はじめに ~本書のねらい~ 本書は、FP技能検定「精選問題&模擬問題」シリーズにおけるFP技能士 2 級実技試験(個人資産相談業務)対策問題集です。FP技能検定「精選問題&模 擬問題」シリーズは、FPとして習得しなければならない基本の基本から、FP としての最上級の知識及び技能までを、無理なくステップ・アップしながら習得 することができるように、かつ、効率よく短期間において習得し、試験に合格す ることができるように執筆しました。 FP技能士 2 級実技試験においては、「使えるFP技能」が試されているとい えます。学科試験において問われる内容は、どちらかといえば知識に重点が置か れていますが、実技試験においては、習得した知識を実際に活用することができ るか、計算することができるかという技能が問われます。試験合格後におけるF P資格の活用を考えますと重要な内容です。 かつて、FP技能士 2 級実技試験は、比較的合格率が高く推移していたことか ら、受検対策の必要性は低いと思われていた時期がありました。しかし、FP知 識・FP技能を使いこなすためには相応の能力が必要であり、最近では、準 1 級 とでもいうべき難易度の高い問題も少なくありません。FP技能士 2 級実技試験 の受検対策を効果的に進めるためには、試験における出題頻度の高い項目を知 り、出題頻度の高い項目を重点的に学習することが重要です。重要項目を反復し て学習していただくことにより、使えるFP技能を身につけることができ、かつ、 試験の合格を手中にすることができるのです。これが本書のねらいです。 どうぞ本書を活用されて、FP技能検定試験に一発で合格していただき、合格 された後、更なるステップ・アップを通じて、真にお客様のためになるFPとし て、各方面の第一線でご活躍されることを祈念します。 2018年 6 月 株式会社ラピュータ ファイナンシャル アドバイザーズ
本書の使い方 ... V FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定について ... X 正解・解説 ... 157 巻末資料 ... 173 ... 143 精選問題 模擬問題 ライフプランニングと資金計画 ... 3 金融資産運用 ... 37 タックスプランニング ... 61 不動産 ... 89 相続・事業承継 ... 115 A分野 C分野 D分野 E分野 F分野 目次 ※「個人資産相談業務」対応 ※「個人資産相談業務」対応 【おことわり】 本書では、「個人資産相談業務」実技試験における過去 3 年間において、B分野(リスク管 理)からの出題はなされていないことに考慮し、あえてB分野(リスク管理)の問題は掲載し ておりません。
V
本書の使い方
出題アラーム一覧表を確認する 学習のポイントを確認する 精選問題に取り組む 「精選問題の前に」をチェックする 精選問題の正解・解説をよく確認する 模擬問題にチャレンジ 模擬問題の正解・解説をよく確認する 受 検見事に合格!
まずは
各分野
続いて
V III 出題アラーム一覧表 分野 ’18年度出題 アラーム 項 目 ’17年度 ’16年度 ’15年度 ’18年 1 月’17年9 月’17年5 月 ’17年1 月’16年9 月’16年5 月 ’16年1 月’15年9 月’15年5 月 A ☆☆☆ ファイナンシャル・プランニングと倫理 A ☆☆☆ ファイナンシャル・プランニングと関連法規 A ★☆☆ ライフプランニングの考え方・手法 ○ ○ ○ A ★★☆ 公的医療保険 ● ● ○ ○ ● ○ ● A ☆☆☆ 公的介護保険 A ☆☆☆ 労働者災害補償保険・雇用保険 ● ● ● A ★☆☆ 公的年金-全般 ● ● ● ○ ● ● A ★★★ 公的年金-老齢給付 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ A ☆☆☆ 公的年金-障害給付 A ★★☆ 公的年金-遺族給付 ◎ ○ ○ A ★☆☆ 企業年金(財形貯蓄・国民年金基金等を含む) ○ ○ A ☆☆☆ 年金と税金 A ☆☆☆ ライフプラン策定上の資金計画-住宅 A ☆☆☆ ライフプラン策定上の資金計画-教育 A ☆☆☆ ライフプラン策定上の資金計画-老後 C ☆☆☆ マーケット環境の理解 C ☆☆☆ 預貯金等 C ★★★ 投資信託(上場投信を含む) ○ ○ ◎ ○ ● ● C ★★☆ 債券投資 ○ ◎ ● C ★☆☆ 株式投資 ● C ★★☆ 外貨建て商品 ◎ ◎ C ☆☆☆ 金融派生商品 ◎ C ★★☆ ポートフォリオ運用 ○ ○ ● C ★★★ 金融商品と税金(利子所得・配当所得を含む) ◎ ● ● ○ ○ ◎ ◎ ● C ☆☆☆ セーフティネット