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市中肺炎入院症例に対する PORT prediction rule による リスク分類の有用性

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成人市中肺炎は呼吸器疾患のなかで最も一般的 な疾患の一つであり,また依然として死亡例も少 なくなく問題となっている.近年,Drug-resistant Streptococcus pneumoniae(DRSP)をはじめとした

耐性菌の増加が大きな問題となってきており,耐 性菌を念頭においた治療が基本となる.しかし抗 菌薬に対する耐性化の懸念を考慮すると,やはり 広域なスペクトラムの薬剤は第一選択としては安 易に使用すべきではなく,重症度や想定される菌 種に応じた薬剤選択が必要であろう.また,医療 コストの面から考えても,軽症例は外来を中心と した治療が中心となってきている.以上の点を考

市中肺炎入院症例に対する PORT prediction rule による リスク分類の有用性

―DRSP との関係を含めて―

公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科

西山 理 谷口 博之 近藤 康博 木村 雅広 清水 淳市

(平成 14 年 7 月 25 日受付)

(平成 14 年 9 月 11 日受理)

IDSA ガイドラインで推奨される PORT prediction rule を用いて,当院における 1 年間の入院市中肺 炎症例 127 例を層別化し,その死亡率を比較することによってこの prediction rule が本邦でも使用可能 かどうか検討すると同時に,重症度と Drug-resistantStreptococcus pneumoniae(DRSP)との関係も検討 した.リスククラス I〜V はそれぞれ 20 例(15.7%),32 例(25.2%),32 例(25.2%),31 例(24.4%),

12 例(9.4%).死亡例はクラス I,II では 0,クラス III で 1 人(3.1%),クラス IV で 1 人(3.2%),クラ ス V で 5 人(41.7%)であった.PORT prediction rule は本邦でも充分使用可能で,より死亡率の高いク ラス V の層別化において優れていると考えられた.

ペニシリン耐性肺炎球菌についての検討では,PSSP 19 例(70.4%),PISP 5 例(18.5%),PRSP 3 例

(11.1%)であったが,MIC 4µg!ml 以上の高度耐性菌は 1 例も認められなかった.重症度については PISP 5 例のうち 3 例が Class IV,2 例が Class V であり,PRSP 3 例のうち 2 例が Class IV,1 例が Class V の症例であった.全体にリスククラスが高い傾向にはあったが,死亡例は 1 例も認められず予後は良好 であった.

〔感染症誌 76:1003〜1009,2002〕

別刷請求先:(〒489―8642)愛知県瀬戸市西追分町 160 公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科

西山 理

Key words: community-acquired pneumonia, PORT, mortality, drug-resistance, Streptococcus pneumoniae

(2)

Table 1 Patient characteristics 73/54 Sex(male/female)

66.3 ± 17.3 Age(year)

Comorbid illnesses(%)

  7 (  5.5%)

 Neoplastic disease

11 (  8.7%)

 Liver disease

  7 (  5.5%)

 Congestive heart failure

  5 (  3.9%)

 Cerebrovascular disease

  9 (  7.0%)

 Renal disease

46 (36.2%)

 Pulmonary disease

慮すると,市中肺炎の重症度を最初に予測するこ とは重要であると考えられる.

最近,種々の治療ガイドラインが出版または改 訂されているが1)〜4),日本呼吸器学会のガイドラ インでは年齢や合併症の項目で重症に分類される 傾向が強く,問題があると指摘されている5).In- fectious Disease Society of America(IDSA)のガ イドラインでは,重症度分類において PORT pre- diction rule6)の使用を推奨している3).PORT pre- diction rule は市中肺炎のうち軽症例を分類する 目的で開発されたものであり,その有用性も確認 されている6)が,本邦では比較的なじみが薄くあま り使用されていないのが現状である.

今回我々は,1 年間に当院に入院した市中肺炎 の症例を対象に,PORT prediction rule による重 症度の層別化を行い,本邦における有用性を検討 した.また,DRSP と肺炎の重症度との関係も調査 した.

対象と方法

平成 12 年 10 月から平成 13 年 9 月までの一年 間に,当院に入院した成人市中肺炎の患者 127 例 を対象とし,retrospective に検討を行った.

