付け,排気の排気の 制御弁は風洞外に配置している。 制御弁は風洞外に配置している。この様に配置することこの様に配置すること によって2管路の空気継ぎ手で給気圧力2点と排気圧 によって2管路の空気継ぎ手で給気圧力2点と排気圧 力1点を制御している。 力1点を制御している。エアータービンは高速回転で運エアータービンは高速回転で運 転するため, 転するため,回転部分の監視システムが重要である。回転部分の監視システムが重要である。本本 装置ではブレード歪2点, 装置ではブレード歪2点,軸受温度軸受温度1010点,点,回転数4点回転数4点(各(各 軸2点づつ), 軸2点づつ),軸加速度2点を常時計測して異常値が検軸加速度2点を常時計測して異常値が検 出された時は, 出された時は,自動的に供給空気を停止する機能が組み自動的に供給空気を停止する機能が組み 込まれている。 込まれている。ブレード歪は後方プロペラのブレード歪は後方プロペラの180180度位相度位相 差の2枚のブレート翼根に歪ゲージを貼り, 差の2枚のブレート翼根に歪ゲージを貼り,超小型テレ超小型テレ メータで外部に取り出している。 メータで外部に取り出している。これらのセンサの配置これらのセンサの配置 を図2− を図2−1111に示す。に示す。なお,なお,本エアータービンの回転方向本エアータービンの回転方向 は前方より見て, は前方より見て,前方プロペラが時計まわり,前方プロペラが時計まわり,後方プロ後方プロ ペラが反時計回りである。 ペラが反時計回りである。  エアータービンの運転では,  エアータービンの運転では,電動式と違い,電動式と違い,ベアリンベアリン グの温度上昇はさほど問題にならない。 グの温度上昇はさほど問題にならない。それは仕事をしそれは仕事をし た高圧空気が膨張してタービン本体の温度が低下する た高圧空気が膨張してタービン本体の温度が低下する 為である。 為である。当然のことながらタービン運転時の供給圧当然のことながらタービン運転時の供給圧 力, 力,供給空気温度,供給空気温度,ベアリング温度等が決められているベアリング温度等が決められている が, が,表2−1の設計点で運転すると排気温度がおおよそ表2−1の設計点で運転すると排気温度がおおよそ − −4040℃となる。℃となる。本装置の様に天秤を使ってプロペラに作本装置の様に天秤を使ってプロペラに作 用する空気力を精度良く計測したい場合, 用する空気力を精度良く計測したい場合,排気温度の天排気温度の天 秤への干渉が問題となる。 秤への干渉が問題となる。通常,通常,タービン運転前の天秤タービン運転前の天秤 は大気温度で平衡しているので, は大気温度で平衡しているので,排気温度も常温に合わ排気温度も常温に合わ せることが望ましい。 せることが望ましい。平成1年度の予備試験では供給温平成1年度の予備試験では供給温 写真2−5 エアータービン運転時の氷結写真 写真2−5 エアータービン運転時の氷結写真

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度を 度を3030℃付近で試験した。℃付近で試験した。その結果,その結果,3030分も運転すると分も運転すると タービン外側に空気中の水分が凝結するほど冷やされ タービン外側に空気中の水分が凝結するほど冷やされ (写真2−5), (写真2−5),天秤への温度ドリフトが無視出来ない位天秤への温度ドリフトが無視出来ない位 大きくなった。 大きくなった。  この対策として,  この対策として,1)1)天秤を予め排気温度付近天秤を予め排気温度付近(約−(約− 20 20℃)℃)に制御する,に制御する,2)2)供給空気温度を高くする,供給空気温度を高くする,3)3)天天 秤への熱の伝達を小さくする等が考えられる。 秤への熱の伝達を小さくする等が考えられる。1)1)の対の対 策は天秤回りの大幅な改修となるので, 策は天秤回りの大幅な改修となるので,スペース的に不スペース的に不 可能である。 可能である。ここでは2)ここでは2)と3)と3)で対応した。で対応した。まず空気まず空気 供給温度は, 供給温度は,昇圧機の後置冷却器を取り外すことによっ昇圧機の後置冷却器を取り外すことによっ て て7070∼∼7575℃に上昇させた。℃に上昇させた。次ぎに,次ぎに,厚さ厚さ0.4m0.4mのセラミのセラミ ック断熱材を天秤と模型の間に挿入して熱が天秤に流 ック断熱材を天秤と模型の間に挿入して熱が天秤に流 れ込む量を減少させる対策を取った。 れ込む量を減少させる対策を取った。    2. 52. 5 回転数制御装置 回転数制御装置  プロペラ試験における回転数制御はブレードの安全  プロペラ試験における回転数制御はブレードの安全 性を保持する為と試験精度を高める為に重要である。 性を保持する為と試験精度を高める為に重要である。ブブ レードの回転数は供給空気流量と空力的負荷 レードの回転数は供給空気流量と空力的負荷(主流速(主流速 度, 度,回転数,回転数,ピッチ角,ピッチ角,偏揺角等で決まる)偏揺角等で決まる)で変化する。で変化する。 特に前方プロペラと後方プロペラがお互いに干渉し合 特に前方プロペラと後方プロペラがお互いに干渉し合 うので, うので,主気流孔の流量で前方プロペラの回転数を合わ主気流孔の流量で前方プロペラの回転数を合わ せても, せても,トリム流量で後方プロペラの回転数を変えれトリム流量で後方プロペラの回転数を変えれ ば, ば,前方プロペラへの流入速度,前方プロペラへの流入速度,流入角が変わり,流入角が変わり,そのその 結果, 結果,前方プロペラの回転数も変わってしまう。前方プロペラの回転数も変わってしまう。また空また空 気流量を変えれば, 気流量を変えれば,供給管路の圧力損失も変化し,供給管路の圧力損失も変化し,緩や緩や かな時間遅れで両プロペラの回転数にフィードバック かな時間遅れで両プロペラの回転数にフィードバック される厄介な制御系である。 される厄介な制御系である。従って,従って,同軸反転プロペラ同軸反転プロペラ の制御で整定時間を短縮させるために応答の早い制御 の制御で整定時間を短縮させるために応答の早い制御 弁が必要となる。 弁が必要となる。  本装置では米国

