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(1)

   最適出生率の概念

      高 本 尚 文

     一  序

 今日世界を挙げて家族計画の問題が論議されている︒この問題は窮極のところ﹁最適人口径路﹂を求める問題

であるといえる︒本稿では︑このような見解の下に︑一つの経済社会における最適人口径路の問題を採り上げ

た︒しかし今回のモデルは封鎖経済における単一生産物モデルで︑しかも家族計画が志向すべき目標としての人

口の最適成長率確定の問題をとり扱っているにすぎないから研究は序論の域をでない段階にある︒この問題は︑

たとえこのような単純モデルに限定しても︑ある人口︵大きさと年令構成︶と資本量を初期値として設定された目

標に向って人口と経済が相互にバランスをとりながら︑どんな径路をとって成長してゆくべきかの問題が解決さ

れなければ︑最終の解決にはならないのである︒

 それはさておき︑古典的最適人口理論は︑静学的概念であったことは論外として︑それぞれの時代の社会経済

情勢を背景として目標を設定し︑その目標に対する最適人口の大きさが論ぜられていることは明らかであろう︒

   最適出生率の概念

− 1 −

(2)

この歴史的事実に徴して︑筆者は︑﹁現代社会は民主主義社会である﹂という観点にたち目標の設定に意を用い

た︒

 そこで社会の構成単位であるところの個人の経済的福祉最大を基準の一つにおき︑その基準に則った個人の生

活行動の結果を集計することによってマクロ的な社会全体の動きに連結させたのち︑﹁社会全体の健全な発展﹂

をもう一つの基準とし︑これら両者の基準を満たすような最適人口成長率︵最適人口構成︶を模索した結果︑一応

目標としての最適人口経路を見いだした︒したがって本稿のモデルは二つの部分からなる︒最初の部分は︑ライ

フサイクル貯蓄モデルであり︑このモデルにおいて各個人が基準一を実現するべく︑一生を通じて労働所得を配

分して行なうところの最適な年令別消費分布を確定したのち︑特定の期間の個人の消費量を集計することによっ

て社会の総消費量を算出し︑新古典派の経済成長モデルに連結するのである︒実はこの部分は︑J・トービン

 ︵J.TOF︶のモデ札を︑個人が潜在的にもつ消費効用関数を一つの関数に特定化しない点と︑さらに現実社会

の年令別消費分布のハンプ現象を反映させて︑年令別にそれぞれ異なる消費効用関数を設定する点において︑修

正を施したモデルである︒したがってここでのモデルは︑個人の消費効用関数を多様化したところのトービン型

ライフサイブル貯蓄モデルである︒

 第二の部分は︑人口の最適成長率確定モデルであって︑第一のモデルによって連結された期間別の人口の年令

構造を︑基準二により最適な年令構造をもつように人口成長率を確定するのである︒このように単に人口成長率

を操作することによって︑最適な年令構造がえられるのは︑実は第一のモデルにおいては︑﹁死亡秩序﹂一定を

仮定していること︑人口成長率は所与として論が進められているからに他ならない︒

−2−

(3)

 以上が本稿の骨子である︒ここに特記したいのは︑前述したように︑われわれはJ・トービンのライフサイク

ル貯蓄モデルを個人の消費効用関数を多様化した結果︑単純モデルではあるが︑実際の統計資料を用いて︑わが

国がもつ潜在的な個人の消費効用関数や人口の最適成長率を︑限定された条件の下で︑実際に計測可能となるこ

とである︒最後の節で簡単な数値例を示すっもりである︒

 以下これまで叙述してきた順序にしたがい節を設けて論旨を進めよう︒

      ニ モデルの基本的性格

 われわれのモデルは︑閉鎖経済における単一生産物モデルである︒したがってその生産物は消費財にも︑資本

財にも使用できるものとする︒消費に他用されない生産物の残余の部分は貯蓄され︑それはまた自動的に投資さ

れ︑以後の生産量に影響を与えるものとする︒

      う ︑ノ り いまJ間変数をf︑即︑J︑卵は︑それぞれ付加価値生産量︑投入労働量︑消費量を表わすところの?の密度

関数︑匹四は時占!における資本量とする︒さらに

     久`︶=Q︵`︶`ト︵`︶

とかく︒

       り さて技術進歩を労働増加的とするとき︑生産量即は︑つぎの形の生産関数

︵2. 1︶       Q︵t︶=FlK︵t︶︒ e^^Lヽ︵ヽ︶﹈

によって与えられるものとする︒いま一次同次を仮定し︑労働力の成長率㈲を一定とすれば

− 3 −

(4)

−4−

     ドH⁚⁚h︑︵0︶R・

そのとき

     C︵ヽ︶⁚Hhヽ︵0︶Q︵ぷョ︶嗚・﹇`︷一︵ヽ︶ぷ︵0︶Q︵ぷョ︶\ 11.

