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一 所 不 住 日本赤十字放射線技師会会長 益井 謙

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Academic year: 2021

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巻 頭 言 日本赤十字放射線技師会会誌 電子2号

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一 所 不 住

日本赤十字放射線技師会会長 益井 謙

動植物には、その活動範囲や棲息環境に必ず南限、北限がある。或いは、高低差や気温差を許容 できない脆弱性を持っている。何処でも棲める特質や、何処でも繁殖できる不遜さは持ち合わせて はいない。凍てつく季節毎に、約束の地を求め、何万キロの決死の自力の旅を強要される渡り鳥。

乾季には、水を求めて大移動を強制される草原の野生。僅かな気温の差を捉えて、発芽し、陽光と 風雨に傀儡されて、枝を伸ばし、葉を拡げる植物。水の中や、その塩分濃度に体液を制御されてい る魚類。

この地球上で、何処でも生きていけるものは稀。人類はその稀な、希有な存在として、そのコス モポリタン性を謳歌して居る。そして今、ITを駆使したユビキタス・ネットワークで、何時でも 何処でも、誰とでもコミュニケーションを繋げる時代が到来した。

その優位性は、まさに「鬼に金棒」状態である。

日本赤十字放射線技師会も、その「金棒」にあたるユビキタス化の強化を図って、学術的に、管 理的に、防災的に、ネットワークを繋ぎコミュニケーションの質と量を上げて来た。HP は、それぞ れ粗野に飛び交うエネルギーを、分類、分割、整理、分析して、時代を動かし時代に副うように機 能アップした。未完成ながらも時代を先取したその機能は、個々の会員の若さとエネルギーの突破 力に貢献し、若さゆえの好奇心、向上心を刺激続けて来た。教育や、学ぶ身には、粘着性と柔軟性 が必要で、伝える側は情報選別力と忍耐力が必須の資質であるが、医療の進取的本能は、教育関係 者に均しく鮮度と志操を当たり前のように求めて来る。

幸い、病院施設のなかで、技術革新や科学ポテンシャルが頭抜けて高い放射線技師集団は、混沌 とした技術革新や、錯綜した技術開発を嗅ぎつけ嗅ぎわける訓練を日々行っている為、配信される 情報を、粘着的柔軟性を以って学んで行きさえすれば、スキルアップに伴う存在価値が高まるであ ろう。法的に守られた、受動的な職制団体で無く、自己刷新を、自己啓発を仲間同士でユビキタス 的に行う大勢が整って行く筈である。

人類以外の生物は、独自の分布境界線が存在し、その生物相の境界線を様々に名付けられ区分さ れている。ウオーレス線、ウエーバー線、ブラキントン線、八田線、渡瀬線、宮部線、三宅線など など、歴代の生物学者が生物分布を解明して居る。

人類は、それらの分布境界線に関係なく全地球的に、「鬼神」のように拡がって、そのコミュニ ケーションの境界さえも「金棒」によって取り払った。そしてその「金棒」の限界と虚構性も熟知 し、コントロールをしなければならない時期でもある。

院内の分布境界線を越え、全国の施設の技術革新を柔軟にコントロールして護り得る技能集団と して、我々赤十字放射線技師は、益々存在感を増していけると考えている。

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