 本装置では米国TDCTDC製製((The DigitalThe Digital  CompanyCompany))のの

MODEL RC-DIGITAL CONTROL

MODEL RC-DIGITAL CONTROL//METERINGMETERING

VALVES VALVESの1の1inin(トリム用)(トリム用),,22inin(主気流用)(主気流用),,33inin(排(排 気用) 気用)の3種類のデジタル弁を使っている。の3種類のデジタル弁を使っている。このバルブこのバルブ は図2− は図2−12 12 に示す様に断面積が2倍づつ大きく出来てに示す様に断面積が2倍づつ大きく出来て いる いる1111個のバルブを一つのハウジングに取り付け,個のバルブを一つのハウジングに取り付け,1111ビビ ット ット((20482048ステップ)ステップ)の分解能をもつ高速高精度流量制の分解能をもつ高速高精度流量制 御弁である。 御弁である。制御系は図2−制御系は図2−1111に示す様に2軸の回転数に示す様に2軸の回転数 をそれぞれ入力としてメインとトリム弁を をそれぞれ入力としてメインとトリム弁をP I DP I D 制御方制御方 式で制御している。 式で制御している。前,前,後プロペラと3個の制御弁がそ後プロペラと3個の制御弁がそ れぞれ干渉し合う。 れぞれ干渉し合う。そこで制御パラメータは予め,そこで制御パラメータは予め,各回各回 転数毎に最適パラメータをコンピュータに記憶させ, 転数毎に最適パラメータをコンピュータに記憶させ,新新 たな最適パラメータが見つかった時は記憶内容を更新 たな最適パラメータが見つかった時は記憶内容を更新 させながら常に最短時間で回転数を整定させている。 させながら常に最短時間で回転数を整定させている。  本装置に計測システムを図2−  本装置に計測システムを図2−13 13 に示す。に示す。    2. 62. 6 試験ブレード 試験ブレード  ブレードは  ブレードは SR SR−−2 2 の改良型で米国ハミルトンの改良型で米国ハミルトン・・スタスタ ンダード社よりデータの提供を受けて日本航空機開発 ンダード社よりデータの提供を受けて日本航空機開発 協会が製作したもので, 協会が製作したもので,その形状寸法を図2−その形状寸法を図2−14 14 に示に示 す す 6) 6)。。このブレードをこのブレードをMODEL-1700 MODEL-1700 エアータービンにエアータービンに 装着したときの軸回転数 装着したときの軸回転数((nn)),,軸出力軸出力((P shaftP shaft)),,前進前進 率 率((JJ)),,推力係数推力係数((CtCt′′)),,翼端マッハ数翼端マッハ数((MtMt))を図2−を図2− 15 15に示す。に示す。当風洞の最大風速である当風洞の最大風速である70m70m//ssにおいて,において, 回転数 回転数100rps100rps∼∼250rps250rpsで試験すると前進率で試験すると前進率0.80.8∼∼2.22.2でで 推力係数 推力係数CtCt′′=2∼9の範囲のデータが得られる。=2∼9の範囲のデータが得られる。このこの 時の必要空気流量は最大 時の必要空気流量は最大2.9kg2.9kg//ssとなる。となる。このブレーこのブレー ドを前方, ドを前方,後方に各8枚合計後方に各8枚合計1616枚を装着した直径枚を装着した直径0.3m0.3m プロペラを写真2−6に示す。 プロペラを写真2−6に示す。