エンピリックに使用された抗菌薬を調査し,各 薬剤の使用頻度を検討した.

微生物学的検査は,一般細菌に関しては喀痰ま たは 吸 引 痰 の 定 量 培 養 で 107CFU!ml 以 上 の 場 合,それ以下(106または 105CFU!ml)であって もグラム染色の強拡像で貪食像を多数認める場 合,血液培養陽性の場合を起因微生物とした.マ イコプラズマ,クラミジアに関しては,ペア血清 で 4 倍以上の抗体価の上昇があった場合,レジオ ネラに関してはペア血清で 4 倍以上か単一血清で 256 倍以上の抗体価の上昇があった場合,または 尿中抗原陽性,培養陽性の場合,インフルエンザ に関しては喀痰または気管支肺胞洗浄液から分離 培養された場合,起因微生物と考えた.肺炎球菌 に関しては,ペニシリン G に対す る MIC≦0.06 µg!ml を penicillin-susceptible Streptococcus pne- umoniae(PSSP),0.12µg!ml≦MIC≦1.0µg!ml を penicillin-intermediate Streptococcus pneumo- niae(PISP),MIC≧2.0µg!ml を penicillin-resistant

Streptococcus pneumoniae(PRSP)とした.

重症度は入院時の身体所見,検査データをもと に,PORT prediction rule に 基 づ い て 点 数 化 を 行った.すなわち,年齢を基本点数として Nursing home resident であるかどうか,合併症(悪性疾 患,肝疾患,うっ血性心不全,脳血管疾患,腎疾 患),身体所見(意識障害,呼吸数増加,血圧低下,

低体温または高体温,頻脈),検査または放射線学 的所見(アシドーシス,尿素窒素高値,低ナトリ ウム,高血糖,低ヘマトクリット,低酸素血症,

胸水)の有無で点数を加算し,リスククラス I-V に分類した6)

リスククラス分類後,各クラスの実際の死亡率 を算出し比較した.また DRSP の頻度とリスクク ラスとの関係も検討した.

各 class の年齢の比較では ANOVA を用い,群 間の比較においては Fisher s PLSD を用いた.数 値はすべて mean±SD で示した.

Table 1 に 127 例 の 患 者 背 景 を 示 す.男 性 73 例,女性 54 例.年齢は 66.3±17.3 歳であった.合 併症は悪性腫瘍 7 例,肝障害 11 例,心疾患 7 例,

脳血管障害 5 例,腎障害 9 例.肺疾患は 46 例で,

その内訳は肺結核後遺症 13 例,喘息 12 例,COPD 8 例,塵肺 4 例,気管支拡張症 4 例,間質性肺炎 3 例,DPB 1 例,肺癌手術後 1 例であった.

治療はすべてエンピリックに開始されており,

113 例(89.0%)で 2 種類の薬剤が併用で用いられ ていた.もっとも多く選択されていた組み合わせ は Ampicillin-sulbactam と Clarithromycin で,62 例(48.8%)と約半数の症例で使用されていた(Ta-

(3)

Table 2 Antibiotics used

62(48.8%)

Ampicillin-sulbactam plus Clarithromycin

11(  8.7%)

Ampicillin-sulbactam plus Erythromycin

10(  7.9%)

Panipenem-betamipron plus Erythromycin

  6(  4.7%)

Ampicillin-sulbactam plus Azithromycin

  6(  4.7%)

Ampicillin-sulbactam alone

  4(  3.1%)

Ceftriaxone plus Clarithromycin

  4( 3.1%)

Cefotiam alone

  3(  2.4%)

Ceftazidime alone

  3(  2.4%)

Piperacillin plus Erythromycin

18(14.2%)

Others

Erythromycin, clarithromycin, and azithromycin are oral  antibiotics. Others are parenteral ones.