C ☆☆☆ 関連法規 D ★★☆ 所得税の仕組み ● ● ● ● ○ ○ ◎ ● ● D ☆☆☆ 各種所得の内容-不動産所得 D ☆☆☆ 各種所得の内容-事業所得 D ☆☆☆ 各種所得の内容-給与所得 ● D ★★☆ 各種所得の内容-退職所得 ◎ ◎ ◎ ◎ D ☆☆☆ 各種所得の内容-その他の所得 ● D ☆☆☆ 損益通算 ● ● ● D ★★★ 所得控除 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ● ● ● D ☆☆☆ 税額控除(住宅ローン控除等) ○ D ★★☆ 所得税の申告と納付(青色申告を含む) ○ ○ ◎ E ★☆☆ 不動産の見方・動向(不動産の価格・登記を含む) ● ● E ★☆☆ 不動産の取引-売買(宅建業法を含む) ● ● ○ ● ○
本書の活用法 I X 分野 ’18年度出題 アラーム 項 目 ’17年度 ’16年度 ’15年度 ’18年 1 月’17年9 月’17年5 月 ’17年1 月’16年9 月’16年5 月 ’16年1 月’15年9 月’15年5 月 E ★☆☆ 不動産の取引-賃貸(借地借家法) ● ○ ● ● ○ E ★★★ 都市計画法・建築基準法 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ E ☆☆☆ 不動産に関するその他の法令上の規制 E ★★☆ 不動産の取得に係る税金 ○ ○ ○ ● ○ E ☆☆☆ 不動産の保有に係る税金 ● ● E ★☆☆ 不動産の譲渡に係る税金-全般 ○ ○ E ★★☆ 不動産の譲渡に係る税金(居住用不動産) ○ ○ E ☆☆☆ 不動産の譲渡に係る税金(居住用不動産以外) E ☆☆☆ 不動産の有効活用 E ☆☆☆ 不動産の証券化(投資判断・不動産投資信託を含む) F ☆☆☆ 贈与と法律 F ☆☆☆ 贈与と税金 ○ F ★☆☆ 相続時精算課税 F ★★☆ 相続と法律(遺言・遺贈を含む) ◎ ● ● ○ ● ○ ● ○ F ☆☆☆ 成年後見制度 F ★★★ 相続と税金 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ F ☆☆☆ 相続財産の評価(不動産) ● ● ● F ☆☆☆ 相続財産の評価(取引相場のない株式) F ☆☆☆ 相続財産の評価(生命保険・その他) ● ● F ☆☆☆ 事業承継対策 ●問題・解説の法令基準日について 本書の精選問題・模擬問題及びこれらの解説は、2018年 4 月 1 日現在の法令に基づい ています。なお、2018年10月 1 日などの法令基準日に基づく内容変更が生じた場合は経 済法令研究会ホームページ(https://www.khk.co.jp/)に掲載いたします。
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A分野 学習のポイント
A分野において特に出題頻度が高いのは「公的医療保険(具体的にはサラリーマン 等を退職した後の公的医療保険)」、「公的年金(具体的には老齢年金の仕組み)」です。 公的医療保険については、サラリーマン等を退職した後の公的医療保険の選択(国 民健康保険の被保険者になるという選択、任意継続被保険者になるという選択、家族 の健康保険の被扶養者になるという選択)を中心に、よく確認しておきましょう。 老齢年金の仕組みについては、サラリーマン等を退職した後に受け取ることができ る老齢年金の仕組み、すなわち、65歳未満における特別支給の老齢厚生年金、65歳以 降における老齢基礎年金及び老齢厚生年金の仕組みをよく理解しておきましょう。ま た、老齢年金については、各計算式を用いて具体的に年金額を計算することができる ように、計算方法をよく理解しておきましょう。 上記のほか、係数表を用いた計算問題、遺族年金に関する出題が多いので、よく確 認しておきましょう。 「Attention!」 最近の実技試験においては、実技試験に特有の計算問題等を確実に得点する必要が あるほか、付随する正誤問題等において問われる知識の難易度が高くなっています。 したがって、学科試験対策を一通り終えてから、実技試験対策を進めていただくこと が効果的です。既に学科試験を合格されている方は、いま一度、学科試験において学 んだ知識を復習してから、実技試験対策に進まれることをお勧めします。5 ライフプランニングと資金計画 分 野
A
精 選 問 題A分野 精選問題の前に