(14)

航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 14 14    2. 7 2. 7 後流トラバース装置後流トラバース装置  航空宇宙技術研究所が所有している5孔ピトー管の  航空宇宙技術研究所が所有している5孔ピトー管の 頭部を図2− 頭部を図2−16 16 に,に,櫛形ピトー管の寸法図を図2−櫛形ピトー管の寸法図を図2−1717 に, に,トラバース装置を図2−トラバース装置を図2−18 18 に示す。に示す。ピトー管頭部ピトー管頭部 は外径 は外径0.004m0.004mのステンレス棒の頭部をのステンレス棒の頭部を4545°の4角錘に°の4角錘に カットし, カットし,中心部分に総圧管を設け,中心部分に総圧管を設け,4角錘面のほぼ中4角錘面のほぼ中 央に各1個の圧力孔を設けている。 央に各1個の圧力孔を設けている。側面の静圧孔は中心側面の静圧孔は中心 の総圧の外縁につながっており, の総圧の外縁につながっており,気流の測定角度を広げ気流の測定角度を広げ る効果を高めている る効果を高めている14)14)。。図2−図2−17 17 に示す様に5孔ピトに示す様に5孔ピト ー管を6本等間隔に配列し, ー管を6本等間隔に配列し,支持部の支持部のAA点で点で4545°おきに°おきに 回転して固定可能である。 回転して固定可能である。  トラバース装置は風洞気流に対し,  トラバース装置は風洞気流に対し,YY方向と方向とZZ方向は方向は 1× 1×1010−−55mmの精度で遠隔設定が可能である。の精度で遠隔設定が可能である。XX方向は風方向は風 洞停止後に手動で設定した。 洞停止後に手動で設定した。    2. 8 2. 8 プロペラ騒音計測装置プロペラ騒音計測装置  プロペラ単体の騒音計測装置の構成を図2−  プロペラ単体の騒音計測装置の構成を図2−1919に,に,ママ イクロホンとプロペラの配置を図2− イクロホンとプロペラの配置を図2−2020に示す。に示す。マイクマイク ロホンは前ブレードと後ブレードの回転面の中間位置 ロホンは前ブレードと後ブレードの回転面の中間位置 でブレード回転軸から でブレード回転軸から0.58m0.58m(ブレード先端から(ブレード先端から0.4340.434 m m)),,回転軸との高さの差が回転軸との高さの差が0.07m0.07mとなる様に取り付けとなる様に取り付け た。 た。マイクロホン用ストラットは気流を乱さないようにマイクロホン用ストラットは気流を乱さないように

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 16 16 対称翼型で製作した。 対称翼型で製作した。騒音計測装置はデンマーク騒音計測装置はデンマークBruelBruel & Kjar

& Kjar製でマイクロホン製でマイクロホンTYPE-4149TYPE-4149,,較正用ピストンホ較正用ピストンホ ーン

ーンTYPE-SK-4220TYPE-SK-4220及び専用増幅器及び専用増幅器TYPE-SK-153TYPE-SK-153を使を使 用し, 用し,マイクロホンにはコーン型風防スクリーンを装着マイクロホンにはコーン型風防スクリーンを装着 した。 した。データ収集前と終了後に較正用ピストンホーンでデータ収集前と終了後に較正用ピストンホーンで 250Hz 250Hz,,124dB124dBの基準音を発生させ,の基準音を発生させ,データレコーダデータレコーダ (

(TEAC-SR-51TEAC-SR-51)),,FFTFFTアナライザーアナライザー((YEW-3655YEW-3655))を含めを含め て て124dB124dBを指示する様に校正した。を指示する様に校正した。FFTFFTアナライザーアナライザー はサンプリング周波数 はサンプリング周波数51.2kHz51.2kHz,,サンプリング点数サンプリング点数512512 点, 点,平均回数平均回数1616回,回,ハニングハニング・・ウインドウを掛けて処理ウインドウを掛けて処理 した。 した。

3.

