長野工業高等専門学校紀要・第
22号
(1990) 45低拘束圧力下におけるK0圧密粘性土の 非排水せん断特性
常田亮 亀井健史 小川正二 玉川善徳
UNDRAINED SHEAR CHARACTERISTICS OF K0‑CONSOLIDATED COHESIVESOIL AT LOW CONFINING PRESSURES
Makoto TOKIDA Takeshi KAMEI Shoji OGAWA and Yoshinori TAMAKAWA
InordertoinvestigatetheundrainedshearcharacteristicsofK。‑consolidated cohesivesoilatlowcon丘ningpressure,fourtypesoftriaxialtests(CK。UC,CK。UE,CK。
扇i記紀 andCK.RK。UE)Wereperfom edonsaturatedcohesivesoi
l .
Theconclusionsfromthisstudyarefollows;1
) AratiooftheundrainedshearstrengthtoverticaleHectiveconsolidationstress obtainedatlowconfiningpressureislargerthanthatobtainedathigh confining preSSureS.2) Theundrainedshearstreng仇 anisotropyisapproximatelyconstantwi仇in仇e rangeofOCRsof1to4.
3) Themodulusofdefom ationseemstoapproximatelyinlinearrelationshipwi仙 verticaleffectiveconsolidationstress.
1. は じ め に
一般的に,陸成堆積粘性土は
,10m以浅の比較的浅い部分に堆積 している場合が多 く見 ら れる. しか しながら, このような低拘束圧力条件下 における粘性土のせん断特性 に関す る研 究例 は少ない. さらに,盛土 ・切土等の人工斜面や自然斜面における破壊面の深 さは,比較 的浅いことが知 られている. したがって,低拘束圧力領域 における土のせん断特性 を解明す るととは,低拘束圧力が想定 される実地盤のせん断強度を評価す る上で重要な問題 であると 考 えられる.
上記の点 に着 日して,低拘束圧力下 における強度 ・変形特性 に関す る研究が,盛 んに行わ れるようになってきた.砂質土 については,浅層部 における砂地盤のせん断特性の解明を目 的 とした研究が多 く行われてお り1 ㌧ 常田 ら
2)紘,砂 に対 して低拘束圧力下 における三軸圧 縮 ・伸張試験を行 った結果,低拘束圧力下 における内部摩擦角の拘束圧力依存性 は,各々の 排水条件及 びせん断条件において,非常に小 さいものであると報告 している.
■平成元年度第
24回土質工学研究発表会で一部発表 日 土木工学科講師
=●基礎地盤 コソサルタンツ ( 秩)
● 4 長岡技術科学大学工学部建設系
●5
福島県
46
常田 亮 ・亀井健史 ・小川正二 ・玉川善徳
一方,粘性土 については,鬼塚 ・吉武
3)がマサ土に対 して通常 の圧力範囲 と低圧 の範囲で 一面せん断試験 を行い,低圧の範囲における強度定数 は,通常の圧力範囲か ら得 られる強度 定数 よりも小 さな値 を示す との結果を得ている.常田 ら
4)紘,粘性土 に対 して低拘束圧力下 における三軸圧縮 ・伸張試験を実施 し,低拘束圧力領域の粘性土の非排水せん断強度
(cu)は,各せん断条件 において
,1.0kgf/cm2以上の圧力範囲で求め られた非排水せん断強度か ら外挿 して得 られる値 よりも大 きくなると報告 している. さらに,清水
5)は低拘束圧力下 に おける過圧密粘性土のせん断特性について検討を行い,低圧力下では明瞭なダイレイタンシ ー限界が存在す ることを確認 している.また
,KameiandNakase6)紘,粒度組成の異 なる
2種額の海成粘性土 に対 して
K。圧密
K。膨潤非排水三軸圧縮 ・伸張試験 を行 い,その強度
・変形特性の検討を行 っている. しか しながら,低拘束圧力下 における
K。過圧密状態 にあ る粘性土の力学的挙動を解明 した研究例 は少ない.
以上の点を考慮 して,本研究では
,K。圧密非排水三軸圧縮 ・伸張試験及 び
Ko圧密
K。膨 潤非排水三軸圧縮 ・伸張試験を行い,低拘束圧力下における飽和粘性土の強度 ・変形特性 の 解明を試みた. さらに,等方圧密非排水三軸圧縮 ・伸張試験結果 との比較 ・検討を行い,変 形係数が各圧密条件及びせん断条件に対 して,鉛直有効拘束圧の関数 として表わす ことがで
きることを示 した.
