反応速度を用いる分析法
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(2) 表l 接触反応系を用いる無機化学種の定量. 分析種 Au(ⅠⅠⅠ). 指. 示. 反. 応. 譜幣 0.05〜5. Ce(ⅠⅤ)+Hg(I). Co(ⅠⅠ). 3,4−ジヒドロキシ安息香酸+H202. Co(ⅠⅠ). L−アドレナリン+H202. Cu(ⅠⅠ). Bindschedler. Cu(II). Bindschedler. Cu(ⅠⅠ). アスコルビソ酸+02. Fe(ⅠⅠⅠ). スルファニル酸+104▲. Ⅰ−. Ce(IV)+As(ⅠⅠⅠ). Ir. SbC16 ̄+NH20H. Ir(ⅠⅤ). マラカイトグリーン+104〝. Mn(ⅠⅠ) Mn(ⅠⅠ). 排水. 9). 吸光 河川水,海水,水道水. 10). 1.2〜50 0.6〜2.2. 吸光. 血清. 13). 吸光. 食塩. 14). 電位差 食塩 吸光 河川水,雨水. 15). 0.04′〜1.0 0.2〜24 0.05〜1.0. Ⅳ,ルジメチルサフェニレンジアミン. 8). 吸光 吸光. 0.024〜1.6. フグシソ+104−. Mn(ⅠⅠ). 吸光. 0.2〜10. ローダミソ6G+104 ̄. 6). 2.5〜70. 10〜400. クロルプロマジン+H202. 電気化学 鉱石. 0.15〜4.7. 10〜100. I−. 文献 7). 0.8〜6. sGreenロイコ塩基+H202. 料. 薬剤 人尿. 0.05〜1.0. sGreenロイコ塩基+H202. 試. 熱量 吸光. 1〜16. L−システイソ+02. Cu(II). 検出法. 標準溶液 Y系超伝導体. 11) 12). 16). 電気化学 標準溶液 蛍光. 17). 毛髪,尿,魚肉. 18). 電気化学 Al合金,排水. 19). 吸光 湖水,水道水,河川水. 20). 吸光. 21). +椚−フェニレンジアミン+H202 Mn(ⅠⅠ). 1アミノー8−ヒドロキシー7−(クーヒドロキシーフェニルア. 0.04′〜1.0. 水道水. ゾ)−3,6−ナフタレンジスルホン酸+H202 Mn(ⅠⅠ). 0.09〜8.0. 2,3−ジヒドロキシナフグレン+H202. 1.0〜50. Mo(ⅤⅠ). Ⅰ ̄+H202. Mo(ⅤⅠ). Ⅰ▼+H202. 2′〜150. NO2−. ピロガロールレッド+BrO3 ̄. 3〜1000. NO2−. 7ェノサフラニソ+BrO3 ̄. NO2− Pb(ⅠⅠ) Ru(ⅠⅠⅠ) Se(ⅠⅤ) Ⅴ(IV,Ⅴ) V(ⅠⅤ,Ⅴ) Ⅴ(ⅠⅤ,Ⅴ). 0.9〜13.8 0.18〜18.4. メチルオレンジ+BrO3 ̄. 2〜18. ピロガロールレッド+S2082▼. 0.08〜2.52. ローダミソB+104■. 5/〜800. ヒドラジン+BrO3. Bindschedler. 0〜0.05. sGreenロイコ塩基+H202. 0〜50. グロモトロープ酸+BrO3▼. 0.2〜150. クロルプロマジン+BrO3 ̄. 吸光 水道水 吸光 植物 吸光 土壌 吸光 河川水,水道水,排水,湖水 蛍光 排水,河川水,食肉 電気化学 雨水,井戸水,河川水 吸光 標準溶液 電気化学 標準溶液 吸光 洗髪剤 吸光 標準溶液 熱量 エアロゾル 吸光 雨水,河川水. 22) 23) 24) 25) 26) 27). により酸化され赤色中間体(CPH*)を生成し,この中. 生反応である。CPHは臭素酸塩によっても酸化され. 