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令和3年度都立看護専門学校推薦入学試験小論文課題

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Academic year: 2021

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令和3年度都立看護専門学校推薦入学試験小論文課題 次の文章を読んで、設問に答えなさい。

数学をしていると、それまでわからなかったはずのことがある瞬間にふとわ かる経験をすることがある。それは、数学を学ぶ最大の喜びの瞬間でもある。

高校時代の僕はその喜びをまだ知らず、ただ受験科目の一つとして数学を学 んだ。問題集の解答をくり返し書き写して解法を「暗記」して、それで試験を 突破するという、今にして思えば最悪の勉強の仕方をしていた。それによって 知識やテクニックは身についても、肝心の「わかる」という経験の喜びを味わ うことはできなかった。

大学に入って岡潔のエッセイに出会い、自力で解く前に解法を知ると、 「それ はもう解けない問題になってしまう

」と彼が書いているのを読んで、はじめ て、解答を閉じて問題と向き合うことを知った。問題を頭に入れて、あとは白 紙と対峙

する。それはとても怖いことである。

白紙と向き合う時間は、地図のない森をさまようのにも似た心細さがある。

つい誰かに道をたずねたくなる。そこをぐっとこらえて、ただ自分の身一つで、

白紙と辛抱強く向き合う。

方針を立てる。計算してみる。幾度も失敗をくり返しながら、それでもあき らめずに挑み続ける。そうすると、ときに本当に、真っさらの紙から始めて自 分で歩んで、わかってしまう瞬間がある。最後までどうしてもわからないこと ももちろんあるが、最初はさっぱりわからなかった問題を、独力で解決した瞬 間の喜びは格別である。

わからない自分が白紙と向き合い、辛抱強く試行錯誤をくり返しているうち に、ある瞬間「わかった」自分に変わるのだ。それはまるで母親の胎内にある 日突然いのちが宿るような、 「零

ゼ ロ

」から何かが生まれる鮮烈な体験である。それ がどんな小さな、とるに足らない発見だとしても、白紙から始めて、自力で何 かをわかる瞬間の喜びは何ものにも代え難い。

*「すみれの言葉」 (『岡潔「日本の心」 』所収)

出典:森田真生著(2019) 「数学の贈り物」

株式会社ミシマ社

(設問)

著者が伝えたいことを 200 字程度に要約した上で、 「わかるということ」に

ついて、体験を踏まえたあなたの考えを、要約を含めて 800 字程度で述べなさ

い。

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