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機械工学教室増岡隆士   〃    勝  原  哲  治

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Academic year: 2021

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(1)

環状保温層内の自然対流に関する一実験

(昭和49年5月7日原稿受理)

機械工学教室増岡隆士

  〃    勝  原  哲  治

An Experimental Study of Natural Convection     in an Annular Insulating Layer

by Takasi MASUOK」へ   Tetsuji KATSUHARA

  1回 this paper, the authors haΨε experimentally investigated the criterion for the onset of n且tural conΨection, the heat transfer and the periodic flow of fluid in a horizontal annuli of

poτous body.

  The results of investigation are 5umrnarized as follows.

  (1) The criterion for the onset o[conΨective How of Huid in a horizontally an皿ular layer composed of spherica1611ings is approximately given by the following equation.

       凡.・皇÷4・

where

       R=9β5 」T        口.5

       Pκ

        9:gravitational acceleratinロ        β:cubical evpansion−coe冊cient         5:width of annuli

       Jτ:temperature differenoe between inner and outer surface

        γ:¢oe伍cient of kinematic viscosity

       κ:therrnal dil圧usivjty

  (2) Mean Nusselt number measured is characteri2ed in terms of Rロ. 占/五2.

  (3) Mean Nusselt number for a hori20ntal cylinder m且 poro凹9 medi皿m is analy:ed and compared with the results for ver杜cal and horizonal hyers.

      この方面の研究はきわめて少い。    占

        L緒  言     本文は,その騨を検討するために行われた鰍の報

 多くの場合,保温材は,その内部に空隙をもち空隙部   告である。なお,実験の途中で屈内の温度分布が周期的 の流体と空隙を形成する固体とからなっている。そのよ  に変化する現象が見出されたのでモの結果についても述

うな保温材のみかけの鮪伝導率の低さは空隙部の流体の   べられている。

熱伝導率の低いことに依存している。しかしながら,保

温層内の流体に自鮒流槻生すればそれに起因する熱   2難鑓および実験方法

輸送のためみかげの熱伝導率は上昇し保温性能は著しく   2.1実験装置

減少する。この現象に関連する従来の研究には,水平多   図1は実験装置の主要部である。外径160mmの水

孔質層における自然対流発生限界あるいは熱伝連1,臼6),  平円筒①と内径240mmの水平円筒②を同心におきモ 垂直多孔質層における同様なもの7}−9,がある。いっぽ   の間隙部分に環状の多孔質層回が充填されている。円筒

う,工業的には円管の保温は非常に多く使われている。  の長さは600mmである。内筒①は内側から抵抗0・78

この場合にみられる環状保温層の保温性能には層内の自  ρノmのニクロム線による電気ヒータ⑤により加熱され,

然対流の影響が著しいものと考えられるにもかかわらず   外筒②は外側から水遊水により冷却されている。内筒の

(2)

  ρ _ユ(7㌦一Tc)メ…      …・(1)

       μ∫

ただし, ρ,:伝導による伝熟丑

     」:多孔質層の鱒伝導寧      3:多孔質層の隙間巾     ・4萬:多孔質屈の平均伝熱面積     rが加熱而温度

    丁,:冷却面温度      μ:次の式による係数

       ・=÷・』当㌃1・芸

     ① 内簡   ⑥⊃4卸絋ロ

     ③卦仲   ⑦   土ロ       ただし,D1:多孔質屈の内径(内筒外径)

     ③別慮層  ⑧焦麟取土ロ      D2:多孔質層の外径(外筒内径)

     ④牛州ト且 ゜停勒{毘         ・4.およびぷも次のごとくあらわされる。

     ⑤し夕fニフ弘韓)

       図1実験装 置    遠・=π鞭1+D・)/2

       ぷ=(D2−D工)/2

外面が加熟面,外筒の内面が冷却面となる。いずれも軸   ただし,上:多孔質屈の軸方向長さ

方向の温度の一様化のため厚さ5mmの銅拒で作られ   よく知られているように, D㎡D1<2のときはμ=1と

ている。内筒と外筒はベークライト製円板④により固定   おいても口.に及ぼす影響は4%以内の誤差におさま

されている。多孔質層は,直径2.8mmおよび4・06  る。ここでヌセルト数を次のように定義する。

工姦慧瓢魏灘鷲ご㍑麟: 凡一万竺τ・」㌣一・/{÷・÷(r血一丁 )㌔}

は約0.38である。円周方向に0°(最底部),90°(側部),      ……(2)