間体は更に酸化され最終的には無色の化合物へと変化す. この反応には酸化数ⅠⅤあるいはⅤのバナジウムが触媒効. るとともに,この赤色中間体の生成反応はヨウ化物イオ. 果を示す33)。この接触反応経路に対して. ンの触媒効果を受ける16)。この中間体生成速度(斤)を. 5V(Ⅴ)+5CPH≠5V(IV)+5CPH*…………(5). 初速度法で解析した結果. 6H十十5V(ⅠⅤ)+BrO3 ̄ →5V(Ⅴ)+1/2Br2+3H20…………………(6). R=k。[CPH][H202][H+]+kc[H202][H+][Ir]. という機構が提案された。なお,この反応には酒石酸塩 という速度式が得られた。ここで,た。及びゐCは非接触. が活性化剤として働く。接触反応系に対する活性化剤の. 反応経路及び接触反応経路に対する速度定数を示す。こ. 作用機構がフグシソ104−−Mn(ⅠⅠ)系で検討された19)。. の速度式から接触反応経路に対して. フグシソ(FB)が過ヨウ素酸塩により酸化され無色の 生成物(P)を与える反応に,触媒として働くMn(ⅠⅠ). H++H202≠HOOH2+ Ⅰ−+HOOH2+→H20+HOI. が共存すると …………・……‥(3). Mn(ⅠⅠ)+1/2104−→Mn(III)+1/2103 ̄. CPH+HOIjCPH*+Ⅰ,. Mn(ⅠII)+FB→Mn(ⅠⅠ)+P. …(7). …………………(8). という機構が提案された。(2)は速い平衡反応,(3) という機構で反応が進行する。ここに活性化剤として働. が律速反応,(4)は中間体の生成反応並びに触媒の再 2g古. (56). ぶんせき1995. 4.
(3) くニトリロ三酢酸(NTA)を添加すると,その反応機. 3・2 多成分系での定量. 構は. 接触反応系を用いる複数成分の同時定量法の研究例は さほど多くはないが,そのうちの幾つかを紹介する。 Mn(II)−NTA+1/2IO4 ̄. pH2.1の塩酸酸性でのクロム(ⅤⅠ)とヨウ化物イオン →Mn(ⅠⅠⅠ)−NTA+1/2IO3▼………………(9). との酸化還元反応に対する誘導効果を利用した鉄(ⅠⅠ),. Mn(ⅠII)−NTA+FB→Mn(II)−NTA+P……(10). チタン(ⅠⅠⅠ)及びバナジウム(ⅠⅤ)の三成分同時定量法. となり,Mn(ⅠⅠⅠ)の不均化反応に伴う触媒活性のない. が報告された亜)。検出限界0・012膵/mlで2.2膵/mlま. Mn02の沈殿生成がNTAの共存により抑制されるた. での鉄(ⅠⅠ),検出限界0・020膵/mlで3.1岬/mlまでの. め,反応が加速されると説明された。このような分析反. チタン(ⅠⅠⅠ),検出限界0・018膵/mlで1.8岬/mlまで. 応の機構論的考察は,分析種に対する指示反応,触媒,. のバナジウム(ⅠⅤ)が同時定量できた。アルミニウムの. 活性化剤等の選定に有用な知見を提供するものとなろ. 共存許容量が極めて大きいので,この方法はアルミニウ. う。. ム合金中の上記3元素の定量に適用された。アスコル. 有機物が触媒効果を示す指示反応は比較的少ないが,. ピソ酸とD−フルクトースとを含む溶液にヘキサシアノ. −SHあるいは=S基を有する有機化合物は過酸化水素. 鉄(ⅠⅠⅠ)酸塩を加えると,アスコルビン酸は速やかに酸. による芳香族アミンの酸化反応を接触的に加速する。例. 化される。その後で,D−フルクトース5−デヒドロゲナ. えば,針フェニレンジアミンを用いた場合には,検出限. ーゼによる触媒効果を受けるD−フルクトースの酸化が. 