Table 3 Etiologic pathogens 27(21.3%)

Streptococcus pneumoniae

14(11.0%)

Haemophilus influenzae

  4(  3.1%)

Moraxella catarrhalis

  4(  3.1%)

Mycoplasma pneumoniae

  3(  2.4%)

Legionella

  1(  0.8%)

Staphylococcus aureus

  1(  0.8%)

Influenza virus

73(57.5%)

Unkown

Table 5 MICs of S. Pneumoniae for Penici- llin G

MIC(µg/mL) n(%)

10(37.0%)

0.03

  8(28.6%)

0.06

  1(  3.6%)

0.12

  2(  7.1%)

0.25

  1(  3.6%)

0.50

  2(  7.1%)

1.0

  3(10.7%)

2.0

Table  4 Stratification  by  the  PORT  prediction  rule

case of death(%)

n(%)

Class 

0(  0  %)

20(15.7%)

¿

0(  0  %)

32(25.2%)

À

1(  3.1%)

32(25.2%)

Á

1(  3.2%)

31(24.4%)

Â

5(41.7%)

12(  9.4%)

Ã

ble 2).そ の 他,ほ と ん ど の 症 例 でβ-lactam と macrolide が併用されており(110 例,86.6%),β- lactam 単剤使用は 8 例(6.3%)のみであった.

起因微生物は 54 例(42.5%)で同定可能であり,

S. pneumoniaeが 27 例(21.3%)と最多であり,以 下Haemophilus influenzae 14 例(11.0%),Morax- ella catarrhalis 4 例(3.1%),Mycoplasma pneumo- niae4 例(3.1%),Legionella3 例(2.4%),Staphy- lococcus aureus 1 例(0.8%),Influenza virus 1 例

(0.8%)の順で多かった(Table 3).

PORT prediction rule に基づくリスク Class 分 類を Table 4 に示す.各 class の平均年齢は class I 36.0±9.7 歳,class II 63.7±9.6 歳,class III 71.9

±11.4 歳,class IV 77.7±9.2 歳,class V 79.4±8.2 歳で 5 群間に有意差を認めた(p<0.0001).各群間 の比較では class IV と class V の間のみ有意差を 認めなかったが,他の 2 群間ではすべて有意差を 認めた(p<0.05).Class I,II では死亡例は認めら れなかったが,Class III,IV でそれぞれ 1 例(3.1

%,3.2%),Class V では 5 例(41.7%)が死亡して

いた.

S. pneumoniae27 例 の ペ ニ シ リ ン G に 対 す る MIC の分布を Table 5 に示す.PSSP 19 例(70.4

%),PISP 5 例(18.5%),PRSP 3 例(11.1%)で あった.MIC4 以上の高度耐性菌は 1 例も認めら れなかった.PISP 5 例のうち 3 例が Class IV,2 例が Class V の症例であった.PRSP 3 例のうち 2 例が Class IV,1 例が Class V の症例であった.起 因菌が PISP または PRSP であった症例で,死亡 例は 1 例も認められなかった.

肺炎は呼吸器疾患の中で最も一般的な疾患では あるが,いまだ罹患率,死亡率ともに高く重要な 疾患である.近年,日本や米国より種々のガイド ラインが出版されてきているが1)〜4),少しずつそ れらの内容にも異なった点がみられる.重症度の 判定においても,日本呼吸器学会のガイドライン では,胸部レントゲン上の陰影の広がり,体温,

脈拍,呼吸数,脱水の有無や,白血球,CRP,PaO2

などで重症度を判定し,65 歳以上の高齢者や合併 症が認められる場合,重症度を 1 ランク上げると いったことが推奨されている1).IDSA において

(4)

は PORT prediction rule を 用 い た 重 症 度 の 層 別 化を推奨している.すなわち,年齢を基本点数と して(女性は−10),Nursing home resident である かどうか(+10),合併症(悪性疾患+30,肝疾患

+20,うっ血性心不全+10,脳血管疾患+10,腎疾 患+10),身体所見(意識障害+20,呼吸数増加+

20,血圧低下+20,低体温または高体温+15,頻脈

+10),検査または放射線学的所見(アシドーシス

+30,尿素窒素高値+20,低ナトリウム+20,高血 糖+10,低ヘマトクリット+10,低酸素血症+10,

胸水+10)の有無で点数を加算しその合計によっ てリスククラス I-V にする.クラスが高くなるほ ど死亡率が増加するため,クラス I,II は外来ベー ス,クラス III は外来または短期入院,クラス IV,

