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情報セキュリティというのは、いたちごっこになると思う

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Academic year: 2021

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(1)

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 情報セキュリティ政策会議 第 23 回会合 議事要旨

1 日時

平成 22 年 5 月 11 日(火) 08:35~08:55

2 場所

総理大臣官邸 2 階小ホール

3 出席者(敬称略)

平野 博文 内閣官房長官

川端 達夫 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)

中井 洽 国家公安委員会委員長 原口 一博 総務大臣

直嶋 正行 経済産業大臣 北澤 俊美 防衛大臣

(※楠田 大蔵 防衛大臣政務官代理出席)

黒川 博昭 富士通株式会社相談役 土屋 大洋 慶応義塾大学大学院准教授

野原 佐和子 株式会社イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長 前田 雅英 首都大学東京法科大学院教授

村井 純 慶應義塾大学教授 (その他出席者)

松野 頼久 内閣官房副長官 松井 孝治 内閣官房副長官 瀧野 欣彌 内閣官房副長官 古川 元久 内閣府副大臣 津村 啓介 内閣府大臣政務官

4 議事概要

(1) 国民を守る情報セキュリティ戦略について(決定)

(2) 第2次情報セキュリティ基本計画の進捗状況について(報告・決定)

(1)(2)について、資料配付の上、津村内閣府大臣政務官から説明が行われた。

(2)

(3) 出席者意見

(1)(2)について、出席者から以下のような意見が述べられた。

○ 政府機関の情報セキュリティ対策は民間会社と同じような形で進められていて、

非常に良いやり方であると思っている。平野官房長官が社長で、川端科学技術特命 担当大臣が副社長で、それぞれがリーダシップを発揮し、その下で計画を作成し、

PDCA を回し、変えるべきところは変えていく。そのようなやり方をしないとセキュ リティというのはうまく進まない。今回、サイバー攻撃等の観点から、もう一回考 えてやり方を見直すためには、非常に時宜を得た計画だと思っている。

○ 情報セキュリティというのは、いたちごっこになると思う。情報を提供する側、

あるいは使う側の権利義務関係をきっちり構築していく必要がある。全部政府が守 ろうとしても守れるわけがないと考えている。

○ 日本には 2,000 人くらい国際政治学者がいるが、情報やサイバーの専門家は 10 人程度しかいない。そういう面で、人数が少ない、日本の意識が低いと言える。

○ サイバー問題は、日本ではまだ意識されてないが、海外の学会等に参加すると必 ずサイバーの問題はホットなトピックとして論じられている。韓国、中国、アメリ カ、ロシアそれぞれのところで攻撃は行われているが、実際に亡くなった方がほと んどいないので、危機感がないが、これから必ず起こる問題である。

○ サイバー空間は「陸」「海」「空」「宇宙」に続く第 5 の新たな戦場だというこ とを申し上げたい。これは、アメリカの様々な報告書の中に書かれていて、非常に 意識が高まっていて、日本もこれに備えなければならない。今後ネット選挙が解禁 されると非常にやりやすいターゲットになると思う。そういう面では備えをしてい くということは、国家安全保障という点で非常に重要なことである。

○ 今回の「国民を守る情報セキュリティ戦略」というタイトルに中に入れていただ ているように、政府のセキュリティや重要インフラのセキュリティということだけ ではなく、個々の企業や個人に向けての政策を充実していくことが、非常に重要に なってきている。国民、利用者保護の強化という項目をしっかりと基準に据えてい ただいたということで、この形でぜひ進めていただきたい。しかし、利用者保護と いう言葉は、その裏に利用者は、保護すべき受動的存在であるというニュアンスが 歩いてしまって、自らが啓発されて、判断して行動する能動的な存在であるという 部分が、弱くなってしまうということを危惧しており、その点は変えていっていた だきたい。情報セキュリティというのは、完璧にはできないけれども、官民が協力 して持続的に取り組んで良い関係を作り、一緒に手を携えてやっていこうというス タンスを打ち出すことが、国民の啓蒙に対しては重要だと思う。

