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貯水槽水道の管理レベルの向上について 〜東日本大震災を事例にして〜

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Academic year: 2021

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麻布大学雑誌 第24巻 2012 114

32回麻布環境科学研究会 一般演題2

貯水槽水道の管理レベルの向上について

〜東日本大震災を事例にして〜

工藤 久美子1,鈴木 和雄2,平田 正幸2,早川 哲夫3,友成 真一4

1早稲田大学大学院 環境エネルギー研究科,2WSEI 貯水評価研究所,

3麻布大学 生命・環境科学部 環境行政学研究室,4早稲田大学大学院 環境エネルギー研究科

1.はじめに

東日本大震災の発生時において給水車の活動が広く報道されたように大規模な災害や震災の発生時には飲料水 の確保が何よりも重要な課題である。電気設備に関わるライフラインは比較的早い段階で復旧を果たすことが可 能だが,水道設備の復旧はライフラインの中でも時間がかかる。そのため,避難場所となりうる小中学校に貯水 槽を整備すべきだとの方針が打ち出された。

今後,貯水槽の増加が予想されるが,これまで以上にその管理の徹底が図られなければならない。

貯水槽の管理が適切に行われなかったため,一部では直結化が進められてきたが,今回の震災をきっかけに貯 水槽の有効性が改めて見直されることとなった。

貯水槽の管理は設置者の責任だが,経費がかかるなどの理由で,十分な管理が行われておらず,規制的手法を 用いても十分な効果が期待しにくいのが現状である。貯水槽水道の管理レベルを向上させるための手法が今後重 要となってくる。

2.調査期間と対象地域

東日本大震災時における貯水槽の被害状況と施設の管理状況について調査を行った。

調査期間 平成24716日〜平成24822

調査地域 岩手県,宮城県,福島県,茨城県,千葉県 なお,調査地域に存在する貯水槽施設は914である。

3.調査目的と方法及び内容

目的 調 査 内 容

1 施設の主な用途 1)水槽の使用用途

2 施設の利用者数 2)避難所の人数推移と給水状況 

3)水道使用量と給水車による供給量及び受水槽保有量 3 水槽の掃除と水質検査 4)設置者の危機意識,適切な運営管理

4.アンケート内容の結果について 4−1.施設利用者数について

施設利用者数に関しては,200人までという回答が最も多く,全体の約55%を占める結果となった。

今後の解析では,施設の利用者人数に対するアンケートにおいて,データをより細分化することにより,貯水 槽の利用をより明確にすることを目標とする。

(2)

32回麻布環境科学研究会講演要旨 115

4−2.貯水槽の清掃,水質検査について

貯水槽の清掃,水質検査に関しては,行っている管理者と行っていない管理者の数がほぼ等しいという結果が 得られ,貯水槽の管理に対する意識があまり高くないことが判明した。また,水質検査を行って場合も,その検 査内容がバラバラであることがわかる。このことから,水質検査を行う際の共通の評価項目を設定することが重 要であると思われる。

4−3.意識調査について

今回のアンケート結果により,貯水槽の検査に対する重要性を感じている人が多いことがわかる。これは東日 本大震災を受けて,応急給水の重要性を再確認したためと思われる。また,このためには貯水槽検査のわかりや すい評価結果の表示が重要となる。

5.貯水槽水道ランキング表示制度について

貯水槽ランキング表示制度とは,管理に関する事項 と施設に関する事項から構成される評価項目から,S,

A,B,C4段階で評価を行い,適切な管理が行わ

れている施設であるかをアピールできるようにする制 度である。我々が行ったアンケートによれば,貯水槽 内の水質調査などを行っている施設管理者は多数存在 するものの,その調査内容の内訳はバラバラであり,

水質調査に明確な評価内容がないことが予想される。

評価を行う際に評価基準が定まっていることは重要で あり,ランキング表示制度はその評価基準の明確化に 対して非常に重要である。

東日本大震災をうけて,貯水槽の重要性が再確認されたこともあり,貯水槽の水質検査に対する重要性を感じ ている人が多数存在していることが我々のアンケート結果により明らかになっている。特に,非常時における応 急給水としての利用も考慮した場合,多人数が利用する施設の貯水槽はその施設の大きさに合わせて大容量であ ることもあり,非常時における応急給水施設として重要な役割を担っていることになり,より厳密な水質調査が 必要であることが予想される。このことからも,ランキング表示制度による貯水槽の水質表示は重要であり,表 示することによる管理者の管理意識の向上につながることが予想される。

参照

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