界0・2膵/mlでチオ尿素が定量できた34)。又,1,2−ジ. 起こる41)。両反応の共通生成物であるヘキサシアノ鉄. ニトロベンゼンとホルムアルデヒドとの酸化還元反応に. (ⅠⅠ)酸塩を電流測定法で追跡することにより,かんき. 対する触媒効果を利用することにより,50nM〜叫M. つ類や野菜中のアスコルビン酸とD−フルクトースが同. の9,10−7ェナントロキノンが定量できた35)。. 時定量できた。なお,この方法では,酵素を固定した特. 接触反応系を用いる基質の定量については,過酸化水. 殊な自作の反応容器42)が使用された。硫酸酸性での過. 素の定量36)37)が挙げられる。例えば,過酸化水素によ. 酸化水素によるCPHの酸化反応に対する触媒効果に,. るクークレゾールの酸化反応ではヘマチンが触媒効果を. ヨウ素酸塩とヨウ化物との間で差がないことを利用した. 示す。この反応系を蛍光検出FIA法に応用することに. 両者の分別定量法が開発された43)。ヨウ素酸塩とヨウ. より0・1〜100匹Mの過酸化水素が定量できた36)。. 化物とを含む試料溶液に亜硝酸ナトリウムを加えてヨウ. 接触反応系を用いる活性化剤の定量については,アス. 化物をヨウ素に酸化した後,60℃の水浴上で45分間加. コルビソ酸の定量38)が挙げられる。臭素酸塩によるメ. 熱してヨウ素を揮発させ,最後に過剰の亜硝酸塩をスル. チルオレンジ(MO)の酸化反応ではバナジウム(Ⅴ). ファミン酸で分解する。このような前処理をした試料の. が触媒効果を示し,アスコルビン酸が活性化剤として働. 触媒効果を525nmでの吸光度の経時変化から追跡し,. く。MOの酸化生成物を単掃引オシロポーラログラフ法. 生成する赤色中間体の吸光度値からヨウ素酸塩を定量す. で追跡し,fixed−time法で検量線を作成したところ8〜. る。亜硝酸ナトリウム処理をしない試料溶液について同. 160ng/mlの範囲で直線性が認められた。この方法はト. 様な測定を行い,ヨウ化物とヨウ素酸塩の合量を求めれ. マトジュース中のアスコルビソ酸の定量に適用された。. ば,両者の差からヨウ化物が定量できる。この方法によ. 接触反応系を用いる阻害剤の定量については,有機リ. り,全ヨウ素として0.2〜5膵/1の範囲のヨウ化物とヨ. ン化合物の定量39)が挙げられる。ALベンゾイルーDL−ア. ウ素酸塩が,10%以内の誤差で分別定量できた。この. ルギニソーサーニトロアニリドの加水分解反応ではトリプ. 方法は河川水,地下水及び雨水中のヨウ化物とヨウ素酸. シンが触媒効果を示し,第三級ホスフィンオキシドがそ. 塩の定量に適用された。臭素酸塩によるフェノサフラニ. の阻害剤として働く。トリス(ヒドロキシメチル)アミノ. ソの酸化反応に対する触媒効果を利用した,硝酸塩と亜. メタン緩衝液中で,基質の加水分解生成物である♪−ニ. 硝酸塩の分別定量が報告された26)。銅処理したカドミ. トロアニリンの生成量が吸光光度法で追跡され,tan−. ウムを用いた還元カラムをFIAの流路に組み込み,こ. gent法で9種の第三級ホスフィンオキシドの阻害効果. の流路に硝酸塩と亜硝酸塩を含む試料溶液を通して硝酸. が検討された。この方法により,3匹Mまでのテトラフ. 塩を還元して両者の含量を求め,還元カラムを含まない. ェニルメチレンジホスフィンジオキシドが検出限界0.8. 流路で亜硝酸塩を選択定量し,これらの差から硝酸塩を. −Mで定量できた。. 定量する方法である。. ぶんせき1995. 4. (57). 2β7.