3.試験結果

試験結果

   3. 13. 1 天秤較正試験結果 天秤較正試験結果  本試験装置の特徴である2管路ジンバル空気継ぎ手  本試験装置の特徴である2管路ジンバル空気継ぎ手 が天秤計測精度にどの程度の干渉を与えるか興味ある が天秤計測精度にどの程度の干渉を与えるか興味ある 問題である。 問題である。そこで,そこで,プロペラ単体試験に先立ち天秤較プロペラ単体試験に先立ち天秤較 正試験を実施した。 正試験を実施した。較正試験は1)較正試験は1)空気継ぎ手を付けな空気継ぎ手を付けな いケース, いケース,2)2)空気継ぎ手を取り付けたケース,空気継ぎ手を取り付けたケース,3)3)エエ アータービンの代わりに減圧弁を取り付けプロペラ運 アータービンの代わりに減圧弁を取り付けプロペラ運 転時と同量の高圧空気を流したケース, 転時と同量の高圧空気を流したケース,等について天秤等について天秤 の5分力 の5分力((FxFx,,FzFz,,MxMx,,MyMy,,MzMz))に規定荷重を付加し,に規定荷重を付加し,

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 20 20 各分力及び他分力への干渉量を計測した。 各分力及び他分力への干渉量を計測した。天秤較正試験天秤較正試験 装置の構成を図3−1に示す。 装置の構成を図3−1に示す。較正試験結果の内,較正試験結果の内,空気空気 継ぎ手を外した 継ぎ手を外した(天秤単体)(天秤単体)形態の試験結果を図3−2形態の試験結果を図3−2 に, に,空気継ぎ手を取り付けてプロペラ運転時と同じ空気空気継ぎ手を取り付けてプロペラ運転時と同じ空気 圧と流量を流した形態 圧と流量を流した形態((2.94MPa2.94MPa,,33kgkg//ss))のデータのデータ を図3−3に示す。 を図3−3に示す。ここに示すデータは製作時に行ったここに示すデータは製作時に行った 天秤単体 天秤単体(配管,(配管,制御ケーブル等がない状態)制御ケーブル等がない状態)較正試験較正試験 で得られた干渉マトリックスで相互干渉補正を行って で得られた干渉マトリックスで相互干渉補正を行って いる。 いる。各分力毎の付加荷重に対する天秤出力,各分力毎の付加荷重に対する天秤出力,及び他分及び他分 力への干渉量はほぼ良好な結果が得られている。 力への干渉量はほぼ良好な結果が得られている。  さらに天秤精度を詳細に評価するために,  さらに天秤精度を詳細に評価するために,付加荷重に付加荷重に 対する偏差 対する偏差((d Fd F))(付加荷重−天秤出力)(付加荷重−天秤出力)及び他分力へ及び他分力へ の干渉量を定格値に対する割合で図3−4に示す。 の干渉量を定格値に対する割合で図3−4に示す。本天本天 秤の特徴を以下に示す。 秤の特徴を以下に示す。1)1)FxFx,,FzFz,,MxMx,,MzMzの偏差はの偏差は 定格荷重に対し± 定格荷重に対し±0.50.5%以下で再現性が高い,%以下で再現性が高い,2)2)MyMyのの 偏差は比較的大きく± 偏差は比較的大きく±1.01.0%程度である,%程度である,3)3)FxFxととMzMzのの 増加方向と減少方向でヒステリシス特性が現れる。 増加方向と減少方向でヒステリシス特性が現れる。このこの ヒステリシス特性は ヒステリシス特性はF xF xととM zM z で規則的な傾向は見られで規則的な傾向は見られ る。 る。プロペラ単体試験での天秤出力はプロペラ単体試験での天秤出力は−−F xF x(推力方向)(推力方向) が最も大きく, が最も大きく,他成分は無視出来る程度に小さい。他成分は無視出来る程度に小さい。そこそこ で でFxFx成分を成分をMzMz出力で補正する方法を試みた。出力で補正する方法を試みた。  さて,  さて,主な主なFxFx較正試験において較正試験においてFxFxの偏差の偏差(図中(図中 dFx dFx で表わす) で表わす)ととM zM z出力を図3−5に示す。出力を図3−5に示す。配管の有,配管の有,無無 に関わらず, に関わらず,MzMzととdFxdFxの出力パターンが良く似ている。の出力パターンが良く似ている。 そこで そこでFxFxの較正試験で得られたデータのの較正試験で得られたデータのMzMzを横軸に,を横軸に, dFx dFxを縦軸にプロットすると図3−6が得られる。を縦軸にプロットすると図3−6が得られる。MzMzにに 対する 対するdFxdFxは幅約7Nのヒステリシスを有し,は幅約7Nのヒステリシスを有し,再現性が再現性が 非常に高い。 非常に高い。  ここで,  ここで,FxFxととMzMzに同じ傾向のヒステリシスが生じるに同じ傾向のヒステリシスが生じる 原因を検討する。 原因を検討する。本天秤の構造は図2−4に示すように本天秤の構造は図2−4に示すように Fx FxととMzMzの歪ゲージが対の同一ビームに貼ってある。の歪ゲージが対の同一ビームに貼ってある。対対 のビームの歪みをδ のビームの歪みをδ11とδとδ22で表わせば,で表わせば,理想的に出来理想的に出来 た天秤の歪み量は た天秤の歪み量は||δδ1|1|==||δδ2|2|となる。となる。圧縮,圧縮,引張り引張り の方向を考慮して の方向を考慮して Fx Fx付加試験時の電気出力は付加試験時の電気出力は    EEFxFx== ( (δδ11+δ+δ2)2)××AA (3-1)(3-1) Mz Mzへの干渉量の電気出力はへの干渉量の電気出力は    EEMzMz == ( (δδ11−δ−δ2)2)××LL××AA==00 (3-2)(3-2) Mz Mz 付加試験時の電気出力は付加試験時の電気出力は    EEMzMz == ( (δδ11−δ−δ2)2)××LL××AA (3-3)(3-3) Fx Fxへの干渉量の電気出力はへの干渉量の電気出力は    EEFxFx == ( (δδ11+δ+δ2)2)××AA==00 (3-4)(3-4) ここにδ ここにδ::ビーム歪み量,ビーム歪み量,LL::天秤中心と力の作用点の距天秤中心と力の作用点の距 離, 離,EE::天秤電気出力天秤電気出力((VV)),,AA::増幅器のゲインとなる。増幅器のゲインとなる。 つまり, つまり,ビーム歪みにヒステリシス特性がなければ天秤ビーム歪みにヒステリシス特性がなければ天秤 出力にヒステリシスが現れない。 出力にヒステリシスが現れない。しかし天秤のビームのしかし天秤のビームの 不揃いまたは配管継ぎ手, 不揃いまたは配管継ぎ手,ストラット等の組立ミスアラストラット等の組立ミスアラ イメントでヒステリシスが生じれば イメントでヒステリシスが生じれば||δδ1|1|≠≠||δδ2|2|となとな り, り,FxFxととMzMzにヒステリシスが現れる。にヒステリシスが現れる。ここでここでFxFx付加試付加試 験のヒステリシス歪み量を 験のヒステリシス歪み量をΔδΔδxx で現わすとで現わすと    FFFxFx == ( (δδ11+δ+δ22++ΔδΔδxx))××AA (3-5)(3-5)    EEMzMz == (( ((δδ11−δ−δ2) 2) LL++ΔδΔδxx××LL) ) AA (3-6)(3-6) となり, となり,FxFxに含まれるヒステリシス量に含まれるヒステリシス量ΔδΔδxxははMzMzにもにも 比例して現れることが判る。 比例して現れることが判る。従って,従って,天秤較正試験で天秤較正試験でMzMz の干渉量と の干渉量とdFxdFxの関係を明らかにしておけば,の関係を明らかにしておけば,プロペラプロペラ 単体試験時に含まれる誤差 単体試験時に含まれる誤差dFxdFxををMzMzの出力量で補正すの出力量で補正す ることが可能になる。 ることが可能になる。ただしこの補正法は空気力によりただしこの補正法は空気力により 作用する 作用するM zM z方向の力が十分小さい時に成り立つ。方向の力が十分小さい時に成り立つ。幸い幸い プロペラ単体試験 プロペラ単体試験(α=0時のみ)(α=0時のみ)での空気力はでの空気力はFxFxがほがほ とんどで, とんどで,MzMz成分には現れない。成分には現れない。