V は入院ベースで治療を行うことを推奨してい る3).一方 ATS では,重症肺炎の基準は設けてい るものの,PORT prediction rule を含めた種々の 因子や,社会的背景なども考慮して総合的に入院 を決定すべきとしており,明確な入院治療の基準 は定めていない2).IDSA ガイドラインで推奨さ れ て い る PORT prediction rule に よ る 重 症 度 の 層別化が最も明確であり,日本呼吸器学会や ATS のガイドラインでは重症度や入院適応症例の判定 は少し主観的な面も残されているようである.

日本ではやはり日本呼吸器学会のガイドライン がもっともポピュラーではあるが,ATS のガイド ラインもよく知られ用いられている.IDSA ガイ ドラインについては少し認知度が他の二者に比べ て落ちるのか,また重症度の層別化による入院の 決定が日本の医療事情にそぐわないのか,PORT prediction rule はあまり頻用されていないのが現 状である.

そこで今回我々は,IDSA ガイドラインで推奨 される PORT prediction rule を用いて,当院にお ける入院市中肺炎症例を層別化し,その死亡率を 比較することによって,この prediction rule が我 が国でも使用可能かどうか検討すると同時に,重 症度と DRSP との関係も検討した.

本研究期間 1 年の入院市中肺炎症例は 127 例で あり,そのうち合併症を認めた例が多数あった.

呼吸器系の合併症が最多(36.2%)であったが,こ

れ は PORT prediction rule の 点 数 に は 含 ま れ て いない.しかし,呼吸器系合併症のある患者は,

当然呼吸不全を呈しやすく,呼吸数増加や低酸素 血症といった他の項目に点数が反映されるものと 考えられる.

抗菌薬の選択は,基本的には主治医の判断に任 されていたが,ATS ガイドラインや IDSA ガイド ラインで推奨される薬剤選択に従ってエンピリッ クに選択している.その結果,Ampicillin-sulba- ctam と Clarithromycin の 併 用 が 約 半 数(48.8

%)の症例で使用されていた.Ampicillin-sulba- ctam とマクロライドという選択は 79 例(62.2%)

で使用されていた.ATS ガイドラインでは ICU 以外の入院患者で心肺疾患や他の修飾因子を有す る症例(group IIIa)ではβラクタム(cefotaxime, ceftriaxone,ampicillin-sulbactam,high-dose am- picillin)とマクロライドかドキシサイクリンの併 用か,または静注フルオロキノロン単剤の使用が 推奨されているし2),IDSA ガイドラインの入院 を有する症例(ICU 以外)でもβラクタム(cefo- taxime,ceftriaxone,ampicillin-sulbactam,pipera- cillin-tazobactam)とマクロライドの併用かフルオ ロキノロン単剤の使用が推奨されている3).我々 の施設における薬剤選択はおおむねこれらのガイ ドラインにのっとった選択ができているといえ る.

起因菌については,特定できなかった例が 73 例(57.5%)とやや多いものの,S. pneumoniae(27 例,21.3%),H. influenzae(14 例,11.0%)という 順で多く,最近の我が国における報告とほぼ合致 する結果であった7)8)

PORT prediction rule を用い重症度を層別化し た結果,IDSA ガイドラインで外来治療が推奨さ れるクラス I,II が合計 52 例(40.9%)を占め,か なり軽症と考えられる症例も入院で治療されてい るのが現状であった.これには日米の医療背景や 社会的背景の違いが反映していると思われるが,

我々の日常臨床においても肺炎と診断されれば,

患者も入院を希望するケースが多く,また実際入 院として治療するケースが多いという印象があ る.

(5)

死亡例はクラス I,II では 0,クラス III で 1 人

(3.1%),クラス IV で 1 人(3.2%),クラス V で 5 人(41.7%)とほぼクラス V に集中していた.