(4) 3・3 界面活性剤の利用. った性質を持つ複数の化学種を,前分離することなく定. 接触分析への界面活性剤の応用は比較的新しい研究分. 量できるという特長を持っている。このための手法とし. 野であるが,感度及び選択性の改善を目的とした研究が. ては,遅い反応成分を選択定量するための対数補外法,. 引き続き行われている。接触分析反応系にミセルが共存. 速い反応成分と遅い反応成分を同時定量するための直線. すると,①反応に関与する化学種とミセルとの相互作. 補外法が従来から用いられている。これらの方法が適用. 用によりミセル界面に反応物が濃縮されることによる感. できるためには,成分問にある程度以上の速度差のある. 度の向上,②指示反応がミセル相内で濃縮された状態. ことが不可欠となる。この欠点を克服する目的で,コシ. で起こる,すなわちミセル触媒作用が起こることによる. ピュークによるデータ処理法が検討されている。この点. 感度の向上,③反応を追跡するために用いる指示物質. にも触れながら,幾つかの研究結果を紹介する。. とミセルとの相互作用より吸光特性が変化することによ る選択性の向上等の効果が期待される。ベルオキソ二硫. 4・1単一成分の定量. 酸によるピロガロールレッド(PR)の酸化反応を用い. 2で述べたように,非接触反応系を用いて特定の化学. る鉛(ⅠⅠ)の接触分析におけるドデシルトリメチルアン. 種だけを定量する研究はさほど多くはない。. モニウムプロミド(DTAB)の効果28)では①が,過酸. 錯形成反応に基づく方法としては,アルミニウム. 化水素によるBindschedler,sGreenロイコ塩基の酸化. (ⅠⅠⅠ)とエリオクロムレッドBとの錯形成速度に対する. 反応を用いる銅(ⅠⅠ)の接触分析におけるDTABとドデ. 加速効果を用いるフッ化物イオンの定量45),組成比1:. シル硫酸ナトリウム(SDS)の効果11)では②が利用さ. 1:3のユーロピウム(ⅠⅠⅠトテノイルトリフルオロアセト. れた。これらについては本誌に既に紹介されている44). ンーテトラサイクリン混合配位子錯体の生成速度を用い. ので,説明は省略する。過酸化水素によるヨウ化物イオ. るテトラサイクリンの定量46),テレフタルモノヒドロ. ンの酸化反応を用いるモリブデン(ⅤⅠ)の接触分析にお. キサム酸との錯形成速度を用いるマンガン(ⅠⅠ)の定. けるセチルビリジニウムグロリド(CPC)の効果24)で. 量47)等の報告がある。このほかに,硫酸酸性でのニク. は,③と①とが利用された。すなわち,CPCの添加. ロム酸塩による酸化速度を用いる甲状腺症剤Carbima−. によるⅠ3−の吸収極大の長波長シフトが選択性の向上. zoleの定量48),抗うつ剤オキサゼパムの加水分解生成. に,モル吸光係数及びⅠ3−の生成定数の増大が感度の向. 物である2−アミノー5−グロロベンゾフェノンとトナフ. 上に利用された。この方法は,土壌の水に可溶な成分中. トールとのジアゾカップリング反応速度を用いるオキサ. のモリブデン(ⅤⅠ)の定量に適用された。過ヨウ素酸塩. ゼパムの定量49),Ⅳ一一プロモスクシソイミドのアルカリ. によるスルファニル酸(SA)の酸化反応を用いる鉄. 加水分解により生成する臭化物イオンとの反応速度を用. (ⅠⅠⅠ)の接触分析におけるCPCの効果13)では,①が利. いるビタミンB6群の一つであるピリドキシソの定量50),. 用された。CPCの共存により,鉄の触媒能が約5倍,. 塩酸酸性でのトルイジンブルーの還元速度を用いるアス. 感度が約7倍向上した。これは,活性化剤である1,10−. コルビン酸の定量51)等の報告がある。. 