ここで

     ミ︑︶⁚H`り︵こぶ︵0︶Q︵ポョ︶

とおき

     `︒︵ミ`︶︶=吻﹇冷︵デ︷︸

と定義するとき︑生産関数︵りごは

     i︵ヽ︶=`ぃ︵0︶yポョ︶ぐ︒︵砂︵`︶︶

とかくことができる︒

 さらに

︵2.  ‑1︶       F︵0。 L︶=0。    F︵K︒ 0︶⁚HO゛

︵2.  3︶       FAK︒ L︶▽05    Fkk︵K。 L︶△0  ︵哨1 1∇0ト▽0︶

を仮定するが︑これらの条件は

︵りμ︶  芭`︒︵0︶日日0゛ ︵び︶ ≒︑︵か︶▽0゛ 百代︵砂︶Λ0

となる︒

 さらに生産関数谷ごを限定してつぎの族生

(5)

すなわちつぎの条件 であるから︑消費量最大を与える鳶は である︒    り 消費印はすべての時点で が成立する︒       り いま簡単のために︑資本は消耗しないものとし︑時点?における純投資率を埓とすれば をつけ加える︒すなわち﹁適当な性質﹂をもつ︵well‑behaved︶生産関数であると仮定する︒さて︑生産物︑労 働の各市場で完全競争が支配し︑そのもとで企業は利潤極大を追求するとすれば︑賃金率をr︑市場利子率をr とするとき

−5−

(6)

明することにある︒さらに特定の期間における個人の消費量を集計することによって社会全体に対する消費量を

算出し︑巨視的経済成長モデルと微視的な個人行動との間をプリッジする役割を果たすのである︒

 ∽ 消費の年令別分布

 モデルにつぎの前提をおく︒すなわち

 10 人口成長率︵・だⅣ︶は一定が︑

 20 年令別死亡率および生存数が0となる年令㈲も一息﹁死亡秩序﹂定︶︒

       り 30 年令ぶ才の労働力化率収一定︒

 ここで前提20は年令Oの生存数を1とするとき︑年令丿才まで生残する生存率収一定︑特に○=0のωも一定

−6−

を満足する場合である︒これが黄金律径路で社会の消費量最大を与える︒うえ

   り の図で八曲線は︑生産関数が﹁適当な性質﹂をもっているから︑図示されたよ

うな形状をとり︑黄金律径路︿たが必ず存在し︑唯一つに限る〇 ここで各のみ

に対して一つずつ黄金径路が対応するのである︒

      三 ライフサイクル貯蓄モデル

 ライフサイクル貯蓄モデルは︑われわれのモデルの前段の部分に当る︒この

モデルの目的は︑個人の一生を通じての貯蓄行動︑裏をかえせば消費行動を究

(7)

を意味する︒

 さらに10︑20を前提におくと︑安定人口理論によって︑現在の年令構成に関係なく︑年令構成一定の人口︵安

定人口という︶を極限値としてもつのである︒

 いまyit︒ X︶を時点!におけるぷ才の一人当りの労働所得とすると︑技術進歩率辨によって

︵3. 1︶      y︷t。 x︸=yiO︒ x︶e^K ︵0 < a; < c≫︶

したがって個人の所得のライフタイム径路は︑時点?における横断面上の所得分布をその経済の技術進歩卒によ

って修正することによってえられる︒つぎにアーヴィング・フイッシャー︵Irvi品Fisher︶によれば︑﹁個人の時

間選好は利子率r︵一定とする︶であ恥﹂から︑割引率をrとするとき︑時点!において出生した個人の出生から

x才までの労働所得額の出生時における現価︵Y︵t。  X︶︶は生存数と労働力化率を用いて

︵Fに︶  iFM︶=゛一︒ぐQ十u︒ u︶a︵u︶l︵u︶e'^^du

で表わされる︒︵3.  1︶により

     Y︵t︒ x︶=e'こバy︵0︒ u︶a︵u︶l︵。u︶e^^"'^du.

