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車いす操作に必要な幅員寸法についての調査

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(1)

車いす操作に必要な幅員寸法についての調査

著者 藤本 幹也

雑誌名 大手前短期大学研究集録

29

ページ 41‑52

発行年 2009

URL http://id.nii.ac.jp/1160/00000140/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

(2)

大 手前 短 期 大 学研 究 集 録 第29号(2009)pp.41‑52

車 いす操 作 に必 要 な幅 員 寸 法 につ い て の調査

車 い す 走 行 に必 要 な幅 員 に 関 し て は 、 建 築 基 準 法 及 び福 祉 の ま ちづ く り条 例 等 で 必 要 最 低 寸 法 が 決 め られ て い る。 しか し、 規 定 で 定 め られ て い る 寸 法 が 車 い す 利 用 者 あ る い

は介 助 者 に と っ て 実 際 に使 い や す く、 快 適 な もの か 判 断 す る の は難 しい の が 現 状 で あ る。

本 研 究 は 車 い す 走 行 の 実 験 を通 して車 い す 利 用 者 に と っ て走 行 しや す い 幅 員 を、 様 々 な ケ ー ス を想 定 した 予 備 実 験 を行 う と と も に、 走 行 の 安 全 性 の確 認 お よび 、 被 験 者 の 走 行 評 価 結 果 よ り、 車 い す 走 行 ・操 作 に必 要 な幅 員 寸 法 を明 らか にす る こ と を 目的 と して い

る。

キ ー ワ ー ド 車 い す 、 通 路 、 幅 員 、 走 行 性

1.は じ め に

福 祉 の ま ちづ く り条 例 や ハ ー トビ ル 法 の 施 行 に よ り、 身体 障 害 者 や 高 齢 者 が 建 物 を利 用 しや す い 環 境 が 少 しず つ 整 備 さ れ、 さ ら に2006年12月20日 に は、 バ リア フ リー新 法 が 新 た に 施 工 さ れ 、 建 築 計 画 の 要 点 の 中 に も 「適 切 な 寸 法 を計 画 す る」 とい う項 目が 設 け

ユう

られ 、 車 い す 走 行 に 必 要 な 幅 員 寸 法 の ガ イ ドラ イ ンが 提 示 され て い る 。

本 研 究 は、 建 物 内 にお い て 、 車 い す 利 用 者 あ る い は、 介 護 者 が 走 行 時 に遭 遇 す る様 々 な ケ ー ス を想 定 し、 車 い す 利 用 者 が 安 全 に、 快 適 に 走 行 で き る寸 法 は どの 程 度 必 要 な の か 、 実 際 の 走 行 実 験 を通 して 明 ら か に す る と と もに 、 現 在 ガ イ ドラ イ ン と して設 け ら れ て い る 幅 員 寸 法 が 適 切 な数 値 か ど う か を検 証 し、 設 計 に役 立 て る デ ー タ を取 得 す る こ と

を 目的 と して い る 。

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大 手 前短 期 大 学研 究集 録 第29号(2009)

2.車 い す走 行 に必 要 な幅 員 寸 法 の ガ イ ドラ イ ン

ハ ー トビル 法 で は 、建 築 計 画 の 要 点 の 中 に、 利 用 者 の ニ ー ズ に よ っ て得 られ た 各種 動 作 寸 法 、 介 護 動 作 寸 法 、 車 い す 使 用 者 等 の 方 向 転 換 寸 法 、 開 口 部 や ス イ ッチ 類 の 高 さ 、 サ イ ンの位 置 等 につ い て 検 討 を 行 い 、 利 用 時 にお け る 適 切 な空 間 寸 法 を算 出 す る こ とが

  ラ

定 め られ て い る。 また 、 車 い す 走 行 に 関 して は、 車 い す 使 用 者 の 利 用 に 対 応 した通 路 幅 員 の 確 保 、夜 間 の 照 明 や 視 覚 障 害 者 の 誘 導 等 に配 慮 す る と記 載 され て お り、 通 路 幅 員 に 関 し て は 、 表1・ 表2に 示 す よ う に、 敷 地 内 の 通 路 、 屋 内 の通 路 に分 け 、 様 々 な ケ ー ス