Fine MJ.らはこの prediction rule の妥当性を市 中肺炎のコホート study の中で検証しているが,

ク ラ ス I,II で の 死 亡 率 は 1% 以 下,ク ラ ス III では 3% 以下,クラス IV では 8〜10%,クラス V では 27〜30% であった6).我々の検討をこれと比 較すると,我々の症例ではクラス IV での死亡率 が低く,クラス V での死亡率が高い結果となっ た.当然リスククラスが高い群では高齢者が多く なるため死亡率が高くなる可能性が考えられる が,本研究では class IV と class V の間に有意な 年齢差は認められなかった.各クラスの死亡率は 施設の違いや治療方法の選択の違いによっても変 わってくる可能性があるが,我々の症例でいえば PORT prediction rule はより死亡率の高いクラス V を選別するのに非常に適しているといえる.重 症肺炎症例においては過剰炎症反応が起こってお り,例え抗菌薬が適切に選択されたとしても死亡 率は高いと考えられる.PORT prediction rule に よって層別されたクラス V の死亡率を改善する ことが今後の課題となろうが,これにはより適切 な薬剤選択は当然ながら,新たな全身管理法や抗 炎症療法などの開発が必要である.いずれにせよ,

PORT prediction rule は我が国でも十分使用する 意味があり,重症度の層別化に有用であると考え られた.

PRSP についての検討で は,PSSP 19 例(70.4

%),PISP 5 例(18.5%),PRSP 3 例(11.1%)で あったが,MIC 4µg!mL 以上の高度耐性菌は 1 例 も認められなかった.DRSP による肺炎の重症度 に つ い て は PISP 5 例 の う ち 3 例 が Class IV,2 例 が Class V で あ り,PRSP 3 例 の う ち 2 例 が Class IV,1 例が Class V の症例であった.全体に 耐性肺炎球菌による肺炎ではリスククラスが高い 傾向にはあったが,起因菌が PISP または PRSP であった症例での死亡例は 1 例も認められなかっ た.薬剤耐性と治療反応性の関係についてはいま だ controversial で,基礎疾患を考慮にいれるとペ ニシリン感受性菌と耐性菌では死亡率に差がな

かったという報告や9)〜11),薬剤耐性ではなくある セロタイプ(3 型)が死亡率を上げているという報 告12)がある一方,高度ペニシリン耐性肺炎球菌に よる菌血症性肺炎の死亡率は高いとする報告13)14)

もある.これらの報告の一部をうけ,CDC のガイ ドラインではペニシリンに対す る MIC が 1µg! mL 以下の耐性肺炎球菌では薬剤耐性は治療に まったく影響を与えないことを示し,PRSP の臨 床的な基準を MIC≧4.0µg!mL とすることを提案 している4).そう考えると,本研究における耐性肺 炎球菌の程度はほとんど臨床的に問題にならない 程度と言える.今後,DRSP の頻度が増加してくる につれ,日本での薬剤耐性化と重症度の関係につ いてさらなる研究が必要となってくるであろう.

まとめると,IDSA のガイドラインで推奨され て い る PORT prediction rule は 我 が 国 で も 十 分 使用可能で,より死亡率の高いクラス V の層別化 において優れていた.ペニシリン耐性肺炎球菌に よる肺炎の頻度はまだ低く,またペニシリンに対 する MIC もすべて 2.0µg!mL 以下であった.ペニ シリン耐性肺炎球菌による肺炎はリスククラスは 高いものの死亡例は認められなかった.ペニシリ ン耐性であっても MIC≦2.0µg!mL であれば予後 は良好であると考えられた.

本研究の要旨は第 76 回日本感染症学会総会学術講演会

(東京)で発表した.

1)日本呼吸器学会:呼吸器感染症に関するガイド ライン,成人市中肺炎診療の基本的考え方,2000.

2)American Thoracic Society:Guidelines for the management of adults with community-acquired pneumonia. Diagnosis, assessment of severity, an- timicrobial therapy, and prevention. Am J Respir Crit Care Med 2001;163:1730―54.

3)Bartlett JG, Dowell SF, Mandell LA, File Jr TM, Musher DM, Fine MJ:Guideline from the infec- tious disease society of America. Practice guide- line for the management of community-acquired pneumonia in adults. Clinical Infectious Disease 2000;31:347―82.