2.
試料及び実験方法
2‑1
試 料
実験 に用いた試料 は,新潟県栃尾市で採取 した陸成粘性土 ( 大野土)を繰 り返 して再圧密 した ものである.試料の物理的特性 を表
1 1に示す.繰 り返 した試料 の再圧密は
,420JLm以下の粘性土 に水を加 えてスラ リー状 にしたものを,内径
30cm,高さ
45cmのモール ドに入 れ て行 った. この際,圧 密圧 は
35kPaで,圧密時間 は
5日間 とした.脱 型 した試料 か ら
6.5×6.5×15cmの直方体を切 り出してラップで包み,パ ラフィンで シール したものを
1週 間養生 して実験 に使用 した.供試体
は,直 径
5cm,高 さ
10cmの 円柱
Table1 Indexpropertiesofsoilsample形のもので,上述の
1週間養生 した
試料か らワイヤーソーで切 り出 して 作成 した.
SoilSample Gs
( 紺 % L )
(Wp%) Ⅰp Sa(%) Sind(%) ?olt TZy2‑2
実験方法
今回実施 した実験 は
,K。圧密非排水三軸圧縮 ・伸張試験
(扇許 ctest,eW Etest)と
K。圧密
K。膨潤非排水三軸圧縮 ・伸張試験
(CK。RK。UCtest,CK。RK。UEtest ) の
4種類
の三軸試験である.いずれの実験 も,圧密開始時か ら
100kPaのバ ックプレッシャーを供試 体 に作用 させて行 った.せん断はひずみ制御で行い,せん断速度 は供試体内の間隙水圧 の均 等化等を考慮 して,圧縮及 び伸張試験 とも
0.07%/minとした
7)・8)・9)a)K
。圧密非排水三軸圧縮試験
厩 市Ctest)鉛直有効拘束圧
(0.もC)‑50,100,200kPaで
K。圧密 した後,非排水圧縮せん断を行 った.
b)K
.圧密非排水三軸伸張試験
(e拓市Etest)q乙C‑50,100,200kPa
で
Ko圧密 した後,非排水伸張せん断を行 った.
低拘束圧力下 における K 。圧密粘性土の非排水せん断特性
47 C)K。圧密K。膨潤非排水三軸圧縮試験 (CK。RK。UCtest)初期鉛直有効拘束圧 (o・〇m)‑100,200kPaでKo圧密を行い,圧密終了後,バ ックプt/ツ シヤーを作用 させてK。膨潤 し,せん断前の鉛直有効拘束圧を50kPaとす る. ここで,過圧 密比 はOCR‑2,4である.K。膨潤終了後,非排水圧縮せん断を行 った.
d)K。圧密K。膨潤非排水三軸伸張試験 (CK
。
RK。UEtest)51m‑100,200kPaでK。圧密を行い,圧密終了後,バ ックプt,ツシヤーを作用 させてKo
膨潤 し,せ ん断前 の鉛直有効拘束圧 を50kPaとす る.K。膨潤終 了後,所定 の過圧密比
(OCR‑2, 4)のもとで非排水伸張せん断を行 った.
台.
実験結果及び考察
3‑1主応力差 (q/o・こC) と軸ひずみ (88)の関係図‑1は,正規圧密状態におけるK。圧密供試体 の主応力差q/o・;Cと軸 ひずみ saの関係 を示 したものである. ここで,主応力差
q
は,せん断時の鉛直有効拘束圧o・乙Cで正規化 して ある.圧縮せん断を受けた場合,主応力差は ..5
鉛直有効拘束圧によらず軸ひずみの増加
に伴って増加 し,その増加割合 は軸 ひず 1・○
みの増加に伴 って低下 している.また,
. 0・5
最大主応力差 (q/q乙C)ma
X
は鉛直有効拘t i
束圧が小 さいほど大 きくな り,鉛直有効
)
拘束圧 が50kPaの ときの最大主応力差 紘,鉛直有効拘束圧が100kPa以上 であ る場合に比べてかな り大 きくなっている.