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 図3−7に配管の無,  図3−7に配管の無,有及び規定圧力で規定流量を流有及び規定圧力で規定流量を流 した時の した時のFxFxの偏差値の偏差値dFxdFxを示す。を示す。また図3−6に示す実また図3−6に示す実 線で図3− 線で図3−55,,図3−7を補正した図3−7を補正したdFxdFxデータを図3−データを図3− 8に示す。 8に示す。無修正データに比べ偏差値は約無修正データに比べ偏差値は約11//33に改善に改善 される。 される。  2管路ジンバル空気継ぎ手の干渉による  2管路ジンバル空気継ぎ手の干渉によるdFxdFxは図3−は図3− 7で見る限り, 7で見る限り,配管無から配管有さらに圧力有で負側に配管無から配管有さらに圧力有で負側に 僅かに移動するが, 僅かに移動するが,概ね±概ね±0.60.6%以下で大きくない。%以下で大きくない。これこれ らのデータに補正を施すことによって図3−8の様に らのデータに補正を施すことによって図3−8の様に なり継ぎ手の有, なり継ぎ手の有,無で差が認められない位に小さくな無で差が認められない位に小さくな る。 る。    3. 23. 2 回転数制御結果 回転数制御結果  エンジン回転数制御にはいくつかのノウハウがある。  エンジン回転数制御にはいくつかのノウハウがある。 基本的なエンジン制御は, 基本的なエンジン制御は,1)1)後方ブレードの回転数を後方ブレードの回転数を トリムバルブを調整して目標値に近づける。 トリムバルブを調整して目標値に近づける。2)2)次にメ次にメ インバルブを調整して, インバルブを調整して,前方ブレードの回転数を目標値前方ブレードの回転数を目標値 に合わせる。 に合わせる。これはトリムバルブこれはトリムバルブ(1(1inin))の方がメインの方がメイン バルブ バルブ(2(2inin))より速応性が良く,より速応性が良く,調整が容易なためで調整が容易なためで ある。 ある。3)3)排気バルブはフィードバック制御系に入って排気バルブはフィードバック制御系に入って いない。 いない。その開度は予め決められた値に設定する。その開度は予め決められた値に設定する。空気空気 継ぎ手の圧力 継ぎ手の圧力P pipeP pipeをパラメータに排気バルブ閉度ををパラメータに排気バルブ閉度を 0%から 0%から100100%まで変化させた時の天秤干渉量は図3−%まで変化させた時の天秤干渉量は図3− 9の様になり 9の様になり7070%以上で干渉量が急速に増える。%以上で干渉量が急速に増える。通常は通常は 50 50%以内で使用する。%以内で使用する。  メインバルブ開度  メインバルブ開度7070%,%,トリムバルブ開度トリムバルブ開度100100%で目%で目 標の回転数に制御されない場合, 標の回転数に制御されない場合,排気バルブの閉度を小排気バルブの閉度を小 さくすることによって制御可能となる。 さくすることによって制御可能となる。またトリムバルまたトリムバル ブ開度が0%となった場合, ブ開度が0%となった場合,排気バルブの閉度を大きく排気バルブの閉度を大きく することに依ってトリムバルブの制御が可能になる。 することに依ってトリムバルブの制御が可能になる。たた だし, だし,排気バルブ閉度排気バルブ閉度7070%以上で干渉が大きくなり,%以上で干渉が大きくなり,7070 %以上での使用は避けた方が良い。 %以上での使用は避けた方が良い。  ブレードの前後ピッチ角の差  ブレードの前後ピッチ角の差ddββが大きい場合,が大きい場合,前後前後 ブレードを同じ回転数に制御することは困難となる。 ブレードを同じ回転数に制御することは困難となる。なな ぜなら, ぜなら,前方ブレードより後方ブレードの迎角が小さい前方ブレードより後方ブレードの迎角が小さい ので回転トルクも小さくなり, ので回転トルクも小さくなり,トリムバルブ開度が0%トリムバルブ開度が0% になっても, になっても,メインバルブからの流量だけで,メインバルブからの流量だけで,必要トル必要トル クを越えてしまうことによる。 クを越えてしまうことによる。後方ブレードの回転数制後方ブレードの回転数制 御の限界は 御の限界はddββ==4deg4deg以下である。以下である。  本回転翼試験装置においては設定回転数に対する制  本回転翼試験装置においては設定回転数に対する制 御回転数結果を図3− 御回転数結果を図3−1010に示す。に示す。前方ブレード前方ブレードnnFFは±は± 1 1rpsrps以下で安定しているが,以下で安定しているが,後方ブレード後方ブレードnnAAは±3は±3rpsrps 程度の偏差が生じる。 程度の偏差が生じる。総じて前方プロペラより後方プロ総じて前方プロペラより後方プロ