○ 企業、国民だけの話ではなく、効率を追求していくと、何が危険かという注意喚 起の問題と、どうしたら良いかという対策という、入り口と出口だけに集中して情 報を出すことで、ここが危険だからこれをやれというトップダウンで情報を流すと いうことが進んでいく。これは、効率的ではあるが、考えないで言われるままに動 く人間を官の中にも重要インフラの中にも、企業の中にも作っていくという危険も はらんでいる。個々のことをやるときに、それぞれがきちんと情報を取って、判断

(3)

して、適切な対策を主体的に実施していくという人を育てなくてはいけないという 観点から進めていただきたい。

○ 今回の戦略案については、基本的に賛成である。従来官民連携を基本に、非常に 地味ではあるが、一歩一歩積み上げてきたと思っており、テロ等を踏まえて、少し 方向を変えるというのは時宜を得た正しい修正であると高く評価する。やはり国際 的に一番光が当たる部分であり、すばやい対応であり、今までも、例えば児童ポル ノに対するブロッキング対策は、非常に早く対応したことが今後高く評価されてい くと思う。いずれにせよ、問題状況を踏まえた新しい対応をしているという点で今 回の案には基本的に賛成である。

○ 今回の戦略案では、国民が最高の情報通信技術を利用できる環境の対として、最 高の情報セキュリティ環境を日本で確立していくことが重要である。情報通信にお けるグローバルなバランスが非常に変わってきている。日本でのインターネット利 用者の数がアメリカの数を抜いたのは昨年のことだが、2006 年には日本語が 2 位だ ったインターネット上の言語が、中国語に抜かれた。その後日本語は、スペイン語 にも抜かれたが、それでも日本語は第 4 位の言語である。こうしたバランスがどん どん変わっていく一方、インターネット全体のグローバルな情報基盤を支える上で、

日本は大きな役割を果たしている。また、世界の経済や民主主義、資本主義という ものをオープンに支えられる基盤の責任を誰かがどこかで果たさなければならな い。それを果たしてきたのが主にアメリカ、ヨーロッパ、日本を軸にした関係機関 だが、急速に伸びる中国、アジアによってすっかりバランスが変わってしまってい る。たとえば技術標準であるとか、マーケット、それに情報基盤ポリシーなどに対 するグローバルな意見の変化が、急激に起こっている。この情報セキュリティ政策 の中で、特に関係大臣にお願いしたいのは、省庁の枠を超えて日本の明確なポリシ ーを用意し、それを、日米、日欧、そして日本とアジア、これらの大きな経済政策 を含めたダイアログの中にきちんと組み入れていくことで世界に対して日本の責 任を果たすということ。各国の政府は、欧米との関係を築く上で非常に明確な情報 セキュリティ、あるいは情報環境社会に対するポリシーをもって、ダイアログの基 盤としている。今、日本には太平洋の反対側を守るという大きな役割がある。

○ 国民一人一人が、情報通信技術を有効に利用し、使いこなして、いろんな課題を 解決する。個々から企業、そして社会全体が情報通信技術を有効活用できる社会が 当然、望ましい社会である。その前提として情報セキュリティの確保というものは、

必須のものである。そういう中で、このリスクを克服して情報通信技術の有効活用 に資するために、今回、「国民を守る情報セキュリティ戦略」が国民の視点を重視 するという立場に立って整備されたことは、非常に適切である。同時にこれを実現 していくためには、広く科学技術全体の側面と情報通信技術政策というものとの両 方が非常にリンクしているので、多様な要素の下で、しっかりと有機的に進んでい くよう、世界一安全安心なサイバー空間の利便性を享受できる国であるように努め て参りたい。

(4)

○ 「国民を守る情報セキュリティ戦略」には、大規模サイバー攻撃事態の対処態勢 の整備、情報収集、共有体制の構築・強化、サイバー犯罪に対する体制の強化など 盛り込まれています。国民が積極的に情報通信技術を利用できるためには、ID パス ワードに係る不正行為の防止をはじめ、情報セキュリティの確保が前提であり、警 察としましては、国際的な連携を一層推進するとともに、大規模サイバー攻撃事態 への迅速かつ的確な対処のための重要インフラ事業者との平素からの連携やサイ バー犯罪取締りのための体制を強化するなど、本戦略に盛り込まれた施策を積極的 に推進し、IT 利用における安心・安全の確保に努めて参りたい。