ユ8ぴ(頂部)の三つの断面で半径方向の温度分布が測ら   ただし,@:伝熱量

れた。熟損失を小さくするためヒータの内側にはグラス       41熱負荷(=ρノ▲)

ファイバが充填されている。冷却水は入ロ回から入り出      1v.:ヌセルト数 ロ⑦から出る。      熱伝達率み.として

 ±2 実験方法       方靖=ρ/(丁為_Tτ).4■

 多孔質をとおしで流れる熱量は発熟側から測る方法と   を用いると式(2)は 冷却測から求める方法がある。この実験では前者が用い

られた.すなわち,・一タ⑤に入る全敬入力力・ら端  凡一竿一芋   一(3)

失を差引くことにより勅た・熱搬を見積るに際し流 ただし、,哨効熟伝導率(=A阿μ5)

㈱止駒み鮒の継聯が必要となるのでこれには ロ喘.一タへの臨入力と醐失よ鵬られたもの,

国井ら1°,により与えられたものを用いた。なお,本実験

       丁・および7三には熱電対による測定値.」には文献に

における加緬と冷緬の醸差は3ぴc以下である・ よる値.,、。および輌.噸状肋寸勘ら与えら

層の漫透性は,球を充填した系ではBlake・Koz勒yの

       れたものを用いて式(2)によリヌセルト数を求めた。

式により計算された。

  A=[ε3/150(1一の2〕42      . 3・実験結果およぴその考察 ただし,−A:浸透性       3.1熱伝達

    ε:空隙率     .       熱伝導が支配的な領域では式(2)の定義からN算=1     d:粒子直径       となる。対流が生じたときはいかなるパラメータがヌセ  加熱面と冷却面の温度差が小さく層内の熱輸送には鮪   ルト数にどのように影響するかが問題である。実験結果

伝導が支配的な場合には伝熟量は次のようにあらわせ   について述べる前にその整理に用いたレイリ数にふれて

る.  .      おきたい。環状多孔質層は,その頂部附近に着目すれば

(3)

下から加熟され上から冷却される水平多孔質層に類似し     6 ている。頂部附近を除いた部分に注目すれば重力の壁面     4 接線方向の成分が変化するが側部を加熱・冷却された垂

直多孔質層に類似している。水平多孔質庖の熱伝連は    呈 R..、.醐で鯉されること棚らかにされている…。  2

R。.,は次のごとくとられたレイリ数である。

       1

ただし,9、動加速度         R・弓

    β・流体の体擁係数       図2凡とRづ

    〃:流体の動粘性係数

    κ:温度伝導率       流発生限界が

垂直多孔質屈の熱伝達に対しては著者のひとりが端末効     R。ゴたノ」=4π2

果撫視した独雌界層モデルを基礎iこして締し実験 であること1…を考慮すれば,水平層緬甑鰍層

も行った刊・これでは次のもので整恥れてL る・  の熱鍵燗し対流の影響の開始点{まR己/・・の値に

蝿一毒鳩一    して大き嵯はない・

      3.2 温度の周期的変化

ただし・1:伝緬の長さ      図3は.瓢屈内の雌分布の醍値を示したもので

また・Ch・・ら の端解によれば垂直屈熱伝達は∫ ある。

(1ノの・R。.ゴ是/52で整理されるとしている。これらによ

れば垂直層の場合には /3をパラメータにしてR。ゴ片/       30       30 5窒で整理できるということにもなる。以上のζとを考

慮し環状層の場合には実験結果に対する ノ5の影響は       ζ    1  £       25       25

別に検討されるべきものとして,ここではRσ.¶・訂52で

整理することとする。、

 加熱面と冷却面の平均温度における物性値を用いN.       20       20

とR。ボ彫5コの実験値をプロットすれば図2のようにあ

       上:且         」二江

本実験の範囲においてはあとで述べられているように境       脚      ・・哨 界層型の対流が層内に生じるとしてもその厚さは十分厚      (a)頂部   (b)側部

く4=4.06mmの粒子を充填したときでも均質性は保      図3 温 度 分 布   たれているとみなされ,粒子直径が相違しても1V.と

       ここで,T:温度 R。,、・舟ノ52の関係は一つの線でまとまるべきものである。

       :半径

環状層では∫=π(D1十D2)/4,∫=(D3−DD/2とおけば

垂直層の場合と同様に 坤脚力刷うる.儲,  「1:内糎(=D・/2)

       rが外半径(=」D3/2)