7ェナントロリン(phen)を含む三元錯体phen− Fe(ⅠⅠⅠ)−SAがミセル界面で生成するためであると説明. 4・2 多成分系での定量. された。. 二成分系で,共通の試薬との速度差を用いる一方の成 分の選択定量法及び両成分の同時定量法が幾つか報告さ. 表1の分析法には特異的な選択性を示すものがある。. れている。. 例えば,臭素酸塩によるPRの酸化反応を用いる亜硝酸. 4・2・1錯形成速度の差を用いる方法. 塩の接触分析25)では,0.4膵/mlの亜硝酸塩に対して. 界面活性剤. 106倍量の硝酸塩の共存が許容された。又,臭素酸塩に. TritonX−100の存在下で,ニッケル(ⅠⅠ)及びコバルト. ょるヒドラジンの酸化反応を用いるセレン(ⅠⅤ)の接触. (ⅠⅠ)と5−オクチルオキシメチルー8→キノリノールとの. 分析30)では,0.5膵/mlのセレン(ⅠⅤ)に対して200倍. 錯形成速度が検討された52)。界面活性剤濃度1.Owt%,. 量のセレン(ⅤⅠ)の共存が許容された。. pH7.0では,両錯体の生成速度には40倍の差があっ. 4. た。対数補外法により,2〜50匹Mの濃度範囲で濃度比 1:5と5:1の両金属イオンが同時定量できた。多成分. 非接触反応系. 非接触反応を利用する分析法の感度は接触分析法に比. 同時定量反応に対する界面活性剤の効果は,クロム. べるとさほど高くはないが,この方法は同族体,異性体. (ⅤⅠ),バナジウム(Ⅴ)及びチタン(ⅠⅤ)とPRとの反. あるいは周期表の同族元素のように化学的に非常に似通. 応についても検討された53)。pH3.5のフタル酸塩緩衝. 2gβ. (58). ぶんせき1995. 4.
(5) 液中では,クロムとの反応は酸化還元反応,バナジウム. と3−クロロフェノールとの組み合わせについては18:. との反応は主として酸化還元反応,チタンとの反応は錯. 2〜2‥18の濃度比での同時定量が可能であった。硫酸. 形成反応であるが,ドデシルトリメチルアンモニウムプ. 酸性でセリウム(ⅠⅤ)により酸化され蛍光生成物を与え. ロミドが共存するとバナジウムとの反応は律速段階が錯. る反応の速度差を利用する,抗菌剤アモキシリンとクラ. 形成反応に変わるとともに,チタン錯体の吸収極大は. ブラン酸との同時定量法が報告された62)。0.06〜15.0. 40mm長波長側へシフトした。このような反応経路と. 岬/mlのアモキシリン,0.10〜17.5膵/mlのクラブラ. 生成物の吸収スペクトルの変化を利用することにより,. ン酸について6:1と1:4の濃度比での同時定量が検討. 0・2〜0・8膵/mlのクロム,0.2〜1.6膵/mlのバナジウ. され 薬剤中での両者の定量に適用された。ベルオキシ. ム,0・2〜1.0−g/mlのチタンを含む三成分系でそれぞ. ダーゼ共存下での過酸化水素による酸化反応の速度差を. れの金属イオンが相対誤差6%以内で同時定量できた。. 利用する50〜15叫Mのカテコールと30〜18叫Mの. モリン錯体の生成速度と蛍光特性の差を用いることによ. レゾルシノールの同時定量法も報告された63)。. り,アルニミウム共存下で直線補外法によるガリウムと. 4・2・3 その他の反応. 配位子置換反応速度差を用. インジウムの選択定量法が報告された54)。錯形成時に. いる鉄(ⅠⅠⅠ),コバルト(ⅠⅠ),亜鉛(ⅠⅠ)の三成分系の同. おける反応速度差を利用した鉄(ⅠⅠ)及び鉄(ⅠⅠⅠ)の同. 時定量法が,1−(2−ピリジルアゾト2−ナフトールー4−ス. 時定量に最適なカテコール誘導体が検討された55)。. ルホン酸錯体とEDTA系64),エチレングリコール/ビス. 錯形成速度にあまり差がない金属イオンの同時定量の. (2−アミノエチルエーテル)−一郎∴Ⅳ∴Ⅳ二〟七四酢酸錯体と. 