を想 定 して 幅 員 寸 法 が 定 め られ て い る。

表1車 い す走行 に必 要 な設計 基準

想 定 され るケース

幅 員寸法 イメー ジ 図

想 定 され るケース

幅 員寸法 イメー ジ 図

CASE1

車 いす使 用者 が通 過 でき る寸法

80cm

CASE4

車 いす が 回 転(180°)可 能 な 寸法

CASE2

車 いす使 用者 が通 過 しや す い寸法

90cm

CASE5

人 と車 いす 使 用者 が す れ 違 え る寸 法 、車 い す 使 用 者 が

回転(360°)で きる寸 法 150cm

CASE3

車 いす使 用 者と横 向 きの 人 がすれちがえる寸法 120cm

CASE6

車 いす 使 用者 同士 がす れ 違 える寸法 、車いす 使 用者 と杖 使 用者 がす れ違 える寸 法 180cm

(4)

車 いす操作 に必要 な幅員寸法についての調査

表2T字 型 廊 下 にお ける車 いす が走行 しやす い寸 法の 設計基 準

CASE7 CASE8

想 定 さ れ るケース 丁字 型廊 下 を直進 す る のに必 要 な 寸法

T字 型 廊下 を 曲が るの に必 要 な 寸法

幅員寸法 120cm 120cm

イ メ ー ジ 図 ̲≡iii≡ ≡ ̲̲̲̲.̲̲̲:己

∠難 稗 ・響 塾

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誼 屯 誼 罷曲 糎

1

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l手 す り

一 一

一 手 巾,

3.実 験 概 要

実 験 日時 は2008年12月9日(火)・16日(火)の2日 間 実 施 した。 実 験 場 所 は 大 手 前 大 学 ・短 期 大 学 伊 丹稲 野 キ ャ ンパ スE棟 材 料 実 験 室 を使 用 した 。 走 行 実 験 の 被 験 者 は大 手 前 大 学 ・短 期 大 学 学 生 の男 子 学 生3名 、 女 子 学 生4名 の計7名(全 員 健 常 者)の 協 力

を得 た 。 なお 、 被 験 者 の 全 員 が 車 いす 操 作 未 経 験 で あ る。

走 行 実 験 に い て は 、 表1・ 表2に 示 したCASE1〜8の8種 類 の ケ ー ス の 中 か ら、 今 回 の 実 験 設 備 で実 施 可 能 な ケ ー ス お よび 、 実 際 建 物 内 で 遭 遇 す る頻 度 の 高 い 通 路 と し て CASE2・CASE5・CASE8の3種 類 を 選 択 し た。 さ らに 、 ガ イ ドラ イ ン に は 、 掲 載 さ れ て い な いL字 型 廊 下 をCASE9と して 追 加 し、 計4種 類 の 走 行 実 験 を 行 っ た 。 なお 、 こ れ らの走 行 実 験 の 評 価 は 「狭 く感 じ なか っ た」、 「多 少 狭 く感 じた 」、「か な り狭 く感 じた 」

「走 行 不 可 」 と した 。4種 類 の 走 行 実 験 は 、 図1に 示 す 装 置 を作 成 し、 表3に 示 す 幅 員 寸 法 を組 み 合 わ せ 走 行 実 験 を 行 っ た 。 な お 、CASE8、9に お い て は 、 実 際 の 必 要 最 低 寸 法(1200mm以 上)よ り狭 い 寸 法 で 走 行 実 験 を 実 施 して い る。 これ は、 木 造 住 宅 の 在 来 工 法 に お い て910mmモ ジ ュ ー ル で 設 計 され て い る廊 下 を想 定 し、 走 行 幅 員 を3種 類 (800、900、1000)に 設 定 して 走 行 実 験 を実 施 して い る 。 な お 、 今 回 実 施 した 走 行 実 験 は、 被 験 者 の 安 全 性 を考 慮 に入 れ 壁 の 高 さ を910mmと し実 験 装 置 を作 成 して い る(図 2)。 な お 、 実 験 に 使 用 し た 車 い す の 機 種 は(KTL22‑40)チ タ ン製 車 い す(総 重 量 10.6kg)と した 。

(5)

大 手 前短 期 大 学研 究集 録 第29h(2009)

b

W

□ ∫ ◎w

CASE2の 実 験概 要

W1

W2

CASE8の 実 験概 要

CASE5の 実 験 概 要

CAES9の 実 験 概 要

車いす

車いす ・通行人の進行方向

図1種 類 の走 行実 験 に使 用 した幅 員寸法

表3各 走 行 実験 に使 用 した幅 員寸 法

幅員 寸法1 幅員寸 法2 幅 員寸 法3

CASE2(W)