しかるに

−7−

(8)

である︒  ここでモデルについてつぎの基本前提をおく︒

 基本前提一 個人の貯蓄は一生の間で繰りのべられた消費である︒ 特に  つぎに久ひk︶を時点zにおけるぷ才のI人当り消費量とすれば︑時点fにおいて出生したもののぷ才まで

の累積消費量の出生時における現価は︑再びrを換算率として が成立する︒

 特に であるから

−8−

(9)

から︵Q・Sは特定の関数 にとる︒

 ここで効用関数の基本的条件 を最大にするように︑一生を通じて消費を配分するものとする︒

 さてこの社会の個人の消費効用密度関数の基本形を をもっていて である︒

 基本前提二 前提一の下で︑個人はその社会に固有の消費に対する年令㈲別の効用密度関数 これを数式で表わせば︑すべての!に対して

−9−

(10)

である︒ である︒ここに とおく︒  このとき︑年令別に配分された消費量についてつぎの定理一をうる︒  定理一 前提一︑二の下で︑ぷ才の消費効用密度関数を︵F︷0︸とすれば︑一生を通じての消費の年令別分布

︵配分︶は︑時間選好をrとするとき とする︒

 年令ぷ才に対する消費効用関数には︑年令による消費のハンプ︵rJ︶現象を考慮して重みγをつけるが︑こ

のγはxおよび人口成長率刄にもディぺンドするものとする︒すなわち

−10−

(11)

いま ゆえに ゆえに したがって を最大にするところのごの年令分布が一生を通じての消費効用を最大にするわけである︒  その条件は︑被積分関数を久ヽ十丿息について偏微分して 証明 これは条件︵3.  7︶が付帯しているところの条件付極値問題であるから︑ラグランジュの未定乗数法に

(12)

である︒

 ゆえに時点rで出生したものの時点?︵Ⅳり︶において生存しているものの総数は がえられる︒

 ㈲ 集計の問題

 つぎにこれらのミクロ的個人の消費量を各時点ごとに集計して︑各時点における社会全体のアグレゲートな消

費量を求めてみよう︒

 いま時点0における出生数哨︵o︶を1とすれば︑時点?における出生数は

−12−

とかくことができる︒

したがって︵Fり︶から とおくと

(13)

‑ 13 ―

である︒  つぎに時点t^におけるX才の消費量は︑定理一により である︒        り 時点rにおけるx才の労働所得はy︵T。 x︶であるから︑時点zにおける労働所得総額いは       り ゆえに時点jにおける人口総数心は

(14)

― 14 ―

とかくことができて︑77は とかくと︵Fに︶は とかくことができる︒

 さらに である︒したがって       j ゆえに︑時点jにおける社会の総消費量印は

(15)

で与えられ︑特定時点Oに出生したものの出生時における消費量の現価との間には︑つぎの関係式 である︒  以上を定理の形でまとめよう︒        j 定理二 時点?における︑その社会の総消費量印と時点0において出生した個人が一生に消費する消費量の出

生時における現価との間に成立する関係式は である︒  特に黄金律径路では もしくは である︒  しかるに︑︵3.14︶は基本前提一により

(16)

である︒

 これまでの結果から︑sが所与の場合には各個人の一生を通じての消費効用を最大にとりながら︑各時点にお

ける一人当り消費を最大にするような人口と資本とがバランスしている経済径路は黄金律径路︿・″である︒しか

しもし各個人の一生を通じての消費最大を目途とするならば︑一般には必ずしも黄金律径路ではなく︑それは︑

77と一人当り消費量の相対的関係から黄金律径路︿だより小さいところのあるゐに対する黄金時代径路である︒

      四 人口の最適成長率決定モデル

 第三節のライフサイクル貯蓄モデルでは︑人口に課せられた条件は︑人口の成長率一定及び﹁死亡秩序﹂一定

であった︒そしてこれらの条件の下でその人口に対応して︑各個人の一生を通じての消費効用最大を目ざしなが

ら︑一方において︑たとえば︑各時点における社会の総消費量最大を達成するような経済成長径路すなわち黄金

律径路の成立を示してきた︒換言すれば︑当該人口に︑上述の二つの目標を達成させるための資本蓄積径路を提

示したわけである︒

−16−

が成立する︒ここで∬は

(17)