一方,伸張せん断を受けた場合,主応 力差は軸ひずみの増合に伴って増加 し, 鉛直有効拘束圧 によらず ea≒4.0%まで
ほぼ一致 した挙動を示 している. しかし,
0 2 4 6 8 10 12 14 16 lc.I(%)
Fig.1 Typicalstress‑axialstrainbehaviourin CK。Utests
軸 ひずみが4.0%を越 えると,鉛直有効 拘束圧が小 さくなるにしたがって主応力 差の増加割合が大 きくな り,その結果, 最大主応力差は鉛直有効拘束圧が小 さい j ほど大 きな値を示 している.
したがって,最大主応力差は,せん断 条件によらず,鉛直有効拘束圧が小 さい
ほど大 きくなるものといえる.
3‑2過剰間隙水圧比 (Au/or乙C) と軸ひずみ (ea)の関係
正規圧密状態におけるKo圧密供試体 の過剰間隙水圧比△u/o・lcと軸ひずみの
0 2 4 8 8 10 12 1416
le.I(%)
Fig.2 Typicalexcessporepressure‑axialstrain behaviourinCK。Utests
48
常 田 亮 ・亀井健史 ・小川正二 ・玉川善徳
関係を,図
‑2に示す. ここで,過剰間隙水圧 は,. せん断時の鉛直有効拘束圧で正規化 して い る.
圧縮せん断過程 における過剰間隙水圧比 は,鉛直有効拘束圧 によらず軸 ひずみの増加 に伴 って増加 し,e a
≒2%で ど‑クに達す るまでほぼ一致 した挙動を示 している. さらに,鉛直 有効拘束圧が
100kPa及 び
200kPaの場合,過剰間隙水圧比 は ピークを過 ぎてもほ とん ど一 致 した挙動を示 し,軸 ひずみの増加 に伴 って僅かに低下 している. これに対 して,鉛直有効 拘束圧が
50kPaの場合,過剰間隙水圧比 は, ピークを過 ぎると軸 ひずみの増加 に伴 って著 しい減少傾向を示 し
,ea≒15%でほぼ oとなっている. また,鉛直有効拘束圧が
50kPaの場 令,最大過剰間隙水圧比 ( △ u /
o・乙C)maXは,鉛直有効拘束圧が
100kPa以上 の場合 に比べ て 僅かに小 さいことがわかる.
一方,伸張せん断過程 における過剰間隙水圧比 は,鉛直有効拘束圧が
100kPa以上であれ ば,軸 ひずみが増加 してもほ とんど変化せず,軸 ひずみが
5%に達す ると軸 ひずみの増加 に 伴 って減少 して負圧 となってい る. しか し,鉛直有効拘束圧 が
50kPaの場合,過剰間隙水 圧比 は,せん断の初期 において軸 ひずみの増加に伴 って増加 し
,eb≒2%で ピークに達 した 後,軸 ひずみが増加す るにしたがって減少 して e a
≒5%で負圧 となっている.また,軸 ひ ずみの増加 に伴 う過剰間隙水圧比の減少傾向は,鉛直有効拘束圧が小 さいほど顕著である.
3‑3
有効応力径路
図‑
3(a), ( b) は,正規圧密及 び過圧密状態
(UもC‑50kPa)における
K。圧密供試体の有効 応力径路を示 した ものである.
正規圧密状態の場合,圧縮せん断過程 における有効応力径路 は,鉛直有効拘束圧 によらず, せん断の初期 に主応力差
qの増加 に伴 って僅 かに右上が りに上昇 し,軸 ひずみが
0.1%に達 す ると,主応力差 の増加 に伴 って平均有効主応力
p′が減少 して
,CriticalStateLine(C.S.ql
Sz tT 50
‑50
‑100
0 5 100 150
p'(kP&)
0 50 100 15O
J/ (kPl)
Fig.3 TypicaleffectivestresspathSinCK。UandCK。RK。Utests
低拘束圧力下 におけ る K 。圧密粘性土 の非排水せん断特性
49 L.)に近づいてい く.また,伸張せん断過程における有効応力径路 は,鉛直有効拘束圧 によらず主応力差の増加 に伴 って平均有効主応力が減少 してC.S.L.に近づき,軸 ひずみが約3.0
%になるとC.S.L.に漸近 して,以後軸ひずみの増加 に伴 ってC.S.L」二を上昇 してい く. さら に,圧縮及び伸張せん断過程におけるK。圧密供試体 の有効応力径路は,鉛直有効拘束圧に よらずほぼ相似形の挙動を示す ことが明 らかである.