:11 900mm lOOOmm

CASES(W)

1400mm 1500mm 1600mm

CASE8(W)

:11 900mm 1000mm

CASE9(W)

:11 900mm lOOOmm

∫,も一・一 ユ

み1 ,」一 「 一 一 一 一 一 ト'1

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図2実 験 装置 の断 面 図

(6)

車 いす 操作 に必 要 な幅員 寸 法 に つ いて の 調査

4.分 析 結 果

4‑1.CASE2を 想 定 し た 実 験 結 果

図3は 、 直 線 型 通 路(CASE2)を 想 定 し 、 幅 員 寸 法 を800、900、1000と し た 評 価 結 果 を 示 し た も の で あ る 。 幅 員 寸 法 を800mmと し た 場 合 の 評 価 は 、 「狭 く感 じ な か っ た 」

と 回 答 し た 割 合 が7人 中1人(14.3%)で 「多 少 狭 く 感 じ た 」 と 回 答 し た 割 合 が1人 (14.3%)、 「か な り狭 く感 じ た 」 と 回 答 し た 割 合 が5人(71.4%)と 最 も 多 く な っ て い る 。 次 に 、 幅 員 寸 法 を900と し た 場 合 の 評 価 は 、 「狭 く 感 じ な か っ た 」 と 回 答 し た 割 合 が7人 中4人(57.1%)と 最 も多 く、 次 に 、 「多 少 狭 く 感 じ た 」 と 回 答 し た 割 合 が3名(42.9%)

と い う順 に な っ て い る 。 次 に 幅 員 寸 法 を1000と し た 場 合 の 評 価 は 、 「狭 く感 じ な か っ た 」 と 回 答 し た 割 合 が7人 中6人(85.7%)と 最 も多 く、 次 に 「多 少 狭 く感 じ た 」 と 回 答 し た 割 合 は 、1人(14.3%)と い う 順 に な っ て い る 。 幅 員 寸 法900と1000で は 、 「か な り狭

く感 じ た 」、 「走 行 不 可 」 と 回 答 し た 被 験 者 は な か っ た 。

4‑2.CASE5を 想 定 した実 験 結 果

次 に 直 線 廊 下 に お い て 車 い す 利 用 者 と通 行 人 が す れ 違 う 場 合 を 想 定 し た 走 行 実 験 (CASE5)の 結 果 を述 べ る 。 図4は 、 車 い す 利 用 者 の 走 行 評 価 を示 した もの で あ る 。 ま ず 、 幅 員 寸 法 が1400で は、 狭 く感 じな か っ た 、 多 少 狭 く感 じた が そ れ ぞ れ7人 中3人

(42.8%)と な り、 か な り狭 く感 じた が1人(14.4%)と な っ て い る。 また 、 幅 員 寸 法 が 1500、1600で は 、 す べ て の車 い す 利 用 者 が 狭 く感 じな か っ た と回 答 して い る。

次 に 図5は 、CASE5の 車 い す と通 行 人 が す れ 違 う場 合 を想 定 した 走 行 実 験 で の 通 行 人 の 評 価 結 果 を示 した もの で あ る。 幅 員 寸 法 が1400で は、 多 少 狭 く感 じた が7人 中4人

(57.1%)で 最 も多 く、 次 に 、 狭 く感 じ なか っ た が2人(28.6%)と な り、 次 に か な り狭 く感 じた が1人(14.3%)と な っ た 。

4‑3.CASE8を 想 定 し た 実 験 結 果

次 に 、 図6は 、T字 型 通 路 を 想 定 し た 走 行 実 験(CASE8)を 行 っ た 走 行 評 価 を 示 し た も の で あ る 。 走 行 実 験 はL型 通 路 と 同 様 に 、 入 り口 寸 法 、 出 口 寸 法 、800、900、1000 で 組 み 合 わ せ 走 行 実 験 を 行 っ た 。 ま ず 、W1が800、W2が800で は 、 全 員 が 走 行 不 可 と 回 答 し て い る 。 次 に 、W1が800、W2が900で は 、 走 行 不 可 が7人 中3人(42.3%)で 最 も 多 く、 次 に 多 少 狭 く感 じ た 、 か な り狭 く 感 じ た が そ れ ぞ れ2人(28.8%)と な っ た 。 次