−17−

 さてここで問題は︑人口に課せられた条件についてである︒これらは︑単に︑成長率及び死亡秩序がそれぞれ

一定というにすぎないから︑一応両者については選択の自由があることになる︒しかし死亡秩序は︑前述したよ

うに︑今日の経済先進地域では最低水準にあるとみられるから︑選択の方向は水準を高める余地しか残されてい

ない︒したがって死亡秩序については選択の自由がないことは自明の事柄で︑唯人口成長率をいかに選択すべき

かの問題が残されていることになる︒

 これまでのモデルの展開を一見してわかることは︑個人にとっては︑﹁一生を通じての消費効用最大﹂︑社会全

体としては﹁消費量最大﹂を達成目標としてとり上げ︑しかも黄金律径路によって達成の可能性が示された︒す

なわち当該人口の希求すべき経済環境は完備されたとみてよいのではないか︒もしこの事柄が承認されたとすれ

ば︑残る問題は人口の包蔵するエネルギーの健全な発展以外にはないと信ずる︒なぜなら︑昨今等しく反省され

ているように︑経済の高度成長が即社会の福祉厚生にはつながらないからである︒このような観点から︑筆者

は︑ここで人口の﹁負担率﹂という概念を導入しよう︒

 まずわれわれは人口を三つの年令階級︵○|一五才未満︶︵一五−六五才未満︶および︵六五才以上︶に区分したと

き︑︵一五|六五才未満︶いわゆる生産年令人口階級が社会発展の原動力であり︑その他の年令階級は︑いわゆる

被扶養階級であると考えてよいであろう︒もし幼少年令や老今にある人びとと生産年令にある人びとの間に何等

の差別を設けないとするならば︑つぎの割合

(18)

と定義しよう︒

   j 式中収は︑x才人口の真性労働力化率であり︑?に関係なく一定と仮定しよう︒久ひM︶は時点jにおける

X才の消費量である︒このように時点?における各才の消費量をウェートにとったのは︑それぞれのJ才人口が

経済社会において担っている責任や活動を果すために摂取したり︑身につけたり︑その他の欲求に支出されると

ころの消費であるから︑彼等の社会的活動のもととなるエネルギーの表徴であると理解するのである︒これを単

に経済的な消費とみて働き手の経済的な負担率とみる場合には︑仮性非労働力人口をとることが適切であること

は明らかであるけれども︑その考え方には立脚していないわけである︒

 さらに︵ら・とを負担率として定義した理由をくりかえして述べれば︑社会活動の根源は︑生産年令人口のう を負担率と定義することにしよう︒

 しかし実際には︑年令によってウェートを付けるのが実態にマッチしたやり方であることは自明であるし︑病

気その他の理由で身体的条件により労働に堪えられない真性非労働力人口︵通学家事労働その他の理由によるものは

削除︶も被扶養人口に算入すべきであろう︒この見地から︑負担率をより現実的につぎのように定義しよう︒

 負担率の定義 時点丿心における負担率を

−18−

(19)

ととると︵?に︶ により ち真に社会活動に参加しうる人びとであると考え︑一般に統計的に在学︑家事︑その他の︑病気等の身体的条件 以外の理由によって労働力を労働市場に供給する意思をもたないもの︵例えば家庭の主婦等︶を非労働力人口とは 考えない︒これは真の意味での非労働力人口ではなく︑仮性非労働力と考え︑社会的︑経済的活動の棍源を担な りものと解釈するわけである︒  負担率の定義式の分母は︑正にその社会的︑経済的活動の根源的エネルギーを表現しているわけである︒これ

に対して分子の︑一五才未満人口階級の消費は︑将来の社会的経済的活動に参加するための準備としてのエネル

ギーの補給段階であり︑それぞれの時点におけるその年令階級に補給されるべきウェートを表示しているとみる

べきである︒また分子の︑六五才以上人口は︑すでに社会的経済的活動を終えて隠退するのが正常の状態と考え

る人びとに補給されるべきエネルギーを表示するウェートと考えられよう︒また真性非労働力人口に対しても同

様の解釈がなされよう︒上述の意味で分子は︑分母の真性生産年令人口がもつエネルギー的ウェートのうちから

さいて投入すべき負担部分であると考えるのである︒そしてこの負担割合が︑負担率として表現されているわけ

である︒

 しかし真性労働力人口階級にとっては︑この負担率を許される範囲内で最小にすることが︑社会的経済的活動

の源泉を保蔵する意味で必要不可欠な条件と考えるのである︒

 ここでわれわれは︑負担率を具体的な形にとるために︑︵に・︷0︸の効用関数を特定化して

−19−

(20)

である︒

 したがって時点?におけるJ才の消費量は︑時点0における対応するZ才のそれに対して技術進歩率附で消費

水準が一様に上昇していることになる︒この場合における

     ら宵︶

は︑それぞれの経済社会に固有の各i才の消費量を決定している潜在的効用関数にかかわる母数︵parameter︶で

あって︑それぞれの社会の年令別の消費構造を決定している決定因子である︒しかもモデルでは各才の効用関数

が固定的に与えられているから︑この母数も固定的である︒そして各時点における各才の実際の消費量の相対関

数は︑この母数によって決定され︑異時点における消費量は技術進歩率?によって水準が推移していることにな

−20−

すなわち である︒  したがって時点〜においてx才のものの消費量は ここで

(21)