A分野においては、以下の内容を確認のうえ、精選問題に進みましょう。 ●ライフプランニングの考え方・手法 ●係数表 FPが行う計算には、現在の金額を複利運用した場合に将来の元利合計額はいくら になるかという計算(現在→将来)、現在の金額を複利運用しながら定期的に取り崩 す場合にいくらずつ取り崩すことができるかという計算(現在→定期金)等の計算が ある。いわば、FPが行う計算においては、「現在」と「将来」と「定期金」という 要素を行ったり来たりするのである。このような計算(複利計算)を行うに際し、係 数表を活用すると便利である( 6 つの係数表は巻末資料として掲載している)。①現 在→将来の計算においては終価係数、②将来→現在の計算においては現価係数、③定 期金→将来の計算においては年金終価係数、④将来→定期金の計算においては減債基 金係数、⑤定期金→現在の計算においては年金現価係数、⑥現在→定期金の計算にお いては資本回収係数を用いることができる。 ●公的医療保険 ●公的医療保険の仕組み 公的医療保険については、国民皆保険が採用されている。すべての人が、必ず、い ずれかの公的医療保険に加入しなければならず、会社員等は健康保険に加入し、自営 業者等は国民健康保険に加入する。会社員等が加入する健康保険には、全国健康保険 協会が運営する健康保険(協会けんぽ)と組合健康保険の 2 種類がある。自営業者等 が加入する国民健康保険には、市町村(特別区を含む)が運営する国民健康保険と国 民健康保険組合が運営する国民健康保険(一部の業種に限られている)の 2 種類があ る。 ●サラリーマン等を退職した後の公的医療保険の選択 サラリーマン等を退職した後の公的医療保険の選択においては、①国民健康保険の 被保険者になるという選択、②任意継続被保険者になるという選択(退職後 2 年間)、 ③家族の健康保険の被扶養者になるという選択がある。②任意継続被保険者となるた めには、被保険者期間が退職による資格喪失日の前日まで継続して 2 ヵ月以上あるこ とが要件とされ、退職による資格喪失日から20日以内に、住所地の全国健康保険協会16 次の設例に基づいて、下記の各問(〈問 1 〉~〈問 3 〉)に答えなさい (2016年 9 月試験・改題)。 会社員のAさんは、妻Bさんとの 2 人暮らしである。Aさんは、大学 卒業後から現在に至るまで、X社に勤務している。Aさんは、平成30年12月 10日にX社を満60歳で定年退職する予定であり、その後、再就職はせずに、 妻Bさんの就業を支えたいと考えている。そこで、Aさんは、退職後の社会 保険制度について詳しく知りたいと考え、ファイナンシャル・プランナーに 相談することにした。Aさん及び妻Bさんに関する資料は、以下のとおりで ある。 〈Aさん及び妻Bさんに関する資料〉 ●Aさん(会社員) 生年月日:昭和33年12月10日 厚生年金保険、全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入中である。 〔公的年金の加入歴(見込みを含む)〕 ●妻Bさん(会社員) 生年月日:昭和41年 4 月15日 厚生年金保険、全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入中である。 〔公的年金の加入歴(見込みを含む)〕 ※妻Bさんは、現在及び将来においても、Aさんと同居し、生計維持関係に あるものとする。 Question
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設例 設例 昭和53年12月~昭和56年 3 月 (28ヵ月) 国民年金任意未加入 昭和56年 4 月~平成15年 3 月 (264ヵ月) 厚生年金保険 平均標準報酬月額 300,000円 平成15年 4 月~平成30年11月 (188ヵ月) 厚生年金保険(加入見込みを 含む) 平均標準報酬額 400,000円 昭和61年 4 月~平成元年 3 月(36ヵ月) 国民年金任意未加入 平成元年 4 月~平成 3 年 7 月(28ヵ月) 厚生年金保険 平成 3 年 8 月~平成22年 3 月(224ヵ月) 国民年金第 3 号被保険者期間 平成22年 4 月~平成38年 3 月(192ヵ月) 厚生年金保険(加入見込みを含む)17 ライフプランニングと資金計画 分 野
A
精 選 問 題 ※Aさん及び妻Bさんは、現在及び将来においても、公的年金制度における 障害等級に該当する障害の状態にないものとする。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。 問01