本実験では∫/」=版9である。参考のため図2には垂直

層の ノ8=1および10に対する針算値を示す曲線も入れ    (a)は層の頂部におけるもの,(b)は側部における

ておいた。破線は近似解7】,実線は数値解・}から得られ   ものである。R 、,・訂51の値が小さいときは(a),(b)

たものである。もともと対流発生の機構は,垂直層,水  いずれの場も熱伝導のときの温度分布一環状層である

平層,環状層ではかなり異なると思われるが実験上から   から直線よりいくらか離れるがほぼ直線的一一に一致す

つぎのことがいえる。すなわち, 乃の影響が垂直層の   る。すなわち熟伝導が支配的であることが確かめられ

場合と同じ程度とみれば,r白=1〜10に対し大まかに   る。 R。.虜・彫52の値が40以上になると温度分布にも対

いつて,環状層において対流の影響があらわれはじめる  流の影響があらわれる。ほぼ60を越えると頂部におい

点はR日..・占/5』40からあまり遣くはない。水平層の対   ては温度の周期的変化がみとめられた。ζの変化は側部

(4)

2

1・0

8 6 量鬼 

2

      (1狸度よb㍗     鳩

       図5 温度変化の周期 においてはみられない。図4は,R吋・占/5』112におけ

る温度の周期的変化について示したものである。(a)は 頂部におけるもの,(b)は側部におけるものである。た とえば,温度の高いときの値を●,低いときの値を△,

中央値を口の記号であらわし(a),(b)の図中に記入し た。これでみると(a)ではかなり大きい振巾をもって 周期的変化をしているが(b)では周期的変化はみとめ られない。重力の壁面法線方向成分は頂部から迎ざかる

につれて小さくなるからR・』・Wエ2が4那より大きく      図6 モデルの座標

なって頂部附近の流体の対流は不安定になるものと考え

られる。もっともこの不安定性は温度の周期的変化と直   ぱならない。

接には結びつかない。しかし両者がほとんど同時に発生     4.多孔質内の水平円柱の自然対流熱伝達 していることは興味深い。ζの不安定性のため頂部附近

においてセル対流が生じモれに温度の逆転の現象が生じ   垂直層と環状屈では重力の劫き方が違うが,それがど ていることを想定すれば,その比較的狭い温度逆転区間   のくらい熱伝達に影響するかを比較検討するため多孔質 をもつ層内の対流が周方向に全体的に振動しているもの   内の水平円柱からの熱伝達を計算してみよう。図6に示 と考えられる。このような解釈をすることにより図4の   す座標のもとで二次元的に考える。

温度の振動の様相が定性的に理解される。         ただし・甲:中心線からの円周角

 つぎに頂部のみに着目し温度の振動の周期を測定し       エ:円柱の下端から円柱表面に沿って測った長       し κτ/」窒という無次元量をR4ゴ訂エ2で整理してみると図        己

5のようになる。      y:円柱表面から半径方向に測った長さ ただし,κ:温度伝導率      D:円柱の直径

    τ:温度変度の周期      境界層の厚さはうすいとしてy方向の圧力変化を無視

R.、,・彫♂が大きくなるほど振動の周期は小さくなって   すれば円周に沿う圧力こう配は

いる・図2のN・−R… 占/52の関係では曲線の傾きは  」旦__醐i。p    ._(5)

ほ.ぽ2/3で1ある。      ∂エ

すなわち, 1V.o。(R ..・好」り2月       ただし, p:圧力

図5では,  τ/3字工(R醐・彫の一胆       ρ口:境界層外の流体密度 これから,  τ/3ま民Nゴ       Dareyの法則によれば

となるので繊醜励変化1蝋伝達と関係をもってい  ・_−8、,碑_互_上。  _…(6)

るζとになるがその内部機構は今後の研究にまたなけれ      ∂訂  舟

(5)

      

ただし一雌係数 @    み亭π封8β(「・最脚r

∴・一

F(一;1−…i碑)一(6・)  .i7暢,)il一個

式(6a)に式(5)を代入すれば

       ただし

  ・−1占9・β(T−7¶鯖)・i卿   ・一・パ7)   択。.。一宮βD3(霊一τ・・)   ・…・・(・7)

