非線形システムの区分的線形化による 準最適制御とその電力系統への適用
(昭和63年11月30日 原稿受付)
電気工学科 高 田 等
田 口 祐 二
北九州工業試験場田上真人
ASuboptimal Control by Piecewise−Linearization
of Nonlinear Systems
and Its Application to Electric Power Systems by Hitoshi TAKATA Yuli TAGUCHI Masato TAGAMI
Abstract
This paper presents a suboptimal control for nonlinear systems by using a technique of piece.
wise−linear modelling. The state space of th企system is divided into some regions. In each region,
one linearizes the system including terms with strong nonlinearity and uses the linear feedback con−
tr◎l efficiently.
The sub◇pamal c◎mrolρresemed here is apPlied加the stabilization of electric power system of asingle machine−infinite bus. Digital simulation shows that it provides good results.
良好な結果が期待できない。
1.まえがき
そこで本稿では,状態空間をいくつかの領域に分割し,
電力系統の過渡状態は非線形システムとして記述され それぞれの領域ごとに非線形方程式を線形近似する,い る。一般に非線形システムを最適に制御する方法として わゆる領域分割テーラー展開法による区分的線形近似式 は最大原理が有名である。しかしこれは計算の過程が複 に,線形制御則をあてはめて合成した準最適制御法を提 雑で,得られる制御が閉ループを構成しないなどの欠点 案した。本手法を負荷のある一機無限大母線系統の発電 があり,実用的に多くの問題点が残されている。一方, 機の過渡安定度制御に適用した。その際,線形レギュ 制御則がフィードバックの線形レギュレータは実用的に レータ法や川畑氏らの手法との比較検討も行なった。こ 最も有用な手法の一つである。しかしこれはシステムが れにより本手法の有効性が確められた。
線形もしくは非線形でも定常点近傍の狭い線形化可能範
2.問題の設定 囲においてのみ有効であり,よって非線形性の強いシス
テムに対しては適用できないという欠点がある。他方, 非線形システムの運動方程式が次式で与えられたとし Kuma,氏(1)らや川畑氏(2)らは,非線形方程式を定常点 よう。
を通るいくつかの線形方程式で近似し,これに線形レ .
x=τ(蒐)一←Bび (1)
ギュレータ理論を適用しつつ合成した準最適制御法を提
案した。しかし,彼らの方法は関数近似の制度が悪く, ただし,蒐:η次元状態ベクトル,τ:η次元非線形べ
42 高田 等・田口祐二・田上真人
クトル値C1級関数, B:η×γ行列,σ:r次元制御 @を設定する。ただし, Q:η×η準正定値行列, R:τ×
ベクトル,X。およびぴ:品=τ(品)+Bひ(=0)なる ア正定値行列である。
Xとむの定常値である。 (3)式を用いて,(2)式の各どについて線形最適制御則を まず,状態空間をいくつかの領域Do, D1, D2,… 導出し,領域D、ごとに切り換えて適用する手法を提案 に分割する。それぞれの領域内の点Xo, X1, X2,… しよう。3節で準最適制御則を導出し,4節で負荷のあ を選び,そのまわりでのテーラー展開一次近似により る一機無限大母線系統の発電機の過渡安定度制御に適用 ・ ∂τ(尤) する。
」「=τ(x )+∂X・(X−X)+Bσ(τ=0・1・2・…)
(2) 3.線形近似による線形最適レギュレータ 切り換え則
を得る。すなわち区分的線形化である。こうして得られ
た線形方程式は,それぞれの領域Do, D1, D2,…で (2)式をπとμを用いて書き直すと
有効な式となる・Fi・・1に領域ごと区分的線形化方程式 元一A耐B。+ω、 (、)
の概略図を示す。比較のためFig.2に従来の川畑氏(2)
らの定常的線形化方程式の概略図を示す。これらの図か となる。ただし,
らも本手法の近似精度の良さが想像できるであろう。 ∂τ(X・)
評価としては定常値からの変動分x−H_一σ ん=∂君助=綱剖+鵡)+凪
一砺に関する二次形式 である。(3),(4)式に対する最適制御則は線形二次形式評
」一 噤閨iコじアQエ+ピRμ)dτ (3)価なので衆知の
・一・・全一R− Bτ(P,エーξ、) (5)
で与えられる。ただし,P、は正定値対称行列であり,P、
∫(X) α、 α1 とξ,は次の2式を満たす(3)。
PzA。十んTPz十Q−P」BR−lB「pε=0 (6)
1 ξ、一〔(、4 −BR−1BTP、)・〕一・p、ω、 (7)
l
l こうして,それぞれの線形近似システムに対する最適 1 工 )r 制御が得られた。Xの値が領域D、に含まれるとき,す
馬 l l なわちD、∋Xのとき,制輪としては。一。、を用いる。
D・一一一一D1 従って本手法は繊ごa、制御を切り換えて(1)式に適用
する方法である。これにより非線形システムの極めて広 Fig・1Linea「apP「°ximati°n°f piecewi・e WP・ い範囲での制御が可能となった。
4.電力系統への適用
∫(X) α1
4.1系統方程式
文献(1),(2)と全く同じ次の式で記述される,負荷のあ る一機無限大母線系統に本手法を適用する。
X 文1−一☆X1+(.X。−x。りγy12 ん X・c・s(θ12−X・)+富U1(・)
x ・
X・ X2=X3 (9)
偽 亮一一登Xlc・s(θ・一・∂」1;s防1×12一渦X、⑩
Fig.2Linear approximati◎n of Kawabata s type
』叔+把 (11) 元(減
(ん=1十(Xd−XdつYilsinθ∋
状態変数XI, X2, X3, X4はそれぞれEξ,δ, dδ/碗,
Pを表わし,制御変数ぴ,ぴはそれぞれ君パ,万を表
わしている。ただし,昆:内部誘起電圧,δ:負荷角, ◎
る。そして,領域D ⊂R4をD、rR×〔X、,、, X』〕×R2 −1
0 1 2 3 4 5 とする。次に区間〔X鋤,X2ε、.、〕内のX、、を成分に持ち他 Time(sec)
は定常点のエ・=〔X1・X・・X・認・・〕τのま劫で(1)式をテー @ F・g.3Tim。,e、p。,,。 cu_, x1(む一。.3,e、)
ラー展開一次近似し,領域ぴで有効なものとする。こ
のとき④式からん,.8,仇は次のようになる。 エ,逗の 2
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十・一☆{・』(θ・−X・」+・酩鰹防・・X1・}・
・・」1診x疏(ぽ) ・
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