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航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 22 22 ペラの制御が難しい。 ペラの制御が難しい。  ここでエアータービンを用いた試験手順を示す。  ここでエアータービンを用いた試験手順を示す。 1) 1) 空気源を起動し,空気源を起動し,所定圧力,所定圧力,流量が確保されているこ流量が確保されているこ とを確認する。 とを確認する。 2) 2) 給気圧力をゼロから徐々に上昇させ,給気圧力をゼロから徐々に上昇させ,タービンを低速タービンを低速 で回転させる。 で回転させる。 3) 3) プロペラ回転数,プロペラ回転数,ベアリング温度,ベアリング温度,回転軸振動,回転軸振動,ブレブレ ード応力等をチェックする。 ード応力等をチェックする。 4) 4) ブレード応力,ブレード応力,推力指示値を確認しながら,推力指示値を確認しながら,回転数の回転数の 上昇と風速の上昇を交互に調整し, 上昇と風速の上昇を交互に調整し,予め定めた回転予め定めた回転 数と風速に設定する。 数と風速に設定する。 5) 5) 回転数と風速の上昇手順はブレードピッチ角により回転数と風速の上昇手順はブレードピッチ角により 異なるが, 異なるが,推力とブレード応力が規定値以内に納ま推力とブレード応力が規定値以内に納ま るように調整する。 るように調整する。回転数を一定に制御し,回転数を一定に制御し,風速を上風速を上 昇させると次第にブレード迎角が減少し, 昇させると次第にブレード迎角が減少し,最終的に最終的に ウインドミル状態に入り, ウインドミル状態に入り,急速に回転数が上昇し危急速に回転数が上昇し危 険な状態になる。 険な状態になる。 6) 6) 回転数の高い状態で風速を下げるとブレード迎角が回転数の高い状態で風速を下げるとブレード迎角が 大きくなり推力が増加する。 大きくなり推力が増加する。このとき推力が定格値このとき推力が定格値 (今回は (今回は700N700N))を越えないように注意しなければならを越えないように注意しなければなら ない。 ない。迎角が過大になるとブレードが失速して振動迎角が過大になるとブレードが失速して振動 が大きくなる。 が大きくなる。従って,従って,回転数,回転数,推力,推力,ブレード応力ブレード応力 を常に監視しながら回転数と風速を調整することが を常に監視しながら回転数と風速を調整することが 必要である。 必要である。