4)Heffelfinger JD, Dowell SF, Jorgensen JH, Klug- man KP, Mabry LR, Musher DM,et al.:Manage- ment of community-acquired pneumonia in the era of pneumococcal resistance . A report from

(6)

the drug-resistantStreptococcus pneumoniaethera- peutic working group. Arch Intern Med 2000;

160:1399―408.

5)川名明彦,降旗兼行,山内康広,河石 真,高崎

仁,小林信之,他:日米 3 学会の 5 種類の市中肺 炎診療ガイドラインの比較検討.日呼吸会誌 2001;39:829―36.

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7)Ishida T, Hashimoto T, Arita M, Ito I, Osawa M:

Etiology of community-acquired pneumonia in hospitalized patients. A 3-year prospective study in Japan. Chest 1998;114:1588―93.

8)木村和嗣,隆杉正和,古本朗嗣,赤堀英明,真崎

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中肺炎の起因菌とその臨床的解析.日呼吸会誌 2000;38:267―72.

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13)Feikin DR, Schuchat A, Kolczak M, Barrett NL, Harrison LH, Lefkowitz L,et al.:Mortality from invasive pneumococcal pneumonia in the era of antibiotic resistance , 1995 ― 1997. Am J public Health 2000;90:223―9.

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Clin Infect Dis 2000;30:520―8.

(7)

The Utility of the Pneumonia PORT Prediction Rule for Evaluating the Severity of Community-acquired Pneumonia in Japan. The Relationship Between

Disease Severity and Drug-resistantStreptococcus pneumoniae

Osamu NISHIYAMA, Hiroyuki TANIGUCHI, Yasuhiro KONDOH, Masahiro KIMURA & Junichi SHIMIZU

Department of Respiratory Medicine, Tosei General Hospital

To examine the utility of the Pneumonia PORT prediction rule for evaluating the severity of community-acquired pneumonia(CAP)in Japan, 127 consecutive patients with CAP admitted during one-year period were recruited and stratified by the rule. The relationship between CAP severity de- termined by the rule and drug-resistantStreptococcus pneumoniaewas also investigated. The number of the patients classified into each class was 20(15.7%)in class I, 32(25.2%)in class II, 32(25.2%)

in class III, 31(24.4%)in class IV, and 12(9.4%)in class V, respectively. Risk class-specific mortal- ity rate was 0% in class I and II, 3.1% in class III, 3.2% in class IV, and 41.7% in class V, respectively.

Twenty-seven patients(21.3%)were diagnosed as pneumococcal pneumonia. In terms of penicillin- susceptibility ofStreptococcus pneumoniae, 19 strains(70.4%)were penicillin-susceptibleStreptococcus pneumoniae(PSSP). Five(18.5%)were penicillin-intermediateStreptococcus pneumoniae(PISP), and 3(11.1%)were penicillin-resistantStreptococcus pneumoniae(PRSP).Highly resistant pneumococci with penicillin MIC≧4.0µg!mL was not observed. For severity of drug-resistant pneumococcal pneu- monia, 3 patients infected with PISP were classified as class IV, 2 with PISP were as class V, 2 with PRSP were as class IV, and 1 with PRSP was as class V. The patients with drug-resistant pneumococ- cal pneumonia were classified as high risk classes(class IV to V),however, the mortality rate was low(0%).

In conclusion, the Pneumonia PORT prediction rule is effective for evaluating the severity of CAP in Japan, especially in classifying the class V patients who are related to high mortality. The mortality rate of the patients with drug-resistant pneumococcal pneumonia was low.

Table  1 Patient characteristics 73/54Sex(male/female) 66.3 ± 17.3Age(year) Comorbid illnesses (%)   7 (  5.5%) Neoplastic disease 11 (  8.7%) Liver disease   7 (  5.5%) Congestive heart failure   5 (  3.9%) Cerebrovascular disease   9 (  7.0%) Renal disea
Table  5 MICs of S. Pneumoniae for Penici- Pneumoniae for Penici-llin G MIC(µg/mL) n(%) 10(37.0%)0.03   8(28.6%)0.06   1(  3.6%)0.12   2(  7.1%)0.25   1(  3.6%)0.50   2(  7.1%)1.0   3(10.7%)2.0

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