一方,過圧密状態の場合,圧縮せん断過程における有効応力径路 は,過圧密比 (OCR) が大 きくなるにしたがって,主応力差の増加に伴 う平均有効主応力の増加傾向が顕著 とな り, ほぼ直線的にC.S.L.に近づいてい く. さらに,過圧密比が4になると有効応力径路 はC.S.L. を一旦越 えた後,軸ひずみの増加に伴 って再びC.S.L.に近づいてい く. これに対 して,伸張 せん断過程における有効応力径路は,過圧密比が大 きくなるにしたがって,主応力差 の増加 に伴 う平均有効主応力の減少割合が小さくなり,主応力差の増加に伴ってほぼ直線的にC.S.
L.に近づいてい く.特に,過圧密比が
4
になると平均有効主応力は,過剰間隙水圧が負にな るために,せん断の初期から主応力差の増加に伴 って増加 している.また,伸張せん断過程 の有効応力径路は,C.S.L.に達す るとC.S.L.上を上昇 してお り,圧縮せん断過程の有効応力 径路のようにC.S.L.を越 えることがない.314さ肖非水せん断粗度特性
図
‑ 4
は,K
。圧密供試体 の非排水せん 断強度cuと鉛直有効拘束圧o・乙Cの関係 を 示 したものである.図 より,非排水せん断 強度 は,鉛直有効拘束圧が100kPa以下 の 場合,各せん断条件 において,鉛直有効拘 束圧が200kPaのときの非排水せん断強度 から外挿 して求めた債 よりも大 きくなって いることがわかる. この傾向は,常田 ら4) や中瀬 ら10)が等方圧密供試体 に対 して行 った非排水三軸試験 においても確認 されて いる.したがって,従来のように,低拘束圧力 領域の非排水せん断強度を高拘束圧力領域 の非排水せん断強度か ら推定 した場合,低 拘束圧力領域の非排水せん断強度は,過小 評価 される可能性がある.
しかしながら,供試体作成過程 において 生 じた土の状態変化を解消するためには, 供試体作成時に加えた圧密圧力の2‑ 4倍 の圧密圧力で再圧密する必要があるとの報 告 もあ る11)・12).本研 究 で は,供 試体 を35 kPaの圧密圧力で作成 してお り,せ ん断 時の鉛直有効拘束圧 が50kPaの場合,供
100
7JI
■ ● 5 ー 80
U 28
0
o BO 100 180 200 250
6',.(kP&)
o 80 100 180 200 280
6
',.
(kPa,)Fig.
4
Relationshipbetweencuando・;cin CKoUtests50
常田 亮 ・亀井健史 ・小川正二 ・玉川善徳 試体作成時の圧密圧力 との比 は約
1.4となる.
この ことよ り,鉛直有効 拘束 圧 が
50kPaの 場合,非排水せん断強度 は,・ 供試体作成過程 において生 じた土の状態変化の影響を受けて いるために,見かけ上過圧密状態の特性が表 われていることも考 えられる.
次 に
,cu/
o・;Cを強度増加 率 と定義 し,等 方圧密及 び K 。圧密供試体 の強度増加率 と鉛 直有効拘束圧の関係 を,図‑
5(a),( b) に示す.
圧縮せん断を受けた場合,強度増加率は, 各圧密条件において鉛直有効拘束圧の増加 に 伴 って減少 し,鉛直有効拘束圧が
200kPa以 上 になるとほぼ‑定借 に収束す る傾向を示 し て い る. さ ら に,強 度 増 加 率 は
,qこC‑50 kPaの場合 を除いて,鉛直有効拘束圧 に よ
らず等方圧密供試体 の方が K 。圧密供試体 よ りも僅かに大 きくなっている.
一方,伸張せん断を受けた場合,強度増加 率 は,各圧密条件 において鉛直有効拘束圧 の 増加 に伴 って減少 してお り,鉛直有効拘束圧 によらず,等方圧密供試体 の方が K 。圧密供 試体 よりも大 きくなっている.
以上のことより 「
,NakaseandKamei13)が 述べているように,強度増加率 は,各せん断 条件 において,等方圧密供革体 の方が K 。圧 密供試体 よりも大 きくな り, このことは平均 圧密圧力の違いがその主要因であると考 えら れ る.