4.

4.プロペラ推力試験結果

プロペラ推力試験結果

   4. 14. 1 静止気体中の推力試験結果 静止気体中の推力試験結果  平成2年度と3年度に静止気体中でプロペラを回し  平成2年度と3年度に静止気体中でプロペラを回し 静止推力試験を実施した。 静止推力試験を実施した。まず,まず,2年度に分けて行った2年度に分けて行った 同一ピッチ角の再現性確認試験結果を図4−1に示す。 同一ピッチ角の再現性確認試験結果を図4−1に示す。 回転数の 回転数の150rps150rps以上で若干の差異があるが,以上で若干の差異があるが,2年度にわ2年度にわ たるデータの再現性は良好である。 たるデータの再現性は良好である。図4−2に離着陸形図4−2に離着陸形 態ピッチ角の回転数に対する静止推力特性を示す。 態ピッチ角の回転数に対する静止推力特性を示す。プロプロ ペラピッチ角は半径 ペラピッチ角は半径7575%位置で定義し,%位置で定義し,前方ピッチ角を前方ピッチ角を β βFFで,で,後方ピッチ角を後方ピッチ角をββAAで表わすことにする。で表わすことにする。回転数回転数 に対する静止推力は図4−2に示す様に回転数が に対する静止推力は図4−2に示す様に回転数がnn == 100rps 100rps以下ではほぼ一本の曲線で現わせるが,以下ではほぼ一本の曲線で現わせるが,回転数が回転数が 大きくなるほどピッチ角による推力変化が大きくなる。 大きくなるほどピッチ角による推力変化が大きくなる。 今回の最大試験回転数の 今回の最大試験回転数のnn==190rps190rpsにおいてにおいてββFF/β/βAA = =3434°° //3434°° でで505N505N,,ββFF/β/βAA==3030°° //2828°° でで425N425Nでで

