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現ポーランド領にあるアウシュヴィッツ強制収容所に関して,すでに第 4 7 巻1号(アウシュヴィッツの経験のない女性作家ゾフィア・ナウコフス カ)と2号(悲劇的な生存者タデウシ・ボロフスキ)で論文を執筆した。
その続きとしては,今回はボロフスキと同様の運命であったポスミィシに ついて論じる。
アウシュヴィッツ収容所の被害者である女性作家たち,ゾフィア・ポス ミィシ (Zofia Posmysz, 1 9 2 3 –) ,セヴェリーナ・シュマグレフスカ (Seweryna Szmaglewska, 1 9 1 6 – 1 9 9 2 ) とゾフィア・コッサク (Zofia Kossak, 1 8 9 0 – 1 9 6 8 ) の中から,本論では日本で比較的よく知られている作家,ポスミィシにつ いて述べる。その三人の作家においては,それぞれのアウシュヴィッツの イメージと語り方が異なり, 「収容所の運命」も異なる。この三人は同じよ うに収容所を経験したにもかかわらず,確かなのは,彼女らがともにアウ シュヴィッツというこの恐ろしい現象について非常に徹底的に述べている 点である。さらに,それぞれの作家としての戦後の運命もまた異なってい るが,一方で共通点もある。すなわち,この三人はアウシュヴィッツの悲 劇を,様々な形の作品を通して,訴え続けたのである。シュマグレフスカ とコッサクは戦争直後に語り始めたが,ポスミィシは終戦から 1 7 年後に最 初の「収容所文学」の作品を書いた。また,道徳についての立場もそれぞ れの作家で異なっている。コッサクはカトリックの信者としてアウシュ ヴィッツの出来事を判断しているが,その他の二人は宗教的要素を全く加 えない。叙述の手法もそれぞれの作家で違っていて,シュマグレフスカの
『ビルケナウの煙』( 1 9 4 5 , Dymy nad Birkenau)はもっとも「ノンフィク
――女性作家ゾフィア・ポスミィシの文学証言――
Urszula Styczek
(受付 2007 年 5 月 10 日)