しか し,本研究 において
o・;C‑50kPaの場 合,圧縮せん断を受けた ときの強度増加率 は, K 。圧密供試体 の方が等方圧密供試体 よ りも 大 きくなっている. この原因は,前述 した よ うに
,JもC‑50kPaの場合,供試体作成時 の 圧密圧力 とせ ん断時の圧密圧力の比が小 さい ために,供試体作成時の土の状態変化 の影響
o B0 100 150 200 280 dT.。 (kPA)
o 80 100 180 I 200 250
0'Y.(kPL)
Fig.5 Relationshipbetweencu/qTvcand o・こcinefiJande琵;∇ tests
を受 けているためであると考 えられる.
。図
‑6は
,K。圧密供試体 の強度増加率 と 過圧 密比
(OCR)の関係 を示 した ものであ る.図 より,強度増加率 は, ・各せん断条件 に
1 2 3 4
0CEt
Fig.6 Relationshipbetweencu/q乙cand OCRinCK
。
RK。Utests低拘束圧力下 における K 。圧密粘性土 の非排水せ ん断特性 おいて過圧密比 の増加 に伴 って直線的に増加
す ることがわかる.また,強度増加率は,過 圧密比 によらず圧縮せん断を受けた場合 の方 が伸張せん断を受けた場合 よ りも大 きくなっ ている.
(cu/5乙C)E/(cu/0・乙C)
Cを強度異方性 と定義 し,等方圧密及 び K 。圧密供試体 の強度異方 性 と鉛直有効拘束圧の関係を,図
‑7に示す.
等方圧密供試体 の強度異方性 は,鉛直有効拘 束圧の増加 に伴 って減少 し,鉛直有効拘束圧 が
100‑150kPa以上 にな る と, ほぼ‑ 定借 ( 約1.
0)となってい る. この ことよ り,等 方圧密供試体の強度異方性 は,鉛直有効拘束 圧 が
100‑150kPa以上 に な る と,鉛直 有 効 拘束圧に依存 しな くなるものと考 えられる.
一方
,K。圧密供試体 の強度異方性 は,鉛 直有効拘束圧によらず ほぼ一定値 ( 約
0.75)となってお り,鉛直有効拘束圧に依存 しない ことが明 らかである.
o・lc‑50kPa
にお け る
K。圧密供試体 の強 度異方性 と過圧密比の関係を,図
‑8に示す.
過圧密履歴を受けた場合,強度異方性 は過圧 密比 によらずほぼ一定値 ( 約
0.75)であ り, この結果 は,既往ゐ研究例
14)とも一致 してい る.
この主要因● として
,KameiandNakase6) 4000030000
20000
I
00000
0 80100 160 ′200 280
4'.. (kPl)
垂
:1.I.:0
l
‑ 4 )
0
吐
C UJ
\ 8‑ ot ー ■
● ● l
‑ I‑ I ‑ ● l
l‑9 ‑
II‑
51
0 80 100 150 200 250 0'V。 (kP&J
Fig.7 Relationshipbetween(cu/
q乙
C)
E/(cu/orLc)candqこCineiiJand節 tests
■VOt)0
:(
:跳 ,I
:U。}d',.I5UkP一
QT‑
9
.‑9‑1 2 3 4
0CR
Fig.8 Relationshipbetween(cu/qこC)E/(cu
/o・こC)candOCRinCK
。 RK。
Utests40000
30000
20000
lOOOO
Oo B0 100 160 200 280 d'.. (kP一)
Fig.9 Relationshipbetween
E
5。andq:ycinCIUandCKo
Utests52
常田 亮 ・亀井健史 ・小川正二 ・玉川善徳
紘,膨潤前の Ko圧密によって生 じた構造異方性の影響が大 きいことを示唆 し,強度異方性 に及ぼす過圧密履歴の影響は,土の塑性指数や粘土分含有量にも依存 している可能性がある と指摘 している. しかしながら,強度異方性は,工学的に評価すれば過圧密比 に依存 しない と考えて問題がないであろうと述べている.
3‑5変形係数
図‑ 9は,等方圧密及 びK。圧密供試体の変形係数E50と鉛直有効拘束圧の関係を示 した ものである. ここで,E5。は,応力‑ひずみ曲線上の最大主応力差 の1/2に相当する点 と原 点を結ぶ直線の勾配で定義 した.