を満足しなければならない︒しかも負担率の定義式から明らかに条件︵ら・に︶は充分条件でもある︒

 そこで︵4・に︶を微分して で定義することになる︒

 この負担率を最少にするような人口成長率・″をわれわれは︑最適人口成長率と考えるのである︒

 したがって最適成長率・ガは に関連させて谷ごは いまこの母数00を用いて負担率隅を︑0時点における人口の年令構成

−21−

(22)

−22−

によって求められる︒

 この万をわれわれは最適出生率︵〇唇mum Birth Rate︶と名づけよう︒この最適出生率こそ家族計画が最長目 をうる︒       り 条件式︵ら・a︶は︑負担率最小を与えるところの人口成長率一万が︑働き手︵x才︶の○をウェートにとった重

みつき平均年令を︑被扶養人口︵J才︶の同じく○を重みとする重みつき平均年令に等しくするような人口成長

率であることを示している︒そしてこの・ガに対応する出生率・ひは ゆえに︵4w︶を0とおいて最小値を与えるところの″が満足すべき関係式を求めると

(23)

−23−

によって与えられる︒

      五 数  値  例

 われわれは︑わが国の現状をふまえて︑数値例を設定してみることにする︒

 まず﹁死亡秩序Lについては︑人口問題研究所の第23|25回簡速静止人口表︵生命表︶により︑昭和四十四年四

月一日から同四十七年三月三十一日までの三ヵ年間の平均的な﹁死亡秩序﹂を基礎にとった︒しかも簡単のため       り ととるとき︑各時点の年令別消費構造を決定する母数収が存在する︒この母数を重みとする被扶養人口の平均年 令が真性生産年令人口の同じく吠を重みとする平均年令に等しくなるような人口成長率・″が︵ら・ごで定義され る負担率を最小にするのである︒もし・ガが負の場合には︑・万を0とする︒この一万が人口の最適成長率で︑それに 対応する最適出生率みは 標とすべき出生率なのである︒しかしここで求められたI″は常に正であるとは限らない︒その場合には別の観点 から・ガを0とすべきだと考えたい︒

 以上の事柄を定理三としてまとめておこう︒

 定理三 ぷ才の人口の潜在的消費効用関数を特に

(24)

標 指 算 計 の 種 各

表 1第

−24−

て︑昭和三十六年に︑筆者が推算した消費単位から概

算した非農家世帯の消費単位である︒

 第1表を用いて概算した結果を示せば︑第2表のと

おりである︒

第2表 最適人口成長率︵‰︶ に男子人口について計算することにした︒そこで同表により︑男子の23−25回の三ヵ年の五才階級︵六十五才以上 一括︶別の静止人口数︵ふ︶の算術平均を基礎にした︒第1表の②相がそれである︒  印相は真性労働力化率︵推算︶で︑昭和四十五年の国勢調査結果によるところの男子の労働力化率を仮性的と

し︑それにより形式的に推計したものである︒

 最後に㈲欄の各五才階級における消費単位は︑労働科学研究所編﹁日本の生活水準﹂の最低生活費を参照し

(25)

−25−

....

..mp

....

.

:w. 3    Tobin。  j.。 Life Cycle Savi品and  Balanced  Growtil。   Ten  Economic  Studies   intrμぶ良三呂0f Irvmg

  Fisher。  John Willey & Sons。  Inc.。 1967。  chapter 9。  pp.231‑256.

S    Phelps。  E.S.。 Golden Rules of Economic GroWth。  W.W. Norton &company。  Inc.。 1966。  Part 1。  pp.3‑

  15.

CO 年令別死亡率一定を仮定している根拠は一九七一年の国連のDemographic YearBoorのつぎの統計表

(26)

  pp. 344‑353.

■p' 高木尚文﹁人間の貨幣価値﹂︑明治学院論叢﹁経済研究﹂第六十三号︑三十一︱六十八頁︑労働科学研究所編﹁日本

  の生活水準﹂昭和二十四年︒

      j ㈲ 負担率を定義するための各才のウェートを例えば︑消費効用関数の収とか︑J才の最低生存消費量にとることも考え

  られる︒

㈲ 第23−25回簡速静止人口表︵生命表︶厚生省人口問題研究資料一九六︑一九八︑一九九号︒

㈲ 高木尚文﹁人間の貨幣価値﹂︑明治学院論叢﹁経済研究﹂第六十三号︑三十一−六十八頁︒

  労働科学研究所編﹁日本の生活水準﹂︑昭和二十四年︒

      ︵本研究は三鳥海雲記念財団の研究奨励金による研究の一部である︶

−ヽ26−

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