Aさんが60歳でX社を退職し、その後、再就職しない場合に、原則として、65歳から受給することができる老齢厚生年金の年金額(本来水準の年 金額、平成30年度価額)を求めなさい。また、計算過程を示しなさい。計算にあ たっては、設例及び下記の資料を利用すること。 〈資料〉 老齢厚生年金の年金額 下記、老齢厚生年金の計算式のⅰ)+ⅱ)+ⅲ) 老齢厚生年金の計算式 ⅰ)報酬比例部分の額(円未満四捨五入)=①+② ①平成15年 3 月以前の期間分 平均標準報酬月額× ×平成15年 3 月以前の被保険者期間の月数 ②平成15年 4 月以後の期間分 平均標準報酬額× ×平成15年 4 月以後の被保険者期間の月数 ⅱ)経過的加算額(円未満四捨五入)=1,625円×被保険者期間の月数- 779,300円× ⅲ)加給年金額=389,800円(要件を満たしている場合のみ加算すること) 問02
ファイナンシャル・プランナーは、Aさんに対して、退職後の公的医療保険制度について説明した。ファイナンシャル・プランナーが説明した以 下の文章の空欄①~③に入る最も適切な語句を答えなさい。 X社を退職した後における公的医療保険制度への加入については、国民健康保 険に加入する、退職時の健康保険に任意継続被保険者として加入する、妻Bさん の健康保険の被扶養者となる、などの選択肢がある。退職時の健康保険に任意継 続被保険者として加入する場合、原則として、退職日の翌日から( ① )以内 7.125 1,000 5.481 1,000 昭和36年 4 月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数 加入可能年数×12●執筆者、執筆協力者 紹介 ●長尾 数馬(ながお かずま) 株式会社ラピュータファイナンシャルアドバイザーズ代表取締役。1957年生まれ。上智 大学法学部卒業。欧米外資系銀行の外国為替資金証券部において、外国為替チーフディー ラー、為替資金部長、バイスプレジデントを歴任。事業法人・医療法人等の財務顧問を務 め、弁護士・税理士等とのプロフェッショナルファームを率いる。 ●川﨑 誠(かわさき まこと) 株式会社ラピュータファイナンシャルアドバイザーズ取締役、事業統轄本部長。1975年 生まれ。筑波大学第一学群社会学類法学専攻卒業。森・濱田松本法律事務所における国内 法務パラリーガル部門勤務を経て、同社に参画。コンサルティング事業のほか、不動産事 業、生命保険・損害保険事業を管掌。 ●伊藤 康典(いとう やすのり) 株式会社ラピュータファイナンシャルアドバイザーズ顧問弁護士。1975年生まれ。東京 大学法学部卒業。弁護士登録後、東京銀座の坂東総合法律事務所にて、不動産仲介会社、 デベロッパー、損害保険会社等の法律顧問業務に従事。遺言・相続等、財産管理関連の案 件にも注力。2014年、横浜みなとみらい法律事務所を設立し、所長。 ●延平 昌弥(のぶひら まさや) 税理士延平昌弥事務所代表。1963年生まれ。北海道大学経済学部経済学科卒業。味の素 ゼネラルフーヅ株式会社、都内大手会計事務所勤務を経て、2001年に税理士延平昌弥事務 所を開業。税理士、米国公認会計士。 ●小野 温代(おの はるよ) 中央大学法学部卒業。社会保険と労働法務を中心に、他の専門家と協働してコンサルティ ング業務に従事している。 1 級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、特定社 会保険労務士。
●著者紹介 ●株式会社 ラピュータ ファイナンシャル アドバイザーズ http://www.laputa2000.co.jp/ 2000年設立。顧客の要望に応じたオーダーメイドの総合資産管理コンサルティング・ サービスを提供する。個人の顧客に対しては、金融資産運用、海外資産管理、保険設計、 不動産有効活用等のファイナンシャル・プランニング業務を通じ、次世代にまで及ぶ長期 的な視点からの資産管理サービス(ファミリーオフィス業務)を実践する。また、中小企 業、医療法人等の法人の顧客に対しては、財務コンサルティング・サービスを提供すると ともに、横浜みなとみらい法律事務所、税理士延平昌弥事務所等と「LFAプロフェッショ ナルファーム」を構築し、財務戦略、事業承継、医療福祉施設プロジェクト等により、問 題の解決を図る。また、エグゼクティブ・コーチングを実践するSNAコーチング協会を 運営し、次世代経営者の育成にも注力している。金融商品取引業者(投資助言業・関東財 務局長(金商)第1139号)、宅地建物取引業者(東京都知事⑴第97121号)。 ラピュータ ファイナンシャル アドバイザーズの講師陣は、2004年から、全国各地の金融機 関及び主要都市の公開会場において、本問題集(本問題集の前身となったオリジナル教材)を 用いたFP受検対策講座の講師を担当しています。出題傾向の徹底分析に基づく受検対策講座 を実践し、多くの受講者にご参加いただき、また、多くの方から合格のご報告をいただいてお ります。 FP技能士 2 級 実技(個人資産相談業務)