圧縮せん断を受けた場合,E5。は各圧密条件において鉛直有効拘束圧の増加 に伴 って直線 的に増加 し,K。圧密供試体の方が等方圧密供試体 よりもES。の増加勾配が大 きくなってい る.また,o・こC‑200kPaの場合,K。圧密供試体 のE5。は,等方圧密供試体のE50よりも大 き くなってお り,既往 の研究例10)とも一
致 してい る. しか し,UもC‑50kPaの場合, Table2 Theexpressionforthelinear K。圧密供試体 の E50は,等方圧密供試体
のE5。よりも小 さくなってお り,既往の研 究例10)と異なった傾向を示 している.
一方,伸張せ ん断を受 けた場合,E50は 各圧密条件において鉛直有効拘束圧の増加 に伴 って直線的に増加 し,ES。の増加勾配 は,等方圧密供試体 の方が
K
。圧密供試体 よりも大 きくなっている.また,鉛直有効 拘束圧 が100kPa以下 の場合,E5。は圧密 条件によらずほぼ同 じ値であるが,鉛直有 効拘束圧が150kPa以上 になると,等方圧 密供 試体 のE
5。の方 がK
o圧 密供 試体 の E5。よりも大 きくなっている.しかしながら,正規圧密状態の場合,守 方圧密及 びK。圧密供試体 のE5。は,各せ ん断条件において,(1)式で鉛直有効拘束 圧 と直線近似が可能であると考 えられる.
relationship illustrated in 也e Fig.9
Testtype 0lmoSoil
eiifc E50‑5180+41
.
8.0.I,C .(kPa) eiVE EGO‑‑2540+145.2.
q'yc (kPa) CKoUC EGO‑‑10000+218.6'yc (kPa) CKoUE ESO‑「692+108.7.q′vc (kPa)0)
10
0
E50‑B・o・'yc+A ・ ・
・ ・
・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (1)
E50:変形係数 (kPa)5',C:鉛直有効拘束圧 (kPa) 80
A:実験定数 (kPa)
B:実験定数 ○
表‑2は,図‑9に示 したEsoと鉛直有
0 100 200 30O
A
(
×10 2 k P&)
効拘束圧の関係式を示 したものである.表 Fig.10 Relationshipbetweenexperimental より,定数Aは,等方圧密非排水三軸圧縮 constantAand
B
in仇eequation(1)
低拘束圧力下 における
K。圧密粘性土 の非排水せ ん断特性
53 試験 の場合を除いて,負の値 となることがわか る. このことは,鉛直有効拘束圧が50kPa 未満の場合,E5。が負 になる可能性のあることを示唆 してお り,Es。と鉛直有効拘束圧 の関 係は,鉛直有効拘束圧が0‑50kPaの範囲 において,さらに詳細 に検討す る必要があるも のと考えられる.図‑10は,大河内 ・斉藤IS)が種々の土について行 った等方圧密非排水三軸圧縮試験 よ り 求めた,(1)式の実験定数
A,B
と本研究 より得 られた実験定数を比較 したものである.図より,本研究の等方圧密非排水三軸圧縮試験 より得 られた定数A,Bは,既往 の研究結果15) とほぼ一致 していることがわかる. しかし,等方圧密非排水三軸伸張試験及 びK。圧密非排 水三軸圧縮 ・伸張試験 の場合,定数Aは負の値 とな り,定数Bも等方圧密非排水三軸圧縮試 験に比べて, 2‑ 5倍の値 となっている.また,伸張せん断過程における定数Bは,各圧密 条件において圧縮せん断過程における定数
B
よりも大 きいことが明 らかである.一方,正規圧密状態の場合,定数A,一Bの間には,圧密条件及びせん断条件 によらず負の 相関関係が存在 してお り,定数A,Bの関係は,(2)式で表わす ことが可能であると考 えら れる.
B
ニ ー
0.97・A+113.8・‑‑・・‑‑‑(2) A:実験定数 (kPa)B:実験定数
25000
20000
書 15000
次 に,K。圧密供試体のE5。と過圧密比 の …
関係を,図‑11に示す.圧縮せん断を受けた り oooo 場合,E50は過圧密比 の増加 に伴 って著 しく 5。。。
増加 し,その増加割合 は過圧密比が大 きくな るにしたがって低下 している. しか し,伸張 せん断を受けた時のE5。は,過圧密比が増加
しても大 きく変化 しない.