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あった。 あった。図4−3は図4−2のデータを推力係数図4−3は図4−2のデータを推力係数CtCtで比で比 較した結果である。 較した結果である。CtCtは回転数に対しては回転数に対してnn==150rps150rps付付 近まで増加傾向となり, 近まで増加傾向となり,nn==160rps160rps以上でほぼ横ばいと以上でほぼ横ばいと なる。 なる。また低ピッチ角また低ピッチ角((3232°° //3030°° ∼∼3030°° //2828°°))と高ピと高ピ ッチ角 ッチ角((3434°° //3434°° ∼∼3232°° //3232°°))を比較するとそれぞれを比較するとそれぞれ の のCtCtの差分は低ピッチ角の範囲で小さく,の差分は低ピッチ角の範囲で小さく,高ピッチ角ほ高ピッチ角ほ ど大きくなる傾向がある。 ど大きくなる傾向がある。さて回転数に対するさて回転数に対するCtCtはブレはブレ ードのねじり角 ードのねじり角(空気力と遠心力が作用し,(空気力と遠心力が作用し,複雑に変化複雑に変化 する), する),レイノズル数効果レイノズル数効果(回転数増大で効率が上がる方(回転数増大で効率が上がる方 向に変化), 向に変化),圧縮性の効果等の兼ね合いから複雑に影響圧縮性の効果等の兼ね合いから複雑に影響 するものと思われ, するものと思われ,今回の試験で得られたデータだけで今回の試験で得られたデータだけで はそれぞれを定量的に評価することは出来なかった。 はそれぞれを定量的に評価することは出来なかった。    4. 2 4. 2 ブレード無し試験結果ブレード無し試験結果  ストラットにエアータービンを付けて,  ストラットにエアータービンを付けて,ブレードを取ブレードを取 り外した状態で一様流風速 り外した状態で一様流風速VV ∞∞と迎角αと迎角α(迎角変化はタ(迎角変化はタ ーンテーブルを回転させた, ーンテーブルを回転させた,通常の風洞試験の偏揺角変通常の風洞試験の偏揺角変 化に相当する) 化に相当する)をパラメータとして,をパラメータとして,ブレード無しのデブレード無しのデ ータを収集した。 ータを収集した。この時エアータービンは回転させなこの時エアータービンは回転させな い。 い。  本試験装置は図2−5に示す様にターンテーブルに  本試験装置は図2−5に示す様にターンテーブルに 天秤とプロペラ試験装置が取り付いている。 天秤とプロペラ試験装置が取り付いている。天秤は機体天秤は機体 軸まわりの力を計測する。 軸まわりの力を計測する。また図2−7に示すように気また図2−7に示すように気 流に晒される部分はストラット上部と楕円流線形のエ 流に晒される部分はストラット上部と楕円流線形のエ アータービン部である。 アータービン部である。従って迎角を取った時,従って迎角を取った時,気流に気流に より天秤が受ける力は図4−4 より天秤が受ける力は図4−4aaに示す様になるがストに示す様になるがスト ラット部に働く ラット部に働くFzbFzb成分が圧倒的に大きくなる。成分が圧倒的に大きくなる。またプまたプ ロペラを付けた時の迎角試験ではプロペラの推力によ ロペラを付けた時の迎角試験ではプロペラの推力によ り図4−4 り図4−4bbに示す力が作用する。に示す力が作用する。  ブレード無しの軸流方向成分  ブレード無しの軸流方向成分(抵抗分)(抵抗分)の試験結果をの試験結果を

(24)

航空宇宙技術研究所報告 航空宇宙技術研究所報告13261326号号 24 24 図4−4 図4−4ccに示す。に示す。風速風速70m70m//ssで見ると,で見ると,α=0α=0 °° のの Fx Fxはは3.5N3.5N移度であるがα=移度であるがα=1515°° ではではFxFxがが113N113Nになる。になる。 ここで

ここでFxbFxb cos cosαとαとFzbFzb sin sinαの大きさを見るためにそαの大きさを見るためにそ の差分

の差分((FzbFzb sin sinα−α−FxbFxb cos cosα)α)を図4−4を図4−4ddに示す。に示す。 迎角0

迎角0 °° ではではFzbFzb sin sinα成分がゼロなるからα成分がゼロなるからFxbFxb cos cosαのαの みとなり,

みとなり,迎角5迎角5 °° ではではFxbFxb cos cosαとαとFzbFzb sin sinαがほぼ同αがほぼ同 じ値になり, じ値になり,迎角5迎角5 °° 以上では以上ではFzbFzb sin( sin(αα))が相対的大が相対的大 きくなっていることが判る。 きくなっていることが判る。ブレード付きの真の推力ブレード付きの真の推力TT はブレード付き推力試験値 はブレード付き推力試験値((TonTon))とブレード無し推力とブレード無し推力 試験値 試験値((ToffToff))との差で求められるからとの差で求められるから  

TT==TonTon−−ToffToff=−=−((FxonFxon−−FxoffFxoff))   =−

  =−{({(FxbFxb,,onon cos cosα+α+FzbFzb,,onon sin sinαα))    −

   −((FxbFxb,,offoff cos cosα+α+FzbFzb,,offoff sin sinαα)}(3.7))}(3.7) となる。 となる。図4−4図4−4ccからブレード無しの各迎角毎の風速からブレード無しの各迎角毎の風速 に対する に対するFxoffFxoffの近似式を求めておき,の近似式を求めておき,後処理でプレード後処理でプレード 付きの迎角試験のデータを補正した。 付きの迎角試験のデータを補正した。    4. 34. 3 離着陸形態ピッチ角の推力特性試験結果 離着陸形態ピッチ角の推力特性試験結果  離着陸形態に相当するピッチ角の試験ケースを表4  離着陸形態に相当するピッチ角の試験ケースを表4

参照

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