○ ネットワークは、村井構成員指摘のとおり、明確なポリシーとダイアログに基づ く国際連携が必要。一部の脆弱な国があれば、そこから食い破られる。5 月 3 日に 米国でFCCジェナカウスキー委員と会談、2 回目になるがサイバーセキュリティ に関する協力関係の構築について合意し、タスクフォースを4つ動かしている。さ らに、10 月に沖縄で開催される APEC 電気通信・情報通信産業大臣会合の活用など、

幅広い国際連携を推進していく。

○ 2015 年までの光の道構想、原口ビジョンを出している。ICT の活用により持続的 な成長を目指している。野原構成員指摘のとおり、人を育てないと守ることができ ない。すべての国民にアクセスでなくアダプション(adoption 利活用)を保証し、

新たな安全を享受することが大事。

○ 経済成長の鍵となる情報通信の利活用の基盤となる、安心安全な利用環境が不可 欠。前田構成員からブロッキングに関する指摘もあったが、国民 ID についても自 らの情報をコントロールできるといった原口 5 原則として出している。総務省とし ても積極的な情報セキュリティ対策を進めて参りたい。

○ 経済産業省では、これまで特にコンピュータウィルス対策等の事後対策を実施し てきたが、今日のこの政策会議で、大規模サイバー攻撃に対する政府全体としての 初動対処が新戦略に盛り込まれまして、そういう意味での事後対策がさらに強化さ れたということは、評価をしたい。その上で今後取り組んでいきたいことを含めて 申し上げると、ひとつはクラウドコンピューティングなる新しい IT の利用形態が 浸透、拡大しており、これへの対応である。

○ 攻撃手口が高度化しているといった問題がある。こういう中で引き続き、未然防 止することが非常に重要だと思っていまして、先ほど申し上げた状況を踏まえまし て、特に重要インフラ事業者である、電気、ガス事業者等と連携をし、また体力の 弱い中小企業等を支援するといった面で、未然防止面の対策をしっかり実施して参 りたい。

○ 本年 2 月のアメリカの国防省の 4 年後との国防計画の見直し QDR でも近年のサイ バー攻撃等がサイバー空間も含まれる国際公共財の安定に対する脅威となって拡 大しているという認識が新たに示されて、各国での取り組みが本格化しているとこ ろである。防衛省においても、サイバー攻撃対処を専門とする部隊を既に設けてお り、今年度末には、統幕にサイバー企画調整官を配置する。また、防衛大綱議論の

(5)

中でもしっかりとこれを位置付けて参りたい、議論して参りたいと考えている。今 後も各国との連携をさらに進めて、我が国の情報セキュリティについての更なる向 上に貢献して参りたい。

○ 「国民を守る情報セキュリティ戦略」は、まさに将来を見通した新たな情報セキ ュリティ政策の重点を示すものであり、今後の政府の政策の基本となるものである。

本戦略については、特に安全・安心な国民生活の実現を目指し、内閣官房が中心と なって、各府省庁の連携の下に着実に進めていく。このため各府省庁においては、

本戦略を実施するための具体的な施策を早急に検討していただき、6 月末に策定予 定の年次計画である「セキュアジャパン 2010」に盛り込んでいただきたい。閣僚各 位におかれても、担当府省庁の計画の策定状況をしっかりとチェック願いたい。な お、本戦略については、本日開催する IT 戦略本部において私の方から今日のこの 結果を報告し、同本部で決定予定の「新たな情報通信技術戦略」に盛り込みたいと 考えている。いろんなご意見がある。まさに、いたちごっこということもそうだと 思っているし、言語の問題も非常に大きな問題だと思う。そのようなことを十分に 踏まえて、セキュリティ対策をすることを最後に挨拶申し上げる。

(4) 政策会議決定

「国民を守る情報セキュリティ戦略」及び「第2次情報セキュリティ基本計画の進 捗状況」を政策会議決定とした。

- 以 上 -

参照

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