手法として,ダイオードアレイ検出器により多波長で吸. PAR系65)について検討された。これらの方法では,ダ. 光度の経時変化を測定し,それを適切な最適化モデルで. イオードアレイ検出器が用いられ 多波長での吸光度の. コンピュータ処理する方法が検討された。この方法は,. 経時変化がコンピュータ処理された。モリブデン酸塩と. 4−(2−ピリジルアゾ)レゾルシノール(PAR)との錯形. のヘテロポリ酸生成速度差を用いる,ヒ酸塩とリン酸塩. 成反応を用いる1〜5mg/1のガリウム(ⅠⅠⅠ)と20〜100. の同時定量法が報告された66)。0.5〜6膵/mlのと酸塩. mg/1のアルミニウム(ⅠⅠⅠ)を含む二成分系56),PARと. とリン酸塩について5:1〜0.3:1の濃度比で同時定量. の錯形成反応を用いる0.丹Mレベルのランタン(ⅠⅠⅠ),. できた。酵素反応速度差を用いる直鎖脂肪族アルコール. プラセオジム(ⅠⅠⅠ),ネオジム(ⅠⅠⅠ)の三成分系57),4−. の同時定量法が検討された。アルコールデヒドロゲナー. (1 月」1 ,2 ,4㌧トリアゾリルー3㌧アゾト2−メチルレゾル. ゼを用いる方法67)では,0.叫Mレベルのメタノール/ブ. シノールとの錯形成反応を用いるmMレベルのバナジ. クノール,エタノール/ブクノール,メタノール/プロパ. ウム(Ⅴ),コバルト(ⅠⅠ)の二成分系58),3−インドリル. ノールの二成分系が10%以内の誤差で同時定量でき. アセトヒ下ロキサム酸との錯形成反応を用いる膵/ml. た。アルコールオキシダーゼを用いる方法68)では,1〜. レベルの鉄(ⅠⅠⅠ),マンガン(ⅠⅠ)の二成分系59)に適用さ. 10匹Mの範囲のモル比にして25/1〜1/1のエタノール/. れた。. メタノール二成分系が,エタノールについては9%,メ. 4・2・2 酸化還元速度の差を用いる方法 塩酸酸性,. タノールについては5%以内の誤差で同時定量できた。. 鉄(ⅠⅠⅠ)共存下での3−メチルベンゾチアゾリソー2−オン. 5,5㌧ジチオビスー(2−ニトロ安息香酸)とシアン化物,. ヒドラゾンとの酸化カップリング反応速度差を利用し. 硫化物及び亜硫酸塩とが反応してチオール陰イオンを生. た,抗うつ剤イミプラミンとデシプラミンとの同時定量. 成する速度差を用いるこれら陰イオンの同時定量法が報. 法が報告された60)0この方法により,0・3〜7・0膵/ml. 告された69)。界面活性剤セチルトリメチルアンモニウ. のイミプラミンと0・3〜5.0膵/mlのデシプラミンにつ. ムプロミドの濃度とpHとを調節することにより,\. いて2:1〜1:8までの濃度比で両者が同時定量できた。. 0・05〜0・15mMのシアン化物,0・02〜9.1mMの硫化物,. リン酸塩緩衝液中,ヘキサシアノ鉄(ⅠⅠⅠ)酸塩共存下で. 0・02〜0.15mMの亜硫酸塩を含む二成分系が5%以内. のⅣ〃一一ジエチルセーフェニレンジアミンとの酸化カッ. の誤差で同時定量できた。. プリング反応速度差を利用したフェノール類の同時定量. 5. 法が報告された61)。この方法では,2・5〜25−Mのフェ ノール,1・25〜12・5匹Mの2−クロロフェノール,. おわ. り. に. 1992年の本誌総説に引き続いて,反応速度に基づく. 1・25〜17・5ドMの3−グロロフェノールについて,2−ク. 分析法に関する研究の動向を紹介した。この間に発表さ. ロロフェノールとフェノールとの組み合わせについては. れた関連文献は300報を超し,内容も多岐にわたって. 17.5:2.5〜2.7:17.5の濃度比で,2−クロロフェノール. いるので,誌面の都合上割愛せざるを得なかった部分も. ぶんせき1995. 4. (59). 2βタ.