ただし,丁齢:境界層外の流体温度       これを垂直平板の結果7}と比較すれば直径Dの水平円 ここでは精度の高い熱伝逮の式を得ることよりも水平円   柱の自然対流熱伝達は =(ηソ4)πDの長さの垂直平板 柱からの熱伝達と垂直平板からのそれとの比較を行うの   の自然対流熱伝達と等価である。

が目的であるから,温度分布について両者にともに次の    かりに加熟面と冷却面に沿う境界屈型の対流を考えれ 簡単なプロフィルを用いても目的は達することができる   ば環状層の熱伝達は垂直屈のそれ7川こ比べて〆琢万倍

と考える。      になる。しかし環状屈の場合,外管内壁に沿っての境界

㌶一(・一÷ア ……(9)麟;織蕊㌫霊㍗三㌶:

;罵霊の瓢,代入すれ1、 罵㌫灘蕊;灘‡:…

      て,結局,環状層の熱伝連は垂直層のそれに比bべあま   ㎡(8sin妨=   10胸      _…(10)   り低下しないという結果にな弓ている。

    口rx       』19ρβ(『旬一τ一)δ

無次元量を用いて書き改めると   

5・結言

d(δ寧sin刀x車

@ dエ.)

……iユ・・)た:纏;蒜,還び、蒜環㌶:蕊と

ただし,,・=,μ。        7・9)を用いて内側から電気加熟・タト側より水冷却L

    .・一,ノ』ノ1。      内側と側との激差」「=2・9〜2冊C・F燗レイ11

    HD/2    纏1竺還ごた漂曇瓢㌶

    作誓・8β(T≠)占D    直層内の対流と環状層内のそれとはかなり違うと考えら

      れるので熱伝達にどのくらい差違があらわれるかを比較

式(10a)をよ』0:がsinπ宇=0の条件のもとに解   検討するため多孔質内の水平円柱からの自然対流熱伝達

けば       につき解析した。それらの結果より次の結論を得た。

・・−

v語誌蒜  ……(・・)き:1対蹴限界⌒°糧゜と弩いて瞭

局所熱伝連率占エおよび平均熱伝連率占掴を求めると     (2)ヌセルト数1V・とR・…舟/♂の関係も測定され

㌧一丁瓢乱券一鍋蒜1:㌶鷲瓢灘るがこれ

L一

e∫1㌧⇒舗……(・3)お漂腰麟當當瓢1詑

これらを用いて局所ヌセルト眺.および平均ヌセル 隙間剛イ数には次の関寧 ある゜

ト数N.肩をあらわすと       κτ/59㏄(R直バA/33丁百

』竿一〆融ぷ器…(14)ヌ三i.㌶内の水平円柱からの自然撚伝達の平均

      エ

凡.r一儒ψ† ・一(・5) と5⊇幸軌5・(馬・・丁「)言

または直径Dを用いて       垂直平板の結果と比較すれぱ直径Dの水平円柱の自然

(6)

対流熱伝連は長さ1=(丑/4)刀Dの垂直平板の自然対流    3)K.J、 S。hneider,11th. Int.. Cgロ9. Re垣ge一

熱伝連と等価である。 『   .、、・.,.呼∵       mtio叫paper II−4、 Munich(1963).

実験を行うにあたり螂顕鋼鱈および 4)漂}。3岡江欄当量珪郵一2超(昭

横山恒君(日清紡績)の援助を得た。また・図面作製に    5)増岡,日本機械学会酷文築,37−293(昭46)5、90,

は安田嘉明技官をわずらわした。ともに謝意を表した   6)増岡, 日本機撞学会輪文集,39−322(昭48)ジ

し10      .・       Tユ873・      一       ,

      一  ..一  t・      7) 増岡.日本機械学会陰文集,34−259(昭43),491.

、『・,…

@文 一 献 一.・・∵・.  ;叢11ま澄ご慧謹霊;鷺;垣曇3三,E

−.1) E.R. Lapwood, Proc, Camb、 Ph』1. Soロ、」.44     C,92−1(1970),21.      一      (1948) 508・   ・  …    .        10)D.Kunii a皿d J、・M Smith, AIChEJ.,6r1

2)工W.Elder,工Fluid Mecbl, 27, part i    (19印),71.

 一 (19{…5), 481.

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