また,過圧密履歴 を受 けた場合,K。圧密 供試体のE5。は,圧縮せん断を受けた場合の 方が,伸張せん断を受けた場合 よりもかな り 大 き くなることがわか る. この ことよ り,
K
。圧密供試体 のE
50は,圧縮せ ん断を受 け1 2 3 4
0CR
Fig.ll RelationshipbetweenE50and OCRinCK
。
RK。U tests璽 ,.。
た場合の方が伸張せん断を受けた場合 よりも, 三 l三
過圧密履歴の影響を強 く受けるもの と考えら れる.
図‑12は,(ES。)E/(ES。)Cを変形係数異方 性 と定義 し,等方圧密及び
K
o圧密供試体 の 変形係数異方性 と鉛直有効拘束圧の関係を示 した ものである.K。圧密供試体 の変形係数 異方性は,鉛直有効拘束圧の増加に伴 って減 少 し,鉛直有効拘束圧が50kPaの場合約4.00 80 1
t I 0
100 200 280 6',.(kJ'&)Fig.12 Relationshipbetween(E5。)E/
(ES。)CandqこcinefUande
琵; 召
tests5 4 常田 亮・亀井健史 ・小川正二 ・
8
. 0 であ るのに対 して,鉛 直有 効 拘束 圧 が
100kPa
以 上 に な る と
1.0以 下 の 値 と な り,
o・乙C=200kPaで約
0.65となっている.
一万,等方圧密供試体 の変形係数異方性 は, 鉛直 有効拘束圧 が
50kPaの場合約
0.65であ
るのに対 して,鉛直有効拘束圧 が
100kPa以 上 に な る と
1.0以 上 の値 と な り
,JもC‑200 kPaで約
2.0となっている.
したが って,変形係 数異方性 は
JもC‑100 kPaを境 にして逆転 し,等方圧密 と
K。圧密 を受けた場合では,鉛直有効拘束圧に対す る 依存性が異なるものと考 えられる.
4.0
番 ;1.:
1.0
0
l
0 d;.F50kPL
0
9
81 2 3 4
0CR
Fig.13 Relationshipbetween(Es.)E/ (E5。)。andOCRinCK
。 RK。 U
testsK
。圧密供試体の変形係数異方性 と過圧密比の関係を,図
‑13に示す.図 よ り
,K。圧密供 試体 の変形係数異方性 は,過圧密比 が
2以上であれは,過圧密比 によらず ほぼ一定値 ( 約
0.2)となっている. このことよ り ,K 。圧密供試体の変形係数異方性 は,過圧密比 が
2以上 になると,過圧密比 に存在 しなくなることがわか る.
以上のことか ら,低拘束圧力領域における変形特性 は,従来の高拘束圧力領域における挙 動 と異なった挙動を示す可能性のあることが明 らかとなった. この原因 としては,低拘束圧 力領域のせん断試験 を行 う場合,せん断時の圧密圧力 と供試体作成時の圧密圧力の比が小 さ くなるために,供試体作成時 に生 じた土の状態変化の影響 を強 く受けていることが考 えられ る.今後, これ らの点を考慮 した強度 ・変形特性 の解明が必要であろ う.
・4.結 論
本研究では
,K。圧密 された飽和粘性土の低拘束圧力下 におけるせん断特性 の解明を目的 として,正規圧密及 び過圧密状態の
Ko圧密供試体 に対 して圧密非排水三軸圧縮 ・伸張試験 を実施 した: さらに,低拘束圧力下における等方圧密供試体の圧密非排水三軸圧縮 ・伸張試 験結果 との比較 ・検討 も行 った.今回の実験 によって得 られた結果を列記す ると,以下 のよ
うになる.
1
) 低拘束圧力領域 における
Ko圧密粘性土の非排水せ ん断強度
C。は,各せん断条件 に おいて,高拘束圧力領域 における非排水せん断強度か ら外挿 して求めた値 よ りも大 きくなる.
したがって,高拘束圧力領域で得 られた非排水せん断強度を低拘束圧力が想定 され る実地盤 に適用することは,実地盤の非排水せ ん断強度を過小評価す る可能性がある.
2) K
.圧密供試体 の強度異方性は,鉛直有効拘束圧
o・乙C及 び過圧密比 によらず ほぼ一定 値 とな り!鉛直有効拘束圧及 び過圧密比 に対する依存性が認め られない.一万,等方圧密供 試体 の強度異方性 は,鉛直有効拘束圧 の増加 に伴 って減少 し,鉛直有効拘束圧が
100‑150 kPaになるとほぼ一定値 とな り,鉛直有効拘束圧 に依存 しな くなる.
3)