(6) 266,43(1992).. ある。今回多くの文献を検索したが,①分析システム の制御やデータ処理等へのコンピュータの利用,②単. 29)Z.Jiang,L.Wang:Anal.Lett.,26,1967(1993)・ 30)A.Afkhami,A.Safavi,A.Massoumi:771kmia,39,993. 一分析楼器からの多数のデータと複数の分析機器を組み. (1992).. 合わせた多様なデータに基づく反応速度の解析,③化. 31)M.Sugiyama,T.Kou:Anal.Chim.Achl,261,189(1992)・. 学反応以外の過渡現象の利用等が,反応速度に基づく分. 32)J.Mateu,R.Forteza,V.Cerda,M.Colom−Altes:Anab,St. 析法に大きな役割を果たしつつある。感度,選択性に優. (London),119,1077(1994).. 33)S.Kawakubo,B.Liang,M.Iwatsuki,T・Fukasawa:. れた新しい化学反応系の開発とともに,上記の研究分野 の今後の進展を期待したい。. Ana&st(London),119,1263(1994)・ 34)Ⅰ.Y.Kharitonova,G.A.Zolotova,Ⅰ・F・Dolmanova:J. A〃α7.C九g刑.USS凡,47,273(1992).. 文. 献. 1)中野悪文,河嵩拓治:ぶんせき,1987,317・ 2)田端正明,中野恵文,河嵩拓治:ぷんせき,1988,347・ 3)阿部重書,遠藤昌敏:ぶんせき,1992,623・ 4)H.A.Mottola:Ana&st(London),118,675(1993)・ 5)H.A.Mottola,D.Perez−Bendito‥Anal・Chem・,66,131R. 35)N.Kiba,H.Suzuki,E.Goto,M.FuruSaWa:7bhmia,40, 405(1993).. 36)Z.Genfa,P.K.Dasgupta:Anal.Chem.,64,517(1992)・ 37)H.Chung,P.K.Dasgupta,J.N.Marx:7blanta,40,981 (1993).. 38)Z.Jiang,A.Liang:Anal.Chim.Acta,278,53(1993)・ 39)J.N.Shekhovtsova,A.A.Ramizova,Ⅰ.F・Dolmanova:J. (1994). 6)Z.Jiang:7blanta,40,1823(1993)・. A〝α7.C九g刑.【侶SR,48,226(1993).. 40)J.Wang,R.He:Anal.Chim.Acta,276,419(1993)・. 7)M.T.Oms,R.Forteza,Ⅴ.Cerd:Anal・Chim・Acia,258, 41)K.Matsumoto,J.J.BaezaBaeza,H.A.Mottola‥Anal・. 177(1992). CJzg∽リ65,1658(1993).. 8)M.G.Angelova,A.A.Alexiev:Anal・Chim・Acia,290,363. 42)K.Matsumoto,J.J.Baeza Baeza,H.A・Mottola:Anal・. (1994).. 9)片山 淳,伊藤一男,古川幹夫,上舘民夫,渡辺寛人:日 化,1992.318. 10)S.Nakano,M.Hayashi,T.Kawashima‥Anal・Sd・,9,695. (1993).. C九g肌,65,636(1993). 43)T.Tomiyasu,H.Sakamoto,N.Yonehara:Anal・Sci・,10, 293(1994).. 44)中野恵文:ぶんせき,1993,361. 45)Ⅴ.Marco,F.Carrillo,C.Perez−−Condo,C.Cまmara‥Anal・. 11)L.Lunar,S.Rubio,D.Perez−Bendito:7bhznia,39,1163 (1992).. 12)渡辺邦洋,西森良太:分析化学,43.615(1994)・ 13)A.Alexiev,S.Rubio,M.Deyanova,A・Stoyanova,D・ Sicilia,D.Perez−Bendito:Anal・Chim・Acta・295・211 (1994).. 14)G.Lopezl:ueto,J.M.Santiago,N・Grane:7blania,39,. C鋸別.Acれ283,489(1993). 46)P.Izquierdo,A.G6mez−Hens,D・Perez−Bendito:Anal・ C鋸桝.Acれ292,133(1994). 47)G.Cortes,J.M.Estela,Ⅴ.Cerda,F.Salinas:Anal・Chim・ Acれ259,339(1992). 48)S.M.Sultan,Anal.Sci.,8,503(1992). 49)M.Carmona,M.Silva,D.Perez−Bendito:7blanhz,39,. 349(1992).. 1175(1992).. 