に 、W1が800、W2が1000で は 、 多 少 狭 く 感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 最 も 多 く 、 次 に 狭 く感 じ な か っ た が3人(42.9%)と な っ て い る 。 次 に 入 り 口 寸 法 を900と し た 走 行 評 価 で は 、 ま ず 、W1が900、W2が800で は 、 走 行 不 可 が7人 中4人(57.1%)で 最 も

(7)

大 手 前短 期 大 学研 究 集 録 第29号(2009)

:11

W=900

W=1000

1 1 1 5

4

3【≡ ≡:」

6 :】1【】

1 1 1 1

Oho 20% 40% 60% ・1 100%

□狭 く感 じなか った ■ 多少 狭 く感 じた □ か な り狭 く感 じた ■ 走 行 不 可 図3CASE2の 走 行 評 価 結 果

W=1400

W=1500

W=1600

3 ■ 門3腰 ■ 門 ■1

7

7

1 1

o% 20%40%60% 80%100%

□ 狭く感 じなかった ■ 多少狭 く感 じた □ かなり狭 く感 じた ■ 走行 不 可 図4CASE5の 車 い す利用 者 の走行 評価 結 果

W=1400

W=1500

W=1600

2 ■門 オー1

7

7

Il

ono 20%40%60% 8001000

□狭 く感 じなかった ■ 多少狭 く感 じた □か なり狭 く感 じた ■走 行 不可 図5CASE5の 通 行 人 の 走 行 評 価 結 果

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車 いす 操作 に必 要 な幅員 寸 法 に つ いて の 調査

多 く、 次 に か な り狭 く感 じ た が2人(28.6%)、 次 に 多 少 狭 く感 じ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 にW1が900、W2が900で は 、 多 少 狭 く 感 じ た が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く 、 次 に 狭 く 感 じ な か っ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 にW1が900、W2が1000で

は 、 狭 く感 じ な か っ た が7人 中5人(71.4%)で 最 も 多 く 、 次 に 、 多 少 狭 く感 じ た が2 人(28.6%)と な っ て い る 。 次 に 、 入 り 口 寸 法 を1000と し た 場 合 の 走 行 評 価 で は 、 ま ず W1が1000、W2が800の 場 合 で は 、 狭 く感 じ な か っ た 、 か な り狭 く感 じ た 、 走 行 不 可 が そ れ ぞ れ7人 中2人(28.6%)で 、 多 少 せ ま く感 じ た が1人(14.2%)と な っ て い る 。 次 に 、W1が1000、W2が900の 場 合 で は 、 狭 く感 じ な か っ た が7人 中4人(57.1%)で

最 も 多 く 、 次 に 多 少 狭 く感 じ た が3人(42.9%)と な っ た 。 最 後 にW1が1000、W2が 1000の 場 合 で は 、 被 験 者 の 全 員 が 狭 く 感 じ な か っ た と 回 答 し て い る 。

4‑4.CASE9を 想 定 し た 実 験 結 果

次 に 図7は 、L字 型 通 路 を 想 定 し た 走 行 実 験(CASE9)の 評 価 を 示 し た も の で あ る 。 ま ず 、 こ こ で は 入 り 口 寸 法 で あ るW1を800mm、900mm、1000mmと し 、 一 方 で 出 口 寸 法 で あ るW2も 同 様 に800mm、900mm、1000mmと し 、 こ の3種 類 の 寸 法 を 組 み 合 わ せ て 走 行 評 価 を 行 っ た 。 ま ず 、W1が800、W2が800で は 、 走 行 不 可 が7人 中6人(85.7%) で 最 も 多 く 、 次 に か な り狭 く感 じ た が1人(14.3%)と い う 順 に な っ て い る 。 次 にW1 が800、W2が900で は 、 か な り狭 く 感 じ た が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く 、 次 に 多 少 狭 く感 じ た が1人(14.3%)と い う順 に な っ て い る 。 次 に 、W1が800、W2が1000で