15)C.Sinchez−Pedreao,J.A.Ortuao,A・L・Ros:Ana&st. 50)S.A.Halvatis,M.M.Timotheou−Potamia,C・E・. (London),117,1619(1992).. Efstathiou:7bhlnia,40,1213(1993).. 16)T.Tomiyasu,H.Sakamoto,N・Yonehara:Anal・Sci・,8,. 51)A.Safari,L.Fotouhi,7bhznia,41,1225(1994).. 293(1992).. 52)S.Tagashira,K.Onoue,Y.Murakami,Y・Sasaki:Anal・. 17)Z.Jiang:7blania,39,1317(1992)・. Sdリ8,307(1992).. 18)G.Zhang,D.X.Cheng,S.Feng:7blanhz,40,1041(1992)・. 53)D.Sicilia,S.Rubio,D.Perez−Bendito:Anal.Chim・Acta,. 19)Z.Jiang:Anal.Chim.Acia,260,45(1992)・. 284,149(1993).. 20)S.Nakano,M.Nozawa,M.Yanagawa,T・Kawashima:. 洪)山田真書,大戸教義,中村 基,中村 茂‥分析化学,41,257. A乃〃J.C扇刑.Acれ261,183(1992).. (1992).. 21)渡辺邦洋,背戸文子,堤あかね‥分析化学,41,37. 55)遠藤昌敏,阿部重喜:分析化学,42,611(1993)・. (1992).. 56)M.Blanco,J.Coello,H.Iturriaga,S.Maspoch,J・Riba,E・. 22)渡辺邦洋,六川和宏:分析化学,43,615(1994)・. Rovira:7bhmia,40,261(1993).. 23)J.C.Andrade,S.P.Eiras,R.E.BrunS:Anab,St(London),. 57)B.M.Quencer,S.R.Crouch:Anal.Chem.,66,458(1994)・. 118,213(1993).. 58)J.Havel,F.Jimenez,R.D.Bautista,J.J.A.Le6n:Anab,St. 24)L.Lunar,S.Rubio,D.Perez−Bendito:Anab,St(London),. (London),118,1355(1993).. ‖8,715(1993).. 59)M.J.Arrabal,P.Ⅴ.GonzAlez,C.C.G孟mez,A.S.Misiego:. 25)A.A.Ensafi,M.Saminifar:Tbhznia,40,1375(1993)・. Ana&st(London),119,1537(1994)・. 26)T.Perez−Ruiz,C.Martinez−Lozano,Ⅴ・Tomas:Anal・. 60)LdelaPe魚a,A.Gomez−Hens,D.Perez−Bendito:A乃αl・. Cあけ肌Acれ265,103(1992).. C鋸刑.Acれ283,471(1993).. 27)Z.Jian,H.Qin,D.Wu:7bhmia,39,1239(1992)・. 61)A.Velasco,X.Rui,M.Silva,D.Perez−Bendito:7bhznta,40,. 28)D.Sicilia,S.Rubio,D.PerezrBendito:Anal・Chim・Acta,. 2タ〃. 1505(1993).. (60). ぶんせき1995. 4.
(7) 62)P・Izqierdo,A・Gomez−Hens,D.Perez−Bendito:Anabt (London),118,707(1993). 63)E. mez:A.Cladera,J.M.Estela,Ⅴ.Cerda:7bhznhz,40, 1601(1993).. 66)M・L Carreto,D・Sicilia,S・Rubio,D.Perez−Bendit。: A仙止C鋸桝.Ac玖283,481(1993). 67)E・Forster,M・Silva,M・Otto,D.Perez−Bendito:AnaL C九才桝.Acね,274,109(1993).. 64)J・Havel,F.Jimenz,R.D.Bautista,J.J.A.Le6n:Anab,St (London),118,1355(1993).. 68)E・Forster,M・Silva,M・Otto,D・P6rez−Bendito:7bhmhZ,. 65)M・Blanco,J.Coello,H.Iturriaga,S.Maspoch,J.Riba:. 69)Ⅴ・Gonzalez,B.Moreno,D.Sicilia,S.Rubio,D.Perez−. A乃山.C九g桝リ66,2905(1994).. 40,855(1993).. Bendito:Anal.Chem.,65,1897(1993)..
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