は 、 多 少 狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 最 も 多 く 、 狭 く 感 じ な か っ た が2人 (28.6%)、 か な り狭 く感 じ た が1人(14.3%)と い う順 に な っ て い る 。 次 に 入 り 口 寸 法 を900と し た 走 行 評 価 で は 、 ま ずW1が900、W2が800で は 、 走 行 不 可 が7人 中5人 (71.4%)で 最 も多 く、 次 に か な り狭 く 感 じ た 、 多 少 狭 く感 じ た が そ れ ぞ れ1人(14.3%) と な っ て い る 。 次 に 、W1が900、W2が900で は 、 多 少 狭 く 感 じ た が7人 中4人(57.1%) で 最 も 多 く 、 次 に か な り狭 く感 じ た が2人(28.6%)、 多 少 狭 く 感 じ た が1人(14.3%)

と い う 順 に な っ て い る 。 次 に 、W1が900、W2が1000で は 、 狭 く感 じ な か っ た が 、7人 中5人(71.4%)で 最 も 多 く、 多 少 狭 く 感 じ た が2人(28.6%)と い う 順 に な っ て い る 。 最 後 に 、 入 り 口 寸 法 で あ るW1を1000と し た 走 行 評 価 で は 、 ま ず 、W1が1000、W2が800

で は 、 多 少 せ ま く感 じ た 、 か な り狭 く 感 じた が そ れ ぞ れ 、7人 中3人(42.9%)で 最 も 多 く 、 次 に 走 行 不 可 が1人(14.3%)と な っ て い る 。 次 に 、W1が1000、W2が900で は 、 狭 く 感 じ な か っ た が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く 、 次 に 、 多 少 狭 く感 じ た が1人

(14.3%)と い う 順 に な っ て い る 。 次 にW1、W2の 寸 法 を 共 に1000と し た 場 合 、 全 員 が 狭 く感 じ な か っ た と 回 答 し て い る 。

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大 手 前短 期 大 学研 究集 録 第29号(2009)

図6CASE8に お け る 走 行 評 価 結 果

図7CASE9に お け る 走 行 評 価 結 果

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車 いす 操作 に必 要 な幅員 寸 法 に つ いて の 調査

4‑5.CASE9に お け る 車 い す と 通 行 人 の す れ 違 い を 想 定 し た 実 験 結 果

次 に 、L字 型 通 路 に お い て 車 い す 利 用 者 と 通 行 人 が す れ ち が う こ と を 想 定 し た 走 行 実 験 結 果 を 述 べ る 。 図8は 車 い す 利 用 者 の 評 価 結 果 を 示 し た も の で あ る 。W1、W2が1200 で は 、 走 行 不 可 の 回 答 が7人 中5人(71.4%)で 最 も 多 く 、 次 に か な り狭 く感 じ た が2 人(28.6%)と な っ た 。 次 にW1が1200、W2が1300で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中6 人(85.7%)で 最 も 多 く、 次 い で 多 少 狭 く感 じ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 にW1が 1200、W2が1400で は 、 多 少 狭 く感 じ た が7人 中3人(42.9%)で 最 も 多 く 、 狭 く 感 じ

な か っ た 、 か な り狭 く 感 じ た が 共 に2人(28.5%)と な っ た 。 次 に 、W1が1300、W2が 1200で は 、 か な り狭 く 感 じ た が7人 中5人(71.4%)で 最 も 多 く 、 多 少 狭 く感 じ た 、 走 行 不 可 が 共 に1人(14.3%)と な っ た 。 次 にW1が1300、W2が1300で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 、 多 少 狭 く感 じ た が3人(42.9%)と な っ た 。 次 にW1が 1300、W2が1400で は 多 少 狭 く 感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 最 も多 く、 次 に 狭 く感

じ な か っ た が2人(28.6%)で 最 も 多 く 、 か な り狭 く 感 じ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 に 、W1が1400、W2が1200の 場 合 で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で

最 も多 く 、 次 に 多 少 狭 く感 じ た が2人(28.6%)、 狭 く感 じ な か っ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 に 、W1が1400、W2が1300で は 、 多 少 狭 く感 じ た が7人 中5人(71.4%)、

狭 く感 じ な か っ た が2人(28.6%)と な っ た 。 次 に 、W1、W2が 共 に1400で は 、 全 員 が 狭 く感 じ な か っ た と 回 答 し て い る 。

次 に 、 図9はL字 型 通 路 の す れ ち が い を 想 定 し た 実 験 に お け る 、 通 行 人 の 走 行 評 価 を 示 し た も の で あ る 。W1、W2が 共 に1200で は 、 走 行 不 可 が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く、 か な り狭 い が1人(14.3%)で あ っ た 。 次 にW1が1200、W2が1300で は 、 か な り 狭 い が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く 、 多 少 狭 く 感 じ た が1人(14.3%)で あ っ た 。 次 にW1が1200、W2が1400で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 最 も 多 く、

多 少 狭 く感 じ た が3人(42.9%)と な っ た 。 次 にW1が1300、W2が1200で は か な り狭 く 感 じ た が7人 中6人(85.7%)で 最 も 多 く 、 多 少 狭 く 感 じ た が1人(14.3%)と な っ た 。 次 にW1、W2が 共 に1300で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で 最 も 多 く 、 次 に 多 少 狭 く 感 じ た が3人(42.9%)と な っ た 。 次 にW1が1300、W2が1400で は 、 多 少 狭 く感 じ た が7人 中5人(71.4%)で 最 も 多 く 、 狭 く感 じ な か っ た が2人(28.6%)と

な っ た 。 次 にW1が1400、W2が1200で は 、 か な り狭 く感 じ た が7人 中4人(57.1%)で

最 も多 く、 多 少 狭 く感 じ た が3人(42.9%)と な っ た 。 次 にW1が1400、W2が1300で は 、 多 少 狭 く感 じ た が7人 中3人(42.9%)で 最 も多 く、 狭 く 感 じ な か っ た 、 か な り狭 く感

じ た が 共 に2人(28.5%)で あ っ た 。 次 にW1、W2が 共 に1400で は 、 狭 く 感 じ な か っ た が7人 中6人(85.7%)で 、 多 少 狭 く感 じ た が1人(14.3%)と な っ た 。

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大 手 前短 期 大 学研 究集 録 第29号(2009)

Oho 20% 400 60% 80% 100%

□ 狭 く感 じなか った ■ 多少 狭 く感 じた □ かな り狭 く感 じた ■ 走 行 不可 図8CASE9の 車 い す利用 者 の走行 評価 結 果

ono 20% 40% 60% 800 100%

□狭 く感 じなか った 国 多 少狭 く感 じた □ かな り狭 く感 じた ■ 走行 不 可

図9CASE9の 通 行 人 の 走 行 評 価 結 果

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車 いす 操作 に必 要 な幅員 寸 法 に つ いて の 調査

5.ま と め

今 回 の 走 行 実 験 に お い て、 走 行 評 価 を4段 階 に 分 け 評 価 して も らい 、 通 行 可 能 か ど う か 評 価 を す る こ と が 可 能 で あ る こ と が 実 証 で き た 。 ま た 、 実 験 結 果 に つ い て は 、 CASE2に お い て は、 必 要 最 低 寸 法 は 幅 員 寸 法900mm以 上 と され て い るが 、900mmに

け る走 行 評 価 は 、7人 中4人 が 「狭 く感 じ な か っ た 」 と回答 して い る の に対 し、3人 が 多 少 狭 い と回 答 して い る 。 ま た 、 必 要 最 低 寸 法 よ り100mm狭 い800mmと した 走 行 評 価 は、7人 中5人 が 「か な り狭 い」 と 回 答 して い る 。 一 方 で 、 必 要 最 低 寸 法 よ り100mm 広 い1000と した走 行 評 価 は7人 中6人 が 「狭 く感 じ なか っ た」 と 回答 して い る。 この 結 果 か ら も必 要 最 低 寸 法 で あ る900mmで も車 い す 走 行 に 不 慣 れ な利 用 者 や 経 験 が 少 な い 利 用 者 に と っ て は 、 多 少 幅 員 が 狭 く感 じ るケ ー ス が あ る と考 え られ る 。

CASE5で は、 必 要 最 低 寸 法 は幅 員 寸 法1500mm以 上 と され て い るが 、 実 際 の 走 行 評 価 で は、 必 要 最 低 寸 法 よ り100mm狭 い 、1400mmで も 「か な り狭 く感 じた 」 と 回答 して い るの が 車 い す 利 用 者 、 通 行 人 と も に7人 中1人 に と ど ま り、 走 行 に は 問 題 な い こ とが 分 か っ た 。 これ は 、 今 回 、 実 験 に使 用 した 壁 の 高 さ を910mmと 低 く し た こ と に よ り、 車 い す 及 び 通 行 人 の圧 迫 感 を軽 減 させ た こ とが 走 行 評 価 に影 響 を与 え て い る こ とが 考 え ら れ る。 した が っ て 今 後 さ らに 実 験 設 備 の 改 善 を し、 再 度 実 験 で 検 証 を行 う必 要 が あ る。

次 に、CASE8の 走 行 実 験 で は 、 入 口寸 法 、 出 口 寸 法 共 に最 も狭 い 組 み 合 わ せ で あ る 800の 場 合 で は7人 中6人 が 走 行 不 可 と 回 答 して い る の に対 し、 入 口 寸 法 に 対 し、 出 口 寸 法 の 差 が100mmあ る場 合 、 走 行 不 可 の 割 合 が 減 少 し、 さ らに そ の 差 が200mmの 場 合 で は走 行 評 価 が 改 善 さ れ 、 特 に入 口 寸 法 が800、 出 口寸 法 が1000で は 、 走 行 不 可 と回 答 した被 験 者 は0人 とい う結 果 が 得 られ た 。 車 い す の 進 入 側 の 寸 法 と出 口 側 の 寸 法 に差 が あ る場 合 、 走 行 評 価 が 改 善 され 、 幅 員 の 差 が 大 き くな る ほ ど走 行 評 価 が 改 善 さ れ る傾 向 が み られ る。

次 にCASE9の 走 行 実 験 に お い て も、CASE8の 走 行 結 果 と同 様 の 傾 向 が 見 られ 、 特 に 入 り 口 寸 法 と 出 口 寸 法 の 差 が200mmの 場 合 の 評 価 が 高 く、 特 に 入 り 口寸 法W1が800、

出 口寸 法 が1000で は 、7人 中2人 が 「狭 く感 じな か った 」 と回 答 し、4人 が 「多 少狭 く 感 じ た 」 と 回 答 して お り、 他 の 組 み 合 わ せ と較 べ て も 高 い 評 価 と な っ て い る 。 次 に CASE9の 車 い す 利 用 者 と通 行 人 の す れ ち が い を想 定 した 実 験 で は 、 入 り 口寸 法 と出 口 寸 法 の 幅 員 が1300mm以 下 の 組 み合 わ せ で は 評 価 が 低 い 傾 向 が 見 られ た。 一 方 で 、狭 い 寸 法 で も、 入 り口 寸 法 と出 口 寸 法 の差 が 大 き い ほ ど、 走 行 評 価 が 改 善 され る傾 向 が 見 ら れ た。

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大 手 前短 期 大 学研 究集 録 第29号(2009)

6.今 後 の 課 題

今 回 は 、建 築 基 準 法 、 バ リア フ リ ー新 法 、 福 祉 の ま ちづ く り条 例 で定 め られ て い る8 つ の な か か ら今 回 は 実 験 設 備 の 制 約 条 件 に よ り4種 類 の 走 行 実 験 を行 うに と ど ま っ て い

る。 今 後 は 実 験 設 備 を整 備 し、 様 々 な ケ ー ス を想 定 した 実 験 を実 施 す る 予 定 で あ る 。 ま た 、 今 回 は被 験 者 の 安 全 性 を 考 慮 に い れ て 、 壁 の 高 さ を910mmと して 走 行 実 験 を した た め 、 通 路 に お け る 実 際 の 圧 迫 感 を再 現 で き て い な い 。 した が って 、 こ の 圧 迫 感 が どの 程 度 走 行 評価 に影 響 が で る か再 検 討 す る必 要 が あ る 。 今 後 は実 験 装 置 を作 成 し再 度 走 行 評価 に どの 程 度 評 価 に 影 響 を 及 ぼ す か 比 較 実 験 を実 施 した い と考 え て い る 。

参 考 文 献

1)国 土 交 通 省 、 高 齢 者 、 身 体 障 害 者 等 が 円 滑 に 利 用 で き る 特 定 建 築 物 の 建 築 の 促 進 に 関 す る 法 律 、http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/barrier‑free.html

2)高 橋 儀 平 、 高 齢 者 ・障 害 者 に 配 慮 の 建 築 設 計 マ ニ ュ ア ル ー 「 福 祉 の ま ち づ く り 」 現 実 に

向 け て 一 、pp.24‑25、1996・9

参照

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